JP2000355452A - 輪転機におけるウエブ紙走行張力制御装置を備えた給紙部 - Google Patents

輪転機におけるウエブ紙走行張力制御装置を備えた給紙部

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孝信 坂倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪転機の給紙部においてウエブ紙Ｗ０が長手
方向に沿って略二等分に切断されたターンバーを通過す
る方の切断ウエブ紙Ｗ１と通過しない方の切断ウエブ紙
Ｗ２との走行張力が輪転機の断続的な低速作動時に差が
生じるのを抑制する。 【解決手段】 ウエブ巻取紙Ｗから引き出されたウエブ
紙Ｗ０が長手方向に沿って略二等分に切断された切断ウ
エブ紙を下流側に送り出す送出し手段Ａの被駆動ローラ
ー２と、一方の切断ウエブ紙Ｗ１のみ通過するターンバ
ーＤとが備えられた給紙部Ｑにおけるウエブ紙走行張力
制御装置Ｔは、ターンバーを経由した切断ウエブ紙とタ
ーンバーを経由しない切断ウエブ紙とに対し個別に所定
の押し圧を作用させるダンサーローラー手段Ｅ、同期移
動のダンサーローラーの位置を検出する検出手段Ｆ、及
び検出手段から出力される検出信号を受けて両ダンサー
ローラーを一定の位置に保つために被駆動ローラーの駆
動手段Ｂに制御信号を送り、被駆動ローラーの回転速度
を制御する制御手段Ｇを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、輪転機における
ウエブ紙走行張力制御装置を備えた供給部、例えば、ウ
エブ紙を使用する輪転機において、印刷部で使用する紙
幅の倍の幅を有するウエブ紙を、切断手段により長手方
向に沿って略二等分し、その一方の切断ウエブ紙のみを
ターンバーを通過させ、両切断ウエブ紙の各走行張力を
制御するウエブ紙走行張力制御装置を備えた給紙部に関
する。
【０００２】
【従来の技術】従来の技術において、ウエブ紙を切断手
段により、長手方向に沿って略二等分した後、一方の半
幅の切断ウエブ紙は、ターンバーを経由して進行し、他
方の半幅の切断ウエブ紙はターンバーを経由しないで進
行し、夫々個別の印刷部へと至るようにされた輪転機
は、例えば特公昭５１−００７０８３号公報に開示され
ている。
【０００３】そして、その輪転機では、ターンバーを経
由させることによって一方の切断ウエブ紙の進行方向を
変更した上で、その中心線をターンバーを経由しないで
進行した他方の切断ウエブ紙の中心線に一致させて夫々
個別の印刷部へと至らせるのである。
【０００４】又、従来の技術において、印刷部へ送られ
るウエブ紙の走行張力制御装置は、「新聞印刷ハンドブ
ック」（１９９７年４月１０日（社）日本新聞協会発
行）の第１１１〜１１２頁（第３章新聞オフセット輪転
機〔２〕インフィードテンション）に記載のものが一般
的である。その走行張力制御装置は、印刷部に送られる
ウエブ紙の走行張力を一層安定化するためのもので、印
刷部前でインフィードローラーとダンサーローラーによ
って走行張力を制御するものである。
【０００５】そして、前者の輪転機に後者の走行張力制
御装置を組み合わせたものは、図４に示されている。図
４において、輪転機の印刷部（図示しない）で使用する
紙幅の倍の幅を有するウエブ巻取紙Ｗ’より、ウエブ紙
Ｗ０’が引き出され、ウエブ紙Ｗ０’は、切断手段Ｃ’
によって長手方向に沿って略二等分に切断され、一方の
半幅の切断ウエブ紙Ｗ１’は、ターンバーＤ’を経由し
てその中心線が他方の半幅の切断ウエブ紙Ｗ２’の中心
線と一致させられる。
【０００６】そして、各切断ウエブ紙Ｗ１’，Ｗ２’に
対して、ウエブ紙走行張力制御装置Ｔ１，Ｔ２が設けら
れ、各切断ウエブ紙Ｗ１’，Ｗ２’は個別に走行張力が
制御され印刷部へと送られる。ウエブ紙走行張力制御装
置Ｔ１，Ｔ２は、流体圧シリンダー４１ａ，４１ｂに連
結されたダンサーローラー４２ａ，４２ｂが流体圧シリ
ンダー４１ａ，４１ｂのピストン棒の突出による押し圧
によって切断ウエブ紙Ｗ１’，Ｗ２’に作用し、切断ウ
エブＷ１’，Ｗ２’ の走行張力の変化に従って移動す
るようになっている。
【０００７】そして、ダンサーローラー４２ａ，４２ｂ
の上流には、駆動源４５ａ，４５ｂに駆動されるインフ
ィードローラー４３ａ，４３ｂが設けられており、ダン
サーローラー４２ａ，４２ｂの支持アームの支点にダン
サーローラー４２ａ，４２ｂの位置を検出する検出器４
４ａ，４４ｂが取り付けられ、検出器４４ａ，４４ｂの
検出信号を駆動源４５ａ，４５ｂが受けて作動し、イン
フィードローラー４３ａ，４３ｂの周速を変えてダンサ
ーローラー４２ａ，４２ｂへのウエブ紙紙送り量を制御
し、ダンサーローラー４２ａ，４２ｂが常に切断ウエブ
紙Ｗ１’，Ｗ２’の弛み方向及び張り方向の中立位置
（常態位置）にあるようにしている。それにより、印刷
部へ送られる切断ウエブ紙Ｗ１’，Ｗ２’に安定した走
行張力が与えられるはずである。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】上記の例示した従来の
技術には、下記のように夫々問題点がある。特公昭５１
−００７０８３号公報に開示されている輪転機において
は、給紙部のウエブ巻取紙から引き出されたウエブ紙が
切断手段で切断された後、下流の印刷部へ送られるまで
の紙通し経路中にウエブ紙走行張力制御装置が備えられ
ていないので、切断ウエブ紙を支持案内するローラーの
抵抗や印刷部下流での紙引きの影響を受けて、切断ウエ
