JPH09110952A - アクリルシートとの接着性に優れた熱硬化性樹脂組成物、複合材料および積層品 - Google Patents

アクリルシートとの接着性に優れた熱硬化性樹脂組成物、複合材料および積層品

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JPH09110952A
JPH09110952A JP7268287A JP26828795A JPH09110952A JP H09110952 A JPH09110952 A JP H09110952A JP 7268287 A JP7268287 A JP 7268287A JP 26828795 A JP26828795 A JP 26828795A JP H09110952 A JPH09110952 A JP H09110952A
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Japan
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acrylic sheet
resin
resin composition
thermosetting resin
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JP7268287A
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Hideo Okuma
秀夫 大熊
Shiro Nakamura
史朗 中村
Hideki Izumihara
英樹 泉原
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NIPPON YUPIKA KK
Japan U-Pica Co Ltd
Original Assignee
NIPPON YUPIKA KK
Japan U-Pica Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリルシートの補強に用いる繊維強化プラ
スチック(FRP)用の熱硬化性樹脂組成物等におい
て、アクリルシートとの接着性を向上させ、製品が加熱
される場合にもアクリルシートの白濁を防止できるよう
にする。 【解決手段】熱硬化性樹脂組成物が、多価アルコール
と、α,β−不飽和二塩基酸またはその無水物と、飽和
二塩基酸またはその無水物とを重縮合して得られる不飽
和ポリエステル(A)、少なくとも1分子中に1個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸と
の付加反応で得られるエポキシアクリレート(B)、お
よび重合性単量体(C)からなり、重量比でB/A=
0.02〜1.0かつC/(A+B)=0.4〜1.5
であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルシートと
の接着性に優れた繊維強化プラスチック用熱硬化性樹脂
組成物、これを利用した複合材料および積層品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アクリルシートは、耐候性、耐水性、美
観、肌ざわり性等の特性に優れているため、プール、浴
槽、シンク、活魚槽等の表面材に使用されている。しか
し、アクリルシート単体では機械的強度が不足している
ので、アクリルシートを繊維強化プラスチック(以下F
RPと略記)で補強して製品化している。アクリルシー
トに対して、不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維等の
強化材とからなる複合材料(すなわちFRP)を積層し
て接着する場合には、あらかじめアクリルシートにプラ
イマーを塗布した後にFRPを積層する方法が一般的で
ある。しかし、工程の簡略化による生産性向上とコスト
低減とのため、アクリルシートにプライマーを塗布せず
に、FRPの不飽和ポリエステル樹脂に1重量%前後の
塩化メチレンを添加することによって、アクリルシート
へのFRPの接着性を向上させる方法がある。また、ア
クリルシートとの接着性が良い物として、エポキシアク
リレート樹脂を使用してFRPを製造する方法が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アクリルシートに対し
てFRPを積層するのに際して、FRPを構成する不飽
和ポリエステル樹脂に1重量%前後の塩化メチレンを添
加する方法は、(イ)作業環境上望ましくないこと、
