JP2832529B2 - 成形物の製造法 - Google Patents

成形物の製造法

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JP2832529B2 JP63115526A JP11552688A JP2832529B2 JP 2832529 B2 JP2832529 B2 JP 2832529B2 JP 63115526 A JP63115526 A JP 63115526A JP 11552688 A JP11552688 A JP 11552688A JP 2832529 B2 JP2832529 B2 JP 2832529B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低粘度、速硬化性、非粘着性、非発泡性、成
形性に優れる樹脂組成物を用いたレジンインジェクショ
ン法による繊維強化高速性注入成形物の製造法に関す
る。
〔従来技術〕
繊維強化型熱硬化性プラスチック(以下FRPと略す)
の成形法の一つにレジンインジェクション法(以下R/I
成形法と略す)がある。この成形法は低圧、低温での成
形が可能であるため型代、プレス代等の設備投資を小さ
くできる特徴がある。従って大型成形品の成形法として
注目されている。しかし、成形性と生産性の点に問題が
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
即ち、これらの要求を満すためには繊維強化高速注入
成形法(以下R−RIM成形法と略す)による樹脂組成物
の高速注入性、速硬化性が不可欠である。しかし、従来
技術による不飽和ポリエステル樹脂組成物では粘度が高
く(5〜20ポイズ)、硬化時間が長いため(10〜40
分)、要望される生産性が得られないといった問題があ
った。更に、成形品の発泡性、即ち表面に泡が発生して
外観を悪化させたり、機械的強度の低下がみられる。一
方、作業性に於いては、型から流出した樹脂(通常バリ
と呼ばれる)の表面にいつまでも粘着性が残り、成形品
を汚染するなどの問題があった。
そこで、不飽和ポリエステル樹脂の改良及び新しい樹
脂組成物について研究が多くなされている。例えば、特
開昭55−43179号公報にみられるビニルエステルウレタ
ンや特開昭58−91719号公報にみられるOH/NCO各プレポ
リマーの二液型ビニルエステルウレタンがある。
これらの樹脂組成物は、生産性に於る1分/m2以下の
成形時間は可能である。しかし、前者の問題点はエステ
ル化反応工程、ウレタン化反応工程など反応操作工程が
多く全反応時間が長いこと。又イソシアネート成分を原
料に用いるためIR分析で確認できない程度の残存イソシ
アネートが貯蔵安定性を悪くするといった問題がある。
更に、後者では、二液型の為、成形時の硬化反応は、
ウレタン化反応とビニル単量体の架橋反応が同時に進行
するわけであるが、両者の反応速度を任意に制御してバ
ランスさせることが困難であること、又イソシアネート
と微量の水分が反応することにより二酸化炭素が発生し
発泡するといった問題がある。これらの現象は、成形加
工品に於て、気泡の為に外観不良となったり、機械的強
度の低下といった問題となる。又、型から流出した樹脂
の硬化性が悪く、いつまでも粘着性が残り作業性が悪い
といった問題があった。
〔課題を解決する為の手段〕
そこで、本発明者らは、前記のごとき問題のあるビニ
ルエステルウレタンを用いることなく、通常使用されて
いるウレタン結合を持たない不飽和ポリエステルアクリ
レート及びエポキシアクリレートについてR−RIM成形
法に用いられるか否か鋭意研究した結果、粘度が3ポイ
ズ以下、及びキュア硬化時間が3分以下である速硬化性
を有し、しかも非粘着性、非発泡性に優れる特定の樹脂
組成物を型内に強化材を充填して注入し、中低温で成形
することを特徴とする高生産性の成形物の製造法を完成
するに至った。
即ち、本発明は、(I)数平均分子量900〜2500の分
子量両末端に(メタ)アクリレート基を有するエポキシ
アクリレート及び/又は数平均分子量が1500〜3000であ
る分子両末端に(メタ)アクリレート基を有する不飽和
ポリエステルアクリレート50〜70重量%と(II)(メ
タ)アクリル酸メチルエステル単量体30〜50重量%とか
らなり、(III)25℃における粘度が3ポイズ以下であ
る組成物をあらかじめ強化材を充填した型内に注入し