ブ紙の走行張力に変動が起ると、例えば、切断ウエブ紙
の走行張力が弱くなると、走行する切断ウエブ紙が弛
み、蛇行が起きて断紙等の不都合が生じる。又、逆に切
断ウエブ紙の走行張力が強くなると、走行する切断ウエ
ブ紙に皺が発生し、同様に断紙等の不都合が生じる。
【０００９】そこで、そのような問題を解決するため
に、上記の輪転機に上記のウエブ紙走行張力制御装置を
組み合わせた図４に示すものにおいては、切断手段Ｃ’
からインフィードローラー４３ａまでの摩擦抵抗の極め
て大きなターンバーＤ’が設けられた紙通し経路を走行
する切断ウエブ紙Ｗ１’と，ターンバーが設けられてい
ない紙通し経路を走行する切断ウエブ紙Ｗ２’とでは、
切断手段Ｃ’からインフィードローラー４３ａ，４３ｂ
までの各紙通し経路において走行状態に差異が生じる。
【００１０】即ち、輪転機が起動され、印刷部下流に設
けられたウエブ紙の紙引き装置（図示しない）によっ
て、切断ウエブ紙Ｗ１’，Ｗ２’が一斉に同じ紙引き速
度で印刷部へウエブ紙の供給が開始されると、ウエブ紙
走行張力制御装置Ｔ１，Ｔ２のダンサーローラー４２
ａ，４２ｂは、ウエブ紙の走行張力の増加に伴って切断
ウエブ紙Ｗ１’，Ｗ２’の張り方向（図４における右方
向）へと移動し始めるが、インフィードローラー４３
ａ，４３ｂの作用によって、ダンサーローラー４２ａ，
４２ｂは、中立位置（常態位置）に戻るように制御され
る。
【００１１】上記の場合、切断ウエブ紙Ｗ１’は、ター
ンバーＤ’の大きな摩擦抵抗を受けるためターンバー
Ｄ’の下流且つインフィードローラー４３ａの上流にお
いて弾性変形して伸びると共に、切断手段Ｃ’の下流且
つターンバーＤ’の上流では切断ウエブ紙Ｗ２’よりも
走行速度が若干遅くなり、切断手段Ｃ’の下流且つター
ンバーＤ’の上流で、切断ウエブ紙Ｗ２’の走行張力と
切断ウエブ紙Ｗ１’の走行張力とに差が生じ、切断ウエ
ブＷ１’に弛みが生じる。
【００１２】しかし、輪転機を連続運転しているときに
は、切断ウエブＷ１’における、切断手段Ｃ’・ターン
バーＤ’の間の走行張力とターンバーＤ’・インフィー
ドローラー４３ａ間の走行張力との差が、ターンバー
Ｄ’と切断ウエブ紙Ｗ１’との摩擦抵抗に関連して定ま
る一定の値で均衡し、その状態で切断ウエブ紙Ｗ１’は
切断ウエブＷ２’と略同じ速度で走行するようになり、
大きな問題にはならない。
【００１３】ところが、輪転機の低速作動及び停止を短
時間に何度も繰り返して行う場合、例えば作業者による
印刷部版胴への印刷版取付作業の過程などでは、インフ
ィードローラー４３ａの作用によって、ダンサーローラ
ー４２ａを常態位置へ戻すようにインフィードローラー
４３ａの回転が制御されても、前記切断ウエブ紙Ｗ１’
における切断手段Ｃ’・ターンバーＤ’間の走行張力と
ターンバーＤ’・インフィードローラー４３ａ間の走行
張力とが均衡するに至らないで、切断ウエブ紙Ｗ１’の
走行が断続的に行われる状態になるので、切断手段Ｃ’
の下流の切断ウエブ紙Ｗ１’の弛みが増大する。
【００１４】これに対して、切断ウエブ紙Ｗ２’には、
切断ウエブ紙Ｗ１’のような弛みは生じないため、ウエ
ブ紙Ｗ０’の切断手段Ｃ’の作用部では、切断ウエブ紙
Ｗ２’側が切断ウエブ紙Ｗ１’側より若干引かれた状態
になる。このため、切断手段Ｃ’による切断線が僅かに
蛇行したり傾斜したりする。
【００１５】そして、印刷開始後の増速に伴って、切断
ウエブ紙Ｗ１’と切断ウエブ紙Ｗ２’とが一斉に走行さ
せられると、切断手段Ｃ’の直下流における切断ウエブ
紙Ｗ１’の走行張力と切断ウエブ紙Ｗ２’の走行張力と
の間に大きく、且つ急激な差異が生じ、切断ウエブ紙Ｗ
１’及び切断ウエブ紙Ｗ２’の一方又は両方が断紙し、
更に切断ウエブ紙Ｗ１’の弛み部分が切断手段Ｃ’や他
のローラーに巻き込まれるなどして、運転が停止してし
まう。
【００１６】従って、ウエブ巻取紙から引き出されたウ
エブ紙が切断手段により長手方向に沿って略二等分に切
断された後、一方の切断ウエブ紙の進行方向を変更する
ためのターンバーを設けた構成において、輪転機の低速
作動を断続的に行っても、切断手段下流の２つの切断ウ
エブ紙の走行張力間に大きく、且つ急激な差異が生じな
いで、しかも輪転機の連続運転においても問題が生じな
いウエブ紙走行張力制御装置が望まれている。
【００１７】
【課題を解決するための手段】この発明のウエブ巻取紙
から引き出されたウエブ紙がガイドローラーを備えた紙
通し経路に従って給紙部及び印刷部を通過する輪転機に
おけるウエブ紙走行張力制御装置を備えた給紙部は、駆
動手段により回転駆動され、外周面に前記ウエブ紙が巻
き掛けられ、外周面とウエブ紙との摩擦力によりウエブ
紙を下流側に送り出す送出し手段と、走行するウエブ紙
を長手方向に沿って略二等分に切断する切断手段と、切
断手段により切断されて走行する二条の切断ウエブ紙の
一方の切断ウエブ紙のみが巻き掛けられて、該切断ウエ
ブ紙の走行方向を変更するターンバーと、ターンバーの
下流側にあって二条の切断ウエブ紙の走行張力を制御す
るウエブ紙走行張力制御装置とから構成されている。
【００１８】そして、ウエブ紙走行張力制御装置は、タ
ーンバーを経由した切断ウエブ紙とターンバーを経由し
ない切断ウエブ紙とが巻掛けられる回転可能な夫々のダ
ンサーローラーであって、切断ウエブ紙の走行経路の長
さを変更するように互に同期移動可能であると共に夫々
が切断ウエブ紙の走行経路の長さを増大する方向に所定
の押し圧が与えられたダンサーローラーを備えたダンサ
ーローラー手段、ダンサーローラーの位置を検出する検
