JP2000507369A - 剥離可能な第一次被覆を有する被覆光ファイバー及び前記繊維を製造し利用する方法 - Google Patents

剥離可能な第一次被覆を有する被覆光ファイバー及び前記繊維を製造し利用する方法

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Abstract

(57)【要約】 オリゴマーを含む放射線硬化可能な第一次被覆を有する被覆光ファイバーを開示する。詳しくは、前記第一次被覆は、1種類以上の(メタ)アクリレートを末端基とするウレタンオリゴマー;及び任意のシラン定着剤、光開始剤及び安定剤を含むことができる。前記第一次被覆は、硬化したときに、ガラスに対する低い接着性、高い引張強さ及び少なくとも75%の引張伸びを示す材料から作る。前記の被覆光ファイバー及び被覆を調製する方法それ自体も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 剥離可能な第一次被覆を有する被覆光ファイバー及び前記繊維を製造し利用する 方法発明の背景 1.発明の分野 本発明は、放射線硬化可能な第一次被覆を被覆光ファイバーから完全に剥離す ることが容易な被覆光ファイバーに関するものである。 2.発明の背景 延伸された光を透過させるための光ファイバーは、予期外に強靭であり、固有 の欠点は極めて少ない。しかしながら、小さな表面の傷によって、前記繊維は、 脆くなって容易に破損し得るようになる。したがって、一般的に、前記繊維は、 Shustackによる米国特許第5,352,712号、第5,527,835号及び 第5,538,791号で開示されているように、第一次被覆及び保護するため の任意の第二次被覆によって被覆される。前記特許は、参照によって本明細書に 完全に取り入れられている。しかしながら、光ファイバーを添え継ぎすることが 望ましいときには、添え継ぎできるように、これらの被覆を剥離して光ファイバ ーを暴露する。添え継ぎの前の準備工程として、これらの被覆を除去することは 、光ファイバーを引っ掻いたり損傷させたりする危険性を内包している。 A.光ファイバー構造 第一次被覆は、ガラス繊維に対して直接塗布され、硬化するときに、前記繊維 が曲げられたり、ケーブルで縛られたり又はスプールに巻かれたりするときに創 出される応力を除去することによって、衝撃を緩和し、前記繊維を保護する緩衝 (buffer)として役立つ軟質ゴム状のコンプライアントな材料を形成する。さも なければ、前記応力は、光ファイバーの微小な曲げを誘発して、前記繊維中を通 過する光が減衰し、信号伝送が不充分となる。第二次被覆は第一次被覆の上に塗 布され、硬質で丈夫な保護外層として機能し、加工及び使用中におけるガラス繊 維に対する損傷を防止する。1つを超える光ファイバーを組み合わせて、マトリ ックス中に埋込むことができる。 ある種の特性は、第一次被覆層にとって望ましい。例えば、第一次被覆層は、 熱劣化及び加水分解劣化の間、ガラス繊維に対して充分な接着を保っていなけれ ばならないが、添え継ぎ目的のためにはガラス繊維から剥離できなければならな い。第一次被覆の引張弾性率は、微小曲げ及びその結果として生じる不充分な信 号伝送を誘発し得る前記繊維に関する応力を容易に除去することにより、衝撃を 緩和して保護するために低い値でなければならない。このクッション効果は、繊 維がその寿命にわたって晒されるかもしれない温度範囲にわたって維持されなけ ればならない。したがって、第一次被覆は、低いガラス転移温度(Tg)を有し ている必要がある。低いガラス転移温度によって、被覆が、可能使用温度範囲に わたった、そのゴム状態を維持することが保証される。 また、第一次被覆は、被覆される繊維の外装材料の屈折率を超える比較的高い 屈折率を有しているべきである。この高い屈折率は、ガラス外装と第一次被覆と の間の屈折率の差を考慮に入れている。この差によって、正道を逸脱した光信号 をガラス心から離れるように反射することができる。 第一次被覆(緩衝被覆)の別の必要な特性は、湿気又は他の溶剤、例えば炭化 水素に対する耐性である。湿気は、応力下における、被覆自体ならびにその下に 存在するガラス繊維の強度を素早く劣化させる。 光ファイバー被覆の別の重要な特性は、硬化したときに、前記被覆における未 結合材料の含量が低いことである。紫外線硬化可能な材料は、しばしば固形分1 00%と言われるが、前記材料は、紫外線硬化後に、有意量の化学的に結合され ていない材料を依然として含んでいる可能性がある。この未結合材料は、溶剤又 は水で抽出することができるか、又はある種の条件下で揮発性であることができ る。光ファイバー製品中に抽出可能な又は揮発性の成分が存在していると、前記 繊維にとって有害であり得る問題を引き起こすことがある。そのような潜在的問 題は、光ファイバーの寿命中に表面化するかもしれない。 B.光ファイバーを剥離することは問題を引き起こすことがある 被覆光ファイバーは極めて申し分なく作製されるが、しばしば、前記繊維を一 緒に添え継ぎする必要が生じる。この場合、繊維から被覆を剥離する必要がある ので、上記したような危険に繊維が晒される。剥離後に残る繊維の残留物は、危 険の一因である。したがって、光ファイバーの技術では、殆ど又は全く残留物を 残さないように完全に剥離することができる繊維光学被覆を提供することによっ て、光ファイバーの添え継ぎ、特に平行光ファイバーのリボンを容易化すること は有意に必要である。 リボン剥離では、加熱工具のブレードは、繊維のマトリックス、インキ層、第 二次被覆及び第一次被覆から、殆どガラス繊維まで切り通す。インキは任意であ るか、又はインキは、着色第二次被覆を用いることによって避け得ることが注目 される。そのとき、ブレードは、光ファイバーリボン(fibre optic ribbon)か ら離して縦方向に引いて、リボンのガラス部分の周囲にあるマトリックス、第二 次被覆及び第一次被覆を除去する。しかしながら、ガラス上に第一次被覆のいく らかの残留物を残さずに、マトリックス及び被覆を除去するのは難しい。時々は 、残留物は、アルコールを染み込ませた布又は紙、例えばCHEMWIPEぬれナプキン (towelettes)で、ガラスを拭き取ることによって除去することができるが、塗 布される添え継ぎ被覆は光ファイバーに対して直接接着させなければならないの で、残留物は例外無く除去しなければならない。ガラスからの残留物の機械的拭 き取りは、ガラスを引っ掻き、弱くする危険性がある。 この残留物は、完全剥離マトリックスを有する光ファイバーリボンにとって特 に重要である。光ファイバーリボンは、マトリックスによって一緒に保持されて いる複数の平行光ファイバーを含む。完全剥離マトリックスは、光ファイバーか ら容易に剥離するので、容易に除去することができるが、一般的に、完全剥離マ トリックスを用いている光ファイバーリボンを完全に剥離させるのは一層難しい 。 完全剥離マトリックスは、(i)第二次被覆又は(ii)第一次被覆に接着し ている第二次被覆に対して接着するインキに対して強く接着しないので、容易に 剥離する。非完全剥離マトリックスを用いる態様では、被覆及びマトリックスは 、マトリックスに対して溶剤を塗布した後、分離される。また、この残留物問題 は、非完全剥離マトリックスを有する光学リボンにも認められる。 マトリックス、第二次被覆及び第一次被覆の同時剥離を容易にし、剥離された ガラス心上に残留物を殆ど又は全く残さない第一次被覆を提供することは望まし いと考えられる。図面の簡単な説明 図1は、光ファイバーリボンの一部分に関する横断側面図である。 図1Aは、剥離させるために切断されている図1の光ファイバーリボンの被覆 光ファイバーに関する横断面図である。 図2は、180°剥離試験(peel back test)で測定されるサンプルを調製す る試験滑り装置を示している。 図2Aは、第一次被覆及び第二次被覆で被覆された図1の装置を示している。 図2Bは、図2Aの被覆された装置から切断されたサンプルを示している。 図2Cは、図2Bのサンプルから得られた試験サンプルを示している。 図2Dは、INSTRON試験機のあごに配置された図2Cのサンプルを示している 。 図2Eは、図2DのINSTRON試験機におけるサンプルの測定から得られた典型 的な剥離力の概略図である。 図3,4,5,6及び7は、剥離データのプロットである。発明の目的 完全に剥離可能な被覆光ファイバーを提供することは本発明の目的である。 光ファイバーを被覆するための完全に剥離可能な組成物を提供することは本発 明の別の目的である。 被覆光ファイバーを調製する方法を提供することは本発明のもう1つ別の目的 である。 添え継ぎのために被覆光ファイバーを試験準備することは本発明の更にもう1 つ別の目的である。発明の概要 本発明のこれらの及び他の目的は、以下に記載した本発明に関する説明で明ら かとなる。本発明は、3つのパラメーター:すなわち(1)ガラス繊維に対する 低い固有接着力;(2)高い破断点伸び率;及び(3)高い引張強さを満たす材 料を配合された第一次被覆層を有する被覆光ファイバーを含む。 被覆の低い固有接着力は、相対湿度50%において180°剥離試験によって 測定した場合に、約50g未満、好ましくは約20g未満、及び最も好ましくは 約15g未満の剥離力を達成する、ガラスに対する被覆の接着力として規定され る。固有接着力は、被覆及び支持体に関する化学的結合というよりも、主として 物理的接着力である。材料の破断点伸び率は、少なくとも75%、好ましくは8 0%、更に好ましくは少なくとも90%、及びより一層好ましくは少なくとも1 00%である。引張強さは、少なくとも約80psi、好ましくは少なくとも約1 00psi、及び更に好ましくは少なくとも約120psiである。 上記材料を用いると、光ファイバー上に被覆されるとき、例えばSumitomo Ele ctric Industries,Inc.,of Research Triangle Park,North Carolinaによっ て作られたJR4 A工具及びAlcoa Fujikura Ltd.,Spartanburg,South Carolina によって作られたHJS-01工具のような従来の剥離工具を用いて、従来の高温剥離 温度において、光ファイバーから剥離することができる第一次被覆が得られ、剥 離された光ファイバー上に第一次被覆の残留物を全く又は実質的に全く残さない 。 典型的には、第一次被覆は、約40℃〜約200℃の温度範囲で、光ファイバ ーのある部分から剥離することができる。光ファイバー上に残っている第一次被 覆のある部分から離れているようにガラス繊維の縦軸に平行な方向に、第一次被 覆のある部分に対して力を作用させることにより、剥離は起こる。残留物の測定 は、2倍の倍率で剥離された光ファイバーを視覚で検査して、剥離された繊維表 面上にある残留物の粒子又は他の形態の数を測定することによって行う。好まし くは、残留物は、剥離工具によって直接除去する。しかしながら、第一次被覆の 大部分が剥離工具で除去され、ほんの少量が残る場合は、許容可能であるかもし れない。少量(minor portion)とは、剥離された繊維30ミリメートル当たり 20粒子未満が2倍の倍率で見ることができるという意味であり、これらの粒子 は、アルコール、例えばエタノール又はイソプロパノールが染み込んでいる布又 は紙、例えばCHEMWIPEぬれナプキンの一拭きで除去することができる。一拭きで 除去できる20個以上の粒子は、清浄度等級3である。機械的拭き取りは光ファ イバーに損傷を与えるので、剥離工具の使用後に残留物を除去するために一回を 超える拭き取りを必要とするのは有害である。 その方法では、本発明は、以下の成分:すなわち、全ての成分の重量を基準と して、 (i)一種類以上のアクリレート又はメタクリレートを末端基とするウレタ ンオリゴマー約10〜約80重量%; (ii)一種類以上のモノマー希釈剤約10〜約75重量%; (iii)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤約0〜 約3.0重量%; (iv)光開始剤約0〜約10.0重量% の混合物を含む第一次被覆組成物層を光ファイバーに対して塗布する工程を含む 、被覆光ファイバーを調製する方法を含む。 その場合、被覆は、その場で、放射線(例えば、光線又は電子線)硬化される 。硬化した第一次被覆は、第一次被覆のある部分に対して、ガラス繊維の縦軸に 対して平行な方向に力を作用させることによって、約40℃〜約200℃の温度 範囲において、光ファイバーのある部分から剥離することができる。アルコール を染み込ませた布片又は紙片を用いて、光ファイバーの剥離された部分を任意に 一拭きする力により、倍率2倍で観察したときに第一次被覆の残留物を実質的に 全く有していない光ファイバーの剥離部分が得られる。 また、本発明は、光ファイバー上を被覆する場合に、光ファイバー上に残って いる第一次被覆のある部分から離れてるようにガラス繊維の縦軸に対して平行な 方向において、約40℃〜約200℃の温度範囲で光ファイバーの部分周辺にあ る第一次被覆のある部分に対して力を作用させることによって、光ファイバーの ある部分から剥離することでき、またアルコールが染み込んでいる布片又は紙片 を用いて、光ファイバーの剥離された部分を任意に一拭きすることによって力を 作用させることにより、倍率2倍で観察したときに第一次被覆の残留物を実質的 に全く有していない光ファイバーの剥離部分が得られる材料を含む硬化可能組成 物を提供する。好ましくは、硬化前の被覆は、約60℃の凝固点を有する。更に 、凝固点は、約25℃である。典型的には、第一次被覆は、相対湿度50%及び 室温における180°剥離試験によって測定した場合に50g未満の剥離力で支 持体から除去することができ、ASTMD−882で測定した場合に少なくとも 約80%の破断点伸び率及びASTMD−882で測定した場合に少なく とも約80psiの引張強さを有する材料から作られる。 