JP3070677U - 建築物または構築物表面仕上用装飾材 - Google Patents

建築物または構築物表面仕上用装飾材

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JP3070677U
JP3070677U JP2000000425U JP2000000425U JP3070677U JP 3070677 U JP3070677 U JP 3070677U JP 2000000425 U JP2000000425 U JP 2000000425U JP 2000000425 U JP2000000425 U JP 2000000425U JP 3070677 U JP3070677 U JP 3070677U
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尚志 滝井
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山本窯業化工株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面防汚機能がすぐれ、更に高耐候性を有す
る建築物または構築物表面仕上用装飾材を提供する。 【解決手段】 (a)基材シート1、(b)骨材が分散
された合成樹脂層2、(c)無機バインダー、または、
無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透
明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層3と
からなる建築物または構築物表面仕上用装飾材。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、建築物の内外装壁面或は床面や柱の表面、構築物の表面仕上用装飾 材に関する。特に、表面防汚機能の優れた建築物または構築物表面仕上用装飾材 に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂エマルションと大理石粉末(寒水石粉)その他の骨材や着色硅砂ある いは有色陶磁器粉などの着色骨材などの骨材を含む塗材を合成繊維やガラス繊維 あるいはその他の無機繊維からなる寒冷紗や不織布その他の布帛類や適宜の固体 基材上に吹付けガンや、鏝塗り、ローラー塗布、刷毛塗りなど適宜の塗布手段で 、塗布して天然石調などに仕上げた装飾材は建築物の内外装壁面或は床面の装飾 用など建築物表面仕上用シートとして、広く用いられている。
【0003】 ところで、これらは、基材シート上に骨材が分散された合成樹脂層を形成した もの、さらにその表面に透明な合成樹脂層からなるトップコート層を形成したも のが用いられている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、これらの表面は、自動車排気ガスなども含めて近年富に汚染が問題と なっている大気と接したり、風雨にさらされたり、または、人間が触れるなどに より、汚れが生じると言う問題が有る。また、表面が、合成樹脂成分を含有して いるので、表面が鉛筆硬度でH硬度以下で柔らかく、従って汚れがつき易く、汚 れが進入し易いので、耐汚染性が比較的小さいと言う問題が有り、また、表面が 合成樹脂成分を含有しているので、耐候性が必ずしも十分とは言えず、表面が劣 化すると更に汚れがつき易くなると言う問題が有る。特に建築物は壁面など大面 積であり、また、高所作業なども必要とされ、洗浄作業は安易ではなく、費用も かなりかかる。
【0005】 本考案は、かかる従来の合成樹脂材料を含有する建築物または構築物表面仕上 用装飾材の問題点を解決し、表面防汚機能がすぐれ、更に高耐候性を有する建築 物または構築物表面仕上用装飾材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本考案の建築物または構築物表面仕上用装飾材は次 のものである。
【0007】 [1](a)基材シート、(b)骨材が分散された合成樹脂層、(c)無機バ インダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な マトリックス中に光触媒が分散されたトップ層とからなる建築物または構築物表 面仕上用装飾材。
【0008】 [2](b)骨材が分散された合成樹脂層と、(c)無機バインダー、または 、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明なマトリックス中に 光触媒が分散されたトップ層との間に、(d)無機バインダー、または、無機− 有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な塗材層が更に介在している 前記[1]項に記載の建築物または構築物表面仕上用装飾材。
【0009】 [3](c)無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバイ ンダーからなる透明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層のマトリッ クス成分が、透明な無機ガラス成分または無機−有機ガラス成分からなる前記[ 1]項または[2]項のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用装飾材 。
