JP2002355538A - 炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜およびその製造方法 - Google Patents

炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜およびその製造方法

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JP2002355538A JP2001161735A JP2001161735A JP2002355538A JP 2002355538 A JP2002355538 A JP 2002355538A JP 2001161735 A JP2001161735 A JP 2001161735A JP 2001161735 A JP2001161735 A JP 2001161735A JP 2002355538 A JP2002355538 A JP 2002355538A
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fiber membrane
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Shigeru Nomura
繁 野村
Rumiko Fujioka
留美子 藤岡
Tatsuo Hiyoshi
辰夫 日吉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素繊維中空糸膜の原料として好適な膜構造
特性を有する炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜、
即ち、炭化焼成時の応力集中を緩和できる膜構造特性を
有し、その結果、炭化焼成しても優れた柔軟性と曲げ強
度を有し、破損の少ない炭素繊維中空糸膜となるような
原料中空糸膜を提供すること。 【解決手段】 炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
において、20℃の水中における中空糸膜中央部の複屈
折率(ΔncWater)が4.60×10-3以上、かつ、2
0℃のセダー油中における中空糸膜中央部の複屈折率
(ΔncOil)が10.0×10-3以下であることを特徴
とする炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維中空糸膜
の原料として好適な炭素中空繊維用セルロース中空糸膜
に関するものである。該中空糸膜は、炭化焼成を経て炭
素繊維中空糸膜となり、モジュールに成型加工された
後、ガス分離モジュールとして酸素富化等の分野で利用
されるものである。
【0002】
【従来の技術】ガス混合物から不要なガス成分を除去し
たり、特定のガス成分のみを濃縮・分離するにあたっ
て、様々な分離技術が用いられている。その一つとし
て、炭素製薄膜を用いる膜分離技術が知られているが、
限外濾過膜等の液体分離膜の分野においてよく知られて
いるように、膜面積の割に小型化出来ることや製造工程
での成型加工の観点から、主に中空糸型の炭素繊維膜を
充填した膜分離モジュールについて研究開発が進められ
てきた。前記の炭素繊維中空糸膜は、例えば、特開平8
−47625号公報に記載されているような方法で製造
される。即ち、原料として有機系高分子からなる中空糸
膜の束を用い、この束から水分を蒸発させ、続いて熱分
解温度まで加熱して炭化焼成すれば炭素繊維中空糸膜の
束が得られる。そして、中空糸膜の分野で公知の成型方
法を用いて炭素繊維中空糸膜の束を成型加工すれば、分
離モジュールが得られる。また、本従来技術が開示する
ように、ガス分離に用いる炭素繊維中空糸膜を得るに
は、一般に、セルロースまたはある種の再生セルロース
中空糸膜が炭化焼成原料として好ましく用いられてい
る。
【0003】しかしながら、炭素繊維中空糸膜はその化
学構造上の特性ゆえ、一般的に脆い性質を帯びている。
そして、この脆さの程度が大きい場合、炭素繊維中空糸
膜を1,000〜15,000フイラメントの単位で束
ねて組み立てるモジュール成型工程において、整束や取
り扱いにトラブルが生じやすくなり、工業的規模でのモ
ジュール成型が困難になるという問題を持っていた。こ
のような従来技術の問題点を解決しようとする試みとし
て、特開平8−47625号公報においては、炭化焼成
工程におけるタール形成や炭化ムラを低減することで、
膜の細孔形成や品質ムラを改善する製造方法が開示され
ている。
【0004】しかしながら、良好な炭化焼成を行うに
は、前記公報に記載されているような炭化焼成工程の改
善だけでは自ずと限界があるため、原料となるセルロー
ス系中空糸膜そのものにも改善を加える必要があった。
通常、炭化焼成工程においては、熱分解が進むにつれて
中空糸膜は大きな構造変化を引き起こす。例えば、前述