て、80℃以下で成形することを特徴とする成形物の製造
法を提供するものである。
〔構成〕
本発明の分子両末端に(メタ)アクリレート基を有す
る不飽和ポリエステルアクリレートとは、飽和多塩基酸
又はその無水物、不飽和多塩基酸又はその無水物を含む
酸成分とアルコール成分とを当量比で2対1(酸成分過
剰)となるように反応して得られる不飽和ポリエステル
即ち、分子両末端にカルボキシル基を含有する不飽和ポ
リエステルに不飽和グリシジル化合物を付加反応せしめ
た不飽和ポリエステルアクリレートを指称するものであ
る。
このポリエステルを構成する一成分である不飽和グリ
シジル化合物としては、アクリル酸、メタアクリル酸の
不飽和一塩基酸のグリシジルエステル、例えばグリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の如きも
のを挙げることができる。尚、かかる不飽和グリシジル
化合物としてはグリシジルメタクリレートが好ましい。
二塩基酸成分としては例えばフタル酸、無水フタル
酸、テトラハイドロ無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、ジメチルテレフタル酸、モノクロルフタル
酸、ジクロルフタル酸、トリクロルフタル酸、ヘット
酸、テトラブロムフタル酸、セバチン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸等の飽和及び不飽和酸またはその無水物
あるいはエステル物を用いることができる。好ましく
は、イソフタル酸が良い。
尚、必要により併用し得る不飽和多塩基酸またはその
無水物としては、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メタコン酸、塩素化マレイン酸等の
如き公知慣用のα,β−不飽和多塩基酸またはその無水
物がある。
ポリエステルアクリレートのアルコール成分として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレ
ングリコール、オクチルグリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ハイドロ
キノンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールAのEO又はPO付加物、水添ビ
スフェノールA、トリシクロデカンジメチロール等の公
知慣用の多価アルコール製が挙げられる。特にビスフェ
ノール骨格を有する剛構造のグリコールが好ましい。
かかる不飽和ポリエステルアクリレートの数平均分子
量は、1500〜3000、好ましくは1800〜2800である。
分子量が1500よりも小さいと得られる成形物に粘着性
が生じたり、引張り強さ等物性が劣るものとなり、3000
よりも大きいと成形物の発泡性、及び成形時間が長くか
かり生産性の劣るものとなる。
本発明の分子両末端に(メタ)アクリレート基を有す
るエポキシアクリレートとは、ポリエポキシサイド(エ
ポキシ樹脂)とα,β不飽和一塩基酸とを当量比で1対
1となるように反応して得られるエポキシアクリレート
である。即ち、主鎖中間がポリエポキサイドで両末端が
(メタ)アクリレート基を有するものであるエポキシア
クリレートを指称するものである。
このポリエポキサイド(エポキシ樹脂)として代表的
なものを挙げれば、多価フェノール類と(メチル)エピ
クロルヒドリンとの縮合物などであるが、多価フェノー
ル類としてはビスフェノールA、2,2′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン(通称ビスフェノールF)、
ハロゲン化ビスフェノールA、レゾルシノール、テトラ
ヒドロキシフェニルエタン、フェノールノボラック、ク
レゾールノボラック、ビスフェノールA型ノボラックも
しくはビスフェノールF型ノボラックなどが挙げられ
る。またエチレングリコール、ブタンジオール、グリセ
リン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物
などのポリオール類と(メチル)エピクロルヒドリンと
から得られるアルコールエーテル型のエポキシ化合物;
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニルスルホ
