JP2001020487A - 建築物又は構築物表面仕上用塗装材 - Google Patents

建築物又は構築物表面仕上用塗装材

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JP2001020487A
JP2001020487A JP11196549A JP19654999A JP2001020487A JP 2001020487 A JP2001020487 A JP 2001020487A JP 11196549 A JP11196549 A JP 11196549A JP 19654999 A JP19654999 A JP 19654999A JP 2001020487 A JP2001020487 A JP 2001020487A
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coating material
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finishing
synthetic resin
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Hisashi Takii
尚志 滝井
Shigenori Toda
重憲 戸田
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YAMAMOTO YOGYO KAKO KK
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YAMAMOTO YOGYO KAKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化され、しかも粘度変化などの保存安定
性に優れ、塗材の滑りがよく塗装作業性が良好で、断熱
性が改良された塗膜が形成し得る建築物又は構築物表面
仕上用塗装材を提供する。 【解決手段】 合成樹脂エマルションとしてアクリル樹
脂エマルション(旭化成工業株式会社製“ポリトロンE
300”)2000ml(このうち樹脂固形分は49重
量%、樹脂固形分の比重1.0)を用い、これに軽量骨
材として太平洋セメント株式会社製“E−SPHERE
S”の品番“SLG”(粒径20〜300μm、比重
0.7)6500mlを添加・混合して、建築物又は構
築物表面仕上用塗装材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内外装壁
面或は床面などの建築物表面、あるいは構築物の表面装
飾仕上用塗装材に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂エマルションと天然石粉末など
の骨材とを含む塗装材を合成繊維やガラス繊維あるいは
その他の無機繊維からなる寒冷紗や不織布その他の布帛
類などの上に吹き付けガンなどで吹き付けて塗布し、天
然石調の表面装飾材を形成する技術は近年極めて普及し
てきており、これらの装飾材は建築物の内外装壁面或は
床面や構築物の表面の装飾用など建築物、構築物の表面
仕上用シートとして用いられている(特開平4−761
51号、特開平3−279561号)。
【0003】これらの合成樹脂エマルションと骨材を含
む塗装材を直接建築物の内外装壁面或は床面や構築物の
表面に吹き付けガンなどで吹き付けて塗布し、乾燥して
各種天然石調模様や土壁状や砂壁状に仕上げる建築物や
構築物の表面装飾仕上法も普及している。
【0004】また、表面仕上用装飾シートは、天然石調
の重厚な外観を容易に発揮でき、天然石に比べて軽く、
基材が布帛類など可撓性を有する場合には、表面仕上用
装飾シートも可撓性を有するため、曲面への施工も可能
であり、建築物壁面や床面構築物表面などに接着して建
築物や構築物の内外装用装飾シートとして近年広く普及
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの塗装材は塗装
作業効率のよい吹付けガンを用いエアーコンプレッサー
からの圧搾空気で吹付けて塗布する方法が作業効率の観
点から工業的には広く用いられており、刷毛塗り、鏝塗
りなどの方法はやや塗装作業効率が低いため、やや小さ
目の面積を施工する場合とか、修理、補修の場合とかに
用いられ、一般には装飾シートの工場での大量生産や、
ビルなどの大面積塗装の場合には、吹付けガンによる塗
装が好んで採用されている。
【0006】ところで、これらの合成建築材料は、天然
石そのものに比べては比重が小さく天然石を取り扱う場
合より作業は楽であるが、天然石粉、硅砂、陶磁器粉、
ガラス粉などの無機骨材をかなりの割合で含んでおり、
無機骨材は比重が大きいので、(例えば比重2.3〜
1.4のものが比較的多く使われている。)重量割合に
すると、例えば通常、骨材100重量部に対して、前記
合成樹脂エマルションがその固形分換算で5〜20重量
部程度の比率で骨材が含まれている。したがって、塗装
材の比重も比較的大きく、例えば石油缶(18リッター
缶)などの容器にいっぱいに満たされた塗装材の持ち運
びなどの負担が大きくなる。また、あらかじめ工場内で
製造された適宜の基材上に塗装材を吹付けて乾燥して得
られたシートを建築物壁面に貼り付けたり、あるいは直
