JP2001002739A - Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品 - Google Patents

Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品

Info

Publication number
JP2001002739A
JP2001002739A JP11170868A JP17086899A JP2001002739A JP 2001002739 A JP2001002739 A JP 2001002739A JP 11170868 A JP11170868 A JP 11170868A JP 17086899 A JP17086899 A JP 17086899A JP 2001002739 A JP2001002739 A JP 2001002739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated polyester
polyester resin
terephthalic acid
resin composition
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11170868A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuo Kagaya
勝男 加賀谷
Toshio Kanai
俊夫 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP11170868A priority Critical patent/JP2001002739A/ja
Publication of JP2001002739A publication Critical patent/JP2001002739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ジシクロペンタジエン系不
飽和ポリエステル樹脂を用いてRTM成形法で浴槽等を
成形した場合の成形型からの脱型性および耐水性の改善
にある。 【解決手段】 本発明は、(A)ジシクロペンタジエン
を用い、そのジシクロペンタジエン含有率が、5〜20未
満重量%(樹脂固形分中)である不飽和ポリエステル、
(B)テレフタル酸を用い、テレフタル酸の含有率が、
全酸成分のモル数に対して25〜75モル%であるテレフタ
ル酸系不飽和ポリエステル、そして(A)成分と(B)
成分とが、重量比で(A)/(B)=10/90〜90/10で
あり、(C)ビニル重合性単量体とからなることを特徴
とするRTM成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び
その成形品を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性に優れるF
RP(繊維強化プラスチックの略)成形品をもたらし、
且つ成形型からの離型性に優れたRTM(レジントラン
スファーの略)成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及
びそれを用いるFRP成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂は、優れた成形
性、機械的、化学的、物理的、電気的特性を有するため
各種プラスチック製品に多用されている。その主な用途
は漁船、便層、浄化槽、浴槽、タンク、波平板、自動
車、電気部品等のFRP用、塗料、化粧板、ボタン、注
型、レジンコンクリート等の非FRP用がある。
【0003】それらを生産するFRP成形法としては、
ハンドレイアップ法に代表されるオープン成形法と、R
TM法に代表されるクローズド成形法があり、昨今の地
球環境汚染問題への対応という観点からRTM法がます
ます重要視されている。
【0004】このRTM用樹脂として、安価な原料であ
るジシクロペンタジエン(以下DCPDと略)を分子中
に導入したDCPD変性不飽和ポリエステル樹脂が用い
られている。しかし、DCPD変性不飽和ポリエステル
樹脂を用いた浴槽は耐水性が不十分であること、および
FRP製成形型からの離型性が悪い欠点がある。
【0005】以上説明したように、従来のRTM用DC
PD変性不飽和ポリエステル樹脂は、種々の欠点を有し
ており改善が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐水
性およびFRP製成形型からの離型性に優れるRTM用
不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形品を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、DCPD変性
不飽和ポリエステル樹脂と、テレフタル酸を含有する不
飽和ポリエステル樹脂を混合することにより、耐水性お
よびFRP製成形型からの離型性に優れることを見いだ
し本発明に至った。
【0008】即ち、本発明は、(A)ジシクロペンタジ
エンを用い、そのジシクロペンタジエン含有率が、5〜2
0未満重量%(樹脂固形分中)である不飽和ポリエステ
ル、(B)テレフタル酸を用い、テレフタル酸の含有率
が、全酸成分のモル数に対して25〜75モル%であるテレ
