JP2007209282A - 半生米菓およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】製餅加工した米菓生地を成形、乾燥、焼成した後に、調味液に浸漬して半生状にし、表面をさらに乾燥した後チョコレートコーティングする。
【効果】これまでにない味及び食感を有し、保存性が高められた濡れ米菓となり、濡れ米菓の特徴である独特の食感を長期間維持することができる。また、チョコレートをコーティングしにくい半生米菓に対して、良好にチョコレートをコーティングすることができる。
【選択図】なし
Description
(1) もち米を主原料とする半生米菓と該半生米菓にコーティングされたチョコレート層とを有する、チョコレートコーティング半生米菓。
(2) コーティング層内部の半生米菓が、10〜20%の水分含量である、(1)に記載のチョコレートコーティング半生米菓。
(3) コーティング層内部の半生米菓が、餅のように弾力感のあるものである、(1)または(2)に記載のチョコレートコーティング半生米菓。
(4) 前記チョコレート層が、小片状のトッピングを含む、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のチョコレートコーティング半生米菓。
(5) もち米を主原料とする半生米菓をチョコレートでコーティングする工程を含む、チョコレートコーティング半生米菓の製造方法。
(6) 前記コーティング工程において、半生米菓の温度を35℃以下まで低下させた状態でチョコレートをコーティングする、(5)に記載の製造方法。
(7) もち米を含む原料を製餅加工した米菓生地を所定の形状に成形する成形工程と;成形工程で成形された米菓生地を乾燥させる第1の乾燥工程と;乾燥工程で乾燥された米菓生地を焼成する焼成工程と;焼成工程で焼成された素焼きを調味液に浸漬して半生状にする浸漬工程と;浸漬工程後の半生米菓の表面を乾燥させる第2の乾燥工程と;第二乾燥工程後に米菓を常温で少なくとも1時間以上ねかせる、ねかせ工程と、を含む、(5)または(6)に記載の製造方法。
(8) 前記焼成工程において、焼成後の素焼き製品の表面の水分含量が4%以下、かつ、焼成後の素焼き製品の内部の水分含量が5%以上となるように生地を焼成し、最終製品の内部が餅のような弾力感のあるものとなるようにした、(7)に記載の製造方法。
(9) 前記浸漬工程において、調味液にトレハロースが添加されている、(7)または(8)に記載の製造方法。
(10) (5)〜(9)のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたチョコレートコーティング半生米菓。
本発明における米菓は、もち米を主原料として製造されたものである。ここで、もち米を主原料とするとは、原料中にもち米を含むことを意味し、好ましくは、原料中にもち米を50重量%以上、より好ましくは原料中にもち米を80重量%〜100重量%含む。これは、もち米を原料とする米菓は、焼成により膨張し易く、球に近い形状となりやすいため、後述するチョコレートコーティングに適すること、及び、餅のような弾力感のある食感を得やすいことを理由とする。また、本発明における半生米菓とは、ぬれせんべいやぬれおかき等と呼ばれるしっとりとした食感を有する米菓をいう。特に、本発明のチョコレートコーティング半生米菓は、チョコレートコーティング層により内部の半生米菓の水分蒸発を防ぐことができるため、水分含量が多い半生米菓をコーティングすると本発明の利点を最大限に活用することができ好適である。すなわち、本発明によれば、(1)吸湿し易く表面がベタ付き易いので作りたての柔らかい食感及びしみ込んだ調味液の風味を長持ちさせることが困難であることや、(2)澱粉の老化により常温または低温下での硬化,パサ付き及び白濁等の品質劣化が生じ易く、日が経つと食感が悪くなるという半生米菓の技術課題を解決することができる。特に、濡れ米菓の内部が餅状になっているものを使用すると、表面のチョコレート層と内部の濡れ米菓との味および食感のコントラストがより明確になり好適である。また、本発明の半生米菓として、内部が餅のような弾力性を有するぬれおかきを用いた場合、その特徴である独特の弾力感ある食感を長期間維持することが可能になり、より好適である。
・もち米を含む原料を製餅加工した米菓生地を所定形状に成形する成形工程
・成形工程で成形された米菓生地を乾燥させる第1の乾燥工程
・乾燥工程で乾燥された米菓生地を焼成する焼成工程
・焼成工程で焼成された素焼きを調味液に浸漬して半生状にする浸漬工程
・浸漬工程後の半生米菓の表面を乾燥させる第2の乾燥工程
・第二乾燥工程後に米菓を常温で少なくとも1時間以上ねかせる、ねかせ工程。
以下に示す手順によりチョコレートコーティング濡れ米菓を製造した。
1.もち仕込み工程
