JP2005028625A - 強化プラスチック成型品 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止し、耐熱水性、耐熱性、作業性に優れた強化プラスチック成型品を提供する。
【解決手段】a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル、b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモル、d)一般式(I)
【化1】
で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモル、およびe)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.5/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.7/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1と配合して反応させた不飽和ポリエステルと、分子中に重合性二重結合を有する不飽和単量体とを含む組成物の硬化物で形成されたゲルコ−ト層と、繊維強化材を存在させて樹脂組成物を硬化させた中間層と補強層とを有する強化プラスチック成型品。
【選択図】 図2
【解決手段】a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル、b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモル、d)一般式(I)
【化1】
で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモル、およびe)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.5/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.7/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1と配合して反応させた不飽和ポリエステルと、分子中に重合性二重結合を有する不飽和単量体とを含む組成物の硬化物で形成されたゲルコ−ト層と、繊維強化材を存在させて樹脂組成物を硬化させた中間層と補強層とを有する強化プラスチック成型品。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は強化プラスチック成型品に関し、さらに詳しくは、脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および作業性に優れた強化プラスチック成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強化プラスチック成型品のゲルコ−ト層として、主にイソフタル酸変性不飽和ポリエステル樹脂が用いられている。しかしながら、このイソフタル酸変性不飽和ポリエステル樹脂の場合には、長期使用中に成型品表面に樹脂の劣化によるひび割れやフクレが生じたり、退色したり、光沢を失い汚垢等が付着し易くなったりする欠点があった。この欠点に対処するために、ゲルコ−ト層として、主に耐蝕用に使用されている水添化ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAプロピレンオキサイド誘導体等の多価アルコ−ル成分を用いて得た不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。これらの樹脂の場合には、前記の欠点は解決されるが、硬化物の着色が激しくなったり、脱型時の応力および使用中の熱衝撃によりクラックが発生するという欠点がある。この脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止する方法として、ゲルコ−ト樹脂の反応性を低下させたり、酸−グリコ−ル成分の一部を変更して軟質化を図ったり、ゲルコ−ト樹脂の硬化物の伸びを大きくすることが行われているが、この場合にも耐熱水性及び耐熱性の低下が起こり、その解決が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点を除去して脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および作業性に優れた強化プラスチック成型品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモル、(d)一般式(I)
【化2】
(式中、mおよびnはm+nの平均値が2.0〜4.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモル、および(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.5/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.7/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポリエステルと、分子中に重合性二重結合を有する不飽和単量体とを含む組成物の硬化物で形成されたゲルコ−ト層と、繊維強化材を存在させて樹脂組成物を硬化させた中間層と補強層とを有する強化プラスチック成型品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明に用いられる成形型の断面図であり、図2は本発明の方法によって得られる成型品の断面図である。
【0006】
本発明になる強化プラスチック成型品の製造方法の一例は、図1に示すように、まず、ゲルコ−ト層1を形成させる。次いでこのゲルコ−ト層1を表面にして、その内側に常法により繊維強化材を含ませた状態で硬化した樹脂の中間層2および補強層3を設けた3層構造の強化プラスチック成型品を形成する。
【0007】
この強化プラスチック成型品は、図2に示すように、FRP製成形型4の外側表面に本発明により作成した不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い、公知の方法で型にスプレイし形成した後に、このゲルコ−ト層1の外側表面に中間層2及び補強層3をハンドレイアップ法やスプレイアップ法等の公知の方法で形成し、その後脱型することにより得られる。
