JP2000507947A - 無細胞性赤血球代用物を製造する方法及び装置 - Google Patents

無細胞性赤血球代用物を製造する方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 実質的にテトラー不含の、実質的にストローマ不含の、重合した、ピリドキシル化されたヘモグロビンの製造方法を開示する。また、ヒトの患者に約5リットル以下の量で注入することができる実質的にテトラマー不含の、実質的にストローマ不含の、重合した、ピリドキシル化されたヘモグロビン生成物を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 無細胞性赤血球代用物を製造する方法及び装置 発明の分野 本発明は、無細胞性赤血球代用製品、即ちヘモクロビン製品を製造する方法及 び装置に関する。更に、本発明は、ストローマ性汚染物質を有しない、主として テトラマー不含の、重合した、ピリドキシル化されたヘモクロビン溶液に関する 。 従来の技術 数十年来、血液バンクは、外傷又はその他の状況のために手術中に全血を提供 して来た。しかしながら、ヒトのドナーから得られた全血は種々の使用のために は不適当である。特に、全血の使用は、ドナー型、安定性及び貯蔵寿命の問題及 びウイルス及び他の汚染物質により惹起される毒性に対する要求のために問題が ある。これらの問題は、特に軍による血液の使用のような、緊急の状況に関する 。従って、ヒトのドナーから得られる全血のための代用物の開発に多大な努力が なされて来た。この努力は、ヒト又はその他の哺乳類源からの血液に対する多種 多様な変性を生じた。ストローマ不含のへモクロビンは、当業者には酸素輸送及 び可逆的酸素(又はリガンド)結合能力を有することは公知である。毒性問題が 血液代用物としての使用を 排除して来たので、ストローマ不含のヘモクロビンには非毒性の、有用な製薬学 的製品の対する更なる変性が要求された。 これらの変性は、(1)ストローマ及びストローマ汚染物質不含又は実質的に 不含のヘモクロビンを提供する、(2)ピリドキシル化、(3)重合又は架橋、 (4)テトラマーの除去及び(5)一酸化炭素又はその他のリガンドでの変性を 包含する。 しかしながら、これらの技術によって製造されたヘモクロビンは、生命を維持 するために酸素の十分量を輸送する能力を有しているが、多くの好ましくない副 作用及び特性の欠点を有する。例えば、主な障害となる副作用は、腎臓機能の減 退である。これらの変化は、細菌の内毒素又は赤血球膜の断片(ストローマ)の ような望ましくない汚染物質の存在に基づくものと考えられていた。このような 汚染物質は確かに腎臓の変質を惹起するが、前記の汚染物質を実質的に不含のヘ モクロビン溶液はなお重大な腎臓の機能障害を生じる。腎臓機能障害のための原 因は、生理的に受容されない量の未重合のヘモクロビンテトラマーに起因せしめ られた。テトラマーのヘモクロビンの注入の他の好ましくない副作用は、血管収 縮、血球素尿症、心拍度数の低下、平均動脈血圧の上昇及び特に腹腔内への注入 物の溢出である。 実際に、全体的に毒性問題を回避することにおいて は、公知のヘモクロビン誘発血液代用物は成功していない。また、これらの製品 は、ヒトの患者に投与した後の許容できない程の低い半減期を有する。このよう な半減期は、短期間に亙る血液容量の置換反復性を必要とする。従って、患者に とって無毒性でありかつ投与後の十分な半減期を有するヘモクロビン製品に対す る重大な必要性が存在する。勿論、これらの製品は全血により達成されるような 組織に対する酸素の可逆的輸送を行うことができるべきである。発明の概要 本発明は、ヒトに対して無毒性でありかつヒトに投与した場合に少なくとも1 5時間の実質的半減期を有するヘモグロビン代用物を提供することにある。本発 明のヘモグロビンは、ストローマ不含の、ピリドキシル化されかつ重合しており 、並びにウイルス性及び他の毒性汚染物質不含である。更に、これらの生成物は 、実質的に白血球(白血球細胞)及び血小板不含である。 本発明はまた、本発明によるヘモグロビン代用物を製造するための方法に関す る。該方法は、血液から白血球及び血小板を除去すること、赤血球を洗浄及び溶 解すること、ストローマ性汚染物質及びストローマを濾過及び熱処理により除去 すること、ヘモグロビンのデオキシ形を製造すること及びピリドキシル化及び重 合、更に精製及び濃縮、及び脱酸素化を包含する。次 いで、生じるヘモグロビン生成物は、正常な生理学的範囲内の種々の電解質のレ ベルを有するヘモグロビン製品を提供するために製剤化することができる。 本発明はまた、ピリドキシル化され、重合したヘモグロビンの水性製剤に関し 、この場合ヘモグロビンは、図3の平均分子量プロフィールを有する、テトラマ ー材料を含有するグルタルアルデヒド重合したヘモグロビンである。この製剤は 、無細胞性赤血球構造を調製するために使用することができる。この態様におい ては、テトラマーを除去するために該製剤を精製しかつ次いで適当な量の電解質 と合して生理学的に認容される無細胞性の赤血球代用物を製造し、該代用物は、 次いで酸素担体の注入を必要とするヒトを治療するために使用することができる 。