JP2004269444A - ヤーコン中の有用成分の抽出とその応用 - Google Patents

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【課題】ヤーコン抽出有用成分の提供。該有用成分の生理活性を活用した機能性食品、医薬品等の創生。
【解決手段】ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出し分離した、成分A(α−キュービビン等)、および/または、成分B(2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノン等)、および/または、成分C(トリテトラコンタン等)を有用成分として含有する抽出物。乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素を用いることを特徴とするヤーコンから有用成分、好ましくは成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを抽出する方法であって、乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素で成分Aおよび成分Bを多く含有する抽出物を抽出し分離し、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素で成分Bおよび成分Cを多く含有する抽出物を抽出し分離することを特徴とする上記の方法。ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出した有用成分を有効成分とする抗菌剤または制ガン剤。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヤーコンの葉から超臨界二酸化炭素で抽出した有用成分とその応用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キク科の根菜であるヤーコン(Yacon)は南米産の根菜類でフラクトオリゴ糖の他有用成分が豊富で健康食品として注目され、全国各地で栽培されるようになった。ヤーコンの利用方法として、根菜を粉砕搾汁して豆乳及び蜂蜜と混ぜてヤーコン豆乳飲料とする方法(特許文献1)、根菜類からスナック菓子やパン(特許文献2)及びうどんの添加物とする方法、お茶としての利用、あるいは水溶性溶媒抽出物を老化防止・美白用の皮膚外用剤(特許文献3)として利用することが提案されている。
【0003】
植物中の有効成分の抽出法として高温熱水、アルコール類、ジクロルメタン他の有機溶媒法がある。水やアルコール類で抽出される成分は極性物質であり、非極性物質は抽出できない。非極性物質の抽出にはジクロルメタンやヘキサンなどの有機溶媒で抽出する必要がある。有機溶媒が抽出成分中に残存することは望ましくなく、完全に除く必要がある。
非極性物質の抽出法として超臨界流体法が注目されている。超臨界流体は温度、圧力などの条件により密度や溶解性が大きく影響され、非抽出物質によって最適抽出分離条件を選定する必要がある。
【0004】
超臨界二酸化炭素は31.4℃、78気圧で超臨界となり、密度が大きく、粘性が小さく、拡散速度が大きいために低温で高速抽出できる。超臨界二酸化炭素を利用した有用成分の抽出はカフェイン、ホップ、ニコチンの抽出などが大規模に実施されている。また、プロポリス、ノゴギリヤシ、カツオからの有用成分の抽出が実用化されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−101859
【特許文献2】
特開2001−57843
【特許文献3】
特開平8−175964
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、ヤーコンはフラクトオリゴ等と食物繊維を多く含むほか、血糖値を下げる成分や制ガン成分を含有すると言われており、健康食品、ジュースやお茶、パンやうどんなど幅広く利用されるようになってきている。ヤーコン中の有用成分を熱水あるいは各種のアルコール類を用いて有用成分の抽出が行われており、抽出成分が抗酸化機能や老化防止機能などを有することが認められている。また、超臨界流体を用いた成分抽出では、従来のアルコール抽出と比べ抽出成分が相当異なることがわかっており、高い機能性を有する成分の抽出が期待されるが、ヤーコンから有用成分抽出に超臨界流体抽出法を適用した例は認められていない。また、超臨界流体抽出成分の機能については全く知られていない。
【0007】
本発明は、ヤーコンの未利用部分である芋皮や葉茎部より超臨界流体を用いた有効成分の抽出を実施し、機能性を評価すると共に食品への応用を検討して、臨界抽出技術を用いたヤーコン高度有効利用技術の確立を目指すものである。