本発明の既に説明した目的及び他の目的は、以下の説明によって明らかとなる 。好ましい態様の説明 本発明は、特有の放射線硬化された第一次被覆層組成物で被覆される被覆光フ ァイバーに関するものである。被覆繊維は、例えば、ガラス心及びガラス外装層 を含むことができる。例えば心は、ゲルマニウム又は燐の酸化物でドープされた シリカを含むことができ、外装は、純粋なシリケート又は例えばフルオロシリケ ートのようなドープされたシリケートを含むことがてきる。別法として、繊維は 、ポリマー外装シリカガラス心を含むことができる。前記ポリマー外装の例とし ては、例えばポリジメチルシロキサンのようなオルガノシロキサン、又は弗素化 アクリル酸ポリマーが挙げられる。 図1に示してあるように、典型的な被覆繊維10は、ガラス心12、外装13 、第一次被覆14、第二次被覆16、インキ17、及び複数の被覆光ファイバー を一緒に保持して光学リボンを形成させるためのマトリックス18を有する。図 1Aは、ブレード19によって、剥離前に切断した図1の被覆光ファイバーを示 している。 一般的に、第一次被覆14及び第二次被覆16は、それぞれ約1インチの厚さ である。インキが存在する場合は、3〜5ミクロンの厚さであって、マトリック ス18と、第二次被覆16の外層との間に配置される層17として存在すること ができる。 第一次被覆は、既に規定した接着力、伸び率及び引張強さの基準を満たす任意 の第一次被覆を含む。また、第一次被覆層は、他の特性の中で、次の特性:すな わち、防湿性;被覆及び剥離の容易さ;低揮発分;繊維の寿命中の低いモジュラ ス(すなわち、25℃で約500psi未満、微小曲げによる信号減衰を防止する ため);低いガラス転移温度;及び長い貯蔵寿命も有しているべきである。 第二次被覆は、硬質保護層を形成すべきであり;比較的高いモジュラス及びガ ラス転移温度;更に防湿性も有しているべきである。双方の被覆は、透明;無悪 臭;速硬性であるべきであり;また、高温及び高湿度の環境における劣化でも接 着力を保持しているべきである。 A.第一次被覆 第一次被覆は、約40℃〜約200℃の温度範囲で、光ファイバーのある部分 から剥離することができるように、硬化材料から作られる。剥離は、光ファイバ ー部分の周囲にある第一次被覆のある部分に対して力を作用させることによって 生起する。光ファイバー上に残っている第一次被覆から離れるように、ガラス繊 維の縦軸に対して平行な方向に力を作用させる。アルコールが染み込んでいる布 片又は紙片を用いて、光ファイバーの剥離された部分を任意に一拭きすることに よって力を作用させることにより、倍率2倍で観察したときに第一次被覆の残留 物を実質的に全く有していない光ファイバーの剥離部分が得られる 特に、第一次被覆の硬化材料は、相対湿度50%及び室温での180°剥離試 験によって測定した場合に50g未満の剥離力で支持体から除去することができ 、ASTMD−882で測定した場合に少なくとも約75%、好ましくは約80 %の破断点伸び率、及びASTMD−882で測定した場合に少なくとも約80 psiの引張強さを有する材料から作られる。剥離力は、好ましくは20g未満で あり、更に好ましくは15g未満である。最も好ましくは、剥離力は、約5〜約 15gである。更に好ましくは、破断点伸び率は、少なくとも約90%であり、 より一層好ましくは少なくとも約100%である。典型的には、破断点伸び率は 、約100〜約150%である。好ましくは、引張強さは、少なくとも約100 psi、更に好ましくは少なくとも約120psiである。典型的には、引張強さは、 約100〜約200psiである。 望ましい特性を有する1つの組成物は、以下の成分:すなわち、 (1)(メタ)アクリレートを末端基とするウレタンオリゴマー; (2)モノマー希釈剤; (3)任意の定着剤; (4)任意の光開始剤;及び (5)任意の安定剤 を含み、硬化したときに、本発明の第一次被覆層を形成する第一次被覆層組成物 を構成する。(1)(メタ)アクリレートを末端基とするウレタンオリゴマー 本発明にしたがう1つの態様では、アクリレート又はメタクリレートを末端基 とするオリゴマーをホモ重合させて、本発明の第一次被覆層を形成することがで きる。更に詳しくは、アクリレート又はメタクリレートを末端基とする成分は、 完全に脂肪族のウレタンアクリレートオリゴマー又はメタクリレートオリゴマー である。このオリゴマー成分は、既に規定した接着力、引張強さ及び破断点伸び 率を満たす硬化第一次被覆材料を達成するのに有意に寄与する。また、この成分 は、硬化被覆に対して良好な熱的性質及び加水分解性(hydrolytic properties )を付与するように、またいくぶん無黄変であるように選択される。 ウレタンアクリレートオリゴマー又はウレタンメタクリレートオリゴマーは、 組成物の総重量を基準として、未硬化の第一次被覆材料(組成物)を約10重量 %〜約80重量%含む。好ましくは、このオリゴマー成分は、全ての成分の総重 量を基準として、前記組成物を、約15重量%〜約70重量%、更に好ましくは 約20重量%〜約60重量%含む。この成分を約10重量%未満で用いる場合に は、柔軟性、破断点伸び及び全体の剛性は損なわれる。この成分を約80重量% を超えて用いる場合は、組成物の粘度が望ましくないほど高くなり、例えばアプ リケーターを加熱するような特別の手段を講じない場合には、液体組成物の塗布 は難しくなるかもしれない。 本発明で用いるアクリレート又はメタクリレートを末端基とするウレタンオリ ゴマーは、(i)脂肪族ポリオール;(ii)脂肪族ポリイソシアネート;及び( iii)反応性末端基、すなわちアクリレート又はメタクリレートを供給すること ができる末端キャップモノマーの反応生成物である。 ポリオール(i)は、硬化したときに、組成物の特性に悪影響を及ぼさない脂 肪族ポリオールであっても良い。その例としては、ポリエーテルポリオール;炭 化水素ポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリイソシアネートポリオー ル;及びそれらの混合物が挙げられる。制限されるべき又は好ましくは排除され るべきポリオールとしては、ポリエステル主鎖又はエポキシ主鎖が挙げられる。 しかしながら、ポリエーテルポリオール主鎖は好ましい。その理由としては、一 般的に、それらは良好な耐溶剤性を有し、比較的安価であるからである。典型的 には、ポリエーテルポリオールは、アルキル基が約1個〜約12個の炭素原子を 含む直鎖、枝分かれ又は環状アルキレンオキシドに基づくものである。ポリエ ーテルジオール及びトリオールは、良好な耐溶剤性を付与し、比較的安価である ので、好ましい。前記ポリエーテルポリオールとしては、非限定的に、ポリテト ラメチレンポリオール、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプ ロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、それらの異性体、及びそれらの混合 物が挙げられる。特に好ましいポリエーテルポリオールは、少なくともいくつか のポリテトラメチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシドの単位を含む 。 オリゴマー成分は、ポリエステルに基づくウレタンアクリレートを極めて少量 含むことができるが、好ましくは、最適な長期安定性のために、上記種類のオリ ゴマーのみを含む。 代表的なポリエーテルポリオールは、アルキル基が約1個〜約12個の炭素原 子を含む直鎖、環状、又は枝分かれアルキレンオキシドに基づくものである。ポ リエーテルポリオールは、当業において公知の任意の方法によって調製すること ができる。好ましくは、ポリエーテルポリオールは、ASTMD−3592によ る蒸気圧浸透圧法によって測定すると、ポリエーテルポリオールに基づく完全な オリゴマーを与えるのに充分な、約6,000ドルトン以下、好ましくは約5, 000ドルトン以下、及び更に好ましくは約4,000ドルトン以下の数平均分 子量(Mn)を有する。前記ポリエーテルポリオールとしては、非限定的に、ポ リテトラメチレンポリオール、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、 ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、それらの異性体、及びそれら の混合物が挙げられる。 用いることができる代表的な炭化水素ポリオールとしては、非限定的に、分子 量600〜4,000の直鎖又は枝分かれ炭化水素ポリオールに基づくもの、例 えば完全に又は部分的に水素化された1,2−ポリブタジエン;9〜21の沃素 価まで水素化された1,2−ポリブタジエン;及び完全に又は部分的に水素化さ れたポリイソブチレンが挙げられる。不飽和炭化水素ポリオールは、硬化したと きに、それらから作られるオリゴマーが酸化され易いので、望ましくない。 代表的なポリカーボネートポリオールとしては、非限定的に、ジアルキルカー ボネートとアルキレンジオールとの反応生成物、任意にアルキレンエーテルジオ ールと共重合されたジアルキルカーボネートの反応生成物が挙げられる。 ポリイソシアネート成分(ii)は非芳香族である。芳香族ポリイソシアネート に基づくオリゴマーは、硬化した被覆において黄変を引き起こす。4〜20個の 炭素原子を有する非芳香族ポリイソシアネートを用いても良い。適当な飽和脂肪 族ポリイソシアネートとしては、非限定的に、イソホロンジイソシアネート;ジ シクロヘキシルメタン−4、4'−ジイソシアネート;1,4−テトラメチレン ジイソシアネート;1,5−ペンタメチレンジイソシアネート;1,6−ヘキサ メチレンジイソシアネート;1,7−ヘプタメチレンジイソシアネート;1,8 −オクタメチレンジイソシアネート;1,9−ノナメチレンジイソシアネート; 1,10−デカメチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチル−1,5− ペンタメチレンジイソシアネート;2,2'−ジメチル−1.5−ペンタメチレ ンジイソシアネート;3−メトキシ−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート ;3−ブトキシ−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート;オメガ,オメガ' −ジプロピルエーテルジイソシアネート;1,4−シクロヘキシルジイソシアネ ート;1,3−シクロヘキシルジイソシアネート;トリメチルヘキサメチレンジ イソシアネート;1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン;1, 4−ジイソシアネート−ブタン;ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット ;ノルボルナンジイソシアネートメチル2,5(6)−ビス(イソシアネートメ チル)ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、及びそれらの混合物が挙げられる。 イソホロンジイソシアネートは、好ましい脂肪族ポリイソシアネートである。 適当な(好ましい程ではないが)芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエン ジイソシアネート;ジフェニルメチレンジイソシアネート;テトラメチルキシリ レンジイソシアネート;1,3−ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン;p, m−フェニレンジイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー ト;ジアニシジンジイソシアネート(すなわち、4,4'−ジイソシアネート− 3,3'−ジメトキシ−1,1'−ビフェニルジイソシアネート);トリジンジイ ソシアネート(すなわち、4,4'−ジイソシアネート−3,3'−ジメチル−1 ,1'−ビフェニルジイソシアネート);及びそれらの混合物が挙げられる。芳 香族ポリイソシアネートの中では、トルエンジイソシアネートが好ましい。極め て少量の芳香族ポリイソシアネートを用いても良いが、劣化に対する長期安定性 は、 いくぶん損なわれるかもしれない。 ヒドロキシルを末端基とするポリオールとジイソシアネートとの反応速度は、 100〜200ppmの量で触媒を用いることによって増大させることができる。 適当な触媒としては、非限定的に、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシ ド、ジブチル錫ジ−2−ヘキソエート、スタナスオレエート、スタナスオクトエ ート、オクタン酸鉛、アセト酢酸第一鉄、及び例えばトリエチルアミン、ジエチ ルメチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルエチルアミン、モルフォリン 、N−エチルモルフォリン、ピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N ,N−ジメチルラウリルアミンのようなアミン、及びそれらの混合物が挙げられ る。 末端キャップモノマー(iii)は、少なくとも1つの反応性末端基を提供する ことができ、また好ましくはアクリレート又はメタクリレートの末端を提供する ものであることができる。末端キャップモノマーとして用いることができる適当 なヒドロキシルを末端基とする化合物としては、非限定的に、ヒドロキシアルキ ルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートが挙げられる。