接建築物壁面に塗装材を吹付ける場合でも高所作業など
重いのでその分、作業がしにくくなるし、シート状物に
した場合に重さが重いと、壁面などに貼り付ける施工を
する場合に接着剤が固化して接着が完了するまでの間の
押さえをより強化しておかないとずり落ちてきたり、剥
がれてしまう。
【0007】しかも、刷毛塗りや、鏝塗り、ローラーに
よる塗布などの若干作業効率の悪い塗布方法を採用する
場合は次の点に関してはあまり問題はないが、吹付けガ
ンなどを用いて吹付け塗装する場合には、塗装材の比重
が比較的大きいためか、例えば吹付けガンなどの吹付け
器ノズルから勢いよく噴出された塗装材は飛散が大きい
ばかりでなく、塗装対象物表面に激突する衝撃が大きい
ため、その表面で跳ね返りによる飛散ロスが大きく歩留
まりが悪くなると言う問題もある。また、例えば塗材を
ある大きさの玉状に吹付けガンから吐出させて吹付ける
(いわゆる玉吹きと言われる)場合に、砂をばら撒いた
時の状態の様に分散してしまい斑が発生しやすいとか、
また、玉吹きの際の玉の大きさが制御しにくいなどの問
題もある。更に、近年、環境保全の高まりに伴って、省
資源の要求が高まってきている。そこで上記のような塗
装材から形成される塗装膜にも断熱性が付与されれば、
冷暖房の費用も節約され、省資源、地球環境の保全の上
でも好ましいが、従来から用いられてきている天然石粉
などの骨材を用いた塗装材では、断熱性の改良効果に考
慮が払われていない。
【0008】本発明者の検討により、これらの問題は、
従来の比重の大きい骨材の全部又は一部を軽量骨材と置
き換えるか、前記軽量骨材とともにいわゆる軽量化材を
更に添加することによって、改良できることを見出し
た。
【0009】ところで、軽量骨材として、無機物発泡体
(例えばパーライトなど)、有機物発泡体(例えばポリ
スチレンフォーム粉砕物など)、ガラスバルーン、シラ
スバルーンなどを上記のような合成樹脂エマルションを
含んだ建築物又は構築物表面仕上用塗装材として用いる
と、吸水率が大きく、合成樹脂エマルションと混合する
と水分を吸収してしまい、塗装材の粘度が上昇し、場合
によってはかなり短時間で粘度が上昇してしまい、保存
安定性が低下すると言う問題が生じ、仮に、粘度に注意
しながら使用しても、塗装後、塗膜を乾燥するのに時間
がかかると言う問題が生じることが分かった。
【0010】本発明は、これらの問題点を解決し、天然
石調や土壁状、砂壁状などの重厚な外観を付与でき、塗
装材を軽量化しその取り扱い作業性を良好にし、塗装材
の粘度変化などの保存安定性に優れ、吹付け塗装、鏝塗
り、刷毛塗り、ローラー塗りなどの作業性が良好で、断
熱性塗膜が形成できる建築物又は構築物表面仕上用塗装
材を提供することを目的とするものである。また、本発
明の軽量化材を更に添加した態様においては、上記の目
的に加えて、吹付け塗装の際に、塗装材の飛散や跳ね返
りによる飛散が少なく、効率よく塗装対象物表面に付着
し、玉吹きがしやすく、玉吹きの際の玉の大きさのコン
トロールもしやすく、より比重が小さく軽量化されてい
るので作業性も改善し得る建築物又は構築物表面仕上用
塗装材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次の様な建築物又は構築物表面仕上用塗装
材を提供するものである。
【0012】(1)合成樹脂エマルション中に軽量骨材
又は軽量骨材と骨材とが分散されてなる建築物又は構築
物の表面仕上用塗装材であって、軽量骨材と骨材の合計
体積100体積部に対し、合成樹脂エマルションの固形
分が5〜50体積部であり、軽量骨材と骨材の割合が、
軽量骨材が20〜100体積%、骨材が0〜80体積%
であり、且つ、前記軽量骨材が、吸水率0.5重量%以
下のセラミック製中空微小球状物からなる軽量骨材であ
ることを特徴とする建築物又は構築物の表面仕上用塗装
材。
【0013】(2)軽量骨材の粒径が、10〜500μ
mである前記(1)項に記載の建築物又は構築物表面仕
上用塗装材。
【0014】(3)軽量骨材の比重が0.5〜0.8で
ある前記(1)項又は(2)項のいずれかに記載の建築
物又は構築物表面仕上用塗装材。
【0015】(4)更に、粒子状の軽量化材が、合成樹
脂エマルションの固形分重量に対し、0.05〜2重量
%含有されている前記(1)〜(3)項のいずれかに記
載の建築物又は構築物表面仕上用塗装材。
【0016】(5)軽量化材が、合成樹脂製中空微小球
状物である前記(4)項に記載の建築物又は構築物表面
仕上用塗装材。
【0017】(6)軽量化材の粒径が30〜100μm
である前記(4)〜(5)項のいずれかに記載の建築物
又は構築物表面仕上用塗装材。
【0018】(7)軽量化材の比重が0.02〜0.0
5である前記(4)〜(6)項のいずれかに記載の建築
物又は構築物表面仕上用塗装材。
【0019】(8)骨材が、粒径0.01〜3mmの骨
材である前記(1)〜(7)項のいずれかに記載の建築
物又は構築物表面仕上用塗装材。
【0020】(9)骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、
ガラス粉からなる群から選ばれた骨材である前記(1)
〜(8)項のいずれかに記載の建築物又は構築物表面仕
上用塗装材。
【0021】(10)合成樹脂エマルションがアクリル
系合成樹脂エマルションである前記(1)〜(9)項の