さらに、本発明は、本発明はヤーコンから抽出した有用成分を提供すること、該有用成分の生理活性を活用した機能性食品、医薬品等の創生を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは各種の生物資源からの超臨界二酸化炭素抽出について研究を鋭意行っており、その一環としてヤーコンの超臨界二酸化炭素抽出を行った結果、分離した抽出物に制ガン機能を有する化学物質が存在することを見いだし、その発見を基に、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出し分離した、成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを有用成分として含有する抽出物を要旨とする。
ただし、上記成分A、成分B、成分Cの代表的な化合物は以下のとおりである。
成分A:α−キュービビンを代表とする混合物
成分B:2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノンを代表とする混合物
成分C:トリテトラコンタンを代表とする混合物
以下、単に成分A、成分B、成分Cと略称することがある。
【0010】
乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素を用いて抽出されたものであり、その場合の本発明は、乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素で抽出し分離した、成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを有用成分として含有する抽出物を要旨とする。
【0011】
乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素抽出し分離した成分Aおよび成分Bを多く含有する抽出物と、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素抽出し分離した成分Bおよび成分Cを多く含有する抽出物とに分別抽出したものであり、その場合の本発明は、ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出し分離した、成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを有用成分として含有する抽出物であって、ヤーコンから、好ましくは乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素抽出し分離した成分Aおよび成分Bを多く含有する抽出物と、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素抽出し分離した成分Bおよび成分Cを多く含有する抽出物とに分別抽出したものであることを特徴とする上記抽出物を要旨とする。
【0012】
また、本発明は、乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素を用いることを特徴とするヤーコンから有用成分、好ましくは成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを抽出する方法を要旨とする。
【0013】
また、本発明は、乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素を用いることを特徴とするヤーコンから有用成分、好ましくは成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを抽出する方法であって、乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素で成分Aおよび成分Bを多く含有する抽出物を抽出し分離し、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素で成分Bおよび成分Cを多く含有する抽出物を抽出し分離することを特徴とする上記の方法を要旨とする。
【0014】
また、本発明は、ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出した有用成分を有効成分とする抗菌剤または制ガン剤を要旨とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、抽出の手段として超臨界流体、好ましくは二酸化炭素を用いる。超臨界CO抽出は精油の分離、食品や医薬品の低温処理および精製など様々な分野で幅広く応用されている。またCOは自然界に存在しているものであり、無毒・無害かつ低価格で、しかも臨界温度、臨界圧力(Tc=31.1℃、Tp=73.8atm)が低いため、天然製品の処理における理想的な溶剤であると考えられる。一方、水/エタノール抽出の場合は、主に極性物質が得られる。有機溶剤に比べれば簡易であるが溶媒除去の手順が必要である。非極性物質を抽出する場合は、ヘキサン等の有機溶剤を使用する必要があり、溶媒除去の必要性、環境に対する負荷、また残留の危険性があり食品等への利用は困難である。
