JP2906467B2 - 成形物及びその成形物の高速製造方法 - Google Patents

成形物及びその成形物の高速製造方法

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JP2906467B2 JP20757989A JP20757989A JP2906467B2 JP 2906467 B2 JP2906467 B2 JP 2906467B2 JP 20757989 A JP20757989 A JP 20757989A JP 20757989 A JP20757989 A JP 20757989A JP 2906467 B2 JP2906467 B2 JP 2906467B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は(1)ガラス繊維パターンのない表面外観に
優れかつ物性に優れた成形物に関するものであり、
(2)さらには、その成形物の生産性が優れる高速製造
方法に関する。
〔従来技術〕
繊維強化型熱硬化性プラスチックの成形法の一つであ
るレジンインジェクション法(以下、R/Iと略す)は、
低圧、低温での成形が可能であるため型式、プレス代等
の設備投資を小さくできる特徴がある。しかし、成形物
の外観と、生産性の点に問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
即ち、これらの要求を満たすためには、ガラス繊維パ
ターンのない成形物であり、さらには、その成形物の注
入時間がゲルコート層を含めて15分以内で成形できる高
速製造方法が要求される。
しかし、従来技術によるR/I成形では、ガラス繊維パ
ターンのない成形物を得るためには、例えば、不飽和ポ
リエステルの不飽和単量体溶液にポリ酢酸ビニルや、ポ
リスチレン等の熱可塑性樹脂をブレンドするいわゆる低
収縮化剤を用いている。しかし、この手法でガラス繊維
パターンを防止すれば、硬化時間が極端に延びたり、成
形物の熱間の機械的強度が低下するなど生産性、物性の
低下の点でしばしば問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは(1)ガラス繊維パターンのない
美麗な成形物(2)さらには、その成形物をゲルコート
を含めて15分以内で成形可能な高速製造方法を鋭意研究
した結果、(1)ゲルコート層と新規なコンパウンド層
とからなる成形物、(2)さらには、それらの成形物が
1個、又は複数個採ることのできるスプルー、ランナ
ー、及びゲート構造を有する凸型/凹型を用いることに
より、目的とする(1)ガラス繊維パターンのない美麗
な成形物(2)さらには、その成形物を高速成形可能な
製造方法を完成させるにいたった。即ち、本発明は、
(A)a.ビニルエステル樹脂、又はビニルエステル樹脂
と不飽和ポリエステル :40〜80重量部 b.(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と スチレン単量体 :60〜20重量部 c.繊維長0.4〜10mmの繊維強化材 :2〜50重量部 d.充填剤 :10〜200重量部 e.硬化剤 :0.5〜10重量部 f.硬化促進剤 :0.01〜5重量部 からなるコンパウンドで、e.硬化剤のみでf.硬化促進剤
を含まないコンパウンドとf.硬化促進剤のみでe.硬化剤
を含まないコンパウンドとを型内に注入して、(B)ゲ
ルコート層の下にコンパウンド層を設けたことを特徴と
する成形物、及び型が成形物を1個、又は複数個採るこ
とのできるスプルー、ランナー、及びゲート構造を有す
る凸型/凹型であることを特徴とする請求項1の成形物
の高速製造方法を提供するものである。
〔構成〕
本発明に用いられるビニルエステル樹脂は、エボキシ
樹脂と(メタ)アクリル酸の付加反応から得られるエポ
キシアクリレート、又は多価アルコール、多塩基酸の縮
合物で分子末端にカルボキシル基を有するポリエステル
とグリシジル(メタ)アクリレートの付加反応から得ら
れるポリエステルアクリレートで、(メタ)アクリロイ
ル基当量 が215〜860のものが好ましい。更に好ましくは、(メ
タ)アクリロイル基当量が270〜630である。
(メタ)アクリロイル基当量が215よりも小さいと、
えられる成形物に粘着性等が生じたり、引っ張り強さ等
が劣るものとなり、860よりも大きいと硬化性が悪くな
り成形時間が長くかかり生産性の劣るものとなる。
本発明のビニルエステル樹脂とは、具体例としてはエ
ポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートを指称