【0010】 [4](d)無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバイ ンダーからなる透明な塗材層が、透明な無機ガラス成分または無機−有機ガラス 成分からなる前記[1]〜[3]項のいずれかに記載の建築物または構築物表面 仕上用装飾材。
【0011】 [5](c)無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバイ ンダーからなる透明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層における、 光触媒の含有率が3〜10質量%である前記[1]〜[4]項のいずれかに記載 の建築物または構築物表面仕上用装飾材。
【0012】 [6](c)層、または、(c)層と(d)層とが、塗布後50℃以上で加熱 処理された層である前記[1]〜[5]項のいずれかに記載の建築物または構築 物表面仕上用装飾材。
【0013】 [7]光触媒が、粉末状の酸化チタンである前記[1]〜[6]項のいずれか に記載の建築物または構築物表面仕上用装飾材。
【0014】 [8]骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、ガラス粉、プラスチック粉またはこ れらの人工着色物の少なくとも1種からなる骨材である前記[1]〜[7]項の いずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用装飾材。
【0015】 [9]基材シートが布状物である前記[1]〜[8]項のいずれかに記載の建 築物または構築物表面仕上用装飾材。
【0016】
【考案の実施の形態】
本考案の装飾材の(b)骨材が分散された合成樹脂層を構成する一成分の合成 樹脂成分は、通常、その原料として、合成樹脂エマルションあるいは合成樹脂溶 液が用いられる。有機溶剤の回収や環境問題などを余り考慮する必要がないとい う点からは、合成樹脂エマルションが好ましく用いられる。特に耐候性、対アル カリ性、耐水性、接着性、柔軟性、耐吸水性等を満足する合成樹脂エマルション が好ましく、具体的な例としては、例えばアクリル系樹脂エマルション(アクリ ル樹脂エマルションはもとより、アクリル−スチレン樹脂エマルション、アクリ ル−ウレタン樹脂エマルション、アクリル−シリコン樹脂エマルション、アクリ ル−弗素樹脂エマルションも含まれる)、エチレン−酢酸ビニル樹脂などの酢酸 ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹脂エマルション、ウレタン系樹脂エ マルション等が挙げられる。これらのいずれの樹脂も乾燥後の合成樹脂成分から なるマトリックスは適宜の柔軟性を有しており、基材が可撓性の基材であれば得 られた装飾材シートを曲面へ接着して施工することも可能である。中でもアクリ ル系樹脂エマルションが比較的安価な割りには、耐候性の点でより優れているの で建築物や構築物の内外装壁面或は床面などの表面仕上用シートとして用いた場 合など長期の耐久性を有し好ましい。
【0017】 本考案で用いる合成樹脂エマルションまたは溶液に配合される骨材としては、 従来より天然石調模様を有する装飾材の製造の際に用いられている各種の公知の 骨材を用いる事ができ、大理石粉や御影石粉、硅砂その他の天然石粉、陶磁器粉 、ガラス粉あるいはこれらを人工的に着色した例えば着色焼成硅砂や有色陶磁器 粉などのいわゆる着色骨材と称されているものなどのような、天然石細粒状物、 硅砂、陶磁器細粒状物、ガラス細粒状物またはこれらの着色物の少なくとも1種 からなる骨材で代表される無機材料が好ましく用いられるが、これらに限定され るものではなく、プラスチックなどの有機材料から成る骨材を用いてもよい。プ ラスチックなどの有機材料から成る骨材は、無機材料から成る骨材に比べて若干 コスト的に高くなる傾向がある。
【0018】 骨材の大きさは特に限定するものではないが、主として粒径0.01〜3mm の大きさの骨材を用いることが好ましい。ここで粒径とは骨材が球状でない場合 には、測定時に顕微鏡などの適宜の器具で観測する場合にその観測している骨材 の粒子が見えている状態で、その粒子1つの最も大きな径をもってその骨材粒子 の粒径としている。
【0019】 なお、人工的に着色を施した着色骨材あるいは特に人工的に着色を施していな い素材そのままの色の骨材などの中から適宜1種または2種以上を併用すること によって塗材を乾燥して形成される塗材層の所望の色調や風合を調整することが できる。勿論必要に応じて更に顔料加えて色調を調整してもよい。顔料が多くな りすぎると、ペイントのような塗材層になり、天然石調の風合いは出しにくくな る。
【0020】 骨材と合成樹脂成分との配合割合はどの様な風合いの装飾材とするかとか、あ るいはどのような色調の塗材とするかなど、目的に応じて若干の相違があるが、 骨材100重量部に対し、合成樹脂エマルションまたは溶液の割合が固形分で5 〜20重量部程度が好ましい。
