JPS6234845B2 - - Google Patents

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JPS6234845B2
JPS6234845B2 JP58076305A JP7630583A JPS6234845B2 JP S6234845 B2 JPS6234845 B2 JP S6234845B2 JP 58076305 A JP58076305 A JP 58076305A JP 7630583 A JP7630583 A JP 7630583A JP S6234845 B2 JPS6234845 B2 JP S6234845B2
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JP
Japan
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cellulose
water
ammonia
solution
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JP58076305A
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JPS59204912A (ja
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Michitaka Iwata
Seiichi Manabe
Mamoru Inoe
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to CA000452726A priority patent/CA1236956A/en
Priority to US06/604,512 priority patent/US4604326A/en
Priority to EP84104809A priority patent/EP0126994B1/en
Priority to DE8484104809T priority patent/DE3469375D1/de
Priority to DK216584A priority patent/DK165956C/da
Publication of JPS59204912A publication Critical patent/JPS59204912A/ja
Priority to US06/867,228 priority patent/US4822540A/en
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(イ) 技術分野 本発明は、内・外壁面における平均孔径が0.02
〜10μmの範囲である孔を持つ再生セルロース中
空糸の製造方法に関する。 (ロ) 従来技術とその問題点 近年海水の淡水化、排水処理、人工腎臓、食品
工業等の分野で選択透過性を有する膜が注目され
ており、時に単位体積当りの表面積を大きくとれ
る中空糸の開発が進んでいる。 セルロース銅アンモニア溶液から作製される再
生セルロース中空糸の代表的なものとしては、(1)
全繊維長ならびに全周囲にわたつて数μmないし
60μmの均一な壁厚および外径10μmないし数
100μmの均一な真円形の横断面を有し、かつ延
伸配向されてなる全繊維長にわたつて連続貫通し
た中空部を有する銅アンモニアセルロース繊維よ
りなる中空糸(特公昭50−40168号)、(2)断面構造
において、外表面に近い構成部分が内面に近い構
成部分および中間部分の両者に比べて密な多孔構
造に組成されてなる銅アンモニア再生繊維素から
なる中空人造繊維体(特公昭55−1363号)、(3)中
空コアを有する銅アンモニア再生セルロース管状
体の湿潤時における電子顕微鏡的観察において、
横断面ならびに縦断面の全体が大きくとも200Å
以下の微細間隙を有する実質的均質かつ緻密な多
孔構造体からなり、内外表面ともスキンレスで平
滑な表面性状を有する銅アンモニア再生セルロー
スからなる透析用中空糸繊維(特開昭49−134920
号)等がある。これらの中空糸はいずれも、銅ア
ンモニアセルロース紡糸原液を環状紡糸孔から空
気中に直接押し出し、その下方に自重落下させ、
その際、線状に紡出される紡糸原液の内部中央部