【0008】
ゲルコ−ト層1の形成に用いる樹脂組成物は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルを必須成分とするが、これらは、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.5/1、好ましくは0.1/1〜0.4/1になるように配合される。a/(a+b+c)が0.05/1未満では、ゲルコ−ト表面の靭性を低下させ、熱衝撃によるクラックが発生し、a/(a+b+c)が0.5/1を超えると、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレイ作業性を著しく低下させる傾向がある。
【0009】
次に、本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、一般式(I)
【化3】
(式中、mおよびnはm+nの平均値が2.0〜4.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体も必須成分であり、これは、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.7/1の範囲で配合するのが好ましく、0.2/1〜0.6/1の範囲で配合することがさらに好ましい。(a+d)/(a+b+c)が0.1/1未満では、耐熱性が低下し、0.7/1を超えると耐熱水性は向上するが、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレイ作業性を著しく低下させる傾向である。
【0010】
さらに、本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコ−ルも必須成分であり、これは(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1の範囲で配合することが好ましく、1.03/1から1.2/1の範囲で配合することがさらに好ましい(a+d+e)/(a+b+c)が1.0/1未満では、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−トの解重合が起こり難くなる傾向であり、1.5/1を超えると硬化性が低下する。
【0011】
本発明に使用するポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト(以下、PENと略す。)は成型前のポリマ−素材でなくてもかまわない。例えば、PEN製造時に発生する端物屑、フィルムボトル等のPEN成型品、その生産工程で発生する端物屑不良品等の廃棄対象物、回収された使用済みのフィルム、ボトルでも使用可能である。フィルム、ボトル等の回収品を使用する場合は、多価アルコ−ル分解がすみやかに進むように、30mm角以下、好ましくは10mm角以下に破砕し、洗浄、乾燥しておくことが好ましい。PENの1モルとは、繰り返し単位を示し、分子量242に相当する。
【0012】
不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などを用いることができる。これらは、2種類以上を併用することもできる。
【0013】
不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、b/(a+b+c)が0.1/1〜0.95/1の範囲で使用するのが好ましく、0.3/1〜0.9/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。これらの使用量が少なすぎるとゲルコ−ト表面の耐熱水性が低下する傾向があり、0.9/1を超えるとPENを使用する効果がなくなり、ゲルコ−ト表面の靭性が低下する傾向がある。
【0014】
また、飽和二塩基酸および/またはその酸無水物を用いることもでき、これらの例としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、こはく酸、アゼライン酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ロジン−無水マレイン酸付加物、クロレンディック酸、無水クロレンディック酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸などを挙げることができる。これらは2種類以上を併用してもよい。
【0015】
飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、c/(a+b+c)が0/1〜0.85/1の範囲で使用するのが好ましく、0/1〜0.65/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。
【0016】
多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、イソペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルプロパン等を使用することができる。
【0017】
また、重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ジアリルフタレ−ト、アクリルニトリル、酢酸ビニル等を使用できる。
【0018】
また硬化剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、t−ブチルパ−オクトエ−ト、ベンゾイルパ−オキシド、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ハイドロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド等の有機過酸化物などが用いられる.さらにこれらの硬化剤は、必要に応じて例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の金属石鹸類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類などの硬化促進剤と組み合わせて用いることが出来る。
【0019】
前記不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、ハイドロキノン等の重合禁止剤を添加することができる。添加する際には、不飽和ポリエステルおよび重合性単量体の総量に対して0.0001〜0.1重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0020】