【0021】 この範囲の好ましい態様とすることにより、合成樹脂成分は、骨材のバインダ ーとしての役割も果たすに十分な量であり、収縮やクラックの発生が生じる程合 成樹脂成分が多すぎることもなく、且つ耐久性のある強度を有する装飾材が提供 できる。
【0022】 塗材層の色調を調整するには各種骨材やこれらを人工的に着色したいわゆる着 色骨材などの1種または2種以上の配合量や、添加する骨材の種類、粒度、色を 適宜選定して配合したり、着色剤を必要に応じて添加するなどすることによって 達成される。また、このようにして調整した色調の異なる2種類以上の塗材を適 宜模様状に塗布して、多色模様を形成することも好ましい。
【0023】 また、骨材が分散された合成樹脂エマルションまたは溶液からなる塗材には、 必要に応じて軽量化材を添加して軽量化してもよい。軽量化材としては、例えば 微細な中空のほぼ球状の合成樹脂カプセル状物が好ましく用いられる。これらの 具体例としては、例えば“EXPANCEL”(アクゾーノーベル社製:発泡剤 を内包した塩化ビニリデン−アクリロニトリルコーポリマーの核を発泡したもの )、“マツモトマイクロスフェアー”F−30EやMFL(松本油脂製薬株式会 社製:高分子中空微小球コンポジットフィラーで発泡剤を内包した塩化ビニリデ ン−アクリロニトリルコーポリマーの核を発泡したもの、またはその表面を不活 性無機粉体でコーティングしたハイブリッド中空微小球)などの合成樹脂中空微 小球状のカプセル状物などが挙げられる。
【0024】 また、本考案の塗材には、更に必要に応じて軽量骨材を添加してもよい。軽量 骨材は前記骨材に代えてその一部を置き換える態様で添加してもよい。尚、軽量 骨材とは骨材の役割をある程度保持し、かつ、通常の骨材より、見かけ比重の小 さい骨材であり、一般に中空や多孔質のものが多い。
【0025】 軽量骨材の具体例としては、例えば、パーライト、シラスバルーン、ポリスチ レン発泡体粉砕物、主成分が炭酸カルシウム粉末その他の適宜の無機物粉末であ り合成樹脂成分が前記無機物粉末のバインダー成分として配合された発泡体(例 えば、フジ化成工業株式会社製“ロックセルボード”など)の粉砕物などが挙げ られる。
【0026】 また、塗材には、必要に応じて独特の風合を出すために、別途、1色または2 色以上の着色薄片状合成樹脂フレークを添加してもよい。
【0027】 着色薄片状合成樹脂フレークとしては、公知の各種のものを用いることができ る。その内でも不定形で柔軟な着色薄片状樹脂フレークを用いることが好ましい 。
【0028】 前記薄片状不定形柔軟樹脂フレークの厚みは、平均厚みで好ましくは1mm以 下、特に0.2〜0.9mm程度が、塗材中に添加されてノズルから基材シート 上に押出されて塗布される場合においても、容易にノズルを通り、極めて柔軟な ので、塗布された後もフレーク末端が装飾材面から跳ね上がるなどの現象もなく 好ましい。
【0029】 また、更に必要に応じて独特の風合を出すために、前記各種塗布材には、別途 、雲母や着色雲母などで代表されるマイカ薄片を加えてもよい。合成樹脂エマル ションまたは溶液の合成樹脂固形分とマイカ薄片の割合は、マイカ薄片1重量部 に対して合成樹脂固形分5〜100重量部の割合が好ましい。
【0030】 また、上述したような塗材には、更に必要に応じて充填材、造膜助剤、増粘剤 、消泡剤、pH調整剤、顔料などを加えたり、粘度を小さめにするために水など や適宜の溶剤などを加えてもよい。
【0031】 例えば、充填材としては炭酸カルシウムなど、増粘剤としては例えばメチルセ ルロース系のもの(たとえば“ハイメトローズ90SH−30000”、信越化 学(株)社製)、造膜助剤としては例えばブチルカルビトールアセテートなど、 消泡剤としては例えば“ノプコサントNXZ”(サンノプコサン(株)社製)な ど、pH調整剤としては濃アンモニア水などが好適に用いられるが、これらのみ に限定されるものではない。
【0032】 本考案の装飾材に於ては(b)骨材が分散された合成樹脂層の裏側に(a)基 材シートが存在するが、基材シートとしては、布状物が特に好ましく、具体的に は、例えば合成繊維や無機繊維からなる織物や不織布、たとえば具体的には、ア クリル繊維やポリエステル繊維からなる寒冷紗や不織布、ガラス繊維織物、グラ スウール不織布、合成紙などの布帛類が好ましい。吸水性のない又は吸水性の小 さい布帛類が好ましいのは、吸水性の大きいものは水分により膨張し、乾燥時に 収縮しやすい傾向があり、乾燥後の製品が反ったりして変形する恐れがあるが、 吸水性のない又は吸水性の小さい布帛類を用いた場合にはこの様な問題が生じな いので好ましい。
【0033】 また、布状シート基材が好ましいのは、装飾材の可撓性を阻害しないので、曲 面にも施工できる点である。布状物以外に用いられる基材シートとしては、例え ば木材板、木材合板、コンクリートパネル押出成形セメント板、石膏ボード、硅 カル板(硅酸カルシウム板)、アルミニウムシートや亜鉛引鋼板その他の金属板 、金属金網、エキスパンドメタル、ゴムシート、合成樹脂シート、発泡体シート などを用いてもよい。
