JP2001008630A - 半生米菓の製造方法 - Google Patents

半生米菓の製造方法

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JP2001008630A
JP2001008630A JP11179650A JP17965099A JP2001008630A JP 2001008630 A JP2001008630 A JP 2001008630A JP 11179650 A JP11179650 A JP 11179650A JP 17965099 A JP17965099 A JP 17965099A JP 2001008630 A JP2001008630 A JP 2001008630A
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Masashi Kumagai
熊谷柾志
Sanjiro Kawasaki
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遠藤莞爾
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AKITA INAFUKU BEIKA KK
Yamazaki Baking Co ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレハロースの加え方を工夫して、半生米菓
の保存性を向上させる。 【解決手段】 米菓原料を加工した米菓生地を所定形状
に成形する成形工程(1−8)と、成形工程で成形され
た米菓生地を乾燥する乾燥工程(1−9)と、乾燥工程
で乾燥された米菓生地を焼成する焼成工程(1−10)
と、焼成工程で焼成された素焼き製品を調味液に浸漬す
る浸漬工程(1−11)とを備え、上記浸漬工程におけ
る調味液にトレハロースを添加し、調味液に添加するト
レハロースの量を、調味液中の重量比で10〜30%に
し、浸漬工程後に、調味液に漬けた後の製品を遠心分離
機に入れ、製品に付着した余分な調味液を振り切り(1
−12)、乾燥させて(1−13)製品とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる“濡れせ
んべい”や“濡れおかき”などと称されている半生米菓
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半生米菓の製造方法としては、
従来、例えば、特公平4−36659号(特開平2−6
0553号)公報に掲載されているものが知られてい
る。この半生米菓の製造方法は、半生米菓としてせんべ
いを製造する方法であって、米菓原料を加工した米菓生
地を所定形状に成形する成形工程と、成形工程で成形さ
れた米菓生地を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で乾燥さ
れた米菓生地を焼成する焼成工程と、焼成工程で焼成さ
れた素焼き製品を焼成後直ちに調味液に5〜8秒間浸漬
して半生状にする浸漬工程と、その表面のみを10〜2
0分間ほど乾燥させる工程とを備え、これにより、しみ
込んだ調味液によりせんべい全体に湿感を与え、柔らか
い食感となるようにしている。従来において、せんべい
の場合では、焼成前の米菓生地の水分含量は、11〜1
5%であり、焼成後の素焼き製品の水分含量は、1〜3
%とされている。また、あられ、おかきについては、焼
成前の米菓生地の水分含量は、18〜24%であり、焼
成後の素焼き製品の水分含量は1〜3%とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の半生
米菓は、吸湿し易く表面がベタ付き易いので作りたての
柔らかい食感及びしみ込んだ調味液の風味を長持ちさせ
ることが困難であり、デンプンを多く含む食品のため、
デンプンの老化から常温または低温下での硬化,パサ付
き及び白濁等の品質劣化が生じ易く、日が経つと食感が
悪くなるという問題があった。これを解決するために、
一般に、トレハロースがデンプンの老化を防止する効果
を有することが知られており、この技術から、本願出願
人は、生地にトレハロースを含有させることも行なっ
た。然しながら、単に、生地にトレハロースを加えて
も、食感の維持効果がさほど向上しないことが分かっ
た。