いずれかに記載の建築物又は構築物表面仕上用塗装材。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の塗装材に用いる合成樹脂
エマルションとしては、特に限定するものではないが、
好ましくは、乾燥後の性質として耐候性、対アルカリ
性、耐水性、接着性、柔軟性、耐吸水性等を満足する合
成樹脂エマルションが好ましく、例えばアクリル系樹脂
エマルション(アクリル樹脂エマルションはもとより、
アクリル−ウレタン樹脂エマルション、アクリル−シリ
コーン樹脂エマルション、アクリル−フッ素樹脂エマル
ションも含む)、酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化
ビニル系樹脂エマルション、ウレタン系樹脂エマルショ
ン等が挙げられる。中でもアクリル系樹脂エマルション
が比較的安価なわりには、耐候性の点で優れており建築
物の内外装壁面或は床面などの建築物や構築物の表面装
飾仕上に適用した場合など長期の耐久性を有し好まし
い。
【0023】合成樹脂エマルション中(軽量骨材、骨
材、軽量化材、雲母などを含めていない重量で)の、合
成樹脂成分の含有割合は、特に限定するものではない
が、固形分にして40〜60重量%の合成樹脂エマルシ
ョンが好ましく用いられる。あまりに合成樹脂成分含有
量が少なくなりすぎると、水分などが多くなるので塗装
材の固形分濃度が低下し塗膜にひび割れが発生しやすく
なったり、それだけ輸送の効率が低下する傾向になり、
あまりに合成樹脂成分含有量が多くなりすぎると、軽量
骨材や骨材との混和安定性が悪くなる傾向になる。
【0024】本発明の塗装材に用いる軽量骨材は、吸水
率0.5重量%以下のセラミック製中空微小球状物から
なる軽量骨材であることが必要である。セラミック製で
あるので、寒水石などの大理石粉や御影石粉その他の天
然石粉、硅砂、ガラス粉、陶磁器粉などの従来から用い
られている骨材と同様に合成樹脂エマルションとの混和
安定性が良く、吸湿による塗装材の粘度の上昇などの影
響が少なく長期間良好な品質を保った塗装材を提供でき
る。しかも、塗装した際の塗装膜の乾燥時間も従来の骨
材入りの塗装材と大差のないものとすることができる。
【0025】本発明の塗装材において、軽量骨材の使用
量又は、軽量骨材と骨材の併用の場合はその合計の使用
量は、軽量骨材と骨材の合計体積100体積部に対し、
合成樹脂エマルションの固形分が5〜50体積部である
ことが必要である。なお、合成樹脂エマルションの固形
分とは、前記本発明の塗装材を調整する前の軽量骨材や
骨材など合成樹脂エマルションに後から添加する成分を
含めない状態、すなわち合成樹脂エマルションそのもの
の固形分を意味し、通常は樹脂固形分が主体でそれと若
干の合成樹脂エマルションに元から含まれている添加剤
などで固形分となるものを意味している。
【0026】合成樹脂エマルションの固形分が5体積部
より少なくなると、バインダー成分である合成樹脂成分
が少なすぎて、塗装膜の強度が低下し好ましくない。ま
た、合成樹脂エマルションの固形分が50体積部より多
くなると、骨材や軽量骨材の割合が少なくなるので、塗
装膜乾燥時に塗装膜の収縮が大きくなり、厚く塗布した
場合にひび割れが生じ易く好ましくないし、また、相対
的に骨材や軽量骨材の割合が少なくなるので、土壁状、
砂壁状、天然石調などの優美で重厚な塗装膜が形成しに
くくなり、好ましくない。
【0027】尚、本発明の塗装材においては、骨材類と
しては、軽量骨材単独で用いても良く、軽量骨材と骨材
を併用して用いてもよい。この場合、本発明において
は、軽量骨材と骨材の割合は、軽量骨材が20〜100
体積%、骨材が0〜80体積%の割合であることが必要
であり、軽量骨材の使用比率を20体積%より少なくし
て、その分、従来から用いられている天然石粉などの骨
材を用いた場合には、軽量化の効果が達成できず、塗装
膜の断熱性改良効果も十分でなく好ましくない。
【0028】本発明の塗装材に用いられる中空微小球状
物からなる軽量骨材としては、特に限定するものではな
いが、比重が0.5〜0.8程度の範囲のものが好まし
く、あまりに比重が小さくなり過ぎると、塗装膜の強度
が低下したり、軽量骨材の強度が小さくなりすぎて合成
樹脂エマルションに混合しにくくなる傾向になり、あま
りに比重が大きくなり過ぎると、軽量化の効果が達成さ
れにくくなる傾向になり、また、断熱効果も低下する傾
向になる。
【0029】また、軽量骨材の粒径も、特に限定するも
のではないが、10〜500μmのものが好適である。
軽量骨材の粒径があまりに小さすぎると、塗装膜の骨材
発色による隠蔽力が大きくなりすぎて、いわゆる顔料入
りのペイントの如き塗料に近い性質になり、塗装膜の深
みのある色調が出しにくくなる傾向になり、合成樹脂エ
マルションへの混合作業などの際に取り扱いにくくな
り、断熱性の効果も低下する傾向にある。また、軽量骨
材の粒径があまりに大きすぎると、軽量骨材が塗装材調
整中の攪拌などによって壊れる傾向にあり、塗装材の軽
量化が低下する傾向になる。また、得られる塗装膜の強
度も低下する傾向にある。
【0030】軽量骨材としては、素材そのままの色のも
のや、人工的に着色されているものなど、適宜必要に応
じて用いることができる。
【0031】本発明の塗装材に用いられる吸水率が0.