溶媒として用いた超臨界二酸化炭素は、常温常圧になれば普通の二酸化炭素であり抽出後の溶媒除去は容易である。超臨界抽出では圧力と温度を変化させたり、エントレーナと呼ばれる物質を加えることで、溶出力を変化させることが可能である。
【0016】
ヤーコンは、葉、茎、葉茎部(葉柄)などのヤーコン地上部と芋が使用できるが、芋皮や葉茎部は未利用部分であり、該未利用部分を用いることはヤーコンの高度有効利用の観点から望ましい。使用にあたっては、芋皮や葉茎部のヤーコン未利用部分を乾燥したものを細切りあるいは粉末にして直接用いる。ヤーコン中の成分では熱による変性を受けやすい成分と安定な成分があり、乾燥条件や抽出条件によって抽出される成分が異なってくる。超臨界二酸化炭素抽出では抽出率、抽出効率に水分が影響するため、前処理工程で十分乾燥することと、できるだけ熱変性の起こらない低温で行うことが望ましい。超臨界流体抽出前処理技術として、冷風マイクロ波乾燥機を設計試作し、照射条件、風量、温度・湿度の条件等を検討して低温迅速乾燥を実施した。
【0017】
ヤーコン芋皮部、葉茎部乾燥物からの二酸化炭素を用いた超臨界抽出試験を実施し、前処理乾燥条件や操作温度が抽出成分や収率に深く関与することが明らかになり、ヤーコンからの抽出最適条件を得るに至った。
超臨界二酸化炭素による抽出も40℃で抽出した後、80℃で抽出する分別抽出により、効率よく有用成分が抽出できることがわかった。
【0018】
本発明の実施形態について図1で説明する。図1は超臨界流体抽出装置のフロー図である。二酸化炭素は液化して高圧定量ポンプで高圧容器の送給する。試料を高圧容器に充填して高圧二酸化炭素を挿入し、所定温度・所定圧力で保持した後、高圧二酸化炭素を流通し、圧力を解放後に冷却して抽出成分を回収するものである。
【0019】
ヤーコンの葉及び茎を裁断し、乾燥した後、粉砕する。粉末のヤーコン葉等を超臨界抽出装置に充填し、40℃で超臨界二酸化炭素を導入して、所定圧力下で所定(2〜3)時間保持した後、1分間に大気圧状態の二酸化炭素を抽出容器の5倍量、所定(2〜5)時間流して抽出した。その後、80℃に昇温して所定時間保持した後、同様に超臨界二酸化炭素を所定時間流通して抽出した。
【0020】
ヤーコンの葉の乾燥粉砕物では40℃の低温で抽出すると成分Aと成分Bのリッチな成分の抽出物を得た。
上記成分A、成分Bの代表的な化合物の名称および化学式は以下のとおりである。
成分A:アルファキュービビン
α−cubebene
【化1】
Figure 2004269444
成分B:2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノン
2,6−bis(phenylmethylene)−cyclohexanone
【化2】
Figure 2004269444
【0021】
80℃で抽出した場合、成分Bと成分Cを多く含む成分の抽出物を得た。 上記成分Cの代表的な化合物の名称および化学式は以下のとおりである。上記成分Bの代表的な化合物の名称および化学式は上記のとおりである。
成分C:トリテトラコンタン
tritetracontane
【化3】
Figure 2004269444
【0022】
ヤーコンの根菜の皮を同様に超臨界抽出した結果、抽出成分は葉と全く異なる成分Dを含む成分が抽出された。上記成分Dの代表的な化合物の名称および化学式は以下のとおりである。
成分D:4ベータ−カオ−16エン−18オイック酸
(4.beta.)−kaur−16−en−18−oic acid
【化4】
Figure 2004269444
【0023】
ヤーコンの葉及び根菜の皮からの抽出成分について制ガン機能及び生活習慣病改善機能評価を行ったところ、ヤーコンの葉から抽出した低温抽出成分及び高温抽出成分とも制ガン機能が優れていること、試験細胞が死滅するなどの抗菌機能を示すことが認められた。ヤーコンの根菜からの抽出成分は制ガン、抗菌機能を示さないことが分かった。
上記の制ガン機能評価、生活習慣病改善機能評価は以下のとおりの方法で実施した。
制ガン作用の評価はRaji細胞の変形抑制試験によりおこなった。Raji細胞はEpstein−Barrウイルスゲノムを保有しガン化のイニシエーション状態にあるが、早期抗原は発現していない。これにプロモーターを作用させることでガン化する。試料(ヤーコン抽出物)を一定濃度加えて培養し、ガン化を抑制する活性の強さを測定する。早期抗原の定量はウイルス感染患者の抗体に蛍光標識を結合させ、顕微鏡観察により活性を測定する。