【0004】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、トレハロースの加え方を工夫して、半生米菓の
保存性を向上させることを目的とする。更に、必要に応
じ、上記焼成工程から浸漬工程への移行時の条件を緩和
しても、調味液の浸透を損なうことなく柔らかくなり内
部が餅のような弾力感のあるものとするとともに、多量
の調味液のしみ込みを防止して味の調整を行ない易く
し、更には、製品の固さや味のバラツキができるだけ生
じないように改善を図ることも課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の半生米菓の製造方法は、米菓原料を加工し
た米菓生地を所定形状に成形する成形工程と、成形工程
で成形された米菓生地を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程
で乾燥された米菓生地を焼成する焼成工程と、焼成工程
で焼成された素焼き製品を調味液に浸漬する浸漬工程と
を備えた半生米菓の製造方法であって、上記浸漬工程に
おける調味液にトレハロースを添加する構成にしてい
る。これにより、予めトレハロースを添加した調味液に
入れて素焼き製品の組織中にトレハロースを含有する調
味液成分をしみ込ませるので、生地に単に混入する場合
に比較して、作りたての柔らかい食感及びしみ込んだ調
味液の風味が長持ちさせられ、半生米菓の保存性が向上
させられる。
【0006】そして、上記浸漬工程において、素焼き製
品に浸漬させるために上記調味液へ添加するトレハロー
スの量を調味液中の重量比で10〜30%にした方が望
ましい。トレハロースの量を、調味液中の重量比で10
%以上にすると効果が顕著となる。そしてトレハロース
の量は多ければ多いほど効果は大となるが、30%を越
えると保存性は向上するが甘くなり過ぎるという味の変
化があり、また製品中でトレハロースが結晶化する場合
がある。
【0007】そして、必要に応じ、上記焼成工程におい
て、焼成後の素焼き製品の内部が、表面よりも水分含量
が多くなって柔らかくなるように調整して焼成する構成
にしている。この調整は、焼成工程において、生地の水
分含有量が多くなるように調整したり、焼成工程におい
て、焼成温度や焼成時間等の焼成条件を種々に調整した
りして行なう。これにより、焼成工程で素焼き製品の内
部が表面よりも水分含量が多くなって柔らかくなるよう
に調整されるので、浸漬工程では、多量の調味液がしみ
込んでいくことがなく、味が濃過ぎてしまう事態が防止
される。また、ある程度、上記焼成工程から浸漬工程へ
の移行時の条件を緩和しても、例えば、素焼き製品が高
温状態であるうちに時間を置かずに調味液に浸漬しなく
ても、予め、内部が表面よりも水分含量が多くなってい
るので、調味液が内部になじみ易くなっており、そのた
め、調味液の浸透を損なうことなく柔らかくすることが
できるようになる。また、予め、内部が表面よりも水分
含量が多くなっているので、調味液の浸漬程度がバラツ
キなく安定し、製品の固さや味のバラツキが抑制され
る。
【0008】そして、必要に応じ、上記焼成工程におい
て、焼成後の素焼き製品の内部の水分含有量がその表面
の2倍以上となるように焼成する構成としている。好ま
しくは、3.5〜4.5倍になるように焼成することが
望ましい。これにより、内部の水分含量を表面よりも確
実に多くすることができ、調味液を内部になじみ易くす
ることができ、調味液の浸透をより一層均一にしつつ柔
らかくすることができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態に係る半生米菓の製造方法について説明
する。図1に示すように、例えば、先ず、せんべいの場
合は、米菓原料としての粳米(1−1)を精米して(1
−2)水洗いし(1−3)、一定時間水に漬け(1−
4)、これをねかせた後(1−5)、製粉して(1−
6)蒸練する(1−7)。それから、この蒸練した米菓
生地を型抜して成形した(1−8)後、成形された米菓
生地を乾燥工程で乾燥し(1−9)、乾燥工程で乾燥さ
れた米菓生地を焼成工程で焼成する(1−10)。そし
て、焼成工程で焼成された素焼き製品を浸漬工程で調味
液に浸漬して半生状にし(1−11)、次に、調味液に
漬けた後の製品を遠心分離機に入れ、該製品に付着した
余分な調味液を振り切る(1−12)。その後、乾燥し
