JP2676943B2 - 高純度無水ヒドラジンの製造方法 - Google Patents

高純度無水ヒドラジンの製造方法

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JP2676943B2
JP2676943B2 JP1245006A JP24500689A JP2676943B2 JP 2676943 B2 JP2676943 B2 JP 2676943B2 JP 1245006 A JP1245006 A JP 1245006A JP 24500689 A JP24500689 A JP 24500689A JP 2676943 B2 JP2676943 B2 JP 2676943B2
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統夫 綾部
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石川島播磨重工業株式会社
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B21/00Nitrogen; Compounds thereof
    • C01B21/082Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals
    • C01B21/16Hydrazine; Salts thereof

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は人工衛星の如き宇宙機器への搭載用ロケット
の燃料として使用する高純度無水ヒドラジンの製造方法
に関するものである。
[従来の技術] 現在市販されている無水ヒドラジン中には、ヒドラジ
ンH2NNH2(N2H4)のほかに、不純物として、水、微粒
子、塩化物、トルエン、鉄、炭酸ガス等が含まれてお
り、特に、トルエンは最大0.5%程度含まれている関係
で、市販品の無水ヒドラジンは高純度品とはいえず、一
般のロケット用燃料として使用されているが、人工衛星
等の宇宙機器への搭載用ロケットの燃料としては支障が
あるとして使用されていない。すなわち、ロケットは、
燃料としての無水ヒドラジンを液体の状態で吹き出させ
て、これを触媒で分解してガス化し、高温高圧のガスと
して噴出させて飛ぶものである。上記無水ヒドラジン中
のトルエンは、ヒドラジンを分解するヒドラジン分解触
媒に対して被毒作用を有しているが、通常のロケットは
飛ぶ時間が短かいため、上記触媒への被毒作用は問題に
ならず、したがって、従来では、トルエンを最大0.5%
程度含む無水ヒドラジンを通常のロケット用燃料として
使用している。
[発明が解決しようとする課題] ところが、人工衛星の如き宇宙機器への搭載用ロケッ
トは、数年間あるいは十数年間という長期間にわたり飛
行するものであるため、市販品の無水ヒドラジンを燃料
として使用した場合は、無水ヒドラジン中のトルエンが
触媒被毒作用を有することから長期にわたる間にヒドラ
ジン分解触媒が駄目になって来るため、上記長期にわた
り飛行を続けるような宇宙機器搭載用のロケット燃料と
して使用する無水ヒドラジンとしては、トルエンの量を
少なくする等、不純物の濃度を少なくした高純度品の無
水ヒドラジンとして規格を高くすることが必要である。
従来、トルエンはヒドラジン中に溶け込んでいるとみら
れていたため、トルエンを抜き出すことは考えられてい
なかった。
そこで、本発明は、トルエンはヒドラジン中に分散し
ているため抜き出すことが可能であることを見い出し、
不純物の濃度を少なくした高純度無水ヒドラジンを製造
しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決するために、トルエン、そ
の他の不純物を含む無水ヒドラジンを加熱保温される容
器内に入れ、ここで上記無水ヒドラジンをN2ガスで撹拌
させることによりトルエンを揮発させて除去し、次い
で、上記容器内に水酸化ナトリウムを導入し無水ヒドラ
ジンと混合させて脱水、脱炭酸化を行い、しかる後、上