するものであり、好ましくはエポキシアクリレートであ
る。そのエポキシアクリレートとは、ポリエポキサイド
(エポキシ樹脂)とα,β不飽和一塩基酸とをポリエポ
キシサイドのエポキシ基1化学当量に対して、不飽和一
塩基酸のカルボキシル基が0.8〜1.1となる比率で反応し
て得られるエポキシアクリレートである。
このポリエポキサイド(エポキシ樹脂)として、代表
的なものをあげれば、多価フェノール類と(メチル)エ
ピクロルヒドリンとの縮合物などであるが、多価フェノ
ール類としてはビスフェノールA、2,2′−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン(通称ビスフェノール
F)、ハロゲン化ビニルフェノールA、レゾルシノー
ル、テトラヒドロキシフェニルエタン、フェノールノボ
ラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA型ノ
ボラックもしくはビスフェノールF型ノボラックなどが
挙げられる。またエチレングリコール、ブタンジオー
ル、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシ
ド付加物などのポリオール類と(メチル)エピクロルヒ
ドリンとから得られるアルコールエーテル型のエポキシ
化合物:ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニル
スルホン、p−アミノフェノールなどのアニリン類と
(メチル)エピクロルヒドリンとから得られるグリシジ
ルアミン;無水フタル酸、テトラヒドロもしくはヘキサ
ヒドロ無水フタル酸などの酸無水物をベースとした各種
グリシジルエステル類;さらには3,4−エポキシ−6−
メチルシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルカーボネートなどの脂環式エポキシ
ド類などがある。好ましくはビスフェノール骨格を有す
るものが良い。
又、α,β不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メ
タアクリル酸などが代表的なものである。
本発明の分子末端に(メタ)アクリレート基を有する
不飽和ポリエステルアクリレートとは、飽和多塩基酸又
はその無水物、必要により不飽和多塩基酸又はその無水
物を含む酸成分とアルコール成分とを当量比で2対1と
なるように反応して得られる不飽和ポリエステル即ち、
分子両末端にカルボキシル基を含有する不飽和ポリエス
テルに不飽和グリシジル化合物を付加反応せしめた不飽
和ポリエステルアクリレートを指称するものである。
このポリエステルを構成する一成分である不飽和グル
シジル化合物としては、アクリル酸、メタアクリル酸の
不飽和一塩基酸のグリシジルエステル、例えばグリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の如き公
知慣用のものを挙げることができる。尚、かかる不飽和
グリシジル化合物としてはグリシジルメタクリレートが
好ましい。
二塩基酸成分としては例えばフタル酸、無水フタル
酸、テトラハイドロ無水フタル酸、シス−3−メチル−
4−シクロヘキセン−シス、シス−1,2−ジカルボン酸
無水物、イソフタル酸、テレフタルIII、ジメチルテレ
フタル酸、モノクロルフタル酸、ジクロルフタル酸、ト
リクロルフタル酸、ヘット酸、テトラブロムフタル酸、
セバチン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメ
リン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の公知慣用
の飽和酸またはその無水物あるいはエステル物を用いる
ことができる。好ましくは、イソフタル酸が良い。
尚、必要により併用し得る不飽和多塩基酸またはその
無水物としては、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メタコン酸、塩素化マレイン酸等の
如き公知慣用のα,β−不飽和多塩基酸またはその無水
物がある。
ポリエステルアクリレートのアルコール成分として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレ
ングリコール、オクチルグリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ハイドロ
キノンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールAのEO又PO付加物、水添ビス
フェノールA、トリシクロデカンジメチロール等の公知
慣用の多価アルコール類が挙げられる。特にビスフェノ
ール骨格を有する剛構造のグリコールが好ましい。
本発明の不飽和ポリエステルとは、α,β不飽和結合
当量が156〜400あり、必要により飽和多塩基酸を含む酸
成分と多価アルコール成分とを当量比で、1対1となる
ように反応して得られる不飽和ポリエステルを指称する
ものである。α,β不飽和結合当量が400より大きいと
硬化性に劣るし、156より小さいと耐クラック性が劣る
ものとなる。この不飽和ポリエステルを構成する不飽和
二塩基酸成分としては、例えばマレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、シトラコン酸、メタコン酸、塩素化マ
レイン酸等の如き公知慣用のα,β−不飽和二塩基酸ま
たはその無水物がある。
尚、かかる不飽和二塩基酸としては、マレイン酸無水
物が好ましい。
又、必要により併用し得る飽和多塩基酸成分として
は、例えばフタル酸、無水フタル酸、テトラハイドロ無
水フタル酸、シス−3−メチル−4−シクロヘキセン−
シス、シス−1,2−ジカルボン酸無水物、イソフタル
酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、モノクロル
フタル酸、ジクロルフタル酸、トリクロルフタル酸、ヘ
ット酸、テトラブロムフタル酸、セバチン酸、コハク
酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸等の公知慣用の飽和酸またはその
無水物あるいはエステル物を用いることができる。
不飽和ポリエステルのアルコール成分としては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレン
グリコール、オクチルグリコール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ハイドロキ
ノンのエチレンオキサイド(EOと称す)またはプロピレ
ンオキサイド(POと称す)付加物、ビスフェノールAの
EO又はPO付加物、水添ビスフェノールA、トリシクロデ
カンジメチロール等の公知慣用の多価アルコール類が挙
げられる。特にプロピレングリコールが好ましい。
本発明におけるビニルエステル樹脂(イ)と不飽和ポ
リエステル(ロ)を混合して用いる時、その混合重量比
率は、(イ):(ロ)=100:0〜10:90である。好ましく
は(イ):(ロ)=100:0〜20:80である。
不飽和ポリエステル(ロ)が90重量部より多いと硬化
性が悪くなるといった問題がある。
本発明に於ける樹脂(A)(a)は、ビニルエステル
樹脂、又はビニルエステル樹脂と不飽和ポリエステル
は、40〜80重量部、好ましくは50〜70重量部であり、40
重量部より少ないと硬化性が悪くなり型から流出した樹
脂の表面がいつまでも粘着性が残るものである、80重量
部より多いと粘度が高くなり成形時間が長くなったり、
架橋密度が十分に高くならず引っ張り強さ等の物性が劣
るものである。
本発明の於ける(メタ)アクリル酸アルキルエステル
単量体(b)としては、例えば(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2
エチルヘキシル等の各単量体が挙げられる。特に好まし
くは、低粘度及び速硬化性の点で(メタ)アクリル酸メ
チルエステル単量体である。
本発明では(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量
体、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と
スチレン単量体の混合系単量体の20〜60重量部に、前記
ビニルエステル樹脂、又はビニルエステル樹脂と不飽和
ポリエステルを溶解して用い、好ましくは30〜50重量部
用いる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体
(X)とスチレン単量体(Y)とを混合した単量体は、
好ましくは(X):(Y)=90:10〜30:70(重量比)で
用いる。
本発明に用いられる繊維強化材(c)としては、一般
的にはガラス繊維が挙げられるがその他ビニロン、ポリ
エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド等の有機繊維ア
スベスト繊維、カーボン繊維、金属繊維、セラミック繊
