JP2010173992A - 皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均粒径0.01〜100μmの粉粒体(シリコーン樹脂粉末など)、及び引火点90℃以下の揮発性分散剤(低粘度シリコーンなどのシリコーンオイル)、並びに必要に応じてスキンケア成分などの化粧料成分を配合し、スプレー塗布等を用いて皮膚又は衣類に噴霧して用いる。
【選択図】なし
Description
(1)皮膚又は衣類に塗布して皮膚−衣類間の摩擦抵抗を低減させるための摩擦抵抗低減用組成物であって、粉粒体と揮発性分散剤とからなることを特徴とする、皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
(3)前記粉粒体の平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする、(1)又は(2)記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
(5)前記粉粒体が0.1〜99重量%、及び前記揮発性分散剤が1〜99.9重量%配合されていることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
(7)スキンケア成分を配合してなる、(1)〜(6)のいずれかに記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
さらに、保湿剤、清涼剤、香料、各種エキス、保護料(エモリエント剤)、抗菌剤、薬剤等のスキンケア用成分を配合することにより、皮膚への保護・スキンケア作用に優れたものとすることもできる。
1.粉粒体
(1)粒子形状
本発明の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤は、摩擦抵抗の低減効果を与える主体として粉粒体を用いる。粉粒体の粒子形状は特に限定されず、球状(粒状、ビーズ状)、板状、フレーク状、針状、微粒子、多孔質、無孔質状等のいずれでも良いが、滑り性、皮膚へ接触した場合の感触及び外観の点等を考慮すると、好ましいのは球状である。板状、フレーク状のものは、滑り性が低くなる可能性がある。また、粉粒体の隠蔽性が高いと、塗布したところが白くなるなど目立つようになり、外観に問題が生じる場合がある。
本発明で用いられる粉粒体の材質は無機系でも有機系でもよい。無機系の粉粒体としては、チタン、タルク、カオリン、無水ケイ酸、合成雲母、セリサイト、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらは市販されているものを使用することができる。例えば、無水ケイ酸としては、商品名「シリカマイクロビーズP1500」(日揮触媒化成(株)製;平均粒径=8μm)を挙げることができる。
また、上記粉粒体は種々の表面処理剤で被覆(コーティング)されていてもよい。被覆材としてはメチルポリシロキサン、水酸化アルミニウム、ステアリン酸等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン粉末(商品名「ナイロンパウダーHK5000」;平均粒径8μm;住化エンビロサイエンス(株)製))等が挙げられる。
本発明で用いられる分散剤(上記粉粒体を分散状態で保持できる流体)は、剤形の状態、使用感、冷感、噴霧状態、揮発性、繊維への影響等を総合的に判断して選択されるが、具体的には引火点が90℃以下、好ましくは50℃以下の揮発性分散剤が用いられる。
引火点が90℃を超えると、揮発が遅くべとつきやすいといった不利益がある。また、本発明の揮発性分散剤の粘度は特に限定されないが、1〜100mPa・sの範囲が好ましい。
上述した条件を満たす揮発性油剤としては、揮発性シリコーンオイル、水添ポリオレフィン類等が挙げられる。
なお、揮発性溶媒としてアルコール類を使用することも考えられるが、衣類からの色移りが生じる場合があり、また皮膚への刺激感がある。
本発明の摩擦抵抗低減剤は、化粧料その他の皮膚外用剤として皮膚へ直接塗布するための製剤とすることができるだけでなく、衣類へ適用するための製剤(衣類用トリートメント剤などの雑貨類、日用品類など)とすることもできる。したがって、本発明の摩擦抵抗低減剤には、上記粉粒体及び分散剤の他に、用途、剤形等に応じて種々の公知の添加剤を配合することができる。
各種オイルとしては、スクワラン、植物油等が挙げられる。化粧料用オイル(油剤)の配合は、化粧料効果だけでなく、上記粉粒体との組み合わせによってさらなる摩擦抵抗低減効果の向上による脱着の容易化への相乗効果が期待できる。
その他、化粧料に一般的に使用される成分として、香料、顔料、防腐剤等を配合することができる。
本発明の摩擦抵抗低減剤中における前記粉粒体の配合割合は、好ましくは0.1〜99重量%、より好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜4重量%である。粉粒体の配合割合が多すぎると塗布後の皮膚や衣類が白く目立つ、洗濯時に充分に洗い流せない場合がある、粉粒体が目詰まりを起こし、少なすぎると滑り効果が不十分となる場合がある。
上記配合成分を混合する。混合順序は特に限定されない。
配合方法は特に制限されないが、好ましくは揮発性分散剤に粉粒体を添加する。