に該紡糸原液に対する非凝固性液体を導入充填し
て吐出させ、その後自重落下により充分に延伸し
たのち希硫酸溶液中に浸漬し凝固再生を行なうこ
とにより製造している。このような方法で得られ
た中空糸の平均孔径は全て0.02μm未満であるた
め、超純水の製造、食品濃縮、精製、医薬品精
製、除菌、微粒子除去などの分野には利用出来な
い。このため、孔径の大きな中空糸の開発が望ま
れていた。 (ハ) 発明の目的 本発明の目的は、上述のような従来技術の欠点
を克服し、セルロース銅アンモニア溶液から濾過
性能(すなわち、透過性能および濾過容量)およ
び力学的性質(すなわち強度)に優る再生セルロ
ース中空糸を工業的有利に製造できる方法を提供
するにある。 (ニ) 発明の構成 本発明に係る再生セルロース中空糸の製造方法
は、セルロース銅アンモニア溶液を用いて中空糸
を製造するに際し、外側環状紡出口よりセルロー
ス銅アンモニア溶液を、中央紡出口より中空剤と
して、水酸基を持たず、28重量%のアンモニア水
溶液への溶解度が10重量%以上で、セルロースを
膨潤させないケトン、アンモニアおよび水からな
り、水に対するケトンの濃度が20〜160重量%、
水に対するアンモニアの濃度が5重量%以下の中
空剤を吐出することによつて、セルロース銅アン
モニア溶液と中空剤との界面からミクロ相分離を
生起させ、引き続ひ凝固、再生を行うことを特徴
とする。 (ホ) 発明の構成の具体的説明 セルロース銅アンモニア溶液から公知の方法で
製造される中空糸は、中空剤として紡糸原液に対
して非凝固性液体を用いている。おそらくこれに
原因しているため、得られた中空糸の平均孔径は
0.02μm未満であるのに対して、本方法で紡糸す
ると、0.02μm以上はもちろん10μmまでの広い
孔径範囲の中空糸が作製可能であり、単位面積当
り孔密度も公知の方法に比べて増大し、さらに貫
通孔も多い。ここで「ミクロ相分離」とは溶液中
にセルロースの濃厚相あるいは希薄相が直径0.01
〜数μmの粒子として分散し、安定化している状
態を意味する。また、ミクロ相分離の生起は、紡
糸中の糸の失透現象によつて直接肉眼観察する
か、あるいは紡糸後の糸の電子顕微鏡観察により
直径1μm以下、0.02μm以上の粒子の存在で確
認される。 中空剤としてケトン、アンモニアおよび水から
なる混合溶液を採用することによつて、中空剤と
原液との界面からもミクロ相分離が生起し、その
後凝固が起こり、結果的に内壁部の平均孔径を大
きくすることが可能となる。ここで凝固とは該セ
ルロース銅アンモニア溶液が固体化することで、
換言すれば溶液の粘度が104ポイズ以上になつた
状態を意味する。ミクロ相分離を生起させるのに
適当な中空剤は、セルロース銅アンモニア溶液中
のセルロース濃度、アンモニア濃度、銅濃度に依
存して変わり、必ずしも同一ではないので、紡糸
原液それぞれについてあらかじめ決定しておかな
くてはならない。具体的には、紡糸原液であるセ
ルロース銅アンモニア溶液を攪拌しながら溶媒を
該溶液中に滴下し、滴下量が重量比で該溶液の10
%以上、望ましくは20%以上において凝固を経ず
にミクロ相分離を起こさせる溶媒を中空剤として
採用すれば良い。ミクロ相分離の生起には通常10
秒〜数10分の時間を要する。したがつて、実際の
紡糸においては中空剤の分子量は小さい方が望ま
しい。また、吐出された繊維状物を上記のような
ケトン、アンモニアおよび水からなる混合溶液中
に浸漬することがより望ましい。ミクロ相分離を
起こさせるケトン、アンモニアおよび水からなる
混合溶液を採用すれば、中空糸の外壁部にも平均
孔径0.02μm以上の孔を作製することも可能であ
り、平均空孔率Prρも増大する。 また、本発明方法においては、セルロース分子
の平均分子量が5×104以上のセルロース銅アン
モニア溶液を用いることも可能であるため、乾燥
状態での力学的性質(特に強度)が優れた再生セ
ルロース中空糸をきわめて容易に製造することが
できる。たとえば、平均空孔率をPrρ(%)と
すれば、平均分子量1×105以上のセルロースを
溶解したセルロース銅アンモニア溶液を用いて、
本発明方法で得られた中空糸の弾性率は1.5×108
(100−Prρ)dyn/cm2以上である。一般に、再生
セルロース中空糸は乾燥状態では脆い。そのため
従来の再生セルロース中空糸では、グリセリン等
