JP2001008659A - 人参根破砕物からの農薬成分除去法 - Google Patents

人参根破砕物からの農薬成分除去法

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JP2001008659A JP11178901A JP17890199A JP2001008659A JP 2001008659 A JP2001008659 A JP 2001008659A JP 11178901 A JP11178901 A JP 11178901A JP 17890199 A JP17890199 A JP 17890199A JP 2001008659 A JP2001008659 A JP 2001008659A
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修 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人参根破砕物中の有価成分(主としてサポニ
ン)の変質や収率低下を生じることなく、該破砕物中に
混入してくる農薬成分を効率よく抽出除去することので
きる方法を提供すること。 【解決手段】 人参根の破砕物を、飽和溶解量に対して
40〜120重量%の水をエントレーナとして含む超臨
界二酸化炭素で処理することにより、該破砕物中の農薬
成分を抽出除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高麗人参や朝鮮人
参の如き人参根の破砕物から、栽培工程で取込まれた農
薬成分を、効率よく抽出除去して無害化することのでき
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高麗人参や朝鮮人参の如き人参根は、優
れた滋養・強壮作用を有する他、漢方薬等の原料として
も有用であり、漢方薬配合原料など様々の形態で市場に
供給されている。
【0003】他方最近では、健康に対する自己管理が一
般化してくるにつれて有機栽培野菜や無農薬野菜などの
自然食品志向が急速に高まっており、上記人参根につい
ても、栽培時の使用薬剤に由来する農薬成分含有量に対
する許容基準は次第に厳しくなってきている。
【0004】こうした状況の下で、人参根中に含まれる
農薬成分の低減については、現在のところ有機栽培や無
農薬栽培で対応するのが最善と思われるが、現実には大
規模栽培で無農薬栽培を実現することは極めて困難であ
り、人参根中にも少なからず農薬が混入してくる。
【0005】ところが、本発明者らが知る限りにおいて
は、該人参根に含まれる有価成分(主としてサポニン)
の変質や収率低下を招くことなく有害な農薬成分を効率
よく除去する方法については、現在のところ工業的に有
効な方法は確立されていない。
【0006】他方、特開平3−115225号公報に
は、圧縮二酸化炭素を用いて人参根から病害虫を抽出除
去する方法が開示されており、この方法によれば、相当
量の水分(含水率で14〜65重量%程度)を含む人参
根を破砕し、これを圧縮二酸化炭素で処理することによ
って病害虫成分を抽出除去できることが明らかにされて
いる。しかしながらこの方法は、病害虫の除去を目的と
するもので、農薬成分の除去については触れられていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたもので、その目的は、人参根中に
含まれる有価成分(主としてサポニン)の変質や収率低
下を生じることなく、該人参根中に含まれる農薬成分を
効率よく抽出除去することのできる方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明にかかる農薬成分の除去法とは、人参根
の破砕物を、飽和溶解量に対して40〜120重量%、
より好ましくは80〜100重量%の水をエントレーナ
として含む超臨界二酸化炭素で処理することにより、該
破砕物中の農薬成分を抽出除去するところに要旨を有し
ている。ここで使用される人参根の破砕物としては、農
薬成分をより効率よく抽出除去できる様、平均粒径が2
50μm以下のものを使用することが望ましく、またこ
