JP3018452B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP3018452B2
JP3018452B2 JP2251960A JP25196090A JP3018452B2 JP 3018452 B2 JP3018452 B2 JP 3018452B2 JP 2251960 A JP2251960 A JP 2251960A JP 25196090 A JP25196090 A JP 25196090A JP 3018452 B2 JP3018452 B2 JP 3018452B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、成形物とした時の平面平滑性、寸法安定性
(低反り)、耐熱水性を大幅に改善する熱硬化性樹脂組
成物に関するものである。
(従来の技術) 不飽和ポリエステル樹脂は,優れた成形性、機械的、
化学的、物理的、電気的特性を有するため、各種プラス
チック製品に多用されている。その主な用途は、浴槽、
ユニットバス、ボート、漁船、タンク、車両、ハウジン
グ等のFRP用、注型、レジンコンクリート等の非FRP用が
ある。
しかし、不飽和ポリエステル樹脂は、硬化の際約8%
の硬化収縮が発生するため、成形品の表面にひかが発生
したり、成形品が反り寸法精度が悪いと言う欠点を有し
ている。そこで従来、(1)硬化を遅くして硬化収縮応
力の緩和を図る方法、(2)一度に成形する成形厚みを
減少させ、数回に分けて成形し硬化収縮応力の緩和を図
る方法、(3)充填剤を多量に添加し、硬化収縮する樹
脂分を減少させる方法、(4)低下収縮化剤を添加し硬
化収縮率を減少する方法が取られている。(1)、
(2)の方法は成形サイクルが長くなり、生産性が悪く
なる。(3)の方法は、樹脂の粘度が上昇し成形作業性
が悪くなる。(4)の方法は、発泡機構により樹脂の硬
化収縮と発泡による膨張とで硬化収縮を相殺する方法で
あるため、耐熱水性、機械的特性が大幅にダウンする。
本発明者等は、この様な欠点を改良すべくジシクロペ
ンタジエン系オリゴマーに着目した。
ジシクロペンタジエンを出発原料とする不飽和ポリエ
ステルは、例えば特公昭55−39243号公報、及び特開昭5
8−108218号公報で開示されている。
特公昭55−39243号公報は、ジシクロペンタジエンあ
るいはハイドロキシル化ジシクロペンタジエンを一塩基
酸と多価アルコールとを反応して得られるエステルオリ
ゴマーと不飽和エポキシエステルまたは不飽和ポリエス
テルと重合性単量体とからなる高固形分樹脂組成物に関
するもので、エステルオリゴマーと不飽和エポキシエス
テルまたは不飽和ポリエステル等の樹脂固形物の含有量
が60〜95重量%のものである。
従って、ここで用いられるジシクロペンタジエン系エ
ステルオリゴマーは、その使用目的及び実施例の粘度か
ら低粘度理論分子量もしくはそれより低いものである。
又、特開昭58−108218号公報では、実施例にジシクロ
ペンタジエンと無水マレイン酸に水を滴下反応し、更に
グリコールとを反応させ数平均分子量850(3理論分子
量551の1.54倍)の不飽和ポリエステルあるいはジシク
ロペンタジエンに対して過剰の不飽和二塩基酸と飽和二
塩基とグリコールを仕込みエステル反応により数平均分
子量1100の不飽和ポリエステルが示されている。
従ってここで得られる不飽和ポリエステルは、二塩基
酸とグリコールの仕込量の過剰率により、分子量をコン
トロールするものあるいは、強引に反応を進めて高分子
量化するものである。
しかしながら、これらのものは、平面平滑性、寸法安
定性、耐熱水性を改善しえないものであった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、ジシクロペンタジエン系オリゴマーを用い
て熱硬化性樹脂組成物を成形物とした時の表面平滑性、
寸法安定(低反り)性、耐熱水性を改善することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決すべくジシクロペンタ
ジエン系オリゴマーについて鋭意研究した結果、本発明
を完成するに至った。
即ち、本発明はジシクロペンタジエンと無水マレイン
酸に水を滴下反応して得られる反応生成物を更にグリコ
ールと反応して得られるGPCで測定した平均分子量が理
論分子量の1.2〜1.4倍であるジシクロペンタジエンオリ
ゴマー(A)と、ビニル重合性単量体(B)とからなる
ことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、更には、この組
成物に不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂から選
択される1種以上の熱硬化性樹脂(C)を重量比で0.3
≦(A)+(C)/(A)+(B)+(C)≦0.59かつ