で浸漬し、乾燥状態になるのを防止している。酢
酸セルロースあるいは硝酸セルロースなどのセル
ロース誘導体中空糸をアルカリ水溶液でケン化す
ることにより、再生セルロース中空糸が得られて
いる。このような方法で得られた中空糸の平均孔
径は0.01〜2μmの範囲であり、セルロース誘導
体を出発物質として調整するため再生後のセルロ
ース分子の平均分子量は4.0×104以下である。そ
のため乾燥状態での中空糸の力学的性質(たとえ
ば強度)は合成高分子から構成される中空糸にく
らべて劣る。たとえば、引張り弾性率はほぼ102
(100−Prρ)dyn/cm2である。引張り破壊強度は
弾性率にほぼ比例し、弾性率の約1/10である。水
による湿潤状態での強度は、乾燥状態にくらべて
さらに低くなるため、セルロース誘導体から得ら
れた従来の再生セルロース中空糸は、取扱い時に
破損することがある。また、セルロース誘導体を
再生する上述の再生セルロース中空糸の製造方法
では、その製造プロセスが長くなり、製造コスト
も高い。分子量の増大に伴なつて中空糸の強度は
上昇し、脆さが改善される。そのため中空糸の取
扱いが容易となり、中空糸の破損は減少する。セ
ルロースの平均分子量が大きければ大きいほど、
同一空孔率で比較した場合の破損率は減少する。
該平均分子量の中空糸物性に及ぼす影響は、平均
分子量が大きくなるにしたがつて飽和する傾向が
認められる。したがつて平均分子量は5.0×104
上、5.0×105以下であれば、実用上の取扱い易さ
の点でさしつかえない。より好ましい範囲は5.5
×104以上3×105以下である。すなわち、本発明
方法は、中空糸に対してグリセリン等の膨潤剤を
含まない乾燥状態においてでさえ十分な力学的性
質を持たせることが極めて容易な点に大きな特徴
がある。 本発明方法では、中空剤として、水酸基を持た
ず、28重量%のアンモニア水溶液への溶解度が10
重量%以上で、かつセルロースを膨潤させないケ
トン、アンモニアおよび水からなる混合溶液を用
いるが、中空剤のみならず凝固剤としても同様な
混合溶液を用いることが好ましい。中空剤と凝固
剤の両者に上記のような混合溶液を用いることに
より、通常生成するスキン層が消減し、中空糸の
外壁面および内壁面とも孔径0.01μm以上の孔が
形成される。 本発明で使用する好ましいケトンとしてはアセ
トンおよびメチルエチルケトンが挙げられる。ま
た、混合溶液中に硫酸アンモニウムまたは酢酸ア
ンモニウムを含有せしめてもよい。 上記混合溶液において、水に対するアンモニア
の濃度が5重量%以下、好ましくは3重量%以下
で、かつ水に対するケトンの濃度が20重量%以上
160重量%以下、好ましくは35重量%以上110重量
%以下であれば、孔径が大きくなり、孔密度も増
加し、貫通孔の存在比率も増加し再現性よくかつ
安定に製造することができる。ここでセルロース
を膨潤させないケトンとは、中空糸を20℃のケト
ンに10分間浸漬したときの膨潤率が+5%〜−3
%の範囲内にあるケトンを意味する。 また、セルロース銅アンモニア溶液中に該ケト
ンをゲル化点以下または30重量%以下の濃度まで
あらかじめ添加することにより、紡糸速度が上昇
し、製造時間が短縮され、かつ再現性の良い中空
糸を得ることができる。 本発明の方法の原理上の特徴は、中空剤および
凝固浴に上記ケトン、アンモニアおよび水からな
る混合溶液を用いて中空糸を紡糸した際、中空糸
が失透してくることから明らかである。すなわ
ち、本発明方法は、ミクロ相分離を経過し、しか
る後凝固、再生、水洗処理を経る点に最大の特徴
がある。ミクロ相分離状態を経過した中空糸の微
細構造上の特徴として、セルロースおよびセル
ロース―2結晶において、水素結合に垂直な
101面の中空糸の半径方向への配向が公知の方法
で得られた中空糸にくらべて少ない。このような
ミクロ相分離を生起させるケトンは、水酸基を持
たず、28重量%のアンモニア水溶液への溶解度が
10重量%以上であり、かつセルロースを膨潤させ
ないという共通の性質を持つ。水酸基を持つ有機
溶媒を含む混合溶液を用いて紡糸すると、ミクロ
相分離は起こらず、透明な中空糸になるか、中空
糸外壁面および内壁面にスキン層が生じ、結果的
に中空糸の外壁面の孔径は0.02μm以下となる場
合が大部分である。 本発明で使用するケトンは分子量が小さいほ
ど、ミクロ相分離を生起する時間が短縮され、後