5重量%以下のセラミック製中空微小球状物からなる軽
量骨材の具体例としては、例えば、太平洋セメント株式
会社製の製品“E−SPHERES”の品番“SL
G”、“SL350”、“SL300”、“SL18
0”、“SL150”、“SL125”、“SL7
5”、“BLF”、“BL200”、“BL150”、
“BL100”、“BL75”、“BL50”などが挙
げられる。これらは酸化珪素と酸化アルミニウムと酸化
第2鉄と酸化カルシウムと酸化チタンを含有するセラミ
ック製中空微小球状物であるが、吸水率が0.5重量%
以下のセラミック製中空微小球状物からなる軽量骨材で
あれば、特に上記のもののみに限定されるものではな
い。
【0032】本発明の塗装材には、従来から使用されて
いる寒水石などの大理石粉や御影石粉その他の天然石
粉、硅砂、ガラス粉、陶磁器粉(いずれも着色されたも
のも含む)などの無機骨材を併用してもよい(本発明で
単に骨材と言えば、中空微小球状物ではない、上述した
ような、従来から用いられている骨材を意味する。)通
常これらの骨材の比重は1.0〜2.7程度であるの
で、これらの骨材をあまり多く使用すると、本発明の目
的、効果が達成されなくなる。したがってこれら従来の
骨材の使用割合は、前述したように軽量骨材と骨材の合
計体積に対し、骨材が0〜80体積%、すなわち80体
積%以下の割合にすべきである。
【0033】このように必要に応じて添加してもよい骨
材の素材としては、前述したような寒水石などの大理石
粉や御影石粉その他の天然石粉、硅砂、ガラス粉、陶磁
器粉(いずれも着色されたものも含む)などの無機骨材
が挙げられる。勿論これらを2種以上併用したり、異な
る色調の骨材を併用してもよい。骨材の大きさは特に限
定するものではないが、粒径(その粒子の長径すなわち
最大径部分)は通常0.01mm〜3mm程度のものが
好ましく用いられる。
【0034】更に、本発明の塗装材には、吹付け塗装の
際に、塗装材の飛散や跳ね返りによる飛散が少なく、効
率よく塗装対象物表面に付着させることが出来、玉吹き
がしやすく、玉吹きの際の玉の大きさのコントロールも
しやすく、より比重が小さく軽量化させて、運搬や施工
作業性をも改善するために、必要に応じて粒子状の軽量
化材を添加することも好ましい。
【0035】粒子状の軽量化材は、軽量骨材と異なり、
骨材としての性能を実質上有しておらず、軽量骨材や骨
材を使用せずに軽量化材のみの添加では、塗装膜に重厚
性、土壁状の優美さが付与されず、天然石調や土壁状あ
るいは砂壁状の装飾塗材層を形成できないので、本発明
において軽量化材は、軽量骨材あるいは軽量骨材及び骨
材と併用する必要がある。軽量化材を更に添加する場合
には、合成樹脂エマルションの固形分重量(軽量骨材や
骨材を添加していない時の固形分重量を意味し、実質上
樹脂成分の重量)に対し、0.05〜2重量%の範囲が
好ましい。
【0036】軽量化材の使用量があまりに少なすぎる場
合には、吹付け塗装の際に、塗装材の飛散や跳ね返りに
よる飛散が少なく、効率よく塗装対象物表面に付着し、
玉吹きがしやすく、玉吹きの際の玉の大きさのコントロ
ールもしやすくすることができ、また、塗装材ないし塗
装膜がより軽量化できると言う軽量化材添加の効果が十
分発揮されにくい傾向にあり、軽量化材の使用量があま
りに多すぎる場合には、軽量化材を合成樹脂エマルショ
ンと混合する際に、空気の泡が同時にかなり多量に混入
されやすくなり、塗装材自体が泡状になったり、塗布・
乾燥して得られた塗装材層の強度もかなり低下する傾向
になる。軽量化材は比重が一般に極めて小さいので、重
量において添加量が小さい数値であっても、これを体積
での添加量に換算するとかなり多量に添加していること
になるからである。
【0037】本発明の塗装材に必要に応じて添加される
粒子状の軽量化材としては、特に限定するものではない
が、比重が0.02〜0.05程度の範囲のものが好ま
しく、あまりに比重が小さくなり過ぎると、合成樹脂エ
マルションに混合しにくくなる傾向になり、あまりに比
重が大きくなり過ぎると、前述の効果や軽量化の効果が
達成されにくくなる傾向になる。
【0038】また、軽量化材の粒径も、特に限定するも
のではないが、30〜100μmのものが好適である。
軽量化材の粒径があまりに小さすぎると、取り扱いにく
くなり、また、軽量化材の粒径があまりに大きすぎる
と、軽量化材が塗装材調整中の攪拌などによって壊れや
すくなる傾向になる。
【0039】本発明の塗装材に必要に応じて添加される
粒子状の軽量化材としては、例えば合成樹脂からなる微
細な中空の球状物(合成樹脂製中空微小球状物)が好ま
しく用いられ、これらの具体例としては、例えば“EX
PANCEL”(アクゾーノーベル社製:発泡剤を内包
した塩化ビニリデン−アクリロニトリルコーポリマーの
核を発泡したもの)、“マツモトマイクロスフェアー”
F−30EやMFL(松本油脂製薬株式会社製:高分子
中空微小球コンポジットフィラーで発泡剤を内包した塩
化ビニリデン−アクリロニトリルコーポリマーの核を発
泡したもの、またはその表面を不活性無機粉体でコーテ
ィングしたハイブリッド中空微小球)などの合成樹脂製
中空微小球状物などが挙げられる。
【0040】また、本発明の塗装材には、更に必要に応
じて独特の風合を出すために、別途、1色または2色以
上の着色薄片状合成樹脂フレークを添加してもよい。
【0041】着色薄片状合成樹脂フレークとしては、公
知の各種のものを用いることができる。その内でも不定
形で柔軟な着色薄片状樹脂フレークを用いることが好ま
しい。
【0042】前記薄片状不定形柔軟樹脂フレークの厚み
は、平均厚みで好ましくは1mm以下、特に0.2〜
0.9mm程度が、吹付けガンなどで吹付けて塗布する
場合においても、容易に吹付けガンのノズルを通り、極
めて柔軟なので、塗布された後もフレーク末端が塗装面
から跳ね上がるなどの現象もなく好ましい。
【0043】また、更に必要に応じて独特の風合を出す