(1−13)、冷却して(1−14)、製品とし(1−
15)、包装する(1−16)。
【0010】また、図2に示すように、例えば、あられ
・おかきの場合は、米菓原料としての糯米(2−1)を
精米して(2−2)水洗いし(2−3)、一定時間水に
漬け(2−4)、これを蒸米して(2−5)製餅する
(2−6)。それから、この製餅した米菓生地を冷却し
た(2−7)後、成形工程で所定形状に成形する(2−
8)。この成形工程で成形された米菓生地を乾燥工程で
乾燥し(2−9)、乾燥工程で乾燥された米菓生地を焼
成工程で焼成する(2−10)。そして、焼成工程で焼
成された素焼き製品を浸漬工程で調味液に浸漬して半生
状にし(2−11)、次に、調味液に漬けた後の製品を
遠心分離機に入れ、該製品に付着した余分な調味液を振
り切る(2−12)。その後、乾燥し(2−13)、冷
却して(2−14)、製品とし(2−15)、包装する
(2−16)。
【0011】詳しくは、米菓生地の精米工程から形成工
程までは、通常の米菓の製造工程と同様である。焼成工
程前の乾燥工程においては、常法通りに11〜15%と
してもよいが米菓生地の水分含有量を25〜35%とな
るように調整するのが望ましい。これにより、乾燥で残
す水分量が多いので、焼成工程での水分調整をさせ易く
なる。焼成工程においては、通常通りに素焼き製品の水
分含量は内部、表面ともに1〜3%としてもよいが、焼
成後の素焼き製品の内部を表面よりも水分含量を多くす
るのが好適である。本発明においては内部を6〜10
%、表面を1〜3%とするのが望ましく、これにより、
調味液の浸透をより一層均一にしつつ柔らかくすること
ができる。内部が柔らかくなり餅のような弾力的な食感
であるのが6〜10%であり、多いと柔らかくなりす
ぎ、少ないと、固くなるきらいがある。焼成時間は、7
〜8分とするとよい。この時間は、焼成前の乾燥工程
で、米菓生地の水分含量30%前後とし、焼成後の素焼
き製品の内部を8%前後、表面を1〜3%前後とする場
合の数値で、焼成前の水分含量によって数値は異なって
くる。
【0012】焼成後、調味液に漬けるまでの時間は20
秒以内とするのが望ましく、20秒以上放置すると、素
焼き製品が冷えすぎて、調味液の吸い込みが悪くなる。
調味液は、醤油,水分,砂糖,デンプン及びその他の調
味料等を配合したもので、トレハロースを調味液中の重
量比で10〜30%添加することが望ましい。尚、この
場合に、最終製品におけるトレハロース含有量は約3〜
20%となる。調味液の温度は、35〜70℃(より望
ましくは、40〜50℃)とするのが望ましく、これに
より、急激な温度変化が抑制され、素焼き製品と調味液
の温度の変化等により、最終製品について、調味液の浸
透ムラができたり、複数の製品間で固さや味にバラツキ
がでたりする事態が防止される。温度が低すぎると素焼
き製品が急激に冷えて、調味液の吸い込みが悪くなり、
高すぎると素焼き製品と調味液の温度差が少ないために
調味液の吸い込みが悪くなる。
【0013】調味液に漬ける時間は、従来方法のように
比較的短時間としてもよいが10〜30秒(より望まし
くは、20〜25秒)とするのが望ましく、これによ
り、時間的に余裕があるので、急激な温度変化が抑制さ
れ、素焼き製品と調味液の温度の変化等により、最終製
品について、調味液の浸透ムラができたり、複数の製品
間で固さや味にバラツキがでたりする事態が防止され
る。また、調味液に漬ける時間が短すぎると、調味液の
吸い込みが不十分となり、長すぎると吸い込みすぎとな
る。調味液の温度が高いと浸漬の時間を短くし、温度が
低いと浸漬の時間を長くして調整するとよい。素焼き製
品の重量と調味液の重量比は、(素焼き製品の重量):
(調味液の重量)=1:0.5〜2.0が望ましく、更
には(素焼き製品の重量):(調味液の重量)=1:
0.8〜1.5がより望ましい。調味液が少ないと、最
終製品の柔らかさが不十分な固いものとなり、調味液が
多いと、ベチャついた食感の悪いものとなる。
【0014】調味液に漬けた後、余分な調味液を取り除
くために遠心分離機にかけるのが望ましく、これにより
表面に余分な調味液が残ることがなくなり、余分な調味
液が浸透して味や固さにバラツキを生じさせる事態をよ
り効果的に抑止しうる。遠心分離は、毎分300〜40
0回転で、5〜15秒間行なうとよい。製品表面の余分