0.4≦(A)/(A)+(C)≦1.0の範囲内で含有する
ことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供するもので
ある。
(構 成) 本発明のジシクロペンタジエンオリゴマー(A)は、
ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸に水を滴下反応
して得られる反応生成物を更にグリコールとを反応して
得る。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、該オリゴマー(A)
にビニル重合性単量体(B)を重量比で0.3≦(A)/
(A)+(B)≦0.59の範囲内で含有していることが好
ましい。
該オリゴマー(A)は、理論的にはグリコールの両末
端にジシクロペンタジエン、無水マレイン酸、水による
反応生成物がエステル化反応により結合し、理論分子量
に達した時点で反応は完了すると考えられているが、本
発明者等は故意に副生反応を助長させることにより理論
分子量の1.2〜1.4倍とすることにより、この熱硬化性樹
脂組成物が、成形物とした時に優れた平面平滑性、寸法
安定性(低反り)、耐熱水性を示すことを見い出したも
のである。
該オリゴマー(A)の固形分(重量比、(A)/
(A)+(B))が0.3より小さいと平面平滑性、寸法
安定性が劣り、0.59より大きいと粘度が上昇し成形作業
性が劣るため不適当である。
本発明のジシクロペンタジエンオリゴマー(A)に使
用されるグリコールとしては、例えばプロピレングリコ
ール、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビ
スフェノールAのアルキレンオキサイド付加体等を挙げ
られる。これらを2種以上組み合わせて使用しても良
い。
本発明のジシクロペンタジエンオリゴマー(A)の分
子量測定法としては、日本分析工業(株)製ゲルパーミ
ュレイションクロマトグラフィーLC−08;カラムショー
デックスA−805,A−804,A−803,A−802(昭和電工製
品)を用い、サンプル0.4重量%をテトラヒドロフラン
に溶解して流し、ポリスチレン検量線にて分子量の換算
を行ない、平均分子量を求める方法である。
本発明の該オリゴマー(A)は、GPCによる分子量測
定法による平均分子量がその仕込原料の理論分子量の1.
2〜1.4倍のものである1.2倍より小さいと耐熱水性に劣
り、1.4倍より大きいと表面平滑性に劣るものとなる。
本発明に使用されるビニル重合性単量体(B)は、分
子内に1個以上の重合性二重結合を有するもので、特に
限定されるものではなく、通常不飽和ポリエステル樹脂
に使用される例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、トリ
アリルシアヌレート、アクリロニトリル、メタクリルニ
トリル、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等を挙げられる。
これらビニル重合性単量体(B)は、2種類以上組合
せて使用しても良い。
ジシクロペンタジエンオリゴマー(A)は、各々異な
ったグリコールを用いて得られる2種類以上を混合して
も良い。
又、本発明は、前記のジシクロペンタジエンオリゴマ
ー(A)と、ビニル重合性単量体(B)との組成物に一
般公知の不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、例えばポリエステルアクリレート、エポキシアクリ
レート等から選択される1種以上の熱硬化性樹脂(C)
を重量比で0.3≦(A)+(C)/(A)+(B)+
(C)≦0.59かつ0.4≦(A)/(A)+(C)≦1.0の
範囲内で含有させる。(A)+(A)/(C)が0.4よ
り小さいと成形物の表面平滑性、寸法安定性(低反り)
が劣るため不適当である。(A)+(C)/(A)+
(B)+(C)が0.3より小さいと表面平滑性、寸法安
定性が劣るし、0.59より大きいと粘度が上昇して成形作
業性が悪くなるので好ましくない。
本発明の(C)成分の不飽和ポリエステルとは、α,
ビニル重合性単量体(B)を含まないそのもの、又は含
んでなる不飽和ポリエステル樹脂である。
本発明で使用される不飽和ポリエステル樹脂として
は、α,β−不飽和二塩基酸またはその酸無水物と、芳
香族飽和二塩基酸またはその酸無水物と、グリコール類
の重重縮合によって製造され、場合によっては酸成分と
して脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸を併用して製造
された不飽和ポリエステル30〜80重量部好ましくは30〜
60重量部を、α,β−不飽和単量体70〜20、好ましくは
40〜70重量部に溶解して得られるものが挙げられる。
α,β−不飽和二塩基酸またはその酸無水物として