【0034】 次に、(b)骨材が分散された合成樹脂層の表面に形成される(c)無機バイ ンダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明なマ トリックス中に光触媒が分散されたトップ層の光触媒としては、光のエネルギー で励起され、酸化還元反応を促進するいわゆる光触媒であれば特に限定されるも のではないが、通常、酸化チタンが酸化反応を促進する機能が大きく好ましい。 なかでも結晶型がアナターゼ型の酸化チタンがより好適である。
【0035】 光触媒は、通常、接触面積が大きくなるよう、粉末状の微粒子状態のものを用 いる。光触媒の粉末の粒径は特に限定するものではないが、20〜3nm程度が 好適である。
【0036】 また、(c)光触媒が分散されたトップ層における光触媒の含有率は特に限定 するものではないが、3〜10質量%程度が好ましい。
【0037】 光触媒は無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダ ーからなる透明なマトリックスからなるバインダーに分散された状態で、前記( b)骨材が分散された合成樹脂層上に塗布されて、硬化される。
【0038】 無機バインダーからなる透明なマトリックスのバインダーとしては、無機の透 明な塗材層が形成できるものが用いられ、無機ガラス層が形成できるものが好ま しく用いられる。形成されるガラス層の例としては、SiO2、Al23、Si O2−Al23またはSiO2−TiO2等のガラスが挙げられる。
【0039】 無機系のガラス層の原料としては、RSi(OR)3やSi(OR)4(但しR は炭素数10以下の低級アルキル基を示す。)などのアルキルトリアルコキシシ ラン類やテトラアルコキシシランなどを加水分解して、更に低級アルコールと縮 合させて、ポリシロキサンオリゴマーとしたものを塗布後、加熱硬化させたポリ シロキサン類が好適である。市販品としては、例えば、JSR株式会社の「グラ スカ」のグレード「HPC7002」、「HPC7501」、「HPC7004 」、「HPC7003」などが挙げられる。
【0040】 その他、無機のガラス層の原料としては、金属アルコキシドを用いて、加水分 解、熱処理により、ゲル化させて得られるものが挙げられる。
【0041】 この無機のガラス層形成の原料となる金属アルコキシドとしては、例えば、テ トラメトキシシランやテトラエトキシシラン等のシリコンの低級アルコキシド類 、トリメトキシアルミニウムやトリ第2ブトキシアルミニウム等のアルミニウム の低級アルコキシド類、テトラメトキシチタンやテトラプロポキシチタン等のチ タンの低級アルコキシド類などのほか、加水分解によってゲル化して透明なガラ ス層を形成できる各種の金属の低級アルコキシド類などが挙げられる。このよう なアルコキシドの分散媒としては水および/またはメタノ−ル、エタノ−ル等の 低級アルコ−ル等が用いられ、加水分解用触媒としては、塩酸やアンモニア等の 酸又はアルカリが用いられる。金属アルコキシドゾルをゲル化させる場合、加水 分解用触媒を添加し、加水分解して、熱処理するのが一般的である。
【0042】 また、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明なマトリック スのバインダーとしては、無機−有機ハイブリッドポリマーの透明な塗材層が形 成できるものが用いられ、無機−有機ガラス層が形成できるものが好ましく用い られる。
【0043】 この無機−有機ガラス層の原料としては、−Si(OR)3(但しRは炭素数 10以下の低級アルキル基を示す。)で示されるアルコキシシリル基含有の有機 重合体に、RnSi(OR)4-n(但しRは炭素数10以下の低級アルキル基を示 し、nは1または2の整数を示す。)で表わされるアルコキシシラン類を加水分 解・共縮合して得られる無機−有機ガラス層が好適である。市販品としては、例 えば、JSR株式会社の「グラスカ」のグレード「HPC7506」や「W58 D」などが挙げられる。
【0044】 上記に例示した各種の無機ガラス層や無機−有機ガラス層は、塗布後加熱処理 が必要であるが、50〜120℃の比較的低温で熱処理可能であり、例えば80 ℃前後の範囲で行うのが効果的である。このように比較的低温で熱処理可能なの で、(b)骨材が分散された合成樹脂層に悪影響を与えることなく(c)無機バ インダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な マトリックス中に光触媒が分散されたトップ層を形成できる。
【0045】 しかも、本考案は(b)骨材が分散された合成樹脂層を建築物の壁面などに現 場で吹付けて装飾材層を塗布するものではなく、工場内で生産可能なシート状で あるから、上記の熱処理が可能である点も本考案の重要な特色である。もし、現 場で吹付けて装飾材層を塗布したものは、建築物表面から熱処理しなければなら ず、熱処理が困難になる。
【0046】 なお、無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダー からなる透明なマトリックス形成性の流動性のバインダー中に光触媒が分散され た塗材は、石原テクノ株式会社の光触媒酸化チタン塗料“ST−K01”や“S T−K03”、あるいは、多木化学株式会社製の“タイノック”の、ゾル状のも の、高濃度スラリー状のもの、コーティング剤ようのものなどがあるので、これ らを使用することは調整の手間が省け、簡便である。