のセルロース中空糸膜を特開平8−47625号公報に
記載の炭化焼成工程に曝すと、繊維軸方向の長さが約3
0%収縮、中空部内径が約30%減少、膜厚が約50%
減少というように極めて大きい構造変化を起こす。この
ような大きな構造変化が起こる過程では、収縮に伴う極
めて大きな応力が構造弱部に集中し、結果として、炭化
焼成時に構造弱部での破損や破壊現象として発現するこ
とが知られているが、中空糸膜のような特殊な構造形態
の場合、より弱い応力集中によっても炭化焼成時に中空
糸膜の構造破壊が起こることは容易に理解できる。従っ
て、炭化焼成時の応力集中を最小限に留める膜構造であ
れば、炭化焼成時の中空糸膜の構造破壊を最小限に抑制
し、その結果破損の少ない炭素繊維中空糸膜を得ること
が出来ると考えられる。
【0005】特開2001−9247号公報においては
その観点から検討がなされ、原料のセルロース系中空糸
膜に対して炭化焼成に好適な特性を付与する必要性を見
出し、その製造方法が開示されている。即ち、原料とな
るセルロース系中空糸膜の水分率を時間軸に沿って制御
することで、炭化焼成時に膜が受ける応力集中が緩和さ
れるという関係を見出し、その結果として、炭化焼成し
た後も柔軟性と曲げ強度に優れ、破損の少ない炭素繊維
中空糸膜が得られるというものであった。ところが、本
従来技術では、水分率との膜特性との関係が一部明らか
になったものの、原料のセルロース系中空糸膜に要求さ
れる詳細な構造特性については、残念ながら未だ明確に
なっていない為、その制御が困難かつ限定的であるとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、炭素繊維中空糸膜の原料として好適な膜構造特
性を有する炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜、即
ち、炭化焼成時の応力集中を緩和できる膜構造特性を有
し、その結果、炭化焼成しても優れた柔軟性と曲げ強度
を有し、破損の少ない炭素繊維中空糸膜となるような原
料中空糸膜を提供すること、およびその原料中空糸膜の
製造方法を提供することである。そして、この炭素繊維
中空糸膜を用いることによって、ガス分離モジュールの
成型加工性の向上に繋げようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】中空糸膜や繊維である高
分子固体に関して、それらの微細構造を解析する手法は
幾つかあるが、中でも、高分子固体の屈折率は結晶領域
/無定形領域を問わずに固体内部の分子の充填密度をよ
く反映する指標として知られている。高分子固体が光学
的異方体である繊維や中空糸膜の場合、繊維軸に平行な
方向の屈折率(np)と繊維軸に垂直な方向の屈折率
(nv)の値は通常異なっており、この屈折率の差(np
nv)である複屈折率(Δn)を用いて、中空糸膜や繊維
の構造特性を評価することができる。さらに、複屈折率
を種々の異なる浸液媒体(溶媒)中で測定すると、溶媒
分子によって高分子固体表面から内部までの拡散の程度
が異なるため、これらの複屈折率を解析することによっ
て固体高分子の表面から内部に至る詳細な構造情報が得
られ、中空糸膜の微細構造を精密に評価できることが知
られている。
【0008】本発明者らは、上記の観点に基づいて、種
々異なる溶媒中での複屈折率を指標として炭素繊維中空
糸膜用セルロース中空糸膜の微細構造の解析を進め、さ
らに、それらの膜を炭化焼成した後に得られる炭素繊維
中空糸膜の物性評価結果との因果関係を詳細に検討し
た。その結果、実に驚くべき事に、炭化焼成原料である
炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜が特定の複屈折
率を有していれば、炭化焼成しても優れた柔軟性と曲げ
強度を有し、破損の少ない炭素繊維中空糸膜が得られる
ことを見出し、炭素繊維中空糸膜として好適な原料とな
ることがわかった。さらに、本発明者らは検討を進めた
結果、原料である炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸
膜が有する複屈折率を所定の範囲に制御できる製造方法
を見出し、これらを以って本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記1)〜6)に関する
ものである。 (1)炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜におい
て、20℃の水中における中空糸膜中央部の複屈折率
(ΔncWater)が4.60×10-3以上、かつ、20℃
のセダー油中における中空糸膜中央部の複屈折率(Δn
cOil)が10.0×10-3以下であることを特徴とする
炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜。 (2)20℃のベンゼン中における中空糸膜中央部の複