は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸およびこれらのエ
ステル等があり、芳香族飽和二塩基酸またはその酸無水
物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロ
ゲン化無水フタル酸およびこれらのエステル等があり、
脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸お
よびこれらのエステル等があり、それぞれ単独あるいは
併用して使用される。グリコール類としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−
ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、
水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネ
ート、2,2−ジ4−ヒドロキシプロポキシジフェニル
プロパン等が挙げられ、単独あるいは併用で使用され
るが、その他にエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド等の酸化物も同様に使用できる。またグリコール類
と酸成分の一部としてポリエチレンテレフタレート等の
重縮合物も使用できる。
不飽和ポリエステル又はビニルエステル樹脂は、好ま
しくは不飽和基当量100〜600のものである。不飽和基当
量が100より小さいものは合成できないし、600より大き
いものは成形材料として充分な強度を有するものが得ら
れない。
本発明のビニルエステル樹脂(C)は、α,β−不飽
和単量体を含むものであって、又は含まないものであっ
て良く、公知の方法により製造されるものであり、エポ
キシ樹脂とアクリル酸又はメタアクリル酸を成分として
得られるエポキシアクリレート、あるいは飽和ジカルボ
ン酸と不飽和ジカルボン酸又はどちらか一方のジカルボ
ン酸と多価アルコールを成分として得られる不飽和又は
飽和ポリエステルとα,β−不飽和カルボン酸エステル
基を含有するエポキシ化合物とを成分として得られる不
飽和ポリエステル・アクリレート、飽和ポリエステル・
アクリレートである。活性不飽和基を有していない飽和
ジカルボン酸としては、例えばオルソフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸等が挙げられる。活性不飽和基を有し
ている不飽和ジカルボン酸としては例えばフマル酸、マ
レイン酸、イタコン酸等が挙げられる。多価アルコール
としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、1,5−ペンタジオール、
1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ビスフェノールAのプ
ロピレンオキサイド付加物、ブスフェノールAのエチレ
ンオキサイドの付加物、グリセリン等が挙げられる。
エポキシ樹脂としてビスフェノールAジグリシジルエ
ーテルおよびその高分子量同族体、ノボラック型ポリグ
リシジルエーテル類が代表例として挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポ
キシ化合物としては、グリシジルメタアクリレートが代
表例として挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、必要により前記のα,β−
不飽和単量体、粘着剤、着色剤、強化剤、充填剤、硬化
触媒、硬化促進剤、硬化遅延剤等を添加しても良い。
増粘剤としては、不飽和ポリエステル、ビニルエステ
ル樹脂が有する水酸基、カルボキシル基やエステル結合
等と化学的に結合して線状または一部交叉結合を生じせ
しめて分子量を増大させ、不飽和ポリエステル樹脂を増
粘させる性質を有するもので、例えばトルエンジイソシ
アネートの如きジイソシアネート類、アルミニウムイソ
プロポキシド、チタンテトラブトキシの如き金属アルコ
キシド類、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ベ
リリウムの如き2価金属の酸化物、水酸化カルシウムの
如き2価金属の水酸化物を挙げることができる。増粘剤
の使用量は、樹脂固形分100重量部に対して通常0.2〜10
重量部、好ましくは0.5〜4重量部の割合である。そし
て必要ならば水の如き極性の強い物質を増粘助剤として
少量使用することができる。
着色剤としては、従来公知の有機および無機の染顔料
がいずれも使用できるが、なかでも耐熱性、透明性に優
れ、かつ不飽和ポリエステルおよびビニルエステル
(C)の硬化を著しく妨害することのないものが好まし
い。
本発明で使用される強化材として、一般にはガラス繊
維が挙げられるが、その他にビニロン、ポリエステル、