維等の無機繊維も挙げられる。
本発明に於ける繊維強化材(c)は、繊維長が0.4〜1
0mmの短繊維で、好ましくは0.5〜8mmである。繊維長が
0.4mmより短くなると成形物の機械的強度が低いものと
なり、10mmより長くなるとコンパウンドの流動特性が悪
くなり注入機から型へ注入できなくなる。
本発明に用いられる充填材は、例えば、炭酸カルシウ
ム、クレー、タルク、シリカ、マイカ、水酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム、ガラスパウダー、等が挙げられ、
好ましくは、流動性、コスト面で炭酸カルシウムであ
る。
本発明に於ける充填剤の使用量は、10〜200重量部で
あり、好ましくは50〜150重量部である。10重量部より
少ないとガラスパターンが目立ち、200重量部より多く
なると粘度が高くなり、コンパウンドを型に注入するた
めに時間がかかり生産性を悪くする。
本発明に用いられる硬化剤(e)は、ビニルエステル
樹脂、又は不飽和ポリエステル、及び(メタ)アクリル
酸アルキルエステル単量体及びスチレン単量体に作用す
るもので、例えばアゾビスイソブチロニトリルのような
アゾ化合物ターシャリーブチルパーベンゾエート、ター
チャリーブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセト酢
酸エステルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等
の有機過酸化物を挙げることができる。好ましくは、ベ
ンゾイルパーオキサイドとアセト酢酸パーオキサイドで
ある。硬化剤(e)の使用量は0.5〜10重量部であり、
好ましくは1〜8重量部である。0.5重量部より少なく
なると十分な硬化が得られず、10重量部より多くなると
コンパウンドが型内へ完全に注入する前に硬化して、成
形物が得られない。
本発明に用いられる硬化促進剤は、金属化合物あるい
は三級アミンで、かかる金属化合物としては、例えばコ
バルトナフテネート、コバルトオクトエート、二価又は
三価のアセチルアセトンコバルト、カリウムヘキソエー
ト等又、かかる三級アミンとしては、ジメチルアニリ
ン、ジエチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等が挙
げられる。好ましくは、金属化合物としてはコバルトナ
フテネート、三級アミンとしてはジメチルパラトルイジ
ンである。
本発明に於ける、硬化促進剤の使用量は0.01〜5重量
部であり、0.01重量部より少なくなると十分な硬化が得
られず、5重量部より多くなると硬化が速すぎて完全な
形の成形物が得られない。
本発明に於いて、硬化剤と硬化促進剤の組み合わせは
速硬化特性を得るために重要であり、好ましくはアセト
ン酢酸エステルパーオキサイド/コバルトナフテネート
1及びベンゾイルパーオキサイド/ジメチルパラトルイ
ジンとの組み合わせである。
本発明に於けるコンパウンドは、低収縮化剤を使わな
くてもガラス繊維パターンのない成形物を提供するもの
であるが、必要により硬化性の低下、及び機械的強度の
低下が起こらない範囲で使用することができる。低収縮
化剤としては、熱可塑性樹脂で、具体例としては、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート
などのアクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエス
テル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの単量
体の単独重合体又は共重合体類、前記ビニル単量体の少
なくとも1種と、ラウリルメタクリレート、イソビニル
メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
ヒドロキシルアルキルアクリレート又はメタクリレー
ト、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
酸、メタクリル酸、セチルステアリルメタクリレートよ
りなる単量体の少なくとも1種の共重合体などの他、セ
ルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテー
トプロピオネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、飽
和ポリエステル等を挙げることができる。これらは、本
発明の効果を損わないものを必要により、用途により添