図面の簡単な説明 図1は、ピリドキシル化及び重合のために製造された脱酸素化したヘモグロビ ンを得るために使用される工程及び装置の部分を示す略示図である。 図2は、ピリドキシル化及び重合で開始しかつ脱酸素化され、精製し、ピリド キシル化され、重合したヘモグロビン生成物を生じる工程及び装置の部分、及び 電解質の生理学的レベルを有する最終的ヘモグロビン製品を調製するために使用 される工程及び装置の部分を示す略示図である。 図3は、精製前のグリシン処理後の重合した材料の HPLCトレースである。重合した生成物は、保留時間(RT)15.57,1 6.08,17.00及び18.19でのピークにより示されている。テトラマ ー材料は、RT19.88及び20.51により示されている。ポリマーは、こ の材料の76.2%である。 図4は、本発明によるヘモグロビン生成物のHPLCトレースを示す図である 。重合したヘモグロビンは、RT15.7,16.33,17.32及び18. 56のピークで示されている。テトラマーは、RT21.18のピークで示され ている。 図5は、本発明で使用したカラムクロマトグラフィー精製工程を示す略示図で ある。 図6は、本発明で使用した膜精製工程を示す略示図である。本発明の詳細な説明 本発明は、実質的にストローマ、ストローマ性汚染物質及びその他の汚染物質 を有しない、主としてテトラマー不含の、架橋、重合、ピリドキシル化したヘモ クロビンからなる無細胞性赤血球代用物に関する。 以下に使用する用語「架橋」は、分子の形状、寸法、機能又は物理的特性を変 化させる目的を有する分子上もしくは内への又は分子間の分子の「橋」の化学的 位置を意味する。架橋した分子は、重合していてもよく又はしていなくてもよい 、即ち架橋した分子はテト ラマーであってよい。 以下に使用する用語「テトラマー」は、約64Kdの分子量を有するヘモグロ ビン分子に関する;即ち、この用語は、天然のかつ分子内架橋したヘモグロビン 分子の両者に関する。 以下に使用する用語「実質的にテトラマー不含」は、哺乳類に投与したテトラ マーに対する特定の生物学的反応がもはや存在しないテトラマー濃度に関する純 度のレベルを表す。主な基準は、製薬学的に有効な量を注入した場合、腎臓機能 における変化が存在しないことである、即ち、約99%又はそれ以上(テトラマ ー約1%未満は存在する)である。本発明による方法により製造された有利な生 成物は、全ヘモグロビン(THb)の重量を基準としてテトラマー約0.8%以 上は含有しない。換言すれば、本発明による実質的テトラマー不含の生成物は、 未重合のヘモグロビンの生理学的に認容されない量より多くは含有しない。本発 明の特に有利な生成物は、テトラマー約0.5%未満を含有する、本発明の最も 特に有利な生成物は、テトラマー約0.3〜0.4%を含有する。このような量 のテトラマーは、生理学的に認容されることが判明している。 以下に使用する用語「超精製生成物」又は「精製生成物」は、用語「実質的に テトラマー不含」と同じ意味を有する。 以下に使用する全ヘモグロビン(THb)%は、ヘモグロビンg/溶液100 mlとして定義される。 以下に使用する用語「重合する溶液」は、生化学的に適するキャリヤ内の「架 橋剤」又は重合剤、例えばグルタルアルデヒド、イミドエステル、ジアスピリン 又はその他を意味する。 以下に使用する用語「重合した」は、生じた重合した分子の寸法が天然又はテ トラマーヘモグロビンを基準として増大した分子もしくはテトラマーサブユニッ ト間の分子橋の位置を意味する。 以下に使用する用語「ヘモグロビンの溶液」とは、テトラマーヘモグロビン又 は重合したヘモグロビン分子(該分子は赤血球には含有されていない)の溶液を 意味する。このような溶液は、赤血球ストローマ又はストローマ性汚染物質不含 であるか又は実質的に不含であることを必要としない。しかしながら、有利な重 合したヘモグロビン溶液は、赤血球ストローマ又はストローマ性汚染物質不含で ある。 「半透過性膜」とは、いくらかの分子種は透過するが、その他は透過しない膜 、即ち特定の分子量を排除する選択的フィルターとして作用する膜を意味する。 本発明による生成物、即ち熱処理され、ウイルス的に不活性化されたヘモグロ ビンから製造された、実質的にテトラマー(天然又は分子内架橋した)ヘモグロ ビン、ストローマ性及び種々の他の汚染物質不含の重 合したピリドキシル化されたヘモグロビン溶液は、生理学的に認容され並びに治 療学的かつ臨床的に有用である。該生成物は、酸素輸送のために必須である可逆 的酸素結合能力を有する。最も注目すべきことに、該生成物は、全血に類似した 酸素−ヘモグロビン解離曲線(P50)を有することに関連する方法において良好 な負荷及び非負荷特性を示す。該生成物は肺を通る毛管内で高い親和力をもって 酸素を結合しかつ次いで適宜に酸素を体内の組織に開放する。該生成物はまた受 血者との相容性研究を必要としない。 また、該生成物はヒトに投与した場合、少なくとも約15時間、より有利には 約24時間の半減期を有する。このヘモクロビン生成物は、約3.0L以下、更 には約5.0L以下の量で患者に注入することができる。