処理工程での作業性が良いことから望ましい。な
お、28重量%アンモニア水溶液へのケトンの溶解
度(28重量%アンモニア水溶液100ml当りに溶解
する量(重量))が10重量%以上でなければ、ミ
クロ相分離を生起しないか、あるいは、わずかに
生起しても実際の紡糸に際しては、中空糸の外壁
面あるいは内壁面にうすいスキン層が生成し、得
られた中空糸の平均孔径は0.02μm以下となる。
水への溶解度、特にアルカリ水溶液中への溶解度
は高ければ高いほどよい。 本発明方法の利点は、セルロース銅アンモニア
溶液中のセルロース濃度が4重量%以上、10重量
%以下の紡糸原液を用いるとより容易に発揮され
る。紡糸原液中のセルロース濃度が4重量%未満
になると、原液の粘度低下が起こり、かつ曳糸性
が悪くなるため、紡糸状態が不安定となり、再現
性の良い中空糸を得ることは困難である。10重量
%を超えると中空糸がかたくなり、かつ透明化
し、空孔率が低下し、孔密度も減少する。したが
つて、セルロース濃度が4重量%〜10重量%であ
ればマイクロフイルトレーシヨンなどに用いられ
る中空糸としての性能を十分満たしていることに
なる。 なお、本発明方法における銅アンモニア溶液と
は、銅とアンモニアを主成分とする溶液で、シユ
バイツアー試薬と呼ばれる濃紺色の溶液であり、
実質的にセルロースを溶解することのできる溶媒
系を意味するものであり、銅以外の陽イオンある
いはアンモニア以外の溶媒を一部混入したものも
含む。また、セルロース濃度とは、セルロースの
銅アンモニア溶液中での重量濃度を意味する。再
生用の酸は、特に限定されるものではないが、回
収あるいは腐触等を考慮して希硫酸(たとえば2
重量%の希硫酸)を用いることが望ましい。 本発明方法で得られた再生セルロース中空糸が
利用できる分離対象として、水を含む液体または
気体混合物中の目的とする成分の分離除去、たと
えば人工腎臓、人工肝臓あるいは人工膵臓用中空
糸などである。その他限外過膜として利用でき
るが、、親水性で力学的性質に優れる強靭な本再
生セルロース中空糸は、生体関連分野(医学、生
物化学工業)、あるいは食品醗酵分野上において
適している。 本発明の方法で得られる膜の微細構造上の特徴
と各種物性値の典型例を示す。セルロース分子の
平均分子量は5.75×104、測定周波数110Hzにおけ
る30℃の動的弾性率は1.3×1010dyn/cm2、力学的
損失正接tanδのピーク値(tanδ)maxは0.14tan
δのピーク温度Tmaxは262℃、外壁面の平均孔
径は1μm、内壁面の平均孔径は1.2μm、空孔
率は72%である。また、本発明方法で得られる膜
の外壁面、中間部および内壁面の走査型電子顕微
鏡写真をそれぞれ第1図、第2図および第3図に
示す。 実施例に先立ち、発明の詳細な説明中で用いら
れた各種物性値の測定方法を以下に示す。 <平均分子量> 銅アンモニア溶液中(20℃)で測定された極限
粘度数(η)(ml/g)を下式(1)に代入すること
により、平均分子量(粘度平均分子量)Mvを算
出する。 Mv=〔η〕×3.2×103 (1) <セルロースおよび―2結晶の固定、配向度
パラメーター> 理学電機社製X線発生装置(RU―200PL)と
ゴニオメーター(SG―9R)、計数管にはシンチ
レーシヨンカウンター、計数部には波高分析器
(PHA)を用い、ニツケルフイルターで単色化し
たCu―Kα線(波長λ=1.5418Å)で、対称透
過法を採用して測定する。 長さ5mmの湿潤状態にある中空糸をアセトンで
水分を置換し、その後風乾した後、これを約200
本円筒状に束ね、その直径をDx(cm)とする。
該束状物を約100×Dx(Kg)の荷重で押しつぶし
て中空部をなくする。すなわち見掛け上積層膜の
状態に変形する。40kV×100mAでX線発生装置
を運転し、スキヤニング速度1゜/分、チヤート
速度10mm/分、タイムコンスタント2秒、ダイバ
ージエンススリツト2mmφ、レシービングスリツ
ト縦幅1.9mm、横幅3.5mmにし、該荷重変形後の中
空糸の断面方向における赤道方向および子午線方
向のX線回折強度曲線を測定する。 セルロース結晶は、2θ=12゜〔(101)面か
らの反射〕、20゜〔(101)面からの反射〕、22゜
〔(002)面からの反射〕の2種の回折で特徴づけ
られる。またセルロース―2結晶は、2θが約
