JP2001129888A - 強化プラスチック浴槽の製造方法 - Google Patents

強化プラスチック浴槽の製造方法

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JP2001129888A
JP2001129888A JP31809899A JP31809899A JP2001129888A JP 2001129888 A JP2001129888 A JP 2001129888A JP 31809899 A JP31809899 A JP 31809899A JP 31809899 A JP31809899 A JP 31809899A JP 2001129888 A JP2001129888 A JP 2001129888A
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acid
reinforced plastic
layer
mol
unsaturated polyester
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JP31809899A
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English (en)
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Yasuhiro Suzuki
康弘 鈴木
Kazuyuki Numao
和幸 沼尾
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるク
ラックの発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および作
業性に優れた強化プラスチック浴槽を容易に製造できる
強化プラスチック浴槽の製造方法を提供する。 【解決手段】 ゲルコ−ト層とこのゲルコ−ト層の表面
に繊維強化材を存在させて樹脂組成物を硬化させた中間
層および補強層を順に形成する強化プラスチック浴槽の
製造方法において、(a)ポリエチレン−2,6−ナフ
タレ−ト、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/また
はその酸無水物、(c)飽和多塩基酸および/またはそ
の酸無水物、(d)水添化ビスフェノ−ルAおよび
(e)多価アルコ−ルを、反応させて得られた不飽和ポ
リエステルおよび分子中に重合性二重結合を有する不飽
和単量体を含む組成物の硬化物でゲルコ−ト層を形成す
ることを特徴とする強化プラスチック浴槽の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強化プラスチック浴
槽の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強化プラスチック浴槽のゲルコ−
ト層として、主にイソフタル酸変性不飽和ポリエステル
樹脂が用いられている。しかしながら、このイソフタル
酸変性不飽和ポリエステル樹脂の場合には、長期使用中
に浴槽表面に樹脂の劣化によるひび割れやフクレが生じ
たり、退色したり、光沢を失い汚垢等が付着し易くなっ
たりする欠点があった。
【0003】この欠点に対処するために、ゲルコ−ト層
として、主に耐蝕用に使用されている水添加ビスフェノ
−ルA、ビスフェノ−ルAプロピレンオキサイド誘導体
等の多価アルコ−ル成分を用いて得た不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用い
られる。これらの樹脂の場合には、前記の欠点は解決さ
れるが、硬化物の着色が激しくなったり、脱型時の応力
および使用中の熱衝撃によりクラックが発生するという
欠点がある。
【0004】この脱型時の応力および使用中の熱衝撃に
よるクラックの発生を防止する方法として、ゲルコ−ト
樹脂の反応性を低下させたり、酸−グリコ−ル成分の一
部を変更して軟質化を図ったり、ゲルコ−ト樹脂の硬化
物の伸びを大きくすることが行われているが、この場合
にも耐熱水性及び耐熱性の低下が起こり、その解決が強
く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラック
の発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および作業性に
優れた強化プラスチック浴槽を容易に製造できる強化プ
ラスチック浴槽の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゲルコ−ト層
とこのゲルコ−ト層の表面に繊維強化材を存在させて樹
脂組成物を硬化させた中間層および補強層を順に形成す
る強化プラスチック浴槽の製造方法において、(a)ポ
リエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、
分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分
のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/ま
たはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および
/またはその酸無水物 cモル、(d)水添化ビスフェ
ノ−ルA dモルおよび(e)多価アルコ−ル eモル
を、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.7/1、
(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.9/
1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5
/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポ
リエステルおよび分子中に重合性二重結合を有する不飽
和単量体を含む組成物の硬化物でゲルコ−ト層を形成す
ることを特徴とする強化プラスチック浴槽の製造方法に
関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
さらに詳細に説明する。図1は、本発明の方法によって
得られる成形品の強化プラスチック浴槽の断面模式図で
あり、図2は図1の成形品の成形に用いられる成形型の
断面模式図である。
【0008】本発明の強化プラスチック浴槽の製造方法
によって得られる成形品の一例の強化プラスチック浴槽
は、まず、ゲルコ−ト層1を形成させ、次いでこのゲル
コ−ト層1を表面にして、その内側に常法により繊維強
化材を含ませた状態で硬化した樹脂の中間層2および補
強層3を設けた3層構造の強化プラスチック浴槽である
(図1参照)。
【0009】この強化プラスチック浴槽は、図2に示す
ように、FRP製成形型4の外側表面に本発明における
不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い、公知の方法で型
にスプレイしゲルコ−ト層1を形成した後に、このゲル
コ−ト層1の外側表面に中間層2及び補強層3をハンド
レイアップ法やスプレイアップ法等の公知の方法で形成
し、その後脱型することにより得られる。
【0010】ゲルコ−ト層の形成に用いる樹脂組成物
は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモ
ル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基
酸および/またはその酸無水物bモル、(c)飽和多塩
基酸および/またはその酸無水物 cモルを必須成分と
するが、これらは、a/(a+b+c)が0.05/1
〜0.7/1、好ましくは0.1/1〜0.5/1にな
るように配合される。a/(a+b+c)が0.05/
1未満では、ゲルコ−ト層表面の靭性を低下させ、熱衝
撃によるクラックが発生し、a/(a+b+c)が0.