加すればよい。
本発明に於けるゲルコート用樹脂組成物は、好ましく
は前記のビニルエステル樹脂とメチルメタクリレート単
量体を組み合わせたものを用いることにより、高速硬化
性であるゲルコート層が得られる。このゲルコート層に
は、必要に応じて有機、及び無機揺変剤、レベリング
剤、等の各種添加剤を配合することができる。
本発明成形物の高速製造方法は、まず型を開き、前記
ゲルコート用樹脂組成物を型温度10〜150℃、好ましく
は40〜80℃のスプルー、ランナー、及びゲート構造を有
する1個採り又は複数個採り可能な凸型/凹型に、好ま
しくは空気圧1〜5kg/cm2のスプレーガン、又はハケに
て膜厚0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.3mmとなる様塗布
してゲルコート層を形成する。ゲルコート層形成後、型
を閉じ、その型圧力は5〜15kg/cm2で、好ましくは10〜
50kg/cm2である。
前記したコンパウンドを2つに分け、一方に硬化剤
(過酸化物)を添加し(A成分)、他方に促進剤を添加
し(A′成分)、このAA′の二成分を各々別々のライン
中で高圧(注入圧)、好ましくは5〜200kg/cm2、特に
好ましくは、80〜150kg/cm2で循環させながら、短時間
好ましくは0.1〜180秒、特に好ましくは0.5〜100秒で型
へ注入(射出)する。
本発明では、150℃以下の成形温度(型温度)で成形
されるが、150℃以上で成形すると成形物の熱収縮が大
きくなり、表面にガラス繊維パターンが発生するので好
ましくない。又、本発明は、強化材を樹脂及び充填剤と
一緒に型内へ注入する方式であるため、従来のR/I(長
繊維強化材をあらかじめ型内に充填してある)成形法と
比べて強度面では不利であるが、繊維強化材の繊維パタ
ーンの発生がないという点で従来法より有利である。
〔効果〕
本発明に於けるコンパウンドを用いることにより、従
来のコンパウンド例えば不飽和ポリエステルのみのもの
に較べて高い機械的強度が得られるばかりでなく、高速
硬化性であるため生産性に優れた成形物の製造方法を提
供できる。
本発明の成形物は、従来品に比べ成形物の表面にガラ
ス繊維パターンのない美麗なものであり、機械的強度に
優れ、又複数個採りの型を用いて高速成形できるので生
産性も優れたものである。
従って、住宅関連成形物、例えば流しの栓、小物入
れ、洗面化粧台、等大量生産向の成形物用途へ利用する
ことができる。又、各種工業部品用途にも使用すること
ができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
実施例のみに限定されるものではない。文中「部」及び
「%」は重量基準である。
参考例−1 「ビニルエステル樹脂(VE)の調製」 温度計、攪拌機および冷却器を具備した三ツ口フラス
コに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応
により得られるエポキシ基当量500「エピクロン1050」
(大日本インキ化学工業(株)製エポキシ樹脂)5000g
(エポキシ基10個相当分)、メタクリル酸の860g(カル
ボキシル基10個相当分)、ハイドロキノンの2.93gおよ
びトリエチルアミンの21.6gを仕込んで120℃まで昇温さ
せ、同温度で10時間反応を続けたところ、酸価が3.5
で、エポキシ基当量が15000以上である固形のビニルエ
ステル樹脂が得られた。かかるビニルエステル樹脂は、
メタロイル基当量が約586であった。
参考例−2 「不飽和ポリエステル(PE−1)の調製」 参考例−1と同様なる反応装置に無水マレイン酸540
g、及び1,2−プロピレングリコール460gを不活性ガス気
流中220℃で10時間加熱脱水縮合させて酸価30なるもの
を得た。これにハイドロキノン0.15g添加して、固形の
不飽和ポリエステルが得られた。かかる不飽和ポリエス
テルは不飽和結合当量が約156であった。
参考例−3 「不飽和ポリエステル(PE−2)の調製」 参考例−1と同様なる反応装置にプロピレングリコー
ル160g、無水フタル酸148g、フマル酸116gを不活性ガス
気流中220℃で12時間加熱脱水縮合させて酸価25なるも
のを得た。これにハイドロキノン0.6g添加して、固形の
不飽和ポリエステルが得られた。かかる不飽和ポリエス
テルは不飽和結合当量が約370であった。
参考例−4 「ゲルコート樹脂(GC)の調製」 参考例−1で得られたビニルエステル樹脂(VE)を、
下記の配合で十分に混合溶解し、及び分散させて得られ
る。