ン、p−アミノフェノールなどのアニリン類と(メチ
ル)エピクロルヒドリンとから得られるグリシジルアミ
ン;無水フタル酸、テトラヒドロもしくはヘキサヒドロ
無水フタル酸などの酸無水物をベースとした各種グリシ
ジルエステル類;さらには3,4−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル、3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキシルカーボネートなどの脂環式エポキシド類な
どがある。好ましくはビスフェノール骨格を有するもの
が良い。
又、α,β不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メ
タクリル酸などが代表的なものである。
尚かかるエポキシアクリレートの数平均分子量は、90
0〜2500好ましくは1300〜2200である。
本発明に於けるポリエステルアクリレート及び/又は
エポキシアクリレート(I)と(メタ)アクリル酸メチ
ルエステル単量体(II)との配合割合は、(I):(I
I)=50〜70重量%:50〜30重量%、好ましくは55〜60重
量%:40〜45重量%である。該(I)が50重量%より少
ないと硬化性が悪くなり型から流出した樹脂の表面がい
つまでも粘着性が残るものであり、70重量%より多いと
粘度が高くなり成形時間が長くなったり、架橋密度が十
分に高くならないため引張強さ等の物性が劣るものであ
る。
本発明で(メタ)アクリル酸メチルエステル単量体
(II)を用いることは、速硬化性(成形時間3分程度と
すること)を得る上で特に重要である。しかしながら、
本発明の効果を損わない程度に他のビニルモノマー(例
えばスチレンモノマーなど)の少量を併用することを妨
げるものではない。
本発明の不飽和ポリエステルアクリレート及び/又は
エポキシアクリレートの(メタ)アクリレート基含有量
は、好ましくは8〜36重量%、特に10〜35重量%であ
る。
特に不飽和ポリエステルアクリレートの(メタ)アク
リレート基含有量は好ましくは8〜21重量%、特に10〜
21重量%であり、エポキシアクリレートの(メタ)アク
リレート基含有量は、好ましくは11〜36重量%、特に15
〜35重量%である。
本発明の樹脂組成物には、必要により増粘剤、着色
剤、強化材、充填剤、硬化触媒、硬化促進剤、硬化遅延
剤、内部離型剤、低収縮化剤等を添加しても良い。
増粘剤としては、樹脂が有する水酸基、カルボキシル
基やエステル結合等と化学的に結合して線状または一部
交叉結合を生じせしめて分子量を増大させ、不飽和ポリ
エステル樹脂を増粘させる性質を有するもので、例えば
トルエンジイソシアネートの如きジイソシアネート類、
アルミニウムイソプロポキシド、チタンテトラブトキシ
の如き金属アルコキシド類、酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウム、酸化ベリリウムの如き2価金属の酸化物、水
酸化カルシウムの如き2価金属の水酸化物等を挙げるこ
とができる。増粘剤の使用量は、不飽和ポリエステルア
クリレート及び/又はエポキシアクリレート100重量部
に対して通常0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜4重量部
の割合である。そして必要ならば水の如き極性の強い物
質を増粘助剤として少量使用することができる。
着色剤としては、従来公知の有機および無機の洗顔料
がいずれも使用できるが、なかでも耐熱性、透明性に優
れ、かつ不飽和ポリエステルアクリレートおよびエポキ
シアクリレートの硬化を著しく妨害することのないもの
が好ましい。
本発明で使用される強化材としては、一般にはガラス
繊維が挙げられるが、その他にビニロン、ポリエステ
ル、フェノール、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリフ
ェニレンスルフィド等の有機繊維、アスベスト、カーボ
ンファイバー、金属繊維、セラミック繊維等の無機繊維
なども挙げられるが、その形状は、編織物、不織布であ
る。
更に、強化材としては、繊維に限ることなく、ポリウ
レタンフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォ
ーム、ポリエチレンフォーム等のプラスチック発泡体;
