JP2000354295A - スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的小さな磁気の力のマグネットでも超高
音域まで再生できるようにしたスピーカを提案せんとす
るものである。 【解決手段】 振動板１８にボイスコイルボビン２１を
取り付けると共にこのボイスコイルボビン２１にボイス
コイル２２を巻装し、このボイスコイル２２をプレート
１５の内周面とセンターポール１３ａの外周面と間で形
成した磁気空隙１６内に挿入するようにしたスピーカに
おいて、このプレート１５の内周を鋭角とすると共にこ
のボイスコイルボビン２１を導電性材料で形成し、この
ボイスコイルボビン２１にボイスコイル２２を軟質の接
着剤で接着固定し、超高音域において、このボイスコイ
ル２２が駆動コイルとして動作すると共にこのボイスコ
イルボビン２１がショートコイルとして動作するように
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は例えば１００ｋＨｚ
までの超高音域まで再生できるようにした高音用のスピ
ーカに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
例えば１００ｋＨｚまでの超高域まで再生できるように
した高音用のスピーカとして図９及び図１０に示す如き
リボン形のスピーカが提案されている。

【０００３】この図９、図１０に示すリボン形のスピー
カにつき説明するに、１は直方体のマグネットを示し、
この直方体のマグネット１のＮ極に当接して所定形状の
板状ヨーク２ａを設けると共にこのマグネット１のＳ極
に当接して板状ヨーク２ａと同一形状の板状ヨーク２ｂ
を設ける。

【０００４】この板状ヨーク２ａ及び２ｂの夫々の上端
面に矩形のプレート３ａ及び３ｂの夫々の一端を夫々固
定すると共にこのプレート３ａ及び３ｂの夫々の他端面
間で、比較的幅広の所定長の磁気空隙４を形成する如く
する。

【０００５】この磁気空隙４内に導電体例えばアルミ薄
板より成るリボン状の振動板５を挿入し、このリボン状
の振動板５の一端をこの磁気空隙４の一端側に保持部材
６ａで絶縁保持すると共に一方の入力端子７ａに接続
し、このリボン状の振動板５の他端をこの磁気空隙４の
他端側に保持部材６ｂで絶縁保持すると共に他方の入力
端子７ｂに接続する。

【０００６】また、音響信号入力端子８ａ及び８ｂに供
給される音響信号をインピーダンス変換用のトランス
（マッチングトランス）９を介して一方及び他方の入力
端子７ａ及び７ｂに供給する如くする。

【０００７】この図９及び図１０に示す如きリボン形の
スピーカにおいては、一方及び他方の入力端子７ａ及び
７ｂ間に供給される音響信号に応じ、このリボン形の振
動板５に電流が流れるとフレーミングの左手の法則によ
りこの振動板５が振動して高音を放射することができ
る。

【０００８】然しながら、図９、図１０に示す如きリボ
ン形のスピーカにおいては、リボン状の振動板５の可動
に必要な磁気空隙４において、大きな磁気の力を発生さ
せるには、非常に大きな磁気の力を持つマグネット１が
必要であり、この非常に大きな磁気の力を持つマグネッ
ト１は製造が困難で高価となる不都合があった。

【０００９】また一般に使用されている１つのコーン紙
による振動板の内周部にボイスコイルボビンを取り付け
ると共にこのボイスコイルボビンにボイスコイルを巻装
し、このボイスコイルを磁気空隙に挿入するようにした
比較的小さい口径例えば口径３９ｍｍの全帯域のスピー
カにおいても超高音域を再生（放射）することは非常に
困難で、このスピーカにおいても、ボイスコイルの質量
が大きいこと等の理由で４０ｋＨｚまでの再生がせいぜ
いであった。

【００１０】本発明は、斯る点に鑑み、比較的小さな磁
気の力のマグネットでも、超高音域まで再生できるよう
にしたスピーカを提案せんとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明スピーカは、振動
板にボイスコイルボビンを取り付けると共にこのボイス
コイルボビンにボイスコイルを巻装し、このボイスコイ
ルをプレートの内周面とセンターポールの外周面と間で
形成した磁気空隙内に挿入するようにしたスピーカにお
いて、このプレートの内周を鋭角とすると共にこのボイ
スコイルボビンを導電性材料で形成し、このボイスコイ
ルボビンにボイスコイルを軟質の接着剤で接着固定し、
超高音域において、このボイスコイルが駆動コイルとし
て動作すると共にこのボイスコイルボビンがショートコ
イルとして動作するようにしたものである。