屈折率(ΔncBen)と20℃のメタノール中における中
空糸膜中央部の複屈折率(ΔncMe)の差(ΔncBe n−Δn
cMe)が−1.0×10-3以上であることを特徴とする
前記(1)に記載の炭素繊維中空糸膜用セルロース中空
糸膜。 (3)20℃のセダー油と桂皮油の混合液中における中
空糸膜表面部の複屈折率(ΔnsOil)が15.0×10
-3以上であることを特徴とする前記(1)または(2)
に記載の炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜。
【0010】(4)炭素繊維中空糸膜用セルロース中空
糸膜の製造方法において、製膜後乾燥状態の中空糸膜束
に対して、下記(a)〜(c)の処理、即ち、(a)相
対湿度30%以下の雰囲気に曝すこと、(b)疎水性溶
媒に浸漬する、またはその溶媒の蒸気雰囲気に曝すこ
と、(c)50Torr以下の真空下の雰囲気に曝すこ
と、の少なくとも一つから選ばれる処理を施すことを特
徴とする前記(1)〜(3)の何れか1つに記載の炭素
繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜の製造方法。 (5)前記疎水性溶媒が、芳香族炭化水素または脂肪族
飽和炭化水素から選ばれる何れか一つの溶媒であること
を特徴とする前記(4)に記載の炭素繊維中空糸膜用セ
ルロース中空糸膜の製造方法。 (6)炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜の製造方
法において、1.0以上1.9以下のドラフト比で製膜
することを特徴とする前記(4)または(5)に記載の
炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜の製造方法。
【0011】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明でいう中空糸膜とは、中空部が繊維軸方向に
連続的に貫通した構造を有する環状繊維の薄膜であり、
水の濾過や血液浄化などの分野において一般的に用いら
れているものと同様である。炭化焼成前の原料である炭
素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜とは、本発明にお
いては、特に銅安法(銅アンモニア法)再生セルロース
中空糸膜のことを指し、このセルロース中空糸膜が公知
の炭化焼成工程を経て、炭素繊維中空糸膜となり、この
膜からなる束をモジュールに成型加工して、酸素富化膜
を初めとする種々のガス分離、濃縮に使用するものであ
る。
【0012】本発明でいう複屈折率とは、高分子の物性
解析においては周知の物性値であり、特に繊維において
は、「繊維軸に平行方向の屈折率と垂直な方向の屈折率
との差」と定義されるものである(「繊維物理学」の第
3章第3項「光学的性質」、繊維学会編、丸善株式会
社)。また、中空糸膜における複屈折率の測定に関して
は、例えば、「 福岡女子大学家政学部紀要、26、1
3、1996」 といった文献に記載の方法に準じること
ができる。
【0013】銅安法再生セルロース中空糸膜の微細構造
は、球状一次粒子の凝集体から構成され、この一次粒子
同士を結合する部分は「伸び切り分子鎖」として知られ
ている(福岡女子大学家政学部紀要、26、13、19
96)。中空糸膜を満たす溶媒が水であるときは、水分
子はセルロースの無定形領域内の伸び切り分子鎖を除く
全ての領域内へ拡散し、拡散した領域を全て緩和させ
る。また、溶媒がメタノールであるときは、メタノール
分子は一次粒子の表面及び内部の一部まで拡散し、疎水
性分子であるベンゼン分子は一次粒子表面までしか拡散
しない。同様に、溶媒としてセダー油、四塩化炭素等の
種々の溶媒を用いると、これらは各々セルロースの分子
内に侵入する部分が異なるので、異なる溶媒中での複屈
折率を測定すればセルロース中空糸膜の微細構造を詳細
に特定することが出来る。
【0014】炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜に
おいて、中空糸膜中央部の複屈折率(Δnc)とは、中空
糸膜中央部において繊維軸に平行な方向の屈折率
(ncp)と繊維軸に垂直な方向の屈折率(ncv)との差
(ncp−ncv)である。この屈折率(n cp)、(ncv)及び
複屈折率(Δnc=ncp−ncv)は、中空糸膜の円周方向の
屈折率、及び複屈折率を見ていることになる。光はセル
ロース系中空糸膜を透過するので得られた屈折率及び、
屈折率の差から求められる複屈折率は、中空糸膜の中央
部で観察するときは、セルロース系中空糸膜の円周方向
についての平均の屈折率及び複屈折率を観察している事
になる。即ち、所定長の中空糸膜を試料台に横向きにセ