もち米100%からなる米を、精米し、水洗い、水漬けした。水漬けは、15〜23℃の水を用い、15〜20時間おこなった。その後、水漬け後の米を、蒸米しておこわにし、このおこわを用いて製餅した。製餅は、おこわを搗(つ)いて、もち水分が45%前後になるようにおこなった。次いで、得られた餅20kgを容器に入れ、冷蔵庫にて2〜5℃で48時間保管し、餅を成形可能な固さに冷却した。
得られた餅を裁断して成形をおこなった。本実施例は、生地寸法を15mm×21mm、厚み7.2mmとし、1個当たりの質量を約2.7gとした。
成形した生地を乾燥した。まず第一次乾燥として、50℃で2時間10分間乾燥して水分含量を約41%にした後、常温下で24時間エージング(ねかし)した。次いで、第二次乾燥として、50℃で2時間乾燥して水分を約31%にした後、常温下で24時間エージングした。
得られた乾燥後の生地を、反復焼成機(ロータリー機)で焼成した。LPGガスで釜の温度を約280℃まで上げて、1回当たり15kgの焼成量にて12〜14分間、焼き上げた。焼成後の素焼き製品の表面の水分含量は1〜3%であり、内部の水分含量は6〜10%だった。
焼成直後の素焼き製品をカゴにとり、焼成後50秒以内に調味液に浸漬した。約3分間浸漬した後、遠心分離器(毎分330回転で15秒)にて、半生米菓から調味液を振り切った。浸漬直前の素焼き製品温度は約140℃であり、浸漬終了直後の半生米菓の温度は約60℃だった。なお、調味液の組成は以下の通りだった:醤油25重量%、トレハロース25重量%、糖類(砂糖、麦芽糖など)40.0重量%、みりん7重量%、その他(調味料、酸味料、カラメル色素など)3重量%。
80〜90℃で約30分間乾燥した。乾燥後の半生米菓の水分含量は18〜20%だった。
常温にて46時間、半生米菓をねかせた。この際、製品温度は約20℃だった。
8.コーティング工程
ドラ掛機(新井機械製作所製)により、ねかせ工程後の半生米菓にチョコレートをコーティングした。コーティングおよび表面乾燥を5〜6回繰り返して、半生米菓へのチョコレートコーティングをおこなった。ここで、コーティング用チョコレートの組成は、砂糖45重量%、ココアバター30重量%、全粉乳24重量%、その他(乳化剤、香料など)1重量%だった。
実施例1に従って製造した半生米菓(チョコレートコーティングあり、チョコレートコーティングなし)について、製造から1ヶ月経過後にモニターによる食味テストをおこなった。その結果、チョコレートコーティングのない半生米菓と比較して、チョコレートコーティング半生米菓の方が、全体的に柔らかく、半生米菓内部の餅のような弾力感が維持されており、また、口溶けも良好だった。
Claims (10)
- もち米を主原料とする半生米菓と該半生米菓にコーティングされたチョコレート層とを有する、チョコレートコーティング半生米菓。
- コーティング層内部の半生米菓が、10〜20%の水分含量である、請求項1に記載のチョコレートコーティング半生米菓。
- コーティング層内部の半生米菓が、餅のように弾力感のあるものである、請求項1または2に記載のチョコレートコーティング半生米菓。
- 前記チョコレート層が、小片状のトッピングを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチョコレートコーティング半生米菓。
- もち米を主原料とする半生米菓をチョコレートでコーティングする工程を含む、チョコレートコーティング半生米菓の製造方法。
- 前記コーティング工程において、半生米菓の温度を35℃以下まで低下させた状態でチョコレートをコーティングする、請求項5に記載の製造方法。
- もち米を含む原料を製餅加工した米菓生地を所定の形状に成形する成形工程と、
成形工程で成形された米菓生地を乾燥させる第1の乾燥工程と、
乾燥工程で乾燥された米菓生地を焼成する焼成工程と、
焼成工程で焼成された素焼きを調味液に浸漬して半生状にする浸漬工程と、
浸漬工程後の半生米菓の表面を乾燥させる第2の乾燥工程と、
第二乾燥工程後に米菓を常温で少なくとも1時間以上ねかせる、ねかせ工程と、
を含む、請求項5または6に記載の製造方法。 - 前記焼成工程において、焼成後の素焼き製品の表面の水分含量が4%以下、かつ、焼成後の素焼き製品の内部の水分含量が5%以上となるように生地を焼成し、最終製品の内部が餅のような弾力感のあるものとなるようにした、請求項7に記載の製造方法。
- 前記浸漬工程において、調味液にトレハロースが添加されている、請求項7または8に記載の製造方法。
- 請求項5〜9のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたチョコレートコーティング半生米菓。
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