な調味液は取り除かないと結局吸い込まれて、吸い込み
すぎとなる。また、米菓生地中に気泡が入って焼成後の
製品に空間部ができ、この空間部に調味液がたまり、そ
のまま最終製品に残ると、調味液の固まりとなるが、こ
の空間部の調味液を取り除く効果もある。遠心分離機に
かけた後は、製品の表面を乾燥させる(乾燥工程)。1
10〜120℃で、30分間程度行なう。表面のべとつ
きが抑制される。乾燥させた後は、製品を冷ます(冷却
工程)。製品温度は、乾燥工程終了時に40〜45℃で
あるが、これを20〜25℃まで下げる。これは、その
まま包装すると、包装が曇るためである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。こ
の実施例は、あられ,おかきについての場合である。 [実施例1]調味液は、醤油,水分,砂糖,デンプン及
びその他の調味料等を配合したもので、トレハロースを
調味液中の重量比で約23%添加している。配合比を図
3に示す。 (1)糯米を精米して、精米機で十分に水洗いし、約1
昼夜水に漬ける。 (2)水切り後、蒸米しておこわにし、もちつき機でつ
いて餅にする。 (3)この餅を容器にいれて、2〜5℃に冷却して、2
〜3日間、成形可能な固さになるまで保管する。 (4)適当な固さになった餅を3cm×3cm×1cm
の略直方体の形状に成形、裁断する。 (5)成形したものを水分含量が、約20%になるまで
乾燥させる。 (6)乾燥させたものを約300℃の温度で、7〜8分
焼成する。これによると、全体的に1〜3%の水分含量
となる。 (7)焼成後直ちに、15〜20℃の調味液に約8秒間
浸漬する。 (8)110℃〜120℃で30分間乾燥させる。 (9)2〜3時間、製品温度が室温程度になるまで冷却
する。 (10)包装する。このように製造された製品はトレハ
ロース無添加の場合に比べて老化防止効果が顕著であっ
た。
【0016】[実施例2]実施例2は、以下のようにし
て作成した。上記実施例1の(1)〜(4)及び(8)
〜(11)までは同じであるが、(5)〜(7)の工程
については、以下の製法に従った。 (5)成形したものを水分含量が、約30%になるまで
乾燥させる。 (6)乾燥させたものを約300℃の温度で、7〜8分
間焼成する。これにより、内部が約8%、表面が1〜3
%の水分含量となる。 (7)焼成して約15秒後に、40〜50℃の調味液に
約20秒間浸漬する。浸漬後、毎分330回転の遠心分
離機で約10秒間振り切る。このとき(素焼き製品):
(調味液)=1:1.0〜1.3となり、最終製品にお
けるトレハロース含有量は約12〜14%となる。ま
た、調味液としては、実施例1と同様に、図3に示すも
のを用いた。このように製造された製品は実施例1と同
じく老化防止効果を有するが、更に、製造直後の時点で
実施例1よりも製品自体が全体に平均して柔らかく、内
部は餅のような弾力感のある新規な食感を有するため
に、トレハロース添加による老化防止の効果がより好適
に発揮されるものと考えられる。
【0017】
【試験例】次に、試験例について説明する。 [試験例1]上記実施例2において、調味液中のトレハ
ロースの添加量を調味液中の重量比で10重量%,13
重量%,18重量%,23重量%としたものについて作
成し、トレハロースの添加量と品質維持期間について試
験した。尚、上記実施例2において、比較のため調味液
にトレハロースを添加しないもの(コントロール)につ
いても作成した。品質維持期間は、作りたての食感を維
持する期間と食せる状態の期間について調べ、その結果
を図4に示す。この結果により、10%以上添加で効果
が顕著であり、トレハロースの添加量を増やすに従っ
て、食感の維持期間及び食せる状態の期間が延びること
が分かった。尚、単にトレハロースを生地に添加してテ
ストを行ったが、生地に対する重量比でトレハロース
0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、5.0%添
加したいずれの場合にもトレハロース無添加の場合とま
ったく変わらなかった。
【0018】[試験例2]次に、実施例2及び比較例の
比較試験を行なった。比較例として、トレハロースを含
有しない調味液を用いて、実施例1と同様に作成したも
のを用いた。そして、実施例2及び比較例において作成
したものを、製品の食感,味の濃さ,複数製品間につい
て味と断面の比較,個々の製品について味と断面の比較