12゜と21゜の2個の回折で特徴づけられる。 赤道線および子午線方向から得られたX線回折
強度曲線の2θ=15゜と35゜の間を直線で結び基
線とする。そして(101)面および(101)面の
回折ピークの頂点から基線までの距離(強度)を
測定する。赤道方向の(101)面の回折強度を
H1、(101)面の回折強度をH2および子午線方向
の(101)面の回折強度をH3、(101)面の回折
強度をH4とすると、赤道方向での回折強度比A
はH2/H1、子午線方向での回折強度比BはH4
H3である。配向度パラメーターOPは下式(2)で算
出される。 配向度パラメーターOP=1−A/B (2) <平均孔半径、孔密度> 多孔膜1cm2当りの孔半径がr〜r+drに存在す
る孔の数をN(r)drと表示すると(N(r)は
孔径分布関数)、平均孔半径、および孔密度
Nは下式(3)および(4)で与えられる。 湿潤状態の中空糸内部の水分をアセトンで置換
し、その後風乾して得られた中空糸の内外壁面お
よび壁厚部における中間面の電子顕微鏡写真を走
査型電子顕微鏡を用いて撮影する。壁厚部のサン
プリングは、中空糸をエポキシ樹脂に包埋後、ウ
ルトラミクロトーム(LKB社(スウエーデン)
製Ultratome8800型)に装着したガラスナイフ
を用いて、外壁面から測定して壁厚の1/1.8〜1/
2.2の位置で中空糸の繊維軸方向に対して平行に
厚さ約1μmの試料を切り出した。該写真から公
知の方法で孔径分布関数N(r)を算出し、これ
を(3)式に代入する。すなわち、孔径分布を求めた
い部分の走査型電子顕微鏡写真を適当な大きさ
(たとえば20cm×20cm)に拡大焼付けし、得られ
た写真上に等間隔にテストライン(直線)を20本
描く。おのおのの直線は多数の孔を横切る。孔を
横切つた際の孔内に存在する直線の長さを測定
し、この頻度分布関数を求める。この頻度分布関
数を用いて、たとえばステレオロジ(たとえば、
諏訪紀夫著“定量形態学”岩波書店)の方法でN
(r)を定める。なお平均孔径は2である。 <平均空孔率Prρ> 湿潤状態にある中空糸内部の水分をアセトンで
置換し、その後風乾して得られた中空糸を真空中
で乾燥し、水分率を0.5%以下とする。乾燥後の
中空糸の内径をDi(cm)、外径をD0(cm)とし、
中空糸の長さをl(cm)、重量をw(g)とすると、
Prρは下式(5)で与えられる。 <Tmax、動的弾性率> 湿潤状態にある中空糸内部の水分をアセトンで
置換し、その後風乾して得られた長さ5cmの中空
糸を、東洋ボールドウイン社製Rheo―Vibron
DDV―c型を使用し、測定周波数110Hz、乾燥
空気下で平均昇温速度10℃/minでtanδ―温度
曲線と動的弾性率―温度曲線よりtanδのピーク
値(tanδ)maxとtanδのピーク位置Tmaxと30
℃における動的弾性率を読み取る。 (ヘ) 実施例 以下、本発明方法を実施例について具体的に説
明する。 <実施例 1〜5> セルロースリンター(平均分子量2.35×105)を
公知の方法で調製したアンモニア濃度6.8重量
%、銅濃度3.1重量%の銅アンモニア溶液中に第
1表に示す濃度で溶解せしめ、過脱胞を行ない
紡糸原液とした。該紡糸原液を環状紡出口の外側
環状紡出口(外径2mmφ)より1.25ml/分で吐出
させ、一方アセトンと水との比率が101.1重量%
で、アンモニアと水との比率が1.1重量%の混合
溶液を中空剤として中央紡出口(外径0.4mmφ)
より1.77ml/分で、それぞれ、アセトンと水との
比率が101.1重量%で、アンモニアと水との比率
が1.1重量%の混合溶液(凝固剤)中に直接吐出
し、11m/分の速度で巻取つた。その後2重量%
硫酸水溶液で再生し、しかる後水洗した。得られ
た中空糸をアセトンで水分を置換し、その後緊張
状態で風乾して各物性および微細構造を測定した
結果を第1表に示す。
【表】 なお、吐出直後の透明青色状の繊維状物は次第
に白色化し、ミクロ相分離を生起し、ひきつづい
て凝固が起こり繊維としての形状が維持される。
吐出直後でミクロ相分離が生起した直後の繊維状
物は事実上液体状である。このことは、たとえば
ミクロ相分離を生起した部分は、巻取速度を速く
した際の繊維直径が細化する部分にほぼ対応し、
またミクロ相分離を生起した部分に直接固体棒状
物で接触した際、該棒状物に液体状で付着するこ
