JP2000513367A - シロキサンエラストマーを含有する化粧品組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 架橋非乳化性シロキサンエラストマー、スキンコンディショニング剤、揮発性シロキサン及び５％以下の水を含有するスキントリートメント組成物を提供する。ペトロラタム等の炭化水素類及びグリセリン等のポリオール類がスキンコンディショニング剤として好ましい。エラストマーにより抵抗感なく皮膚に擦り込んだ時これまでにない滑らかですべすべした感触を与える。

Description

【発明の詳細な説明】 シロキサンエラストマーを含有する化粧品組成物 発明の背景 発明の分野 本発明は、ある種のエラストマー状シリコーンの効果により特性が高められた 、特に皮膚に用いられる無水の化粧品組成物に関する。 関連技術 有機エステル類及び特に石油ろう等の炭化水素類を含有する軟化薬はスキンコ ンディショニング剤として医薬で長く使用されてきている。これらの物質は選り 抜きの保湿成分として水に次ぐものである。これらは閉塞された障壁（occlusiv e barrier）として主に機能する。人の皮膚の外層の水分含有量は、乾燥肌症状 の発現に対する調節要因である。角質層が１０から２０パーセントの範囲という 適当量の水分を含有していると、皮膚にはしなやかさが残っている。しかしなが ら、水分含有量が１０パーセント以下に落ちると、角質層はしばしばもろく粗く なり、うろこ状やひび割れが起きる。 角質層は拡散により表皮の深層から、または水分と直接接触し、水分を受け取 る。拡散プロセスは濃度勾配とともに皮膚の水分含有量により制御される。極め て乾燥状態では、外部の皮膚層からの水分ロスは重要であり、しばしば拡散によ る置換速度を超える。皮膚の表面に閉塞又は準閉塞バリア物質を塗ると、環境へ の水分のロスを減少させる効果がある。また、拡散機構により皮膚表面が再水和 化もされる。 多くの効果的及び経済的なスキンコンディショニング剤があるけれども、それ でもある不便な事がある。 しばしば軟化薬は水とオイルとの乳濁液の形で供与される。長期間の貯蔵安定 性を得るのに充分な程度油層と水層との成分バランスを臨界に保つのは困難であ る。一部のこの臨界バランスは内部層容量である。臨界容量は、生じる化学的及 び物理的相互作用を最大化し、システムを安定化するために得られる。臨界容量 が正確にバランスが取れていないと、生成物は粘度が変化し、結果として層分離 を起こしてしまう。通常、外部層容量を制限する理想的な容量は極めて大きく、 好ましくない抵抗感があり徐々に壊れてしまう性質を与える。この臨界内部層容 量の制限は機能を低下させ、好ましくない感覚特性を与えてし まう。 無水システムは乳化安定性の問題を回避する。不運にも、無水システムでは他 の美的問題が発生する。全てのオイル状層成分が高濃度で両立できるわけではな い。更に、ペトロラタム等の閉塞剤は比較的べとべとしている。これらは衣類へ 付着したり、石鹸により洗って皮膚から除去するのが容易でないという欠点があ る。また表皮への適当な侵透もみられない。 米国特許第５，３８７，４１７号（Rentsch）には、架橋有機ポリシロキサン −ポリオキシアルキレン乳化剤とペトロラタムベースとの乳化による化粧品とし て有用な半透明の保湿ローションが開示されている。これによれば、シロキサン は適当であるだけでなく、連続及び非連続層の屈折率の調和も行う。 米国特許第５，２８０，０１９号（Klimisch）には、皮膚への水分の吸収や保 湿を高める組成物が開示されている。これらの結果は、カルボキシル官能基置換 のポリシロキサンまたはその金属カルボン酸塩である有機ケイ素化合物の使用に よりなされる。 公知文献より明らかなことは、例えばポリオキシアルキレンまたはカルボキシ レート単位の親水性官能基が結合したある種 のポリシロキサンがオイル層の乳化を補助していることである。実際、これらの 記載はシリコーン上の親水性官能基の必要性を示唆している。不運なことに、乳 化のため親水性基を導入することはシリコーンが柔らかくすべすべした感触を与 える特性を減少させてしまう。また、これらの公知の親水性シリコーンはオイル と水との混合性問題をも充分には解決しない。