記容器内からヒドラジンのガスを取り出して常温で減圧
蒸留を行った後、冷却器で冷却して凝縮させ、凝縮物を
冷却器から取り出し且つ粒子状物質を除去して製品とす
るようにする。
[作用] 無水ヒドラジンをN2ガスで泡立たせると、トルエンは
揮発させられて容器外へ除去され、次いで、水酸化ナト
リウムを混入すると脱水、脱炭酸化が行われると、無水
ヒドラジン中のトルエンや炭酸ガス等の濃度は低減され
る。しかる後、上記揮発成分が除去され且つ脱炭酸化が
行われた無水ヒドラジンのガスを真空吸引して容器から
取り出し、常温で減圧蒸溜した後、冷却して凝縮させた
ものから粒子状物質を除去させるので、不純物の濃度を
低減できた高純度無水ヒドラジンが製品として得られ
る。
[実 施 例] 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図は本発明の方法を実施するための装置の一例を示す
もので、外周部に加熱ジャケット2を設置して内部を加
熱保温できるよういした容器1の内部へ市販品の無水ヒ
ドラジン(N2H4)Aを供給する無水ヒドラジン供給管3
と、強いアルカリである水酸化ナトリウム(NaOH)を導
入する水酸化ナトリウム導入管4とを配管すると共に、
底部より容器1内へN2ガスを吹き込むN2ガス吹込管5を
容器1の底部に開口させ、且つモータ7により羽根8を
回転させるようにした撹拌装置6を容器1内に設置す
る。又、上記容器1の頂部と真空ポンプ9との間にガス
吸引管10を配管して、該ガス吸引管10の途中に、上流側
から順に精留塔11、冷却器12を設け、真空ポンプ9で常
に吸引している状態で精留塔11にてヒドラジンのガスを
常温で減圧蒸留させた後、冷却器12で冷却させて凝縮さ
せるようにし、更に、上記冷却器12で凝縮されたものを
冷却器12から取り出すために、上記冷却器12の入口側に
分岐管13を接続して、上方より順に中間槽14、貯留槽1
5、ミクロフィルタ16を配して、これらを上記冷却器12
の下方に位置させ、上記ミクロフィルタ16の下方には製
品槽17を設置して、不純物の濃度が低減された無水ヒド
ラジンが製品として得られるようにする。上記ミクロフ
ィルタ16の出側と貯留槽15の上部との間には循環管18を
設けて、該循環管18の下部にN2ガス吹込部19を、又、上
部に気液分離部20をそれぞれ設置して、N2ガス吹込部19
より吹き込まれるN2ガスによりエアリフトを構成し、貯
留槽15に貯留された無水ヒドラジンをミクロフィルタ16
を通してエアリフトで循環させることによって粒子状物
質を除去できるようにし、上記循環管18途中の気液分離
部20で分離されたガスは、ガス取出管21にて真空ポンプ
9の吐出側に接続させるようにする。又、上記精留塔11
の入口側のガス吸引管10には廃気取出管22を接続し、容
器1内で揮発したトルエンを廃気できるようにする。
なお、V1,V2,V3,V4,V5,V6はいずれもバルブである。
今、市販品の無水ヒドラジンAから高純度無水ヒドラ
ジンを製造する場合には、先ず、市販品の無水ヒドラジ
ンAを容器1内に入れ、精留塔11の入口側のバルブV2
閉、バルブV1を開にする。この状態でN2ガス吹込管5の
途中のバルブV3を開にして容器1の底部よりN2ガスを吹
き込み泡立たせる。このN2ガスの通気により無水ヒドラ
ジンA中の揮発成分は除去されるので、無水ヒドラジン
A中のトルエンはガス吸引管10、廃気取出管22を経て除
去される。次に、N2ガス吹込管5の途中のバルブV3と廃
気取出管22の途中のバルブV1を閉じて、容器1内に水酸
化ナトリウムを水酸化ナトリウム導入管4より導入し、
撹拌装置6を作動させて無水ヒドラジンAに混入させ、
水酸化ナトリウム(NaOH)で脱水、脱炭酸化を行わせ
る。次いで、容器1内を加熱ジャケット2によりヒドラ
ジンの沸点以上の温度にし且つ真空ポンプ9を作動さ
せ、更にガス吸引管10のバルブV2,V4を開、分岐管13の
バルブを閉にして、容器1内のガスをガス吸引管10を
通し精留塔11内に吸引させる。このとき、先に容器1内
に吹き込まれたN2ガスもガス化されたヒドラジンととも
に精留塔11内に入る。精留塔11では、常温(25〜30℃)