本発明の摩擦抵抗低減剤を皮膚又は衣類へ塗布する方法は特に限定されないが、簡便性及び均一に塗布できる点から、スプレー形式で噴霧状態にして塗布するのが好ましい。スプレー形式としては、ディスペンサータイプ、エアゾールタイプのいずれでもよい。
衣類の材質としては、木綿、化繊、不織布、ゴム、ウレタン、ナイロン等が挙げられる。
1.ディスペンサータイプの摩擦抵抗低減剤の調製
以下の各成分を、下記表1に示す割合で配合することにより、液状タイプのディスペンサー用摩擦抵抗低減剤(処方A及びB)を調製した。調製は、揮発性分散剤(シリコンKF−96A−1)と化粧料用オイル(スクワラン)を混合したものに、粉粒体(シリコーンパウダーKSP−105)を添加・分散することによって行った。
(2)粉粒体;ビニルメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(商品名「シリコーンパウダーKSP−105;平均粒径=2μm;信越化学工業(株)製)
(3)その他
化粧料用オイル;スクワラン
香料;商品名「ティーツリー」(イワキ株式会社)
パネラー5人(男=3人、女=2人;平均年齢=40才)が、スポーツ用ウェア(スキンズ;材質はナイロン76%、ポリウレタン24%)を着用する前に、身体の腕部分の左右何れか一方のみに上で調製したディスペンサー用摩擦抵抗低減剤(上記表1の処方A)を噴霧(手首に4プッシュ使用、噴霧量=0.28g)し、着脱を5回行ったのち、噴霧した側と噴霧しない側で着脱の難易を下記評価基準に基づいて評価した。なお、腕の左右差が生じないよう、被験者により噴霧する腕を入れ替えた。無塗布時及び塗布時における評価結果(パネラー5名の評価平均)を下記表2に示す。表2の結果からわかるように、本発明の摩擦抵抗低減剤を噴霧した方は、脱着がし易く動きがスムーズになるという結果が得られた。
◎:抵抗なし(スムーズ)
○:若干の抵抗あり
△:明らかに抵抗はあるが苦ではない
×:かなりの抵抗を感じる
1.エアゾールタイプの摩擦抵抗低減剤の調製(噴射剤20%含有)
以下の各成分を、下記表2に示す割合で配合することにより、液状タイプのエアゾール用摩擦抵抗低減剤(処方A及びB)を調製した。調製は、揮発性分散剤(シリコンKF−995)と化粧料用オイル(スクワラン)を混合したものに、粉粒体(シリコーンパウダーKSP−105)を添加・分散することによって行った。
(2)粉粒体;ビニルメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(商品名「シリコーンパウダーKSP−105;平均粒径=2μm;信越化学工業(株)製)
(3)その他
化粧料用オイル;スクワラン
香料;商品名「ティーツリー」(イワキ株式会社)
噴射剤;LPG
パネラー5人(男=3人、女=2人;平均年齢=40才)が、スポーツ用ウェア(スキンズ;材質はナイロン76%、ポリウレタン24%)を着用する前に、身体の腕部分の左右何れか一方のみに上で調製したエアゾール用摩擦抵抗低減剤(上記表3の処方A)を噴霧(手首に4プッシュ使用、噴霧量=0.28g)し、着脱を5回行ったのち、噴霧した側と噴霧しない側で着脱の難易を下記評価基準に基づいて評価した。なお、腕の左右差が生じないよう、被験者により噴霧する腕を入れ替えた。無塗布時及び塗布時における評価結果(パネラー5名の評価平均)を下記表4に示す。表4の結果からわかるように、本発明の摩擦抵抗低減剤を噴霧した方は、脱着がし易く動きがスムーズになるという結果が得られた。
◎:抵抗なし(スムーズ)
○:若干の抵抗あり
△:明らかに抵抗はあるが苦ではない
×:かなりの抵抗を感じる
このように、本発明の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤は、水着やスポーツウェア等の身体に密着させて着用するような種々の衣類の着脱をスムーズにする効果が高く、産業上極めて有用である。
Claims (7)
- 皮膚又は衣類に塗布して皮膚−衣類間の摩擦抵抗を低減させるための摩擦抵抗低減用組成物であって、粉粒体と揮発性分散剤とからなることを特徴とする、皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
- 前記粉粒体がシリコーン樹脂粉末である、請求項1記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
- 前記粉粒体の平均粒子径が0.01〜100μmであることを特徴とする、請求項1又は2記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
- 前記揮発性分散剤の引火点が90℃以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
- 前記粉粒体が0.1〜99重量%、及び前記揮発性分散剤が1〜99.9重量%配合されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
- 前記粉粒体と分散剤の比率が1:99〜50:50(重量比)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
- スキンケア成分を配合してなる、請求項1〜6のいずれかに記載の皮膚−衣類間用摩擦抵抗低減剤。
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