とにより確認された。 <実施例 6> 実施例3で用いた該紡糸原液を環状紡出口の外
側環状紡出口より1.25ml/分で、一方、メチルエ
チルケトンと水との比率が43.2重量%で、アンモ
ニアと水との比率が0.8重量%の混合溶液を中央
紡出口より1.77ml/分で、それぞれ、アセトンと
水との比率が101.1重量%でアンモニアと水との
比率が1.1重量%の混合溶液中に直接吐出し、10
m/分の速度で巻取つた。なお、実施例1〜5と
同様に吐出直後の透明青色状の繊維状物は次第に
白色化し、ミクロ相分離を生起していた。その後
2重量%硫酸水溶液で再生し、しかる後水洗し
た。乾燥後の各物性および微細構造の結果を以下
に示す。平均分子量は5.72×104、外壁面の平均
孔径は0.85μm、内壁面の平均孔径は0.91μm、
中間部の平均孔径は0.35μm、空孔率は63%で、
結晶領域はセルロース型結晶で構成され、
(101)面の配向度バラメーターは0.11で、30℃に
おける動的弾性率は1.25×1010dyn/cm2、Tmaxは
265℃であつた。 <比較例 1> 実施例3で用いた該紡糸原液を環状紡出口の外
側環状紡出口より1.25ml/分で、一方トリクロル
エチレン(該紡糸原液に対して非凝固性液体)を
中央紡出口より1.77ml/分で、それぞれ、アセト
ンと水との比率が101.1重量%でアンモニアと水
との比率が1.1重量%の混合溶液中に直接吐出
し、5m/分の速度で巻取つた。なお、中空剤は
該紡糸原液に対して非凝固性で、かつ該紡糸原液
に対してミクロ相分離を起こす系でないため、ミ
クロ相分離は生起せず、吐出直後の透明青色状の
繊維状物はほとんど変化しなかつた。また、紡糸
状態は非常に不安定で、スラブ状の中空糸しか紡
糸できなかつた。その後、2重量%硫酸水溶液で
再生し、しかる後水洗した。スラブ状の部分をの
ぞいて乾燥し、その各物性および微細構造を評価
した結果を第2表に示す。
【表】 * 孔径が小さいので評価不能
<比較例 2> 実施例3で用いた該紡糸原液を環状紡出口の外
側環状紡出口より1.25ml/分で、一方メタノール
と水との比率が101.1重量%でアンモニアと水と
の比率が1.1重量%の混合溶液を中央紡出口より
1.77ml/分で、それぞれ、アセトンと水との比率
が101.1重量%でアンモニアと水との比率が1.1重
量%の混合溶液中に直接吐出し、11m/分の速度
で巻取つた。なお、中空剤は該紡糸原液に対して
凝固性液体であるが、ミクロ相分離は生起しなか
つた。その後2重量%硫酸水溶液で再生し、しか
る後水洗した。乾燥後の各物性および微細構造の
結果を第2表に示す。なお平均孔径は非常に小さ
く、走査型電子顕微鏡では孔は観察できなかつ
た。したがつて、平均孔径は、0.02μm未満であ
る。 <実施例 7〜13> 実施例3で調製した紡糸原液を環状紡出口の外
側環状紡出口より1.25ml/分で、一方アセトンと
水との比率およびアンモニアと水との比率が第3
表に示す濃度の混合溶液を中央紡出口より1.77
ml/分で、それぞれ、アセトンと水との比率およ
びアンモニアと水との比率が第3表に示す濃度の
混合溶液中に吐出し、11m/分で巻取つた。な
お、実施例7〜13の吐出直後の透明青色状の繊維
状物は次第に白色化し、ミクロ相分離を生起して
いた。その後2重量%硫酸水溶液で再生し、しか
る後水洗した。乾燥後の各物性および微細構造の
結果を第3表に示す。
【表】
【表】 (実施例 14) 実施例3で調製した紡糸原液を環状紡出口の外
側環状紡出口より1.25ml/分で、メチルエチルケ
トンと水との比率が67.3重量%で、アンモニアと
水との比率が0.9重量%の混合溶液を中空剤とし
て中央紡出口(外径0.4mmφ)より1.5ml/分でそ
れぞれメチルエチルケトンと水との比率が67.3重
量%で、アンモニアと水との比率が0.9重量%の
混合溶液(凝固剤)中に吐出し、10m/分の速度
で巻取つた。なお、吐出直後の透明青色状の繊維
状物は次第に白色化し、ミクロ相分離を生起し、
引き続いて凝固が起こり繊維としての形状が維持
された。その後2重量%水溶液で再生し、しかる
後水洗した。得られた中空糸をアセトンで水分を
置換し、その後緊張状態で風乾して各物性および
微細構造を測定した。その結果を第4表に示す。
【表】
【表】 (実施例 15) セルロースリンター(平均分子量2.3×105)を