ットして20℃の溶媒で膜の周囲を満たした後、偏光顕
微鏡を用いたベレックのコンペンセーター法によって、
中空糸膜中央部における各々の屈折率を測定して算出し
たものである。浸漬溶媒としては、純水、セダー油、ベ
ンゼン、およびメタノールを各々用いる。
【0015】一方、原料の炭素繊維中空糸膜用セルロー
ス中空糸膜が炭素繊維中空糸膜の原料として好適である
ことは、本発明の炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸
膜を公知の方法で炭化焼成し、得られる炭素繊維中空糸
膜に対して屈曲試験を行って評価する。即ち、前記炭素
繊維中空糸膜を一定の曲率半径において屈曲させた時、
折れや切断の発生率が低いものは、優れた柔軟性と曲げ
強度を有し、破損の少ない膜であるため、ガス分離モジ
ュールへの成型加工性が優れていることを意味する。本
発明においては、任意の中空糸膜50本を試験した時
に、折れや切断がない割合を焼成収率と定義し、効果の
判定に用いたが、焼成収率が80%以上であれば、モジ
ュールへの成型加工性が優れていると判断する。
【0016】本発明でいう20℃の水中における中空糸
膜中央部の複屈折率(ΔncWater)は、中空糸膜の繊維
軸方向に一次粒子同士を結合する伸び切り分子鎖の配向
性を意味しており、4.60×10-3未満である場合に
は、炭化焼成後の前記屈曲評価において焼成収率の低下
が認められた。これは、原料の中空糸膜中に伸び切り分
子鎖が少ないので、炭化焼成時に繊維軸方向に生じる収
縮に伴う応力集中に抗する事が出来なくなった結果と考
えられる。
【0017】また、20℃のセダー油中における中空糸
膜中央部の複屈折率(ΔncOil)は、中空糸膜の全ての
繊維軸方向の分子鎖軸への配向性を意味しており、1
0.0×10-3を越えると、炭化焼成後の前記屈曲評価
において、焼成収率の低下が認められた。これは、一次
粒子自体の変形量(いわゆる変形歪み)が大きくなっ
て、中空糸膜全体での伸び切り分子鎖の繊維軸方向での
配向寄与度が低くなるので、炭化焼成時に繊維軸方向に
生じる収縮に伴う応力集中に抗する事が出来なくなった
結果と考えられる。従って、20℃の水中における中空
糸膜中央部の複屈折率(ΔncWater)は4.60×10
-3以上であり、かつ、20℃のセダー油中における中空
糸膜中央部の複屈折率(ΔncOil)は、10.0×10
-3以下であることが必要である。
【0018】測定溶媒であるベンゼンとメタノールで
は、炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜を構成する
微細構造中への侵入の程度が互いに異なっている。ベン
ゼン分子は、その疎水性と特異な分子構造から中空糸膜
の微細構造中への侵入が制限されるが、メタノール分子
は、分子の大きさ、極性、および親水性の程度から、か
なり小さな微細構造中にも侵入することが出来る。そこ
で、両者の差(ΔncBen−ΔncMe)を測定することによ
り、中空糸膜の高次構造ベースでの違いを見ることが出
来る。
【0019】即ち、20℃のベンゼン中における中空糸
膜中央部の複屈折率(ΔncBen)と20℃のメタノール
中における中空糸膜中央部の複屈折率(ΔncMe)との差
(ΔncBen−ΔncMe)は、中空糸の面配向性を意味して
おり、−1.0×10-3未満である場合には、炭化焼成
後の前記屈曲評価において、焼成収率が低下する傾向が
認められる。これは、一次粒子内での分子間水素結合の
繊維軸方向の配列の規則性が不足し、応力集中の緩和と
分子鎖配向の配列の均一性が不足するので、炭化焼成時
に繊維軸方向に生じる収縮に伴う応力集中にやはり抗す
る事が出来にくくなった結果と考えられる。従って、2
0℃のベンゼン中における中空糸膜中央部の複屈折率
(ΔncBen)と20℃のメタノール中における中空糸膜
中央部の複屈折率(ΔncMe)との差(ΔncBen−Δ
ncMe)は、−1.0×10-3以上であることが好まし
い。
【0020】炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜に
おいて、中空糸膜表面部の複屈折率(Δns)とは、中空
糸膜表面近傍の繊維軸方向の屈折率(nsp)と繊維軸に
垂直な方向の屈折率(nsv)との差(nsp−nsv)であ
る。この中空糸膜表面部の屈折率(nsp)、(nsv)及び
複屈折率(Δns=nsp−nsv)は、光がやはり中空糸膜を
透過するので膜厚方向の平均の屈折率及び複屈折率を見
ていることになる。即ち、所定長の中空糸膜を試料台に
セットして20℃のセダー油と桂皮油の混合液で膜の周
囲を満たした後、ベッケ氏線法によって、その直径方向
の何れか一方の外表面近傍における各々の屈折率を測定
して算出したものである。
【0021】20℃のセダー油と桂皮油の混合液中にお
ける中空糸膜表面部の複屈折率(ΔnsOil)が、15.