7/1を超えると、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激
しく上昇し、スプレイ作業性を著しく低下させる。a/
(a+b+c)は0.5/1以下であることが好まし
い。
【0011】本発明における不飽和ポリエステル樹脂
は、さらに、水添加ビスフェノ−ルAを必須成分とする
が、これは、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1
〜0.9/1の範囲で配合され、0.2/1〜0.7/
1の範囲で配合されることが好ましい。(a+d)/
(a+b+c)が0.1/1未満では、耐熱性が低下
し、0.9/1を超えると耐熱水性は向上するが、不飽
和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、熱衝撃によ
るクラックが発生する。
【0012】また、本発明における不飽和ポリエステル
樹脂は、さらに、多価アルコ−ルも必須成分とするが、
これは、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜
1.5/1の範囲で配合され、1.03/1から1.2
/1の範囲で配合することが好ましい。(a+d+e)
/(a+b+c)が1/1未満では、ポリエチレン−
2,6−ナフタレ−トの解重合が起こり難くなる傾向で
あり、1.5/1を超えると硬化性が低下する。
【0013】本発明に使用するポリエチレン−2,6−
ナフタレ−ト(以下、PENと略す。)は成形前のポリ
マ−素材でなくてもかまわない。例えば、PEN製造時
に発生する端物屑、フィルムボトル等のPEN成型品、
その生産工程で発生する端物屑不良品等の廃棄対象物、
回収された使用済みのフィルム、ボトルでも使用可能で
ある。フィルム、ボトル等の回収品を使用する場合は、
多価アルコ−ル分解がすみやかに進むように、30mm角
以下、好ましくは10mm角以下に破砕し、洗浄、乾燥し
ておくことが好ましい。PENの1モルとは、繰り返し
単位を示し、分子量242に相当する。
【0014】不飽和二塩基酸および/またはその酸無水
物としては、例えば、マレイン酸、フマ−ル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などを用いること
ができる。これらは、2種類以上を併用することもでき
る。不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、b
/(a+b+c)が0.1/1〜0.95/1の範囲で
使用するのが好ましく、0.3/1〜0.9/1の範囲
で使用するのがさらに好ましい。これらの使用量が少な
すぎるとゲルコ−ト表面の耐熱水性が低下する傾向があ
り、0.9/1を超えるとPENを使用する効果がなく
なり、ゲルコ−ト表面の靭性が低下する傾向がある。
【0015】また、飽和二塩基酸および/またはその酸
無水物を用いることもでき、これらの例としては、例え
ば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、こはく
酸、アゼライン酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ロジン−無水マレイン
酸付加物、クロレンディック酸、無水クロレンディック
酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル
酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸
などを挙げることができる。これらは2種類以上を併用
してもよい。飽和二塩基酸および/またはその酸無水物
は、c/(a+b+c)が0/1〜0.85/1の範囲
で使用するのが好ましく、0/1〜0.65/1の範囲
で使用するのがさらに好ましい。
【0016】多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ
−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、
ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、
トリエチレングリコ−ル、イソペンチルグリコ−ル、ト
リメチロ−ルプロパン等を使用することができる。ま
た、重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ジアリル
フタレ−ト、アクリルニトリル、酢酸ビニル等を使用で
きる。
【0017】また硬化剤としては、例えばアゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパ−ベンゾ
エ−ト、t−ブチルパ−オクトエ−ト、ベンゾイルパ−
オキシド、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ハイド
ロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ジクミ
ルパ−オキサイド等の有機過酸化物などが用いられる。
さらにこれらの硬化剤は、必要に応じて例えばナフテン
酸コバルト、オクテン酸コバルト等の金属石鹸類、ジメ
チルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモ
ニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメ
チルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、トリエタ
ノ−ルアミン等のアミン類などの硬化促進剤と組み合わ
せて用いることが出来る。
【0018】前記不飽和ポリエステル樹脂組成物には、
必要に応じて、ハイドロキノン等の重合禁止剤(不飽和
ポリエステルおよび重合性単量体の総量に対して0.0
001〜0.1重量%の範囲で使用することが好まし
い)を添加することができる。また、成形品を着色する
場合は、市販の有機または無機の染料または顔料(不飽
和ポリエステルおよび重合性単量体の総量に対して1〜
10重量%の範囲で使用することが好ましい)などを使
用することができる。
【0019】本発明の強化ポリエステル浴槽の製造方法
において、成形品の表面となるゲルコ−ト層は、所望の
成形型5の表面に形成する。このゲルコ−ト層の厚さ
は、0.1〜1mmの範囲が好ましく、特に、0.15〜
0.5mmの範囲が良い。ゲルコ−ト層の上(成形品とし
ては内側になる)に繊維強化材を配置して不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物を硬化させることにより該ゲルコ−ト
層の内側に中間層を形成し、更にその上(成形品として
は最内側になる)に繊維強化材を配置して不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物を硬化させて補強層を形成することに
より、3層の成形品を得る。
【0020】ここで使用する繊維強化材には特別な制約
はなく、例えば、ガラス繊維、カ−ボン繊維、アラミド
繊維、などを使用することができる。そして、これらの
繊維の使用形態にも特別な制約はなく、例えば、チョッ
プドストランドマット、コンテニアスマット等のマット
状形態、ガラスロ−ビングクロス等のクロス状連続繊維
形態、ガラスロ−ビング等のロ−ビング状形態で使用す
