JP2005208112A - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層にポリオルガノシロキサンを構成成分として含有する共重合体が分散され、かつ該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層を有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 図1
Description
感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び(3)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。さらに(3)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。
これら(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
さらに、この感光体は、具体的には高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、硬化が充分に進行しないことや、硬化物とバインダー樹脂との相溶性の問題があり、硬化時に相分離による表面凹凸が生じクリーニング不良を引き起こす傾向が見られた。
しかし、この感光層は嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、表面層の荒れや経時におけるクラックが発生しやすい場合があり、充分な耐久性を有していない。
この方法は、感光体の表面エネルギーを低減させることにより、クリーニング性や異物除去に対して効果が認められる方法ではあるが、これらのフッ素変性シリコーンオイルは保護層の形成過程で表面近傍に移行するため、繰り返し使用による表面層の極微量な摩耗によって早期にその効果が失われてしまう。従って、高耐久化に対しては充分な効果が得られていないのが実情であった。
これらを例示すると、例えば、シリコーン樹脂微粒子、フッ素含有樹脂微粒子(例えば、特許文献10参照)、メラミン樹脂微粒子(例えば、特許文献11参照)等の添加が挙げられ、そのほか、表面層にポリエチレン粉体を含有させる方法(例えば、特許文献12参照)、表面層に含フッ素樹脂粉体を含有させる方法(例えば、特許文献13参照)、表面層にシリコーン微粒子を含有させる方法(例えば、特許文献14、15参照)、また、表面層に架橋型有機微粒子を含有させる方法(例えば、特許文献16、17参照)、あるいは、表面層にメチルシロキサン樹脂微粒子を含有させる方法(例えば、特許文献18参照)等が知られている。感光体の表面層にこれらの微粒子状滑剤を分散させる方法は、効果の持続性を高める上で有効であり、前記のシリコーンオイル等の添加に比べて高耐久化に対し有効な方法であると言える。しかしながら、これらの感光体は耐摩耗性の不充分な電荷輸送層中に潤滑剤が含有されているため、初期的には各種物質の付着抑制に効果が認められるものの、その長期持続性に関しては不充分である。
以上のようなことから、これら従来技術における電荷輸送性構造を化学結合させた架橋感光層を有する感光体においても、現状では充分な総合特性を有しているとは言えない。
〔式中のR20、R21及びR22は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一又は異なる水素原子、低級アルキル基又は
基(R23及びR24は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R25は炭素数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基を表わす。)、uは10,000以下の正の整数、vは1以上の整数である〕で表わされるポリオルガノシロキサンと、下記一般式(6);
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステル10重量%以上と共重合可能な単量体90重量%以下との混合物とを、重量比5:95ないし95:5の割合で乳化グラフト共重合させてなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(12)「前記表面層に含有されるアクリル変性ポリオルガノシロキサンが、上記一般式(5)で表わされるポリオルガノシロキサンと、上記一般式(6)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物を、重量比51:49ないし95:5の割合で乳化グラフト共重合させてなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする前記第(11)項に記載の電子写真感光体」、(13)「前記表面層に含有されるアクリル変性ポリオルガノシロキサンが、上記一般式(5)で表わされるポリオルガノシロキサンと、上記一般式(6)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物とを、重量比65:35ないし95:5の割合で乳化グラフト共重合させて成るアクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする前記第(11)項に記載の電子写真感光体」、(14)「上記一般式(6)の成分として用いる(メタ)アクリル酸エステル、あるいは該(メタ)アクリル酸エステルと前記共重合可能な他の単量体の混合物のポリマー化物のガラス転移温度が20℃以上であることを特徴とする前記第(11)項乃至第(13)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(15)「アクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物が粒状に分散されていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(16)「前記感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の積層構成であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(17)「前記感光層の電荷輸送層が高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(16)項に記載の電子写真感光体」、(18)「前記高分子電荷輸送物質がトリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖に有するポリカーボネートであることを特徴とする前記第(17)項に記載の電子写真感光体」、(19)「前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)項のいずれかに記載の電子写真感光体」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(20)「前記第(1)項乃至第(19)項のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(21)「前記第(1)項乃至第(19)項のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(22)「前記第(1)項乃至第(19)項のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」によって解決される。
本発明は、上記したように、導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層に、ポリオルガノシロキサンを構成成分として含有する共重合体が分散され、かつ、該表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層を有する。これにより、耐摩耗性が高く、安定であり、かつ長期間にわたり高画質化を実現する電子写真感光体が達成されるものである。
本発明の感光体は、表面層に、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いており、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度架橋表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、架橋表面層に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。