出手段、及び検出手段から出力される検出信号を受けて
ダンサーローラーを一定の位置に保つために前記駆動手
段に制御信号を送り、送出し手段の被駆動ローラーの回
転速度を制御する制御手段を具備している。
【００１９】ダンサーローラー手段は、切断ウエブ紙毎
に設けられ、対向した移動腕の移動端部に回転可能に支
持されたダンサーローラーと、各ダンサーローラーに巻
き掛けられた切断ウエブ紙の走行経路の長さを増大する
方向に各ダンサーローラーを移動するように各移動腕に
対し個別に作用する押圧手段と、両ダンサーローラーが
連動して一斉に移動するように個別のダンサーローラー
の移動腕を結合するリンクとから構成され、検出手段
は、移動腕の角変位位置を検出することによりダンサー
ローラーの位置を検出するのである。
【００２０】例えば、切断手段は、被駆動ローラーの外
周面に形成された円周溝と、該溝に円周刃先が入り込み
得ると共に回転駆動手段を備えた円板刃とから構成され
ており、又、ターンバーは、適宜の間隔をあけて平行な
２本のバーが被駆動ローラーに対し傾斜した状態で設け
られ、２本のバーに巻き掛けられた切断ウエブ紙の走行
方向を、ターンバーを経由しない切断ウエブ紙と重なっ
て走行する方向に変更するのである。
【００２１】輪転機の稼働準備において、給紙部ウエブ
巻取紙が取り付けられ、引き出された印刷部で使用する
幅の倍幅のウエブ紙は、給紙部から、印刷部、折部に至
るまで設定された紙通し経路に従って紙通しされる。ウ
エブ紙は、輪転機起動に連動して作動する送出し手段の
ローラーに巻き付いて、切断手段の円板刃の作用によっ
てウエブ紙を長手方向と平行に略二等分の切断ウエブ紙
に切断される。
【００２２】一方の切断ウエブ紙は、ターンバーを通
り、走行経路の方向が変更されて他方の切断ウエブ紙の
中心線と一致させられ、ダンサーローラー手段のダンサ
ーローラーに巻き付いて紙通しされる。そして、紙通し
された切断ウエブ紙は、各々別の印刷部を通過する。
【００２３】輪転機が起動され、紙通しされた両切断ウ
エブが走行され始め、印刷開始のために輪転機が増速さ
れると、印刷部への両切断ウエブ紙の走行速度は増大
し、送出し手段における両切断ウエブ紙の送出し速度と
の間に差が生じるので、各切断ウエブ紙の走行張力が個
別に増大する。
【００２４】ダンサーローラー手段では、ダンサーロー
ラーが巻き掛けられた切断ウエブ紙を所定圧で押圧して
いるのであるが、切断ウエブ紙の走行張力の増大に伴っ
て、走行張力が大きい方の切断ウエブ紙が巻き掛けられ
たダンサーローラーを押し戻そうとする。
【００２５】それにより、そのダンサーローラーを支持
した移動腕が角変位し、他方の切断ウエブ紙のダンサー
ローラーを支持した移動腕も同期角変位する。すると、
ダンサーローラーを中立位置へと戻す制御が行われる。
即ち、各切断ウエブ紙の走行張力が中立値になるよう
に、送出し手段における両切断ウエブ紙の送出し速度を
印刷部への両切断ウエブ紙の走行速度に追随するように
送出し手段における切断ウエブ紙送出し速度の制御が行
われる。
【００２６】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態における輪
転機のウエブ紙走行張力制御装置を備えた給紙部を図面
に従って説明する。輪転機Ｐの一例は、図３に示すよう
に、基台７０上に設けられた給紙部Ｑの上方に複数基
（図示の例では２基）の印刷部Ｒ，Ｒが設けられ、更に
ドラッグローラー５０，５０を備えた折部Ｓが印刷部Ｒ
に並んで設けられている。
【００２７】給紙部Ｑは、図示しないフレームに設けら
れ、ウエブ巻取紙Ｗを回転自在に支持する巻取紙支持装
置並びに基台７０上に設けられたフレームに下方から上
方に順次設けられた駆動手段Ｂにより駆動され、且つ切
断手段Ｃを備えた送出し手段Ａ、ターンバーＤ及びウエ
ブ紙走行張力制御装置Ｔから構成されている。そして、
巻取紙支持装置、送出し手段Ａ、ターンバーＤ、ウエブ
紙走行張力制御装置Ｔ、印刷部Ｒ，Ｒ及び折部Ｓ並びに
各間のガイドローラーにより紙通し経路が形成されてい
る。
【００２８】上記輪転機Ｐにおいては、ウエブ巻取紙Ｗ
から引き出されたウエブ紙Ｗ０は、紙通し経路に従っ
て、切断手段Ｃ付きの送出し手段Ａ、ターンバーＤ、ウ
エブ紙走行張力制御装置Ｔ及び印刷部Ｒ，Ｒを通過して
折部Ｓに至る。即ち、印刷部Ｒで使用する紙幅の倍幅の
ウエブ紙Ｗ０は、切断手段Ｃで長手方向に沿って略二等
分に切断され（幅が略二等分に分割され）、二条の切断
ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２となり、一方の切断ウエブ紙Ｗ１の
みがターンバーＤにより他方の切断ウエブ紙Ｗ２に重な
る方向になるように進行方向が変更される。
【００２９】そして、切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２は、夫
々、ウエブ紙走行張力制御装置Ｔにより走行張力が制御
され、更に印刷部Ｒ，Ｒで印刷された上、重ねられてド
ラッグローラー５０，５０により折部Ｓに送り込まれ
る。折部Ｓにおいて、切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２は、定長
に裁断された上、折帳の体裁に折り畳まれて折部Ｓから
排出される。
【００３０】図１及び図２に従って、給紙部Ｑについて
具体的に説明すると、切断手段Ｃを備えた送出し手段
Ａ、ターンバーＤ及びウエブ紙走行張力制御装置Ｔが設
けられるフレームは、基台７０上にフレーム３０とフレ