また、成型品を着色する場合は、市販の有機または無機の染料または顔料などを使用することができる。これらの着色料を使用する際には、不飽和ポリエステルおよび重合性単量体の総量に対して1〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0021】
本発明における強化ポリエステル成型品において、成型品の表面となるゲルコ−ト層1は、所望の成形型5の表面に形成する。このゲルコ−ト層1の厚さは、0.1〜1mmの範囲が好ましく、特に、0.15〜0.5mmの範囲が良い。
【0022】
ゲルコ−ト層の上(成型品としては内側になる)に繊維強化材を配置して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させることにより該ゲルコ−ト層1の内側に中間層2を形成し、更にその上(成型品としては最内側になる)に繊維強化材を配置して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させて補強層3を形成することにより、3層の成型品を得る。
【0023】
ここで使用する繊維強化材には特別な制約はなく、例えば、ガラス繊維、カ−ボン繊維、アラミド繊維、などを使用することができる。そして、これらの繊維の使用形態にも特別な制約はなく、例えば、チョップドストランドマット、コンテニアスマット等のマット状形態、ガラスロ−ビングクロス等のクロス状連続繊維形態、ガラスロ−ビング等のロ−ビング状形態で使用することが可能である。
【0024】
中間層2における繊維強化材の割合は、15〜50重量%であることが好ましく、特に20〜40重量%がさらに好ましい。そして、この中間層2の厚さは、0.3〜3mmが好ましく、特に0.5〜2.0mmがさらに好ましい。
【0025】
補強層3における繊維強化材の割合は、15〜60重量%であることが好ましく、特に20〜50重量%がさらに好ましい。そして、この補強層3の厚さは、0.5〜10mmが好ましく、特に1.0〜7.0mmがさらに好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において、部とあるのは重量部を示す。
【0027】
実施例1
プロピレングリコ−ル857g(11.2モル)、水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体1054g(2.93モル,m+n=3.0)、PEN355g(1.47モル、成分として含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸換算、以下同じ)、t−ブチルチタネ−ト0.355g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸487g(2.93モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィ−を用いてポリスチレン換算で求められるもの、以下同様)は、680であった。
180℃の温度で、無水マレイン酸1,006g(10.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Aを得た。数平均分子量を求めたところ3,100であった。この不飽和ポリエステル樹脂A100重量部に対して、揺変剤(エロジ−ル200、日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte、大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Bを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物B100部に硬化剤(パ−メックN、日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77、イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト1を形成した。
次に、ポリセットNR2202PT−M(日立化成工業(株)製、商品名)100部にパ−メックN(日本油脂(株)製、商品名)を1.0部添加した組成物と、ガラスマットFEM−230(日東紡績(株)製、商品名)を使用して、ガラスマットの含有量が25%となるように、ロ−ルを使用したハンドレイアップ法により、前記ゲルコ−ト層1の上に繊維強化材入りの1mm厚さの中間層2を形成し、十分脱泡した後にゲル化させた。
さらに、ポリセット5595APT−M(日立化成工業(株)製、商品名)100部にパ−メックN(日本油脂(株)製、商品名)を1.0部添加した組成物と、ガラスマットを使用して、ガラスマットの含有量が30%重量%となるように、ロ−ルを使用したハンドレイアップ法により、前記中間層2の上に繊維強化材入りの3mmの厚さの補強層3を成型し、十分に脱泡した後に50℃で1時間硬化させ、脱型して強化プラスチック成型品を得た。その特性を表1に示す。
【0028】
実施例2
プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、水添加ビススフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 1,620g(5.0モル)、PEN914g(4.2モル)、t−ブチルチタネ−ト0.914g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量は、690であった。
180℃の温度で、無水マレイン酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が22KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。数平均分子量を求めたところ2,000であった。
この不飽和ポリエステル樹脂C100重量部に対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte 大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Dを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物D100部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト1を形成した。