例えばグリセリン等の比較的高い レベルでの水系保湿材を用いる新しいシステムが望まれている。また、乳化剤を 皮膚に擦り込んだ時最高の肌触りとなるよう、よりすべすべした乳化剤となるシ リコーン類も望まれている。閉塞剤の無水システムも、しばしば相分離を引き起 こし、シリコーンに結合した官能性基による効果をもたらさない。 従って、本発明の目的は、無水であっても肌触りの性質を向上させるスキント リートメント組成物を提供することである。 本発明の他の目的は、凍結／解凍サイクルを行っても相分離に対して安定なス キントリートメント組成物を提供することである。 本発明の更にもう一つの目的は、皮膚に最初に擦り込んだ時すべすべして抵抗 感がないスキントリートメント組成物を提供 することである。 本発明のこれら及び他の目的は、以下に示す要約及び詳細な説明により更に明 らかにする。 発明の概要 本発明は、 （ｉ）架橋非乳化性シロキサンエラストマー、０．１から３０％、 （ｉｉ）スキンコンディショニング剤、１から５０％、 （ｉｉｉ）揮発性シロキサン、１０から８０％、及び （ｉｖ）水、０から５％ を含有するスキントリートメント成分を提供する。 本発明における特に好ましいコンディショニング剤は、ペトロラタム等の炭化 水素類及びグリセリン等の保湿性を増加させるポリオール類である。好ましい揮 発性シロキサンはシクロメチコン類である。本発明のエラストマーは、好ましく は、ポリシロキサン骨格のＳｉ−Ｈ結合と反応する少なくとも二つの遊離ビニル 基を有するシロキサンポリマー等のジビニル化合物から生成する。最も好ましい エラストマーは、分子的に球状であるＭＱ樹脂のＳｉ−Ｈ部位で架橋されている ジメチルポリシロキサンである。 本発明の成分は、粘着性のあるスキンコンディショニング剤と架橋非乳化性シ ロキサンエラストマーとを用いることを基礎としている。理諭的に確かめてはい ないが、これらのコンディショニング剤は（親水性の時）エラストマーと揮発性 シロキサンとの混合物を内部層に送るものと考えている。後者は他の不溶性架橋 シロキサンエラストマーパウダーを分散する間外部層として作用する。本システ ムを皮膚に適応する場合、揮発性シロキサンは蒸発し、表皮の上層にエントラッ プされるスキン溶液とともに官能性物質を後に残す。シロキサンエラストマーは 、これらのボディ溶液とは同伴せず、皮膚表面に残留する。このエラストマーは 揮発性シロキサン中に完全に分散されるので、皮膚に均質層として沈着する。三 次元架橋シロキサンエラストマー薄膜は、皮膚の不溶性の水／脂質環境と外部環 境との間の層として機能する。この機構は高レベルのグリセリン等の親水性官能 性成分による負の感覚特性を隠している。 発明の詳細な説明 本発明者らは、スキンコンディショニング剤と揮発性シロキサンとを組み合わ せた架橋非乳化性シロキサンエラストマーが 極めて安定なシステムであり、また皮膚に対して極めて柔軟ですべすべした使用 感をもたらすことを見いだした。 架橋非乳化性シロキサンエラストマーは本発明の第一の必須要素である。これ らは通常数平均分子量が２，０００以上であり、好ましくは１，０００，０００ 以上である。特に１０，０００から２千万の範囲が好ましい。非乳化性とは、ポ リオキシアルキレン単位のないシロキサンを示す。エラストマーは、特に少なく とも２個の遊離ビニル基を有するポリマーであるジビニル化合物と、分子的に球 状であるＭＱ樹脂等のポリシロキサン骨格中のＳｉ−Ｈ結合とが反応して形成さ れる。適当なエラストマー成分は、ＣＴＦＡ名がシクロメチコン及びビニルジメ チコン／メチコン架橋ポリマーであり、シクロメチコンキャリア中に２０〜３５ ％エラストマーが含有している状態で、商品名General Electric Silicone 1229 としてGeneral Electric社から市販されている。ＣＴＦＡ名が架橋ステアリルメ チルジメチルシロキサン共重合体である類似のエラストマー成分は、Grant Indu stries社（New Jersey州Elmwood Park）からGransil SR-CYC（シクロメチコン中 ２５〜３５％エラストマー）として 市販されている。General Electric及びGrant Industries社製品は、好ましくは 更にソノレータ中で１０から６０回循環して高圧（約５，０００ｐｓｉ）処理を 行うことにより加工できる。