ーム３１とがウエブ紙Ｗ０の紙幅より適宜大きい距離を
隔てて対向して設けられ、両者の上端面間には２本のス
テー３４，３４が平行になって架け渡されている。
【００３１】一方のフレーム３１の上端面の上には更に
フレーム３３が続いて設けられ、フレーム３３と対向す
るフレーム３２が、両フレーム３０，３１間の中央より
フレーム３０側に適宜偏った位置でステー３４，３４の
上面に跨って設けられている。
【００３２】フレーム３０，３１間には、巻取紙支持装
置のウエブ巻取紙Ｗから引き出されたウエブ紙Ｗ０を下
流側に送り出す被駆動ローラー２を備えた送出し手段
Ａ、被駆動ローラー２を駆動する駆動手段Ｂ及びウエブ
紙Ｗ０を長手方向に沿って略二等分に切断し、切断ウエ
ブ紙Ｗ１，Ｗ２にする切断手段Ｃが設けられ、フレーム
３０，３１間とフレーム３２，３３間とにかけては、切
断された一方の切断ウエブ紙Ｗ１の進行方向を変更する
ターンバーＤが設けられている。
【００３３】更に、フレーム３０，３１間には、ターン
バーＤを経由した切断ウエブ紙Ｗ１とターンバーＤを経
由しない切断ウエブ紙Ｗ２との夫々に、流体圧シリンダ
ー８ａ，８ｂのピストン棒の押し圧をダンサーローラー
５ａ，５ｂを介して作用させるダンサーローラー手段Ｅ
及びダンサーローラー５ａ，５ｂの位置を検出する検出
手段Ｆが設けられ、更に、検出手段Ｆから出力される検
出信号を受けてダンサーローラー５ａ，５ｂを一定の位
置、即ち常態位置に保つために駆動手段Ｂに制御信号を
送り、送出し手段Ａの被駆動ローラーの回転速度を制御
する制御手段Ｇが適宜の箇所に設けられている。
【００３４】上記の各手段について詳述する。送出し手
段Ａにおいては、被駆動ローラー２の中心軸線に一体的
に取り付けられた回転軸１は、両端部がフレーム３０，
３１に回転可能に支持され、一方の端部がフレーム３０
から外側に突出して突出端部１ａとなっている。被駆動
ローラー２の軸線方向中心位置の外周面には、後述の切
断手段Ｃの円板刃４ａの円周刃先が入り込み得る円周溝
が円周方向に形成されている。
【００３５】そして、被駆動ローラー２と巻取紙支持装
置との間で、被駆動ローラー２に近い位置に被駆動ロー
ラー２と平行なガイドローラー６１の両端軸部が回転可
能にフレーム３０，３１に支持されている。駆動手段Ｂ
においては、フレーム３０の外側にブラケット３ａを介
して装着されたモーター３の出力軸は、回転軸１の突出
端部１ａに軸継手を介して連結されている。
【００３６】切断手段Ｃにおいては、円板刃４ａの軸を
回転可能に支持し、その軸を輪転機の運転と連動して回
転駆動するモーターを備えたブロック４は、円板刃４ａ
の円周刃先が被駆動ローラー２の円周溝に出入可能に図
示しないブラケットを介してフレーム３０，３１に取り
付けられている。円板刃４ａの円周刃先が被駆動ローラ
ー２の円周溝に入り込んだ状態で円板刃４ａがモーター
で回転駆動されると、被駆動ローラー２の外周面に支持
されて走行するウエブ紙Ｗ０を長手方向に沿って略二等
分に切断する。
【００３７】ターンバーＤにおいては、図２に示すよう
に、適宜の間隔をあけて平行な２本のバー５１，５２
が、被駆動ローラー２に対し傾斜した状態でフレーム３
０，３１間とフレーム３２，３３間とに架け渡されて設
けられている。具体的には、被駆動ローラー２の上方に
おいて、フレーム３０，３１に両端が支持された軸５３
に各バー５１，５２の一端が取付具５４を介して取り付
けられ、フレーム３２，３３に両端が支持された軸５５
に各バー５１，５２の他端が取付具５６を介して取り付
けられている。
【００３８】取付具５４，５６は、軸５３，５５の軸線
方向に可変位置され得ると共に、各バー５１，５２の端
部は、取付具５４，５６に連結され、バー５１，５２の
間隔及び傾斜は調節し得るようになっている。軸５３に
おける取付具５４，５４の位置は、一方が軸５３の略中
央域で他方が切断ウエブ紙Ｗ１の略外側縁域であり、軸
５５における取付具５６，５６の位置は、一方が切断ウ
エブ紙Ｗ２の略外側縁域であり、他方が切断ウエブ紙Ｗ
２の略切断縁域である。
【００３９】従って、バー５１，５２に折返し巻き掛け
られた切断ウエブ紙Ｗ１は、走行方向がバー５１により
その傾斜に応じて変更され、バー５２により切断ウエブ
紙Ｗ２と重なって走行する方向に変更される。（図２参
照）なお、被駆動ローラー２と軸５３との間には、被駆
動ローラー２と平行で且つ互いに平行なガイドローラー
６２，６３の両端軸部が回転可能にフレーム３０，３１
に支持されおり、ガイドローラー６２，６３はガイドロ
ーラー６１と共に被駆動ローラー２に対するウエブ紙の
巻付角度を増すためのスナブローラーとしても機能す
る。
【００４０】ダンサーローラー手段Ｅにおいては、対向
したフレーム３２とフレーム３３とに両端が回転可能に
支持されている水平な回転軸６ａと回転軸６ｂとが上下
に間隔をあけて平行に設けられている。回転軸６ａの両
端部には対となって上向きの移動腕７ａ，７ａの各基端
部が一体となって取り付けられ、回転軸６ａと共に角変
位可能になっており、回転軸６ｂの両端部には対となっ
て上向きの移動腕７ｂ，７ｂの各基端部が一体となって
取り付けられ、回転軸６ｂと共に角変位可能になってい
る。移動腕７ａ，７ａの揺動端には、ダンサーローラー
５ａの軸が回転可能に支持され、移動腕７ｂ，７ｂの揺
動端には、ダンサーローラー５ｂの軸が回転可能に支持
されている。
【００４１】フレーム３３側の方の移動腕７ａ，７ｂの
中間部には、夫々、空気圧シリンダーである流体圧シリ
ンダー８ａ，８ｂのピストン棒の突出端が結合部材１０
