JP2001010969A - 人参エキスからの農薬成分除去法 - Google Patents

人参エキスからの農薬成分除去法

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JP2001010969A
JP2001010969A JP11178900A JP17890099A JP2001010969A JP 2001010969 A JP2001010969 A JP 2001010969A JP 11178900 A JP11178900 A JP 11178900A JP 17890099 A JP17890099 A JP 17890099A JP 2001010969 A JP2001010969 A JP 2001010969A
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carbon dioxide
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ginseng extract
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Osamu Kato
修 加藤
Masahiro Yamagata
昌弘 山形
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Kobe Steel Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人参エキス中の有価成分(主としてサポニ
ン)の変質や収率低下を生じることなく、該エキス中に
混入してくる農薬成分を効率よく抽出除去することので
きる方法を提供すること。 【解決手段】 水分含有量が30重量%以上である人参
エキスを、超臨界状態の二酸化炭素と接触させ、空塔速
度:20cm/min以下、温度:90℃以下で人参エキス中
の農薬成分を抽出除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高麗人参や朝鮮人
参の如き人参根から得られる人参エキス中に含まれる農
薬成分を、効率よく抽出除去して無害化することのでき
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高麗人参や朝鮮人参の如き人参根から得
られる人参エキスは、優れた滋養・強壮作用を有する
他、漢方薬等の成分としても有用な成分であり、漢方薬
配合原料、あるいは薬用飲料や健康飲料など様々の形態
で市場に供給されている。
【0003】他方最近では、健康に対する自己管理が一
般化してくるにつれて有機栽培野菜や無農薬野菜などの
自然食品志向が急速に高まっており、上記人参エキスに
ついても、栽培時の使用薬剤に由来する農薬成分含有量
に対する許容基準は次第に厳しくなってきている。
【0004】こうした状況の下で、人参エキス中に含ま
れる農薬成分の低減については、現在のところ有機栽培
や無農薬栽培で対応するのが最善と思われるが、現実に
は大規模栽培で無農薬栽培を実現することは極めて困難
であり、人参エキス中にも少なからず農薬が混入してく
る。
【0005】ところが、本発明者らが知る限りにおいて
は、該人参エキスに含まれる有価成分(主としてサポニ
ン)の変質や収率低下を招くことなく有害な農薬成分を
効率よく除去する方法については、現在のところ工業的
に有効な方法は確立されていない。
【0006】他方、特開平3−115225号公報に
は、圧縮二酸化炭素を用いて人参根から病害虫を抽出除
去する方法が開示されており、この方法によれば、相当
量の水分(含水率で14〜65重量%程度)の人参根を
破砕し、これを圧縮二酸化炭素で処理することによって
病害虫を抽出除去できることが明らかにされている。し
かしながらこの方法は、固形状態の含水人参根からの病
害虫の除去を目的とするもので、農薬成分の除去につい
ては触れられておらず、ましてや液状で抽出された人参
エキスからの農薬成分の除去については全く開示されて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたもので、その目的は、人参エキス
中の有価成分(主としてサポニン)の変質や収率低下を
生じることなく、該エキス中に混入してくる農薬成分を