ために、本発明の塗装材には、別途、雲母や着色雲母な
どで代表されるマイカ薄片を加えてもよい。合成樹脂エ
マルションの固形分とマイカ薄片の割合は、マイカ薄片
1重量部に対して合成樹脂エマルションの固形分5〜1
00重量部の割合が好ましい。
【0044】また、本発明の塗装材には、更に必要に応
じて水系塗料を添加して着色したり、前述した着色骨材
を併用して多彩色にしても良い。
【0045】また、本発明の塗装材には、更に必要に応
じて充填材、造膜助剤、増粘剤、消泡剤、pH調整剤な
どを加えたり、粘度を調整するために水などや適宜の溶
剤などを加えてもよい。
【0046】増粘剤としては例えばメチルセルロース系
のもの(たとえば“ハイメトローズ90SH−3000
0”、信越化学(株)社製)、造膜助剤としては例えば
ブチルカルビトールアセテートなど、消泡剤としては例
えば“ノプコサントNXZ”(サンノプコサン(株)社
製)など、pH調整剤としては濃アンモニア水などが好
適に用いられるが、これらのみに限定されるものではな
い。
【0047】本発明の塗装材は、軽量骨材の形状が球状
であるので、塗装材の滑りがよく、吹付け塗装、鏝塗
り、刷毛塗り、ローラー塗りなどの作業性を良好にする
ことが出来、好ましい。
【0048】本発明の塗装材を塗装作業効率が良い吹付
けによって塗装対象物に塗装する場合、吹付けに用いる
器具としては特に限定するものではないが、最も通常に
用いられているものが吹付けガンであり、吹付けガンの
構造は、特に限定するものではないが、吹付けノズル孔
の中心に対応する位置で吹付けノズル孔の開口部より少
しひっこんだ位置にそれより小さい径を有する圧搾空気
噴出用ノズルが内蔵されており、この圧搾空気噴出用ノ
ズルから圧搾空気を噴出することにより、このまわりか
ら供給される塗装材を噴出して塗装対象物に勢い良く吹
付けて塗装する機構を有している。圧搾空気噴出用ノズ
ルの開口部の位置を前後させることにより噴射径の大き
さが調整できるようになっているものが一般的に用いら
れている。
【0049】本発明は、例えば上述したような吹付けガ
ンなどの吹付け器具により対象物に吹付けて塗布する場
合にも、球状の軽量骨材を含んでいるので、塗材の滑り
がよく、吹付けガンのノズルからスムースに吐出され
る。そして、特にこのような吹付けガンなどを用いる吹
付けによる塗布の場合には、塗装材中に前述したように
更に軽量化材を含んでいると、一層の軽量化はもとよ
り、次のような吹付け塗装用の塗装材とした場合のメリ
ットも発揮される。
【0050】すなわち従来の合成樹脂エマルションと骨
材からなる軽量化材を含んでいない塗装材は、塗装材の
比重が比較的大きいためか、例えば建築物壁面に現場に
吹付け作業を行うと、吹付けガンなどの吹付け器ノズル
から勢いよく噴出された塗装材は飛散が大きいばかりで
なく、塗装対象物表面に激突する衝撃が大きいため、そ
の表面で跳ね返りによる飛散したものが落下して塗装対
象物表面に付着せずにロスとなる割合が大きく歩留まり
が悪いと言う問題があったが、軽量化材を添加すること
により、塗装対象物表面に激突する衝撃が小さくなり、
その表面で跳ね返りによる飛散も少なく跳ね返らずに付
着すると言う優れた性能を付与でき、また、対象物表面
に到達するまでの飛散によるロスも少なく、ロスとなる
割合を小さくすることができると言うメリットが達成で
きる。本発明の如く、軽量骨材入りの塗装材において
も、軽量化材を添加することにより、上記のような改良
効果を達成できる。
【0051】また、従来の合成樹脂エマルションと骨材
からなる塗装材で軽量化材を含んでいない塗装材は、例
えばある大きさに玉吹きする場合に、骨材が飛散しやす
く、玉状になりにくい(塗装された部分において、玉状
塗膜部分の比較的骨材の粒度が大きい場合に特に飛散が
大きく、玉吹きに斑が発生する)。また、任意の大きさ
の玉吹きが容易にできないなどの問題があるが、軽量化
材を添加することにより、玉吹きがしやすく、玉吹きの
際の玉の大きさのコントロールも例えば吹付けガンでは
前述した圧搾空気噴出用ノズルの開口部の位置を前後さ
せることにより容易にコントロールできる。従って吹付
けにより所望の多色模様を形成する場合などコントロー
ルしやすい吹付け塗装材とすることができる。本発明の
如く、軽量骨材入りの塗装材においても、軽量化材を添
加することにより、上記のような改良効果を達成でき
る。
【0052】更にはまた、鏝による塗布を行う場合、従
来の塗装材では鏝にくっつきやすく作業しにくかった
が、軽量骨材の添加により、作業性が改善された。
【0053】本発明の塗装材はその塗装の対象物とし
て、建築物や構築物の表面、例えば、建築物内外装壁面
や天井、床面、支柱の表面、塀の表面、宅地造成の法
面、建築物用擁壁、高架道路や橋梁などの壁面や脚柱の
外装、横断歩道橋の外壁、土石止めの法面、護岸壁、護
岸階段、トンネルなどの出入口などの表面仕上げ用とし
て、これらの建築物や構築物の表面にその現場にて直接
塗装する場合のみならず、不織布、寒冷紗、ガラス繊維
からなる布帛その他の布帛類、木材板、金属板、スレー
ト、石膏ボード、セメント板、セラミック板、各種合成
樹脂発泡体(好ましくは、合成樹脂成分が前記無機物粉
末のバインダー成分として配合された素材からなる発泡
体)、などの適宜のシート状基材の表面に塗布して、そ
の表面に天然石調、土壁状ないしは砂壁状の塗材層を形
成し、かかるシートを建築物や構築物の表面に貼り付け
る場合の、このような表面装飾シートを製造する場合の
塗装材としても用いられる。本発明で「建築物又は構築
物表面仕上用塗装材」とはこの両者の用途を含む意味で
用いている。
【0054】
【実施例】以下、より具体的な実施例を挙げて更に本発
明を説明するが、本発明はこの実施例のもののみに限定
されるものではない。
【0055】実施例1 次の各成分を混合して本発明の塗装材(A)を調整し
た。
【0056】(1)合成樹脂エマルション:アクリル樹
脂エマルション(旭化成工業株式会社製“ポリトロンE