(ロ)アクリルシートのFRPに対する接着性にバラツ
キがあることといった問題がある。この(イ)、(ロ)
の原因は、不飽和ポリエステル樹脂に添加された塩化メ
チレンが揮発し易いためと考えられる。また、(ハ)特
に、最近24時間対応浴槽が普及しているが、この浴槽
のように、長時間積層品が温水に接触するような用途に
おいては、アクリルシートが白濁する等の欠点を有す
る。(ハ)の原因は、塩化メチレンによりアクリルシー
トの耐熱性が低下するためと考えられる。
【0004】一方、エポキシアクリレート樹脂を使用し
てFRPを積層する方法は、不飽和ポリエステル樹脂を
使用した物と比較すると、(イ)エポキシアクリレート
樹脂の材料費が相対的に高価で、コスト高になること、
(ロ)硬化促進剤を配合した場合に保存安定性が悪くな
ること、(ハ)FRP積層用の樹脂は、作業上の観点か
ら揺変性を付与する場合が多いが、特別な揺変性付与剤
を使用しなければならないことといった問題がある。こ
の上、特に、(ニ)製品を浴槽のように、長時間温水に
触れる用途に使用する場合には、アクリルシートが白濁
するという問題があった。この原因は、エポキシアクリ
レート樹脂の吸水率あるいは水の透過率が、アクリルシ
ートのそれより小さいので、アクリルシートに水が溜ま
ってしまうためと考えられる。
【0005】本発明の課題は、アクリルシートに対する
FRPの接着性を向上させ、塩化メチレン等の揮発性成
分を使用せず、エポキシアクリレート樹脂のような高コ
ストの材料を使用する必要のない、アクリルシートとの
接着性に優れた樹脂組成物を提供することである。ま
た、本発明の課題は、アクリルシートとの接着性に優れ
ており、しかもアクリルシートと他の樹脂組成物との積
層品を温水に接触する表面材として使用したときに、ア
クリルシートの白濁を防止できるようにすることであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
クリルシートとの接着性に優れた熱硬化性樹脂組成物で
あって、多価アルコールと、α,β−不飽和二塩基酸ま
たはその無水物と、飽和二塩基酸またはその無水物とを
重縮合して得られる不飽和ポリエステル(A)、少なく
とも1分子中に1個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂と不飽和一塩基酸との付加反応で得られるエポキシ
アクリレート(B)、および重合性単量体(C)からな
り、重量比でB/A=0.02〜1.0かつC/(A+
B)=0.4〜1.5であることを特徴とする、アクリ
ルシートとの接着性に優れた熱硬化性樹脂組成物に係る
ものである。
【0007】本発明者は、鋭意検討を進めた結果、不飽
和ポリエステル樹脂に、前記のエポキシアクリレートお
よび重合性単量体を添加ないし併用することによって、
FRP層とアクリルシートとの間で良好な接着力が得ら
れることを発見した。しかも、これらの材質は、揮散性
が低く、かつ接着性向上に顕著に寄与する。従って、本
発明の樹脂組成物を使用すれば、樹脂の表面にプライマ
ーを塗布する必要がなく、しかも塩化メチレンを添加す
る場合の問題点や、エポキシアクリレート樹脂を使用す
る場合の問題点がすべて解決される。しかも、特にアク
リルシートと本発明の樹脂組成物との積層品を温水に接
触する表面材として使用したときに、アクリルシートの
白濁を防止することができる。
【0008】本発明に使用される不飽和ポリエステル
(A)とは、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等
のα,β−不飽和二塩基酸およびその無水物と、フタル
酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、テトラ無水フタル酸、エンドメチ
レンテトラヒドロフタル酸等の飽和二塩基酸またはその
無水物と、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノール
A、ビスフェノールAのプロピレンオキサイドの付加
物、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等の多価アルコールと
のエステル化反応によって得られるものである。さら
に、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−マレ
イン酸付加物が、上記した幾つかの原料の代替物として
使用される。この不飽和ポリエステル(A)は、重合性
単量体(C)に溶解させて、不飽和ポリエステル樹脂
(A+C)として使用される。
【0009】現在、「不飽和ポリエステル樹脂」と一般