換言すれば、本発明に よるヘモグロビン生成物は、血管収縮、腎臓毒性、ヘモグロビン尿症、又はその 他の、合成もしくは準合成酸素キャリヤ及び血液代用物の静脈内投与と関連した 問題を伴うことなく、ヒトの患者の血液容量の実質的に全てを補充するために使 用することができる。従って、本発明は、患者、特にヒトの患者に、患者に対し て無毒性であるストローマ不含、テトラマー不含の、重合した、ピリドキシル化 されたヘモグロビンの一定量(該量は少なくとも5.0L未満である)を輸注す る方法を包含する。このような方法は、患者に注入又は輸注するための注入装置 又は他のそのような設備に患者又は物体を設置することを包含する。 本発明による方法は、収率において生成物が溶液中の全てンヘモクロビンの重 量に対して、約1重量%以下、有利には0.8重量%のテトラマーのレベルを有 することにおいて新規である。本発明による方法は、実質的に微生物及びウイル スの抗原及び病原体を有しない最終生成物を提供することができるという別の利 点を有する。このような微生物及びウイルスの抗原及び病原体は、換言すれば、 検出不能な水準まで減少せしめられる。該生成物は、合衆国薬局方XXIII章(U nited States Pharmacopeia,XXIII Chapter<71>規定さている分折により決定さ れるように無菌である。このような抗原及び病原体の例は、例えば、細菌、リケ ッチア、真菌、原生動物、ウイルス及びその他の微生物を包含する。最も重要な ことは、該方法は、肝炎及び後天性の免疫不全性症候群(AIDS)を誘発する ウイルス不含の生物学的生成物を提供することである。 生理学的特性に関する限り、本発明による生物学的生成物は、少なくとの約5 .0L以下の量で注入する場合、血管収縮、腎臓毒性、血液素尿症及びその他の 生理学的に望ましくない量のテトラマーヘモクロビンを含有する公知のヘモクロ ビン溶液の静脈内投与に関連した他の問題を惹起しない。ここに記載する方法に より製造された生成物の静脈内投与は、尿生産におけ る認識され得る減少、糸球体濾過速度における認識され得る低下、認識され得る 腹腔内への溢出及び生産される尿の色における認識され得る変化を生じない。 従って、本発明による方法は、外傷、心筋梗塞、発作、急性貧血症及び酸素欠 乏症、例えば完全酸素飽和血液の対する肺の欠乏又は血管に基づく低酸素血症、 低酸素症又は最終段階の酸素欠乏において有用である。また、該生成物は、蘇生 液体(例えば外傷、特に主血性ショック)、脈間内容積増量剤又は交換輸血にお いて有用である。医学的治療に加えて、該生成物は移植組織のための器官の予防 において有用である。 本発明は、以下の手順を包含する: 1)赤血球吸引及び濾過、 2)細胞洗浄/溶解、 3)心臓治療、 4)限外濾過、 5)ガス抜き、 6)化学的変性、 7)精製、 8)UPポリ濃縮、 9)脱酸素化、 10)調剤 本発明による方法における有利な出発材料は、古いヒトの全血又は包装された 赤血球である。古くない(indated)血液を使用することもできる。有利には、 バッグに記載された有効期限を2週間以上経過して貯蔵された全血は使用すべき でない。2週間以上経過した全血の使用は、ヘモクロビンの抽出及び細胞性残留 物、例えばストローマ性蛋白質及び汚染物質を除去する点で付加的な困難性を提 供する。 ここに記載する全ての方法は、従来の既述の範囲内の可能な僅かな変更で別の 哺乳類の血液のためにも適用可能である。該方法の殆どは、約2℃〜約8℃、有 利には約4℃で実施することができる。 赤血球吸引及び濾過中に、赤血球(RBC)は、空気を血液中に導入すること なくドナーバッグから無菌で抽出されかつ一連のフィルターを通過して白血球及 び血小板の量を減少したRBC懸濁液を生じる。次いで得られた懸濁液を細胞洗 浄/溶解処理する。 該懸濁液を、一酸化炭素雰囲気下で約1%のNaCl溶液で洗浄し、残留血漿 蛋白質を除去する。次いで、洗浄したRBCを、細胞を溶解させるために注射用 水(WFI)で処理しかつ得られた混合物をクロスフロー濾過ユニットを使用し て清澄化する。次いで、清澄化した生成物を熱処理して付加的なストローマ物質 を沈殿させ、濾過により除去する。この手順の生成物は、約3%(w/v)のT HBを有するストローマ不含のヘモクロビン(SFH)である。 カルボキシヘモクロビンを含有する熱処理したかつストローマ不含の溶液を濃 縮しかつガス抜きし、デオ キシヘモクロビンを含有するSFH溶液を得る。ガス抜きは、まずカルボキシヘ モクロビン溶液を酸素で約16時間飽和させ、酸素添加したヘモクロビン及び、 ヘモクロビンの全重量に対して約7重量%のカルボキシヘモクロビンの溶液を得 る。引き続き、酸素を窒素、アルゴン又はヘリウムで追出し、遊離ヘモクロビン 、即ち錯体化されていないヘモクロビン、及びヘモクロビンの全重量に対して約 7重量%のオキシヘモクロビンを含有する溶液を形成する。生じたガス抜きした 溶液を濾過しかつ化学変性のための容器に移す。 ガス抜きに引き続き、ストローマ不含のヘモクロビン溶液を、ピリドキサール −5’−ホスフェート(P5P)を使用してピリドキサール−5’−ホスフェー ト対ヘモクロビンのモル比1:1〜3:1でピリドキシル化する。