0×10-3未満である場合には、炭化焼成後の前記屈曲
評価において、焼成収率が低下する傾向が認められる。
これは、中空糸膜の半径方向への一次粒子自体の変形量
が大きく、中空糸膜全体での伸び切り分子鎖の膜半径方
向への配向寄与度が低いので、炭化焼成時の膜半径方向
への収縮に伴う大きな応力集中に抗する事が出来なくな
った結果と考えられる。従って、20℃のセダー油と桂
皮油の混合液中における中空糸膜表面部の複屈折率(Δ
nsOil)は、15.0×10-3以上であることが好まし
い。
【0022】炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
が、以上述べた複屈折率の範囲を満足していれば、炭素
繊維中空糸膜の原料として好適に用いることができる。
即ち、この様なセルロース中空糸膜は、炭化焼成時の応
力集中を緩和できる膜構造を有し、その結果、炭化焼成
しても優れた柔軟性と曲げ強度を有し、破損の少ない炭
素繊維中空糸膜となり得るものである。そして、この炭
素繊維中空糸膜を用いれば、ガス分離モジュールの成型
加工性を向上させることに繋がるものである。前記複屈
折率については、4種類の複屈折率の必要範囲を同時に
満足していることが最も好ましい。
【0023】次に、本発明の炭素繊維中空糸膜用セルロ
ース中空糸膜を得る製造方法について説明する。本発明
者らは、本発明の構造特性を有する中空糸膜の製造方法
について鋭意検討した結果、凝固後の乾燥状態にある公
知の銅安法セルロース中空糸膜に対して、以下に述べる
3つの処理のうち少なくとも何れか一つの処理を組み込
めば、驚くべき事に、前記の複屈折率を必要な範囲に制
御でき、炭素繊維中空糸膜の原料として好適な膜構造特
性を有する炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜が得
られることを見い出した。さらに、低延伸状態で製膜し
た銅安法セルロース中空糸膜に上記処理を組み入れる
と、焼成収率向上により効果的であることをも見出し
た。
【0024】第一の処理は、低湿度処理である。低湿度
処理は、公知の方法によって得られた乾燥状態のセルロ
ース中空糸膜の束を、低湿度雰囲気に曝すか、好ましく
は低湿度かつ加温雰囲気に曝すことであり、この処理に
よっても、セルロース中空糸膜の複屈折率を所定の範囲
に制御することができる。低湿度処理は、セルロース中
空糸膜中の水分を急速に除去することであり、膜構造中
のセルロース分子との相互作用が大きい水分を除去、ま
たは減少させて、セルロース中空糸膜の構造を不可逆的
に安定化させるものと推定される。
【0025】具体的には、相対湿度が30%以下の雰囲
気に曝すと好ましい。相対湿度の調節手段は特に限定す
るものではなく、湿度調節機能を有する密閉庫を用いた
り、五酸化リン等の乾燥剤を用いることができる。この
相対湿度が30%を越えると、セルロース中空糸膜の構
造が安定化するのにかなりの長期間を要してしまう為、
工業的な見地からは実用性がないものである。より好ま
しくは、相対湿度30%以下かつ温度30℃以上の加温
雰囲気に曝すとよく、最も好ましい条件は、相対湿度1
0%以下かつ温度45℃以上である。なお、温度の上限
はセルロース中空糸膜の分解温度である。
【0026】第二の処理は、疎水性溶媒処理である。疎
水性溶媒処理は、公知の方法によって得られた乾燥状態
のセルロース中空糸膜の束を温度40℃以下の疎水性溶
媒に浸漬する、またはその溶媒の蒸気雰囲気に曝すこと
であり、この処理によっても、セルロース中空糸膜の複
屈折率を所定の範囲に制御することができる。疎水性溶
媒処理は、乾燥状態の中空糸膜束を疎水性溶媒に浸漬ま
たはその蒸気雰囲気に曝すと、疎水性溶媒が持つ疎水性
とその分子構造に基づいてセルロース分子との間に相互
作用が生じ、膜構造を形成する伸び切り分子鎖を増加さ
せるものと推定される。
【0027】セルロース分子と相互作用を生じさせる溶
媒としては、例えばアルコール系溶媒では伸び切り分子
鎖を増加させるには不充分であり、より疎水性が高い溶
媒を用いることが好ましい。疎水性溶媒としては、芳香
族炭化水素または飽和炭化水素が好ましく、これら何れ
かの中から任意の溶媒を選択すればよい。前者の例とし
ては、トルエン、キシレン、ベンゼン、後者の例として
は、ヘキサン、ペンタン、オクタン、デカン等が例示で
きるが、これらに限定されるものではない。特に好まし
く用いられるのは、ベンゼンまたはトルエンである。な
お、疎水性溶媒処理後の束には溶媒が付着しているが、