フタル酸系不飽和ポリエステル、そして(A)成分と
(B)成分とが、重量比で(A)/(B)=10/90〜90
/10であり、(C)ビニル重合性単量体とからなること
を特徴とするRTM成形用不飽和ポリエステル樹脂組成
物、好ましくは不飽和ポリエステル(A)と不飽和ポリ
エステル(B)とスチレン単量体(C)が、重量比で
((A)+(B))/(C)=30/70〜80/20であるこ
と、これらからなるFRP成形品を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の主要成分であるDCPD
系不飽和ポリエステル(A)は、例えば、無水マレイン
酸とグリコールおよびDCPDを仕込み、好ましくは10
0〜140℃の温度で付加反応を行い分子末端DCPDオリ
ゴマーを得る。次いでグリコールと必要に応じて追加の
酸成分を加えて常温によりポリエステル化することによ
り得られるものである。
【0010】かかる不飽和ポリエステル(A)は、ジシ
クロペンタジエンの含有率がポリエステル樹脂固形分中
に重量で5〜20未満重量%であり、5重量%より少ないと
耐水性が悪くなり、20重量%以上であると、離型性が悪
くなる。不飽和ポリエステル(A)の二重結合力価(不飽
和酸二重結合当たりの分子量)は、好ましくは200〜
400、より好ましくは270〜310である。
【0011】本発明の他の主要な成分であるテレフタル
酸系不飽和ポリエステル(B)は、テレフタル酸を全酸
成分のモル数で25〜75モル重量%用いるもので、25モル
%より少ないと目的とする耐水性が得られず、75モル%
より多いと不飽和酸含有率が低下して架橋密度が低下す
ることにより、耐熱性が悪くなる。不飽和ポリエステル
(B)の二重結合力価(不飽和酸二重結合当たりの分子
量)は、好ましくは200〜850、より好ましくは2
80〜830である。尚、本発明の経済性の観点から更
に有効とするために不飽和ポリエステル(B)の一成分
としてポリエステルフィルム裁断屑、清涼飲料、ビー
ル、醤油等の容器として用いられているポリエチレンフ
タレート廃材等の回収PETを利用することができる。
【0012】本発明は、不飽和ポリエステル(A)、不
飽和ポリエステル(B)とビニル重合性単量体(C)と
を混合することにより不飽和ポリエステル(A)の不足
する耐水性および離型性を改良し、しかも不飽和ポリエ
ステル(B)のガラス繊維への接着性が改良するという
両者の欠点を補いあい、両者の長所を省資源的に高める
ことができる。
【0013】本発明の不飽和ポリエステル(A)、
(B)の二成分の混合比は、樹脂固形分重量比で(A)
/(B)=10/90〜90/10で、好ましくは30/70〜70/
30である。いずれかの成分が上記範囲の10%より少なく
なると本発明の特徴が減少する傾向となる。
【0014】本発明の不飽和ポリエステル(A)、
(B)の二成分に通常使用される不飽和二塩基酸として
は、マレイン酸およびその無水物、フマル酸が代表的で
あるが、一部をイタコン酸、シトラコン酸で置換するこ
とができる。
【0015】また、かかる不飽和ポリエステル(A)、
(B)の二成分に通常使用される飽和二塩基酸として
は、例えば、フタル酸およびその無水物、イソフタル
酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘッ
ト酸、四塩化無水フタル酸、四臭化無水フタル酸、ヘキ
サヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸メチル、ポリエチ
レンテレフタレート等を挙げることができる。尚、ポリ
エステル(B)の必須のテレフタル酸は、飽和二塩基酸
であるテレフタル酸および/またはポリエチレンテレフ
タレートに由来するテレフタル酸である。
【0016】本発明の不飽和ポリエステル(A)、
(B)に使用されるグリコールとしては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレン
グリコール、1,4ブチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、水素化ビスフェノール
A、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等
を挙げることができる。
【0017】不飽和ポリエステル(A)の必須成分であ
るDCPDは、特に純度を限定されるものではないが市
販の純度95%以上のものが好ましく使用される。
【0018】本発明に用いられるビニル重合単量体
(C)は、特に限定されるものではなく通常、不飽和ポ
リエステル樹脂組成物に使用されるスチレン、クロルス
チレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニル
ベンゼン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸二エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、ジアリルフタレー
ト、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート等を挙げることができ
る。かかるビニル重合性単量体(C)の使用量は、不飽
和ポリエステル(A)、(B)とビニル重合単量体