選択的に、ス トローマ不含のヘモクロビンを、2−ノル−2ホルミルピリドキサール−5’− ホスフェートを使用してピリドキシル化してもよい。該ピリドキシル化混合物に シアノホウ水素化ナトリウム又は有利にはホウ水素化ナトリウムのような還元剤 を添加する。過剰の反応剤及び塩は、発熱物質不含の水に対する透析、又は有利 にはWFIを用いた透析濾過により除去する。次いで、ピリドキシル化したヘモ クロビンをグルタルアルデヒドで重合させる。 ストローマ不含のピリドキシル化したヘモクロビンをグルタルアルデヒド水溶 液を使用して重合させる。 重合時間及びグルタルアルデヒドの添加量は、ヘモクロビン溶液の容量、ポリマ ーの所望の収率及び所望の分子量分布に依存する。一般に、長い重合時間は、ポ リマーの収率及び分子量分布を増大させる。ヘモクロビンの全重量に対して、約 76重量%のポリマーの収率は、約16〜18時間で得られる。重合の有利な最 終時点は、該溶液が、サイズ排除HPLCでモニターして、全ヘモクロビン重量 を基準として約75重量%のポリマーを含有する時点である。選択的に、終了時 点は、該溶液がヘモクロビンの仝重量に対してポリマー約65重量%を含有する 時点として規定される、即ち約2.5時間である。 重合反応は、水性グリシンを添加することにより停止させる。緩衝剤は、可能 な限り迅速に添加すべきでる。次いで、再び可能な限り迅速に、ホウ水素化ナト リウム水溶液を添加することにより、架橋を安定化させる。引き続き、この重合 した溶液を濃縮しかつ次いで該溶液を酸素添加するために酸素の雰囲気下で透析 濾過する。最後に、該溶液に、溶液がヘモクロビン約4重量%を含有するように なるまでの水を加える。 本発明に基づく重合は、図3及び以下の実施例1に示すような狭い分子量範囲 を有する高収率のポリマーを生じる。 次いで、重合し、ピリドキシル化されたヘモクロビン溶液をカラムクロマトグ ラフィー、濾過、例えば膜 濾過、又は両者で精製して、溶液から残留した未重合(テトラマー)ヘモクロビ ンを除去する。精製した重合した溶液を、次いで、ガス交換のための製法におい て限外濾過装置を使用して約6%に濃縮する。 次いで、濃縮した溶液を窒素で脱酸素化する、脱酸素化は、約10〜12℃で 、溶液中のオキシヘモクロビンが全ヘモクロビンの約16重量%未満になるまで 実施する。 得られた脱酸素化し、精製し、かつ重合したヘモクロビン溶液を、次いで冷却 容器内で窒素雰囲気下で限外濾過により濃縮する。pHは約8.8〜9.0に調 整し、かつ電解質の量は必要に応じて正常な血漿が示すレベルに調整する。付加 的に、グルタチオン、アスコルベート又はグルコースのような慣用の酸化防止剤 を場合によりに添加することもできる。該溶液を所望のレベル、有利には重合し 、ピリドキシル化され、精製したテトラマー不含、ストローマ不含のヘモクロビ ン約10重量%に濃縮した後に、溶液を濾過により滅菌しかつ無菌搬送装置を介 して適当な製薬学的に認容される容器に移す。 生じたヘモクロビン溶液の特性を以下に示す: 1 分光測定的に測定した重合ヘモグロビンでのレベル 2 浸透圧測定法により測定した重合ヘモグロビンでのレベル 3 イオン特異性電極により測定した重合ヘモグロビンでのレベル 4 原子吸収により測定した重合ヘモグロビンでのレベル 5 サイズ排除HPLCにより測定した 6 Association of Cape Codから市販されているアッセイを使用するLA Lにより測定した(アッセイ成分のカタログ番号は100-5,800-1,3100-5 である) 7 HPTLCにより測定した 以下の実施例は、本発明の特定の態様を示す。 しかしながら、これらの実施例は、本発明の構成及び範囲を説明することを目 的としたものであって、本発明を制限することを目的としたものでは全くない。 全ての温度は、他に断りのない限り、摂氏である。他に断りのない限り、例えば 全ヘモクロビン(THb)のパーセンテージは、重量/容量(w/v)で示され ている。また、典型的反応条件が(例えば温度、反応時間)が記載されている場 合、これらの特定の範囲の上又は下の両者にある条件も、一般には好ましくない が、使用できると見なされるべきである。 制限するものではないが、本発明による方法で使用される全ての容器及びタン クは、316Lのステンレススチール、特に、高度に研磨され、従って容易かつ 迅速に清浄化されるようなステンレススチールの製薬学的グレードのものからな る。種々の接続導管及びチューブは、同じステンレススチール又は製薬学的グレ ードのテフロンもしくはシリコーンチューブから製造されている。該方法で使用 されるフィルター及び膜は、Millipore Inc., Pall-Filtron又はCuno Incから市 販されているものでよい。 本発明の得られた生成物の半減期は、哺乳類、例えばヒトにおける生体内で測 定する。典型的には、哺乳動物に生成物を注射して一定期間後に哺乳動物から血 液試料を採取する。次いで、該生成物の量を、血液試料を遠心分離し、血漿画分 を圧出し、血漿ヘモクロビンレベルを分光光度分析的に測定しかつ次いで哺乳動 物内に残留する生成物の量を生成物の半減期に相関させることにより決定する。 