生活習慣病改善機能の評価は前駆脂肪細胞用の分化促進作用によりおこなった。前駆脂肪細胞である3T3−L1細胞をインスリンを含む培地に添加し試料(ヤーコン抽出物)を一定濃度加えて培養し、脂肪細胞への分化促進活性の強さを測定する。分化の指標として脂肪細胞になると活性が著しく上昇するグリセロール3リン酸脱水素酵素を測定する。
【0024】
【作用】
抽出条件の違いにより抽出物の組成が異なる。乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素抽出し分離した抽出物は、成分Aおよび成分Bを多く含有する抽出物となり、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素抽出し分離した抽出物は、成分Bおよび成分Cを多く含有する抽出物となる。また溶媒として用いた超臨界二酸化炭素は、常温常圧になれば普通の二酸化炭素であり抽出後の溶媒除去は容易である。
【0025】
ヤーコン葉から超臨界二酸化炭素抽出を行った後の残渣は温水抽出による溶出成分は抽出前の葉と同様の成分が検出され、非水溶性成分のみが超臨界二酸化炭素抽出により抽出されたもので、水溶性成分組成は変化がほとんどないことが確認され、お茶としての利用ができることが分かった。
【0026】
超臨界二酸化炭素抽出において、最初に40℃で所定時間抽出した後、80℃で抽出した場合、抽出量が40℃、80℃の順に抽出した場合に比べ抽出量が1/2以下になり、抽出前に加熱処理すると抽出されにくくなることが認められた。
【0027】
二酸化炭素超臨界流体によって抽出された各抽出物について、上記の通り、制ガン性、脂肪細胞分化促進作用等の健康機能性を調査評価した。超臨界二酸化炭素で抽出した成分を有する抗菌及び制ガン剤として使用する。
【0028】
抽出した有効成分を利用し、機能性食品を提案すると共に、ヤーコンからの超臨界流体を用いた機能性食品製造システムを構築し提案することができる。
【0029】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0030】
実施例1
ヤーコン葉及び茎を裁断し、凍結乾燥した後、粉砕した試料79gを300mlの高圧容器にとり、40℃、20MPaの条件で超臨界二酸化炭素を充填し、2時間保持した後、大気圧の二酸化炭素に換算して1.5L/minの流速で二酸化炭素5時間流して抽出成分を1.3g回収した。
次いで、20MPaで80℃に温度を上げて、2時間保持した後、超臨界二酸化炭素を5時間流通して成分0.3gを回収した。
これらの成分をガス質量分析計(GC−MS)で分析した。
40℃で抽出した成分は大きな二つのピーク(成分A:リテンションタイム13.3、成分C:27.3)を示し(図2)、80℃で抽出した成分では成分B:リテンションタイム25.3と成分C:27.3のピークが認められた(図3)。
40℃で超臨界二酸化炭素抽出し分離した抽出成分は、成分A、成分Bを多く含有する組成物で、次いで80℃で超臨界二酸化炭素抽出し分離した抽出成分は、成分B、成分Cを多く含有する組成物であることが分かった。
【0031】
これらについて制ガン機能を測定した結果、いずれも著しい制ガン活性を示した。
これらについて生活習慣病活性の測定を試みた結果、活性が強く測定細胞がいずれも死滅し、抗菌性の活性を有することが類推される。
超臨界抽出残渣について熱水抽出を行った結果、抽出前の葉と同様の成分が抽出されることが分かった。
【0032】
比較例1
実施例1と同じ試料78gを高圧容器に充填し、80℃、20MPaの条件で2時間保持した後、超臨界二酸化炭素を送給し、5時間抽出して成分0.6gを得た。次いで、40℃、20MPaで同様に2時間保持した後、5時間抽出して0.1g回収した。
【0033】
実施例2
実施例1と同様にヤーコンの葉を裁断した試料を凍結乾燥した後、高圧容器に35gとる。超臨界二酸化炭素を送給して40℃、20MPaとし、2時間保持した後、5時間に酸化炭素を送給して抽出し、成分を0.8g回収した。次いで、60℃、20MPaの条件で2時間保持した後、5時間成分抽出を行った結果、0.1g回収できた。これらの成分の分析を行った結果、熱風乾燥とほぼ同様な成分が抽出されていた。これらの成分はいずれも著しい制ガン機能を示した。
【0034】
比較例2
実施例と同様の試料を36g高圧容器に充填し、80℃、20MPaの条件で2時間保持した後、超臨界二酸化炭素を5時間流通した結果、成分0.2gを回収した。次いで40℃に温度を下げて、2時間保持した後、超臨界二酸化炭素を5時間流通し、成分0.3gを回収した。
【0035】
比較例3