300”)2000ml(このうち樹脂固形分は49重
量%、樹脂固形分の比重1.0)、 (2)軽量骨材:太平洋セメント株式会社製“E−SP
HERES”の品番“SLG”(粒径20〜300μ
m、比重0.7)6500ml かくして得られた塗装材(A)を石油缶(18リッター
缶)に18リットル入れて蓋を閉めて室温で30日間保
管したが粘度の上昇はほとんど見られなかった。
【0057】この塗装材(A)を塗装吹付け器具として
リシンガン口径6mm(豊岡製作所製)を用いて、垂直
に建てられている試験用コンクリート壁に塗布量が乾燥
後の厚みで約3mmとなるように圧搾空気圧5kg/c
2で吹付け、室温で乾燥したが、通常の骨材を用いた
ものと同様にほぼ12時間で乾燥でき、砂壁状の表面仕
上げ層が形成された。
【0058】なお、この塗装材(A)を石油缶(18リ
ッター缶)に18リットル入れた時の重さは14kg/
缶であった。したがって運搬などが従来の塗装材に比べ
て負担が少なく容易であった。
【0059】また、ポリエステル繊維不織布(目付け6
0g/m2)にこの塗装材(A)を塗布量が乾燥後の厚み
で約3mmとなるように吹付け、室温で乾燥したところ
ほぼ12時間で乾燥し、建築物表面仕上げ装飾用シート
を得た。この建築物表面仕上げ装飾用シートをコンクリ
ート壁面に接着剤を用いて接着し施工した。この建築物
表面仕上げ装飾用シートは重量が比較的軽く1m2当た
りの重量が2.6kgであった。
【0060】軽量化されているので運搬や高所での施工
に負担が特に増大する事もなく、作業性が良好であり、
砂壁状の重厚優美な壁面に仕上がった。そして断熱性に
ついて熱伝導率(kcal/m・h・℃、 JIS A
−1412による)を比較したところ、骨材として従来
の天然石粉骨材のみを使用した塗装材を用いて同様に製
造した建築物表面仕上げ装飾用シートが0.7であった
のに比べ、本実施例の軽量骨材を添加したものは0.1
と優れていた。
【0061】比較例1 軽量骨材として、パーライトを用い、その体積含有量が
実施例1の軽量骨材の含有量と同様になるよう、次の組
成の比較塗装材(a)を調整した。
【0062】(1)合成樹脂エマルション:アクリル樹
脂エマルション(旭化成工業株式会社製“ポリトロンE
300”)2000ml(このうち樹脂固形分は49重
量%、樹脂固形分の比重1.0)、 (2)軽量骨材:三井金属鉱業株式会社製パーライト
“三井パーライト”(粒径100〜1000μm、比重
0.06)6500ml かくして得られた比較の塗装材(a)を石油缶(18リ
ッター缶)に18リットル入れて蓋を閉めて室温で3日
間保管したところ粘度が著しく上昇してしまい、攪拌す
ることができなかった。
【0063】また、調整した直後の粘度上昇が開始され
る前の塗装材(a)を実施例1と同様に、ポリエステル
繊維不織布(目付け60g/m2)にこの比較の塗装材
(a)を塗布量が乾燥後の厚みで約3mmとなるように
吹付け、室温で乾燥したが、4日たっても乾燥しなかっ
た。
【0064】実施例2(軽量骨材と骨材と軽量化材の併
用例) 次の各成分を混合して本発明の塗装材(B)を調整し
た。
【0065】(1)合成樹脂エマルション:アクリル樹
脂エマルション(旭化成工業株式会社製“ポリトロンE
300”)2000ml(このうち樹脂固形分は49重
量%、樹脂固形分の比重1.0)、 (2)軽量骨材:太平洋セメント株式会社製“E−SP
HERES”の品番“SL180”(粒径20〜180
μm、比重0.70)5000ml (3)骨材:天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルフ
ァイン製“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm、
比重1.6)]1310mlと天然石骨材(寒水石)
[(株)同和カルファイン製“KD−100”(粒径
0.075〜0.15mm、比重1.6)]380m
l、 (4)着色用水系塗料:ブラウン系水系塗料[日本ペイ
ント(株)製“カラーマックスW”500g (5)軽量化材:“マツモトマイクロスフェアー”F−
30E(松本油脂製薬株式会社製、粒径30〜100μ
m、比重0.024±0.002g/cm3)10g かくして得られた塗装材(B)を石油缶(18リッター
缶)に18リットル入れて蓋を閉めて室温で30日間保
管したが粘度の上昇はほとんど見られなかった。
【0066】この塗装材(B)を塗装吹付け器具として
リシンガン口径6mm(豊岡製作所製)を用いて、垂直
に建てられている試験用コンクリート壁に塗布量が乾燥
後の厚みで約3mmとなるように圧搾空気圧5kg/c
2で吹付け、室温で乾燥したが、通常の骨材を用いた
ものと同様にほぼ12時間で乾燥でき、土壁状の表面仕
上げ層が形成された。
【0067】なお、この塗装材(B)を石油缶(18リ
ッター缶)に18リットル入れた時の重さは16kg/
缶であった。したがって運搬などが従来の塗装材に比べ
て負担が少なく容易であった。
【0068】また、ポリエステル繊維不織布(目付け6
0g/m2)にこの塗装材(B)を塗布量が乾燥後の厚み
で約3mmとなるように吹付け、室温で乾燥したところ
ほぼ12時間で乾燥し、建築物表面仕上げ装飾用シート
を得た。この建築物表面仕上げ装飾用シートをコンクリ
ート壁面に接着剤を用いて接着し施工した。この建築物
表面仕上げ装飾用シートは重量が比較的軽く1m2当た
りの重量が2.7kgであった。
【0069】軽量化されているので運搬や高所での施工
に負担が特に増大する事もなく、作業性が良好であり、
土壁状の重厚優美な壁面に仕上がった。そして断熱性を
比較したところ、骨材として従来の天然石粉骨材のみを
使用した次の比較例2の塗装材を用いて同様に製造した
建築物表面仕上げ装飾用シートに比べ、優れていた。
【0070】なお、上記試験用コンクリート壁へのリシ
ンガンによる吹付け試験で塗布厚を3mm厚に吹付けた
際の壁1m2当りに塗布されている塗装材(B)は3.