本発明に基づくサイズ排除クロマトグラフィーHPLCは、以下のようにして 実施する: 試料を、0.2MのpH6.9燐酸カリウム緩衝液 で0.2g/dlに希釈し、0.2μフィルターを通して濾過しかつ以下の構成 部品(システムフローの順序)からなるHPLCシステムに注入する: 1.パルマシア・モデル(Pharmacia model)2248ポンプ −移動相は0.2MのpH6.9燐酸ナトリウムである。 −流速は1.0ml/分である。 2.45cmのPEEK又はチタンチューブ、内径0.010in. 3.200μlのPEEKサンプル・ループを有するレオダイン・モデル(Rh eodyne model)7725iインジェクター 4.18cmPEEK又はチタンチューブ、内径0.010in. 5.アップチャーチ・モデル(Upchurch model)A431 0.5μフィルタ ー 6.9cmのPEEK又はチタンチューブ、内径0.010in. 7.Phenomenex Biosep SEC S-3000 75×7.8mm Guard column 8.24cmのPEEK又はチタンチューブ、内径0.010in. 9.Phenomenex Biosep SEC S-3000 600×7.8mm Analytical column 10.23cmのPEEK又はチタンチュウーブ、内径0.010in. 11.Pharmacia Uvicord SD UV detector 波長 280nm フローセル 容積8μl、路長2.5mm 範囲 2AUFS 時定数 10秒 280nmでのピーク吸収を、LKB2221積分器で記録した。該積分器は 、それぞれのポリマー種に対する個々のピーク面積を積分しかつ全ヘモクロビン 面積を計算した。 以下の実施例により、本発明を一層明確に説明する。 例1 図1を参照して、古い血液(全血又はパックされた赤血球)のドナーバッグ2 0を適当な無菌の吸引装置22内に設置する。1つの例として、適当な吸引装置 は、2つの吸引ステーションを有するシステムである。ドナーバッグを該吸引装 置に設置したら、吸引装置内の針をドナーバッグに突き刺し、1%(w/v)塩 化ナトリウム約150mlを導入しかつ減圧又は真空下でドナーバッグから古い 血液を吸引する。吸引した血液を、深さ100μのフィルター24及び引き続き 2つの深さ5μのフィルター26を連続して通過させる。血液が深さ5μのフィ ルターを通過する際に、白 血球は血液から除去される。典型的には、古い全血約170単位を吸引し、濾過 しかつ引き続き図1に示されているようなタンクに搬送する。次いで、該フィル ターを1%(w/v)の塩化ナトリウム水溶液約75リットルですすぐ。 血液をタンク1に導入する前に、タンク1に1%の塩化ナトリウム水溶液70 Lを充填する。古い全血全部で170単位を吸引し、濾過しかつ搬送し、かつフ ィルターをすすいだ後に、タンクに4%の全ヘモクロビン溶液約250リットル を入れる。吸引及び濾過工程中に、タンク1を減圧、即ち20〜28”Hgに維 持する。全ての古い血液をタンク1に移した後に、真空を遮断しかつタンクに一 酸化炭素を、タンクが一酸化炭素の雰囲気を含有するようになるように導入する 。 図1に示されているように、タンク1には0.65μタンジェンシャル・フロ ー・フィルターが接続されている。4%の全ヘモクロビン溶液250リットルの 初期の装入量を、タンジェンシャル・フロー・フィルターを通過させるマイクロ 濾過により8%の全ヘモクロビン溶液約125Lに濃縮する。この地点でのヘモ クロビン溶液のpHは、約6〜6.5である。8%の全溶液への濃縮に引き続き 、該溶液を1%(w/v)の塩化ナトリウム溶液を添加することにより洗浄し、 透析濾過しかつ濾液を、塩化ナトリウム溶液が添加さ れると同じ速度で除去する。ヘモグロビン溶液125Lを典型的には1%の塩化 ナトリウム溶液約8倍容量(約1000L)で洗浄する。洗浄に引き続き、該溶 液を約70L、即ち約14%の全ヘモクロビンに濃縮し、かつ注射用水(WFI )を、該溶液の容量が約180Lになるまで加える。WFIの添加に伴い、細胞 は膨潤しかつ破裂してヘモクロビンを溶液に放出する。生じるヘモクロビン溶液 の濃度は、約5%の全ヘモクロビン(THb)である。 生じる溶液を、タンク1にある間に清澄化する。該溶液を先ず約50Lに濃縮 しかつ濾液をタンク2に移す。溶液はフィルターを通過して圧送されるので、赤 血球ストローマ汚染物質及び細胞壁物質は保留されかつフィルターにより除去さ れる。タンク1内の残留溶液50LをWFI約2. 倍容量で洗浄する。この2 .5倍容量の洗浄液をタンク2に加える。次いで、タンク1に残留する材料を約 20Lに濃縮しかつ該濾液をタンク2に加える。タンク2に生じる容量は、3. 3%の全ヘモクロビン溶液約280Lである。 次いで、生じたストローマ不含のヘモクロビンの溶液を、タンク2内で約60 〜62℃で約10時間熱処理する。この時間中、該溶液を適度に撹拌する。溶液 を加熱しかつ約55℃の温度で通過させると、沈殿物が形成される。 次いで、生じた3.3%のTHb(w/v)ストロ ーマ不含の、熱処理したヘモグロビン溶液を、0.2μのフィルター30、引き 続き0.1μのフィルター32を通過させかつタンク3に移す。