アクリレ ート又はメタクリレートに基づく組成物と類似のシステム(反応性末端基を有し ていない)は、同等に適する。遊離基開始硬化又はカチオン硬化によって、照射 又は他の手段に基づいて反応して、卓越した性能の被覆を提供することができる 様々な他の例示的な末端基としては、非限定的に、遊離基システム、例えばチオ レンシステム(多官能価チオールと不飽和ポリエンとの反応に基づく、例えばビ ニルエーテル;ビニルスルフィド;アリルエーテル及び二環式エン);アミン・ エンシステム(多官能価アミンと不飽和ポリエンとの反応に基づく);アセチレ ンシステム;成分の反応性部分が末端よりもむしろ内部にあるシステム;他のビ ニル(例えば、スチレン)システム;アクリルアミドシステム;アリルシステム ;イタコネートシステム及びクロトネートシステム;及び例えばオニオム塩誘発 ビニルエーテルシステム及び開環反応によって反応するエポキシを末端基とする システムのようなカチオン硬化システム;及び反応性末端基を有する化合物に基 づく任意の他のシステムが挙げられる。実際に、硬化組成物の望ましい特性(す なわち、酸化安定性、熱安定性、加水分解安定性、及び防湿性)に悪影響を及ぼ さない照射又は他の手段によって硬化する任意の末端基が実質的に構想される。 類似のシステムは、参照によって本明細書に完全に取り入れられているShustack による米国特許第5,352,712号によって更に開示されている。 典型的なアクリレート及びメタクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリ レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、 ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキ シブチルメタクリレートなどが挙げられる。 特に好ましい末端キャップモノマーは、ヒドロキシエチルアクリレート又はヒ ドロキシエチルメタクリレートである。 ポリオール、ジイソシアネート及び末端キャップモノマーのモル比は、好まし くは約1:2:2である。 作られる硬化第一次被覆材料が、180°剥離力、破断点伸び率及び引張強さ の要求基準を満たす限りにおいては、市販されているオリゴマーは、本発明の( メタ)アクリレート化オリゴマー成分に適する。この明細書で開示される教示に 基づく通常の試験によって、当業者は、要求基準に関して硬化材料を試験すると 考えられる。可能な樹脂としては、非限定的に、以下の樹脂が挙げられる。 1.Echo Resins and Laboratory,Versailles,MOから市販されているEcho R esins ALU-350シリーズ樹脂、すなわち350,351,352,353及び354は、シリーズ の番号が大きくなるにしたがって、分子量と粘度が増加し、モジュラスが減少す るポリテトラメチレンポリオールに基づくアクリレート化(acrylated)脂肪族 ウレタンオリゴマーである。この樹脂シリーズに関する特定の物理的性質を表1 に要約する: 表1 これらのオリゴマーに関して、数平均分子量は、溶剤としてトルエン及びUnib ersal probeを用いて、9のゼロバランス及び8の範囲で、40℃で3分間、ベ ンジル、テトラコサン及びポリスチレン基準で較正したKnauer VPOを用いて蒸気 圧浸透圧法(VPO)によって測定した。 一般的に、シリーズ中のより低分子量のものが好ましい。その理由は、よりワ ックス質ではなく、共に作用させ易いからであり、またそれらを含む組成物は、 遭遇するかもしれない溶剤と接触したときに、より膨潤し難いからである。 これらのオリゴマーのメタクリレート同等物は、等しく適する。 2.PURELASTは、Polymer Systems Corporation,Orlando,Floridaから市販 されている、ポリエーテル主鎖に基づく脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー である。適当なPURELASTオリゴマーとしては、566,566A,569,569A,569V,58 6,586A,586V,590,590A,595及び595Aが挙げられ、好ましくは590及び590Aで ある。オリゴマーのこのシリーズは、シリーズの番号が大きくなるにしたがって モジュラスが増大する。これらのオリゴマーは、二官能価(接尾辞無し)又は一 官能価(接尾辞有り)である。これらのオリゴマーの全ては、生で市販されてい る。 これらのオリゴマーのメタクリレート類似体も適する。 3.SARTOMER CN 980及び981は、双方とも、Sartomer Company,Exton,Penns ylvaniaから市販されているポリエーテル主鎖脂肪族ウレタンアクリレートであ る。 4.BR-372,BR-543,BR-571,BR-582,BR-5824,BR-5825,STC3-149(特にオ リゴマー成分の66〜100%はBR-582である)は、Bomar Specialties,Winst ed,Connecticutから市販されているポリエーテル主鎖脂肪族ウレタンアクリレ ートである。 5.RX 01203,RX 01099,RX 01336,RX01071,RX 01218,IRR 245,EBECRYL 8800,EBECRYL 270及びEBECRYL 4826オリゴマーは、UCB Chemicals Corporation ,Smyrna,Georgiaから市販されているポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンジ アクリレートオリゴマーである。 EBECRYL 8800オリゴマーは、エトキシエトキシエチルアクリレートで10%ま で希釈する;65℃において8,000〜18,000cpsの粘度を有し、最大 2のガードナーカラーインデックスを有する。その密度は8.75ポンド/ガロンであ る。理論分子量は1,700である。硬化したときには、3,150psiの引張 強さ;83%の引張伸び及び48℃のガラス転移温度を有する。 以前はEBECRYL 4826オリゴマーとして市販されていたEBECRYL 270オリゴマー は、希釈剤モノマーを含まず;60℃で2,500〜3,500cpsの粘度及び 最大2のガードナーカラーインデックスを有する。その密度は8.91ポンド/ガロン であり、理論官能価は2であり、理論分子量は1,500である。硬化時には、 EBECRYL 270オリゴマーは、1,200psiの引張強さ、87%の引張伸び及び− 27℃のガラス転移温度を有する。 これらのオリゴマーのメタクリレート等価物も用いることができる。 6.Morton Thiokol,Inc.,Morton Chemical Division,Princeton,New Jer seyから市販されている、ポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンアクリレートで あるUVITHANE ZL-1178オリゴマー。このオリゴマーは、120°Fで55〜75 ポアズ及び78°Fで700〜800ポアズの粘度を有し、生で硬化させたとき には、325psiの引張強さ及び45%の極限伸びを有する。 このモノマーのメタクリレート類似体も用いることができる。 7.生で市販されているシリコーン改質されたポリエーテルに基づく脂肪族ウ レタンアクリレートであるEBECRYL 4842及びシリコーンで改質されていないが、 ポリエーテルに基づく脂肪族ウレタンアクリレートであり、反応性溶剤として1 ,6−ヘキサンジオールジアクリレートを約15重量%含むEBECRYL 19-6264。 前記EBECRYL 4842及びEBECRYL 19-6264はUCB Chemicals Corporation,Smyrna, Georgiaから市販されている。 8.Shustackによる米国特許第5,146,531号で開示されている炭化水 素ポリオールに基づく脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー。前記特許の内容 は、参照によって本明細書に明確に取り入れられている。これらのオリゴマーは 、分子量600〜4,000で、線状又は枝分かれ炭化水素ポリマーに基づいて いる、例えば完全に又は部分的に水素化された1,2−ポリブタジエン;沃素価 9〜21まで水素化された1,2−ポリブタジエン;及び完全に又は部分的に水 素化されたポリイソブチレンである。 9.Shustackによる米国特許第5,527,835号のポリエーテルポリオー ルに基づくオリゴマーも、第一次被覆を作るときに用いることができ、参照によ って本明細書に完全に取り入れられている。 10.更に、既に例示したタイプの任意の脂肪族ウレタンアクリレート又はメ タクリレートオリゴマーは、請求される組成物の望ましい特性が悪影響を受けな い限りは、適当であると考えられる。 本発明の硬化第一次被覆は、約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満の吸 水値を有する。更に、硬化材料は、室温で約4時間、ガソリン中に浸漬したとき に、長さで40%未満膨潤すべきであり、いくつかの態様では、長さで約30% 未満膨潤すべきである。 (2)モノマー希釈剤 本発明の第一次被覆層を調製するとき、上記オリゴマーと反応させるモノマー 希釈剤成分は、上記オリゴマーと相溶性であるものが選択される。モノマー希釈 剤成分は、上記オリゴマーと反応性であるべきであり、好ましくはモノマー1つ 当たり1つ以上のアクリレート基又はメタクリレート基を有する。モノマー希釈 剤は、前記モノマー希釈剤を含む硬化組成物のTg(ガラス転移温度)を低下さ せ、また硬化された(液体)組成物の粘度を、25℃でB型粘度計,Model LVT, スピンドル速度#34を用いて測定したときに、25℃において約1,000〜約 10,000cps(センチポアズ)以内まで、好ましくは約4,000〜約8, 000cps以内まで低下させることができるかもしれない。約10,000cpsを 超える粘度が生じる場合、モノマー希釈剤を含む液体(未硬化)組成物は、ある 種の加工改良が成されるならば(例えば、そこを通して液体被覆組成物を塗布す るために用いられるダイを加熱する)、依然として有用であるかもしれない。 モノマー希釈剤は、組成物(全ての成分)の総重量を基準として、未硬化(液 体)組成物を、約10重量%〜約75重量%、好ましくは約15重量%〜約70 重量%、更に好ましくは約20重量%〜約65重量%含む。前記モノマーが約1 0%未満で存在する場合、粘度は、再び高くなり過ぎるかもしれない。逆に、7 5%を超える量で存在する場合は、粘度は、低くなり過ぎると考えられる。 モノマー希釈剤の適当な例としては、非限定的に、芳香族含有モノマー、例え ばフェノキシアルキルアクリレート又はフェノキシアルキルメタクリレート(例 えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート);フェノキシアルキルアルコキ シレートアクリレート又はフェノキシアルキルアルコキシレートメタクリレート (例えば、フェノキシエチルエトキシレート(メタ)アクリレート又はフェノキ シエチルプロポキシレート(メタ)アクリレート);パラクミルフェノールエト キシレート化(メタ)アクリレート;3−アクリロイルオキシプロピル−2−N −フェニルカルバメート;又はモノマー希釈剤を含む組成物の屈折率を調整する 公知の任意の他のモノマーの1つが挙げられる。これらの1つ以上を含む組み合 わせは、同様に適する。後者の範疇に属する前記モノマー希釈剤は、参照によっ て本明細書に取り入れられているShustackによる米国特許第5,146,531 号で開示及び説明されており、例えば(1)芳香族基;(2)反応性(例えば、 アクリル又はメタクリル)基を提供する基;及び(3)炭化水素基を含んでいて も良い。 炭化水素性質(hydrocarbon character)とビニル基とを更に含む芳香族モノ マー希釈剤のサンプルとしては、非限定的に、ポリアルキレングリコールノニル フェニルエーテルアクリレート、例えばポリエチレングリコールノニルフェニル エーテルアクリレート、又はポリプロピレングリコールノニルフェニルエーテル アクリレート;ポリアルキレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレー ト、例えばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート、又 はポリプロピレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート;及びそれ らの混合物が挙げられる。 前記モノマーは、Toagasei Chemical Industry Company,Ltd.,Tokyo,Japan から、ARONIX M110,M111,M113,M114及びM117という商品名で市販されている モノマー、及びHenkel Corporation,Ambler,PAから、PHOTOMER 4003という商 品名で市販されているモノマーである。特にM114、すなわちノニルフェノール8 (EO)アクリレートが好ましい。 他の適当なモノマー希釈剤としては、更に、直鎖又は枝分かれの、ヘキシルア クリレートのようなアルキル基中に8〜18個の炭素原子を含むことができる炭 化水素アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート;ヘキシルメタクリレ ート;エチルヘキシルアクリレート;エチルヘキシルメタクリレート;イソオク チルアクリレート;イソオクチルメタクリレート;オクチルアクリレート;オク チルメタクリレート;デシルアクリレート;デシルメタクリレート;イソデシル アクリレート;イソデシルメタクリレート;ラウリルアクリレート;ラウリルメ タクリレート;トリデシルアクリレート;トリデシルメタクリレート;ミリスチ ルアクリレート;ミリスチルメタクリレート;パルミチックアクリレート;パル ミチックメタクリレート;ステアリルアクリレート;ステアリルメタクリレート ;セチルアクリレート;セチルメタクリレート;C14〜C15炭化水素ジオー ルジアクリレート;C14〜C15炭化水素ジオールジメタクリレート;及びそ れらの混合物が挙げられる。