の様な微細な破砕物を優れたハンドリング性の下で効率
よく処理するには、該人参根の破砕物を、通液製容器内
に収容した状態で抽出処理を行なうことが望ましい。抽
出除去の具体的な条件は特に制限されないが、エントレ
ーナとして水を含む超臨界二酸化炭素を抽出溶媒として
使用する本発明において、好ましい圧力は10〜40M
Pa、温度は40〜90℃の範囲である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは前述した様な状況の
下で、人参根からサポニンの如き有価成分の変質を招く
ことなく、農薬成分(たとえばプロシミドン、キントゼ
ン、BHCなど)を効率よく除去することのできる方法
の確立を期して種々研究を進めてきた。
【0010】その結果、エントレーナとして特定量の水
を含む超臨界状態の二酸化炭素で人参根の破砕物を処理
する方法を採用すれば、人参根から農薬成分を効率よく
抽出除去できることを知り、上記本発明に想到したもの
である。
【0011】まず本発明では、人参根の破砕物を処理対
象として使用するが、これは、超臨界状態の二酸化炭素
との接触有効面積を高めて農薬成分の抽出除去効率を高
めるうえで重要な要件であり、好ましくは平均粒径が2
50μm以下、より好ましくは125μm以下の破砕物
を使用することが望ましい。しかし、あまりに細かすぎ
ると通液性が悪くなって操作性などが低下するので、好
ましくは50μm以上のものを使用することが望まし
い。
【0012】本発明の除去法を工業的に実施するに当た
っては、エントレーナとして水を含む超臨界二酸化炭素
は連続的に供給・排出できるが、固形状の特に微細な人
参根破砕物の連続的な供給・排出を実現可能にすること
は設備的に困難であり、バッチ的処理主体とならざるを
得ない。なぜならば、人参根破砕物を処理容器内にその
まま装入して超臨界二酸化炭素と接触させようとした場
合、人参根破砕物が微細であるほど接触有効面積が増大
して抽出効率は高まるが、微細な人参根破砕物は処理を
終えて排出される超臨界二酸化炭素に混入して排出さ
れ、著しい製品ロスを招くからである。
【0013】またバッチ法を採用する場合、微細な人参
根破砕物を抽出装置内へ装入したり排出する際のハンド
リング性を高めるため、該破砕物を通液性容器内へ収容
した状態で抽出装置への装入・取出しを行なえる様にす
ることは極めて有利である。この時に使用する通液性容
器の素材は、超臨界状態の二酸化炭素に溶解したり劣化
しない素材からなるものであればその種類の如何は問わ
ないが、コストや耐久性、取扱い性などを総合的に考慮
して最も好ましいのは布製の袋である。
【0014】次に、エントレーナとして使用される水の
量を、超臨界二酸化炭素に対する水の飽和溶解量に対し
て40〜120重量%の範囲に定めた理由を説明する。
【0015】まず下限を飽和溶解量の40重量%と定め
た理由は、農薬成分を効率よく抽出除去するためであ
る。即ち本発明では、エントレーナとして経済性や取扱
い性、抽出効率などを総合的に考慮して水が使用される
が、後記実施例でも明らかにする如く、人参根破砕物か
らの農薬成分の抽出除去効率は、超臨界二酸化炭素にエ
ントレーナとして混入させる水の含有率を高めるにつれ
て上昇し、エントレーナとしての作用を有効に発揮させ
るには、飽和溶解量に対して少なくとも40重量%以上
含有させるべきであり、40重量%未満では十分な除去
効果が得られないからである。農薬成分の抽出除去効率
を高める上でより好ましい水の含有量は60重量%以
上、さらに好ましくは80重量%以上である。
【0016】一方、水含有量の上限を飽和溶解量に対し
て120重量%と定めた理由は、被処理対象である人参
根破砕物中の水分量を実質的に増大させないためであ
る。即ち、人参根破砕物には相当量の水分が含まれてい
るので、保存安定性を高めるには抽出処理の前または後
で水分除去のため乾燥しなければならない。従って該乾
燥時の負荷を軽減するには、抽出工程で人参根破砕物の
水分量増大が起こらない様にすることが望ましい。また
抽出工程での人参根破砕物の吸水量が多くなると該破砕
物が膨潤して固まり、超臨界二酸化炭素による抽出除去
効率も著しく低下してくる。従って、抽出工程でエント