使用する溶媒は比較的揮発性が高く、続く炭化焼成工程
で十分に除去されるので、あえて厳重な溶媒除去操作を
加える必要はない。吸収紙等で溶媒を吸い取った後、風
乾程度とすればよい。
【0028】第三の処理は、真空処理である。真空処理
は、公知の方法によって得られた乾燥状態のセルロース
中空糸膜を真空雰囲気に曝すか、好ましくは真空かつ加
温雰囲気に曝すことであり、この処理によっても、セル
ロース中空糸膜の複屈折率を所定の範囲に制御すること
ができる。真空処理は、膜構造中のセルロース分子との
相互作用が大きい水分を急速に除去、または減少させる
ことで、セルロース中空糸膜の構造を不可逆的に安定化
させるものと推定される。
【0029】具体的には、真空度が50Torr以下の
雰囲気に曝すと好ましい。真空度の調節手段は特に限定
はなく、耐圧性容器を用いて真空ポンプで減圧すればよ
い。この真空度が50Torrを越えると、セルロース
中空糸膜の構造が安定化するのにかなりの長期間を要し
てしまう為、工業的な見地からは実用性がないものであ
る。より好ましくは、真空度50Torr以下かつ温度
30℃以上の加温雰囲気に曝すとよく、最も好ましい条
件は、真空度50Torr以下かつ温度45℃以上であ
る。なお、温度の上限はセルロース中空糸膜の分解温度
である。また、前記の処理に先だって、膜の凝固時に低
延伸処理をしていることがより好ましい。低延伸処理
は、紡糸原液を紡口から吐出する際に、未凝固状態で配
向を高めながら凝固を進行させる処理であり、この処理
によっても、複屈折率をより好ましい範囲に制御するこ
とができる。低延伸処理は、凝固時に伸び切り分子鎖の
形成を促進させるものと推定される。
【0030】具体的には、巻き取り速度と紡口サイズが
一定のもとで紡糸原液の吐出量を増加させる、または、
巻き取り速度と吐出量が一定のもとで紡口の内径を小さ
くすることにより、紡口での吐出線速度を高めるととも
に凝固しつつある紡糸原液の延伸を抑制することであ
る。即ち、巻取速度と紡口吐出速度との比で表されるド
ラフト比が1.0以上1.9以下の範囲で紡糸すること
が好ましい。ドラフト比が1.9を越えると、前記の低
湿度処理や疎水性溶媒処理の効果が得られ難くなる傾向
があり、例えば、焼成収率80%以上のものを得るには
1年程度の放置期間が必要となる場合も生じ得るので、
実用上の観点から好ましくない。一方、ドラフト比が
1.0より小さいと膜を連続的に巻き取ることができな
くなる。より好ましい範囲は1.0以上1.7以下であ
り、最も好ましくは1.0以上1.5以下である。以上
に述べた処理方法を、公知の銅安法セルロース中空糸膜
の製造方法に組み込むことによって、本発明の炭素繊維
中空糸膜用セルロース中空糸膜を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、本実施例に示す諸測定値は、以下に述べ
る方法に従って得られた。
【0032】〔炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
のグリセリン付着率及び水分率〕製造直後の炭素繊維中
空糸膜用セルロース中空糸膜を約9cmの長さに切断
し、5.0g秤量後、300mlの三角フラスコに入れ
た。純水300mlを加え、栓をして5分間振とう後、
液中のグリセリン濃度を示差屈折率計を用いた屈折率測
定によって示差値として求めた。標準液としては、所定
の濃度調整したグリセリン水溶液を用いた。この示差値
と純水量300mlと標準液濃度の示差値の関係から、
グリセリン付着重量を求めた。一方、振とう後の中空糸
膜を純水で5〜6回洗浄した後、105℃で12時間以
上乾燥して秤量し、これを膜の絶乾重量とした。最初の
重量(5.0g)からグリセリン付着重量と絶乾重量を
それぞれ差し引いた重量を水分重量として、グリセリン
付着率及び水分率を以下の式を用いて計算した。 グリセリン付着率(%)=100×グリセリン付着重量
/絶乾重量 水分率(%)=100×(最初の重量−グリセリン付着
重量−絶乾重量)/絶乾重量
【0033】〔炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
中央部の複屈折率(Δnc)〕長さ数cmにカットした炭
素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜を試料台にセット
した。20℃の溶媒で膜の周囲を満たした後、偏光顕微
鏡(オリンパス光学工業(株)社製BHSP型)を用いて、