それらの中で、最も望ましいのは、ラウリルアクリ レート及びステアリルアクリレート又はラウリルメタクリレート及びステアリル メタクリレートである。 また、環状モノマー、例えばイソボルニルアクリレート;イソボルニルメタク リレート;ジシクロペンテニルアクリレート;ジシクロペンテニルメタクリレー ト;ジシクロペンテニルエトキシレートアクリレート;ジシクロペンテニルエト キシレートメタクリレート;テトラヒドロフルフリルアクリレート;テトラヒド ロフルフリルメタクリレート;及びそれらの混合物も適する。また、Union Carb ide Corp.,Danbury,Connecticutから市販されているカプロラクトンアクリレ ートであるTONE M-100モノマー、Hans Rahn,Zurich,Switzerlandから市販され ている2−プロペン酸であるGENORAD 1122モノマー、2−(((ブチル)アミノ )カルボニルオキシ)エチルエステル、及びN−ビニルカプロラクタムも適する 。 不適当なモノマーとしては、例えばn−ビニルピロリドン及びn−ビニルホル ムアミドのような親水性モノマーが挙げられる。N−ビニルピロリドンは、従来 、光ファイバー被覆用途で広範に用いられて来たが、親水性であり、水に長期間 浸漬された場合、耐水性が極めて不良であるので、特に望ましくない。更に、N −ビニルピロリドンは、発癌性であることが最近発見された。したがって、組成 物は、これらのモノマーを実質的に含んでいるべきではない。 好ましいモノマーとしては、本明細書で開示される屈折率改良タイプモノマー 単独、又は例えばラウリルアクリレートのようなアルキル(メタ)アクリレート と前記モノマーとの組み合わせが挙げられる。 (3)定着剤 いくつかの態様では、第一次被覆層を構成する組成物中に、定着剤も含ませる ことができる。表層剥離の危険性がより高い高湿度及び高温の環境下では、接着 は、特に直接関係のある問題である。前記環境から保護すべき用途では、定着剤 が必要とされるかもしれない。 酸官能材料又は有機官能シランを用いて、樹脂のガラスに対する接着を促進す ることは、当業において公知である。酸官能材料は本発明では効力があるが、有 機官能シランが好ましい。しかしながら、酸官能材料は、材料に対して潜在的に 腐食性であり、また湿気に晒されるとそれらの接着性が失われる傾向があるので 、あまり好ましくない(一般的に、酸官能材料は、本発明組成物では避けるべき である)。シランは、これらの因子に関してずっと適する傾向があるので、定着 剤として特に選択される。更に、硬化中に、システムと結合する官能価を有する 定 着剤を有し、未結合の揮発性成分の量を最小にすることは有用である。様々な適 当な有機官能シランとしては、非限定的に、アクリレート官能シラン;アミノ官 能シラン;メルカプト官能シラン;メタクリレート官能シラン;アクリルアミド 官能シラン;アリル官能シラン;及びビニル官能シランが挙げられる。好ましく は、定着剤は、更にメトキシ置換又はエトキシ置換される。好ましい有機官能シ ランとしては、非限定的に、メルカプトアルキルトリアルコキシシラン、(メタ )アクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、アミノアルキルトリアルコキ シシラン、及びそれらの混合物などが挙げられる。メタクリレート化シランは、 硬化システムと充分に結合するので望ましいが、前記システムの硬化速度を遅ら せる傾向がある。また、メルカプト官能定着剤は、硬化中に、化学的に結合する が、システムの硬化速度を検出できる程には減速しない。 湿潤状態において接着力を向上させるいくつかの好ましい有機官能シランとし ては、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル−トリス(2− メトキシエトキシシラン)、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ シシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物が 挙げられる。特に好ましい定着剤は、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシ シランである。 シラン成分は、硬化して、支持体の表面に対する組成物の接着を向上させるの に少量ではあるが有効な量で第一次被覆層を形成する組成物中に混和させるべき である。シラン成分は、全ての成分の総重量を基準として、組成物を約0.1重 量%〜約3.0重量%含む。好ましくは、シランは、組成物の総重量を基準とし て、約0.2重量%〜約2.0重量%、更に好ましくは約0.3重量%〜約1. 0重量%含む。 (4)光開始剤 第一次被覆層を構成する組成物の別の成分は、光開始剤であっても良い。この 成分に関する必要性は、組成物の予想される硬化モードに左右される。組成物が 紫外線硬化される場合、光開始剤は必要である。電子線によって硬化させる場合 は、材料は、実質的に光開始剤を含まない。 紫外線硬化の態様では、紫外線硬化を促進するのに少量ではあるが有効な量で 用いるとき、光開始剤は、組成物の早期ゲル化を引き起こさない妥当な硬化速度 を提供しなければならない。更に、硬化被覆の光学的透明性を妨げてはいけない 。なお更に、光開始剤それ自体は、熱安定性、無黄変及び効率的でなければなら ない。 適当な光開始剤としては、非限定的に:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ トン;ヒドロキシメチル−フェニルプロパノン;ジメトキシフェニルアセトフェ ノン;2−メチル−1−(4−メチル(チオ)フェニル)−2−モルホリノ−プ ロパノン−1;1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ ルプロパン−1−オン;1(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メ チルプロパン−1−オン;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒ ドロキシ−2−プロピル)ケトン;ジエトキシアセトフェノン;2,2−ジ−se c-ブトキシアセトフェノン;ジエトキシ−フェニルアセトフェノン;及びそれら の混合物が挙げられる。 光開始剤の好ましい組は、トリアシルホスフィンオキシド、例えばトリメチル ベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキシド(BASF Corp.,Chemicals Division ,Charlotte,North CarolinaからLUCIRIN TPOという名称で市販されている)、 トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(BASFからLUCIRIN 8893として市販されている)、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2, 4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(Ciba Geigy Corp.,Ardseley ,New Yorkから市販されている)、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)− 2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(Ciba Geigy Corp.,Ardse ley,New Yorkから市販されているCGI 1700又はCGI 1800の成分として市販され ている);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキ シド;及びそれらの混合物である。LUCIRIN TPO及びLUCIRIN 8893として、単独 で又は特に組み合わせて市販されているBASFホスフィンオキシドは好ましい。 光開始剤は、用いる場合、好ましくは、全組成物の重量を基準として、未硬化 組成物を約0.5重量%〜約10.00重量%含む。好ましくは、光開始剤の 量は、約1.0%〜約6.0%である。光開始剤は、放射線量対モジュラス曲線 で測定したときに、0.7J/cm2未満、好ましくは0.5J/cm2未満の硬化速度が 得られるようなレベルで用いるべきである。 (5)安定剤 未硬化の第一次被覆組成物の保存寿命(貯蔵安定性)を向上させるために、な らびに未硬化の第一次被覆層の熱安定性及び酸化安定性を増大させるために、1 種類以上の安定剤を組成物中に含ませても良い。適当な安定剤の例としては、ジ エチルエタノールアミン及びトリヘキシルアミンのような第三アミン、ヒンダー ドアミン、有機ホスフェート、ヒンダードフェノール、及びそれらの混合物など が挙げられる。用いることができる酸化防止剤のいくつかの特有な例としては、 オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル) プロピオネート、チオジエチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ シ)ヒドロシンナメート、及びテトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル −4−ヒドロキシヒドロシンナメート))メタンが挙げられる。更に、ある種の シランを、少量で、例えば0.0001重量%〜0.1重量%程度の量で、安定 剤として用いても良い。適当な前記シランの例は、3−アミノプロピルトリメト キシシランである。安定剤を用いるときは、組成物の重量を基準として約0.0 001重量%〜約3.0重量%の量で安定剤を混和しても良い。安定剤は、全て の成分の総重量を基準として、好ましくは約0.25重量%〜約2.0重量%、 更に好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%で含まれる。安定剤の望ましい 特性としては(1)無移行性(おそらく低極性によって強化される)及び(2) 塩基性(重合を早期に開始させるかもしれない残留酸を中和するのを助ける)が 挙げられる。好ましい安定剤は、チオジエチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル −4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート及び3−アミノプロピルトリメトキシシ ランである。 B.第二次被覆 本発明の第一次被覆を構成する組成物は、典型的には、当業において公知のよ うに、第一次被覆で被覆される。しかしながら、いくつかの場合では、適当に製 造される場合、第一次被覆は、第一次被覆のみが要求される単一被覆であっても 良い。適当な第二の光ファイバー被覆は、用いるときには、良好な熱安定性、酸 化安定性及び加水分解安定性;剛性;高モジュラス;高いガラス転移温度;及び 高屈折率を最適に有する。 本発明の第一次被覆の上に塗布される適当な第二次被覆は、非限定的に、Shus tackによる米国特許第5,352,712号(参照によって本明細書に明確に取 り入れられている)で開示されている第二次被覆を含む当業において公知の第二 次被覆である。 例えば、前記第二次被覆は、ポリエステル及び/又はポリエーテルに基づき、 反応性末端基を含む脂肪族ウレタンオリゴマー約10重量%〜約90重量%と; 前記オリゴマーの反応性末端基と反応することができる炭化水素粘度調整成分約 20重量%〜約60重量%と;及び任意の光開始剤約0.05重量%〜約10. 0重量%との反応生成物を含んでいても良い。 1つの好ましい第二次被覆は、ポリエーテル主鎖に基づく脂肪族ウレタンアク リレートオリゴマーの混合物約40重量%〜約80重量%と;イソボルニルアク リレートとヘキサンジオールジアクリレートとの混合物約25重量%〜約50重 量%と;ヒドメキシシクロヘキシルフェニルケトン光開始剤約2.0重量%〜約 7.0重量%との反応生成物を含んでいても良い。 C.被覆光ファイバーの調製 また、本発明は、完全に剥離可能な被覆光ファイバーを調製する方法に関する ものである。 好ましくは、本発明方法は、以下の成分:すなわち、 (A)(i)ポリエーテルポリオール、炭化水素ポリオール、ポリカーボネ ートポリオール、及びポリイソシアネートポリオールから成る群より選択される 少なくとも1種類のポリオールと;(ii)完全に脂肪族のポリイソシアネートと ;(iii)反応性末端基を供給する末端キャップモノマーとの反応生成物である 反応性末端基を有するウレタンオリゴマーを約10重量%〜約90重量%; (B)(A)の反応性末端基と反応することができる少なくとも1つの末端 基で終わっているモノマー希釈剤を約5重量%〜約80重量%; (C)光開始剤を約0〜約10重量%;及び (D)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤を約0〜 約3重量% 含む第一次被覆組成物層を、光学ガラス繊維に対して塗布する工程を含む。上記 %の全ては、(A),(B),(C)及び(D)の総重量を基準としている。典 型的には、硬化被覆組成物の屈折率は、1.48以上である。 