(C)との重量比で、好ましくは(A+B)/(C)=
30/70〜80/20である。
【0019】本発明のRTM用不飽和ポリエステル樹脂
組成物は、通常硬化剤、硬化助剤が添加され、常温また
は高温で、減圧、常圧又は加圧にて硬化することができ
る。硬化剤としては有機過酸化物、例えば、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルパー
オキシベンゾエート、シクロヘキサノンパーオキサイド
等を使用することができる。更に、ベンゾイン、ベンゾ
インアルキルエーテル等の光増感剤を用いて光硬化する
こともできる。市販品としては、パーキュアA(日本油
脂製品)等がある。
【0020】硬化剤の添加量は、好ましくは(A)と(B)の
樹脂分とビニル重合単量体(C)からなる組成物の合計量
100重量部に対して、0.01〜5重量部である。上
記硬化剤は2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0021】硬化剤と併用される硬化促進剤とは、金属
石鹸類、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバル
ト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バ
リウムが挙げられ、金属キレート化合物としては、バナ
ジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテー
ト、鉄アセチルアセトネートがある。またアミン類には
N,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、
N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−エチル−m−
トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、
ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリ
ン、ピペリジン、ジエタノールアニリン、アセチルアセ
トン等がある。
【0022】硬化促進剤の添加量は、(A)+(B)の樹脂分
と不飽和重合性単量体(C)とからなる樹脂組成物の合
計100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重
量部使用する。本発明においてはアミン系促進剤が好ま
しい。なお、硬化促進剤は予め樹脂に添加しておいても
良いし、使用時に添加しても良い。
【0023】本発明のRTM成形用不飽和ポリエステル
樹脂組成物は、成形品のバック層として用いられるもの
で、成形品の表面層は、好ましくは厚み0.1〜1mmで、
ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂組成物で形成され
たものである。
【0024】更に、本発明のRTM用不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、必要に応じて顔料、染料の如き着色
剤、炭酸カルシウム、クレイ、水和アルミナ粉、硅石
粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラス
粉、ガラスビーズ、マイカ、セルロース糸等の充填剤、
およびガラス繊維(プリフォームマット等)、炭素繊
維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維(デュポン社製アラ
ミド繊維)、各種ウイスカー等の繊維強化材を配合する
ことができる。
【0025】尚、本発明のRTM用不飽和ポリエステル
樹脂組成物から成形品を成形するには、RTM注入機
(ビーナスガスマー社製スタンダードタイプ)を用いて
行うが、まず樹脂組成物を二つに分けて一方に硬化剤、
一方に硬化促進剤を添加して、注入直前に機械的に混合
され、予め型の表面にゲルコート層を形成した型内に、
プリフォームされた繊維強化材をセットして、型を締め
て、混合樹脂組成物が注入される。その注入圧力は 好
ましくは1〜10Kg/cm2である。このRTM成形法で
は、経済的に浴槽等の成形品を成形するに好適である
が、他の成形法による各種FRP成形品の成形にも用い
ることができる。
【0026】以下、実施例により本発明を説明するが、
その実施例より本発明は限定されるものではない。尚、
例中の部、%はそれぞれ重量部、重量%を意味する。
【0027】参考例1(DCPD含有不飽和ポリエステ
ル樹脂:A-1-S) グリコール回収塔、撹拌機、窒素ガス導入管、温度計を
備えた反応容器に、無水マレイン酸196g、DCPD106
g、プロピレングリコール76gを仕込み140℃に3時間保っ
た。
【0028】次いでプロピレングリコール129g、無水フ
タル酸148gを仕込み200℃の温度で25℃におけるガード
ナー泡粘度P(固形分67%のスチレン溶液)まで反応を
進めた。かくして得られた黄色の不飽和ポリエステル
(DCPD含有率17.6%、二重結合力価305.5、A-
1と称す)600gに、ハイドロキノン0.2gを加えて重合を
禁止した。次いでスチレン300gに溶解して得られた樹脂
(A-1-S)はガードナーカラー2、ガードナー泡粘度P-Q
であった。