ソノレータ処理により、エラストマー平均粒径が０ ．２から１０ミクロン、好ましくは０．５から５ミクロンの流体が得られる。Br ookfield LV粘度計（サイズ４ｂａｒ、６０ｒｐｍ、１５秒）で測定した２５℃ での粘度が３００から２０，０００ｃｐｓの範囲であることがもっともよい。 エラストマーの量は、成分の重量に対して０．１から３０重量％の範囲、好ま しくは１から１５重量％、最も好ましくは３から１０重量％の範囲である。 本発明の第二の要素はスキンコンディショニング剤である。これらの薬剤とし ては、好ましくは湿潤剤、角質除去剤、軟化剤及びこれらの混合物が挙げられる 。 湿潤剤としては、通常、保湿性があり、うろこ状膚を減少させ、そして皮膚か ら累積したうろこを除去する多価アルコール類が挙げられる。好ましい多価アル コールとしてはポリアルキレングリコールが挙げられ、より好ましくはアルキレ ンポリオ ール及びその誘導体であ。具体例としては、プロピレングリコール、ジプロピレ ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビト ール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、１，３−ブチ レングリコール、１，２，６−ヘキサントリオール、エトキシ化グリセリン、プ ロポキシ化グリセリン及びこれらの混合物である。最も好ましい湿潤剤はグリセ リンである。湿潤剤の量は、１から５０重量％の範囲、好ましくは１０から４０ 重量％、より好ましくは２５から３５重量％の範囲である。 本発明の角質除去剤は、好ましくは、アルファ−ヒドロキシカルボン酸、ベー ターヒドロキシカルボン酸及びこれらの塩から選ばれる。カルボン酸は好ましく はＣ₂〜Ｃ₃₀のカルボン酸である。最も好ましいのは、グリコール酸、乳酸、サ リチル酸及びこれらのアンモニウム塩である。角質除去剤の量は、好ましくは１ から１５重量％の範囲、より好ましくは２から１０重量％の範囲である。 多くのＣ₂〜Ｃ₃₀のアルファ−ヒドロキシカルボン酸を用いることができる。 そのような具体例としては、例えば、 ヒドロキシエタン酸 ヒドロキシプロパン酸 ヒドロキシヘキサン酸 ヒドロキシオクタン酸 ヒドロキシデカン酸 ヒドロキシドデカン酸 ヒドロキシテトラデカン酸 ヒドロキシヘキサデカン酸 ヒドロキシオクタデカン酸 ヒドロキシエイコサン酸 ヒドロキシドコサン酸 ヒドロキシヘキサコサン酸及び ヒドロキシオクタコサン酸 が挙げられる。 コンディショニング剤が軟化剤の場合、好ましくは、炭化水素類、脂肪酸類、 脂肪族アルコール類及びエステル類から選ばれる。ペトロラタムは最も好ましい 炭化水素タイプの軟化性コンディショニング剤である。他の炭化水素類としては 、例えば、鉱油、ポリデセン等のポリオレフィン類、イソヘキサデカン等 のパラフィン類（例えば商標Permethyl 99^(R)やPermethyl 101^(R)等）が挙げら れる。 脂肪酸類及びアルコール類は好ましくは１０から３０の炭素原子を有する。こ の分類の具体例としては、ペラルゴン、ラウリン、ミリスチン、パルミチン、ス テアリン、イソステアリン、ヒドロキシステアリン、オレイン、リノール、リシ ノール、アラキジン、ベヘン及びエルカ等の酸類及びアルコール類が挙げられる 。 オイル状のエステル軟化剤は、好ましくは以下に示す一つまたは複数のクラス から選ばれる。 １．植物油脂及び動物油脂等のトリグリセリドエステル類。その例としては、ひ まし油、ココアバター、サフラワー油、綿実油、コーン油、オリーブ油、肝油、 アーモンド油、アボカド油、パーム油、ごま油、スクアレン、キクイ油及び大豆 油が含まれる。 ２．アセチル化モノグリセリド等のアセトグリセリドエステル類。 ３．エトキシ化グリセリルモノステアレート等のエトキシ化グリセリド類。 ４．炭素数１０から２０の脂肪酸のアルキルエステル類。この場合、脂肪酸のメ チル、イソプロピル及びブチルエステルが有用である。