従来の微粒子状滑剤を架橋樹脂に分散させた場合には、分散性が不充分となり、滑剤の添加効果は局所的にバラツキが生じることになるが、上記アクリル変性ポリオルガノシロキサンを使用する場合においては、超微粒子状態のままで層内に均一に分散させることが可能となることによって、感光体の全表面に対する表面エネルギー低減効果のバラツキを減少させ、該効果の均一性を高めることができ、それによって効果の安定性を大幅に向上させることが実現できる。また、前記アクリル変性ポリオルガノシロキサンは、シロキサン鎖が主鎖となりアクリル鎖が側鎖としてグラフト共重合されていることにより、架橋樹脂との相溶性を高める上でより効果的な構造を有していると考えられる。これによって分散性及び配向性のより一層の向上が実現されただけでなく、それを維持しつつシロキサンの重合比率を大幅に高めることが可能となったことが効果の安定性の向上に対し有効であったと考えられる。
その結果、感光体表面に付着する放電生成物やトナー外添剤、紙粉等の異物が付着しにくいあるいは付着しても除去しやすい効果を発揮し、さらにその効果の安定性を大幅に高めたことによって、画像ボケの抑制だけでなく、転写効率の向上、クリーニング性の向上、フィルミングや異物付着による異常画像の抑制、耐摩耗性の向上等が実現され、高耐久化及び高画質化に対して多くの効果を併せ持っている。
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表わされる官能基が挙げられる。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なっても良い。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)アルキル基;
好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR2);
(式中、R2は(2)で定義したアルキル基を表わす。)
具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基;
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基;
具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)以下の式で表わされる置換基;
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ基、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ基、若しくはジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール基等から誘導される、ジまたはポリ(オキシアルキレン)オキシ基が挙げられ、アルキレンエーテル基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基としては、以下の一般式で表わされる置換基が挙げられる。
前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、アルキレンオキシカルボニル基を表わす。
置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
また、本発明の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として更に好ましくは、下記一般式(3)の構造の化合物が挙げられる。
上記一般式(3)で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本発明で用いる上記一般式(1)及び(2)、特に(3)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本発明の1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下に制限される。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
このアクリル変性ポリオルガノシロキサンは、以下の一般式(5)
〔式中、R20、R21及びR22は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一又は異なる水素原子、低級アルキル基又は
基(式中、R23及びR24は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R25は炭素数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基を表す。)、uは10,000以下の正の整数、vは1以上の整数を表わす。〕で表わされるポリオルガノシロキサンと、下記一般式(6)
(式中、R26は水素原子又はメチル基、R27はアルキル基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表わす。)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル及び所望に応じて用いられる共重合可能な単量体を、乳化重合法によりグラフト重合させることにより製造される。
で示されるトリオルガノシリル基であり、このトリオルガノシリル基におけるR23及びR24は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R25は炭素数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基である。該トリオルガノシリル基における炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基及びラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基としては、前記に例示したものを挙げることができる。該Z1とZ2は、それぞれ同一であってもよいし、互いに異なるものであってもよい。さらに、uは10,000以下の正の整数、好ましくは500〜8,000の範囲の整数であり、vは1以上の整数、好ましくは1〜500の範囲の整数である。
なおアクリル変性ポリオルガノシロキサンの製造に関しては、特公平7−5808号公報(日信化学工業株式会社)に詳細に記載されている。
例えば、日信化学工業(株)のシャリーヌR−170S、R−170、NR−150、NR−130、R−210と信越化学工業(株)のX−22−8084、X−22−8171等という商品名で市販されているものが挙げられる。
このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
硬化し、作製された表面架橋層は、有機溶媒に対して、不溶であることが好ましい。硬化が充分でない膜は、有機溶媒に対して、可溶であり、且つ架橋密度が低いため、機械的耐久性も低くなる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、例えば700mW/cm2のUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、ドラムを回転して全ての面を均一に200秒程度照射すればよい。このときドラム温度は50℃を越えないように制御する。
熱硬化の場合、加熱温度は100〜170℃が好ましく、例えば加熱手段として送風型オーブンを用い、加熱温度を150℃に設定した場合、加熱時間は20分〜3時間である。
硬化終了後は、残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明の感光体を得る。
<電子写真感光体の層構造について>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造の感光体である。図1(A)は感光層全体を架橋硬化することにより架橋表面層を形成した場合を示し、図1(B)は、架橋表面層を感光層の表面部分に設けた場合を示す。
図2は、導電性支持体上に、電荷発生機能を有する電荷発生層と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層とが積層された積層構造の感光体を示す。図2(A)は、電荷輸送層全体を架橋硬化し架橋表面層とした場合であり、図2(B)は、電荷輸送層の表面部分に架橋表面層を設けた場合を示す。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明のラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物;以下同じ)とアクリル変性ポリオルガノシロキサンを含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