レーナとして使用する水が人参根破砕物方向へ移行しな
いよう、水の使用量を超臨界二酸化炭素の飽和溶解量以
下に抑えることが望ましい。但し水が若干過剰であって
も、それによる人参根破砕物の水分量増大は僅かで乾燥
負荷や固形化による抽出効率の低下はそれほど問題にな
らないので、本発明では水含有量の上限を飽和水分量の
120重量%と定めた。しかし好ましくは、人参根破砕
物の水分量増大が起こらない飽和溶解量に対して100
重量%を上限とすることが望ましい。
【0017】次に、水をエントレーナとして含む超臨界
二酸化炭素を用いた抽出除去の他の好ましい条件は、次
の通りである。
【0018】抽出器内での超臨界二酸化炭素の空塔速
度:20cm/min以下、より好ましくは15cm/min以下 空塔速度は、抽出器内における人参根破砕物を超臨界二
酸化炭素と十分に接触させて農薬成分の抽出を効率よく
進める上で重要な条件であり、該空塔速度が速すぎる
と、人参根破砕物との接触時間が不十分となって農薬成
分の抽出除去が不十分になる。従って、抽出器内での超
臨界二酸化炭素の空塔速度は20cm/min以下、より好ま
しくは15cm/min以下とすべきであるが、空塔速度が遅
くなるにつれて処理時間は相対的に長くなるので、工業
的規模での実用性を考慮すると、該空塔速度は5cm/min
以上、より一般的には10cm/min以上とするのが良い。
【0019】抽出温度:40〜90℃、より一般的には
50〜70℃、 抽出温度は、二酸化炭素を超臨界状態に維持するため操
作圧力を考慮して適正な温度に設定する必要があり、圧
力によっても好適操作温度は変わってくる。しかし、温
度が高くなり過ぎると人参根破砕物中に含まれる有価成
分(サポニンなど)が熱変質を起こし易くなるばかりで
なく、操作圧力も高くしなければならなくなるので、9
0℃程度以下、より好ましくは70℃程度以下に抑える
のがよい。但し、操作温度が低くなり過ぎると農薬成分
の抽出速度が遅くなり、満足のいく抽出率を確保するた
めの処理時間が長くなるので、40℃以上、より好まし
くは50℃以上とするのがよい。
【0020】抽出圧力:10〜40MPa、より好まし
くは20〜35MPa 二酸化炭素を超臨界状態に維持しつつ、農薬成分の抽出
効率を高める上で好ましい圧力は上記の通りであり、1
0MPa未満では超臨界状態が得られ難く、また40M
Paを超えると抽出設備の耐圧強度を過度に高めねばな
らなくなるため設備費の高騰を招く。より好ましい抽出
圧力は20MPa以上、35MPa以下である。
【0021】溶媒流量:S/F(抽出器内への人参根破
砕物の充填量に対する超臨界二酸化炭素流通量)で10
以上、より好ましくは15〜50 超臨界二酸化炭素による農薬成分の抽出を十分に進める
には、S/F比を10以上にすることが望ましい。そし
て、該S/F比を高めるにつれて人参根破砕物中の農薬
成分の抽出量は増大するが、この値を高くするには二酸
化炭素の使用量を多くしなければならず、経済的に不利
であるので、二酸化炭素の過度の消費を抑えつつ農薬成
分を十分に抽出除去するには、S/F比を15〜50の
範囲とすることが望ましい。
【0022】図1は、本発明で採用される抽出除去工程
を例示する概略フロー図であり、図中、1は昇圧ポン
プ、2は加熱器、3は抽出器、4は布袋(通液性容
器)、5は人参根破砕物、6は圧力調整弁、7は分離
器、8は二酸化炭素凝縮器、9は液体二酸化炭素タン
ク、10はエントレーナ(水)タンク、11は昇圧ポン
プ、12はラインミキサーを夫々示している。
【0023】この装置を用いて人参根破砕物から農薬成
分を抽出除去するに当たっては、まず抽出器3内に、被
処理対象となる人参根破砕物5を通液性容器(図では布
袋)4に充填して装入しておく。この抽出器3には、図
示しない加熱機構、温度制御機構などが設けられてい
る。そして、液体二酸化炭素タンク7から昇圧ポンプ1
を経て送られてくる二酸化炭素を、加熱器2に通して所
定の温度に加熱することにより超臨界状態とし、ライン
ミキサー12を経て抽出器3へ送り込む。この時、ライ
ンミキサー12の上流側で、水タンク10から昇圧ポン
プ11を経て供給される水を、超臨界状態の二酸化炭素
に混入させ、ラインミキサー12で均一に混合溶解して