ガラス、セラミック等の中空体硬化物、金属、セラミッ
ク、プラスチック、コンクリート、木材、紙等の固形
物、成形物、又はハニカム状構造体などが挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム粉、クレー、アルミ
ナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダ
ー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニ
ウム、セルロース糸、硅砂、川砂、寒水石、大理石屑、
砕石など公知のものが挙げられ、なかでも硬化時半透明
性を与えるのでガラス粉、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウムなどが好ましい。
硬化促進剤としては、金属化合物を必要に応じ添加す
るもので、かかる金属化合物としては、例えば、コバル
トナフトネート、コバルトオクトネート、2価のアセチ
ルアセトンコバルト、3価のアセチルアセトンコバル
ト、カリウムヘキソエート、ジルコニウムナフトネー
ト、ジルコニウムアセチルアセトナート、バナジウムナ
フトネート、バナジウムオクトネート、バナジウムアセ
チルアセトナート、バナジルアセチルアセトナート、リ
チュームアセチルアセトナート等不飽和ポリエステル樹
脂に一般に用いられる金属化合物促進剤が用いられ、こ
れらを組合わせて使用しても良く、又、他の促進剤例え
ばアミン系、含リン化合物、β−ジケトン類等公知の促
進剤と組合わせても良い。
かかる硬化促進剤の添加量はゲル化時間により適宜調
整されるが、好ましくは金属成分として0.0001〜0.5重
量部である。この硬化促進剤は中温以上での成形(40℃
以上)の場合、使用しなくても又使用しても良い。
硬化触媒としては、不飽和ポリエステルアクリレー
ト、又はエポキシアクリレートで作用するもので、例え
ばアゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、ターシ
ャリーブチルパーベンゾエート、ターシャリーパーオク
トエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、アセト酢酸エステルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等を挙げ
ることができ、不飽和ポリエステルアクリレート又はエ
ポキシアクリレート100重量部に対して、0.1〜4重量
部、好ましくは0.3〜3重量部の範囲で用いることがで
きる。
好ましくは、アセト酢酸エステルパーオキサイド−ナ
フテン酸コバルト、ベンゾイルパーオキサイド−ジメチ
ルパラトルイジン等のレドックス系硬化剤である。
硬化遅延剤としては、例えば、ハイドロキノン、トル
ハイドロキノン、ターシャリーブチルカテコール、ナフ
テン酸銅等が挙げられ、樹脂組成物100重量部に対して
好ましくは0.0001〜0.1重量部使用される。
内部離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜
鉛等の如き高級脂肪酸や高級脂肪酸エステル、アルキル
リン酸エステル等の従来公知のものを挙げることがで
き、不飽和ポリエステルアクリレート及び/又はエポキ
シアクリレート100重量部に対して通常0.5〜5重量部の
割合で用いることができる。
低収縮化剤としては、熱可塑性樹脂で、具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアク
リレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の低級アル
キルエステル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルな
どの単量体の単独重合体又は共重合体類、前記ビニル単
量体の少なくとも1種と、ラウリルメタクリレート、イ
ソビニルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリル
アミド、ヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリ
レート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リル酸、メタクリル酸、セチルステアリルメタクリレー