に呼ぶ場合には、たとえば、「プラスチック材料講座1
0 ポリエステル樹脂」滝山栄一郎著、日刊工業新聞社
発行第1頁に記載されているように、無水マレイン酸あ
るいはフマル酸のような不飽和酸を必ず1成分として含
み、これに無水フタル酸で代表される飽和多塩基酸を併
用して、プロピレングリコール、エチレングリコールの
ような多価アルコールとエステル化して得られる不飽和
アルキド(不飽和ポリエステル)を、スチレンモノマー
などの重合性単量体に溶解した液状樹脂をさす。
【0010】工業的には、200℃前後の反応温度で、
反応釜で製造された、熱い状態の不飽和ポリエステル
を、あらかじめスチレンモノマー(室温)が入れてある
希釈槽に送り込み、攪拌しながら、溶解させる。この
時、希釈槽の内温が70℃以上にならないように希釈槽
を冷却しながら、200℃前後の不飽和ポリエステルを
徐々に希釈槽に送り込んで、溶解させる。
【0011】本発明で使用されるエポキシアクリレート
(B)とは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂
等に代表されるエポキシ樹脂に、アクリル酸および/ま
たはメタクリル酸等の不飽和一塩基酸を付加させた化合
物である。このエポキシアクリレート(B)は、重合性
単量体(C)に溶解させて、エポキシアクリレート樹脂
(B+C)として使用される。
【0012】本発明に使用される重合性単量体(C)と
しては、不飽和ポリエステル(A)およびエポキシアク
リレート(B)とラジカル共重合するものであれば、特
に制限はない。具体的には、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルト
ルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アク
リル酸又はメタクリル酸の低級エステル類、酢酸ビニ
ル、トリアリルシアヌレートなどがあげられる。なかで
もスチレンが好適である。本発明に使用される重合性単
量体(C)は1種に限定されるものではなく、2種以上
の使用も可能である。
【0013】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、不飽和ポ
リエステル(A)とエポキシアクリレート(B)と重合
性単量体(C)とからなるが、それぞれを単独で混合す
ることによっても、あるいは不飽和ポリエステル樹脂
(A+C)とエポキシアクリレート樹脂(B+C)を混
合することによっても得ることができる。
【0014】不飽和ポリエステル(A)に対するエポキ
シアクリレート(B)の重量比(B/A)は0.02〜
1.0とすることが必要であり、0.04〜0.7の重
量比とすることが特に好ましい。
【0015】エポキシアクリレートの重量比(B/A)
が0.02未満であると、FRPとアクリルシートとの
間での接着力が顕著ではなく、1.0を越えると、接着
力は向上するが、製品が浴槽のように長時間温水に触れ
ているような場合に、アクリルシートが白濁し、商品価
値が損なわれる。
【0016】不飽和ポリエステル(A)とエポキシアク
リレート(B)の合計量(A+B)に対する重合性単量
体(C)の重量比〔C/(A+B)〕は、0.4〜1.
5の範囲にする必要があり、0.5〜1.0とすること
が一層好ましい。
【0017】不飽和ポリエステル樹脂あるいはエポキシ
アクリレート樹脂は、不飽和ポリエステル中あるいはエ
ポキシアクリレート中の二重結合と、スチレンモノマー
等の重合性単量体の二重結合とが共重合して架橋し、強
靱な硬化物となる。しかし、不飽和ポリエステルあるい
はエポキシアクリレートの量に対して重合性単量体の量
が少ないと、(1)液状樹脂の粘度が高くなり過ぎて、
強化材であるガラス繊維への含浸が困難になること、及
び樹脂中の気泡がぬけずらくなること、(2)十分な架
橋構造を形成できなくなり、硬化物の機械的強度が低下
し、十分な性能を発揮できなくなること等から、その限
界の重合性単量体の含有重量比C/(A+B)は0.4
である。また逆に、重合性単量体の含有量が多いと、樹
脂の粘度が低くなりガラス繊維への含浸は良くなるが、
硬化物の収縮が大きくなり過ぎて、硬化物に高い内部歪
みが発生し、成形品にクラックが発生したり、または反
ったりするため、良好な成形品が得られず、その限界の
含有重量比C/(A+B)は1.5である。
【0018】本発明の組成物においては、不飽和ポリエ
ステル(A)の重量比率は20〜68重量%とすること
が好ましく、32〜53重量%とすることが一層好まし
い。エポキシアクリレート(B)の重量比率は1〜35