ベレックのコンペンセーター法によって中空糸膜中央部
における繊維軸に平行な方向の屈折率(ncp)と繊維軸
に垂直な方向の屈折率(ncv)を測定し、その差(ncp
ncv)を複屈折率(Δnc)とした。浸漬溶媒としては、
純水、セダー油、ベンゼン、およびメタノールを各々用
いた。
【0034】〔炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
表面部の複屈折率(ΔnsOil)〕長さ数cmにカットし
た炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜を試料台にセ
ットした。20℃のセダー油と桂皮油の混合液で膜の周
囲を満たした後、中空糸膜表面近傍における繊維軸方向
の屈折率(nsp)と繊維軸に垂直な方向の屈折率(nsv
をベッケ氏線法によって測定し、その差(nsp−nsv)を
複屈折率(ΔnsO il)とした。
【0035】〔炭素繊維中空糸膜の焼成後収率(炭素繊
維中空糸膜の屈曲性評価)〕炭化焼成後の炭素繊維中空
糸膜をランダムに50本抜き取り、曲率半径が1.5c
mのシリンダーに炭化焼成後の炭素繊維中空糸膜を36
0度以上巻きつけた時、折れや切断が生じなかった割合
を焼成後収率とした。
【0036】
【実施例1】(炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
の作成と評価)セルロース濃度8.0%、アンモニア濃
度6.08%、銅濃度2.88%、及び2,000ポイ
ズの粘度を有する銅アンモニアセルロース溶液を紡糸原
液として調整した。この紡糸原液を吐出量16.1ml
/分、中空成型体である窒素ガスを吐出量2.0ml/
分にて二重管式紡口から吐出させ、9.5重量%の苛性
ソーダ水溶液からなる凝固浴に導いて中空糸膜に製膜し
た。次に、該中空糸膜を水洗し、3重量%の硫酸水溶液
により銅及びアンモニアを除去し、硫酸水溶液を水洗し
た後、該中空糸膜に10重量%のグリセリン水溶液を付
与し、乾燥工程を経て巻き取り速度70m/分で巻き取
った。ドラフト比は1.88であった。得られたセルロ
ース中空糸膜の内径は211.3μm、膜厚は17.3
μm、グリセリン付着率は1.5%、水分率は4.5%
であった。この中空糸膜約5,000フィラメントから
なる中空糸膜束を、約0.5mの長さに切断した後、表
1に示す各々の処理条件で37日間静置し、その中央部
および表面部の複屈折率を求めた。
【0037】(炭素繊維中空糸膜の作成と評価)炭化焼
成は、特開平8−47625号公報の図1に記載されて
いるような装置を用いて炭化焼成した。炭素繊維中空糸
膜用セルロース中空糸膜の繊維束の形状が、円形で20
%の充填密度になるように熱分解チューブに挿入し、不
活性の清掃用ガスとしてアルゴンガスを流速24cc/
分で流した。炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜に
含まれている水分を除去する触媒ガスとして12%V/
Vの濃度の塩化水素を用いて、150度で5時間以上保
持した。触媒である塩化水素ガスの流速は240cc/
分で行った。次に、焼成炉の温度を0.2℃/分の速度
で300℃まで上昇させた後、1℃/分の速度で800
℃まで上昇させ、800℃で0.5時間滞留させた後
に、2℃/分の速度で室温まで温度を下げて放置した。
この間、アルゴンガス及び塩化水素ガスの流速は変化さ
せなかった。以上により得られた、静置条件の異なる炭
素繊維中空糸膜について、焼成後収率を測定した。表1
に結果を示した。
【0038】
【比較例1】実施例1に記載の方法によって得られた炭
素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜を、温度25℃で
相対湿度65%の条件で1日、37日間静置した以外
は、実施例1と同様の条件で炭化焼成し、焼成後収率を
求めた。表1に結果を示した。表1に示す通り、実施例
1の何れの条件(温度50℃×相対湿度25%、相対湿
度0%、ベンゼン浸漬)においても、各々の複屈折率は
所定の範囲に入っており、良好な焼成収率が得られた。
対して、比較例1では、37日間経過後も複屈折率が所
定の範囲に入らず、焼成収率は極めて低かった。
【0039】
【実施例2】紡糸原液の吐出量を17.3ml/分、窒
素ガスの吐出量を1.6ml/分とし、さらに巻き取り
速度を60m/分とした以外は、実施例1に記載の条件
に準じてセルロース中空糸膜を得た。ドラフト比は1.