【0029】参考例2(DCPD含有不飽和ポリエステ
ル樹脂:A-2-S) 参考例1と同様の装置に、無水マレイン酸196g、DCP
D40g、プロピレングリコール76gを仕込み140℃に3時間
保った。
【0030】次いでプロピレングリコール152g、無水フ
タル酸148gを仕込み200℃の温度で25℃におけるガード
ナー泡粘度Q(固形分67%のスチレン溶液)まで反応を
進めた。かくして得られた黄色の不飽和ポリエステル
(DCPD含有率7.1%、二重結合力価279、A-2と称
す)557gに、ハイドロキノン0.17gを加えて重合を禁止
した。次いでスチレン185gに溶解して得られた樹脂(A-
2-S)はガードナーカラー2、ガードナー泡粘度Rであっ
た。
【0031】参考例3(テレフタル酸含有不飽和ポリエ
ステル樹脂:B-1-S) 参考例1と同様の装置にプロピレングリコール167g、テ
レフタル酸166gを仕込み210℃で10時間反応した。次い
でジエチレングリコール106g、無水マレイン酸196gを仕
込み200℃の温度で25℃におけるガードナー泡粘度M(固
形分55%のスチレン溶液)まで反応を進めた。
【0032】かくして得られた淡黄色固形の不飽和ポリ
エステル(テレフタル酸含有率33モル%、二重結合力価
281.5、B-1と称す)563gに、ハイドロキノン0.17g
を加えて重合を禁止した。次いでスチレン460gに溶解し
て得られた樹脂(B-1-S)はガードナーカラー1、ガー
ドナー泡粘度M-Nであった。
【0033】参考例4(テレフタル酸含有不飽和ポリエ
ステル樹脂:B-2-S) 参考例1と同様の装置にプロピレングリコール327g、ジ
エチレングリコール212g、テレフタル酸747gを仕込み21
0℃で15時間反応した。次いで無水マレイン酸147gを仕
込み200℃の温度で25℃におけるガードナー泡粘度MーN
(固形分55%のスチレン溶液)まで反応を進めた。かく
して得られた黄色固形の不飽和ポリエステル(テレフタ
ル酸含有率75モル%、二重結合力価829.3、B-2と
称す)1243gに、ハイドロキノン0.37gを加えて重合を禁
止した。次いでスチレン1000gに溶解して得られた樹脂
(B-2-S)はガードナーカラー2、ガードナー泡粘度M-N
であった。このポリエステルのである。
【0034】参考例5(DCPD含有不飽和ポリエステ
ル樹脂:A-3-S) 参考例1と同様の装置に、無水マレイン酸196g、DCP
D158g、プロピレングリコール114gを仕込み140℃に3時
間保った。
【0035】次いで、プロピレングリコール76g、無水
フタル酸148gを仕込み200℃の温度で25℃におけるガー
ドナー泡粘度P(固形分67%のスチレン溶液)まで反応
を進めた。かくして得られた黄色の不飽和ポリエステル
(DCPD含有率24.8%、二重結合力価319、A-3と
称す)638gに、ハイドロキノン0.19gを加えて重合を禁
止した。次いでスチレン319gに溶解して得られた樹脂
(A-3-S)はガードナーカラー2、ガードナー泡粘度O-P
であった。
【0036】参考例6(DCPD含有不飽和ポリエステ
ル樹脂:A-4-S) 参考例1と同様の装置に、無水マレイン酸196g、DCP
D13g、プロピレングリコール76gを仕込み140℃に3時間
保った。次いでプロピレングリコール156g、無水フタル
酸148gを仕込み200℃の温度で25℃におけるガードナー
泡粘度Q(固形分67%のスチレン溶液)まで反応を進め
た。かくして得られた黄色の不飽和ポリエステル(DC
PD含有率2.5%、二重結合力価267.5、A-4と称
す)535gに、ハイドロキノン0.16gを加えて重合を禁止
した。次いでスチレン267gに溶解して得られた樹脂(A-
4-S)はガードナーカラー2、ガードナー泡粘度P-Qであ
った。このポリエステルのである。
【0037】参考例7(テレフタル酸含有不飽和ポリエ
ステル樹脂:B-3-S) 参考例1と同様の装置にプロピレングリコール239g、テ
レフタル酸166gを仕込み210℃で15時間反応した。次い
で無水マレイン酸392g、ジエチレングリコール212gを仕
込み200℃の温度で25℃におけるガードナー泡粘度N(固
形分55%のスチレン溶液)まで反応を進めた。
【0038】かくして得られた黄色固形の不飽和ポリエ
ステル(テレフタル酸含有率20モル%、二重結合力価2
25.3、B-3と称す)901gに、ハイドロキノン0.27gを
加えて重合を禁止した。次いでスチレン737gに溶解して
得られた樹脂(B-3-S)はガードナーカラー2、ガードナ
ー泡粘度M-Nであった。
【0039】参考例8(テレフタル酸含有不飽和ポリエ
ステル樹脂:B-4-S) 参考例1と同様の装置にプロピレングリコール239g、ジ
エチレングリコール212g、テレフタル酸664gを仕込み21
0℃で15時間反応した。次いで無水マレイン酸98gを仕込
み200℃の温度で25℃におけるガードナー泡粘度N(固形
分55%のスチレン溶液)まで反応を進めた。かくして得
られた黄色固形の不飽和ポリエステル(テレフタル酸含
有率80モル%、二重結合力価は、1051、B-4と称
す)1051gにハイドロキノン0.31gを加えて重合を禁止し
た。次いでスチレン860gに溶解して得られた樹脂(B-4-
S)はガードナーカラー2ー3、ガードナー泡粘度M-Nであ
った。このポリエステルのである。尚、参考例1〜8の