好ましくは、本発明方法は、以下の成分:すなわち、 (1)1種類以上のアクリレート又はメタクリレートを末端基とするウレタ ンオリゴマーを約10重量%〜約80重量%; (2)1種類以上のモノマー希釈剤を約10重量%〜約75重量%; (3)光開始剤を約0〜約10重量%;及び (4)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤を約0〜 約3重量% 含む第一次被覆組成物層を、光学ガラス繊維に対して塗布する工程を含む。 上記%の全ては、成分(1),(2),(3)及び(4)の重量を基準として いる。更に、被覆成分は、180°力試験によって測定した場合のガラスに対す る低い接着性、高い引張強さ、及び高い破断点伸びを満たすように選択する。 好ましくは、硬化前の第一次被覆材料は、せいぜい約60℃、好ましくしはせ いぜい約25℃の凝固点、すなわち結晶化開始温度を有する。凝固点で形成され る凝固粒子は、拡大又は拡大しなくても視認することができる。典型的には、凝 固点は、約0℃〜約60℃、好ましくは約0℃〜約25℃である。これらの凝固 点を達成するために、好ましくは、オリゴマーとモノマーとの組み合わせは、5 ℃〜25℃で液体、又は室温で少なくとも液体である。液体を用いることによっ て、これらの成分の混合が容易になる。この液体は、液体オリゴマーを用いて始 めることによって達成することができる。一般的に、モノマーは液体であるが、 前記液体混合物は、モノマーとの混合時に液化する固体オリゴマーから調製する こともできる。 材料が凝固する場合、それは均質ではないが、加熱することによって均質性に 戻すことができる。 組成物を混合し、それを光ファイバー上に被覆した後、前記被覆を、その場で 放射線硬化させる。1つの態様では、該方法は、光ファイバーに対して本発明の 第一次被覆組成物のみを塗布する工程、及びその場で前記被覆を放射線硬化させ る工程を含む。別の態様では、第二次被覆組成物は、本発明の第一次被覆組成物 の上に塗布しても良く、その2つの被覆を連続的に又は同時に放射線硬化しても 良い。 第一次被覆及び/又は第二次被覆は、当業において公知の任意の方法によって 、塗布及び硬化させても良い。2つの被覆をウェット・オン・ウェットで塗布す る好ましい方法は、AT&T Bell LaboratoriesのC.Taylorによる米国特許第4,4 74,830号で開示されている。次に、被覆(単数又は複数の被覆)を、好ま しくは紫外線照射によってその場で硬化させて、硬化ポリマー被覆を得ても良い 。別法として、第一次被覆を塗布及び硬化させてから、第二次被覆を塗布及び硬 化させても良い。 D.本発明の第一次被覆組成物 好ましい態様では、本発明は、以下の成分:すなわち、 (1)1種類以上のアクリレート又はメタクリレートを末端基とするウレタ ンオリゴマー約10重量%〜約80重量% (2)1種類以上のモノマー希釈剤約10重量%〜約75重量%; (3)光開始剤約0〜約10重量%;及び (4)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤約0〜約 3.0重量% (5)光開始剤を約0〜約10.0重量% の硬化された反応生成物を含む光ファイバーのための第一次被覆組成物に関する ものである。 これらの%の全ては、全ての成分の重量を基準とする重量%である。しかしな がら、被覆成分は、180°剥離試験によって測定した場合のガラスに対する低 い接着性、高い破断点伸び率及び高い引張強さを満たすように選択する。 E.光学リボンマトリックス 光学リボンを製造するときには、複数の上記被覆光ファイバーを、複数の繊維 を一緒に保持するマトリックスによって被覆する。前記マトリックスは、繊維上 に被覆され硬化されたポリマー材料である。好ましいマトリックス材料は、19 95年12月20日に出願された米国特許出願第08/575,637号(完全 剥離タイプ)及び公示された欧州特許出願第0 407 004 A2号(不完全 剥離タイプ)によって開示されている。前記2つの特許出願は、参照によって本 明細書に完全に取り入れられている。 マトリックス組成物は、例えば被覆され及びインキを着けられた光ファイバー をリボン又は他の望ましい形状に付着させるための放射線硬化可能な液体マトリ ックス組成物である。硬化したとき、マトリックス組成物は、とりわけ次の特性 :すなわち、防湿性;耐溶剤性;剥離の極端な容易さ;耐破損性(resistance t o breakout failure);少ない揮発分、抽出可能物及び滲出物;粒状材料の非存 在;ヒト又は硬化組成物に対する有毒成分の非存在;照射時における急速硬化; 及び長期の熱安定性、酸化安定性及び加水分解安定性を有しているべきである。 マトリックス組成物は、無黄変であるべきである。マトリックス組成物は、いく ぶん硬質硬化でなければならず、高い破断点伸び及び優れた剥離性を有していな ければならない。マトリックス組成物は、硬化したとき、溶解せずに及び下にあ る繊維からインキを除去せずに、下にある繊維から剥離可能でなければならない 。また、「ケーブリング(cabling)」中の破損に対して耐性であるべきである 。ケーブリングとは、複数のリボンを一緒に集めてケーブルを形成する方法を説 明するために用いられる用語である。 1.不完全剥離マトリックス組成物 マトリックス材料の不完全剥離タイプは、少なくとも3種類の基本成分を含み 、紫外線硬化のためには少なくとも4種類の成分:すなわち、 (a)ポリエーテルに基づくウレタンアクリレート; (b)複数のアクリレート基又はメタクリレート基を有するモノマー; (c)アルキルアクリレートモノマー又はアルキルメタクリレートモノマー ;及び (d)任意に、紫外線硬化可能組成物のための光開始剤 を含む。 第一成分は、完全に脂肪族のウレタンアクリレートオリゴマーである。好まし くは、それは、脂肪族ポリイソシアネートと反応し、アクリレート化される脂肪 族ポリエーテルポリオールに基づいている。 好ましい態様では、この成分は、シリコーン改質されるオリゴマーであり、例 えば主鎖のポリエーテル部分中へと共反応されるシリコーンを有していても良い 。シリコーン改質された別化合物は、インキに比べて(vis-a-vis)最も望まし い剥離性を提供するかもしれない(すなわち、シリコーン無含有ウレタンアクリ レートに比べて接着力が一層小さいかもしれない)。 マトリックス材料の第二成分は、複数のアクリレート基又はメタクリレート基 を有するモノマーである。二官能価以上であっても良いが、好ましくは三官能価 である前記の成分は、硬化被覆の架橋密度を増大させて、(マトリックス中への 溶剤の吸収を妨げることによって)耐溶剤性を向上させ、またモジュラスを増大 させるように役立つ。 マトリックス材料の第三成分は、7〜18個の炭素原子を含むアルキル基を有 するアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーである。 マトリックスの重要な特徴の1つは、その最適化された接着レベルであり、す なわち殆ど全ての使用条件下で接着を維持するのに充分に高い接着レベルを有す るが、添え継ぎのために容易に剥離できる程には充分に低い。更に、被覆されイ ンキを着けられた繊維に対するマトリックスの接着レベルは、異なる使用条件を 満たすために変化させることができる。 この第三成分(c)は、被覆されインキを着けられた光ファイバーに比べて、 マトリックス材料に対して剥離性を付与するのを助ける。下にある被覆光ファイ バーを同定して、繊維を正確に一緒に添え継ぎするインキを除去せずに、マトリ ックス材料を剥離させることができる。更に、この第三成分を含ませることによ って、第三成分を含んでいない組成物の加水分解安定性と比較して、マトリック ス材料の加水分解安定性が増大する。したがって、(減少というよりも)接着力 の増大を必要とする態様においても、接着力減少特性を克服することができる更 なる成分に加えて、接着力を減少させる成分を用いるべきである。接着力増大成 分は、上記ポリエーテルウレタンアクリレート成分の一部分に取って代わる。 マトリックス材料の第四成分は、光開始剤である。この成分に関する必要性は 、 マトリックス材料の予想される硬化モードに左右される:マトリックス材料が紫 外線硬化される場合、光開始剤は必要であり;マトリックス材料が電子線によっ て硬化される場合は、前記材料は実質的に光開始剤を含んでいなくても良い。 また、マトリックス材料は、1種類以上の任意の成分、例えば接着力増大剤( adhesion increasing agents)及び安定剤を含んでいても良い。 2.完全剥離結合リボン及び完全剥離マトリックス組成物 完全剥離マトリックス材料は、少なくとも3種類の基本成分を含み、紫外線硬 化のためには少なくとも4種類の成分:すなわち、 (a)完全に脂肪族のウレタンアクリレート; (b)1種類以上の反応性のモノマー (c)剥離剤;及び (d)任意に、紫外線硬化可能組成物のための光開始剤 を含む。 第一成分は、特定のウレタンアクリレートである。好ましくは、それは、脂肪 族ポリイソシアネートと反応し、アクリレート化される脂肪族ポリエーテルポリ オールに基づいている。完全に脂肪族のウレタンアクリレートオリゴマーは、成 分の総重量を基準として、マトリックス材料(組成物)を約20重量%〜約90 重量%含む。更に、室温で約4時間ガソリン中に浸漬したときに、前記材料は、 長さで40%未満、好ましくは、いくつかの態様では、約10%未満膨潤すべき である。 組成物の第二成分は、モノマー分子1つ当たり1つ以上のアクリレート基又は メタクリレート基を有する反応性モノマーである。反応性モノマーは、塗布条件 にとって適当な粘度の硬質硬化(高モジュラス)被覆を生じさせる。 マトリックス組成物の第三成分は、硬化したときに、インキを着けた支持体か らの硬化組成物の剥離性に寄与する1種類以上の成分である。いくつかの従来技 術の用途と同様に、剥離剤は、マトリックスの他の成分と完全に混合させて、「 ワンパート(one-part)」の均質システムを得る。 剥離剤の重要な特性は、粒状形態ではない点である。その理由は、全マトリッ クス組成物が実質的に粒状材料を有していないからである。「実質的に粒状材料 を有していない」とは、レーザー粒子カウントによって測定した場合に、液体サ ンプル1g当たり、大きさ5〜25ミクロンの粒子が10個以下、大きさ25〜 50ミクロンの粒子が2個以下、大きさ50ミクロンの粒子が1個以下、及び大 きさ50ミクロン以上の粒子が1個以下検出できるということを意味している。 剥離剤(C)は、非反応性成分又は反応性成分、又は前記2つの組み合わせを 含んでいても良い。概して、剥離剤(C)を約0.05%未満で用いる場合、接 着力が非常に強くなって、剥離及び可剥性が不良となるかもしれない。(C)成 分を約15.0%を超える量で用いる場合は、反応性剥離剤を用いるときと同様 であるが、液体中で相溶性でなく、硬化マトリックス組成物中においては不完全 さが生じるかもしれない。非反応性剥離剤を用いるとき、揮発分、抽出可能分及 び滲出物の総量を可能な限り低く保つには、少量、すなわち好ましくは組成物の 2.0%未満で効果的である。 シリコーン剥離剤は、摩擦係数を高めて、スプーリング及びケーブリングを容 易にする助けとなるので好ましい。別の好ましい剥離剤は、例えばアルキル−ペ ンダントシリコーンコポリマーのような非反応性剥離剤と、例えばアクリレート 官能のポリエステルで改質されたジメチルシロキサンのような反応性剥離剤との 比約1:4の組み合わせか、又は(反応性)アクリレート化シリコーン単独であ る。 マトリックス組成物の第四成分は、光開始剤である。この成分に関する必要性 は、マトリックス組成物の予想される硬化モードに左右され:マトリックス組成 物が紫外線硬化される場合、光開始剤は必要であり;マトリックス組成物が電子 線によって硬化される場合は、前記材料は、実質的に光開始剤を含んでいなくて も良い。 また、マトリックス材料は、1種類以上の任意の成分、例えば安定剤及び酸化 防止剤を含んでいても良い。 本発明にしたがって調製され硬化される完全剥離マトリックス材料は、25℃ で約10,000〜約200,000psi(約70MPa〜約1,400MPa);好 ましくは約25,000〜約175,000psi(約170MPa〜約1, 200MPa);及び更に好ましくは約40,000〜約150,000psi(約2 75MPa〜約1,000MPa)の引張弾性率(ASTMD−882による);約1 10℃(ピーク)未満のガラス転移温度;少なくとも20%及び好ましくは少な くとも40%(ASTMD−882による)の破断点伸び;少なくとも約1,0 00psi、好ましくは少なくとも約2,000psiの引張(破断)強さ(ASTM D−882による);インキからの良好な剥離(すなわち、一般的に180°剥 離試験を行う力として約1g又は2gが必要である);低い粘着性;速硬性;及 び長期にわたる高い熱安定性、酸化安定性及び加水分解安定性を有しているべき である。 高モジュラスと高破断点伸びとの上記組み合わせは、好ましい態様において、 無傷の単一構造として繊維から剥離されたときに断片化しない被覆が生成する要 因であると考えられ、それにより、最初に被覆を溶かさなくても容易に且つ完全 に取り除くことができる「完全剥離」マトリックス材料が得られる。 F.光ファイバーリボンアセンブリー 更に、本発明は、光ファイバーリボンアセンブリーに関するものである。一般 的に、前記リボンアセンブリーは、固定された関係、例えば平行且つ平面の配列 で、又は他の規定された配列で保持された複数の被覆されインキが着けられた光 ファイバーと、繊維が埋封されていて、望ましい配列に繊維を結合させている放 射線硬化可能なマトリックス材料とを含む。前記マトリックス材料は、前記繊維 に対して充分な接着を有し、使用中に、その接着を保持するが、被覆光ファイバ ー上にあるインキ層の団結性(integrity)を実質的に損なわずに、そこから容 易に剥離することができる。