フォノール等の有機繊維、アスベスト、カーボンファイ
バーなども挙げられる。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム粉、クレ
ー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリ
カパウダー、ガラス粉、ガラスビース、マイカ、水酸化
アルミニウム・セルロース系、硅砂、川砂、寒水石、大
理石屑、砕石等が挙げられる。
硬化促進剤としては、金属化合物を必要に応じ添加す
るもので、かかる金属化合物としては、例えば、コバル
トナフトネート、コバルトオクトネート、2価のアセチ
ルアセトンコバルト、3価のアセチルアセトンコバル
ト、カリウムヘキソエート、ジルコニウムナフトネー
ト、ジルコニウムアセチルアセトナート、バナジウムナ
フトネート、バナジウムオクトネート、バナジウムアセ
チルアセトナート、バナジルアセチルアセトナート、リ
チウムアセチルアセトナート等不飽和ポリエステル樹脂
に一般に用いられる金属化合物促進剤が用いられ、これ
らを組合わせて使用しても良く、又、他の促進剤例えば
アミン系、含リン化合物、β−ジケトン類等公知の促進
剤と組合わせても良い。
かかる硬化促進剤の添加量はゲル化時間により適宜調
整されるが、好ましくは金属成分として0.0001〜0.12重
量部である。この硬化促進剤は中温以上での成形(40℃
以上)の場合、使用しなくても又使用しても良い。
硬化触媒としては、(A),(B),(C)成分に作
用するもので、例えばアゾイソブチロニトリルのような
アゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド等の有機過酸化物等を挙げること
ができ、樹脂固形分100重量部に対して、0.1〜4重量
部、好ましくは0.3〜3重量部の範囲で用いることがで
きる。
硬化遅延剤としては、例えば、ハイドロキノン、トル
ハイドロキノン、ターシャリーブチルカテコール、ナフ
テン酸銅等が挙げられ、樹脂固形分100重量部に対して
好ましくは0.0001〜0.1.重量部使用される。
本発明の組成物は、繊維強化材とともに積層成形用と
して用いることにより、優れた表面平滑性、寸法安定
性、耐熱水性のFRP成形品、例えば、浴槽、ユニットバ
ス、ボート、漁船、タンク、パネル、車両及び自動車部
品等に使用される。
(実施例) 以下に、実施例で本発明を詳細に説明するが、文中特
に断わりない限り、「部」、「%」は 参考例 (1) ジシクロペンタジエンルマレート(DM−1)の
合成 撹拌機、還流冷却塔、窒素ガス導入管、温度計、及び
滴下装置を備えた反応容器にジシクロペンタジエン1321
g、無水マレイン酸980gを仕込み、更に、水180gを115〜
130℃の温度で60分かけ滴下し、その温度で酸価220まで
反応させ反応生成物(DM−1と称す)を得た。
(2) ジシクロペンタジエンオリゴマー(UP−1)の
合成 攪拌機、還流冷却塔、窒素ガス導入管、温度計を備え
た反応容器にDM−1 2480g、ジエチレングリコール584g
を仕込み更にハイドロキノンを全仕込量に対して0.01部
仕込み210℃まで昇温し、その温度で酸価19まで反応
し、温度を下げてスチレンモノマー1236g、ターシャリ
ブチルカテコールを全仕込量に対して0.005部仕込みジ
シクロペンタジエンオリゴマーUP−1を得た。
ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−1のJIK−K−6
901に基づく測定法による揮発分は、30.2%であり、粘
度9.4ポイズ、酸価13.3であった。又、ジシクロペンタ
ジエンオリゴマーUP−1の理論分子量は570であり、GPC
で測定した分子量は760であった。
(3) ジシクロペンタジエンオリゴマー(UP−2)の
合成 実施例1と同様の反応容器にDM−1 2480gエチレング
リコール341gを仕込み、更にハイドロキノンを、全仕込
み量に対して0.01部仕込み210℃まで昇温しその温度で
酸価18まで反応し温度を下げスチレンモノマー1132g、
ターシャリブチルカテコールを全仕込み量に対して0.00
5部仕込みジシクロペンタジエンオリゴマーUP−2を得
た。
ジシクロペンタジエンオリゴマー−UP−2のJIS−K
−6901に基づく測定法による揮発分は、31.1%であり、
粘度8.6ポイズ、酸価12.6であった。
又、ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−2の理論分
子量は524であり、GPCで測定した平均分子量は655であ
った。
(4) ビニルエステル樹脂(VE−A)の合成 通常の方法に従って、エポキシ樹脂(商品エピクロン
850、大日本インキ化学工業社製)690g、メタアクリル
酸310g、ベンジルメチルアミン1.7g、ハイドロキノン0.