さらに実施例1と同様に処理して中間層2および補強層3を形成させて本発明の強化プラスチック成型品を得た。その特性を第1表に示す。
【0029】
比較例1
プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、水添加ビスフェノ−ルA1,952g(9.2モル)、イソフタル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が5以下になったところで温度を180℃まで下げた。次に、180℃の温度で無水マレイン酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が20KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Eを得た。数平均分子量を求めたところ2,150であった。
この不飽和ポリエステル樹脂E100重量部に対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte 大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Fを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物F100部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト1を形成した。さらに実施例1と同様に処理して中間層2および補強層3を形成させて強化プラスチック成型品を得た。その特性を表1に示す。
【0030】
比較例2
プロピレングリコ−ル984g(8.0モル)、イソフタル酸591g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が5以下になったところで温度を180℃まで下げた。
次に、180℃の温度でプロピレングリコ−ル504g(4.1モル)、無水マレイン酸1,317g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Eを得た。数平均分子量を求めたところ2,050であった。
この不飽和ポリエステル樹脂G100重量部に対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte 大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Hを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物H100部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト層1を形成した。
さらに実施例1と同様に処理して中間層2および補強層3を形成させて強化プラスチック成型物を得た。その特性を表1に示す。
【表1】
(注)* 揺変剤、ナフテン酸コバルト、顔料を加えた上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物B,D,F,Hに硬化剤を添加室温でゲル化後50℃で16時間アフタ−キュアさせた300mm×300mm×3mm(厚さ)の板を用いた。
** 浴槽成型後脱型時のゲルコ−ト層のクラックの有無を調べた。
*** 浴槽を98℃/100時間毎に−10℃(恒温槽)に急冷(30分間)して試験してクラックの有無を調べた。
【0031】
【発明の効果】
表1の結果から、本発明の強化プラスチック浴槽は、引張り伸び率が大で、成型および熱衝撃によるクラックの発生がなく、しかも耐熱水性にも優れていることが示される。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用できる成形型の一例の断面図。
【図2】本発明のゲルコート付FRP成型品の一例の断面図。
【符号の説明】
1:成形型
2:ゲルコート層
3:中間層
4:補強層
【発明の属する技術分野】
本発明は強化プラスチック成型品に関し、さらに詳しくは、脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および作業性に優れた強化プラスチック成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強化プラスチック成型品のゲルコ−ト層として、主にイソフタル酸変性不飽和ポリエステル樹脂が用いられている。しかしながら、このイソフタル酸変性不飽和ポリエステル樹脂の場合には、長期使用中に成型品表面に樹脂の劣化によるひび割れやフクレが生じたり、退色したり、光沢を失い汚垢等が付着し易くなったりする欠点があった。この欠点に対処するために、ゲルコ−ト層として、主に耐蝕用に使用されている水添化ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAプロピレンオキサイド誘導体等の多価アルコ−ル成分を用いて得た不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。これらの樹脂の場合には、前記の欠点は解決されるが、硬化物の着色が激しくなったり、脱型時の応力および使用中の熱衝撃によりクラックが発生するという欠点がある。この脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止する方法として、ゲルコ−ト樹脂の反応性を低下させたり、酸−グリコ−ル成分の一部を変更して軟質化を図ったり、ゲルコ−ト樹脂の硬化物の伸びを大きくすることが行われているが、この場合にも耐熱水性及び耐熱性の低下が起こり、その解決が強く望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の欠点を除去して脱型時の応力および使用中の熱衝撃によるクラックの発生を防止し、かつ耐熱水性、耐熱性および作業性に優れた強化プラスチック成型品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモル、(d)一般式(I)
【化2】