上記したように、インキは任意である。インキによ って供給される着色、又は着色された第二次被覆を用いることによって供給され る着色は、完全に省略することができる。 リボンの部分である光ファイバーは、マトリックス材料中に結合される前に単 一に又は二重に被覆され、且つリボンにおいて他の繊維からそれぞれを区別する ことができるようにする繊維表面上に存在するインキ層を含む、当業において公 知の繊維である。 既に考察したように、光ファイバーリボンが適度に容易な方法で添え継ぎされ るためには、色で符号化することによって個々の繊維を識別することが望ましい 。最も外側にある繊維被覆層に対して着色剤を添加することは可能であるが;被 覆は、被覆を塗布するために用いられる装置に対して被覆の色を付与してしまう ので、用いられるインキの各色を収容するためには、多数の延伸装置及び被覆装 置のセットが必要となり、実際的ではない。 したがって、当業において公知の任意の手段によって、個々の繊維を識別する ために、異なる色のインキ含有層を、光ファイバー被覆(単数又は複数)の上に 塗る方が一層の意図した効果を生じる。塗布されるインキ組成物は、性質を変化 させても良いが、一般的には、ビニルであり、例えば1種類以上の有機又は無機 の顔料;ビニルコポリマー;合成シリカ;及び有機溶剤を含んでいても良い。上 記したように、インキ組成物の性質は、マトリックス中に存在する接着に影響を 与える成分の量及び性質を決定する。インキは、紫外線硬化可能なインキ、又は 他の方法によって硬化させることができるインキであっても良い。 繊維を結合させるマトリックス材料は、本発明を構成するタイプである。すな わち、マトリックス材料は: (a)脂肪族ポリエーテルに基づくウレタンアクリレートを約35重量%〜約 98重量%; (b)複数のアクリレート基又はメタクリレート基を有するモノマーを約0. 5重量%〜約35重量%; (c)7〜18個の炭素原子を含むアルキル基を有するアクリレートモノマー 又はメタクリレートモノマーを約0.5重量%〜約20重量%; (d)光開始剤を約0重量%〜約10重量% 含む。上記重量%のすべては、(a),(b),(c)及び(d)の総重量を基 準としている。 リボン構造の1つの種類、及び前記リボンから作られるケーブルは、参照によ 010号で説明されている。 G.光ファイバーリボンを調製する方法 本発明は、更なる面において、光ファイバーリボンを調製する方法を含む。概 して、前記方法は、望ましい(すなわち、一般的に平面な及び一般的に平行な) 配置に、被覆されインキを着けられた繊維を機械的に配列する工程;繊維の周囲 にマトリックス材料組成物を塗布する工程;及び硬化させる工程を含む。上記し たように、インキは任意である。インキによって供給される着色、又は着色され た第二次被覆を用いることによって供給される着色は、完全に省略しても良い。 繊維に対してマトリックス材料を塗布する適当な手段は、非限定的に、次の通 りである。繊維、例えば12本の繊維を、単一平面において平行に整列させる。 繊維のそれぞれは、異なる色を有している。次に、整列させた繊維をダイを通し て一緒に延伸して、マトリックス材料に塗布する。整列させた繊維は、湿潤マト リックス材料と共にダイを出る。湿潤マトリックスを、好ましくは紫外線照射又 は電子線によって放射線硬化させることができる。得られたリボンは、結合され 、望ましい配置(すなわち、一般的に平面な及び一般的に平行な配置)に固定さ れた繊維を含む。被覆され着色された繊維に対する硬化マトリックス材料の接着 層(adhesive bond)は、既に考察したタイプの接着層、例えばポリエステルに 基づく脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを増加させることができる成分を 未硬化組成物中に混和することによって、調整することができる。 H.接着力、引張強さ及び破断点伸びの測定 1.180°剥離試験によって測定した接着力 ガラスに対する本発明の第一次被覆材料の接着力を、180°剥離試験によっ て測定する。剥離試験は以下のようにして行う。 清浄なガラス板38に沿って顕微鏡のスライドガラス(図示されていない)上 にテープ42(図2)を置く。テープ42は、スライドガラスを完全に覆うべき である。これらのスライドガラスは、Birdアプリケーターのために、ランナー4 1として役立つ。次にガラス板38、及びテープ42のランナーを清浄にする。 図2に示してあるように、ランナー41の間にあるガラス板38の上に、スペ ーサースライドガラス43,44,46及び試験スライドガラス50として顕微 鏡スライドガラスを配列する。ランナー41間の嵌合は緊密でなければならず、 スライドガラス43,44,46及び50は、ガラス板38に対してぴったりと 接して置かなければならない。そうした後、テープ40を用いて、ガラス板38 の末端上にスライドガラス46をテープで貼り付けた。試験の結果に影響するの で、試験時には、スライド50に触れないように注意しなければならない。取り 扱いは、それらの縁を持って行うべきである。 3ミルBirdアプリケーターを用いて、スライド上に第一次被覆を塗布し、0. 7J/cm2の紫外線量で、空気中において第一次被覆を硬化させる。次に光ファイ バー第二次被覆を塗布して第一次被覆を完全に隠蔽し、次に第一次被覆によって 隠蔽されていないスライド46上に延ばす。その第二次被覆を、0.7J/cm2の 紫外線量で、空気中において硬化させる。その後で、スライド43,46及び5 0上の硬化被覆から幅1インチのストリップを縦に切り開く。 図2は、第一次被覆60及び第二次被覆62で被覆され、ストリップ66が切 られる切れ目64の刻印を有する、ガラス板38上にあるスライド44,46及 び50を示している。 次にスライド43,44,46及び50をガラス板38から持ち上げ、スライ ド44及び46を切り離す。しかしながら、スライド46上にある第二次被覆6 2のつまみ(tabs)は切断しない。次に図2Aのライン50A,50Bに沿って 被覆を切って、つまみを有する4つの二重スライドを得る。前記スライドの1つ は、図2Bに示してある。次に図2Bのスペイサースライド43を取り除いて( 典型的にはレザーブレードの助けを借りて)、図2Cに示した、硬化第二次被覆 62の「つまみ70」を有するサンプル71を得た。スライド50上にある硬化 材料の全ては、所定の位置に残す。 180°剥離を測定するために、クリップ(図示されていない)を、第二次被 覆つまみ70の末端反対側のスライド上において、サンプル71のスライド50 に取り付ける。次にサンプル71のスライド50を、23℃、相対湿度50%の コンディショナー中において、16〜24時間、つまみ70を用いて、下方に吊 るす。前記状態調節の後、サンプル71を、インストロン引張試験機の環境室の 中で、インストロン引張試験機のあご72,74の中に装填する。前記室を25 ℃及び相対湿度50%に保つ。インストロン引張試験機は、下記のように設定す る: a.全規模荷重 0.1g b.チャート速度 20mm/分 c.ゲージ長 3.25インチ d.クロスヘッド速度 20mm/分 e.ロードセル 2kg サンプル71をインストロン試験機中に配置して垂直に整列させる。第二次被 覆つまみは、インストロン引張試験機の上部あご74の近くにあるスライド50 に接触しないようにする。あご74を一緒に閉じて、つまみ62を保持し、あご 72を閉じて、スライド50を保持する。サンプル71には予荷重張力をかける べきではない。 必要とされる湿度及び温度に達したら、インストロン図表における基線をチェ ックして、平らであることを確認する。この時点で、サンプル71を引張ること ができる。上部リミットスイッチが動作するまで引張り続ける。得られたINSTRO N図表の読取りは図2Eに示してある。この図表の読取りから、平均剥離力は、 視認によって評価することができる。視認によって評価した平均剥離力から基線 値を差し引いて、最終の平均剥離力を得るべきである。 2.引張強さ 長さ約2インチゲージ、幅0.5インチ及び厚さ6ミルのストリップとして造 形された前記材料の硬化サンプルを作製することによって、第一次被覆用材料の 引張強さを測定する。サンプルは、ASTMD−882にしたがって試験する。 3.破断点伸び率 第一次被覆用材料の破断点伸び率は、引張強さと同時に測定される。実施例 以下、実施例を掲げて、本発明を更に説明する。特に断りがない場合は、これ らの実施例における及びこの出願の他のところにおける全ての部及び%は、乾燥 固体を基準とする重量%であり、全ての温度は℃である。実施例の全てにおいて 、硬化線量を、International Light IL390放射計を用いて測定した。典型的に は、特に断りがない場合は、200ワット/インチの中圧水銀灯を用いて、0.7J/cm2 で空気中において、サンプルを紫外線硬化させた。特に注意書きがなければ、本 明細書における「モジュラス」とは、ASTM D−882にしたがって、イン スト ロンモデル1122引張試験機を用いて測定した、25℃における2.5%引張 弾性率を意味している。180°剥離力、引張強さ及び破断点伸び率のパラメー ターは、上記のようにして測定した。 本出願の残部と同様に、実施例における重量部とは、全ての成分を含む、その 実施例で説明した全組成物と関係している。全ての実施例において紫外線硬化を 用いていることに注意すべきである。実施例1 以下の組成物を、表2に列記した成分から50gバッチとして調製した。 表2 脚注: 1.IRR245は、UCB Chemicals Corp.,Smyrna,Georgiaから市販されているポ リエーテルに基づくアクリレート化脂肪族ウレタンオリゴマーである。 2.ARONIX M-114は、Toagasei Chemical Industry Company,Ltd.Tokyo,Japan から市販されているノニルフェノールエトキシレートアクリレートモノマー希釈 剤である。 3.AGEFLEX FA-12は、CPS Chemical Co.,Inc.,Old Bridge,NJから市販さ れているラウリルアクリレートモノマー希釈剤である。 4.IRGACURE 184は、Ciba Geigy,Ardseley,NYから市販されているヒドロ キシシクロヘキシルフェニルケトン光開始剤である。 5.IRGANOX 1035は、Ciba Geigy,Ardseley,NYから市販されているチオジエ チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート安 定剤である。 6.IOMPは、Evans Chemetics division of W.R.Grace Co.,Lexington,Mass から市販されているイソオクチル−3−メルカプトプロピオネート連鎖移動剤で ある。 7.A189は、OSi Specialties Inc.,Danbury,CTから市販されている3−メ ルカプトプロピルトリメトキシシラン定着剤+不純物であり、不純物は例えば1 5重量%である。 8.A1110は、OSi Specialties Inc.,Danbury,CTから市販されている3−ア ミノプロピルトリメトキシシラン安定剤である。 上記成分を用いて実験室用バッチを作るために、固体(オリゴマー)としてIR R 245を48.00g、粉末としてIRGACURE 184を6.00g、IRGANOXを1.0 0g、及びAGEFLEXモノマーを12.00g混合した。その混合物を、熱板の上 に置いて温め、粉末を溶かしたが、60℃を超える温度までは温めなかった。そ の混合物を、透明及び均質になるまで、ナイフで混合した(第一次被覆は透明で あるが、恐らくは黄色みを帯びていた)。次にその混合物を、熱板から外し、混 合することによって≦90°Fまで冷却し、そこに、IOMP液及びA189液を加え、 均質になるまで混合した。上記未硬化組成物は、ブルックフィールドNo.34 スピンドルを用いて、25℃で測定した場合に、7510cpsの粘度を有してい た。 この組成物の6ミルの被覆を、バードアプリケーターを用いて、平らな薄いガ ラス板に塗布し、200ワット/インチのConrad Hanovia中圧水銀灯を用いて、0.7J /cm2で空気中において硬化させた。ASTM D−882にしたがって測定した 前記被覆に関する引張弾性率210.8psiであった。屈折率(RI)は、1. 4772であった。 実験室規模でこの実施例の材料を作製することと、プラント規模との間には差 があった。特に、より大きなバッチ第一次被覆材料は、55ガロンドラム中で作 った。次にM-114を122.50ポンド、IRR 245を152.25ポンド、AGEFLE X FA-12ラウリルアクリレートモノマーを45.50ポンド、IRGACURE 184を2 1.00ポンド、及びIRGANOX 1035を3.50ポンド加え、30分間混合して混 合物を形成させた。高速ミキサー中に、まず最初にモノマーを加え、次にオリゴ マーを加えた(オリゴマーは約140°Fまで予熱して、軟化/液化させた)。 次に、混合物に対してA1110を8.05g加え、5分間混合した。混合物は、8 250cpsの粘度を有していた。次に、AGEFLEX FA-12を加えて、粘度を7500 cpsまで低下させた。 プラント規模のロットをからの材料を、第一次被覆として、ガラス光ファイバ ー上に塗布した。これに対して、従来の第二次被覆を塗布した。第一次被覆は、 参照によって本明細書に完全に取り入れられているShustackによる米国特許第5 ,352,712号の実施例13の第一次被覆と(主として、イソボルニルアク リレートを欠いている以外は)同様であった。