から抽出器3へ送り込む。
【0024】ここで、超臨界二酸化炭素と水の供給量は
昇圧ポンプ1および11によって流量調整し、超臨界二
酸化炭素への水の含有量がその飽和溶解量に対して40
〜120重量%、より好ましくは80〜100重量%の
範囲となるように制御する。
【0025】抽出器3内へ供給された適量の水を含む超
臨界状態の二酸化炭素は、通液性の布袋4内へ収容され
て抽出器3内へ装入された人参根破砕物5の下方から上
方に向けて流れ、人参根破砕物中に含まれる農薬成分
は、適量の水を含む超臨界二酸化炭素との接触によって
抽出される。この時、抽出器3内は適正な温度・圧力に
制御される。
【0026】抽出器3内で農薬成分を抽出捕捉した超臨
界二酸化炭素は、抽出器3の頂部から逐次抜き出し、圧
力調整弁6で降圧してから分離器7へ送り込む。該分離
器7では、ガス化した二酸化炭素と、抽出された農薬成
分を含む水に分離され、農薬成分を含む水は系外へ抜き
出すと共に、気化分離した二酸化炭素は凝縮器8へ送っ
て冷却液化し、液化二酸化炭素タンク9へ返還して循環
使用される。
【0027】この操作を所定時間継続し、抽出器3内に
装入された人参根破砕物5の量に対する超臨界二酸化炭
素供給量の比率(即ち、S/F比)が所定の値に達した
時点で、ラインミキサー12からの二酸化炭素及び水の
供給を停止し、布袋4内に収容されて抽出処理を受けた
人参根破砕物5を抽出器3から取り出せばよい。
【0028】本発明を実施する際の基本的な抽出除去工
程は上記の通りであるが、実用化に当たっては種々変更
して実施することが可能である。例えば、エントレーナ
として供給する水は、ラインミキサーの直上流側で供給
する方法の他、例えばラインミキサー12内を流れる二
酸化炭素内にミスト状で供給して溶解させる方法など任
意の方法を採用できる。また抽出器3内には、人参根破
砕物を1つの布袋に収容して装入した例を示したが、処
理量によっては複数の布袋内に収容してから装入し、出
し入れの作業性を高めることも可能である。
【0029】更に、例えば図2に示す如く抽出器3A,
3Bを並列に配置すると共にバルブによって切替え運転
できる様にし、一方の抽出器で抽出処理を行なっている
時に、他の抽出器への人参根破砕物の装入作業(または
取出し作業)を行なう様にすれば、1つの設備としては
連続操業ができるので好ましい。なお図2では2つの抽
出器3A,3Bを切替え運転する例を示したが、同様の
趣旨で3個もしくはそれ以上の抽出器を併設して順次切
替え運転できるようにすれば、単位時間内の処理量を更
に増大できるので好ましい。
【0030】本発明は以上の様に構成されるが、要は、
人参根破砕物を飽和溶解量前後の水を含む超臨界二酸化
炭素で処理することによって、有効成分であるサポニン
などの変質などを生じることなく、該破砕物中に含まれ
る農薬成分を効率よく抽出除去することができる。また
本発明の方法であれば、処理工程で人参根破砕物の水分
量が増大して固まるようなことこともないので、抽出除
去効率の低下やその後の乾燥処理に要する負荷が増大す
ることもなく、更には処理後の人参根を好ましい状態に
保つことができる。
【0031】かくして本発明によれば、人参根破砕物中
に含まれるプロシミドン、キントゼン、BHCなど、殺
虫成分、殺菌成分などを含む農薬成分を効率よく除去し
て無害化することができ、薬害を防止しつつ漢方薬原料
などとしての有用性を一段と高め得ることになった。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の構成と作用効
果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実
施例によって制限を受ける訳ではなく、前・後記の趣旨
に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能
であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含さ
れる。
【0033】実施例1 図1に示した様な装置を使用し、下記表1に示す条件で
超臨界二酸化炭素を用いた人参根破砕物からの農薬成分