次いで、濾過し たヘモグロビン溶液を約18%のTHbに濃縮しかつ引き続き4倍量のWFI( 180L)で透析濾過する。該濃縮及び透析濾過は、10キロドルトン(kd) 分子量の限外濾過器34を使用して実施する。限外濾過器34と接続されたドレ イン35で濾液を捕集する。この時点で、18%の全ヘモグロビン溶液45Lは 、約6〜6,5のpHでヘモグロビン1g当たりリン脂質50ng未満、ヘモグ ロビン1g当たり糖脂質2ng未満、メトヘモグロビン1%未満、1ml当たり 内毒素約0.03単位未満を含有する。この溶液中のヘモグロビンは、カルボキ シヘモグロビンである。 次いで、生じたヘモグロビン溶液をタンク4に搬送し、ここでカルボキシヘモ グロビンをまず酸化しかつ次いで脱酸素化する。タンク4には、酸素及び窒素ガ ス導管に結合されたガススパージリング、タンク4の頂部に配置された計量スプ レー装置へのタンク底からのフィードフォームカン1に接続されたフォームオー バフロー捕集器を装備しており、それによりタンク4内に発生したフォームは、 フォームカン36に供給され、そこでフォームは液体に凝縮されかつタンク4に 戻される。タンク4は、更にタンク容積のほぼ1/3に充填されたパル・リング (Pall Ring)のセットを 有する。フォームカン36は、ガスを除去するためにガス抜きを有する。タンク 4内の溶液は、13%の全ヘモグロビン溶液である。 最初の酸素添加工程中に、酸素を、容器内にガスの均一な分散が行われるため に十分な速度で溶液内をスパージさせる。容積200Lの容器に、ガスを約25 L/分の速度でスパージさせる。カルボキシヘモグロビンの酸素添加は、得られ る溶液が全ヘモグロビンの重量を基準としてカルボキシヘモグロビン5%未満を 含有するように、約16時間実施する。酸素添加は、約10℃の温度で実施する 。タンク4内に発生したフォームはフォームカン36内に捕集しかつ沈降後、生 じた溶液をタンク4に戻す。 酸素添加後に、溶液を同じ窒素流で約6時間、又は全ヘモグロビンの重量に対 してオキシヘモグロビン10%未満が溶液内に残留するまで、スパージする。窒 素スパージは、温度約10℃及びpH約6〜6.5で実施する。選択的に、カル ボキシヘモグロビンは膜交換器を使用してデオキシヘモグロビンに転換すること ができる。一般にフォーミング工程から予測されるような、ヘモグロビンの変性 は実質的に起こらないことに留意されるべきである。 次に図2に関して説明すれば、デオキシヘモグロビン溶液を、化学変性のため にタンク5に搬送する。次いで、約4℃の溶液でデオキシヘモグロビンを有する タンク5に、ピリドキシル−5−ホスフェート(P5P)の水溶液(93.75 g/L)を1:1〜3:1のP5P対ヘモグロビンのモル比で加える。P5P対 ヘモグロビンの2:1のモル比が有利である。ピリドキシル化は、約4℃の温度 で実施する。P5P溶液は、典型的には約1分間かけて加えかつ約15分間混合 し、その後ホウ水素化ナトリウム/水酸化ナトリウム溶液を、約20:1のホウ 水素化ナトリウム対ヘモグロビンのモル比でヘモグロビン溶液に加える。適当な ホウ水素化ナトリウム/水酸化ナトリウム水溶液は、2リットル当たり水酸化ナ トリウム0.8g及び2リットル当たりホウ水素化ナトリウム90.8gを含有 する。ホウ水素化物溶液は、1分間に亙り可能な限り迅速に添加しかつ1時間撹 拌する。得られたピリドキシル化されたヘモグロビンの溶液50Lを、引き続き 10Kドルトンの限外濾過器38を使用して4倍量のWFIを用いて過剰の反応 体を除去する。限外濾過器38と結合したドラム40で、フィルター38からの 濾液を捕集する。 4倍量、即ち200LのWFIで透析濾過した後に、ピリドキシル化されたヘ モグロビンを有するタンク5に、4.5%の全ヘモグロビン溶液(ヘモグロビン 溶液約175L)を調製するために十分な量のWFIを加える。グルタルアルデ ヒド溶液を、ピリドキシル化されたヘモグロビン溶液に、グルタルアルデヒド対 ヘモグロビンのモル比約24:1で加える。グルタルアルデヒドは、典型的には ヘモグロビン溶液に計量ポンプにより約2.5時間かけて加える。重合反応は、 約18時間進行させる。目標分子量分布は、ポリマー約75%及びテトラマー2 5%である。目標ポリマーは、100,000〜350,000範囲内に存在する 分子量の主フラクションで約600,000未満の分子量分布を有する。 重合反応が目標分子量分布に達すると(約18時間後)、水性グリシン(約1 66g/L)をヘモグロビンにグリシン対ヘモグロビンの140:1のモル比で 加える(急冷“quench”として)。生じた重合したグリシン急冷ヘモグロビン生 成物のHPLCトレーシングである図3参照。次いで、生じた溶液を約10分間 混合し、その後ホウ水素化ナトリウム/水酸化ナトリウム溶液(前記に定義した 濃度を有する)ヘモグロビン溶液にホウ水素化ナトリウム対ヘモグロビンの28 :1のモル比で加える。この生じた混合物を約1時間撹拌する、次いで、該溶液 を約50Lに濃縮し(限外濾過器38)かつ4倍量(200L)のWFIで洗浄 する。濃縮した溶液にホウ水素化ナトリウムの付加的アリコートを前記に示した と同じモル比で加えかつ再び1時間混合する。