JP2000355793A - 白色めっき製品およびその製造方法 - Google Patents
白色めっき製品およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2000355793A JP2000355793A JP16821199A JP16821199A JP2000355793A JP 2000355793 A JP2000355793 A JP 2000355793A JP 16821199 A JP16821199 A JP 16821199A JP 16821199 A JP16821199 A JP 16821199A JP 2000355793 A JP2000355793 A JP 2000355793A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating layer
- thickness
- product
- layer
- white
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 密着性が高く、耐蝕性に富む金属めっき層が
形成され、かつ、ニッケルアレルギーを完全に防止する
ことができる白色金属めっき製品を提供する。 【解決手段】 黄銅素地1の表面に、層厚2〜5μmの
銅めっき層2と、層厚2〜3μmの金−銀合金めっき層
3と、ロジウムよりなる層厚0.2〜0.5μmの仕上
げめっき層4とをこの順に、それぞれ電気めっきする。
得られためっき製品は、時計ケースなどの時計用外装部
品や眼鏡フレーム、あるいはネックレス、イヤリングな
どの装身具として特に有用であり、構成材料としてニッ
ケルを含有しないためニッケルアレルギーの原因となる
ことがない。
形成され、かつ、ニッケルアレルギーを完全に防止する
ことができる白色金属めっき製品を提供する。 【解決手段】 黄銅素地1の表面に、層厚2〜5μmの
銅めっき層2と、層厚2〜3μmの金−銀合金めっき層
3と、ロジウムよりなる層厚0.2〜0.5μmの仕上
げめっき層4とをこの順に、それぞれ電気めっきする。
得られためっき製品は、時計ケースなどの時計用外装部
品や眼鏡フレーム、あるいはネックレス、イヤリングな
どの装身具として特に有用であり、構成材料としてニッ
ケルを含有しないためニッケルアレルギーの原因となる
ことがない。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は白色めっき製品に関
し、さらに詳しくは時計外装部品(例えば時計ケー
ス)、めがねフレームあるいは指輪などの、表面が白色
で構成材料としてNiを含有しない金属めっき製品に関
するものである。
し、さらに詳しくは時計外装部品(例えば時計ケー
ス)、めがねフレームあるいは指輪などの、表面が白色
で構成材料としてNiを含有しない金属めっき製品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表面を白色に金属めっきした時計
ケースが知られており、そのめっき仕様はつぎのように
なっている。すなわち、この時計ケースの断面構成は例
えば、黄銅または洋白からなる素地と、これの表面を覆
う下地めっき層としてのニッケルめっき層と、このニッ
ケルめっき層の表面を覆うパラジウム−ニッケル合金め
っき層と、この合金層の表面を覆うロジウムめっき層と
からなっている。
ケースが知られており、そのめっき仕様はつぎのように
なっている。すなわち、この時計ケースの断面構成は例
えば、黄銅または洋白からなる素地と、これの表面を覆
う下地めっき層としてのニッケルめっき層と、このニッ
ケルめっき層の表面を覆うパラジウム−ニッケル合金め
っき層と、この合金層の表面を覆うロジウムめっき層と
からなっている。
【0003】ところが近年、装飾品をはじめとするニッ
ケル含有製品では利用者が、製品か汗中に溶出する遊離
ニッケルのため皮膚の炎症が起きる、いわゆるニッケル
アレルギーが問題になっている。この問題の抜本的解決
策として、構成材料としてニッケルを含有しない金属め
っき製品が開発されている。
ケル含有製品では利用者が、製品か汗中に溶出する遊離
ニッケルのため皮膚の炎症が起きる、いわゆるニッケル
アレルギーが問題になっている。この問題の抜本的解決
策として、構成材料としてニッケルを含有しない金属め
っき製品が開発されている。
【0004】このめっき製品の断面構造は例えば図2に
示すようになっており、電気めっきで製造されている。
すなわち、黄銅製の素地11の表面に下地層として銅め
っき層または銅−錫合金めっき層12と、この合金めっ
き層の表面にパラジウムめっき層13と、さらにこのパ
ラジウムめっき層の表面にロジウムめっき層14を順に
積層した構成となっている。この金属めっき製品では、