45gを仕込み酸価3まで反応し、温度を下げると共にス
チレンモノマー515gを仕込みエポキシアクリレートVE−
Aを得た。
エポキシアクリレートVE−AのJIS−K−6901に基づ
く測定法の揮発分は34.4%であり、粘度9.8ポイズであ
った。
(5) 不飽和ポリエステル樹脂(UP−3)の合成 通常の方法に従って、プリピングリコール160g、エチ
レングリコール62g、無水フタル酸296g、無水マレイン
酸98gを仕込み210℃まで昇温し、その温度で酸価25まで
反応し温度を下げると共にスチレンモノマー290g、ハイ
ドロキノンを全仕込量に対して0.005部、ターシャリブ
チルカテコールを全仕込量に対して、0.005部仕込み不
飽和ポリエステル樹脂を得た。
不飽和ポリエステル樹脂のJIS−K−6901に基づく測
定法の揮発分は34.0%であり、粘度12.6ポイズ、酸価1
6.5であった。
(6) 比較例の為のジシクロペンタジエンオリゴマー
(UP−4)の合成 前記(2)と同様の反応容器にDM−1 2480gエチレン
グリコール341gを仕込み、更にハイドロキノンを全仕込
み量に対して0.01部仕込み210℃まで昇温しその温度で
酸化25まで反応し温度を下げスチレンモノマー1132g、
ターシャリブチルカテコールを全仕込み量に対し0.005
部仕込みジシクロペンタジエンオリゴマーUP−4を得
た。
ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−4のJIS−K−6
901に基づく測定法による揮発分は、30.8%であり粘度
3.1ポイズ、酸価17.4であった。
又、ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−4の理論分
子量は524でありGPCで測定した平均分子量は498であっ
た。
(7) 比較例の為のジシクロペンタジエンオリゴマー
(UP−5)の合成 前記(2)と同様の反応容器にDM−1 2480g、エチレ
ングリコール341gを仕込み更にハイドロキノンを全仕込
み量に対して0.01部仕込み210℃まで昇温しその温度で
酸価15まで反応し温度を下げスチレンモノマー1132g、
ターシャリブチルカテコールを全仕込み量に対して0.00
5部仕込みジシクロペンタジエンオリゴマーCP−5を得
た。
該オリゴマーUP−5のJIS−K−6901に基づく測定法
による揮発分は、30.6%であり粘度13.5ポイズ、酸価1
0.0であった。
又、ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−5の理論分
子量は524でありGPCで測定した平均分子量は795であっ
た。
(熱硬化性樹脂組成物の調製) 実施例−1 ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−1 786g、スチレ
ンモノマー214g、SiO2(商品アエロジル#200、日本ア
エロジル社製)10g、6%ナフテン酸コバルト4gを配合
してこれを熱硬化性樹脂組成物A−1とした。
実施例−2 ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−2 786g、スチレ
ンモノマー214g、SiO2(商品アエロジル#200、日本ア
エロジル社製)10g、6%ナフテン酸コバルト4gを配合
してこれを熱硬化性樹脂組成物A−2とした。
実施例−3 ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−1 236g、ジシク
ロペンタジエンオリゴマーUP−2 550g、スチレンモノマ
ー214g、SiO2(商品アエロジル#200、日本アエロジル
社製)10g、6%ナフテン酸コバルト4gを配合して熱硬
化性樹脂組成物A−3とした。
実施例−4 ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−2 404g、ビニル
エステル樹脂VE−A404g、スチレンモノマー192g、SiO2
(商品アエロジル#200、日本アエロジル社製)10g、6