ヤーコン根菜の皮の裁断物を凍結乾燥した後、粉砕した試料130gを高圧容器にとり、超臨界二酸化炭素を充填して40℃、20MPaの条件で2時間保持した後、二酸化炭素を送給して抽出し、成分0.03gを得た。次いで、80℃に温度を上げ、20MPaで2時間保持した後、5時間抽出した結果、成分0.3gを得た。葉に比べて低温での抽出量が著しく少なかった。これらの成分についてガス質量分析を行った結果、葉に見られた成分は認められず、成分D(リテンションタイム35.9と38.0及び40.8の3本の大きなピーク)が認められた。これらの成分の制ガン機能を調べた結果、これらの抽出物は制ガン機能が認められなかった。
【0036】
【発明の効果】
従来、ヤーコン中の有用成分の抽出法としては熱水や各種のアルコール類が用いられており、その機能として抗酸化性、老化防止、リパーゼ阻害性などが認められていた。本発明ではヤーコンの葉より超臨界流に酸化炭素にて、有用成分の抽出に成功し、且つ、機能として制ガン活性の高いことを見出した。さらに、超臨界二酸化炭素では非極性成分のみの抽出で、水溶性成分は残存し、従来通り、健康茶として利用できることを認めた。
従来はお茶としてのみ利用されていたものを超臨界二酸化炭素により、制ガン機能及び抗菌機能を有する成分の抽出に成功したことから、お茶としての利用を図りつつ、制ガン剤の抽出できることを見出したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】超臨界抽出法のフロー図である。
【図2】実施例1の40℃の条件で超臨界二酸化炭素抽出し分離した抽出物のGC−MSのチャートを示す。
【図3】実施例1の次いで80℃において超臨界二酸化炭素抽出し分離した抽出物のGC−MSのチャートを示す。

Claims (8)

  1. ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出し分離した、成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cを有用成分として含有する抽出物。
    ただし、上記成分A、成分B、成分Cの代表的な化合物名は以下のとおりである。
    成分A:α−キュービビン等
    成分B:2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノン等
    成分C:トリテトラコンタン等
  2. 乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素を用いて抽出し分離した請求項1の抽出物。
  3. 乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素抽出し分離した成分Aおよび成分Bを含む抽出物と、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素抽出し分離した成分Bおよび成分Cを含有する抽出物とに分別抽出したものである請求項1または2の抽出物。
    ただし、上記成分A、成分B、成分Cの各代表的な化合物名は以下のとおりである。
    成分A:α−キュービビン等
    成分B:2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノン等
    成分C:トリテトラコンタン等
  4. 乾燥したヤーコン葉を粉砕した後、超臨界二酸化炭素を用いることを特徴とするヤーコンから有用成分を抽出する方法。
  5. 有用成分が成分A、および/または、成分B、および/または、成分Cである請求項4のヤーコンから有用成分を抽出する方法。
    ただし、上記成分A、成分B、成分Cの各代表的な化合物名は以下のとおりである。
    成分A:α−キュービビン等
    成分B:2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノン等
    成分C:トリテトラコンタン等
  6. 乾燥粉末ヤーコンを40℃から60℃の条件で超臨界二酸化炭素で成分Aおよび成分Bを多く含有する抽出物を抽出し分離し、次いで温度を80℃以上において超臨界二酸化炭素で成分Bおよび成分Cを多く含有する抽出物を抽出し分離する請求項4のヤーコンから有用成分を抽出する方法。
    ただし、上記成分A、成分B、成分Cの各化合物名は以下のとおりである。
    成分A:α−キュービビン等
    成分B:2,6−ビスフェニルメチレンシクロヘキサノン等
    成分C:トリテトラコンタン等
  7. ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出した有用成分を有効成分とする抗菌剤。
  8. ヤーコンから超臨界二酸化炭素で抽出した有用成分を有効成分とする制ガン剤。
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