重量%とすることが好ましく、2〜22重量%とするこ
とが一層好ましい。重合性単量体(C)の重量比率は3
0〜60重量%とすることが好ましく、35〜50重量
%とすることが一層好ましい。
【0019】本発明における熱硬化性樹脂組成物と組み
合わせて使用するFRP用強化材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、有機繊維およびこれ等の併用などが挙げ
られる。その中でガラス繊維が最も一般的に使用され
る。
【0020】本発明において、アクリルシートへFRP
補強層を積層する工程は、常温または中温の条件で行わ
れる。したがって、硬化触媒としては、常温硬化用また
は中温硬化用のものを選択することが望ましい。常温硬
化用触媒としては、一般にメチルエチルケトンパーオキ
シド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルアセトア
セテートパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシ
ド、クメンハイドロパーオキシド等の過酸化物とコバル
トの有機酸塩との組み合わせ、またはベンゾイルパーオ
キシドと芳香族第3級アミンとの組み合わせを例示でき
る。中温硬化用触媒としては、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、ビス(4−t−ブチルシク
ロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物お
よび1,1−ビス(4−t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサンと第4級アンモニウ
ム塩の併用を代表例として例示できる。
【0021】本発明における熱硬化性樹脂成分の一部と
して、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
酢酸ビニル等に代表される公知の熱硬化性樹脂の低収縮
剤を併用してもよい。本発明における熱硬化性樹脂組成
物には、必要に応じて、充填材や着色剤を使用してもよ
い。充填材としては、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バ
リウム、水酸化アルミニウム等、着色剤としては、現在
熱硬化性樹脂の着色に用いられる無機系、有機系の顔料
等を挙げることができる。本発明における熱硬化性樹脂
組成物は、ガラス繊維等の強化材を使用せずに、もしく
は模様付けのための着色剤を使用し、アクリルシートに
約0.2〜0.5mm程度の厚みで塗布される、いわゆ
るゲルコートとして使用しても良い。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例によって限定され
るものではない。なお、実施例中に示す「部」は、こと
わりのない限りすべて「重量部」を意味する。
【0023】(不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシア
クリレート樹脂の製造例) (製造例1) テレフタル酸253g、プロピレングリ
コール208g、ネオペンチルグリコール32gを窒素
気流下、230℃まで昇温して約6時間3.5kg/cm2
の加圧法により反応させ、酸価が20mgKOH/g以
下になった後約130℃まで冷却してフマル酸を177
g加え、再び210℃まで昇温し、約8時間常圧法によ
り反応させて酸価が15mgKOH/gの不飽和ポリエ
ステルを得た。このポリエステル56部に対して0.0
15部のハイドロキノンを加えたのち44部のスチレン
に溶解して液状の不飽和ポリエステル樹脂を得た。これ
を樹脂(イ)とした。
【0024】(製造例2) 無水フタル酸285g、無
水マレイン酸149g及びプロピレングリコール288
gを窒素気流下、215℃約7時間常圧法により反応さ
せ、酸価が29mgKOH/gの不飽和ポリエステルを
得た。このポリエステル66部に対して0.015部の
ハイドロキノンを加えたのち34部のスチレンに溶解し
て液状の不飽和ポリエステル樹脂を得た。これを樹脂
(ロ)とした。
【0025】(製造例3) イソフタル酸213g、プ
ロピレングリコール90g、ネオペンチングリコール2
34gを窒素気流下、215℃まで昇温して約6時間常
圧法により反応させ、酸価が20mgKOH/g以下に
なった後約130℃まで冷却して無水マレイン酸を18
9g加え、再び225℃まで昇温し、約9時間常圧法に
より反応させて酸価が11mgKOH/gの不飽和ポリ
エステルを得た。このポリエステル65部に対して0.