もともとニッケルを含有しないため、上記ニッケルアレ
ルギーを完全に防止することができる。
示すようになっており、電気めっきで製造されている。
すなわち、黄銅製の素地11の表面に下地層として銅め
っき層または銅−錫合金めっき層12と、この合金めっ
き層の表面にパラジウムめっき層13と、さらにこのパ
ラジウムめっき層の表面にロジウムめっき層14を順に
積層した構成となっている。この金属めっき製品では、
もともとニッケルを含有しないため、上記ニッケルアレ
ルギーを完全に防止することができる。
【0005】しかしながら、図2に示す断面構造を電気
めっきにより得る場合、パラジウム(Pd)めっき層1
3や、銅−錫合金(Cu−Sn)めっき層12は応力が
高いめっき層であって、隣接する層との密着性が低いた
め、この金属めっき製品を高温に加熱したのち急冷する
と、ロジウム(Rh)めっき層14がPdめっき層13
から剥離したり、めっき層全体がCu−Snめっき層1
2と素地11との界面で剥離したりする密着不良の問題
があった。また、Pdめっき層13を形成するためのP
dめっき浴の安定性が不充分で老化が早く、経時により
組成が変化しやすいという問題があった。
めっきにより得る場合、パラジウム(Pd)めっき層1
3や、銅−錫合金(Cu−Sn)めっき層12は応力が
高いめっき層であって、隣接する層との密着性が低いた
め、この金属めっき製品を高温に加熱したのち急冷する
と、ロジウム(Rh)めっき層14がPdめっき層13
から剥離したり、めっき層全体がCu−Snめっき層1
2と素地11との界面で剥離したりする密着不良の問題
があった。また、Pdめっき層13を形成するためのP
dめっき浴の安定性が不充分で老化が早く、経時により
組成が変化しやすいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解決しようとするもので、その目的は密着
性が高く、耐蝕性に富む金属めっき層が形成され、か
つ、構成材料としてニッケルを含有しないため上記ニッ
ケルアレルギーを完全に防止することができる白色金属
めっき製品を提供することにある。
上記問題点を解決しようとするもので、その目的は密着
性が高く、耐蝕性に富む金属めっき層が形成され、か
つ、構成材料としてニッケルを含有しないため上記ニッ
ケルアレルギーを完全に防止することができる白色金属
めっき製品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る白色めっき製品は、黄銅からなる素地と、こ
の素地表面を被覆する下地めっき層としての銅めっき層
と、この銅めっき層の表面を被覆する金−銀合金めっき
層と、この合金めっき層の表面を被覆するロジウムの仕
上げめっき層とからなることを特徴とする。
発明に係る白色めっき製品は、黄銅からなる素地と、こ
の素地表面を被覆する下地めっき層としての銅めっき層
と、この銅めっき層の表面を被覆する金−銀合金めっき
層と、この合金めっき層の表面を被覆するロジウムの仕
上げめっき層とからなることを特徴とする。
【0008】本発明の白色めっき製品におけるそれぞれ
のめっき層の厚みは通常、銅めっき層が2〜5μm、金
−銀合金めっき層が2〜3μm、ロジウムめっき層が
0.2〜0.5μmに設定される。この範囲の層厚を有
する白色めっき製品では均一、かつ色調が良好な白色光
沢と、素地に対するめっき層の密着性(耐剥離性)と、
各めっき層の厚みの均一性と、ロジウムめっき層の耐食
性とを確保することが可能となり、このため時計ケース
などの時計用外装部品や眼鏡フレーム、あるいはネック
レス、イヤリングなどの装身具として特に有用である。
のめっき層の厚みは通常、銅めっき層が2〜5μm、金
−銀合金めっき層が2〜3μm、ロジウムめっき層が
0.2〜0.5μmに設定される。この範囲の層厚を有
する白色めっき製品では均一、かつ色調が良好な白色光
沢と、素地に対するめっき層の密着性(耐剥離性)と、
各めっき層の厚みの均一性と、ロジウムめっき層の耐食
性とを確保することが可能となり、このため時計ケース
などの時計用外装部品や眼鏡フレーム、あるいはネック
レス、イヤリングなどの装身具として特に有用である。
【0009】また、本発明に係る白色めっき製品の製造
方法は、黄銅からなる素地の表面に、層厚2〜5μmの
銅めっき層と、層厚2〜3μmの金−銀合金めっき層
と、ロジウムからなる層厚0.2〜0.5μmの仕上げ
めっき層とをこの順に、それぞれ電気めっきすることを
特徴とする。
方法は、黄銅からなる素地の表面に、層厚2〜5μmの
銅めっき層と、層厚2〜3μmの金−銀合金めっき層
と、ロジウムからなる層厚0.2〜0.5μmの仕上げ
めっき層とをこの順に、それぞれ電気めっきすることを