第二次被覆は、次の組成物:すな わち、PHOTOMER 6008オリゴマー35重量%及びPHOTOMER 6010オリゴマー35重 量%(前記オリゴマーは双方共に、Henkel Corp.Ambler,Pennsylvaniaから市 販されているオリゴマーである);IRGACURE 184光開始剤44重量%;IRGANOX 1035安定剤51重量%;(表2の脚注を参照せよ);HDODA(ヘキサンジオールジ アクリレート)24.995重量%;及びDC57シリコーン添加剤0.005重量 %(Dow-Corning Corporation,Midland,Michiganから市販されている)の混合 物から作った。 次に光ファイバーインキ(fiber optic ink)を塗布した。インキを着けた繊 維を平行な配列で一緒に接合させて、光学リボンを形成させた。リボン中にある 繊維は、紫外線硬化されたマトリックス材料を用いて一緒に保持した。 次に光学リボンを、ある温度範囲にわたって、Sumitomo工具JR-4Aを用いて剥 離させた。図3に、清浄度に関して得られたデータが示してある。図3の第一次 被覆材料は、上記したプラント規模試験から得た材料であった。図3における1 〜5の清浄度の等級は表3で規定される。表3には、特有の清浄度の等級に対応 する清浄度と「チューブ・オフ(Tube Off)」とを列記してある。表3のチュー ブ・オフは、ガラスから剥離された材料の状態である。好ましくは、材料が 単一チューブとして剥離される場合である。 表3 図3は、60℃〜120℃の温度範囲において剥離したときには、申し分無く 清浄であることを示している。 図4は、第二次被覆は異なるが、図3のデータを得るために試験されたリボン で用いたのと同じ第一次被覆、同じマトリックス及び同じインキで被覆された光 ファイバーの光学リボンに関する清浄度等級を示している。図4の第一次被覆材 料は、上記したプラント規模の実験の材料である。図4は、60℃〜約120℃ における剥離の清浄度が良好であることを示している。実施例2 本発明の組成物を、実施例1と同様な手順で、表4に列記した成分から調製し た。 表4 脚注: 表2参照 9.PHOTOMER 4003は、Henkel Corp.Ambler,Pennsylvaniaから市販されてい るエトキシル化ノニルフェノールアクリレートモノマーである。 第一次被覆材料のバッチを作るために、Ph 4003 112ポンド、IRR 245 16 8ポンド、IRGACURE 184 21ポンド、IRGANOX 1035 3.5ポンド、及びAGEFLE X FA-12ラウリルアクリレート42ポンドを、55ガロンのドラム中で30分間 混合した。次に、その混合物の渦にA1110を8.30g加え、更に5分間混合し た。その混合物の渦に、IOMPを2.28ポンド及びA189を1.96ポンド加えた 。粘度は、9600cpsであった。次に、AGEFLEX FA-12を1ポンド及びPh 4003 を7ポンド加えた。その粘度は、9000cpsであった。その混合物に対してAGE FLEX FA-12を3.5ポンド及びPh 4003を7ポンド加えた。その粘度は、810 0cpsであった。最後に、その混合物に対して、A1110を9.02g、IOMPを0. 58ポンド、A189を0.14ポンド及びAGEFLEX FA-12を 7.00ポンド加えた。未硬化組成物の粘度は、上記パラメーターのブルックフ ィールド粘度計を用いて測定すると、約6950cpsであった。 実施例1の方法で硬化させたとき、ASTM−D882による引張弾性率は、 204.2psiであり、屈折率は1.4779であった。また、180°剥離力 は4.9g、破断点伸び率は140.6%及び引張強さは153.8psiであっ た。 図5は、この実施例にしたがって調製された材料の第一次被覆と、図4のデー タを得るために試験されたサンプルで用いられた第二次被覆、インキ及びマトリ ックスとで被覆されたガラス繊維を含む光学リボンの剥離についての清浄度の等 級を示している。図5は、60℃〜120℃の剥離温度における良好な清浄度等 級を示している。実施例3 表5に列記した成分から作った本発明の別の第一次被覆を用いた以外は、図3 のデータを得るために試験されたサンプルで用いられたのと同じ第二次被覆、イ ンキ及びマトリックスを用いてリボンを作った。 表5 脚注: 表2及び表4参照。 被覆材料は、次のようにして調製した。清浄な55ガロンのドラム中に、Ph 4 003モノマーを91.00ポンド、IRR 245オリゴマーを70.00ポンド、IRGA CURE 184光開始剤を10.50ポンド、及びIRGANOX 1035安定剤を1.75ポン ド入れた。それをミキサーで30分間混合した。次に、IOMP連鎖移動剤0.88 ポンド及びA189定着剤0.96ポンドをミキサーの渦に加え、10分間混合して から、その混合物を濾過した。 生成物の粘度は5810cpsであった。また、180°剥離力は4.0g、引 張強さは246.4psi、及び破断点伸び率は115.0%であった。 図6は、上記材料の第一次被覆で被覆された光ファイバーと、図3のデータを 得るために用いられた第二次被覆、インキ及びマトリックスとを含むリボンを剥 離することに関する清浄度データを示している。図6は、約60℃〜約100℃ の温度において剥離されたリボンに関する良好な清浄度を示している。実施例4 本発明の組成物を、表6に列記した成分から調製した。 表6 脚注: 表2及び表4参照。 10.A0397は、United Chemicals Technology-Bristol,PAから市販されてい るアクリルオキシプロピルトリメトキシシランである。実施例5 本発明の別の組成物を、表7に列記した成分から調製した。 表7 脚注: 表2、表4及び表6参照。 11.LUCIRIN LR 8893光開始剤は、BASF Corp.,Chemicals Division,Charl otte,N.C.から市販されているトリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフ ィンオキシドである。 12.LUCIRIN TPO光開始剤は、BASF Corp.,Chemicals Division,Charlott, N.C.から市販されているトリメチルベンゾイルジフェニル−ホスフィンオキシ ドである。 図7は、それぞれ表6及び表7の成分から作られた硬化第一次被覆、ならびに 実施例3の第二次被覆、インキ及びマトリックスで被覆された光ファイバーを含 むリボンは、約50℃〜約130℃の温度で剥離させたときに良好な清浄度を有 することを示している。剥離は、Sumitomo JR-4A Stripperを用いて行った。実施例6 本発明の第一次被覆材料の別のサンプルを、表8に列記した成分から作った。 表8 脚注: 表2及び表4参照。 13.PURELAST 590Aは、Polymer Systems Corporation,Orlando,Floridaから 市販されている脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーである。 硬化後のこの材料は、138.0psiの0.7J/cm2モジュラス及び101.7 psiの0.2J/cm2モジュラスを有していた。3つの硬化サンプルの平均引張強さ は182.3psiであり、平均破断点伸び率は135.7%であった。平均18 0°剥離力は10.5gと測定された。実施例7 本発明の第一次被覆材料の別のサンプルを、表9に列記した成分を用いて作っ た。 表9 脚注: 表2及び表4参照。 14.Bomar Specialties,Winsted,Connecticutから市販されているポリエ ーテル主鎖脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー。 15.UCB Chemicals,Smyrna,Georgiaから市販されているUCB Radcure RX01 203ポリエーテル主鎖脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー。 未硬化材料は、8310cpsの粘度を有していた。硬化後のこの材料は、25 5.0のモジュラス及び84.6%の破断点伸びを有していた。180°剥離力 は3.0gであった。実施例8 本発明の第一次被覆材料の別のサンプルを、表10に列記した成分を用いて作 った。 表10 脚注: 表9参照。 未硬化材料は、8120cpsの粘度を有していた。硬化後の材料は、307. 7psiの0.7J/cm2モジュラス及び267.9psiの0.2J/cm2モジュラスを有 していた。この配合物に対して、IOMPを0.75重量%加えた。そのモジュラス は227.7psiと測定された。破断点伸び率は86.7%であり、引張強さは 180.3psiであった。180°剥離力は2.4gであった。実施例9 本発明の第一次被覆材料の別のサンプルを、表11に列記した成分を用いて作 った。 表11 脚注: 表10参照。 16.PURELAST 569は、Polymer Systems Corp.,Orlando,Floridaから市販 されている脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーである。 硬化前の混合物の25℃における粘度は5865センチポアズであった。硬化 後には、この材料は、153.8psiの0.7J/cm2モジュラス及び105.9ps iの0.2J/cm2モジュラスを有していた。3つの硬化サンプルの平均180°剥 離力は9.1gと測定された。平均破断点伸び率は110.3%及び平均引張強 さは117.8psiであった。 この材料を、ガラス光ファイバー上に被覆し、そこに従来の第二次被覆を塗布 した。第二次被覆は、Shustackによる米国特許第5,352,712号の第二次 被覆と同様であり、PHOTOMER 6019オリゴマーを52.5重量%、PHOTOMER 6010 OLIGOMERを21.40%、IRGACURE 184光開始剤を3.05%、LUCERIN TPO光開始剤を0.95重量%、IRGANOX 1035安定剤を1重量%、HDODAを20重 量%、BKY 371シリコーン添加剤(BYK Chemie,Wallingford,Connecticut)を 1重量%及びTEGORAD 2200シリコーン添加剤(Tego Chemie,Hopewell,Virgini aから市販されている)を0.1重量%含んでいた。 次に光ファイバーインキを塗布した。インキを着けられた繊維は平行な配列で 一緒に接合させて、光学リボンを形成させた。上記実施例におけるように紫外線 硬化マトリックス材料を用いて、リボン中の繊維を一緒に保持した。 その光学リボンを、Sumitomo製の工具JR-4Aで剥離させた。前記工具は、5秒 の滞留時間中100℃に設定し、リボンを手動で剥離させた。 結果として、3.0の清浄度等級及び1.0のチューブオフ(tubeoff)等級 が測定された。実施例10 本発明の第一次被覆材料の別のサンプルを、表12に列記した成分を用いて作 った。 表12 脚注: 表11参照。 17.RX 01099は、Bomar Specialties,Winstead,Connecticutから市販され ているポリエーテル主鎖脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーである。 18.モノマー 硬化前の混合物の25℃における粘度は、10320センチポアズであった。 硬化後には、この材料は190.8psiの0.7J/cm2'モジュラス及び179. 8psiの0.2J/cm2モジュラスを有していた。3つの硬化サンプルの平均180 °剥離力は32.0gと測定された。平均破断点伸び率は100.5%及び平均 引張強さは215.8psiであった。 上記材料は、光学リボンを作って試験するための実施例9と同じ手順において 用いられた。用いられたマトリックス材料は、実施例9と同じであったが、第一 次被覆は、Sartomer Co.,Exton,Pennsylvaniaから市販されているCN 983オリ ゴマーを36重量%、Echo Resins and Laboratory,Versailles,MOから市販さ れているALU 351を36重量%、IRGACURE 184を3.05重量%、LUCERIN TPOを 0.95重量%、IRGANOX 1035を1重量%、BYK 371を1重量%、TEGORAD 2200 を0.1重量%及びHDODAを21.9重量%含んでいた。 結果として、3.0の清浄度等級及び4.0のチューブオフ等級が測定された 。実施例11 本発明の第一次被覆材料の別のサンプルを、表13に列記した成分を用いて作 った。 表13 脚注: 表12参照。 19.STC3-149オリゴマーは、Bomar Specialties,Winstead,Connecticutか ら市販されているポリエーテル主鎖脂肪族ウレタンアクリレートである。 硬化前の混合物の25℃における粘度は、7120センチポアズであった。硬 化後には、この材料は、131.7psiの0.7J/cm2モジュラス及び107.7 psiの0.2J/cm2モジュラスを有していた。3つの硬化サンプルの平均180° 剥離力は26.4gと測定された。平均破断点伸び率は78.2%及び平均引張 強さは124.8psiであった。 上記材料は、光学リボンを作って試験するための実施例10と同じ手順におい て用いられた。前記手順は、実施例10と同じ第一次被覆及びマトリックスのた めの材料を用いることを含む。 結果として、3.0の清浄度等級及び1.2のチューブオフ等級が測定された 。 本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、上記態様に関して多くの改良が成され得 ることは明らかである。したがって、本発明は、上記態様によって限定されない が、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.