3kgであり、この吹付けのために使用した塗装材
(B)は3.6kg/m2であった。
【0071】吹付け作業を観察していたが、吹付けガン
から発射された吹付け塗装材の飛散によるロスも比較的
少なく、壁面に激突した際の跳ね返りによる飛散も少な
いことが確認された。
【0072】また、同様にこの吹付けガンを用いて玉吹
きを行ったところ、吹付けた塗装材がバラケて飛び散っ
て吹付けられるのではなく、きれいな玉状に吹付ける事
ができた。また、吹付けガンの圧搾空気噴出用ノズルの
開口部の位置を前後させることにより玉吹きの際の玉の
大きさも容易にコントロールできた。
【0073】比較例2 実施例2と比較するため、軽量骨材並びに軽量化材を用
いずに、軽量骨材添加量(体積)にほぼ匹敵する分を通
常の天然石粉からなる従来の骨材に置き換えることによ
り、従来の天然石粉からなる骨材のみを骨材成分として
含有した、次の組成の比較塗装材(b)を調整した。
【0074】(1)合成樹脂エマルション:アクリル樹
脂エマルション(旭化成工業株式会社製“ポリトロンE
300”)2000ml(このうち樹脂固形分は49重
量%、樹脂固形分の比重1.0)、 (2)骨材:天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルフ
ァイン製“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm、
比重1.6)]5190mlと天然石骨材(寒水石)
[(株)同和カルファイン製“KD−100”(粒径
0.075〜0.15mm、比重1.6)]1500m
l、 (3)着色用水系塗料:ブラウン系水系塗料[日本ペイ
ント(株)製“カラーマックスW”500g かくして得られた塗装材(b)を塗装吹付け器具として
リシンガン口径6mm(豊岡製作所製)を用いて、垂直
に建てられている試験用コンクリート壁に塗布量が乾燥
後の厚みで約3mmとなるように圧搾空気圧5kg/c
2で吹付け、室温で12時間乾燥した。土壁状の表面
仕上げ層が形成された。
【0075】上記試験で塗布厚を3mm厚に吹付けた際
の壁1m2当りに塗布されている塗装材(b)は4.4
kgであり、この吹付けのために使用した塗装材(b)
は5.3kg/1m2であった。
【0076】実施例2に比べて多くの塗装材を要した。
これは吹付け作業を観察していたが、吹付けガンから発
射された吹付け塗装材の飛散によるロスもかなり見受け
られ、また、壁面に激突した際の跳ね返りによる飛散・
落下する量もかなり多いことから、塗装材の壁面への付
着の歩留まりが悪いためであることが確認された。
【0077】また、同様にこの吹付けガンを用いて玉吹
きを行ったところ、吹付けた塗装材の飛散が大きく、玉
吹き模様を形成させることがむづかしかった。また、吹
付けガンの圧搾空気噴出用ノズルの開口部の位置を前後
させることにより玉吹きの際の玉の大きさをコントロー
ルするのが困難であった。
【0078】なお、この塗装材(b)を石油缶(18リ
ッター缶)に18リットル入れたところ、前記実施例2
の軽量骨材並びに軽量化材の入っている塗装材より重
く、重さは29.0kg/缶であった。したがってこれ
らの持ち運びなどに負担がかかった。
【0079】また、ポリエステル繊維不織布(1m2当た
りの重量60g)にこの塗装材(b)を塗布量が乾燥後
の厚みが約3mmとなるように圧搾空気圧5kg/cm
2で吹付け、室温で12時間乾燥し、建築物表面仕上げ
装飾用シートを得た。この建築物表面仕上げ装飾用シー
トをコンクリート壁面に接着剤を用いて接着し施工し
た。この建築物表面仕上げ装飾用シートは実施例1の装
飾用シートに比べ重量がかなり重く5.0kg/1m2
であり、運搬や高所での施工に負担がかかった。
【0080】そして断熱性を前記実施例2で得られた建
築物表面仕上げ装飾用シートと比較したところ、実施例
2の建築物表面仕上げ装飾用シートに比べ、劣ってい
た。
【0081】実施例3(軽量骨材と骨材の併用例) 次の各成分を混合して本発明の塗装材(C)を調整し
た。
【0082】(1)合成樹脂エマルション:アクリル樹
脂エマルション(旭化成工業株式会社製“ポリトロンE
300”)2000ml(このうち樹脂固形分は49重
量%、樹脂固形分の比重1.0)、 (2)軽量骨材:太平洋セメント株式会社製“E−SP
HERES”の品番“SL150”(粒径20〜150
μm、比重0.7)1790ml (3)骨材:天然石骨材(寒水石)[(株)同和カルフ
ァイン製“KD−1”(粒径0.35〜0.55mm、
比重1.6)]3000mlと天然石骨材(寒水石)
[(株)同和カルファイン製“KD−100”(粒径
0.075〜0.15mm、比重1.6)]1000m
l、着色骨材 グレー系着色焼成硅砂[新東陶料(株)
製“20N−3”(粒子サイズ8号:粒径0.18〜
0.25mm、比重1.3)]720ml かくして得られた塗装材(C)を石油缶(18リッター
缶)に18リットル入れて蓋を閉めて室温で30日間保
管したが粘度の上昇はほとんど見られなかった。