トよりなる単量体の少なくとも1種の共重合体などの
他、セルロースアセテートブチレート及びセルロースア
セテートプロピオネート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、飽和ポリエステル等を挙げることができる。これら
は、本発明の効果を損わないものを必要により、用途に
より添加すればよい。
本発明で使用する組成物は、25℃で3ポイズ以下の粘
度である。しかしながら、必ずしも常温で3ポイズ以下
である必要はなく、型への注入(又は射出)する時、加
熱等の手段により粘度が3ポイズ以下にでき、本発明の
効果を達成できる組成物であればよい。この粘度は、R
−RIM成形機に注入(又は射出)する場合、非常に注入
(又は射出)が行ないやすいことによるものである。3
ポイズよりも粘度が大きいと注入(又は射出)工程に時
間を要し、生産性が悪くなる。
本発明の成形物の製造法は、前記した組成物を2つに
分け、一方に硬化剤(過酸化物)を添加し(A成分)、
他方に促進剤を添加し(A′成分)、このAA′の二成分
を各々別々のライン中で高圧(注入型)、好ましくは10
〜200kg/cm2、特に好ましくは、80〜150kg/cm2で循環さ
せながら、短時間好ましくは0.1〜30秒、特に好ましく
は0.5〜20秒で注入し(射出)を強化材の充填された型
温度好ましくは10〜80℃、特に40〜70℃、型圧力好まし
くは5〜100kg/cm2、特に20〜50kg/cm2である型中へ行
なうものである。
本発明では、80℃以下の成形温度(型温度)で成形さ
れるが、80℃より高い温度で成形すると(メタ)アクリ
ル酸メチルエステルモノマーが気化しやすくなる為に成
形物中に気泡又は表面にボイドを生じやすく、クラック
発生の原因となり好ましくない。
又、本発明では、型内に強化材を充填してから型締め
をし、組成物を注入(又は射出)して成形するが、これ
は組成物中に強化財を入れて注入(又は射出)すると強
化材が流動しやすい為に機械的強度分布が不均一になり
やすく不良成形物しか得られないためである。本発明で
はこうした問題がないために機械的強度の高い均一な成
形物が得られるものである。
尚、本発明で規定する数平均分子量は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)の次の測定条件で
測定した時の値を指称するものである。
GPC:日本分析工業(株)製 LC−08型 カラム:SHODEX A−804+A−803+A−802+A−801 (昭和電工製) 溶 媒:THF 検量線作成標準試料:ポリスチレン(トーソー製品) 検出機:指差屈折計(日本分析工業(株)製) 本発明は各種の過酸化物が加えられた形で加熱硬化せ
しめることもできるし、各種の光増感剤が加えられた形
で紫外線を始めとする活性光線により硬化せしめること
も可能で、その硬化成形物は、泡の極めて少ない機械的
強度の優れたものである。
〔効果〕
本発明の成形物の製造法は、速硬化性で、かつ硬化し
た成形品が非粘着性、非発泡性であり、成形性、生産性
に優れたものである。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明す
る。尚、「部」は重量部を示す。
参考例−1〔ポリエステルアクリレート(PEA−1)の
調製〕 イソフタル酸166g(1モル)及び1−2プロピレング
リコール152g(2モル)を不活性ガス気流中220℃で10
時間加熱脱水縮合させて固形分の酸価が5なるものを得
た。これを100℃迄冷却した。次に、無水マレイン酸196
g(2モル)を仕込み200℃で5時間加熱脱水縮合させて
固形分酸価254なるものを得た。これにハイドロキノン
0.15g添加して、140℃迄冷却した。次にグリシジルメタ
クリレート284g(2モル)を仕込み140℃で10時間反応
して固形分酸価10のものを得た。この固形分をメタクリ
ル酸メチルエステル単量体508gに溶解して不揮発分60.5
%、粘度25℃で0.5ポイズ、酸価6.1及び固形分中のアク
リル性二重結合含有率6.3%のポリエステルアクリレー
ト1270gを得た。
参考例−2〔スチレン型ポリエステルアクリレート(PE
A−2)の調製〕 参考例−1と同様な固形分酸価10のものをスチレン単
量体に溶解して不揮発分60%、粘度、10ポイズ、酸価6.