光ファイバー;及び 前記光ファイバー上にある硬化第一次被覆 を含む被覆光ファイバーであって、前記第一次被覆を、光ファイバー上に残って いる第一次被覆のある部分から離れてるようにガラス繊維の縦軸に対して平行な 方向において、約40℃〜約200℃の温度範囲で力を作用させ、次いで任意な 工程としてアルコールが染み込んでいる布片又は紙片で拭き取ることにより、倍 率2倍で観察したときに第一次被覆の残留物を実質的に全く有していない光ファ イバーの剥離部分が得られる前記被覆光ファイバー。 2.第一次被覆を、剥離される長さ30ミリメートル当たり2倍の倍率で視認 することができる粒子を20個未満残すという割合まで力を作用させたときに、 前記温度で剥離させることができる請求項1記載の被覆光ファイバー。 3.第一次被覆を、剥離される長さ30ミリメートル当たり2倍の倍率で視認 することができる粒子を全く残さないという割合まで力を作用させたときに、前 記温度で剥離させることができる請求項2記載の被覆光ファイバー。 4.硬化前の被覆が、せいぜい約60℃の凝固点を有する請求項1記載の被覆 光ファイバー。 5.凝固点が、せいぜい約25℃である請求項4記載の被覆光ファイバー。 6.凝固点が、約0℃〜約60℃である請求項4記載の被覆光ファイバー。 7.凝固点が、約5℃〜約25℃である請求項6記載の被覆光ファイバー。 8.第一次被覆を、相対湿度50%及び室温で180°剥離試験によって測定 した場合に50g未満の剥離力によって支持体から除去することができ、AST MD−882で測定した場合に少なくとも約75%の破断点伸び及びASTMD −882で測定した場合に少なくとも約80psiの引張強さを有する材料から作 る請求項1記載の被覆光ファイバー。 9.剥離力が、20g未満の力である請求項8記載の被覆光ファイバー。 10.剥離力が、15g未満の力である請求項9記載の被覆光ファイバー。 11.剥離力が、約5〜約15gの力である請求項10記載の被覆光ファイ バー。 12.破断点伸びが、少なくとも約90%である請求項8記載の被覆光ファイ バー。 13.破断点伸びが、少なくとも100%である請求項8記載の被覆光ファイ バー。 14.破断点伸びが、約100〜約150%である請求項8記載の被覆光ファ イバー。 15.引張強さが、少なくとも約100psiである請求項8記載の被覆光ファ イバー。 16.引張強さが、少なくとも約120psiである請求項15記載の被覆光フ ァイバー。 17.引張強さが、少なくとも約120〜約300psiである請求項15記載 の被覆光ファイバー。 18.該第一次被覆層が、硬化反応生成物として、1種類以上のアクリレート 又はメタクリレートを末端基とするウレタンオリゴマーを約10〜約80重量% 含む請求項1記載の被覆光ファイバー。 19.該第一次被覆層(b)が、反応生成物であるアクリレート又はメタクリ レートを末端基とするオリゴマーに加えて: (i)アルキル基中に6〜18個の炭素原子を有するアルキルアクリレー トモノマー及びアルキルメタクリレートモノマー; (ii)(1)芳香族基、(2)アクリル酸不飽和又はメタクリル酸不飽和 を含む基、及び(3)炭化水素基;及び (iii)それらの混合物 から成る群より選択される1種類以上のモノマー希釈剤を約10〜約75重量% 更に含む請求項18記載の被覆光ファイバー。 20.該モノマー希釈剤を、ヘキシルアクリレート;ヘキシルメタクリレート ;エチルヘキシルアクリレート;エチルヘキシルメタクリレート;イソオクチル アクリレート;イソオクチルメタクリレート;オクチルアクリレート;オクチル メタクリレート;デシルアクリレート;デシルメタクリレート;イソデシルアク リレート;イソデシルメタクリレート;ラウリルアクリレート;ラウリルメタク リレート;トリデシルアクリレート;トリデシルメタクリレート;ミリスチルア クリレート;ミリスチルメタクリレート;セチルアクリレート;セチルメタクリ レート;2−プロペン酸、2−(((ブチル)アミノ)カルボニルオキシ)エチ ルエステル、N−ビニルカプロラクタム;ステアリルアクリレート;ステアリル メタクリレート;C14〜C15炭化水素ジオールジアクリレート;C14〜C 15炭化水素ジオールジメタクリレート;フェノキシアルキルアクリレート;フ ェノキシアルキルメタクリレート;フェノキシアルキルアルコキシレートアクリ レート;フェノキシアルキルアルコキシレートメタクリレート;パラクミルフェ ノールエトキシレート化アクリレート、パラクミルフェノールエトキシレート化 メタクリレート;3−アクリロイルオキシプロピル−2−N−フェニルカルバメ ート;イソボルニルアクリレート;イソボルニルメタクリレート;ジシクロペン テニルアクリレート;ジシクロペンテニルメタクリレート;ジシクロペンテニル エトキシレートアクリレート;ジシクロペンテニルエトキシレートメタクリレー ト;テトラヒドロフルフリルアクリレート;テトラヒドロフルフリルメタクリレ ート;ポリアルキレングリコールノニルフェニルエーテルアクリレート;ポリア ルキレングリコールノニルフェニルエーテルメタクリレート;カプロラクトンア クリレート;及びそれらの混合物から成る群より選択する請求項18記載の被覆 光ファイバー。 21.該第一次被覆層が、有機官能シラン定着剤を、約0.1〜約3.0重量 %更に含む請求項18記載の被覆光ファイバー。 22.該定着剤を、アクリレート官能シラン;アミノ官能シラン;メルカプト 官能シラン;メタクリレート官能シラン;アクリルアミド官能シラン;アルキル 官能シラン;ビニル官能シラン;及びそれらの混合物から成る群より選択する請 求項21記載の被覆光ファイバー。 23.該定着剤を、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−ア ミノ−プロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキ シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピ ルトリエトキシシラン、及びそれらの混合物から成る群より選択する請求項21 記載の被覆光ファイバー。 24.該第一次被覆層が、光開始剤を更に含む請求項18記載の被覆光ファイ バー。 25.該第一次被覆層が、有機ホスフェート;シラン;ヒンダードフェノール ;アミン及びそれらの混合物から成る群より選択される安定剤を約0.0001 〜約3.0重量%更に含む請求項18記載の被覆光ファイバー。 26.該第一次被覆が、以下の成分:すなわち、 (A)(i)ポリエーテルポリオール、炭化水素ポリオール、ポリカーボネ ートポリオール、及びポリイソシアネートポリオールから成る群より選択される 少なくとも1種類のポリオールと;(ii)完全に脂肪族のポリイソシアネートと ;(iii)反応性末端基を供給する末端キャップモノマーとの反応生成物である 反応性末端基を有するウレタンオリゴマーを約10重量%〜約90重量%; (B)(A)の反応性末端基と反応することができる少なくとも1つの末端 基で終わっているモノマー希釈剤を約5重量%〜約80重量%; (C)光開始剤を約0重量%〜約10重量%;及び (D)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤を約0〜 約3重量% 上記%の全ては、(A),(B),(C)及び(D)の総重量を基準とする重 量%であり、硬化させたときの被覆組成物の引張弾性率は25℃で約500psi 未満であり、硬化被覆組成物の屈折率は少なくとも1.48である から成る放射線硬化反応生成物を含む請求項1記載の被覆光ファイバー。 27.該第一次被覆が、以下の成分:すなわち、 (1)1種類以上のアクリレート又はメタクリレートを末端基とする脂肪族 ポリエーテルウレタンオリゴマーを約10〜約80重量%; (2)1種類以上のモノマー希釈剤を約10〜約75重量%; (3)光開始剤を約0〜約10重量%;及び (4)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤を約0〜 約3重量% 上記%の全ては、全ての上記成分の重量を基準とする重量%である から成る放射線硬化反応生成物を含む請求項1記載の被覆光ファイバー。 28.オリゴマー及び1種類以上のモノマー希釈剤を、オリゴマーと1種類以 上のモノマー希釈剤との混合物が25℃で液体であるように選択する請求項27 記載の被覆光ファイバー。 29.該第一次被覆が、脂肪族ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー と、ラウリルアクリレート、又はノニルフェニルエトキシアクリレートから成る 群より選択されるモノマーと、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンから成 る群より選択される光開始剤と、チオジエチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル −4−ヒドロキシヒドロシンナメート)から成る群より選択される酸化防止剤と 、イソオクチル−3−メルカプトプロピオネートから成る群より選択される連鎖 移動剤と、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランから成る群より選択され るシランカップリング剤を混合重量を基準として5重量%未満と、3−アミノプ ロピルトリメトキシシランから成る群より選択される安定剤との硬化混合物を含 む請求項1記載の被覆光ファイバー。 30.請求項1記載の光ファイバーを複数とマトリックス材料とを含み、前記 複数の光ファイバーが前記マトリックス材料によって平行な配列で一緒に保持さ れている光学リボン。 31.光ファイバー上に被覆された第一次被覆を含む、添え継ぎのための被覆 光ファイバーを調製する方法であって、以下の工程:すなわち、 前記第一次被覆の中にブレードで切れ込みを入れることによって、約40℃〜 約200℃の温度範囲において、光ファイバーのある部分から第一次被覆を剥離 する工程、次に光ファイバーに対して平行な方向において前記ブレードによって 第一次被覆に関して力を作用させて、光ファイバーの部分から第一次被覆を除去 する工程、及び 任意に、アルコールが染み込んでいる布片又は紙片を用いて、第一次被覆が除 去された光ファイバーの部分を拭き取る工程、 前記剥離部分は、倍率2倍で観察したときに、剥離された部分の長さ30ミリメ ートル当たりに第一次被覆の残留物を殆ど又は全く認めることができない、を含 む前記方法。 32.以下の工程:すなわち、 請求項31記載の方法にしたがって添え継ぎするための2本の光ファイ バーを調製する工程; 調製された光ファイバーの剥離部分を整列させる工程;及び 調製された光ファイバーの剥離部分を接合させる工程 を含む被覆光ファイバーを添え継ぎする方法。 33.請求項32記載の方法によって作られる添え継ぎされた光ファイバー。 34.光ファイバー; 上記光ファイバー上に被覆された第一次被覆 を含む被覆光ファイバーであって、前記第一次被覆が、相対湿度50%及び室温 で180°剥離試験によって測定した場合に50g未満の剥離力によってガラス 支持体から除去することができ、ASTMD−882で測定した場合に少なくと も約75%の破断点伸び及びASTMD−882で測定した場合に少なくとも約 80psiの引張強さを有する材料から作られる前記被覆光ファイバー。 35.(1)以下の成分:すなわち、 (A)(i)ポリエーテルポリオール、炭化水素ポリオール、ポリカーボネ ートポリオール、及びポリイソシアネートポリオールから成る群より選択される 少なくとも1種類のポリオールと;(ii)完全に脂肪族のポリイソシアネートと ;(iii)反応性末端基を供給する末端キャップモノマーとの反応生成物である 反応性末端基を有するウレタンオリゴマーを約10重量%〜約90重量%; (B)(A)の反応性末端基と反応することができる少なくとも1つの末端 基で終わっているモノマー希釈剤を約5重量%〜約80重量%; (C)光開始剤を約0重量%〜約10重量%;及び (D)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤を約0〜 約3重量% 上記%の全ては、(A),(B),(C)及び(D)の総重量を基準とする重 量%であり、硬化させたときの被覆組成物の引張弾性率は25℃で約500psi 未満であり、硬化被覆組成物の屈折率は少なくとも1.48である から成る混合物を含む第一次被覆組成物層を、光ファイバーに対して塗布する工 程;及び (2)該被覆をその場で放射線硬化させる工程 光ファイバー上に残っている第一次被覆のある部分から離れてるようにガラス 繊維の縦軸に対して平行な方向において、約40℃〜約200℃の温度範囲にお いて力を作用させ、次いで任意な工程としてアルコールが染み込んでいる布片又 は紙片で拭き取ることにより、倍率2倍で観察したときに、剥離された部分の長 さ30ミリメートル当たりに第一次被覆の残留物を実質的に全く認めることがで きない光ファイバーの剥離部分が得られる を含む被覆光ファイバーを調製する方法。 36.該混合物が: (1)1種類以上のアクリレート又はメタクリレートを末端基とする脂肪族 ポリエーテルウレタンオリゴマーを約10〜約80重量%; (2)1種類以上のモノマー希釈剤を約10〜約75重量%; (3)光開始剤を約0〜約10重量%;及び (4)硬化中に第一次被覆組成物と結合する有機官能シラン定着剤を約0〜 約3重量% 上記%の全ては、全ての上記成分の重量を基準とする重量%である を含む請求項35記載の方法。 37.該第一次被覆に関する破断点伸びが、約80%である請求項8記載の繊 維。 38.該第一次被覆に関する破断点伸びが、約80%である請求項34記載の 繊維。
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