公知の方法で調製した、アンモニア濃度6.8wt
%、銅濃度3.1wt%の銅アンモニア溶液中に8.5wt
%で溶解した。該紡糸原液を環状紡出口の外側紡
出口(外径2mmφ)より1.5ml/minで、一方ア
セトンと水との比率が67.3wt%で、アンモニアと
水との比率が0.9wt%の混合溶液を中空剤として
中央紡出口(外径0.4mmφ)より2.0ml/minでそ
れぞれアセトンと水との比率が67.3wt%、アンモ
ニアと水との比率が0.9wt%の混合溶液(凝固
剤)中に直接吐出し、10m/minの速度で巻取つ
た。その後2wt%硫酸水溶液で再生し、次いで水
洗した。得られた中空糸をアセトンで水分を置換
し、その後緊張状態で風乾した。 上記方法で得られた中空糸100本をモジユール
に成型した。そのモジユールを用いて牛血清を垂
直ろ過法で分離した。比較として旭メデイカル製
のセルロースアセテート(CDA)中空糸を用て
同様に試験した。その結果を第5表に示す。 また、上記方法で得られた中空糸およびCDA
中空糸の強度および伸度を測定した。その結果も
第5表に示す。 第5表より本願発明中空糸はCDA中空糸にく
らべてろ過速度は大きいことがわかる。また本願
発明中空糸はCDAにくらべて強度および伸度が
大きい。なお本願発明中空糸の水ろ過速度は725
ml/m2,hr,mmHgであり、CDA中空糸の水ろ過
速度は450ml/cm2,hr,mmHgであつた。
【表】 (ヘ) 発明の効果 本発明の方法によれば、平均分子量の高い再生
セルロース中空糸の製造が可能であるので空孔率
および平均孔径が大きいのにも拘わらず引張破壊
強度および伸度の大きい多孔性中空糸がえられ
る。 また、ケトンを含むアンモニア水溶液を中空剤
として用いているので、ろ過容量の大きい中空糸
を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は本発明方法で得
られた再生セルロース中空糸の外壁面、中間部お
よび内壁面の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 セルロース銅アンモニア溶液を用いて中空糸
    を製造するに際し、外側環状紡出口よりセルロー
    ス銅アンモニア溶液を、中央紡出口より中空剤と
    して、水酸基を持たず、28重量%のアンモニア水
    溶液への溶解度が10重量%以上で、セルロースを
    膨潤させないケトン、アンモニアおよび水からな
    り、水に対するケトンの濃度が20〜160重量%、
    水に対するアンモニアの濃度が5重量%以下の中
    空剤を吐出することによつて、セルロース銅アン
    モニア溶液と中空剤との界面からミクロ相分離を
    生起させ、引き続き凝固、再生を行うことを特徴
    とする多孔性中空糸の製造方法。 2 吐出された繊維状物を、水酸基を持たず、28
    重量%のアンモニア水溶液への溶解度が10重量%
    以上で、セルロースを膨潤させないケトン、アン
    モニアおよび水からなり、水に対するケトンの濃
    度が20〜160重量%、水に対するアンモニアの濃
    度が5重量%以下である混合溶液中に直接浸漬す
    る特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 3 該セルロース銅アンモニア溶液中に、沸点が
    100℃以下で、水に対する溶解度が10重量%以上
    で、かつ水酸基を持たないケトンの少なくとも1
    種をゲル化点または30重量%以下の濃度まで添加
    する特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 4 該セルロース銅アンモニア溶液中のセルロー
    ス濃度が4〜10重量%である特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。 5 ケトンとしてアセトンを使用する特許請求の
    範囲第4項記載の製造方法。 6 銅アンモニア溶液へ溶解させるセルロース平
    均分子量が1×105以上である特許請求の範囲第
    5項記載の製造方法。
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