その例としては、ラウリ ン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチ ン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘ キサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸 ジイソブロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セ バシン酸ジイソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル及び乳酸セチルが含ま れる。 ５．炭素数１０から２０の脂肪酸のアルケニルエステル類。その例としては、ミ リスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル及びオレイン酸オレイルが含まれる 。 ６．エトキシ化脂肪酸アルコール類の脂肪酸エステル類等のエーテルエステル類 。 ７．多価アルコールエステル類。エチレングリコールモノ及びジ−脂肪酸エステ ル類、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル類、ポリエチレング リコール（２００−６０００）モノ−及びジ−脂肪酸エステル類、プロピレング リコールモノ −及びジ−脂肪酸エステル類、モノオレイン酸ポリプロピレングリコール２００ ０、モノステアリン酸ポリプロピレングリコール２０００、モノステアリン酸エ トキシ化プロピレングリコール、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル類、 ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル類、モノステアリン酸エトキシ化グリセリ ル、モノステアリン酸１，２−ブチレングリコール、ジステアリン酸１，２−ブ チレングリコール、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン 脂肪酸エステル類及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類が満足で きる多価アルコールエステルである。 ８．蜜ろう、鯨ろう、ミリスチン酸ミリスチル及びステアリン酸ステアリル等の ろうエステル類。 スキンコンディショニング剤の量は１から５０重量％の範囲、好ましくは３か ら２５重量％、特に好ましくは５から２０重量％の範囲である。 本発明における第三の要素は揮発性シロキサンである。揮発性とは、通常の状 態で測定可能な程度の圧力がある物質に関する。ここで有用な揮発性ポリオルガ ノシロキサンは環状及び直鎖状である。好ましい環状シリコーン類としては、約 ３〜９の ケイ素原子を有するポリジメチルシロキサン類を含有し、好ましくは一般的にシ クロメチコンとして知られている約４から５のケイ素原子を有するポリジメチル シロキサン類である。好ましい直鎖状のシリコーンオイル類は、約３から１０の ケイ素原子を有するポリジメチルシロキサン類である。直鎖状揮発性シリコーン 類は通常２５℃で５センチストーク以下の粘度を有するが、環状体は１０センチ ストーク以下、好ましくは０．１から８センチストークの範囲の粘度である。本 発明において有用なシリコーンオイルの例としては、Dow Corning社製Dow Corni ng 244、Dow Corning 245、Dow Corning 344、Dow Corning 345及びDow Corning 200、Union Carbide社製Silicone 7207及びSilicone 7158及びGeneral Electri c社製SF 1202が挙げられる。揮発性シロキサン類の量は、１０から８０重量％、 好ましくは２０から７０重量％、更に好ましくは３０から６５重量％の範囲であ る。 本発明の化粧品組成物は本質的に無水である。水の量は０から５重量％の範囲 、好ましくは４重量％以下、より好ましくは３重量％以下、最も好ましくは２重 量％以下、最適には０．５重量％以下の量である。 基本的な成分に加えて、要求される化粧品組成物の特性に依存して他の成分を 加えることができる。例えば、界面活性剤を組成物に配合してもよい。これらは ノニオン性、アニオン性、カチオン性または両性乳化剤より選ばれる。これらの 量は０．１から２０重量％の範囲の量である。具体的なノニオン性界面活性剤は 、Ｃ₁₀〜Ｃ₂₂の脂肪族アルコール類及び酸類を基本とするアルコキシル化化合、 及びソルビタン物である。