での減圧(10〜15トール)蒸留を行い、次に、精留塔11
からのガスはガス吸引管10により冷却器12に導入され、
ここで約0℃の冷却温度で冷却が行われ、該冷却器12に
は凝縮物が溜められる。上記冷却器12に溜った凝縮物
は、該冷却器12内からの中間槽14を経て貯留槽15内へ落
すが、ガス吸引管10は負圧になっているので、大気圧に
戻した後に貯留槽15へ落すようにする。そのため、バル
ブV4を閉、バルブV5を開にして冷却器12の入側のガス吸
引管10の内部を中間槽14内と同じ圧力にした後に、冷却
器12から凝縮物を一旦中間槽14内へ落し、更に、バルブ
V6を開にして、中間槽14から貯留槽15内へ凝縮物を落し
て貯留させる。しかる後に、上記貯留槽15に貯留された
液体は、ミクロフィルタ16を通した後、N2ガスによるエ
アリフトにより循環管18を通して循環させることにより
液体中に含まれている粒子状の物質をミクロフィルタ16
で除去させる。粒子状の物質が除去された液体は、貯留
槽15から製品槽17へ移し、製品として高純度無水ヒドラ
ジンを得るようにする。
因に、上述した市販品の無水ヒドラジンAとしては、
ヒドラジン98.5%のほかに、不純物として、たとえば、
トルエンを最大0.5%、鉄を最大0.002%、炭酸ガスを最
大0.02%、その他の不純物も含む規格のものであるが、
これを本発明の方法で処理すると、ヒドラジン99.0%
に、不純物として、たとえば、トルエンは最大0.003
%、鉄は最大0.0004%、炭酸ガスは最大0.003%含まれ
る程度という不純物の濃度を低減化させた高い規格のも
のとすることができる。
本発明の方法で製造された高純度の無水ヒドラジン
は、トルエンの量を上記した市販品の無水ヒドラジン中
のトルエンの量の約100分の1以下に低減できるので、
ヒドラジン分解触媒がトルエンにより害されるおそれが
少なく、したがって、人工衛星のロケット用燃料として
使用しても支障はなく、長期にわたり飛行するロケット
燃料として有効なものとなる。
[発明の効果] 以上述べた如く、本発明の高純度無水ヒドラジンの製
造方法によれば、容器内の無水ヒドラジン中にN2ガスを
通気して泡立たせることによって無水ヒドラジン中のト
ルエンを揮発させて除去し、次に、容器内に水酸化ナト
リウムを入れて水酸化ナトリウムにより脱水、脱炭酸化
を行わせ、次いで、ヒドラジンがガス化して常温で減圧
蒸留を行った後、冷却凝縮させ、凝縮物中の粒子状物質
をミクロフィルタで除去させ、製品として取り出すよう
にするので、従来市販されている無水ヒドラジン中の不
純物の濃度を安全に低減させることができ、特に、不純
物中のトルエンの量を大幅に低減できた規格の高い高純
度品を製造でき、人工衛星の如き宇宙機器搭載用ロケッ
トの燃料として使用できる、という優れた効果を奏し得
る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の方法の実施に用いる装置の一例を示す概略
図である。 1……容器、2……加熱ジャケット、3……無水ヒドラ
ジン供給管、4……水酸化ナトリウム導入管、5……N2
ガス吹込管、6……撹拌装置、9……真空ポンプ、10…
…ガス吸引管、11……精留塔、12……冷却器、15……貯
留槽、16……ミクロフィルタ、17……製品槽、A……無
水ヒドラジン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルエン、その他の不純物を含む無水ヒド
    ラジンを容器内でN2ガスの通気により泡立たせてトルエ
    ンを揮発除去させ、次いで、上記容器内に水酸化ナトリ
    ウムを混入させて該水酸化ナトリウムにて脱水、脱炭酸
    化を行い、次に、上記容器内のヒドラジンをガス化して
    常温で減圧蒸留を行った後、ガスを冷却器で冷却凝縮さ
    せ、しかる後、凝縮物を冷却器から取り出して凝縮物中
    の粒子状物質を除去し、製品として取り出すことを特徴
    とする高純度無水ヒドラジンの製造方法。
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