JP2001009247A - 炭素中空繊維膜用のセルロース系中空繊維膜および炭素中空繊維膜の製造方法 - Google Patents

炭素中空繊維膜用のセルロース系中空繊維膜および炭素中空繊維膜の製造方法

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JP2001009247A
JP2001009247A JP18930999A JP18930999A JP2001009247A JP 2001009247 A JP2001009247 A JP 2001009247A JP 18930999 A JP18930999 A JP 18930999A JP 18930999 A JP18930999 A JP 18930999A JP 2001009247 A JP2001009247 A JP 2001009247A
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fiber membrane
cellulose
carbon
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JP18930999A
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Shigeru Nomura
繁 野村
Tatsuo Hiyoshi
辰夫 日吉
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Artificial Filaments (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性があり、曲げ強度に優れ、破損の
少ない炭素中空繊維膜製造用セルロース系中空繊維膜お
よび炭素中空繊維膜の製法を提供すること。 【解決手段】 セルロース系中空繊維膜を炭化焼成し
て、炭素中空繊維膜を製造する時の原料となるセルロー
ス系中空繊維膜の水分率Fが25℃、相対湿度65%の
環境条件下で、水分率の変化Fが以下の式の範囲にあ
り、かつ水分率の変化を時間で積分した時の積分値Tが
それぞれ以下に示す値以上になる ・水分率の変化の式 F=a・1n(x)+b a≦1.55 1≦b≦10 ・時間(日数)で積分した時の積分値T T=∫(a・1n(x)+b)dx≧110 【効果】 本発明のセルロース系中空繊維膜を炭化焼
成した時に得られる炭素中空繊維膜は、柔軟性があり、
曲げ強度に優れ、破損の少ないガス分離モジュールの成
型加工が容易な炭素中空繊維膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系中空
繊維膜を炭化焼成した時に得られる炭素中空繊維膜に柔
軟性があり、曲げ強度に優れ、破損が少なくガス分離モ
ジュールの成型加工が容易な炭素中空繊維膜を得るため
の、炭化焼成前の原料であるセルロース系中空繊維膜に
関する。
【0002】
【従来の技術】イスラエル国特許出願公開第平8−47
625号明細書に記載されているような炭素中空繊維膜
の製造方法においては、炭化焼成後の炭素中空繊維膜に
柔軟性があり、かつ曲げ強度に優れ、破損が少ないある
いは全く破損が無い炭素中空繊維膜が望まれる。
【0003】元来、炭素中空繊維膜は脆い性質を有して
はいるが、この脆さの程度が大きいと、炭素中空繊維膜
の製造工程に続いて行われる、1,000フィラメント
から15,000フィラメントの単位で組み立てるモジ
ュール成型工程において、炭素中空繊維膜の整束、モジ
ュール成型時の取り扱いが困難になり、工業的な規模で
のモジュールの組立が困難になるという問題を持ってい
る。
【0004】柔軟性があり、かつ曲げ強度に優れ、破損
の少ない炭素中空繊維膜を得る時に原料となるセルロー
ス系中空繊維膜に要求される機能は、残念ながら未だ明