特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。 実施の形態1 図1は本発明に係る白色めっき製品の層構造を示す断面
図である。このめっき製品は、時計ケースなどの装飾品
に好適なもので、黄銅(BS)よりなる素地1の表面
に、下地めっき層として層厚4μmの銅めっき層2と、
層厚3μmの金−銀合金めっき層3と、Rhよりなる層
厚0.3μmの仕上げめっき層4とをこの順に、それぞ
れ電気めっきして得られたものである。仕上げめっき層
4は通常、電気めっき(例えばフラッシュめっき)で形
成する。
面を参照しながら説明する。 実施の形態1 図1は本発明に係る白色めっき製品の層構造を示す断面
図である。このめっき製品は、時計ケースなどの装飾品
に好適なもので、黄銅(BS)よりなる素地1の表面
に、下地めっき層として層厚4μmの銅めっき層2と、
層厚3μmの金−銀合金めっき層3と、Rhよりなる層
厚0.3μmの仕上げめっき層4とをこの順に、それぞ
れ電気めっきして得られたものである。仕上げめっき層
4は通常、電気めっき(例えばフラッシュめっき)で形
成する。
【0011】図2に示す従来の白色めっき製品の層構造
がRh/Pd/(Cu−Sn)/BS素地であるのに対
して、図1の白色めっき製品のそれはRh/(Au−A
g)/Cu/BS素地となっている。本発明品は、従来
品における応力の高い「Pd/(Cu−Sn)」の積層
構造に代えて、「Au−Ag)/Cu」とすることによ
り、従来品の上記積層構造に起因する密着不良を改良し
た点に一つの大きな特徴がある。
がRh/Pd/(Cu−Sn)/BS素地であるのに対
して、図1の白色めっき製品のそれはRh/(Au−A
g)/Cu/BS素地となっている。本発明品は、従来
品における応力の高い「Pd/(Cu−Sn)」の積層
構造に代えて、「Au−Ag)/Cu」とすることによ
り、従来品の上記積層構造に起因する密着不良を改良し
た点に一つの大きな特徴がある。
【0012】すなわち、図1のめっき製品において銅め
っき層2は、素地1およびAu−Ag合金層3の両者と
の密着性の高い下地層としての役割を果たすとともに、
素地1の光沢を保持するものである。また、Au−Ag
合金層3は素地1に耐蝕性を付与するもので、銅めっき
層2およびRh仕上げ層4に対する密着性が良いという
長所がある。
っき層2は、素地1およびAu−Ag合金層3の両者と
の密着性の高い下地層としての役割を果たすとともに、
素地1の光沢を保持するものである。また、Au−Ag
合金層3は素地1に耐蝕性を付与するもので、銅めっき
層2およびRh仕上げ層4に対する密着性が良いという
長所がある。
【0013】このため、本発明の白色めっき製品は、深
みのある白色光沢を有し、耐蝕性に優れるうえ、めっき
層の密着性が高いため急激な加熱・冷却を行ってもめっ
き層の剥離が生じにくい長所がある。これに加えて、構
成材料としてニッケルを含有しないため、上記ニッケル
アレルギーを完全に防止することができるという利点が
ある。
みのある白色光沢を有し、耐蝕性に優れるうえ、めっき
層の密着性が高いため急激な加熱・冷却を行ってもめっ
き層の剥離が生じにくい長所がある。これに加えて、構
成材料としてニッケルを含有しないため、上記ニッケル
アレルギーを完全に防止することができるという利点が
ある。
【0014】
【実施例】つぎに、素地表面に各層を電気めっきで積層
した本発明の実施例および、この実施例と同様条件の電
気めっきで各層を形成した従来例について説明する。 実施例1(図1を参照) 時計ケース用に成形した黄銅材(BSP3)に所定の前
処理(脱脂・酸洗い・活性化・水洗い)を施した後、通
常の条件で厚み3〜5μmの銅めっき層を形成した。そ
の上に厚み2〜3μmのAu−Ag合金層(9〜16
K)を下記条件で形成し、さらに、上記Au−Ag合金
層の上に厚み0.3μmのRh層を通常条件のフラッッ
シュめっきにより形成した。。
した本発明の実施例および、この実施例と同様条件の電
気めっきで各層を形成した従来例について説明する。 実施例1(図1を参照) 時計ケース用に成形した黄銅材(BSP3)に所定の前
処理(脱脂・酸洗い・活性化・水洗い)を施した後、通
常の条件で厚み3〜5μmの銅めっき層を形成した。そ
の上に厚み2〜3μmのAu−Ag合金層(9〜16
K)を下記条件で形成し、さらに、上記Au−Ag合金
層の上に厚み0.3μmのRh層を通常条件のフラッッ
シュめっきにより形成した。。
【0015】Au−Ag合金めっきに際し、めっき浴の
組成は以下のとおりにした。 ・KAu(CN)2 …………………15g/リットル ・KAg(CN)2 ………………… 2g/リットル ・シアン化ニッケルカリウム………20g/リットル ・シアン化コバルトカリウム………10g/リットル ・KCN………………………………80g/リットル ・アンモニア水………………………20g/リットル