(式中、mおよびnはm+nの平均値が2.0〜4.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 dモル、および(e)多価アルコ−ルeモルを、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.5/1、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.7/1、(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1になるように配合して反応させて得られた不飽和ポリエステルと、分子中に重合性二重結合を有する不飽和単量体とを含む組成物の硬化物で形成されたゲルコ−ト層と、繊維強化材を存在させて樹脂組成物を硬化させた中間層と補強層とを有する強化プラスチック成型品に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明に用いられる成形型の断面図であり、図2は本発明の方法によって得られる成型品の断面図である。
【0006】
本発明になる強化プラスチック成型品の製造方法の一例は、図1に示すように、まず、ゲルコ−ト層1を形成させる。次いでこのゲルコ−ト層1を表面にして、その内側に常法により繊維強化材を含ませた状態で硬化した樹脂の中間層2および補強層3を設けた3層構造の強化プラスチック成型品を形成する。
【0007】
この強化プラスチック成型品は、図2に示すように、FRP製成形型4の外側表面に本発明により作成した不飽和ポリエステル樹脂組成物を用い、公知の方法で型にスプレイし形成した後に、このゲルコ−ト層1の外側表面に中間層2及び補強層3をハンドレイアップ法やスプレイアップ法等の公知の方法で形成し、その後脱型することにより得られる。
【0008】
ゲルコ−ト層1の形成に用いる樹脂組成物は、(a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモルを必須成分とするが、これらは、a/(a+b+c)が0.05/1〜0.5/1、好ましくは0.1/1〜0.4/1になるように配合される。a/(a+b+c)が0.05/1未満では、ゲルコ−ト表面の靭性を低下させ、熱衝撃によるクラックが発生し、a/(a+b+c)が0.5/1を超えると、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレイ作業性を著しく低下させる傾向がある。
【0009】
次に、本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、一般式(I)
【化3】
(式中、mおよびnはm+nの平均値が2.0〜4.0となる整数である)で表される水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体も必須成分であり、これは、(a+d)/(a+b+c)が0.1/1〜0.7/1の範囲で配合するのが好ましく、0.2/1〜0.6/1の範囲で配合することがさらに好ましい。(a+d)/(a+b+c)が0.1/1未満では、耐熱性が低下し、0.7/1を超えると耐熱水性は向上するが、不飽和ポリエステル樹脂の粘度が激しく上昇し、スプレイ作業性を著しく低下させる傾向である。
【0010】
さらに、本発明における不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコ−ルも必須成分であり、これは(a+d+e)/(a+b+c)が1/1〜1.5/1の範囲で配合することが好ましく、1.03/1から1.2/1の範囲で配合することがさらに好ましい(a+d+e)/(a+b+c)が1.0/1未満では、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−トの解重合が起こり難くなる傾向であり、1.5/1を超えると硬化性が低下する。
【0011】
本発明に使用するポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト(以下、PENと略す。)は成型前のポリマ−素材でなくてもかまわない。例えば、PEN製造時に発生する端物屑、フィルムボトル等のPEN成型品、その生産工程で発生する端物屑不良品等の廃棄対象物、回収された使用済みのフィルム、ボトルでも使用可能である。フィルム、ボトル等の回収品を使用する場合は、多価アルコ−ル分解がすみやかに進むように、30mm角以下、好ましくは10mm角以下に破砕し、洗浄、乾燥しておくことが好ましい。PENの1モルとは、繰り返し単位を示し、分子量242に相当する。
【0012】
不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸などを用いることができる。これらは、2種類以上を併用することもできる。
【0013】
不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、b/(a+b+c)が0.1/1〜0.95/1の範囲で使用するのが好ましく、0.3/1〜0.9/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。これらの使用量が少なすぎるとゲルコ−ト表面の耐熱水性が低下する傾向があり、0.9/1を超えるとPENを使用する効果がなくなり、ゲルコ−ト表面の靭性が低下する傾向がある。
【0014】
また、飽和二塩基酸および/またはその酸無水物を用いることもでき、これらの例としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、こはく酸、アゼライン酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ロジン−無水マレイン酸付加物、クロレンディック酸、無水クロレンディック酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラブロモ無水フタル酸などを挙げることができる。これらは2種類以上を併用してもよい。
【0015】
飽和二塩基酸および/またはその酸無水物は、c/(a+b+c)が0/1〜0.85/1の範囲で使用するのが好ましく、0/1〜0.65/1の範囲で使用するのがさらに好ましい。
【0016】
多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、イソペンチルグリコ−ル、トリメチロ−ルプロパン等を使用することができる。
【0017】
また、重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ジアリルフタレ−ト、アクリルニトリル、酢酸ビニル等を使用できる。