【００１２】斯る本発明によれば、磁気空隙を形成する
プレートの内周を鋭角としたので、この磁気空隙におい
ては、この鋭角部に磁束が集中し、この磁気空隙の磁気
の力が大きくなると共に本発明によれば、ボイスコイル
ボビンに軟質の接着剤によりボイスコイルを固定してい
るので、超高音域においては、この軟質の接着剤による
接着力が低下し、このボイスコイルボビンとボイスコイ
ルとは分離した状態となり、このボイスコイルが駆動コ
イルとして動作すると共に導電材料より成るボイスコイ
ルボビンがショートコイルとして動作する電磁誘電形の
スピーカを構成し、非常に軽量なボイスコイルボビンの
振動により振動板を駆動することとなり、例えば１００
ｋＨｚまでの超高音域まで再生できることとなる。

【００１３】また本発明スピーカは、振動板にボイスコ
イルボビンを取り付けると共にこのボイスコイルボビン
をプレートの内周面とセンターポールの外周面と間で形
成した磁気空隙内に挿入するようにしたスピーカにおい
て、このプレートの内周を鋭角とし、このボイスコイル
ボビンを導電性材料で形成すると共にこのボイスコイル
ボビンに長さ方向に延びるスリットを設けて、１ターン
のボイスコイルとし、このボイスコイルボビンより成る
１ターンのボイスコイルに高域信号を供給するようにし
たものである。

【００１４】斯る本発明によれば、磁気空隙を形成する
プレートの内周を鋭角としたので、この磁気空隙におい
ては、この鋭角部に磁束が集中し、この磁気空隙の磁気
の力が大きくなると共にボイスコイルボビンを１ターン
のボイスコイルとして働くようにしているので、超高音
域にては、振動板を非常に軽量なボイスコイルボビンよ
り成る１ターンのボイスコイルにより振動することとな
り、例えば１００ｋＨｚまでの超高音域まで再生できる
こととなる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図１及び図２を参照して本
発明スピーカの実施の形態の例につき説明しよう。

【００１６】図１例においては、所定大きさの壺形のシ
ールドカバー兼ヨーク１１の底部１１ａ上に厚さ方向に
Ｎ極及びＳ極が着磁されたリング状マグネット１２をＮ
極がこの壺形のシールドカバー兼ヨーク１１の底部１１
ａ上に当接する如く接着固定する。この場合壺形のシー
ルドカバー兼ヨーク１１の底部１１ａに設けたマグネッ
トガイド１１ｂによりこのリング状マグネット１２の位
置決めを行なう。

【００１７】このリング状マグネット１２のＳ極上にセ
ンターポール１３ａとフランジ１３ｂとを一体成形した
ヨーク１３を、このヨーク１３のフランジ１３ｂの底面
を当接する如く固定する。

【００１８】このヨーク１３のフランジ１３ｂ上に厚さ
方向にＮ極及びＳ極が着磁されたリング状マグネット１
４をＳ極がこのヨーク１３のフランジ１３ｂ上に当接す
る如く接着固定する。この場合、リング状マグネット１
４をこのヨーク１３のセンターポール１３ａが貫通する
如くなすと共にこのヨーク１３のフランジ１３ｂ上に設
けたマグネットガイド１３ｃにより、このリング状マグ
ネット１４の位置決めを行う。

【００１９】このリング状マグネット１４のＮ極上にリ
ング状のプレート１５を接着固定すると共にこのプレー
ト１５の内周面とセンターポール１３ａの外周面との間
で磁気空隙１６を形成する如くする。また、このプレー
ト１５の外周面を壺形シールドカバー兼ヨーク１１の側
壁の上端の内周面に当接する如くする。

【００２０】本例においては、このプレート１５を所定
厚さとすると共にこの内周部を図１に示す如く鋭角とし
磁束が集中する如くする。この内周部を鋭角とするの
に、上方部を鋭角、中心部分を鋭角、下方部を鋭角とす
る場合等種々の場合がある。本例では中心部分を鋭角と
している。

【００２１】この場合、リング状マグネット１２及び１
４は互に逆方向に着磁され、リング状マグネット１２が
キャンセルマグネットを構成すると共に壺形のシールド
カバー兼ヨーク１１によりこのリング状マグネット１２
及び１４の外周を覆う如くしているので、磁気シールド
形のスピーカを構成する。