%ナフテン酸コバルト4gを配合して熱硬化性樹脂組成物
A−4とした。
実施例−5 ジシクロペンタジエンオリゴマーUP−2 559g、不飽和
ポリエステルUP−3 240g、スチレンモノマー210g、Si
O2(商品アエロジル#200、日本アエロジル社製)10g、
6%ナフテン酸コバルト4gを配合して熱硬化性樹脂組成
物A−5とした。
比較例−1 ビニルエステル樹脂VE−A830g、スチレンモノマー170
g、SiO2(商品アエロジルR−812、日本アエロジル社
製)10g、6%ナフテン酸コバルト4gを配合してこれを
B−1とした。
比較例−2 不飽和ポリエステルUP−3 830g、スチレンモノマー
170g、SiO2(商品アエロジル#200、日本アエロジル社
製)10g、6%ナフテン酸コバルト4gを配合してこれを
B−2とした。
〈液状樹脂の特性〉 比較例−3 UP−4 830g、スチレンモノマー170g、SiO2(商品ア
エロジル#200、日本アエロジル社製)10g、6%ナフテ
ン酸コバルト4gを配合して、これをB−3とした。
比較例−4 UP−5 830g、スチレンモノマー170g、SiO2(商品ア
エロジル#200、日本アエロジル社製)10g、6%Coナフ
テン酸コバルト4gを配合して、これをB−4とした。
〈組成物の特性〉 A−1〜A−5(実施例)、B−1〜B−4(比較
例)の液状樹脂組成物の特性を表−1に示した。
〈注型板の特性〉 55%MEKPO 1.0部を加え厚さ3mmの注型板を作成し、95
℃浸漬でクラックが入るまでの時間を耐熱水性としJIS
−K−7113による引張り特性を表−2に示した。
〈表面平滑性、表面安定性(反り)特性〉 1辺が35cmのL形状で長さ35cmのFRP型を用い離型剤
(商品ボンリース、KOSHIN CHEMICAL社製)を塗布した
後、ゲルコート(商品ポリライトGC−230+ポリトンJ
−107、大日本インキ化学工業社製)(100:10)に6%
ナフテン酸コバルト0.5部、55%MEKPO 1.0部を加え、ス
プレー塗布し50℃で30分硬化した。
次に450g/m2ガラスチョップストランドマット
(M)、570g/m2ガラスロービングクロス(R)を30×4
0cmに切断したものとA−1〜1−5(実施例)、B−
1〜B−2(比較例)を用いM+R+Mの構成でL型コ
ーナー部で重なり合うように一度に成形した。尚この時
の硬化剤は、5.5%MEKPO 1.0部用いた。常温で18時間放
置した後脱型しゲルコート面、コーナー部の凹凸(ガラ
スパターン)発生面積%、及びL型頂端辺中央部反り発
生距離の測定結果を表−3に示した。
(発明の効果) 本発明は、表面平滑性、寸法安定性(低反り)、耐熱
水性に優れる成形品を提供できるので、各種用途のFRP
製造用に使用できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 22/00 - 22/40 C08F 222/00 - 222/40 C08F 283/00 - 283/01 C08F 290/00 - 290/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸に
    水を滴下反応して得られる反応生成物を更にグリコール
    と反応して得られるGPCで測定した平均分子量が理論分
    子量の1.2〜1.4倍であるジシクロペンタジエンオリゴマ
    ー(A)と、 ビニル重合性単量体(B)と、 からなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1の熱硬化性樹脂組成物に不飽和ポ
    リエステル、ビニルエステル樹脂から選択される1種以
    上の熱硬化性樹脂(C)を重量比で 0.3≦(A)+(C)/(A)+(B)+(C)≦0.59
    かつ 0.4≦(A)/(A)+(C)≦1.0の範囲内で含有する
    ことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
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