組成は以下のとおりにした。 ・KAu(CN)2 …………………15g/リットル ・KAg(CN)2 ………………… 2g/リットル ・シアン化ニッケルカリウム………20g/リットル ・シアン化コバルトカリウム………10g/リットル ・KCN………………………………80g/リットル ・アンモニア水………………………20g/リットル
【0016】比較例1(図2を参照) 実施例1で使用した黄銅材と同一の素地に、実施例1と
同一の前処理を施した後、下記条件で厚み3〜5μmの
Cu−Sn合金めっき層を形成した。ついで、このCu
−Sn合金めっき層上に厚み2〜3μmのPdめっき層
を下記する通常条件の電気めっきで形成し、さらにその
上に厚み0.3μmのRhめっき層を通常条件のフラッ
ッシュめっきにより形成した。
同一の前処理を施した後、下記条件で厚み3〜5μmの
Cu−Sn合金めっき層を形成した。ついで、このCu
−Sn合金めっき層上に厚み2〜3μmのPdめっき層
を下記する通常条件の電気めっきで形成し、さらにその
上に厚み0.3μmのRhめっき層を通常条件のフラッ
ッシュめっきにより形成した。
【0017】〔Cu−Sn合金めっきの条件〕 (1)めっき浴の組成 ・錫酸ナトリウム……………………50g/リットル ・シアン化第1銅……………………50g/リットル ・シアン化ナトリウム………………80g/リットル ・水酸化ナトリウム…………………15g/リットル ・チオシアン酸ナトリウム…………35g/リットル ・ポリエチレンイミン…………………0.2g/リット
ル ・酢酸鉛(鉛として)………………50g/リットル (2)めっき条件 ・浴温…………………………………65℃ ・電流密度……………………………3A/dm2 ・陽極…………………………………カーボン
ル ・酢酸鉛(鉛として)………………50g/リットル (2)めっき条件 ・浴温…………………………………65℃ ・電流密度……………………………3A/dm2 ・陽極…………………………………カーボン
【0018】〔Pdめっきの条件〕 (1)めっき浴 日本高純度化学(株)製の「パラブライト−SSS」
(商品名) (2)めっき条件 ・浴温…………………………………55℃ ・電流密度……………………………1.5A/dm2 ・pH…………………………………7.6 ・時間…………………………………6分
(商品名) (2)めっき条件 ・浴温…………………………………55℃ ・電流密度……………………………1.5A/dm2 ・pH…………………………………7.6 ・時間…………………………………6分
【0019】実施例1、比較例1で得られた白色時計ケ
ースについて、下記要領で耐蝕性、めっき層の密着性、
および遊離ニッケルの溶出性を評価した。 (1)塩化ナトリウム、硫化ナトリウム、尿素、アンモ
ニア水、サッカローズ、および乳酸を混合してなる、温
度40℃の人工汗に50時間および100時間浸漬し
た。その結果、実施例1の時計ケースサンプルでは浸漬
50時間、100時間のいずれのサンプルも表面の腐食
・変色が起こらず、良好な耐蝕性を示した。これに対
し、比較例1のサンプルでは、浸漬50時間では問題が
なかったものの、浸漬100時間では表面に腐食・変色
が生じた。また実施例1、比較例1のいずれのサンプル
も、遊離ニッケルの溶出は認められなかった。
ースについて、下記要領で耐蝕性、めっき層の密着性、
および遊離ニッケルの溶出性を評価した。 (1)塩化ナトリウム、硫化ナトリウム、尿素、アンモ
ニア水、サッカローズ、および乳酸を混合してなる、温
度40℃の人工汗に50時間および100時間浸漬し
た。その結果、実施例1の時計ケースサンプルでは浸漬
50時間、100時間のいずれのサンプルも表面の腐食
・変色が起こらず、良好な耐蝕性を示した。これに対
し、比較例1のサンプルでは、浸漬50時間では問題が
なかったものの、浸漬100時間では表面に腐食・変色
が生じた。また実施例1、比較例1のいずれのサンプル
も、遊離ニッケルの溶出は認められなかった。
【0020】(2)市販品である濃度28〜30%、比
重0.9のアンモニア水100ccをデシケータに入
れ、ただちにこのデシケータ中に実施例1および比較例
1のサンプルを入れて密封し、温度約25℃の雰囲気中
に24時間放置した。その結果、実施例1のサンプルで
は表面に腐食・変色が起こらず、良好な耐蝕性を示した
のに対し、比較例1のサンプルでは表面に腐食・変色が
生じた。
重0.9のアンモニア水100ccをデシケータに入
れ、ただちにこのデシケータ中に実施例1および比較例
1のサンプルを入れて密封し、温度約25℃の雰囲気中
に24時間放置した。その結果、実施例1のサンプルで
は表面に腐食・変色が起こらず、良好な耐蝕性を示した
のに対し、比較例1のサンプルでは表面に腐食・変色が
生じた。