また、架橋表面層が電荷輸送層の表面部分に形成され、電荷輸送層が積層構造である場合、電荷輸送層の下層部分は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成し、この上に上記本発明のラジカル重合性組成物とアクリル変性ポリオルガノシロキサンを含有する塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層の下層部分の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。
電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
電荷輸送層の下層部分の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、電荷発生層上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
本発明の感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層への下層成分混入を抑える又は下層との接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する最表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と表面架橋層の接着性を向上させることも可能である。
中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置においては、平滑な電荷輸送性架橋表面層を有する感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングプロセスを伴うが、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法あるいは装置においては、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
次に、均一に帯電された感光体(1)上に静電潜像を形成するために画像露光部(5)が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体(1)上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット(6)が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体(9)上に転写するために転写チャージャ(10)が用いられる。また、転写をより良好に行なうために転写前チャージャ(7)を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体(9)を感光体(1)より分離する手段として分離チャージャ(11)、分離爪(12)が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ(11)としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ(14)、クリーニングブレード(15)が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ(13)を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ(2)、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図4に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
本発明は、高分子電荷輸送層及び架橋表面層を有した感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
実施例1
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
・下引き層用塗工液
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン(CR−EL:石原産業) 40部
メチルエチルケトン 50部
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
・電荷発生層用塗工液
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
・電荷輸送層用塗工液
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
電荷輸送層上に下記構成の架橋表面層塗工液を用いて、スプレー塗工し、メタルハライドランプ、照射強度:700mW/cm2、照射時間:20秒の条件で光照射を行ない、更に130℃で30分乾燥を加え4.0μmの架橋表面層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
・架橋表面層塗工液
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(例示化合物No.54)
光重合開始剤 2部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
精製したアクリル変性ポリオルガノシロキサン 2部
(シャリーヌR―170S、日信化学工業株式会社製)
テトラヒドロフラン 100部
実施例1の架橋表面層塗工液材料のアクリル変性ポリオルガノシロキサンとしてシャリーヌR−170(日信化学工業株式会社製)を用いること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚を4.0μmとした。
実施例1の架橋表面層塗工液材料のアクリル変性ポリオルガノシロキサンとしてシャリーヌR−210(日信化学工業株式会社製)を用いること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.5μmとした
実施例1の架橋表面層塗工液中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として例示化合物NO.182を用いたこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
実施例1の架橋表面層塗工液中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として例示化合物NO.364を用いたこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
実施例1の架橋表面層塗工液中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として例示化合物NO.1を用いたこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
実施例1の架橋表面層塗工液中の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として例示化合物NO.53を用いたこと以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
実施例1の電荷輸送層用塗工液を下記構成とすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作成した。
下記構造の高分子電荷輸送物質 20部
(重量平均分子量:120000)
実施例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに変えた以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。膜厚は4.0μmとした。
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−60、日本化薬製)
分子量:1263、官能基数:6官能、分子量/官能基数=211
実施例1〜9の感光体の架橋表面層切片をルテニウム酸蒸気で染色して、透過型電子顕微鏡(H−9000NAR)によりモルフォロジーを観察した。
いずれも架橋表面層のマトリックス相に、平均粒径0.2〜0.4μmのアクリル変性ポリオルガノシロキサン分散相が均一に分布されているいわゆるミクロ相分離構造を呈することが分かる。
実施例1において架橋表面層塗工液に含有されたアクリル変性ポリオルガノシロキサンを無添加とした以外は全て実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1の架橋表面層用塗工液中に電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを含有させず、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を18部に変えた以外は全て実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1の架橋表面層用塗工液中に電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有させず、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を18部に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