確ではない。
【0005】炭素中空繊維膜は、イスラエル国特許出願
公開第平8−47625号明細書に記載されているよう
な方法で炭化焼成されて製造される。
【0006】例えば10,000本もの数を有する炭素
中空繊維膜の糸を該炭化焼成工程を経て良好な炭化焼成
を行うには、イスラエル国特許出願公開第平8−476
25号明細書に記載されている炭化焼成方法のみなら
ず、原料となるセルロース系中空繊維膜にも適当な機能
が必要である事が解った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、セルロース系中空繊維膜を炭化焼成して得られる炭
素中空繊維膜において、炭化焼成した後に柔軟性があ
り、曲げ強度に優れ、破損の少ない炭素中空繊維膜を得
て、容易にガス分離モジュールの成型加工が出来るよう
な該炭素中空繊維膜の原料であるセルロース系中空繊維
膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題は、セルロース
系中空繊維膜の水分率がある値を持ち、一定期間以上放
置して、該セルロース系中空繊維膜を以下に示す状態に
調整する事により解決される。
【0009】驚くべき事に、本発明により状態調節され
たセルロース系中空繊維膜を炭化焼成すると炭化焼成
後、柔軟性があり、曲げ強度に優れ、破損の少ない炭素
中空繊維膜を得る事が解った。
【0010】即ち、炭素中空繊維膜を得る時の原料とな
るセルロース系中空繊維膜の水分率の変化Fが25℃、
65%RHの環境条件に温調・調湿された条件下で、以
下の式の範囲にあり、かつ水分率を時間で積分した時の
積分値T(日)がそれぞれ以下に示す値以上になる事で
ある。
【0011】・水分率の変化の式 F=a・1n(x)+b a≦1.55 1≦b≦10 ・時間(日数)で積分した時の積分値T T=∫(a・1n(x)+b)dx≧110 本発明に示される炭化焼成する前の原料であるセルロー
ス系中空繊維膜の状態が、適度な水分率を有し、水分率
の変化の式Fを放置時間で積分した時の積分値がある値
T以上にならないと良好な炭素中空繊維が得られないと
いう原理は、いまだ明白ではないが、セルロース系中空
繊維膜中に存在する適度な量の水分が、該セルロース系
中空繊維膜のミクロな構造、特に非晶部分の構造をより
安定化させるものと考えられる。
【0012】さらに、このセルロース系中空繊維膜中に
存在する適度な量の水分による非晶部分の構造安定化に
はかなりの時間を要することが解った。
【0013】イスラエル国特許出願公開第8−4762
5号明細書に記載されているような炭素中空繊維膜の製
造においては、該セルロース系中空繊維膜は繊維軸方
向、中空糸の半径方向(内径、膜厚)共大きな構造変化
を受ける。
【0014】その構造変化の大きさの程度は、例えば中
空繊維膜の長さの収縮が約30%、内径の減少は約30
%、膜厚の減少は約50%というように極めて大きいも
のである。
【0015】このような大きな膜構造の変化が起こる過
程では、収縮に伴う極めて大きな応力集中が構造弱部へ
集中し、結果として炭化焼成時に構造弱部での破損、破
壊現象として発現する。
【0016】これは、本発明のような繊維軸方向に中空
部が連続貫通してしているような中空繊維膜において
は、その特殊な繊維構造形態からより弱い応力集中によ
っても炭化焼成時に中空繊維膜の構造の破壊が起こるこ
とは容易に理解できる。
【0017】この炭化焼成による構造変化を伴う応力集
中を最小限に留めることにより、炭化焼成時のセルロー
ス系中空繊維膜の構造破壊を最小限に抑制し、結果とし
て柔軟性を維持し、曲げ強度に優れ、破損の少ない炭素
中空繊維膜を得ることが出来る。
【0018】さらに言えば、本発明に示されるセルロー
ス系中空繊維膜の中に存在する適度な量の水分が繊維軸
方向、膜厚方向共に高い割合で均一化されていることも