【0021】(3)実施例1および比較例1のサンプル
を200℃に加熱後、水道水に浸漬して急冷する操作を
2回行った(ヒートショック試験)。その結果、実施例
1のサンプルではめっき層の剥離が全く認められなかっ
たのに対し、比較例1のサンプルでは剥離が生じた。
を200℃に加熱後、水道水に浸漬して急冷する操作を
2回行った(ヒートショック試験)。その結果、実施例
1のサンプルではめっき層の剥離が全く認められなかっ
たのに対し、比較例1のサンプルでは剥離が生じた。
【0022】なお、実施例1で使用したAu−Agめっ
き浴と、従来のPdめっき浴とについて、めっき浴の安
定性を比較した結果、後者では浴の状態が不良となった
場合に再建浴が必要となることが多いのに対して、前者
では添加剤等の添加調整にり対応できることがわかっ
た。
き浴と、従来のPdめっき浴とについて、めっき浴の安
定性を比較した結果、後者では浴の状態が不良となった
場合に再建浴が必要となることが多いのに対して、前者
では添加剤等の添加調整にり対応できることがわかっ
た。
【0023】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、黄銅からなる素地上に、光沢保持を兼ねる銅の
下地めっき層と、耐蝕性確保のための金−銀合金めっき
層と、ロジウムからなる仕上げめっき層とを、この順に
積層して白色めっき製品を構成するようにしたので、密
着性が高く、かつ耐蝕性に富む白色の金属めっき層を形
成することができる。そのうえ本発明の白色めっき製品
は、構成材料としてニッケルを含有しないため、時計ケ
ースなどの装飾品とした場合、ニッケルアレルギーを完
全に防止することができる効果がある。さらに、金−銀
合金のめっき浴は浴寿命が長く、長時間安定した組成を
維持するので、高品質のめっき製品を安定して大量に製
造することができるという効果がある。
よれば、黄銅からなる素地上に、光沢保持を兼ねる銅の
下地めっき層と、耐蝕性確保のための金−銀合金めっき
層と、ロジウムからなる仕上げめっき層とを、この順に
積層して白色めっき製品を構成するようにしたので、密
着性が高く、かつ耐蝕性に富む白色の金属めっき層を形
成することができる。そのうえ本発明の白色めっき製品
は、構成材料としてニッケルを含有しないため、時計ケ
ースなどの装飾品とした場合、ニッケルアレルギーを完
全に防止することができる効果がある。さらに、金−銀
合金のめっき浴は浴寿命が長く、長時間安定した組成を
維持するので、高品質のめっき製品を安定して大量に製
造することができるという効果がある。
【図1】本発明に係る白色めっき製品の層構造を示す断
面図である。
面図である。
【図2】従来の白色めっき製品の層構造を示す断面図で
ある。
ある。
1 素地(黄銅) 2 銅めっき層 3 金−銀合金めっき層 4 ロジウムめっき層(仕上げめっき層) 11 素地(黄銅) 12 銅−錫合金めっき層 13 パラジウムめっき層 14 ロジウムめっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K023 AB42 BA11 CA09 4K024 AA09 AA12 AA24 AB03 BA09 BB03 BB20 GA01 GA02 GA04 GA16
Claims (3)
- 【請求項1】 表面が白色に金属めっきされた製品にお
いて、黄銅からなる素地と、この素地表面を被覆する下
地めっき層としての銅めっき層と、この銅めっき層の表
面を被覆する金−銀合金めっき層と、この合金めっき層
の表面を被覆するロジウムの仕上げめっき層とからなる
ことを特徴とする白色めっき製品。 - 【請求項2】 銅めっき層の層厚が2〜5μm、金−銀
合金めっき層の層厚が2〜3μm、ロジウムの仕上げめ
っき層の層厚が0.2〜0.5μmであることを特徴と
する請求項1記載の白色めっき製品。 - 【請求項3】 黄銅からなる素地の表面に、層厚2〜5
μmの銅めっき層と、層厚2〜3μmの金−銀合金めっ
き層と、ロジウムからなる層厚0.2〜0.5μmの仕
上げめっき層とをこの順に、それぞれ電気めっきするこ
とを特徴とする白色めっき製品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16821199A JP2000355793A (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | 白色めっき製品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16821199A JP2000355793A (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | 白色めっき製品およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000355793A true JP2000355793A (ja) | 2000-12-26 |