ビニルエステル樹脂(VE) : 60部 メタクリル酸メチル単量体 : 40〃 アエロジル−200 (日本アエロジル社製) : 5〃 実施例−1 50℃温調した70×80×40mmの箱状成形物を4個採り可
能なスプルー、ランナー、及びゲート構造を有する金型
に(第1図参照)、参考例−3で調製したゲルコート樹
脂(GC)100部に、6%ナフテン酸コバルトを0.2部添加
して十分に攪拌混合後、さらに25%アセト酢酸エステル
パーオキサイド1.0部を添加して十分に攪拌後、口径3.0
mmのスプレーガンにて空気圧3.0kg/cm2の条件下で、膜
厚0.3mmで塗装した。
その結果、3分後に硬化したゲルコート層が得られ
た。次に前記ゲルコートした凸型/凹型を20kg/cm2で閉
じた金型…へ最終的に下記配合で示したコンパウンドと
なるように、硬化剤のみで硬化促進剤を含まないコンパ
ウンドと硬化促進剤のみで硬化剤を含まないコンパウン
ドとの2つに分け、KRAUSS−MAFFEI社製4MIXING−HEAD
型RIM注入機により、注入圧力150kg/cm2で注入し、10分
後脱型した。
その結果、ゲルコート層を有するガラス繊維パターン
の無い美麗な成形物を4個同様に得た。成形物の物性測
定結果を表−2に示した。
〔コンパウンド配合例〕
a.ビニルエステル樹脂(VE):不飽和ポリエステル(PE
−1)=50:50混合系樹脂 : 60部 b.メタクリル酸メチル単量体:スチレン単量体=70:30
混合系単量体 : 40〃 c.繊維長1.0mmの短繊維強化材 (富士ファイバーグラス(株)製FESS−010−0404) : 10〃 d.充填剤;炭酸カルシウム (日東粉化工業(株)製 NS−100) : 100〃 e.硬化剤;50%ベンゾイルパーオキサイド (日本油脂(株)製 ナイパーBMT−M) : 5〃 f.硬化促進剤;ジメチルパラトルイジン : 0.6〃 以下、実施例−1〜5及び比較例−1〜7に於いても
実施例−1と同様なる方法で成形を行った。その内容を
表−1に示した。
また、成形物の物性測定結果を表−2に示した。
表−2から明らかな様に、コンパウンドがスチレン単
量体のみであるか(比較例1)、不飽和ポリエステル単
独である(比較例3)と硬化状態が悪く、物性も良くな
い。又、繊維強化材の短い場合(比較例4)は、十分な
物性、特にアイゾット衝撃強度が悪いし、長い場合(比
較例2)は、注入時間と脱型までに時間がかかり成形物
表面に繊維パターンがあるし、硬化剤が多いと(比較例
5)硬化が速く注入できない。更にビニルエステル樹脂
とスチレン単量体(比較例6)とでは硬化状態が悪く物
性も良くない。ゲルコート層を設けない(比較例7)と
成形物表面に繊維パターンが見られ好ましくない。
一方、本願発明は、注入時間及び成型時間も短く、硬
化状態も良好で、各種物性も優れてたものであることが
確認された。
【図面の簡単な説明】 第1図は、4個採り箱型形状金型の平面図と断面図を示
す。第2図は本発明の成型物の断面図を示す。 ……スプルー、……ランナー、……ゲート、…
…凸型、……凹型、……注入口、……ゲルコート
層、……コンパウンド層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 39/00 - 39/44 C08F 299/00 - 299/08 C08L 63/00 - 63/10 C08L 67/00 - 67/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)a.ビニルエステル樹脂、又はビニル
    エステル樹脂と不飽和ポリエステル :40〜80重量部 b.(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と スチレン単量体 :60〜20重量部 c.繊維長0.4〜10mmの繊維強化材 :2〜50重量部 d.充填剤 :10〜200重量部 e.硬化剤 :0.5〜10重量部 f.硬化促進剤 :0.01〜5重量部 からなるコンパウンドで、e.硬化剤のみでf.硬化促進剤
    を含まないコンパウンドとf.硬化促進剤のみでe.硬化剤
    を含まないコンパウンドとを型内に注入して、(B)ゲ
    ルコート層の下にコンパウンド層を設けた ことを特徴とする成形物。
  2. 【請求項2】型が、成形物を1個、又は複数個採ること
    のできるスプルー、ランナー、及びゲート構造を有する
    凸型/凹型であることを特徴とする請求項1の成形物の
    高速製造方法。
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