【0047】 以上、上述した態様は、(b)骨材が分散された合成樹脂層の上に、直接(c )無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからな る透明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層を形成する場合について 説明したが、より好ましくは、(b)骨材が分散された合成樹脂層と、(c)無 機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透 明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層との間に、(d)無機バイン ダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な塗材 層が更に介在している事が好ましい。
【0048】 (c)も含めて、ガラス層など無機バインダー、または、無機−有機ハイブリ ッドポリマーバインダーからなる層が存在すると、耐候性がかなり向上し、好適 であり、したがって(d)層が存在することにより、(b)骨材が分散された合 成樹脂層の表面保護を(d)と(c)層の二つ層により、より向上させることが できると共に、(c)光触媒が分散されたトップ層と、有機物を含む(b)骨材 が分散された合成樹脂層とが直接接触していると、光触媒含有層の光触媒の作用 により、接している(b)層の表面への光触媒による酸化還元反応による影響を (d)の塗材層を介在させることにより遮断することも出来、また、それらの作 用も含めて、アンカーコート層として(c)層の(b)層への接着性を改良する 役割も兼ね備え、好ましい。
【0049】 (d)無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダー からなる透明な塗材層としては、無機ガラス層または無機−有機ガラス層が好ま しく、ガラス層の形成は、例えば、(c)層で説明した無機ガラス層または無機 −有機ガラス層のバインダー成分のと同様のものが好ましく使用できる。
【0050】 図1に本考案の建築物または構築物表面仕上用装飾材の一実施形態の断面図を 示した。
【0051】 1が(a)基材シート、2が(b)骨材が分散された合成樹脂層、3が(c) 無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる 透明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層である。
【0052】 図2に本考案の建築物または構築物表面仕上用装飾材の別の一実施形態の断面 図を示した。
【0053】 1が(a)基材シート、2が(b)骨材が分散された合成樹脂層、3が(c) 無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる 透明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層、4が(b)骨材が分散さ れた合成樹脂層2と(c)無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッドポ リマーバインダーからなる透明なマトリックス中に光触媒が分散されたトップ層 3との間に更に介在している(d)無機バインダー、または、無機−有機ハイブ リッドポリマーバインダーからなる透明な塗材層である。
【0054】 図1、図2に示した態様は、表面が凹凸立体模様になっている例を示したが、 例えば、表面磨き仕上調の如く、表面が平らな形状など、形状としては本発明の 目的が達成される範囲において任意である。
【0055】 特に限定するものではないが、(c)無機バインダー、または、無機−有機ハ イブリッドポリマーバインダーからなる透明なマトリックス中に光触媒が分散さ れたトップ層の厚みは0.1〜10μm程度が好ましく、また、(d)無機バイ ンダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な塗 材層の厚みは0.1〜10μm程度が好ましい。
【0056】
【考案の効果】
かくして、本考案の建築物または構築物表面仕上用装飾材は、(c)無機バイ ンダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明なマ トリックス中に光触媒が分散されたトップ層を有するので、セルフクリーニング 性が発揮され、防汚性に優れると共に、汚れが付着しても水で流れるので落とさ れ易く、(c)層、更には(c)と(d)の両層の存在により、(b)骨材が分 散された合成樹脂層の無機感がかもし出され、例えば天然石調の外観にした場合 に、より、天然石に近い質感が得られると共に、耐候性をかなり向上させること が出来る等の優れた効果を発揮できる。
【0057】 なお、本考案の装飾材は天然石に比べて軽いし、天然石の様に脆くないので作 業中に落したり、運搬中の不注意などによる多少の衝撃が加わっても欠けたりす る恐れが少ないので、取り扱いが容易であり、高所などでの作業もやりやすくな る。又、大理石などの酸性雨などに弱い変成岩では使用できない屋外用としても 用いることができる。また、内壁などに用いた場合に、タバコの煙による汚れな ども防止でき好ましい。