実施例1の架橋表面層用塗工液中に電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の代わりに電荷輸送層用塗工液に用いられている低分子電荷輸送材料にすること以外は全て実施例1と同じにして電子写真感光体を作製した。
実施例1において、アクリル変性ポリオルガノシロキサンを、ポリシロキサン微粒子(トレフィルR−902A東レシリコン社製)に代えたほかは、実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。
実施例1において、アクリル変性ポリオルガノシロキサンを、四フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)に代えたほかは、実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。
作製した電子写真感光体を、リコー製imagio MF2200改造機(画像露光光源として655nmの半導体レーザー)を用いて、15万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製MyPaper、スタート時帯電電位−700V)を実施し、摩耗特性、機内電位、画像評価を行なった。結果を表6〜8に示す。
比較例2は架橋表面層が成膜直後から、多数のクラックが発生しており、全面にスジ状画像が発生した。
比較例3、6は初期より露光部電位が大きく、画像濃度低下が見られた。
比較例4は反応性を有しない低分子電荷輸送材料を架橋膜に含有するので、摩耗量が大きかった。
比較例5は良く使われている潤滑剤のポリシロキサン微粒子を架橋膜に添加したが、該微粒子と架橋膜樹脂の間に相溶性が欠けるので、クリーニング不良が発生し、5万枚通紙試験でスジ画像が全面に発生し、画像濃度も低下した。
これに対し、実施例1〜9においては、耐摩耗性は極めて高く、スジ画像の発生、クラックの発生も全く見られず、また、画像濃度の低下も極めて効果的に抑制している。
したがって、本発明の該感光層の表面層にポリオルガノシロキサンを主成分とする共重合体が分散され、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層とすることにより、良好な画像を長期間維持できる長寿命で且つ高性能な感光体を提供できることが判明した。また併せて、本発明の感光体を用いた画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが判明した。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (22)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光層の表面層にポリオルガノシロキサンを構成成分として含有する共重合体が分散され、かつ該表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層を有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられている電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、1官能であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記最表面層に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)又は(2)の一種以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に含有される、ポリオルガノシロキサンを共重合体成分として含有する共重合体が、アクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に含有されるアクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物が、シリコーン主鎖にアクリル重合体をグラフト化させた化合物であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に含有されるアクリル変性ポリオルガノシロキサンが、下記一般式(5)
〔式中のR20、R21及びR22は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、Yはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基、Z1及びZ2は、それぞれ同一又は異なる水素原子、低級アルキル基又は
基(R23及びR24は、それぞれ同一又は異なる炭素数1〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基、R25は炭素数1〜20の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基、あるいはラジカル反応性基又はSH基もしくはその両方をもつ有機基を表わす。)、uは10,000以下の正の整数、vは1以上の整数である〕で表わされるポリオルガノシロキサンと、下記一般式(6)
(式中のR26は水素原子又はメチル基、R27はアルキル基、アルコキシ置換アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表わす。)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステル10重量%以上と共重合可能な単量体90重量%以下との混合物とを、重量比5:95ないし95:5の割合で乳化グラフト共重合させてなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 前記表面層に含有されるアクリル変性ポリオルガノシロキサンが、上記一般式(5)で表わされるポリオルガノシロキサンと、上記一般式(6)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物を、重量比51:49ないし95:5の割合で乳化グラフト共重合させてなるアクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層に含有されるアクリル変性ポリオルガノシロキサンが、上記一般式(5)で表わされるポリオルガノシロキサンと、上記一般式(6)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル、又はこの(メタ)アクリル酸エステル70重量%以上と共重合可能な単量体30重量%以下との混合物とを、重量比65:35ないし95:5の割合で乳化グラフト共重合させて成るアクリル変性ポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
- 上記一般式(6)の成分として用いる(メタ)アクリル酸エステル、あるいは該(メタ)アクリル酸エステルと前記共重合可能な他の単量体の混合物のポリマー化物のガラス転移温度が20℃以上であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の電子写真感光体。
- アクリル変性ポリオルガノシロキサン化合物が粒状に分散されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が支持体側から電荷発生層、電荷輸送層、表面層の積層構成であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層の電荷輸送層が高分子電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項16に記載の電子写真感光体。
- 前記高分子電荷輸送物質がトリアリールアミン構造を主鎖又は側鎖に有するポリカーボネートであることを特徴とする請求項17に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の硬化手段が加熱又は光エネルギー照射手段であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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