効率よく抽出除去することのできる方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明にかかる農薬成分の除去法とは、水分含
有量が30重量%以上である人参エキスを超臨界状態の
二酸化炭素と接触させ、人参エキス中の農薬成分を抽出
除去するところに要旨を有している。このときに採用さ
れる好ましい抽出条件は、超臨界状態の二酸化炭素の空
塔速度で20cm/min以下、温度は90℃以下である。
【0009】また上記方法を実施するに当たっては、 所定量の人参エキスが充填された抽出器の下方から上
方に向けて超臨界状態の二酸化炭素を流して抽出を行な
うと共に、該抽出器の底部から定期的にエキスを抜出す
ことにより、抽出工程で発生する泡の溢出を防止しつつ
農薬成分の抽出を行なう方法、あるいは 連続抽出塔の上方から下方へ人参エキスを通過させつ
つ、超臨界状態の二酸化炭素を下方から上方へ対向流で
流し、泡の発生を抑えつつ農薬成分の抽出を行なう方法
を採用すれば、抽出工程で生じる発泡の問題を最小限に
抑制できるので好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは前述した様な状況の
下で、人参根から有価成分を抽出することによって得ら
れる人参エキスから、サポニンの如き有価成分の変質や
収率低下を招くことなく、農薬成分(たとえばプロシミ
ドン、キントゼン、BHCなど)を効率よく除去するこ
とのできる方法の確立を期して種々研究を進めてきた。
【0011】その結果、所定量の水を含む人参エキスを
超臨界状態の二酸化炭素で処理する方法を採用すれば、
上記目的が見事に達成され、農薬成分を極めて効率よく
抽出除去できることを知り、上記本発明に想到したもの
である。
【0012】まず本発明では、液状の人参エキスを処理
対象として使用するが、これは、抽出処理効率を高める
と共に操作性を高める上で重要な要件である。即ち人参
根破砕物の如き固形物では、抽出除去の連続化が困難で
あるばかりでなく、繊維質成分などの不溶成分も含めて
処理されるため、全体としての処理量も多くなるが、有
価成分を液状で抜出した人参エキスであれば、有価成分
の濃縮された液状物として処理されるため、バッチ法、
連続法の何れを採用するにしても処理設備内への充填効
率が高くて設備をコンパクトにでき、しかも臨界状態二
酸化炭素との接触をより効率よく行なうことができ、ま
た液状での処理であるため連続抽出も容易となる。
【0013】更に本発明者らが確認したところによる
と、固形の破砕物として抽出処理するよりも液状エキス
として処理する方が、農薬成分の抽出効率も高められる
ことが確認された。これは、破砕物などの固形物として
抽出処理する場合は、エキス成分の他に繊維質成分など
の不溶成分が多量含まれているためか、超臨界二酸化炭
素を用いた農薬成分の除去効率はやや低くなるが、人参
エキス、それも30重量%以上の水分を含むエキスであ
れば、繊維質成分などが共存しない液状のエキスと超臨
界二酸化炭素を効率よく接触させることができ、その結
果として農薬成分を効率よく抽出除去できるものと思わ
れる。
【0014】ここで、人参エキスの水分含有量を30重
量%以上と規定したのは、次の様な理由による。即ち、
含水率の低い高濃度の人参エキスは粘稠であり、このま
までは超臨界二酸化炭素との混合・接触が不十分となっ
て満足のいく抽出効率が得られ難く、しかも、超臨界抽
出に伴って水分の抽出が起こり、含水率の低下により人
参エキスが粘稠となって取扱い作業性が著しく損なわれ
る。従って、超臨界抽出工程で超臨界二酸化炭素との接
触・混合性を十分に高め、抽出を短時間で効率よく進め
ると共に、人参エキスの取扱い作業を円滑に行なうに
は、エキス濃度を70重量%以下に抑え、低粘性状態で
抽出を行なうことが望ましいからである。抽出後の人参
エキスの取扱い作業性を高めつつ超臨界二酸化炭素とを
効率よく混合・接触させて抽出効率を高める上でより好
ましい水分含有量は40重量%以上である。
【0015】エキス中の水分含有量の上限は特に制限さ
れないが、水分量が多くなり過ぎると、低濃度化による
処理容量の増大により処理効率が低下する他、用途によ
っては抽出処理後にエキスの濃縮が必要となり、二重の
不利益を招く。従って、水分含有量は80重量%以下、