【００２２】また、このプレート１５の上面にスピーカ
のフレーム１７を取り付け、このフレーム１７の外周部
に、外周にエッジ１９が設けられたコーン形の振動板１
８の外周部をガスケット２０により保持する如くする。

【００２３】一方、振動板１８の内周部にボイスコイル
ボビン２１を取り付け、このボイスコイルボビン２１に
ボイスコイル２２を巻装すると共に接着固定し、このボ
イスコイル２２をプレート１５の内周面及びヨーク１３
のセンターポール１３ａの外周面の間に形成した磁気空
隙１６内に挿入する如くする。

【００２４】本例においては、図２に示す如く、このボ
イスコイルボビン２１を導電性材料例えばアルミ薄板で
円筒状に形成すると共にこのボイスコイルボビン２１の
円筒状のつけ合せ部を電気的に接続し、このボイスコイ
ルボビン２１の全域に亘って導通（ショート）状態とな
る如くし、ショートコイルを構成する如くする。

【００２５】この例えばアルミ薄板より成るボイスコイ
ルボビン２１の外周表面にこのボイスコイルボビン２１
を補強する補強テープ２３を巻き付ける如くして設ける
と共にこのボイスコイルボビン２１にボイスコイル２２
を巻装し、接着固定する。この図２において、２２ａ及
び２２ｂはこのボイスコイル２２の音響信号供給用のボ
イスコイル引出線である。また、２７は後述する錦糸線
で一端は音響信号が供給される入力端子２６に接続さ
れ、他端を補強テープ２３上に接着固定すると共にこの
２つの錦糸線２７の他端に夫々このボイスコイル引出線
２２ａ及び２２ｂを半田付けにより固定する如くする。

【００２６】本例においては、このボイスコイルボビン
２１にボイスコイル２２を接着固定するのに接着剤とし
て軟質の接着剤を使用する。この軟質の接着剤として
は、例えばロックワニス等のアルコール再活性の接着剤
を使用する。

【００２７】また、図１においては、このボイスコイル
２２を磁気空隙１６内にダンパー２４により保持する如
くする。このダンパー２４として例えば布に合成樹脂を
含浸させた渦巻ダンパーを使用する。また、このボイス
コイルボビン２１の上面を覆う如く、ダスト浸入防止用
のキャップ２５を設ける。

【００２８】またスピーカのフレーム１７の所定位置に
入力端子２６を設け、この入力端子２６に供給される音
響信号を錦糸線２７を介してボイスコイル２２に供給す
るようにする。

【００２９】斯る、図１例のスピーカにおいては、リン
グ状マグネット１４のＮ極よりの磁束が、リング状マグ
ネット１４のＮ極→プレート１５→磁気空隙１６→ヨー
ク１３のセンターポール１３ａ→フランジ１３ｂ→リン
グ状マグネット１４のＳ極の磁気回路を流れる。

【００３０】また、リング状マグネット１２のＮ極より
の磁束が、リング状マグネット１２のＮ極→シールドカ
バー兼ヨーク１１の底部１１ａ→側壁→プレート１５→
磁気空隙１６→ヨーク１３のセンターポール１３ａ→フ
ランジ１３ｂ→リング状マグネット１２のＳ極の磁気回
路を流れる。

【００３１】この場合プレート１５の磁気空隙１６を形
成する内周部は鋭角とされているので、この磁気空隙１
６においては磁束が集中し、この磁気空隙１６の磁気の
力が極めて強くなる。またこの磁気空隙１６に磁界内に
おいて粘性を有する磁性流体を注入すれば更にこの磁気
の力を強くできる。またこの場合超高音域では振幅は極
めて小さいのでボイスコイル２２が磁気空隙１６からは
ずれる心配はない。

【００３２】従って、入力端子２６よりボイスコイル２
２に音響信号を供給したときには、この音響信号に応じ
てボイスコイル２２を駆動し、振動板１８を駆動する。
この場合、このボイスコイル２２による振動板１８の駆
動は例えば４０ｋＨｚ程度までである。