ることが可能である。
【0021】中間層における繊維強化材の割合は、15
〜50重量%であることが好ましく、特に20〜40重
量%が良い。そして、この中間層の厚さは、0.3〜3
mmが好ましく、特に0.5〜2.0mmが良い。補強層に
おける繊維強化材の割合は、15〜60重量%であるこ
とが好ましく、特に20〜50重量%が良い。そして、
この補強層の厚さは、0.5〜10mmが好ましく、特に
1.0〜7.0mmが良い。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。以下
において、部とあるのは重量部を示す。
【0023】実施例1 プロピレングリコ−ル857g(11.2モル)、水添
化ビスフェノ−ルA691g(2.93モル)、PEN
355g(1.47モル、成分として含まれる2,6−
ナフタレンジカルボン酸換算、以下同じ)、t−ブチル
チタネ−ト0.355g(PEN重量の0.1%)、イ
ソフタル酸487g(2.93モル)を、温度計、撹拌
機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,00
0mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌し
ながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一
になったところで温度を180℃に下げた。このとき、
グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重
合体の数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィ−を用
いて標準ポリスチレン換算で求められるもの、以下同
様)は、680であった。
【0024】180℃で、無水マレイン酸1,006g
(10.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再
度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反
応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応
を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加した
スチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹
脂Aを得た。数平均分子量を求めたところ2,100で
あった。この不飽和ポリエステル樹脂A100部に対し
て、揺変剤(エロジ−ル200日本アエロジル社商品
名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量
%)0.5部と顔料(ST2374White 大日精化(株)
商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物
Bを得た。
【0025】この不飽和ポリエステル樹脂組成物B10
0部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)商品名)
1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イ
ワタ(株)商品)を用いてFRP製成形型の表面に0.3
mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させて
ゲルコ−ト層を形成した。次に、ポリセットNR220
2PT−M(日立化成工業(株)商品名)100部にパ−
メックNを1.0部添加した組成物と、ガラスマットF
EM−230(日東紡績(株)商品名)を使用して、ガラ
スマットの含有量が25重量%となるように、ロ−ルを
使用したハンドレイアップ法により、前記ゲルコ−ト層
の上に繊維強化材入りの1mm厚さの中間層を形成し、十
分脱泡した後にゲル化させた。
【0026】さらに、ポリセット5595APT−M
(日立化成工業(株)商品名)100部にパ−メック N
を1.0部添加した組成物と、ガラスマットを使用し
て、ガラスマットの含有量が30重量%となるように、
ロ−ルを使用したハンドレイアップ法により、前記中間
層の上に繊維強化材入りの3mmの厚さの補強層を成形
し、十分に脱泡した後に50℃で1時間硬化させ、脱型
して強化プラスチック浴槽成形品を得た。その特性を表
1に示す。
【0027】実施例2 プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、水添加
ビスフェノ−ル1,062g(5.0モル)、PEN9
14g(4.2モル)、t−ブチルチタネ−ト0.91
4g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸329g
(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入
管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラス
コに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて
210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温
度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい
環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量
は、690であった。
【0028】180℃で、無水マレイン酸732g
(8.3モル)、プロピレングリコ−ル232g(3.
1モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間
で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わ
せ、酸価が22KOHmg/gになったところで反応を止め、
170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン
1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Cを得
た。数平均分子量を求めたところ2,000であった。
この不飽和ポリエステル樹脂C100部に対して、実施
例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエ
ロジル社商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト
含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374White
大日精化(株)商品名)10部を加えて不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物Dを得た。
【0029】この不飽和ポリエステル樹脂組成物D10
0部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)商品名)
1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イ
ワタ(株)商品名)を用いてFRP製成形型の表面に0.