必要である。
【0019】これは炭素中空繊維膜を得る最初の工程で
ある置換工程で、該セルロース系中空繊維膜が持つ水分
と不活性ガスの置換が行なわれるが、この工程で該セル
ロース系中空繊維膜中の水分率が繊維軸方向、膜厚方向
でバラツキが有れば、不活性ガスが完全に置換する部分
とそうでない部分が生じて、それら水分率の不均一部分
では、たとえ適度な量の水分によりミクロな構造が安定
化されたとしても、その程度にバラツキが生じる。
【0020】この結果として、炭化焼成時の収縮による
応力集中を吸収できなくなり炭化焼成後、炭素中空繊維
膜に破損、破壊が起こる状況が惹起される。
【0021】さらにこの適度な量の水分が繊維軸方向、
膜厚方向共に高い割合で均一化されている為にはかなり
長い時間が必要であることが解った。
【0022】以上のような問題を回避するために、本発
明者は鋭意研究を行った結果、炭化焼成する前の原料で
あるセルロース系中空繊維膜の状態について、適度な水
分率とその水分率を時間(日数)で積分した時の積分値
がある値以上になれば、炭化焼成時に生じる大きな応力
集中を吸収することが出来、結果として該セルロース系
中空繊維膜の炭化焼成時において、生ずる収縮に伴う応
力集中を最小限に留める事が出来る事が解った。
【0023】セルロース系中空繊維膜が以上のような条
件を満たせば、結果として柔軟性に富み、曲げ強度が優
れ、破損の少ない炭素中空繊維膜を提供することが出来
る。
【0024】以下、セルロース系中空繊維膜の状態を表
す表現、すなわち、適度な水分率と水分率を時間で積分
した時の積分値で示される数値Tについて説明する。
【0025】セルロース系中空繊維膜の製造を行う時に
は、通常乾燥工程を経て製造される。セルロース系中空
繊維膜は、温度・湿度がある一定の環境条件下では、当
該セルロース系中空繊維膜自身が持つ化学的物理的な特
性に応じて、長い時間を経て、最終的には平衡水分率
(これをいわゆる公定水分率という)に達する。
【0026】セルロース系中空繊維膜の水分率は下記の
式、即ち、F=a・1n(x)+bによって近似される
曲線を経て変化する。この時にセルロース系中空繊維膜
の水分率は長い時間を経て最終的には、公定水分率に到
達する。
【0027】但し、公定水分率は、該セルロース系中空
繊維膜を放置した環境条件の温室・湿度により変化する
ので、ここでは一般的に温度が25℃で相対湿度が65
%を標準条件として示した。この時の該セルロース系中
空繊維膜の水分率Fは近似的に以下の式で定義できる。
【0028】F=a・1n(x)+b ここで、aはセルロース系中空繊維膜の物理的なディメ
ンジョンあるいは膜が固有に持つ空孔率、孔径等の構造
により変化する数値である。
【0029】また、bはセルロース系中空繊維膜が製造
された時の水分率により変化する数値である。
【0030】本発明においては、a及びbの範囲が以下
で示されるセルロース系中空繊維膜は、炭化焼成された
時に良好な炭素中空繊維膜を得ることが解った。
【0031】a≦1.55 1≦b≦10 さらに上記Fを時間(日数)で積分した時の積分値T
は、以下の式で表され、 T=∫(a・1n(x)+b)dx≧110 この積分値Tが、110≦Tになるまで放置した該セル
ロース系中空繊維膜を原料にした時には真に柔軟性があ
り、曲げ強度に優れ、破損の少ない炭素中空繊維膜を得
ることが解った。
【0032】一方、セルロース系中空繊維膜の製造にお
いて、乾燥条件を弱めて製造した場合には、該セルロー
ス系中空繊維膜の水分率を公定水分率よりかなり高い、
即ち、bの値が10を越えるような状態にする事が可能
である。このbの値が10を越えるような状態から時間
をかけて平衡状態に変化させる事も可能であるが、この
場合には平衡状態に移行した後、出来たセルロース系中
空繊維膜にねじれ、曲がりに代表される変形が起こる。