を介して回転可能にピン結合され、各流体圧シリンダー
８ａ，８ｂの基端部は、フレーム３３から内側に向って
突出して取り付けられた軸ピン９ａ，９ｂに角変位可能
に支持されている。即ち、移動腕７ａ，７ｂと流体圧シ
リンダー８ａ，８ｂとは平行軸線回りに角変位可能であ
る。
【００４２】流体圧シリンダー８ａ，８ｂのピストン棒
が連結された移動腕７ａ，７ｂの中間部には、流体圧シ
リンダー８ａ，８ｂとは反対側に突出した結合部材１２
ａ，１２ｂが取り付けられ、結合部材１２ａ及び結合部
材１２ｂには、連結棒１１の両端部が回転可能にピン１
３ａ，１３ｂで結合されている。
【００４３】上記の各部材の構造において、移動腕７ａ
・結合部材１２ａ及び移動腕７ｂ・結合部材１２ｂ並び
に連結棒１１は夫々リンクを形成し、回転軸６ａ，６ｂ
及びピン１３ａ，１３ｂと共にリンク機構を構成してい
る。従って、ダンサーローラー５ａとダンサーローラー
５ｂとは連動して一斉に移動するようになっている。流
体圧シリンダー８ａ，８ｂは、例えば圧縮空気供給管路
（図示しない）から所定の一定圧の圧縮空気が流入して
ピストン棒を突出する方向に作動している。
【００４４】ダンサーローラー手段Ｅにおいて、ダンサ
ーローラー５ａ及びダンサーローラー５ｂより流体圧シ
リンダー８ａ及び流体圧シリンダー８ｂの方で（図１に
おいて右方で）夫々上下関係位置の対となったガイドロ
ーラー２１，２２及びガイドローラー２３，２４が設け
られている。
【００４５】ガイドローラー２１，２２は、巻き掛けら
れた切断ウエブ紙Ｗ１が流体圧シリンダー８ａの方から
（図１で右方から）ダンサーローラー５ａに向って走行
し、ダンサーローラー５ａに下側から巻き掛けられて流
体圧シリンダー８ａの方へ（図１で右方へ）逆行するよ
うに位置関係にあり、ガイドローラー２３，２４は、巻
き掛けられた切断ウエブ紙Ｗ２が流体圧シリンダー８ｂ
の方から（図１で右方から）ダンサーローラー５ｂに向
って走行し、ダンサーローラー５ｂに下側から巻き掛け
られて流体圧シリンダー８ｂの方へ（図１で右方へ）逆
行するように位置関係にある。
【００４６】流体圧シリンダー８ａ，８ｂの作動により
ピストン棒が適宜突出傾向にあって、切断ウエブ紙Ｗ
１，Ｗ２の走行張力が弛むと、図１において移動腕７
ａ，７ｂは適宜揺動し、ダンサーローラー５ａ，５ｂ
は、隣接するガイドローラ２１，２２間及び隣接するガ
イドローラ２２，２３間の切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走
行経路の長さを増大する方向に移動し、切断ウエブ紙Ｗ
１，Ｗ２の走行張力が強まると、図１において移動腕７
ａ，７ｂは適宜揺動し、ダンサーローラー５ａ，５ｂ
は、隣接するガイドローラ２１，２２間及び隣接するガ
イドローラ２２，２３間の切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走
行経路の長さを減少する方向に移動する。
【００４７】ダンサーローラー手段Ｅにおいては、２つ
のダンサーローラー５ａ，５ｂ、即ち２つの移動腕７
ａ，７ｂが連動するから、検出手段Ｆにおいては、フレ
ーム３２に取り付けられたポテンショメーター１４は、
フレーム３２から外側に突出し２本の回転軸６ａ，６ｂ
のいずれか一方（図示の例では回転軸６ｂ）の一端部に
連結されており、回転軸６ｂの回転位置、即ち移動腕７
ｂの角変位位置を検出するようになっている。移動腕７
ｂの角変位位置を検出することは、ダンサーローラー５
ｂ及びそれと連動するダンサーローラー５ａの位置を検
出することになる。
【００４８】上記のように、ポテンショメーター１４を
回転軸６ａ，６ｂのいずれに連結しても、２つのダンサ
ーローラー５ａ，５ｂ、即ち２つの移動腕７ａ，７ｂが
連動するから、元来の幅が印刷部Ｒでそのまま使用でき
る寸法のウエブ巻取紙を使用して、そこからウエブ紙を
引き出し、図１に示す切断ウエブ紙Ｗ２と同じ紙通し経
路（ターンバーＤを経由しない紙通し経路）に紙通しを
して印刷部Ｒに供給した場合にも、走行張力が調節され
得る。
【００４９】制御装置Ｇは、適宜の個所に設けられ、検
出手段Ｆからの検出信号が入力されるように接続される
と共に、その検出信号に応じて駆動手段Ｂに制御信号を
入力するように接続されている。更に、既述のガイドロ
ーラー６１，６２；２１，２２，２３，２４の他に、切
断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行経路を定めるようにガイド
ローラーが適宜設けられている。
【００５０】図示の例では、バー５２とガイドローラー
２１との間のガイドローラー６４、ガイドローラー６２
とガイドローラー２３との間のガイドローラー６５及び
ガイドローラー２４の下流域のガイドローラー６６，６
７が設けられている。
【００５１】上記の輪転機の給紙部の作動について説明
する。図３に示す輪転機Ｐの稼働準備において、給紙部
Ｑにウエブ巻取紙Ｗが取り付けられ、引き出された印刷
部で使用する幅の倍幅のウエブ紙Ｗ０は、図示しない紙
通し装置によるか又は作業者によって、給紙部Ｑから、
印刷部Ｒ、折部Ｓに至るまで設定された紙通し経路に従
って紙通しされる。
【００５２】即ち、図１において、ウエブ紙Ｗ０は、輪
転機起動に連動して作動する送出し手段Ａのローラー２
に巻き付いて、切断手段Ｃの円板刃４ａの作用によって
ウエブ紙を長手方向と平行に略二等分の切断ウエブ紙Ｗ
１，Ｗ２に切断される。一方の切断ウエブ紙Ｗ１は、タ
ーンバーＤのバー５１，５２を通り、他方の切断ウエブ