得られた溶液を4倍量のWFI( 200L)で洗浄し、熱処理した、重合した、ピリドキシル化されたストローマ 不含のヘモグロビンが生じ る。 得られた溶液を、該溶液を酸素雰囲気下に放置することにより酸素添加しかつ 引き続き精製システム42に搬送する。該精製は、カラムクロマトグラフィー、 濾過、有利には膜濾過(透析濾過)又は濾過とカラムクロマトグラフィーの組み 合わせにより達成することができる。 1実施例では、溶液をクロマトグラフィー供給容器、図5に示されているよう なタンク6に搬送する。この実施例では、生じたオキシヘモグロビンの溶液を、 次いでタンク6内で約200L(4%の全ヘモグロビン)に希釈しかつ塩化物の 濃度を塩化ナトリウム溶液で22mMに調整する。ナトリウム濃度の調整は不必 要である。 次いで、生じるヘモグロビン溶液の5つの40Lアリコートをカラム44を使 用してクロマトグラフィー処理する。カラム44は、テトラマーよりもポリマー に対して大きな親和性を有する黄色染料(Affinity Chromatography,Ltd.からM imetic Yellow No.1として市販)で変性したアガロースゲルである親和性ゲルを 含有する。 クロマトグラフィー処理は、以下のようにして実施する。酸素添加した、重合 した、ピリドキシル化された、ストローマ不含のヘモグロビン溶液40Lをカラ ム44に装填する。該カラムを、15倍のカラム容量 の30mM塩化ナトリウム緩衝液(約750L)で洗浄して、テトラマーを除去 する。次いで、該カラムを300mM塩化ナトリウム緩衝液約250Lで洗浄し て、ポリマーを洗い流す。ポリマーフラクションをタンク7に捕集する。所望し ないフラクションは、ドレイン46に沈降させる。各アリコートを除去した後に 、該カラムを15mMのHCl溶液(150L)で再生させ、30mMの水性N aCl(250L)で再平衡化しかつ供給溶液の別のアリコート(40L)をカ ラム装填する。該カラム再び30mMのNaCl、引き続き300mMのNaC lで洗浄する。該カラムにヘモグロビン溶液の40Lアリコートを加えかつクロ マトグラフィー処理しかつタンク6を空にする。 タンク7内の捕集したフラクションを、ドレイン50と結合したフィルター4 8を使用して約40Lの容量(6%の全ヘモグロビン)に限外濾過する。次いで 、濃縮したヘモグロビン溶液を脱酸素化のためにガス交換タンク8に搬送する。 選択的に、該溶液を、図6に示されているように濾過再循環容器10に搬送す る。次いで、ヘモグロビンをタンク10内で約4%のTHbに希釈する。次いで 、4%のTHb溶液を10mMのNaCl及びPall-Filrtonから市販されている 300,000分子量フィルターを使用して透析濾過する。濾過は、ヘモグロビ ン材料の約97%がフィルターを通過しかつタンク1 1に流入するまで継続する(該材料の約3%は、即ち高分子量ポリマーはタンク 10内に残留する)。ヘモグロビンの量は、コオキシメータを使用して分光分析 的に測定する。 生じたタンク11内の材料は、約2〜4%THbでありかつTHbを基準とし てテトラマー約7〜10%を含有する。次いで、2〜4%THbを10mMのN aCl及び、ドレイン又はトラップ56に結合されたPall-Filrtonから市販され ている100,000分子量フィルター54を使用して透析濾過する。BioSep S EC-S3OOO 600×7.8mmカラムを使用してサイズ排除クロマトグラフィーにより測 定したテトラマーのレベルがヘモグロビン質量0.8重量%未満になるまで継続 する。生じた精製されたヘモグロビン溶液は、最初はタンク11内に残留しかつ 引き続き脱酸素化のためにガス交換タンクに搬送する。 ガス交換タンク8は、タンク4と同じタンクで又は有利には異なるタンクであ ってよい。ガス交換タンク8は、図1におけるガス交換タンク4と実質的に同じ 形式で装備されおりかつタンク4と同一の形式でフォームカン58及びフォーム カン36に接続されている。脱酸素化は、約10℃及び約7.5の溶液pHで窒 素スパージで約2.5時間実施する。窒素スパージは、全ヘモグロビンの重量を 基準として、オキシヘモグロビン約16%未満が溶液内に残留するようになるま で継続する。生じたデオキシヘモグロビン溶液は、引き続き調剤のためにタンク 9に搬送する。 調剤タンク9内で、溶液をまず約7%の全ヘモグロビン濃度に濃縮しかつpH を4℃で約8.8〜9.0に調整する。pHは、0.2MのNaOHを用いて調 整する。次いで、電解質溶液をpH8.8〜9.0のヘモグロビン溶液に添加す る。それぞれ約5g/L及び1.75g/Lの最終濃度を達成するためにグルコ ース及びグリシンを加える。約3.5〜4.5mMのカリウム濃度を得るために 、溶液に塩化カリウムを添加する。次いで、3Mの塩化ナトリウムを添加して、 85〜110mMの塩化物濃度を得る。引き続き、乳酸ナトリウムを添加して、 135〜155mMのナトリウムイオンの濃度を得る。最後に、アスコルビン酸 濃度を約1000mg/Lまで上昇させるために0.45モルのアスコルビン酸 溶液を加える。アスコルビン酸は、貯蔵のための防腐剤/酸化防止剤として加え る。