内容を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1 参考例で得られたDCPD含有不飽和ポリエステル樹脂
A-1-SとB-1-Sとを重量比で5対5に混合した樹脂100部
に、6%ナフテン酸コバルト0.4部を混合し良く撹拌し
RTM注入機(ビーナスガスマー社製スタンダードタイ
プ)にセットした。また、硬化剤としてアセチルアセト
ンパーオキサイド(日本油脂(株)製パーキュアA)を
1部混合できるようにRTM注入機を調整した。次にF
RP製浴槽用凸型にスプレー法でゲルコート樹脂(大日
本インキ化学工業(株)製ポリトン・ブラウンGH-1831
8)を厚み0.3mmに塗布した。
【0042】30分後ゲルコート塗布面のタックフリーを
確認してから、あらかじめガラス含有率が25%になるよ
うに作製されたプリフォームガラス繊維をかぶせて、凸
型と凹型を組み合わせて型締めした後、閉じた型内へ注
入圧力3kg/cm2で注入した。室温で1時間放置後型を開
いた結果、容易に脱型でき美麗なFRP浴槽を得た。
【0043】次に脱型したFRP浴槽へ90℃の熱水を張
り浴槽内面(ゲルコート面)にフクレが発生するまでの
連続時間を測定した結果、250時間という満足する結果
を得た。
【0044】実施例2〜5、比較例1〜6 表2に示す配合により、実施例1と同様にして浴槽を成
形し試験した。その結果を表2に示した。
【0045】
【表2】 第2表に示す如く、本発明の実施例では、FRP製成形
型からの脱型性、耐水性とも優れた値を示した。
【0046】<評価> (脱型性) ○:脱型性良好、 ×:脱型性悪い
【0047】(耐水性)90℃のお湯に連続浸せきし
て、浴槽の内面に膨れが発生するまでの時間
【0048】(耐水性判定) ○:耐水性200時間以上のもの、合格 ×:耐水性200時間未満のもの、不合格
【0049】ジシクロペンタジエン含有量25重量%の
不飽和ポリエステルを混合使用する比較例1は、脱型性
に劣り、ジシクロペンタジエン2.5重量%である不飽
和ポリエステルを混合使用する比較例2では、耐水性に
劣るものであった。更に、テレフタル酸含有量が外れる
比較例3では、耐水性が劣り、比較例4では脱型性、耐
水性共に劣るものであった。テレフタル酸系不飽和ポリ
エステル樹脂組成物のみの比較例5は、耐水性が劣り、
DCPD系不飽和ポリエステル樹脂組成物のみでは脱型
性、耐水性が共に劣るものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、特定のDCPD変性不飽和ポ
リエステル樹脂と特定のテレフタル酸を含有する不飽和
ポリエステル樹脂を特定比率で混合することにより、R
TM用としての性能に優れ、耐水性およびFRP製成形
型からの離型性に優れるRTM用不飽和ポリエステル樹
脂組成物を提供するもので、更に浴槽等の成形品を提供
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:06 Fターム(参考) 4F072 AA06 AB09 AD38 AE01 AE02 AK20 AL02 AL06 AL07 AL11 AL16 AL17 4F205 AA41E AB20 AD11 AD16 AG03 AH49 HA08 HA25 HA33 HA35 HA47 HB01 HB12 HT04 4J027 AB06 AB13 AB16 AB17 AB23 AJ08 BA04 BA05 BA07 BA18 BA29 CB03 CD02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジシクロペンタジエンを用い、そ
    のジシクロペンタジエン含有率が、5〜20未満重量%
    (樹脂固形分中)である不飽和ポリエステル、(B)テ
    レフタル酸を用い、テレフタル酸の含有率が、全酸成分
    のモル数に対して25〜75モル%であるテレフタル酸系不
    飽和ポリエステル、そして(A)成分と(B)成分と
    が、重量比で(A)/(B)=10/90〜90/10であり、
    (C)ビニル重合性単量体とからなることを特徴とする
    RTM成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和ポリエステル(A)と不飽和ポリ
    エステル(B)とスチレン単量体(C)が、重量比で
    ((A)+(B))/(C)=30/70〜80/20であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のRTM成形用不飽和ポリ
    エステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2いずれか記載のRTM成形
    用不飽和ポリエステル樹脂組成物からなるFRP成形
    品。
JP11170868A 1999-06-17 1999-06-17 Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品 Pending JP2001002739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170868A JP2001002739A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11170868A JP2001002739A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001002739A true JP2001002739A (ja) 2001-01-09