50であった。得られたセルロース中空糸膜の内径は2
19.3μm、膜厚は18.8μm、グリセリン付着率
は1.3%、水分率は4.6%であった。この中空糸膜
からなるフィラメント本数が5,000本の中空糸膜束
を、約0.5mの長さに切断した。実施例1(1−1)
と同様の処理を行い、複屈折率を測定後、実施例1と同
様の条件で炭化焼成した。表1に示す通り、ドラフト比
を下げる事により、中空糸膜中央部の複屈折率(△n
cWater)の上昇が認められた。また、焼成収率も良好で
あった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の炭素繊維中空糸膜用セルロース
中空糸膜は、炭素繊維中空糸膜の原料として好適な膜構
造を有しているので、炭化焼成しても優れた柔軟性と曲
げ強度を有し、破損の少ない炭素繊維中空糸膜を得るこ
とができる。この炭素繊維中空糸膜を用いることによっ
て、ガス分離モジュールの成型加工性の向上に繋げるこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 日吉 辰夫 宮崎県延岡市旭町4丁目3400番地の1 旭 メディカル株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA01 JA02A MA01 MB04 MC05 MC11X NA39 NA63 NA64 NA66 NA74 PA02 PB17 PB62 PC71 4L035 AA09 BB03 BB06 BB10 BB16 BB22 DD03 DD14 EE20 FF01 4L037 CS03 FA04 PA52 PC02 PC08 PF14 PF31 UA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
    において、20℃の水中における中空糸膜中央部の複屈
    折率(ΔncWater)が4.60×10-3以上、かつ、2
    0℃のセダー油中における中空糸膜中央部の複屈折率
    (ΔncOil)が10.0×10-3以下であることを特徴
    とする炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜。
  2. 【請求項2】 20℃のベンゼン中における中空糸膜中
    央部の複屈折率(ΔncBen)と20℃のメタノール中に
    おける中空糸膜中央部の複屈折率(ΔncMe)の差(Δn
    cBen−ΔncMe)が−1.0×10-3以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の炭素繊維中空糸膜用セルロー
    ス中空糸膜。
  3. 【請求項3】 20℃のセダー油と桂皮油の混合液中に
    おける中空糸膜表面部の複屈折率(ΔnsOil)が15.
    0×10-3以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜。
  4. 【請求項4】 炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
    の製造方法において、製膜後乾燥状態の中空糸膜束に対
    して、下記(a)〜(c)の処理、即ち、(a)相対湿
    度30%以下の雰囲気に曝すこと、(b)疎水性溶媒に
    浸漬する、またはその溶媒の蒸気雰囲気に曝すこと、
    (c)50Torr以下の真空下の雰囲気に曝すこと、
    の少なくとも一つから選ばれる処理を施すことを特徴と
    する請求項1〜3の何れか1項に記載の炭素繊維中空糸
    膜用セルロース中空糸膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記疎水性溶媒が、芳香族炭化水素また
    は脂肪族飽和炭化水素から選ばれる何れか一つの溶媒で
    あることを特徴とする請求項4に記載の炭素繊維中空糸
    膜用セルロース中空糸膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜
    の製造方法において、1.0以上1.9以下のドラフト
    比で製膜することを特徴とする請求項4または5に記載
    の炭素繊維中空糸膜用セルロース中空糸膜の製造方法。
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