紙Ｗ２の中心線と一致させられ、ガイドローラー２１を
経由してダンサーローラー手段Ｅのダンサーローラー５
ａに巻き付いて、ガイドローラー２２を経由して紙通し
される。
【００５３】他方の切断ウエブ紙Ｗ２は、ガイドローラ
ー２３を経由してダンサーローラー手段Ｅのダンサーロ
ーラー５ｂに巻き付いてガイドローラー２４を経由して
紙通しされる。そして、紙通しされた切断ウエブ紙Ｗ
１，Ｗ２は、各々個別の印刷部Ｒを通過し、重ねられて
ドラッグローラー５０によって折部Ｓへ送り込まれる。
（図３参照）
【００５４】輪転機Ｐが起動され、紙通しされた切断ウ
エブ紙Ｗ１，Ｗ２が走行され始め、印刷開始のために輪
転機が増速されると、印刷部Ｒへの切断ウエブ紙Ｗ１の
走行速度及び印刷部Ｒへの切断ウエブ紙Ｗ２の走行速度
は増大し、その増大する各速度と送出し手段Ａにおける
ウエブ紙Ｗ０（切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２）の送出し速度
との間に差が生じるので、送出し手段Ａの下流における
各切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力が個別に増大す
る。
【００５５】そして、一般に、ターンバーＤを通過する
切断ウエブ紙Ｗ１の走行張力の方ががターンバーＤの影
響により他方の切断ウエブ紙Ｗ２の走行張力より大き
い。そこで、走行張力の増大に伴って切断ウエブ紙Ｗ１
が巻き掛けられている方のダンサーローラー５ａが、流
体圧シリンダー８ａのピストン棒の突出による移動腕７
ａを介しての押し圧に抗して切断ウエブ紙Ｗ１の張り方
向（図１の右方向）へ移動する。それにより、移動腕７
ａの図１での時計方向の角変位、即ち回転軸６ａの図１
での時計方向の回転が生じる。
【００５６】そして、移動腕７ａの図１での時計方向の
角変位は、連結棒１１、結合部材１０、軸ピン９ａ，９
ｂ及び移動腕７ａ，７ｂのリンク機構を介して他方の移
動腕７ｂの同期角変位となり、他方のダンサーローラー
５ｂも先のダンサーローラー５ａと連動して同方向に移
動する。そして、回転軸６ｂも回転軸６ａに同期して図
１で時計方向に回転する。
【００５７】すると、ダンサーローラー５ａ，５ｂを図
１で示す中立位置（常態位置）へと戻す制御が行われ
る。即ち、各切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力が中立
値になるように、送出し手段Ａにおけるウエブ紙Ｗ０
（切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２）の送出し速度を印刷部への
切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行速度に追随するように送
出し手段Ａにおける切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の送出し速
度の制御が行われる。
【００５８】切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力の変化
によるダンサーローラー５ａ，５ｂの移動は、上記のよ
うに移動腕７ｂの角変位位置、即ち回転軸６ｂの回転角
位置の変化としてポテンショメーター１４で検出され、
その検出信号は制御手段Ｇに入力される。そして、該検
出信号が入力された制御手段Ｇは、被駆動ローラー２の
回転速度を増速するように駆動手段Ｂのモーター３を制
御する。それにより被駆動ローラー２の周速は増速され
るので、ウエブ紙Ｗ０；切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の送出
し速度は印刷部への切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行速度
に追随するように増速する。
【００５９】かくして、ダンサーローラー手段Ｅにおけ
る切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力は、減少して所定
値に維持され、移動腕７ｂの角変位位置、即ち回転軸６
ｂの回転角位置が中立位置（常態位置）なることがポテ
ンショメーター１４で検出されるまで、ダンサーローラ
ー５ａ，５ｂは図１で左行し、移動腕７ｂは反時計回り
に角変位し中立位置（常態位置）に戻る。この場合、ダ
ンサーローラー５ａ，５ｂが連動するのは勿論のことで
ある。
【００６０】この走行において、切断ウエブ紙Ｗ１は、
ターンバーＤの大きな摩擦抵抗を受けるため、ターンバ
ーＤの下流では弾性変形して伸びると共に、切断手段Ｃ
の下流で、且つターンバーＤの上流では、切断ウエブ紙
Ｗ２よりも走行速度が若干遅くなり、切断手段Ｃの下流
で且つターンバーＤの上流で、切断ウエブ紙Ｗ２の走行
張力と切断ウエブ紙Ｗ１の走行張力とに差が生じ、切断
ウエブ紙Ｗ１に弛みが生じる。
【００６１】しかし、輪転機を連続運転しているときに
は、切断ウエブ紙Ｗ１における、切断手段Ｃ・ターンバ
ーＤ間の走行張力とターンバーＤの下流側の走行張力と
の差が、ターンバーＤと切断ウエブ紙Ｗ１との摩擦抵抗
に関連して定まる一定の値で均衡し、その状態で切断ウ
エブ紙Ｗ１は、切断ウエブ紙Ｗ２と略同じ速度で走行す
るようになり、大きな問題にはならない。
【００６２】上記とは逆に、送出し手段Ａとダンサーロ
ーラー手段Ｅとの間の紙通し経路において切断ウエブ紙
Ｗ１，Ｗ２が弛み、走行張力が個別に減少し、走行張力