【0083】この塗装材(C)を塗装吹付け器具として
リシンガン口径6mm(豊岡製作所製)を用いて、垂直
に建てられている試験用コンクリート壁に塗布量が乾燥
後の厚みで約3mmとなるように圧搾空気圧5kg/c
2で吹付け、室温で乾燥したが、通常の従来から用い
られている天然石粉からなる骨材を用いたものと同様に
ほぼ12時間で乾燥でき、砂壁状の表面仕上げ層が形成
された。
【0084】なお、この塗装材(C)を石油缶(18リ
ッター缶)に18リットル入れた時の重さは21kg/
缶であった。したがって運搬などが従来の塗装材に比べ
て負担が少なく容易であった。
【0085】また、ポリエステル繊維不織布(目付け6
0g/m2)にこの塗装材(C)を塗布量が乾燥後の厚み
で約3mmとなるように吹付け、室温で乾燥したところ
ほぼ12時間で乾燥し、建築物表面仕上げ装飾用シート
を得た。この建築物表面仕上げ装飾用シートをコンクリ
ート壁面に接着剤を用いて接着し施工した。この建築物
表面仕上げ装飾用シートは重量が比較的軽く1m2当た
りの重量が3.6kgであった。
【0086】軽量化されているので運搬や高所での施工
に負担が特に増大する事もなく、作業性が良好であり、
砂壁状の重厚優美な壁面に仕上がった。そして断熱性を
比較したところ、骨材成分として、軽量骨材添加量(体
積)に相当する量を従来の天然石粉骨材のみにした塗装
材から同様に製造した建築物表面仕上げ装飾用シートに
比べ、優れていた。
【0087】
【発明の効果】本発明の塗装材は、吸水率0.5重量%
以下のセラミック製中空微小球状物からなる軽量骨材を
所定量含有しているので、天然石調や砂壁状、土壁状な
どの重厚な外観を付与でき、塗装材を軽量化しその取り
扱い作業性を良好にし、塗装材の粘度変化などの保存安
定性に優れ、球状物を骨材成分として含むので、塗材の
滑りがよく、吹付け塗装、鏝塗り、刷毛塗り、ローラー
塗りなどの作業性が良好で、しかも中空微小球状物を含
むので、断熱性が向上した塗膜が形成し得る建築物又は
構築物表面仕上用塗装材を提供できる。
【0088】また、本発明の軽量化材を更に添加した態
様においては、上記の効果に加えて、吹付け塗装の際
に、塗装材の飛散や跳ね返りによる飛散が少なく、効率
よく塗装対象物表面に付着し、玉吹きがしやすく、玉吹
きの際の玉の大きさのコントロールもしやすく、より比
重が小さく軽量化されているので作業性も改善し得る建
築物又は構築物表面仕上用塗装材を提供できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂エマルション中に軽量骨材又は
    軽量骨材と骨材とが分散されてなる建築物又は構築物の
    表面仕上用塗装材であって、軽量骨材と骨材の合計体積
    100体積部に対し、合成樹脂エマルションの固形分が
    5〜50体積部であり、軽量骨材と骨材の割合が、軽量
    骨材が20〜100体積%、骨材が0〜80体積%であ
    り、且つ、前記軽量骨材が、吸水率0.5重量%以下の
    セラミック製中空微小球状物からなる軽量骨材であるこ
    とを特徴とする建築物又は構築物の表面仕上用塗装材。
  2. 【請求項2】 軽量骨材の粒径が、10〜500μmで
    ある請求項1に記載の建築物又は構築物表面仕上用塗装
    材。
  3. 【請求項3】 軽量骨材の比重が0.5〜0.8である
    請求項1又は2のいずれかに記載の建築物又は構築物表
    面仕上用塗装材。
  4. 【請求項4】 更に、粒子状の軽量化材が、合成樹脂エ
    マルションの固形分重量に対し、0.05〜2重量%含
    有されている請求項1〜3のいずれかに記載の建築物又
    は構築物表面仕上用塗装材。
  5. 【請求項5】 軽量化材が、合成樹脂製中空微小球状物
    である請求項4に記載の建築物又は構築物表面仕上用塗
    装材。
  6. 【請求項6】 軽量化材の粒径が30〜100μmであ
    る請求項4〜5のいずれかに記載の建築物又は構築物表
    面仕上用塗装材。
  7. 【請求項7】 軽量化材の比重が0.02〜0.05で
    ある請求項4〜6のいずれかに記載の建築物又は構築物
    表面仕上用塗装材。
  8. 【請求項8】 骨材が、粒径0.01〜3mmの骨材で
    ある請求項1〜7のいずれかに記載の建築物又は構築物
    表面仕上用塗装材。
  9. 【請求項9】 骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、ガラ
    ス粉からなる群から選ばれた骨材である請求項1〜8の
    いずれかに記載の建築物又は構築物表面仕上用塗装材。
  10. 【請求項10】 合成樹脂エマルションがアクリル系合
    成樹脂エマルションである請求項1〜9のいずれかに記
    載の建築物又は構築物表面仕上用塗装材。
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