【0033】これを原料として炭化焼成した場合にはモ
ジュールに成型できるような繊維膜の直線性の高い炭素
中空繊維膜は得られず、最終製品としては組み立てる場
合には好ましくないことが解った。特に、原料のセルロ
ース系中空繊維膜の本数が5,000本を越える場合に
はさらに変形の程度が多く、工業的な規模での製造は困
難である。
【0034】本発明でいうセルロース系中空繊維膜の水
分率は、以下の測定方法で算出される。
【0035】セルロース系中空繊維膜の被測定試料を約
5g採取し、その後正確に秤量し、「最初の糸重量」と
する。試料に正確に純水300ml加え栓をして、5分
間振とう機で振とうし、付着している孔径保持剤例えば
グリセリンを除去する。孔径保持剤量は、試料を振とう
した後の水溶液を用いて示差屈折計と標準液から濃度を
測定し、「孔径保持剤量」を見積もる。
【0036】水溶液から試料のみを取り出し、乾燥機で
105℃・12時間以上乾燥後、乾燥した試料の糸重量
を測定し、「乾燥後の糸重量」とする。
【0037】以下の式から試料の水分率を算出する。
【0038】試料の水分率=100・(「最初の糸重
量」−「孔径保持剤量」)/「乾燥後の糸重量」 ここで、炭素中空繊維膜の柔軟性、曲げ強度を測定する
尺度として屈曲時の曲率半径を採用した。即ち、屈曲時
の曲率半径は、半径Rcmのシリンダーに炭素中空繊維
膜を360度以上巻いた時に折れや切断が生じない時、
その最低の半径(Rcm)を曲率半径とし、柔軟性の目
安とした。
【0039】本発明にいうセルロース系とは、再生セル
ロース、鹸化セルロース、酢化度が63.0%以下の酢
酸セルロースを示す。特に有利には再生セルロース、鹸
化セルロースに代表される再生セルロースである。
【0040】炭化焼成する前のセルロース系中空繊維膜
の原料であるセルロース材料の種類により、炭化焼成後
の炭素中空繊維膜構造が変化する。
【0041】本発明にいうセルロース系中空繊維膜と
は、中空部が繊維軸方向に連続的に貫通している炭素中
空繊維膜を得るためのセルロース系中空繊維膜をいう。
【0042】本発明の炭素中空繊維膜は、例えば酸素富
化膜を初め、種々のガス分離、濃縮の用途に使用され
る。
【0043】本発明は、以下の実施例により更に詳説さ
れる。
【0044】
【実施例】実施例1 公知の方法に従って調整したセルロース濃度8.0%、
アンモニア濃度6.08%、銅濃度2.88%の組成と
2000ポイズの粘度を有する銅アンモニアセルロース
紡糸原液を用い、例えば特公平4−8522に示すよう
に窒素ガスを中空成型体として二重管式紡口を用いて
9.5重量%の苛性ソーダ水溶液を凝固剤として製造し
た。
【0045】その後、該中空成型体を水洗し、さらに3
重量%の硫酸水溶液で銅及びアンモニアを除去した。次
に硫酸水溶液を水洗した後、該中空成型体に10重量%
のグリセリン水溶液を付与し、乾燥工程を経て紡糸速度
70m/分で巻き取った。試料番号No.1からNo.
4までは同一の乾燥温度、風量条件であり、厳しい乾燥
状態で乾燥した。また、同様に試料番号No.5からN
o.8、試料番号No.9からNo.12、試料番号N
o.13からNo.16、試料番号No.17からN
o.20は、それぞれ同一の乾燥温度・風量条件で製造
した。これらの試料を温度25℃、湿度65%RHの環
境条件下で、次に述べる炭化焼成まで適当な日数放置し
た。
【0046】上記の方法により、表1に示すような再生
セルロース中空繊維膜の内径、膜厚並びに製造直後の水
分含有率、a、b、Tが異なる20種類の再生セルロー
ス中空繊維膜を製造した。表1の試料は全て再生セルロ
ースの公定水分率である11%を下回るような乾燥条件
で製造した。すべての試料は温度25℃、湿度65%R
Hの環境条件下に放置した。表1の積分値Tは再生セル
ロース中空繊維膜の水分含有割合は、F=a・1n