【００３３】本例においては、ボイスコイルボビン２１
を例えばアルミ薄板より成る導電性材料で構成すると共
にこのボイスコイルボビン２１に軟質の接着剤によりボ
イスコイル２２を固定しているので、例えば４０ｋＨｚ
以上の超高音域においては、この軟質の接着剤による接
着力が低下し、このボイスコイルボビン２１とボイスコ
イル２２とは分離した状態となり、このときは、ボイス
コイル２２が駆動コイルとして動作すると共に例えばア
ルミ薄板より成るボイスコイルボビン２１がショートコ
イルとして動作する電磁誘導形のスピーカを構成し、非
常に軽量なボイスコイルボビン２１のみにより振動板１
８を振動することとなり、更に本例では磁気空隙１６を
形成するプレート１５の内周部を鋭角としているのでこ
の磁気空隙１６の磁気の力が強くなり、例えば１００ｋ
Ｈｚまでの超高音域まで再生できるスピーカを得ること
ができる。

【００３４】また、図３、図４、図５及び図６は夫々本
発明スピーカの実施の形態の他の例を示す。この図３、
図４、図５及び図６例は本発明を高音用のスピーカに適
用したものである。

【００３５】この図３例につき説明するに、３０はセン
ターポール３０ａ及びフランジ３０ｂが一体成形された
ヨークを示し、このヨーク３０のフランジ３０ｂ上に厚
さ方向にＮ極及びＳ極が着磁されたリング状マグネット
３１をＳ極がヨーク３０のフランジ３０ｂ上に当接する
如く接着固定する。この場合リング状マグネット３１を
このヨーク３０のセンターポール３０ａが貫通する如く
なすと共にこのヨーク３０のフランジ３０ｂ上に設けた
マグネットガイド３０ｃにより、このリング状マグネッ
ト３１の位置決めを行う。

【００３６】このリング状マグネット３１のＮ極上にリ
ング状のプレート３２を接着固定すると共にこのプレー
ト３２の内周面とセンターポール３０ａの外周面との間
で磁気空隙３３を形成する如くする。

【００３７】この図３例にといては、このプレート３２
を所定厚さとして、所定の磁束が得られるようにすると
共にこの内周部を図３に示す如く、鋭角とし、この磁気
空隙３３に磁束が集中する如くする。

【００３８】この図３例においては、振動板３４を非導
電性材料のドーム形状とし、このドーム形状の振動板３
４の外周縁部にボイスコイルボビン３５を取り付け、こ
のボイスコイルボビン３５にボイスコイル３６を巻装
し、このボイスコイル３６を磁気空隙３３内に挿入する
如くする。

【００３９】この図３例においては、このボイスコイル
ボビン３５を図２に示す如く、導電性材料例えばアルミ
薄板で円筒状に形成すると共にこのボイスコイルボビン
３５の円筒状のつけ合せ部を電気的に接続し、このボイ
スコイルボビン３５の全域に亘って導通（ショート）状
態になる如くし、ショートコイルを構成する如くする。
即ちこのボイスコイルボビン３５も図２と同様に構成す
る。

【００４０】また、この図３例においても、このボイス
コイルボビン３５にボイスコイル３６を接着固定するの
に、接着剤として軟質の接着剤を使用する。この軟質の
接着剤としては例えばロックワニス等のアルコール再活
性の接着剤を使用する。

【００４１】また、この図３例においては、このボイス
コイル３６を磁気空隙３３内に保持するのに、この磁気
空隙３３内に磁界内において粘性を有する磁性流体を注
入するを可とすると共にこのボイスコイルボビン３５の
外周部とプレート３２の内周上部と間を上述軟質の接着
剤３７で接着固定する如くする。この場合この軟質の接
着剤３７は超高音域においては接着力が低下し、超高音
域におけるボイスコイルボビン３５の振動には何等影響
しない。また磁気空隙３３に磁性流体を注入したときに
は磁気空隙３３の空隙幅が小さくなったこととなり、こ
の磁気空隙３３の磁気の力が増大する。

【００４２】斯る、図３例のスピーカにおいては、リン
グ状マグネット３１のＮ極よりの磁束は、リング状マグ
ネット３１のＮ極→プレート３２→磁気空隙３３→ヨー
ク３０のセンターポール３０ａ→フランジ３０ｂ→リン
グ状マグネット３１のＳ極の磁気回路を流れる。