これらの成分は、例えば、商標NeodolとしてShell Ch emical社より入手できる。商標PluronicとしてBASF社より発売されているポリオ キシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体もしばしば有用である。Henkel社 から入手できるアルキルポリグリコシドも本発明の目的に対し有用である。 アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウ リルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リン酸モノ−及 びジ−アルキル酸塩及び脂肪族アシルイセチオン酸ナトリウムが挙げられる。 両性界面活性剤としては、ジアルキルアミンオキシド及びココアミドプロピル ベタイン等の各種のベタイン類等が挙げられる。 少量の補助的成分としては、香料、乳白剤及び看色剤等が挙げられ、それぞれ これらの機能を達成するに充分な量含まれる。 以下の実施例は、本発明の具体的態様をより充分に例示する。ここにおいて、 及び請求の範囲において示されているパーセントや割合は、特に指摘がなければ 重量基準である。 実施例１ 本実施例は無水のスキントリートメント組成物について例示する。下表に示す 成分は６０℃で容器に一括して仕込み、ホモジナイザ攪拌機にて混合した。その 後５から１０分間８００〜１，０００ｐｓｉにてソノレータ処理を行った。得ら れた生成物は極めてすべすべした使い心地の非グリース状半固体であった。実施例２ 本実施例は、本発明による他の無水スキントリートメント組成物について例示 する。配合は下表に示した成分を用いて実施例１と同様の方法により行った。得 られた生成物はなめらかですべすべした使い心地であった。 実施例３ 本発明の成分への水の影響を評価するための一連の実験を行った。配合及び性 能特性を表ＩＩＩに示す。 表ＩＩＩの実験結果は６％水を含む配合体では凍結／解凍サイクルの安定性評 価が悪くなっていることを示している。しかも、皮膚に適応したときの最初の感 覚が、６％水を含む時、擦り込んだ時に抵抗感があることを示唆している。対照 的に、０％水では、すべすべ感が観察されている。水を３％含む時は若干の抵抗 感があるのみであった。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年６月２６日（１９９８．６．２６） 【補正内容】 米国特許第５，３８７，４１７号（Rentsc.h）には、架橋有機ポリシロキサン −ポリオキシアルキレン乳化剤とペトロラタムベースとの乳化による化粧品とし て有用な半透明の保湿ローションが開示されている。これによれば、シロキサン は適当であるだけでなく、連続及び非連続層の屈折率の調和も行う。 米国特許第５，２８０，０１９号（Klimisch）には、皮膚への水分の吸収や保 湿を高める組成物が開示されている。これらの結果は、カルボキシル官能基置換 のポリシロキサンまたはその金属カルボン酸塩である有機ケイ素化合物の使用に よりなされる。 欧州特許第０２９５，８８６号（Harashimaら）には、有機ポリシロキサンエ ラストマー粒子を導入した顔用クレンザが開示されている。これらのシステムで は主要なキャリアとして如何なる揮発性シロキサンより水が有用である。日本公 開特許０７−２６７，８２０号（Takahashiら）には、Chemical Abstract，Vol 124(4)，No.37399に報告されているように、有機ポリシロキサンエラストマー 粒子及び疎水性処理パウダーを含有する二相系オイル状メイクアップ化粧品が開 示されている。グリセリン等の親水性機能材は皮膚の保湿性を高めるのに有用で あるが、 本特許には開示されていない。 公知文献より明らかなことは、例えばポリオキシアルキレンまたはカルボキシ レート単位の親水性官能基が結合したある種のポリシロキサンがオイル層の乳化 を補助していることである。実際、これらの記載はシリコーン上の親水性官能基 の必要性を示唆している。不運なことに、乳化のため親水性基を導入することは シリコーンが柔らかくすべすべした感触を与える特性を減少させてしまう。また 、これらの公知の親水性シリコーンはオイルと水との混合性問題をも充分には解 決しない。