015部のハイドロキノンを加えたのち35部のスチレ
ンに溶解して液状の不飽和ポリエステル樹脂を得た。こ
れを樹脂(ハ)とした。
【0026】(製造例4) エポキシ当量350g/e
qのビスフェノールA型エポキシ樹脂804gを約15
0℃まで昇温して融解する。その後約120℃まで冷却
してメタクリル酸196g、ハイドロキノン0.4g、
トリエチルアミン2gを加え、再び150℃まで昇温
し、約3時間常圧法により付加反応させ、酸価が10m
gKOH/gのエポキシアクリレートを得た。このエポ
キシアクリレート80部を、20部のスチレンに溶解し
て液状のエポキシアクリレート樹脂を得た。これを樹脂
(EA)とした。
【0027】(各実施例、比較例の樹脂組成物の製造) (実施例1) 樹脂(イ)84.7部と樹脂(EA)1
5.3部とスチレンモノマー11.8部を混合し、熱硬
化性樹脂組成物(a)を得た。この時、B/A=0.2
59、C/(B+A)=0.873である。
【0028】(実施例2) 樹脂(ロ)83.2部と樹
脂(EA)16.8部とスチレンモノマー22.5部を
混合し、熱硬化性樹脂組成物(b)を得た。この時、B
/A=0.246、C/(B+A)=0.792であ
る。 (実施例3) 樹脂(ハ)82.7部と樹脂(EA)1
7.3部とスチレンモノマー25.9部を混合し、熱硬
化性樹脂組成物(c)を得た。この時、B/A=0.2
57、C/(B+A)=0.862である。
【0029】(比較例1) 樹脂(イ)84.7部と樹
脂(EA)15.3部とスチレンモノマー50.0部を
混合し、熱硬化性樹脂組成物(d)を得た。この時、B
/A=0.259、C/(B+A)=1.513であ
る。 (比較例2) 樹脂(ロ)60.0部と樹脂(EA)4
0.0部とを混合し、熱硬化性樹脂組成物(e)を得
た。この時、B/A=0.808、C(B+A)=0.
397である。 (比較例3) 樹脂(ハ)98.5部と樹脂(EA)
1.5部とスチレンモノマー21.5部を混合し、熱硬
化性樹脂組成物(f)を得た。この時、B/A=0.0
19、C(C+A)=0.862である。
【0030】(試験例1)実施例1〜3に示した熱硬化
性樹脂組成物(a),(b),(c)、比較例1〜3で
示した熱硬化性樹脂組成物(d),(e),(f)、お
よび製造例1、2、3、4で示した樹脂(イ),
(ロ),(ハ),(EA)各100部に対して、市販の
メチルエチルケトンパーオキシド1部と6%ナフテン酸
コバルト0.5部とを加えて調合した。あらかじめ用意
した、数平均分子量約45万、厚さ5mmのアクリルシ
ートの上に、チョップドストランドマット(450g/
2 のガラスマット)3枚を置いて、前記の調合物を含
浸させ、ガラス含有量が約30重量%になるように積層
した。この積層体を室温で一夜放置した後、40℃で1
6時間、後硬化を行った。この板を切り出して、図1に
示す形状の試験片を作製し、下記試験法によって、図2
に示すピーリング試験を行った。結果を表1に示す。
【0031】図1、2において、l1 =20mm、l2
=25mm、l3 =25mm、l4=70mm、l5
10mm、l6 =15mm、h1 =5mm、h2 =3m
mである。図1の試験片は、アクリルシート1とFRP
板2とから成っている。FRP板2とアクリルシート1
とに、それぞれ1ケ所ごと、切れ目4を入れた。この試
験片の一端を、図2に示したように押さえ、一対の治具
3で固定した。固定した端部と反対側の端部から16
15mm内側の所に、FRP板2側からクロスヘッド速
度50mm/分で荷重Wを掛けた。
【0032】FRP板2とアクリルシート1とが接着し
ている間は、FRP板2に荷重が掛かるが、FRP板2
とアクリルシート1との界面が剥離すると、アクリルシ
ート1が、FRP板2から外れてしまうために、FRP
板2には荷重が掛からなくなる。FRP板2とアクリル
シート1との接着性が良好な場合は、これらが剥離する
ことなく、図2の押さえ治具の右端でFRP板が破壊す
る。
【0033】(試験例2)実施例1〜3に示した熱硬化
性樹脂組成物(a),(b),(c)、比較例3で示し
た熱硬化性樹脂組成物(f)、および製造例1、2、
3、4で示した樹脂(イ),(ロ),(ハ),(EA)
各100部に対して、市販のメチルエチルケトンパーオ
キシド1部と6%ナフテン酸コバルト0.5部とを加え
て調合した。あらかじめ用意した、数平均分子量約45
万、厚さ5mmのアクリルシート1の上に、チョップド
ストランドマット(450g/m2 のガラスマット)3
枚を置いて、前記の調合物を含浸させ、ガラス含有量が
約30重量%になるように積層した。室温で一夜放置し
た後、40℃で16時間、後硬化を行った。この板を一
辺が20cmの正方形に切り出して試験片とした。
【0034】この試験片を、図3に示すように装置に組
み込んだ。ここで、ガラス容器12の窓5内に温水6が