より好ましくは60重量%程度以下に抑えることが望ま
しい。抽出を行なう際の他の好ましい条件は、次の通り
である。
【0016】抽出器内での超臨界二酸化炭素の空塔速
度:20cm/min以下、より好ましくは15cm/min以下、
空塔速度は、抽出器内における人参エキスを超臨界二酸
化炭素と十分に混合・接触させて農薬成分の抽出を十分
に進める上で重要な条件であり、該空塔速度が速すぎる
と、混合・接触時間が不十分となって農薬成分の抽出除
去が不十分になる。従って、抽出器内での超臨界二酸化
炭素の空塔速度は20cm/min以下、より好ましくは15
cm/min以下とすべきであるが、空塔速度が遅くなるにつ
れて処理時間は相対的に長くなるので、工業的規模での
実用性を考慮すると、該空塔速度は10cm/min以上、よ
り一般的には12cm/min程度とするのが良い。
【0017】抽出温度:90℃以下、より一般的には5
0〜70℃、抽出温度は、二酸化炭素を超臨界状態に維
持するため操作圧力を考慮して適正な温度に設定する必
要があり、圧力によっても好適操作温度は変わってく
る。しかし、温度が高くなり過ぎると人参エキスの有価
成分(サポニンなど)が熱変質を起こし易くなるばかり
でなく、操作圧力も高くしなければならなくなるので、
90℃程度以下、より好ましくは70℃程度以下に抑え
るのがよい。但し、操作温度が低くなり過ぎると農薬成
分の抽出速度が遅くなり、満足のいく抽出率を確保する
ための処理時間が長くなるので、より好ましくは50〜
70℃の範囲が採用される。
【0018】抽出圧力:10MPa以上、より好ましく
は20〜30MPa、二酸化炭素を超臨界状態に維持し
つつ、農薬成分の抽出効率を高める上で好ましい圧力は
上記の通りであり、10MPa未満では超臨界状態が得
られ難く、また30MPaを超えると抽出設備の耐圧強
度を過度に高めねばならなくなるため設備費の高騰を招
く。
【0019】溶媒流量:S/F(抽出器内への人参エキ
ス充填量に対する超臨界二酸化炭素流通量)で10以
上、より好ましくは15〜50、超臨界二酸化炭素によ
る農薬成分の抽出を十分に進めるには、S/F比を10
以上にすることが望ましい。そして、該S/F比を高め
るにつれてエキス中の農薬成分の抽出量は増大するが、
この値を高くするには二酸化炭素の使用量を多くしなけ
ればならず、経済的に不利であるので、二酸化炭素の過
度の消費を抑えつつ農薬成分を十分に抽出除去するに
は、S/F比を15〜50の範囲に調整することが望ま
しい。
【0020】図1は、本発明で採用される抽出除去工程
を例示する概略フロー図であり、図中、1は昇圧ポン
プ、2は加熱器、3は抽出器、4は圧力調整弁、5は分
離器、6は二酸化炭素凝縮器、7は液体二酸化炭素タン
クを夫々示している。
【0021】この装置を用いて人参エキスから農薬成分
の抽出を行なうに当たっては、まず抽出器3内に処理す
べき人参エキスを装入する。この抽出器3には、図示し
ない加熱機構、温度制御機構などが設けられている。そ
して、液体二酸化炭素タンク7から昇圧ポンプ1を経て
送られてくるに液体二酸化炭素を、加熱器2に通して所
定の温度に加熱することにより超臨界状態とし、これを
抽出器3の底部から送り込んで、該抽出器3内に充填さ
れた人参エキスの下方から上方に向けて流すことによ
り、人参エキス内に含まれる農薬成分の抽出を行なう。
この時、抽出器3内は適正な温度・圧力に制御すると共
に、昇圧ポンプ1からの送給量を調整することによっ
て、抽出器3におけるS/F比を制御する。
【0022】なお、バッチ式で抽出を行なう場合は、人
参エキスを抽出器3内に予め充填しておき、これに超臨
界二酸化炭素を所定時間供給して農薬成分の抽出を行な
い、所定のS/F比に達した時点で二酸化炭素の供給を
停止し、抽出器3の下部に設けられる図示しない抜出し
ラインから、農薬成分の除去された人参エキスを抜出せ
ばよい。また連続法を採用する場合は、超臨界二酸化炭
素を図示する如く抽出器3の下方から上方に向けて流す
と共に、抽出器3の上方から人参エキスを連続的に供給
して対向流で流すことにより、人参エキスと超臨界二酸
化炭素とを混合・接触させて抽出を行なう。そして、農
薬成分が抽出除去された人参エキスは、逐次抽出器3の
底部から連続的に抜出せばよい。
【0023】抽出器3内で農薬成分を抽出捕捉した超臨