例えばグリセリン等の比較的高いレベルでの水系保湿材を用いる新し いシステムが望まれている。また、乳化剤を皮膚に擦り込んだ時最高の肌触りと なるよう、よりすべすべした乳化剤となるシリコーン類も望まれている。閉塞剤 の無水システムも、しばしば相分離を引き起こし、シリコーンに結合した官能性 基による効果をもたらさない。 発明の詳細な説明 本発明者らは、スキンコンディショニング剤と揮発性シロキサンとを組み合わ せた架橋非乳化性シロキサンエラストマーが極めて安定なシステムであり、また 皮膚に対して極めて柔軟ですべすべした使用感をもたらすことを見いだした。 架橋非乳化性シロキサンエラストマーは本発明の第一の必須要素である。これ らは通常数平均分子量が２，０００以上であり、好ましくは１，０００，０００ 以上である。特に１０，０００から２千万の範囲が好ましい。非乳化性とは、ポ リオキシアルキレン単位のないシロキサンを示す。エラストマーは、特に少なく とも２個の遊離ビニル基を有するポリマーであるジビニル化合物と、分子的に球 状であるＭＱ樹脂等のポリシロキサン骨格中のＳｉ−Ｈ結合とが反応して形成さ れる。適当なエラストマー成分は、ＣＴＦＡ名がシクロメチコン及びビニルジメ チコン／メチコン架橋ポリマーであり、シクロメチコンキャリア中に２０〜３５ ％エラストマーが含有している状態で、商品名General Electric Silicone 1229 としてGeneral Electric社から市販されている。ＣＴＦＡ名が架橋ステアリルメ チルジメチルシロキサン共重合体である類似のエラストマー成分は、 Grant Industries社（New Jersey州Elmwood Park）からGransil SR-CYC（シクロ メチコン中２５〜３５％エラストマー）として市販されている。General Electr ic及びGrant Industries社製品は、好ましくは更にソノレータ中で１０回から６ ０回循環して高圧（約５，０００ｐｓｉ）（ただし、１ｐｓｉ＝６．８９４７× １０⁴ｄｙｎｅ／ｃｍ²）処理を行うことにより加工できる。ソノレータ処理によ り、エラストマー平均粒径が０．２から１０ミクロン、好ましくは０．５から５ ミクロンの流体が得られる。Brookfield LV粘度計（サイズ４ｂａｒ、６０ｒｐ ｍ、１５秒）で測定した２５℃での粘度が３００から２０，０００ｃｐｓ（０． ３から２０Ｐａ．ｓ）の範囲であることがもっともよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 チエニイ，マイケル・チヤールズ アメリカ合衆国、コネチカツト・06430、 フエアフイールド、シグウイン・ドライ ブ・383 (72)発明者 ローズ，ウオルター アメリカ合衆国、コネチカツト・06511、 ニユー・ヘブン、ロイドン・ロード・95

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．（ｉ）架橋非乳化性シロキサンエラストマー、０．１から３０％、 （ｉｉ）スキンコンディショニング剤、１から５０％、 （ｉｉｉ）揮発性シロキサン、１０から８０％、及び （ｉｖ）水、０から５％ を含有するスキントリートメント組成物。 ２．スキンコンディショニング剤が湿潤剤、角質除去剤、軟化剤及びこれらの混 合物から成る群より選ばれる請求の範囲第１項に記載の組成物。 ３．軟化剤が炭化水素類である請求の範囲第２項に記載の組成物。 ４．炭化水素がペトロラタムである請求の範囲第３項に記載の組成物。 ５．湿潤剤がグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及び これらの混合物から成る群より選ばれるポリオール類である請求の範囲第２項か ら第４項のいずれか一項に記載の組成物。 ６．角質除去剤がアルファーヒドロキシカルボン酸、ベーターヒドロキシカルボ ン酸及びこれらの塩類から成る群より選ばれる請求の範囲第２項から第５項のい ずれか一項に記載の組成物。 ７．水が０から３重量％存在する請求の範囲第１項から第６項のいずれか一項に 記載の組成物。 ８．架槁非乳化性シロキサンエラストマーがポリシロキサンのＳｉ−Ｈ結合と反 応したジビニル化合物から形成される請求の範囲第１項から第７項のいずれか一 項に記載の組成物。