3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させ
てゲルコ−ト層を形成した。さらに実施例1と同様に処
理して中間層および補強層を形成させて強化プラスチッ
ク浴槽を得た。その特性を表1に示す。
【0030】比較例1 プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、水添加
ビスフェノ−ル1,952g(9.2モル)、イソフタ
ル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活
性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四
つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5
時間かけて210℃まで昇温し、常法により脱水縮合反
応を行わせ、酸価が5以下になったところで温度を18
0℃まで下げた。次に、180℃の温度で無水マレイン
酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを
加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱
水縮合反応を行わせ、酸価が20KOHmg/gになったとこ
ろで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを
添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエ
ステル樹脂Eを得た。数平均分子量を求めたところ2,
150であった。
【0031】この不飽和ポリエステル樹脂E100部に
対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル20
0 日本アエロジル社商品名)2部、ナフテン酸コバル
ト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2
374White 大日精化(株)商品名)10部を加えて不飽
和ポリエステル樹脂組成物Fを得た。この不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物F100部に硬化剤(パ−メックN
日本油脂(株)商品名)1.0部を添加混合し、カップガ
ン(ワイダ−77 イワタ(株)商品名)を用いてFRP
製成形型の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、5
0℃で1時間硬化させてゲルコ−ト層を形成した。さら
に実施例1と同様に処理して中間層および補強層を形成
させて強化プラスチック浴槽を得た。その特性を表1に
示す。
【0032】比較例2 プロピレングリコ−ル984g(8.0モル)、イソフ
タル酸591g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不
活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの
四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら
5時間かけて210℃まで昇温し、常法により脱水縮合
反応を行わせ、酸価が5以下になったところで温度を1
80℃まで下げた。次に、180℃の温度でプロピレン
グリコ−ル504g(4.1モル)、無水マレイン酸
1,317g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3g
を加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により
脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったと
ころで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4g
を添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリ
エステル樹脂Gを得た。数平均分子量を求めたところ
2,050であった。
【0033】この不飽和ポリエステル樹脂G100部に
対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル20
0 日本アエロジル社商品名)2部、ナフテン酸コバル
ト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2
374White 大日精化(株)商品名)10部を加えて不飽
和ポリエステル樹脂組成物Hを得た。この不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物H100部に硬化剤(パ−メックN
日本油脂(株)商品名)1.0部を添加混合し、カップガ
ン(ワイダ−77 イワタ(株)商品名)を用いてFRP
製成形型5の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、
50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト層を形成した。さ
らに実施例1と同様に処理して中間層および補強層を形
成させて強化プラスチック浴槽を得た。その特性を表1
に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から、本発明の強化プラスチッ
ク浴槽は、引張り伸び率が大で、成形および熱衝撃によ
るクラックの発生がなく、しかも耐熱水性にも優れてい
ることが示される。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の強化プラスチック浴槽の
製造方法は、脱型時の応力および使用中の熱衝撃による
クラックの発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および
作業性に優れた強化プラスチック浴槽を容易に製造でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す強化プラスチック浴槽の断
面模式図。
【図2】FRP製成形型の断面模式図。
【符号の説明】
1 ゲルコ−ト層 2 中間層 3 補強層 4 FRP製成形型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D032 AB02 4F205 AA26 AA36 AA41 AD11 AD16 AE10 AG03 AH49 AJ04 AM25 HA03 HA04 HA14 HA24 HA33 HA35 HA37 HA47 HB01 HC06 HC16 HF01 HF05 HF25 HK04 HK05 HK16 HM05 HT02 HT04 HT24 HT27

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲルコ−ト層とこのゲルコ−ト層の表面
    に繊維強化材を存在させて樹脂組成物を硬化させた中間
    層および補強層を順に形成する強化プラスチック浴槽の
    製造方法において、(a)ポリエチレン−2,6−ナフ
    タレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−
    ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β
    −不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモ
    ル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物
    cモル、(d)水添化ビスフェノ−ルA dモルおよび
    (e)多価アルコ−ル eモルを、a/(a+b+c)
    が0.05/1〜0.7/1、(a+d)/(a+b+
    c)が0.1/1〜0.9/1、(a+d+e)/(a
    +b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して
    反応させて得られた不飽和ポリエステルおよび分子中に
    重合性二重結合を有する不飽和単量体を含む組成物の硬
    化物でゲルコ−ト層を形成することを特徴とする強化プ
    ラスチック浴槽の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100803387B1 (ko) 2006-11-14 2008-02-13 김용범 욕조 및 그 제조방법
US8017795B2 (en) 2005-04-21 2011-09-13 Ndsu Research Foundation Radiation curable polymer films having improved laser ablation properties and radiation curable sensitizers therefor
EP4265165A1 (de) * 2022-04-21 2023-10-25 Duravit Aktiengesellschaft Sanitärgegenstand sowie verfahren zur herstellung eines solchen

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