界二酸化炭素は、抽出器3の頂部から逐次抜出し、圧力
調整弁4で降圧してから分離器5へ送り込む。該分離器
5では、ガス化した二酸化炭素と、抽出された農薬成分
を含む水に分離され、農薬成分を含む水は系外へ抜き出
すと共に、気化分離した二酸化炭素は凝縮器6へ送って
冷却液化し、液化二酸化炭素タンク7へ返還して循環使
用される。
【0024】本発明を実施する際の基本的な抽出除去工
程は上記の通りであるが、実際に人参エキスから農薬成
分を抽出除去するに当たっては、抽出器内で人参エキス
と超臨界二酸化炭素を均一な混合状態で接触させて農薬
成分を効率よく抽出することが必要であり、それに伴っ
て抽出器3内では著しい発泡が起こる。そして、この泡
が二酸化炭素排出ライン方向へ漏れ出して浄化エキス成
分の回収率を大幅に低下させることがある。従って本発
明の方法を円滑に遂行するには、抽出器3内での発泡を
極力抑えると共に、多少の泡が発生した場合でも抽出器
3外への溢れ出しを可及的に阻止できる様な手段を講じ
ることが必要であり、そのための手段としては次の様な
方法が例示される。
【0025】バッチ抽出法を採用する場合は、抽出器
3内への人参エキスの充填量を内容積の1/2程度以
下、より好ましくは1/3程度以下に抑え、抽出器3内
の上方1/2以上、より好ましくは2/3以上をフリー
ボードとして残し、多少の泡が発生した場合でも、該フ
リーボード内を上昇するまでに泡が自然に消える様にす
ることが望ましい。
【0026】バッチ抽出法を採用する場合は、抽出器
3の下部から定期的に抽出処理済の人参エキスを抜き出
し、抽出器3内の液面を下げることによって発泡先端位
置を降下させ、あるいは抽出の途中で二酸化炭素の供給
を定期的に短時間中断することにより、泡の成長を抑え
る方法。
【0027】バッチ抽出、連続抽出の何れの方法を採
用する場合も共通して適用できる方法として、例えば図
2に略示する如く抽出器3上方のフリーボード部にデミ
スター(または疎水性のフィルター)(泡押え部材)8
を配置し、該デミスター8によって消泡することにより
泡の成長を抑える方法。
【0028】連続抽出塔を使用し、抽出塔の下方から
上方に向けて超臨界二酸化炭素を流すと共に、上方から
下方に向けて対向流で人参エキスを流す際に、図3に示
す如く、上方から供給される人参エキスをシャワー状の
ノズル9から泡の上面に向けて供給し泡を破壊する方
法。この方法は、抽出原料である人参エキスそのものの
供給方法を工夫するだけであるが、優れた消泡効果が得
られる方法として推奨される。この時、抽出塔3の下方
から上方に向けて供給する二酸化炭素を、拡散部材10
により抽出塔3内の横断面全域に行き渡るようにすれ
ば、対向流による接触効率を一段と高めることができる
ので好ましい。ここで使用される拡散部材の具体的な構
造には特に制限がなく、従来から知られた任意の構造の
ものを使用できる。また抽出塔の下部から、超臨界二酸
化炭素を溶解した人参エキスを連続的に排出・回収する
様にすれば、泡の発生を抑制することができる。
【0029】また、上記〜で示した様な消泡対策以
外にも、より効果的な抽出を可能にするための対策とし
て、次の様な手段を付加することも極めて有効である。
【0030】バッチ式および連続式の如何を問わず、
二酸化炭素には農薬成分の抽出工程で相当量の水分が含
まれてくるので、この二酸化炭素を循環使用するには、
何れかの工程で水分を除去する必要がある。該水分の除
去は、活性炭やゼオライトなどの吸着材と接触させるこ
とによって行なうことも可能であるが、この方法を採用
すると、吸着材の交換や再生など煩雑な作業が付加され
る他、人参エキスの香味成分までも除去されるという問
題が生じてくる。これに対し、例えば図4に示す如く、
循環使用される液体二酸化炭素タンク7の適所に脱水ポ
ット11を付設しておき、比重差で水分を逐次除去でき
るようにすれば、循環使用される二酸化炭素内への水分
の蓄積を簡単に防止することができ、香味成分などのロ
ス等も可及的に抑えることができるので好ましい。
【0031】農薬成分が抽出除去された人参エキス
(浄化エキス)は、抽出器から抜き出した後大気圧に放
圧して回収されるが、この時、エキス内に溶解した二酸
化炭素が気化することによって著しく発泡し、場合によ
っては回収タンクから溢れ出すことがある。このときの