Family
ID=15863857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16821199A Pending JP2000355793A (ja) | 1999-06-15 | 1999-06-15 | 白色めっき製品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000355793A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102936740A (zh) * | 2012-11-19 | 2013-02-20 | 成都泛华航空仪表电器有限公司 | 金银铑多层复合电镀工艺 |
CN108698374A (zh) * | 2016-02-16 | 2018-10-23 | 思力柯集团 | 包括不含镍的涂层的制品和方法 |
-
1999
- 1999-06-15 JP JP16821199A patent/JP2000355793A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102936740A (zh) * | 2012-11-19 | 2013-02-20 | 成都泛华航空仪表电器有限公司 | 金银铑多层复合电镀工艺 |
CN108698374A (zh) * | 2016-02-16 | 2018-10-23 | 思力柯集团 | 包括不含镍的涂层的制品和方法 |
EP3416825A4 (en) * | 2016-02-16 | 2019-11-06 | Xtalic Corporation | ARTICLES COMPRISING A NICKEL-FREE COATING AND ASSOCIATED METHODS |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6780527B2 (en) | Decorative article having white film and production method therefor | |
JP5436569B2 (ja) | 装飾物品のための貴金属含有層連続物 | |
US6413653B1 (en) | Personal ornament covered with colored coating and process for producing the same | |
US4917967A (en) | Multiple-layered article and method of making same | |
CN102051647A (zh) | 钛及钛合金的无氰无镍水电镀工艺 | |
JP2000355793A (ja) | 白色めっき製品およびその製造方法 | |
JP3073148B2 (ja) | 装飾部材 | |
JP3029948B2 (ja) | Sn−Cu−Pd合金めっき部材、その製造に用いるめっき浴 | |
JPS6187894A (ja) | チタン素材用メツキ法 | |
KR100804502B1 (ko) | 금속 알레르기 방지용 표면처리 다층 복합도금방법 및 그에 따른 다층 복합 도금 구조 | |
JPH06340983A (ja) | パラジウムー銅メッキ被覆を有する装身具 | |
JP2952541B2 (ja) | 白色または金色めっき製品 | |
JP2003013282A (ja) | 装飾品およびその製造方法 | |
JPH04333587A (ja) | 白金電鋳浴 | |
JPS6123789A (ja) | ステンレス鋼の貴金属メツキ方法 | |
JP3281896B2 (ja) | 装飾部材 | |
JP2977503B2 (ja) | 銅−パラジウム系合金メッキ液及びメッキ基材 | |
JPH11193493A (ja) | ニッケルレスメッキ製品 | |
JPH10298782A (ja) | 装身具 | |
JP2001262393A (ja) | 時計用外装部品 | |
MXPA01001281A (en) | Accessory having colored coating and manufacturing method thereof | |
KR960007776B1 (ko) | 초벌도금에 내식동합금 도금을 한 귀금속 도금장신구 | |
JPH08120466A (ja) | 貴金属めっき材およびその製造方法 | |
CN117737806A (zh) | 一种基于银基材的亚硫酸盐镀硬金的方法 | |
JPH05140794A (ja) | 眼鏡枠 |