2及び固形分中のアクリル性二重結合含有率6.3%のスチ
レン型ポリエステルアクリレートを得た。
参考例−3〔ポリエステルアクリレート(PEA−3)の
調製〕 イソフタル酸166g(1モル)及び1−2プロピレング
リコール76g(1モル)ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド2モル付加物324g(1モル)を不活性ガス気流
中220℃で15時間加熱脱水縮合させて固形分の酸価が5
なるものを得た。これを100℃迄冷却した。次に無水マ
レイン酸196g(2モル)を仕込み200℃で6時間反応し
固形分酸価163なるものを得た。これにハイドロキノン
0.2g添加して140℃迄冷却した。次にグリシジルメタク
リレート284g(2モル)を仕込み140℃で10時間反応し
た結果、固形分酸価8のものを得た。この固形分をメタ
クリル酸メチルエステル単量体683gに溶解して不揮発分
61%、粘度25℃で2ポイズ、酸価5.8、及び固形分中の
アクリル性二重結合含有率4.8%のポリエステルアクリ
レート1683gを得た。
参考例−4〔ポリエステルアクリレート(PEA−4)の
調製〕 イソフタル酸166g(1モル)と1−2プロピレングリ
コール76g(1モル)とビスフェノールAのエチレンオ
キサイド2モル付加物324g(1モル)を不活性ガス気流
中220℃で15時間加熱脱水縮合させて固形分酸価4なる
ものを得た。これを100℃迄冷却した。次に無水マレイ
ン酸147g(1.5モル)仕込み200℃で6時間加熱脱水縮合
させて固形分酸価85のものを得た。これにハイドロキノ
ンを0.16g添加して140℃迄冷却した。次にグリシジルメ
タクリレート142g(1モル)を仕込み140℃で10時間反
応して固形分酸価8のものを得た。この固形分をメタク
リル酸メチルエステル単量体546gに溶解して不揮発分6
1.5%、粘度25℃で4ポイズ、酸価4.9、及び、固形分中
のアクリル性二重結合含有率2.9%のポリエステルアク
リレート1365gを得た。
参考例−5〔ポリエステルアクリレート(PEA−5)の
調製〕 イソフタル酸133g(0.8モル)、1−2プロピレング
リコール76g(1モル)及びビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド2モル付加物324g(1モル)を不活性ガス
気流中220℃で9時間加熱脱水縮合させて固形分酸価3
なるものを得た。これを100℃迄冷却した。次に無水マ
レイン酸147g(1.5モル)を仕込み200℃で6時間加熱脱
水縮合させて固形分酸価37なるものを得た。これにハイ
ドロキノンを0.16g添加して140℃迄冷却した。次にグリ
シジルメタクリレート85g(0.6モル)を仕込み140℃で
6時間反応して固形分酸価10のものを得た。この固形分
をメタクリル酸メチルエステル単量体456gに溶解して不
揮発分60.2%、酸価6、粘度25℃で20ポイズ、及び、固
形分中のアクリル性二重結合含有率2.0%のポリエステ
ルアクリレート1088gを得た。
参考例−6〔エポキシアクリレート(VE−1)の調製〕 温度計、撹拌機および冷却器を具備した三ツ口フラス
コに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応
により得られたエポキシ当量が185なる「エピクロン85
0」〔大日本インキ化学工業(株)製のエポキシ樹脂〕
の1850g(エポキシ基10個相当分)、メタクリル酸の860
g(カルボキシル基10個相当分)、ハイドロキノンの1.3
6gおよびトリエチルアミンの10.8gを仕込んで120℃まで
昇温させ、同温度で10時間反応を続けた処、酸価が3.5
で、エポキシ当量が15000以上で、かつ色数が2なるエ
ポキシアクリレート(I)の溶液が得られた。この固形
分をメタクリル酸メチルエステル単量体1800gに溶解し
て不揮発分60%、酸価2、粘度25℃で2ポイズ及び固形
分中のアクリル性二重結合含有率が8.9%のビニルエス
テル4500gを得た。
参考例−7〔エポキシアクリレート(VE−2)の調製〕 参考例6と同様の反応容器に、多価アルコールとエピ
クロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量が
130なる「エピクロン725」(同上社製品)の1300g(エ
ポキシ基10個相当分)、メタクリル酸の860g(カルボキ
シル基10個相当分)、ハイドロキノンの1.34gおよびト
リエチルアミンの10.7gを仕込んで110℃で8時間反応せ
しめて酸価が5なるエポキシアクリレート2160gを得
た。