発泡量は、通常人参エキス容量の5倍程度であるので、
製品回収タンクからの製品の溢れ出しを避けるには、製
品回収量の5倍程度以上のフリーボードを確保できる内
容量の回収タンクを設置しておくことが望ましい。そし
てこの様に十分な容量を確保しておけば、その後の加熱
攪拌などによる泡の抜き出しも支障なく行なうことがで
きる。
【0032】この他、農薬成分の抽出除去を終えて回収
される人参エキスの回収工程で、例えば図5に示す如
く、抜き出した浄化エキスを真空脱泡器12に通してか
ら回収タンク13へ送る様にすれば、回収タンク13の
フリーボードを小さくすることができるので、設備をコ
ンパクト化するうえで有利である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成と作用効
果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実
施例によって制限を受ける訳ではなく、前・後記の趣旨
に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能
であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含さ
れる。
【0034】実施例1 図1に示した様な装置を使用し、下記表1に示す条件で
超臨界二酸化炭素を用いた人参エキスからの農薬成分
(プロシミドン、キントゼン、BHC)の抽出実験を行
なった。結果は同表に示す通りであり、いずれの農薬成
分も適正な抽出条件を採用することによって効率よく抽
出除去できることが分かる。
【0035】図6は、プロシミドンを抽出する際の抽出
温度と抽出率の関係を示したグラフであり、このグラフ
からも明らかな様に、50℃未満ではやや抽出率が低
く、それ以上に温度を高めるにつれて抽出率は高まる
が、70℃でほぼ飽和状態に達するので、抽出温度は5
0〜70℃の範囲が好ましいと考えられる。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 上記実施例1と同じ装置を使用し、超臨界抽出時の発泡
が操業安定性に及ぼす影響を把握するため、抽出容器内
への原料エキスの充填量を種々変えて、抽出操作時にお
ける抽出容器からの泡の溢れ出し状況を調べた。なお抽
出条件は下記の通りとした。 抽出圧力:30MPa 抽出温度:70℃ S/F:15 空塔速度:11.5cm/min 処理原料:プロシミドン5ppmを含む含水率50%の
人参エキス
【0038】結果は表2に示す通りであり、特別の消泡
操作を講じることなく抽出時の発泡による抽出器からの
泡の溢れ出しを避けるには、抽出器への原料充填比を1
/1.5倍以下にすべきであることが分かる。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 抽出器を用いたバッチ抽出では、前述の如く人参エキス
の発泡によって液面が上昇するので、抽出器の容量が不
足する場合、抽出器から泡が溢れ出して浄化エキス(製
品)の回収率が低下する。これを防止するための1つの
手段は、前記実施例2で示した様に抽出器内への原料エ
キスの充填量を少なくして抽出器内の上方部に十分なフ
リーボードを確保することであるが、それではエキス処
理量に対して過度に大容量の抽出器を使用しなければな
らず、設備コンパクト化の要望に反することになる。
【0041】そこで、過度に大容量の抽出器を使用せず
とも泡の溢れ出しを防止すべく、抽出工程で、農薬成分
の抽出が完了した下方部から浄化エキスを定期的に抜き
出し、抽出器内の液面を下げることによって泡の溢れ出
しを防止すべく実験を行なった。即ち、120リットル
容量の抽出器内に原料エキス(水分含有量40%)10
0リットルを装入し、トータルの抽出時間を120分と
し、表3に示す如く約25分毎に抽出器の底部から所定
量の浄化エキスを抜き出すことにより、泡の溢れ出しを
防止した。なお、他の抽出条件は下記の通りとした。 抽出圧力:30MPa 抽出温度:70℃ S/F:15 空塔速度:11.5cm/min
【0042】下方から定期的に抜き出したエキスのプロ
シミドン抽出率は表3に示す通りであり、この方法を採
用すれば、原料エキス装入量に対して1.2倍容量の抽
出器を使用した場合でも、泡の溢れ出しを回避すること