Family

ID=15912810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11170868A Pending JP2001002739A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001002739A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015017149A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 三菱電機株式会社 繊維強化プラスチック成形体用プリフォーム、その製造方法、繊維強化プラスチック成形体の製造方法及びエレベータ用アクティブローラーガイドカバーの製造方法
CN105566577A (zh) * 2015-04-16 2016-05-11 湖南省金海科技有限公司 一种无苯乙烯低挥发份不饱和聚酯树脂的制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015017149A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 三菱電機株式会社 繊維強化プラスチック成形体用プリフォーム、その製造方法、繊維強化プラスチック成形体の製造方法及びエレベータ用アクティブローラーガイドカバーの製造方法
CN105566577A (zh) * 2015-04-16 2016-05-11 湖南省金海科技有限公司 一种无苯乙烯低挥发份不饱和聚酯树脂的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5314729A (en) Artificial marble
US4102944A (en) Low profile unsaturated polyester resin composition
JPS628444B2 (ja)
US5872168A (en) Polymer additives for forming objects
JP2001002739A (ja) Rtm成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いるfrp成形品
JPS58108218A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPH092858A (ja) 人造大理石用樹脂組成物
JP3919894B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP3738462B2 (ja) 人工大理石、およびその製造法
KR100328638B1 (ko) 성형재료
JP3421952B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いる成形品
JP2004346151A (ja) リサイクルポリエチレンテレフタレートを原材料とした、高分子量不飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル樹脂組成物、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を使用した成形材料、及びその製造方法
JP3018452B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2000239364A (ja) 不飽和ポリエステル、その製造方法及び不飽和ポリエステル樹脂
JPH02102156A (ja) 半透明な人造石の製造法
AU7110696A (en) Novel polymer additives for forming objects
JP3505083B2 (ja) 積層成形品
JP3804298B2 (ja) プラスチック成形品及びその成形方法
JP2003064114A (ja) 硬化剤組成物、熱硬化性樹脂組成物、硬化成形品およびその製造方法
JP2001129888A (ja) 強化プラスチック浴槽の製造方法
JPH0819210B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、該組成物を成形硬化してなる人工大理石およびその製造方法
JPH04180918A (ja) ビニルエステル樹脂組成物、及びそれをゲルコート層とする成形品
JP3795538B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびその用途
JP2004034606A (ja) 強化プラスチック浴槽
JPH04198209A (ja) ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステル組成物及びその使用

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050720