(プロシミドン)の抽出実験を行なった。尚、通液性容
器としては、綿製の袋を使用した。結果は同表に示す通
りであり、エントレーナとして適量の水を含有させるこ
とによって、農薬成分を効率よく抽出除去できることが
分かる。なお、表1に示した抽出条件下における超臨界
二酸化炭素の飽和溶解水分量は0.5重量%である。
【0034】
【表1】
【0035】また図3は、プロシミドンを抽出する際の
超臨界二酸化炭素中の水含有量と除去率の関係を示した
グラフであり、このグラフからも明らかな様に、0.2
%(飽和溶解量に対して40重量%)未満ではやや抽出
率が低く、それ以上に水の含有量を高めるにつれて抽出
率は高まるが、0.6%(飽和溶解量に対して120重
量%)でほぼ飽和状態に達し、それ以上に水含有量を増
大することは、被処理対象となる人参根破砕物の過度の
水分量増大を招くので好ましくない。
【0036】実施例2 同様に前記図1に示した様な装置を使用し、原料となる
人参根破砕物の平均粒子径を変えて表2に示す条件で超
臨界二酸化炭素による抽出実験を行なった。なお、該超
臨界二酸化炭素に混入させる水の量は、いずれも飽和溶
解量となる様に調整し、通液性容器としては同様に綿製
の袋を使用した。結果は表2に示す通りであり、平均粒
子径で125μmにまで微細化した破砕物を使用すれ
ば、安定して80%以上の農薬除去率を確保できるが、
これを超える粗破砕物では満足のいく抽出除去率を得る
ことができない。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、人
参根破砕物を略飽和溶解量の水をエントレーナとして含
む超臨界二酸化炭素と接触させることによって、該破砕
物中に含まれる農薬成分を効率よく抽出除去し得ること
になった。特に、この方法を採用すれば、処理対象とな
る人参根破砕物の水分量の増大を招くことなく農薬成分
を効率よく除去することができ、その後の乾燥負荷も最
小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概略フロー図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す概略フロー図であ
る。
【図3】実験で得た超臨界二酸化炭素中の水分量とプロ
シミドン除去率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 加熱器 3 抽出器 4 通液性容器(布袋) 5 人参根破砕物 6 圧力調整弁 7 二酸化炭素分離器 8 二酸化炭素凝縮器 9 二酸化炭素タンク 10 水タンク 11 昇圧ポンプ 12 ラインミキサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B016 LE02 LG08 LK01 LP01 LP02 4B018 LB03 MD54 ME02 MF01 MF07 4B035 LC16 LE01 LG32 LP22 LP59 4C088 AB16 AB18 AC11 CA10 MA52 ZC21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人参根の破砕物を、飽和溶解量に対して
    40〜120重量%の水をエントレーナとして含む超臨
    界二酸化炭素で処理することにより、該破砕物中の農薬
    成分を抽出除去することを特徴とする人参根破砕物から
    の農薬成分除去法。
  2. 【請求項2】 人参根の破砕物として、平均粒径が25
    0μm以下のものを使用する請求項1に記載の除去法。
  3. 【請求項3】 人参根の破砕物を、通液性容器内に収容
    した状態で抽出を行なう請求項1または2に記載の除去
    法。
  4. 【請求項4】 抽出を、圧力:10〜40MPa、温
    度:40〜90℃の範囲で行なう請求項1〜3のいずれ
    かに記載の除去法。
JP11178901A 1999-06-24 1999-06-24 人参根破砕物からの農薬成分除去法 Withdrawn JP2001008659A (ja)

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