ができ、また途中で抜き出されるエキスの農薬抽出率も
ほぼ安定していることが分かる。
【0043】なお、抽出後の人参エキスを抽出器から排
出して回収するときの作業性を考えると、原料エキスの
水分含有量は30%以上、より好ましくは40%以上に
すべきであることも確認された。
【0044】
【表3】
【0045】実施例4 前記図3に示した様な対向流の連続抽出法を採用した場
合、下方から供給された圧縮二酸化炭素は、上方から供
給される原料エキスと向流接触して農薬成分を抽出し抽
出器の上方から排出され、浄化エキスは抽出器の底部か
ら排出される。そして、抽出器内における原料エキスの
液面が一定位置に維持される様に、原料エキスの装入量
と抜き出し量の調整が行われるが、この時、抽出器内の
エキス液面では著しい発泡が起こる。ところが、原料エ
キスをノズルから抽出器内のエキス液面に向けてシャワ
ー状に供給すれば、該エキスによって液面の泡が破壊さ
れるので、抽出器からの泡の溢れ出しを生じることな
く、対向流の連続抽出を効率よく実施できる。
【0046】この連続抽出法を採用し、表4に示す抽出
条件で人参エキス中のプロシミドンの抽出除去を行なっ
たところ、同表に示す結果が得られた。この結果からも
明らかな様に、抽出器の上方から原料エキスをシャワー
状に供給して圧縮二酸化炭素と対向流で連続的に接触さ
せ、抽出塔下部から人参エキスを連続的に排出・回収す
ることにより、原料エキス中のプロシミドンを効率よく
抽出除去できる。またこの抽出工程で泡の上昇は認めら
れなかった。なお、プロシミドンの抽出除去率を更に高
めたい場合は、圧縮二酸化炭素の供給量を増大するか、
あるいは抽出器を長くして接触時間を長くすればよい。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、人
参エキスを超臨界二酸化炭素と接触させることによっ
て、該エキス中に含まれる農薬成分を効率よく抽出除去
し得ることになった。特に、抽出処理工程で避けること
のできない発泡については、抽出器内での消泡対策もし
くは泡の上昇防止対策を講じることによって、相対的に
コンパクトな抽出設備で農薬成分を効率よく除去するこ
とができ、また抽出処理の連続化にも容易に対応でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略フロー図である。
【図2】抽出器にデミスターを設けた例を示す説明図で
ある。
【図3】本発明で適用される対向流式の抽出器を示す説
明図である。
【図4】循環使用される二酸化炭素からの水分除去例を
示す説明図である。
【図5】抽出を終えて抜き出される浄化エキスからの脱
泡例を示す説明図である。
【図6】実験で得た抽出温度とプロシミドン抽出率の関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 加熱器 3 抽出器 4 圧力調整弁 5 分離器 6 凝縮器 7 二酸化炭素タンク 8 デミスター 9 シャワー状ノズル 10 拡散部材 11 脱水ポット 12 真空脱法器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分含有量が30重量%以上である人参
    エキスを、超臨界状態の二酸化炭素と接触させ、人参エ
    キス中の農薬成分を抽出除去することを特徴とする人参
    エキスからの農薬成分除去法。
  2. 【請求項2】 超臨界状態の二酸化炭素の空塔速度:2
    0cm/min以下、温度:90℃以下で抽出を行なう請求項
    1に記載の除去法。
  3. 【請求項3】 所定量の人参エキスが装入された抽出器
    の下方から上方に向けて超臨界状態の二酸化炭素を流し
    て抽出を行なうと共に、該抽出器の底部から定期的にエ
    キスを抜き出すことにより、抽出工程で発生する泡の溢
    出を防止しつつ農薬成分の抽出を行なう請求項1または
    2に記載の除去法。
  4. 【請求項4】 連続抽出塔の上方から下方へ人参エキス
    を通過させつつ、超臨界二酸化炭素を下方から上方へ対
    向流で流し、泡の発生を抑えつつ農薬成分の抽出を行な
    う請求項1または2に記載の除去法。
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