得られたヘモグロビン溶液は、1kg当たり約280〜360ミリモルの最 終浸透圧重量モル濃度を有する。 次いで、調製したヘモグロビン溶液をトラップ62に結合したフィルター60 を使用して約10%の全ヘモグロビンに濃縮しかつ次いで10%のヘモグロビン 溶液をフィルター64で濾過することにより滅菌しかつ前滅菌したバッグに無菌 で充填する。 この実施例で製造した生成物、バッチAの特性は、表1に示されている。更に 、バッチB及びC(両者ともバッチAにために前述した方法に基づき製造した) は表1に示されている。 前記には、本発明の有利な実施例を詳細に記載したが、説明のためであって、 本発明を制限するものではない。勿論、あらゆる別の修正、分枝及び等価思想も 、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内に包含されることは当業者には自明 のことである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトの患者に、腎臓機能を低下させずに約1.5リットル以下の量で注入す ることができる、ピリドキシル化され、重合したヘモグロビンの水溶液。 2.ヒトの患者における半減期約15時間を有する、請求項1記載のヘモグロビ ン溶液。 3.ヒトの患者における半減期約24時間を有する、請求項1記載のヘモグロビ ンの溶液。 4.約5リットル以下の量で注入することができる、請求項1記載の溶液。 5.ヒトの患者に、腎臓機能を低下させず約3リットル以下の量で注入すること ができかつヒトの患者における半減期約24時間を有する、請求項1記載のヘモ グロビンの溶液。 6.ヒトの患者に約3リットル以下の量で注入することができる、ピリドキシル 化され、重合したヘモグロビンの溶液を製造する方法において、 a)赤血球を含有する混合物を、白血球の通過を阻止するのに十分な平均孔サ イズを有するフィルターを通して濾過することにより白血球を除去する、 b)赤血球を溶解する、 c)b)の生成物に一酸化炭素を添加しかつ約60〜62℃の温度に約10時 間加熱して、熱処理したヘモグロビン溶液を得る、 d)熱処理したヘモグロビン溶液を濾過して、加熱により沈殿したストローマ及 びストローマ性汚染物質を除去する、 e)熱処理したヘモグロビン溶液を、フォームを発生させるために約10℃の温 度で熱処理した溶液を通して酸素及び次いで窒素をスパージングすることにより ガス抜きして、ガス抜きし、熱処理したヘモグロビン溶液を得る、 e)ガス抜きした溶液をピリドキシル化して、ピリドキシル化されたヘモグロビ ンを得る、 f)ピリドキシル化されたヘモグロビンの溶液を重合させて、ピリドキシル化さ れ、重合したヘモグロビンの溶液を製造する、 g)前記溶液に酸素添加する、 g)テトラマーのヘモグロビンを除去するために前記溶液を精製しかつ精製した 、ピリドキシル化され、重合したヘモグロビンを捕集する、その際該溶液はフモ グロビンの全重量を基準としてテトラマー0.8%未満を含有する、 h)精製した、ピリドキシル化され、重合したヘモグロビンを脱酸素化する、 i)精製した、ピリドキシル化され、重合したヘモグロビンの溶液内のpH及び 電解質レベルを生理学的レベルに調整する ことを特徴とする無細胞性赤血球代用物を製造する 方法。 7.ガス抜きした溶液をピリドキサール−5−ホスフェートと、ピリドキサール −5−ホスフェート対ヘモグロビンのモル比約1:1〜3:1で接触させること によりガス抜きした溶液をピリドキシル化する、請求項6記載の方法。 8.ガス抜きした溶液をピリドキサール−5−ホスフェートと、ピリドキサール −5−リン酸対ヘモグロビンとのモル比約2:1で接触させることによりガス抜 きした溶液をピリドキシル化する、請求項6記載の方法。 9.ピリドキサール−5−ホスフェートをヘモグロビン及びホウ水素化物と約1 時間接触させる、請求項7記載の方法。 10.ピリドキシル化された溶液をグルタルアルデヒドと、グルタルアルデヒド対 ヘモグロビンのモル比約24:1で接触させることにより、ピリドキシル化溶液 中のヘモグロビンを重合させる、請求項9記載の方法。 11.ピリドキシル化された溶液をグルタルアルデヒドと約18時間接触させかつ 次いで急冷する、請求項10記載の方法。 12.患者にピシドキシル化され、重合したヘモグロビン溶液約1.5リットル以 下を投与することを特徴とする、輸注を必要とするヒトの患者への輸注方法 。 13.患者にピシドキシル化され、重合したヘモグロビン溶液約3.0リットル以 下を投与することを特徴とする、輸注を必要とするヒトの患者への輸注方法。 14.患者にピシドキシル化され、重合したヘモグロビン溶液約5.0リットル以 下を投与することを特徴とする、輸注を必要とするヒトの患者への輸注方法。 15.ヘモグロビンがグルタルアルデヒド重合したヘモグロビンである、請求項1 4記載の方法。 16.ヘモグロビンが図4記載の分子量分布を有する、請求項15記載の方法。 17.ヘモグロビンが図4記載の分子量分布を有するグルタルアルデヒド重合した ヘモグロビンである、請求項1記載の溶液。
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