(x)+bと近似して計算を行った。
【0047】これら20種類の再生セルロース中空繊維
膜は、フィラメント本数が10,000本でフィラメン
トの長さを略2mに切断し、これを焼成前の原料とし
た。これら20種類の再生セルロース中空繊維膜の繊維
束をイスラエル国特許出願公開第8−47625号明細
書の図1に記載されているような装置を用いて炭化焼成
した。炭化焼成の温度プログラムとしては、やはりイス
ラエル国特許出願公開第8−47625号明細書の図2
に記載されている温度プログラムと近似した条件で加温
した。再生セルロース中空繊維膜の繊維束の形状は円形
で20%の充填密度になるように熱分解チューブに挿入
した。不活性の清掃用ガスとしてはアルゴンガスを用い
流速は24cc/分で流した。焼成前の再生セルロース
中空繊維膜に含まれている水分を除去する触媒ガスとし
て12%V/Vの濃度の塩化水素を用いて150度で5
時間以上保持した。触媒である塩化水素ガスの流速は2
40cc/分で行った。その後、焼成炉の温度を300
℃までの温度範囲においては0.2℃/分の速度で上昇
させた。所定の温度プログラムにおいて300℃から8
00℃の温度範囲においては1℃/分の速度で上昇させ
た。800℃で0.5時間滞留した後、2℃/分の速度
で温度を下げて、室温まで放置した。この間アルゴンガ
ス、塩化水素ガスの流速は変化させなかった。以上のよ
うな焼成方法を用いて、焼成前の再生セルロース中空繊
維膜の紡糸条件、放置条件の異なる20種類について炭
化中空繊維膜を得た。表1に示す焼成後良品率は、以下
の方法で算出した。
【0048】炭化焼成した炭素中空繊維膜をランダムに
50本抜き取り、半径1.5cmのシリンダーに360
度巻き付けた時に折れや切断が生じなかった炭素中空繊
維膜の数の割合を算出し、焼成後良品率とした。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 公知の方法、例えば特開昭63−52526号に従っ
て、酢化度54.3%のセルロースジアセテートフレー
クを粉砕機により粉末し、該粉末100重量部に、分子
量400のポリエチレングリコールとジグリセリンとを
重量比90/40の割合に混合した液130部を、リボ
ン型ブレンダー中50℃の温度で混合し均質なセルロー
スジアセテート、ポリエチレンとグリコールとジグリセ
リンの混合物を得た。次に該均質混合物をエクストルー
ダー型押し出し機に供給し、190℃で溶融し、押し出
されたストランドを冷却水で冷却した後、カッターで切
断し略7mm長のチップ状物を得た。このチップを60
℃で24時間乾燥した後、環状の二重紡糸口金を用い
て、内側の口より窒素ガスを外側の口より溶融物を17
0℃で中空成型体を押し出した。その後、得られた中空
成型体を85℃の熱水浴中に15秒、55℃の温水浴中
に60秒、45%グリセリン液中に60℃で5秒連続的
に浸漬し、乾燥温度170℃で適当な時間乾燥し、ポリ
エチレングリコールジグリセリンを抽出したセルロース
ジアセテート中空繊維膜を得た。試料番号No.39と
No.40、試料番号No.41とNo.42、試料番
号No.43とNo.44はそれぞれ同一の条件でそれ
ぞれ異なる乾燥されたセルロースジアセテート中空繊維
膜である。セルロースジアセテート中空繊維膜はフィラ
メント本数が10,000本でフィラメントの長さを略
2mに切断し、次の工程の焼成炭化工程に回すため、温
度25℃、湿度65%RHの環境条件下で、次に述べる
炭化焼成まで適当な日数放置した。
【0051】試料番号No.39のセルロースジアセテ
ート中空繊維膜を3重量%で温度80℃のアルカリ性水
溶液に適当な時間浸漬処理して、脱エステル化(鹸化)
する。浸漬時間を4種類に変化して脱エステル化条件の
異なる脱エステル化再生セルロース中空繊維膜を製造し
た。試料番号No.31とNo.32、試料番号No.