の減少により切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２が巻き掛けられて
いるダンサーローラー５ａ，５ｂは、流体圧シリンダー
８ａ，８ｂのピストン棒の突出による移動腕７ａ，７ｂ
の反時計方向（図１）の角変位を介しての押し圧により
切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の弛み方向（図１の左方向）へ
移動しようとするが、既述のようにターンバーＤを通過
する切断ウエブ紙Ｗ１の走行張力の方がターンバーＤの
影響により他方の切断ウエブ紙Ｗ２の走行張力より大き
いので、切断ウエブ紙Ｗ１の方が走行張力が小さくなり
きらない。
【００６３】従って、切断ウエブ紙Ｗ１が巻き掛けられ
ているダンサーローラー５ａの弛み方向（図１の左方
向）への移動の方がダンサーローラー５ｂの移動より抵
抗を受ける。そこで、ダンサーローラー５ｂは、既述の
ようにリンク機構を介してダンサーローラー５ａの移動
腕７ａの反時計方向（図１）の角変位と同期する移動腕
７ｂの角変位によりダンサーローラー５ａの弛み方向
（図１の左方向）への移動に追随した同じ移動をする。
【００６４】かくして、ダンサーローラー５ａ，５ｂを
図１で示す中立位置（常態位置）へと戻す制御が行われ
る。即ち、各切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力が中立
値になるように、送出し手段Ａにおけるウエブ紙Ｗ０
（切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２）の送出し速度は、印刷部へ
の切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行速度に追随するように
制御される。
【００６５】即ち、切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力
の変化によるダンサーローラー５ａ，５ｂの移動は、上
記のように移動腕７ｂの角変位位置、即ち回転軸６ｂの
回転角位置の変化としてポテンショメーター１４で検出
され、その検出信号は制御手段Ｇに入力される。そし
て、該検出信号が入力された制御手段Ｇは、被駆動ロー
ラー２の回転速度を減速するように駆動手段Ｂのモータ
ー３を制御する。
【００６６】それにより被駆動ローラー２の周速は減速
されるので、ウエブ紙Ｗ０（切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２）
の送出し速度は印刷部への切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走
行速度に対して減速する。かくして、ダンサーローラー
手段Ｅにおける切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力は、
増大して所定値に維持され、移動腕７ｂの角変位位置、
即ち回転軸６ｂの回転角位置が中立位置（常態位置）な
ることがポテンショメーター１４で検出されるまで、ダ
ンサーローラー５ａ，５ｂは図１で右行し、移動腕７ｂ
は時計回りに角変位し中立位置（常態位置）に戻る。
【００６７】又、輪転機の低速作動と停止とを短時間に
何度も繰り返して行う場合、例えば、作業者による印刷
部の版胴への印刷版取付作業の過程等では、輪転機の作
動によって切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の走行張力が増加
し、ダンサーローラー５ａ，５ｂは、連動して一斉に、
切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２の張り方向（図１の右方向）に
移動する。ところで、輪転機の印刷部は、いずれも同じ
速度で作動し、切断ウエブ紙Ｗ１と切断ウエブ紙Ｗ２と
を同じ速度で走行させるようになっている。
【００６８】従って、切断ウエブ紙Ｗ１，Ｗ２によって
夫々対応するダンサーローラー５ａ，５ｂに作用する走
行張力を比較すると、ターンバーＤによる摩擦抵抗によ
って走行に遅れを生じる分だけ、切断ウエブ紙Ｗ１によ
ってダンサーローラー５ａに作用する走行張力の方が切
断ウエブ紙Ｗ２によってダンサーローラー５ｂに作用す
る走行張力よりも大きい。そのため、２つのダンサーロ
ーラー５ａ，５ｂは、切断ウエブ紙Ｗ１の走行張力変化
に従って連動して移動し、切断ウエブ紙Ｗ２は、ダンサ
ーローラー５ｂに対して若干弛んだ状態となる。
【００６９】他方、前記したように、切断ウエブ紙Ｗ１
の切断手段Ｃの下流で且つターンバーＤの上流には、タ
ーンバーＤの摩擦抵抗によって弛みが生じている。そし
て、この発生個所が限定されている切断ウエブ紙Ｗ１の
弛みは、元が同一のウエブ紙Ｗ０である切断ウエブ紙Ｗ
２の弛みを誘引し、その結果２つの切断ウエブ紙Ｗ１，
Ｗ２の弛みは、いずれも切断手段Ｃの近傍下流に集合す
る。
【００７０】従って、印刷開始後の増速運転に伴って、
切断ウエブ紙Ｗ１と切断ウエブ紙Ｗ２とが一斉に走行さ
せられても、切断手段Ｃの直下流における切断ウエブ紙
Ｗ１の走行張力と切断ウエブ紙Ｗ２の走行張力との間に
大きく且つ急激な差異が生じることがなく、両切断ウエ
ブ紙Ｗ１，Ｗ２は支障なく走行することができる。
【００７１】
【発明の効果】この発明のウエブ紙走行張力制御装置に
おいては、ウエブ巻取紙から引き出されウエブ紙を切断
手段により長手方向にに沿って略二等分し、一方の切断
ウエブ紙をターンバーによって進行方向を変更した上で