【0018】
また硬化剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、t−ブチルパ−オクトエ−ト、ベンゾイルパ−オキシド、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ハイドロパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド等の有機過酸化物などが用いられる.さらにこれらの硬化剤は、必要に応じて例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の金属石鹸類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類などの硬化促進剤と組み合わせて用いることが出来る。
【0019】
前記不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、ハイドロキノン等の重合禁止剤を添加することができる。添加する際には、不飽和ポリエステルおよび重合性単量体の総量に対して0.0001〜0.1重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0020】
また、成型品を着色する場合は、市販の有機または無機の染料または顔料などを使用することができる。これらの着色料を使用する際には、不飽和ポリエステルおよび重合性単量体の総量に対して1〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0021】
本発明における強化ポリエステル成型品において、成型品の表面となるゲルコ−ト層1は、所望の成形型5の表面に形成する。このゲルコ−ト層1の厚さは、0.1〜1mmの範囲が好ましく、特に、0.15〜0.5mmの範囲が良い。
【0022】
ゲルコ−ト層の上(成型品としては内側になる)に繊維強化材を配置して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させることにより該ゲルコ−ト層1の内側に中間層2を形成し、更にその上(成型品としては最内側になる)に繊維強化材を配置して不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させて補強層3を形成することにより、3層の成型品を得る。
【0023】
ここで使用する繊維強化材には特別な制約はなく、例えば、ガラス繊維、カ−ボン繊維、アラミド繊維、などを使用することができる。そして、これらの繊維の使用形態にも特別な制約はなく、例えば、チョップドストランドマット、コンテニアスマット等のマット状形態、ガラスロ−ビングクロス等のクロス状連続繊維形態、ガラスロ−ビング等のロ−ビング状形態で使用することが可能である。
【0024】
中間層2における繊維強化材の割合は、15〜50重量%であることが好ましく、特に20〜40重量%がさらに好ましい。そして、この中間層2の厚さは、0.3〜3mmが好ましく、特に0.5〜2.0mmがさらに好ましい。
【0025】
補強層3における繊維強化材の割合は、15〜60重量%であることが好ましく、特に20〜50重量%がさらに好ましい。そして、この補強層3の厚さは、0.5〜10mmが好ましく、特に1.0〜7.0mmがさらに好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において、部とあるのは重量部を示す。
【0027】
実施例1
プロピレングリコ−ル857g(11.2モル)、水添化ビスフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体1054g(2.93モル,m+n=3.0)、PEN355g(1.47モル、成分として含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸換算、以下同じ)、t−ブチルチタネ−ト0.355g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸487g(2.93モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィ−を用いてポリスチレン換算で求められるもの、以下同様)は、680であった。
180℃の温度で、無水マレイン酸1,006g(10.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Aを得た。数平均分子量を求めたところ3,100であった。この不飽和ポリエステル樹脂A100重量部に対して、揺変剤(エロジ−ル200、日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte、大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Bを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物B100部に硬化剤(パ−メックN、日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77、イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト1を形成した。
次に、ポリセットNR2202PT−M(日立化成工業(株)製、商品名)100部にパ−メックN(日本油脂(株)製、商品名)を1.0部添加した組成物と、ガラスマットFEM−230(日東紡績(株)製、商品名)を使用して、ガラスマットの含有量が25%となるように、ロ−ルを使用したハンドレイアップ法により、前記ゲルコ−ト層1の上に繊維強化材入りの1mm厚さの中間層2を形成し、十分脱泡した後にゲル化させた。
さらに、ポリセット5595APT−M(日立化成工業(株)製、商品名)100部にパ−メックN(日本油脂(株)製、商品名)を1.0部添加した組成物と、ガラスマットを使用して、ガラスマットの含有量が30%重量%となるように、ロ−ルを使用したハンドレイアップ法により、前記中間層2の上に繊維強化材入りの3mmの厚さの補強層3を成型し、十分に脱泡した後に50℃で1時間硬化させ、脱型して強化プラスチック成型品を得た。その特性を表1に示す。
【0028】
実施例2
プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、水添加ビススフェノ−ルAエチレンオキシド誘導体 1,620g(5.0モル)、PEN914g(4.2モル)、t−ブチルチタネ−ト0.914g(PEN重量の0.1%)、イソフタル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、内容物が均一になったところで温度を180℃に下げた。このとき、グリコ−ルの著しい環流は認められなかった。この解重合体の数平均分子量は、690であった。
180℃の温度で、無水マレイン酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が22KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。数平均分子量を求めたところ2,000であった。
この不飽和ポリエステル樹脂C100重量部に対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte 大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Dを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物D100部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト1を形成した。
さらに実施例1と同様に処理して中間層2および補強層3を形成させて本発明の強化プラスチック成型品を得た。その特性を第1表に示す。
【0029】
比較例1
プロピレングリコ−ル437g(6.4モル)、水添加ビスフェノ−ルA1,952g(9.2モル)、イソフタル酸329g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が5以下になったところで温度を180℃まで下げた。次に、180℃の温度で無水マレイン酸732g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が20KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Eを得た。数平均分子量を求めたところ2,150であった。
この不飽和ポリエステル樹脂E100重量部に対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte 大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Fを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物F100部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト1を形成した。さらに実施例1と同様に処理して中間層2および補強層3を形成させて強化プラスチック成型品を得た。その特性を表1に示す。
【0030】
比較例2
プロピレングリコ−ル984g(8.0モル)、イソフタル酸591g(2.2モル)を、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、コンデンサ−を備えた3,000mlの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で、撹拌しながら5時間かけて210℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が5以下になったところで温度を180℃まで下げた。
次に、180℃の温度でプロピレングリコ−ル504g(4.1モル)、無水マレイン酸1,317g(8.3モル)、ハイドロキノン0.3gを加え、再度3時間で215℃まで昇温し、常法により脱水縮合反応を行わせ、酸価が23KOHmg/gになったところで反応を止め、170℃でハイドロキノン0.4gを添加したスチレン1,500gに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂Eを得た。数平均分子量を求めたところ2,050であった。
この不飽和ポリエステル樹脂G100重量部に対して、実施例1と同じように揺変剤(エロジ−ル200 日本アエロジル社製、商品名)2部、ナフテン酸コバルト(コバルト含有量6重量%)0.5部と顔料(ST2374WhIte 大日精化(株)製、商品名)10部を加えて不飽和ポリエステル樹脂組成物Hを得た。
この不飽和ポリエステル樹脂組成物H100部に硬化剤(パ−メックN 日本油脂(株)製、商品名)1.0部を添加混合し、カップガン(ワイダ−77 イワタ(株)製、商品名)を用いてFRP製成形型5(図2参照)の表面に0.3mmの厚さに吹き付け塗布し、50℃で1時間硬化させてゲルコ−ト層1を形成した。
さらに実施例1と同様に処理して中間層2および補強層3を形成させて強化プラスチック成型物を得た。その特性を表1に示す。
【表1】
(注)* 揺変剤、ナフテン酸コバルト、顔料を加えた上記の不飽和ポリエステル樹脂組成物B,D,F,Hに硬化剤を添加室温でゲル化後50℃で16時間アフタ−キュアさせた300mm×300mm×3mm(厚さ)の板を用いた。
** 浴槽成型後脱型時のゲルコ−ト層のクラックの有無を調べた。
*** 浴槽を98℃/100時間毎に−10℃(恒温槽)に急冷(30分間)して試験してクラックの有無を調べた。
【0031】
【発明の効果】
表1の結果から、本発明の強化プラスチック浴槽は、引張り伸び率が大で、成型および熱衝撃によるクラックの発生がなく、しかも耐熱水性にも優れていることが示される。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用できる成形型の一例の断面図。
【図2】本発明のゲルコート付FRP成型品の一例の断面図。
【符号の説明】
1:成形型
2:ゲルコート層
3:中間層
4:補強層
Claims (1)
- (a)ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト aモル(ただし、分子中に含まれる2,6−ナフタレンジカルボン酸成分のモル数)、(b)α,β−不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物 bモル、(c)飽和多塩基酸および/またはその酸無水物 cモル、(d)一般式(I)
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