33とNo.34、試料番号No.35とNo.36、
試料番号No.37とNo.38はそれぞれ異なる時間
3重量%で温度80℃のアルカリ性水溶液に浸漬し、脱
エステル化した。その後、全ての試料を170℃の乾燥
機で乾燥し脱エステル化再生セルロース中空繊維膜を得
た。脱エステル化再生セルロース中空繊維膜はフィラメ
ント本数が10,000本でフィラメントの長さを略2
mに切断し、次の工程の焼成炭化工程に回すため、温度
25℃、湿度65%RHの環境条件下で、次に述べる炭
化焼成まで適当な日数放置した。
【0052】公知の方法で得た酢化度が62.3%のセ
ルローストリアセテートを用いて、特開平5−6473
0号に従い、セルローストリアセテート23重量部、N
−メチル−ピロリドン61.6重量部、トリエチレング
リコール15.4重量部を170℃にて加熱混合して溶
解し、さらに真空脱泡してセルローストリアセテート紡
糸原液を得た。これを5μmの焼結フィルターで濾過
し、異物を除去した後、環状の二重紡糸口金を用いて、
該環状の二重紡糸口金の外側の口に1.5cc/分の割
合で吐出した。内側の口より窒素ガス5cc/分で供給
した。得られた中空成型体は凝固浴、水洗浴、グリセリ
ン浴、乾燥機を経て巻き取った。巻き取り速度は75m
/分でセルローストリアセテート中空繊維膜を得た。
【0053】このセルローストリアセテート中空繊維膜
の乾燥工程において乾燥条件を変えて試料番号No.4
5とNo.46ならびに試料番号No.47とNo.4
8の水分率の異なる2種類のセルローストリアセテート
中空繊維膜を製造した。セルローストリアセテート中空
繊維膜はフィラメント本数が10,000本でフィラメ
ントの長さを略2mに切断し、次の工程の焼成炭化工程
に回すため、温度25℃、湿度65%RHの環境条件下
で、次に述べる炭化焼成まで適当な日数放置した。
【0054】製造された鹸化セルロース中空繊維膜、セ
ルロースジアセテート中空繊維膜並びにセルローストリ
アセテート中空繊維膜の主要な物性を表2に示す。
【0055】これらフィラメント本数が10,000本
でフィラメントの長さを略2mに切断された鹸化セルロ
ース中空繊維膜、セルロースジアセテート中空繊維膜並
びにセルローストリアセテート中空繊維膜を実施例1と
同様な方法で炭化焼成した。その結果を表2に示す。
【0056】実施例2における焼成後良品率の算出は、
実施例1と同様な方法で試料を採取、測定した。
【0057】
【表2】
【0058】表1、表2の結果からいずれのセルロース
系中空繊維膜においても水分率の変化の式が以下に示さ
れる時、 F=a・1n(x)+b a及びbが次の範囲にあり、 a≦1.55 1≦b≦10 T=∫(a・1n(x)+b)dx≧110 さらに時間(日数)で式Fを積分した時の積分値Tが、
110≦Tに状態調節すれば、セルロース系中空繊維膜
の炭化焼成においても柔軟で、曲げ強度に優れ、破損が
少ないあるいは全く破損しない炭素中空繊維膜を得るこ
とが出来た。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセルロー
ス系中空繊維膜は、これを焼成、炭化することにより柔
軟で曲げ強度に優れ破損しにくい炭素中空繊維膜を得る
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 MA01 MA31 MA33 MB16 MC05X MC12 MC13X MC15 MC18X NA01 NA21 NA39 NA61 NA64 PA01 PA02 PC71 4L035 AA09 BB03 BB08 BB16 DD03 DD14 FF01 4L037 CS03 FA04 FA06 PA52 PC03 PC05 PC10 PF14 PF18 UA20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)温度25℃、相対湿度65%のも
    とで放置したときの、水分率(F)と経時時間(x、単
    位:日)との関係を式1で近似した場合に、a及びbが
    式2及び3を充足するセルロース系中空繊維膜を準備す
    る工程、(2)(1)の中空繊維膜を、温度25℃、相
    対湿度65%のもとで式4を満足する時間(T、単位:
    日)、放置する工程、及び(3)(2)の中空繊維膜を
    焼成して炭素化する工程、を含む炭素中空繊維膜の製造
    方法。 F=a・1n(x)+b (1) a≦1.55 (2) 1≦b≦10 (3) T=∫(a・1n(x)+b)dx≧110 (4)
  2. 【請求項2】 温度25℃、相対湿度65%のもとで放
    置したときの、水分率(F)と経時時間(x、単位:
    日)との関係を式1で近似した場合に、a及びbが式2
    及び3を充足するセルロース系中空繊維膜を、温度25
    ℃、相対湿度65%のもとで式4を満足する時間(T、
    単位:日)、放置することによって得られる炭素中空繊
    維膜用セルロース系中空繊維膜。 F=a・1n(x)+b (1) a≦1.55 (2) 1≦b≦10 (3) T=∫(a・1n(x)+b)dx≧110 (4)
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