【0058】 従って本考案の装飾材は、建築物や構築物の表面、例えば、建築物内外装壁面 や床面、支柱の表面、塀の表面、宅地造成の法面、建築物用擁壁、高架道路や橋 梁などの壁面や脚柱の外装、横断歩道橋の外壁、トンネルなどの出入口などの表 面仕上げ用の装飾材として、好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の建築物または構築物表面仕上用装飾材
の一実施形態の断面図。
【図2】本考案の建築物または構築物表面仕上用装飾材
の別の一実施形態の断面図。
【符号の説明】
1 基材シート 2 骨材が分散された合成樹脂層 3 無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッ
ドポリマーバインダーからなる透明なマトリックス中に
光触媒が分散されたトップ層 4 無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッ
ドポリマーバインダーからなる透明な塗材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04F 13/08 E04F 13/08 A

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)基材シート、(b)骨材が分散さ
    れた合成樹脂層、(c)無機バインダー、または、無機
    −有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な
    マトリックス中に光触媒が分散されたトップ層とからな
    る建築物または構築物表面仕上用装飾材。
  2. 【請求項2】 (b)骨材が分散された合成樹脂層と、
    (c)無機バインダー、または、無機−有機ハイブリッ
    ドポリマーバインダーからなる透明なマトリックス中に
    光触媒が分散されたトップ層との間に、(d)無機バイ
    ンダー、または、無機−有機ハイブリッドポリマーバイ
    ンダーからなる透明な塗材層が更に介在している請求項
    1に記載の建築物または構築物表面仕上用装飾材。
  3. 【請求項3】 (c)無機バインダー、または、無機−
    有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明なマ
    トリックス中に光触媒が分散されたトップ層のマトリッ
    クス成分が、透明な無機ガラス成分または無機−有機ガ
    ラス成分からなる請求項1または2のいずれかに記載の
    建築物または構築物表面仕上用装飾材。
  4. 【請求項4】 (d)無機バインダー、または、無機−
    有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明な塗
    材層が、透明な無機ガラス成分または無機−有機ガラス
    成分からなる請求項1〜3のいずれかに記載の建築物ま
    たは構築物表面仕上用装飾材。
  5. 【請求項5】 (c)無機バインダー、または、無機−
    有機ハイブリッドポリマーバインダーからなる透明なマ
    トリックス中に光触媒が分散されたトップ層における、
    光触媒の含有率が3〜10質量%である請求項1〜4の
    いずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用装飾
    材。
  6. 【請求項6】 (c)層、または、(c)層と(d)層
    とが、塗布後50℃以上で加熱処理された層である請求
    項1〜5のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕
    上用装飾材。
  7. 【請求項7】 光触媒が、粉末状の酸化チタンである請
    求項1〜6のいずれかに記載の建築物または構築物表面
    仕上用装飾材。
  8. 【請求項8】 骨材が天然石粉、硅砂、陶磁器粉、ガラ
    ス粉、プラスチック粉またはこれらの人工着色物の少な
    くとも1種からなる骨材である請求項1〜7のいずれか
    に記載の建築物または構築物表面仕上用装飾材。
  9. 【請求項9】 基材シートが布状物である請求項1〜8
    のいずれかに記載の建築物または構築物表面仕上用装飾
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012149258A (ja) * 2004-01-30 2012-08-09 Millennium Chemicals Uk Holdings Ltd 表面の汚れを除去する特性を持つコーティング組成物
JP2013018153A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 F Consultant:Kk 積層体

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