の各項目について、パネラー10名で試食,視認した。
結果は図5に示すようになり、いずれも、実施例2で
は、比較例に比較して良好であった。
【0019】尚、本発明が適用される半生米菓として
は、上記実施例のあられ,おかきに限定されず、せんべ
い等どのような米菓であっても良いが、糯米を主原料と
するあられ、おかきの方が完成製品の内部の餅のような
弾力感にすぐれているため、より好適である。また、本
願発明で用いる米原料の形態としては、米を製粉したも
のを用い、あるいは、製粉することなくそのまま米を用
いても良く、適宜変更して差支えない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半生米菓
の製造方法によれば、浸漬工程における調味液にトレハ
ロースを添加したので、予めトレハロースを添加した調
味液に入れて素焼き製品の組織中にトレハロースを含有
する調味液成分をしみ込ませ、生地に単に混入する場合
に比較して、作りたての柔らかい食感を維持させること
ができるとともに、しみ込んだ調味液の風味を長持ちさ
せることができ、半生米菓の保存性を向上させることが
できる。
【0021】そして、上記浸漬工程において、素焼き製
品に浸漬させるために上記調味液へ添加するトレハロー
スの量を調味液中の重量比で10〜30%にした場合に
は、甘くなり過ぎるという味の変化や、製品中でトレハ
ロースが結晶化する事態を起こすことなく、保存性の向
上の効果が顕著となる。
【0022】また、焼成工程で素焼き製品の内部が表面
よりも水分含量を多くするようにした場合には、最終製
品が柔らかくなり、内部が餅のような弾力感のあるもの
となる。しかも、焼成工程で素焼き製品内部の水分量を
多くなるように調整するので、浸漬工程では、多量の調
味液がしみ込んでいくことがなく、味が濃過ぎてしまう
事態を防止することができる。更に、ある程度、焼成工
程から浸漬工程への移行時の条件を緩和しても、例え
ば、素焼き製品が高温状態であるうちに時間を置かずに
調味液に浸漬しなくても、予め、内部が表面よりも水分
含量が多くなっているので、調味液が内部になじみ易く
なっており、そのため、調味液の浸透を損なうことなく
柔らかくすることができるようになる。また、予め、内
部が表面よりも水分含量が多くなっているので、調味液
の浸漬程度をバラツキなく安定化させることができ、製
品の固さや味のバラツキを抑制することができる。
【0023】そして、焼成工程において、焼成後の素焼
き製品の内部の水分含量がその表面の2倍以上となるよ
うに、焼成する構成とした場合には、内部の水分含量を
表面よりも確実に多くすることができ、調味液を確実に
内部になじみ易くすることができ、調味液の浸透をより
一層均一にしつつ柔らかくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る半生米菓(せんべ
い)の製造方法の製造工程を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半生米菓(あられ・
おかき)の製造方法の製造工程を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る半生米菓の製造方法にお
いて調味液の配合割合の一例を示す表図である。
【図4】調味液のトレハロースの添加量を変化させた実
験例の結果を示し、調味液のトレハロースの添加量と品
質維持期間の関係を示す表図である。
【図5】本発明の実施例2と比較例との比較実験結果を
示す表図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月15日(2000.5.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】そして、必要に応じ、上記焼成工程におい
て、焼成後の素焼き製品の内部の水分含有量がその表面
の2倍以上となるように焼成する構成としている。好ま
しくは、3.5〜4.5倍になるように焼成することが
望ましい。これにより、内部の水分含量を表面よりも確
実に多くすることができ、調味液を内部になじみ易くす
ることができ、調味液の浸透をより一層均一にしつつ柔
らかくすることができるようになる。詳しくは、必要に
応じ、最終製品の内部が餅のような弾力感のあるものと
なるよう、上記焼成工程において、焼成後の素焼き製品