収容されている。温度センサー7によって温水の温度を
測定する。加熱ヒーター8を温水中に挿入してあり、ま
た、冷却管9を温水上に設置してある。温度センサーお
よびヒーターが温度制御装置10に対して接続されてい
る。この装置において、90℃で700時間の片面熱水
加熱試験を行った。この結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】エポキシアクリレート樹脂を添加した実施
例1〜3の熱硬化性樹脂組成物(a),(b),(c)
は、ピーリング試験(試験例1)において良好な接着性
を示し、アクリルシートとFRP板とが一体で破壊され
ていた。また、片面熱水加熱試験(試験例2)において
は、外観に異常は見られなかった。スチレンの量が多か
った比較例1の(d)においては、成型品にクラックお
よび反りが発生したために、試験をしなかった。スチレ
ン量が少なかった比較例2の(e)においては、粘土が
高く、ガラスマットへの含浸が悪かったために、正常な
積層ができなかった。
【0037】エポキシアクリレート樹脂の添加量が少な
かった比較例3の(f)、および、エポキシアクリレー
ト樹脂を添加していない製造例の不飽和ポリエステル樹
脂(イ),(ロ),(ハ)は、いずれもアクリルシート
とFRP板との界面で剥離し、接着性が不良であった。
エポキシアクリレート樹脂のみで積層した(EA)の場
合は、接着性は良好であったが、片面熱水加熱試験で、
アクリルシートが白濁した。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の熱硬化性樹
脂組成物を使用すれば、アクリルシートと、本発明の樹
脂組成物からなるシート(特にFRP)とが一体化され
た積層製品を市場に提供することができ、この際長時間
の温水接触によるアクリルシートの白濁もない。これは
アクリルシートの特徴を生かし、且つ高い機械的強度を
有する製品である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1で用いた試験片の側面図である。
【図2】図1に示す試験片を剥離試験に供している状態
を模式的に示す側面図である。
【図3】試験例2における試験片を、片面熱水加熱試験
用の装置に組み込んだ状態を示す側面図および断面図で
ある。
【符号の説明】
1 アクリルシート 2 FRP板 3 押さえ治具 4 アクリルシートおよびFRP板の切れ目 5 窓 6 温水 7 温度センサー 8 加熱ヒーター 9 冷却管 10 温度制御装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】(比較例1) 樹脂(イ)84.7部と樹
脂(EA)15.3部とスチレンモノマー50.0部を
混合し、熱硬化性樹脂組成物(d)を得た。この時、B
/A=0.259、C/(B+A)=1.513であ
る。 (比較例2) 樹脂(ロ)60.0部と樹脂(EA)4
0.0部とを混合し、熱硬化性樹脂組成物(e)を得
た。この時、B/A=0.808、C/(B+A)=
0.397である。 (比較例3) 樹脂(ハ)98.5部と樹脂(EA)
1.5部とスチレンモノマー21.5部を混合し、熱硬
化性樹脂組成物(f)を得た。この時、B/A=0.0
19、C/(B+A)=0.862である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルシートとの接着性に優れた熱硬
    化性樹脂組成物であって、多価アルコールと、α,β−
    不飽和二塩基酸またはその無水物と、飽和二塩基酸また
    はその無水物とを重縮合して得られる不飽和ポリエステ
    ル(A)、少なくとも1分子中に1個以上のエポキシ基
    を有するエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との付加反応で
    得られるエポキシアクリレート(B)、および重合性単
    量体(C)からなり、重量比でB/A=0.02〜1.
    0かつC/(A+B)=0.4〜1.5であることを特
    徴とする、アクリルシートとの接着性に優れた熱硬化性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物およ
    び強化材からなる複合材料。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の複合材料と、アクリルシ
    ートとが積層されていることを特徴とする、積層品。
JP7268287A 1995-10-17 1995-10-17 アクリルシートとの接着性に優れた熱硬化性樹脂組成物、複合材料および積層品 Pending JPH09110952A (ja)

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