印刷部等の処理部に走行させると共に、他方の切断ウエ
ブ紙をターンバーを経由させないで印刷部等の処理部に
走行させる給紙部において、処理部の低速作動を断続的
に行っても、切断手段の直下流において、一方の切断ウ
エブ紙の走行張力と他方の切断ウエブ紙の走行張力とに
大きな差が生じない。
【００７２】その結果、処理部において、稼動運転する
前に稼動準備のために低速作動が断続的に行われ、引き
続い稼動運転が開始され輪転機が増速されても、２つの
切断ウエブ紙の走行張力の間に大きく且つ急激な差異が
生じることがなく、２つの切断ウエブ紙は処理部に向け
て支障なく走行され得る。
【００７３】かくして、輪転機の稼動運転において、断
紙などのトラブルの発生が抑制され、損紙が低減される
と共に、トラブル処理に費やされる作業者の労力が軽減
され、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施の形態における輪転機における
ウエブ紙走行張力制御装置の構成正面図である。
【図２】この発明の実施の形態における輪転機における
ウエブ紙走行張力制御装置の構成側面図（図１のII矢視
図）である。
【図３】図１に示すウエブ紙走行張力制御装置を備えた
輪転機の構成図である。
【図４】従来の技術における輪転機におけるウエブ紙走
行張力制御装置の構成正面図である。
【符号の説明】
Ｐ 輪転機 Ｑ 給紙部 Ｒ 印刷部 Ｓ 折部 Ａ 送出し手段 Ｂ 駆動手段 Ｃ 切断手段 Ｄ ターンバー Ｅ ダンサーローラー手段 Ｆ 検出手段 Ｇ 制御手段 Ｔ，Ｔ１，Ｔ２ ウエブ紙走行張力制御装置 Ｗ ウエブ巻取紙 Ｗ０ ウエブ紙 Ｗ１，Ｗ２ 切断ウエブ紙 １ 回転軸 １ａ 突出端部 ２ 被駆動ローラー ３ モーター ３ａ ブラケット ４ ブロック ４ａ 円板刃 ５ａ，５ｂ ダンサーローラー ６ａ，６ｂ 回転軸 ７ａ，７ｂ 移動腕 ８ａ，８ｂ 流体圧シリンダー ９ａ，９ｂ 軸ピン １０ 結合部材 １１ 連結棒 １２ａ，１２ｂ 結合部材 １３ａ，１３ｂ ピン １４ ポテンショメーター ２１，２２，２３，２４ ガイドローラー ３０，３１，３２，３３ フレーム ３４ ステー ５０ ドラッグローラー ５１，５２ バー ５３，５５ 軸 ５４，５６ 取付具 ６１，６２，６３，６４，６５，６６，６７ ガイドロ
ーラー ７０ 基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3F104 AA01 EA11 3F105 AA01 AB03 BA02 DA04 DA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ウエブ巻取紙から引き出されたウエブ紙
    がガイドローラーを備えた紙通し経路に従って給紙部及
    び印刷部を通過する輪転機において、駆動手段により回
    転駆動され、外周面に前記ウエブ紙が巻き掛けられ、外
    周面とウエブ紙との摩擦力によりウエブ紙を下流側に送
    り出す送出し手段と、走行するウエブ紙を長手方向に沿
    って略二等分に切断する切断手段と、切断手段により切
    断されて走行する二条の切断ウエブ紙の一方の切断ウエ
    ブ紙のみが巻き掛けられて、該切断ウエブ紙の走行方向
    を変更するターンバーと、ターンバーの下流側にあって
    二条の切断ウエブ紙の走行張力を制御するウエブ紙走行
    張力制御装置とから構成され、 前記ウエブ紙走行張力制御装置が、ターンバーを経由し
    た切断ウエブ紙とターンバーを経由しない切断ウエブ紙
    とが巻掛けられる回転可能な夫々のダンサーローラーで
    あって、切断ウエブ紙の走行経路の長さを変更するよう
    に互に同期移動可能であると共に夫々が切断ウエブ紙の
    走行経路の長さを増大する方向に所定の押し圧が与えら
    れたダンサーローラーを備えたダンサーローラー手段、
    ダンサーローラーの位置を検出する検出手段、及び検出
    手段から出力される検出信号を受けてダンサーローラー
    を一定の位置に保つために前記駆動手段に制御信号を送
    り、送出し手段の被駆動ローラーの回転速度を制御する
    制御手段を具備していることを特徴とする給紙部。
  2. 【請求項２】 ダンサーローラー手段は、ターンバーを
    経由した切断ウエブ紙とターンバーを経由しない切断ウ
    エブ紙とに対し個別に設けられ、対向した移動腕の移動
    端部に回転可能に支持されたダンサーローラーと、各ダ
    ンサーローラーに巻き掛けられる切断ウエブ紙の走行経
    路の長さを増大する方向に各ダンサーローラーを移動す
    るように各移動腕に対し個別に作用する押圧手段と、両
    ダンサーローラーが同期して一斉に移動するように個別
    のダンサーローラーの移動腕を結合するリンクとから構
    成され、検出手段は、移動腕の角変位位置を検出するこ
    とによりダンサーローラーの位置を検出する請求項１に
    記載の給紙部。
  3. 【請求項３】 ターンバーは、適宜の間隔をあけて平行
    な２本のバーが被駆動ローラーに対し傾斜した状態で設
    けられ、２本のバーに巻き掛けられた切断ウエブ紙の走
    行方向を、ターンバーを経由しない切断ウエブ紙と重な
    って走行する方向に変更する請求項１又は請求項２に記
    載の給紙部。
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