この樹脂をメタクリル酸メチルエステル単量体1440g
に溶解して不揮発分61.2%、酸価3、粘度0.5ポイズ及
び固形分中のアクリル性二重結合含有率が11%のエポキ
シアクリレート3600gを得た。
参考例−8〔スチレン型エポキシアクリレート(VE−
3)の調製〕 参考例−6と同様な固形分をスチレン単量体に溶解し
て不揮発分59.8%、粘度25℃で10ポイズ、及び固形分中
のアクリル性二重結合含有率が8.9%のスチレン型エポ
キシアクリレートを得た。
参考例−9〔エポキシアクリレート(VE−4)の調製〕 参考例−6と同様の反応容器に、多価アルコールとエ
ピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量
が740なる「エピクロン 3050」(同上社製品)の7400g
(エポキシ基10個相当分)、メタクリル酸の860g(カル
ボキシル基10個相当分)、ハイドロキノン5.1gおよびト
リエチルアミン41.3gを仕込んで140℃で12時間反応せし
めて酸価5.3なるエポキシアクリレート8260gを得た。
この樹脂をメタクリル酸メチルエステル単量体5507g
に溶解して、不揮発分60.5%、酸価3.2、粘度20ポイズ
及び固形分中のアクリル性二重結合含有率が2.9%のエ
ポキシアクリレート13700gを得た。
参考例1〜9で得られた樹脂組成物の各種の特性をま
とめて第1表に示す。
実施例−1〜5,比較例−1〜13 実施例−1として参考例−3で得られた樹脂PEA−3
100重量部を50重量部ずつ2つに分け、第2表に示す
様一方に50%ベンゾイルパーオキサイド3重量部を添加
し、他方にジメチルパラトルイジン0.3重量分を添加し
た各々の樹脂液を四ミキシングヘッド型RIM注入機中150
kg/cm2の圧力で循環させ、事前にガラス含有率50重量%
となる様に調製したプリフォーミングマットを型温度50
℃のアルミ製型に充填し、20kg/cm2の圧で型締めした型
中へ該樹脂液を注入し(射出)して、成形物を得た。得
られた成形物の物性を同表に示した。又、実施例2〜5
および比較例1〜11の場合も実施例−1と同様の方法に
より行った。尚、各種性能の測定は下記する如き方法に
よったものである。
硬化性:キュラストメータII型(日本合成ゴム(株)
製)による40℃に於けるトルク−時間曲線より求めた。
粘 度:定常流粘性計at25℃(岩本製作所製レオメー
タ、IR−200) 注入時間及び成形試験:50×100×0.3cmのアルミ製型
にガラス含有率が50%になるように調製したプリフォー
ミングマットをチャージした後、20kg/cm2で型締めし
た。この型内にKRAUSS−MAFFEI社製4MIXING−HEAD型RIM
注入機により注入圧力150kg/cm2で注入した。その際、
注入開始から反対側のクリアランスから注入樹脂液が流
れ出た時間迄を注入時間として示した。
発泡性・粘着性:目視によった 物 性:JIS−K−6911 第2表から明らかな如く、本願発明の数平均分子量を
はずれた不飽和ポリエステルアクリレート又はエポキシ
アクリレートを用いた比較例−1,−3,−4,−6は、速硬
化性、成形性、発泡性、粘着性、引張り強さ等の物性に
劣るものであった。メタクリル酸メチルエステル単量体
でなく、スチレンモノマーを用いた比較例−2,−5は、
速硬化性、粘着性、物性の劣るものであった。又、本発
明の組成範囲をはずれる比較例−9,−10も又速硬化性、
物性等の点で劣るものであった。一方、本発明の成形物
の製造法では、いずれも速硬化性、非粘着性、非発泡
性、高速成形性に優れたものであった。
注)6%ナフテン酸コバルト:0.1(部) ジブチル錫ジラウレート:0.1 ターシャリブチルパーベンゾエート:2.6 ジフェニルメタンジイソシアネート:51.1

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)数平均分子量900〜2500の分子量両
    末端に(メタ)アクリレート基を有するエポキシアクリ
    レート及び/又は 数平均分子量が1500〜3000である分子両末端に(メタ)
    アクリレート基を有する不飽和ポリエステルアクリレー
    ト 50〜70重量%と (II)(メタ)アクリレート酸メチルエステル単量体 30〜50重量%とからなり、 (III)25℃における粘度が3ポイズ以下である組成物
    を あらかじめ強化材を充填した型内に注入して、80℃以下
    で成形することを特徴とする成形物の製造法。
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