の表面の水分含量が1〜3%となるようにし、かつ、そ
の内部の水分含量が表面の2倍以上となるように調整し
て焼成する構成とした。この場合、最終製品の内部が餅
のような弾力感のあるものとなるよう、上記焼成工程に
おいて、焼成後の素焼き製品の表面の水分含量が1〜3
%となるようにし、かつ、その内部の水分含量が3.5
〜4.5倍となるように調整して焼成することが有効で
ある。また、この場合、上記焼成工程において、焼成後
の素焼き製品の表面の水分含量が1〜3%となるように
し、かつ、その内部の水分含量が6〜10%となるよう
に焼成することが有効である。更に、必要に応じ、上記
焼成工程前の乾燥工程において、上記米菓生地の水分含
量を25〜35%となるように調整する構成とした。ま
た、必要に応じ、上記焼成工程終了後から上記浸漬工程
での素焼き製品を調味液に漬けるまでの時間が20秒以
内であり、該浸漬工程において、該素焼き製品を調味液
に浸漬している時間が10〜30秒である構成とした。
この場合、上記浸漬工程において、調味液の温度が35
〜70℃であることが有効である。そしてまた、必要に
応じ、上記浸漬工程後に、調味液に漬けた後の製品を遠
心分離機に入れ、該製品に付着した余分な調味液を振り
切る構成とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷柾志 秋田県秋田市川尻町字大川反170 秋田い なふく米菓株式会社内 (72)発明者 川崎三次郎 秋田県秋田市川尻町字大川反170 秋田い なふく米菓株式会社内 (72)発明者 遠藤莞爾 秋田県秋田市川尻町字大川反170 秋田い なふく米菓株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GE03 GK03 GL10 GP22 4B023 LC08 LE30 LG04 LK07 LP05 4B032 DB29 DK12 DK67 DL08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米菓原料を加工した米菓生地を所定形状
    に成形する成形工程と、成形工程で成形された米菓生地
    を乾燥する乾燥工程と、乾燥工程で乾燥された米菓生地
    を焼成する焼成工程と、焼成工程で焼成された素焼き製
    品を調味液に浸漬する浸漬工程とを備えた半生米菓の製
    造方法であって、上記浸漬工程における調味液にトレハ
    ロースを添加することを特徴とする半生米菓の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記調味液に添加するトレハロースの量
    を調味液中の重量比で10〜30%にしたことを特徴と
    する請求項1記載の半生米菓の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記焼成工程において、焼成後の素焼き
    製品の内部が、表面よりも水分含量が多くなって柔らか
    くなるように調整して焼成することを特徴とする請求項
    1または2記載の半生米菓の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記焼成工程において、焼成後の素焼き
    製品の内部の水分含量がその表面の2倍以上となるよう
    に、焼成することを特徴とする請求項1,2または3記
    載の半生米菓の製造方法。
JP17965099A 1999-06-25 1999-06-25 半生米菓の製造方法 Expired - Lifetime JP3268388B2 (ja)

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JP2007209282A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Yamazaki Baking Co Ltd 半生米菓およびその製造方法
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KR101862651B1 (ko) * 2017-10-18 2018-05-31 주식회사 브레댄코 탕종 제조방법
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