【００４３】この場合、プレート３２の磁気空隙３３を
形成する内周部は鋭角とされているので、この磁気空隙
３３においては、磁束が集中し、この磁気空隙３３の磁
気の力が極めて強くなる。またこの磁気空隙３３に磁性
流体を注入すれば更にこの磁気の力を増大できる。ま
た、この場合、超高音域では振幅は極めて小さいので、
ボイスコイル３６が磁気空隙３３からはずれる心配はな
い。

【００４４】従って、ボイスコイル３６に影響信号を供
給したときには、この音響信号に応じてボイスコイル３
６は振動し、ドーム形の振動板３４を駆動する。この場
合、このボイスコイル３６による振動板３４の駆動は例
えば４０ｋＨｚまでである。

【００４５】本例においては、ボイスコイルボビン３５
を例えばアルミ薄板より成る導電性材料で構成すると共
にこのボイスコイルボビン３５に軟質の接着剤によりボ
イスコイル３６を固定しているので、例えば４０ｋＨｚ
以上の超高域においては、この軟質の接着剤による接着
力が低下し、このボイスコイルボビン３５とボイスコイ
ル３６とは分離した状態となり、このときはボイスコイ
ル３６が駆動コイルとして動作すると共に例えばアルミ
薄板より成るボイスコイルボビン３５がショートコイル
として動作する電磁誘導形のスピーカを構成し、非常に
軽量なボイスコイルボビン３５のみにより振動板３４を
振動することとなり、更に本例では磁気空隙３３を形成
するプレート３２の内周部を鋭角としているので、この
磁気空隙３３の磁気の力が強くなり、例えば１００ｋＨ
ｚまでの超高音域まで再生できるスピーカを得ることが
できる。

【００４６】また、図４例につき説明するに、図３例に
対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略
する。

【００４７】図４例においては、所定大きさの壺形のシ
ールドカバー兼ヨーク４０の底部４０ａ上の中央上にセ
ンターポール４１ａとフランジ４１ｂとを一体成形した
ヨーク４１を、このヨーク４１の底面を当接する如く接
着固定する。

【００４８】このヨーク４１のフランジ４１ｂ上に厚さ
方向にＮ極及びＳ極が着磁されたリング状マグネット４
２をＮ極がこのヨーク４１のフランジ４１ｂ上に当接す
る如く接着固定する。この場合、リング状マグネット４
２をこのヨーク４１のセンターポール４１ａが貫通する
如くなすと共にこのヨーク４１のフランジ４１ｂ上に設
けたマグネットガイド４１ｃにより、このリング状マグ
ネット４２の位置決めを行う。

【００４９】このリング状マグネット４２のＳ極上にリ
ング状のプレート４３を接着固定すると共にこのプレー
ト４３の内周面とセンターポール４１ａの外周面との間
で磁気空隙４４を形成する如くする。

【００５０】このプレート４３は、図４に示す如く、所
定厚さとして、所定の磁束が得られるようにすると共に
この内周部を鋭角とし、この磁気空隙４４に磁束が集中
する如くする。

【００５１】また、このプレート４３上に厚さ方向にＮ
極及びＳ極が着磁されたリング状マグネット４５をＳ極
がこのプレート４３上に当接する如く接着固定する如く
する。この場合、このリング状マグネット４５をこのヨ
ーク４１のセンターポール４１ａが貫通する如くする。
また、このリング状マグネット４２及び４５は互に逆方
向に着磁したものである。

【００５２】このリング状マグネット４５のＮ極上にリ
ング状のプレート４６を接着固定すると共にこのプレー
ト４６の内周面とセンターポール４１ａの外周面との間
で磁気空隙４７を形成する如くする。また、このプレー
ト４６の外周面を壺形のシールドカバー兼ヨーク４０の
側壁の上端の内周面に当接する如くする。

【００５３】この図４例においては、リング状マグネッ
ト４２及び４５よりの磁束は、シールドカバー兼ヨーク
４０、ヨーク４１、プレート４４及び４６を通して流れ
るので漏洩磁束は少なく、磁気シールド形のスピーカを
構成する。

【００５４】この図４例においても、振動板３４を非導
電材料のドーム形状とし、このドーム形状の振動板３４
の外周縁部にボイスコイルボビン３５を取り付け、この
ボイスコイルボビン３５にボイスコイル３６を巻装する
と共に接着固定し、このボイスコイル３６をプレート４
３の内周面及びヨーク４１のセンターポール４１ａの外
周面の間に形成した磁気空隙４４内に挿入する如くす
る。

【００５５】この図４例においても、このボイスコイル
ボビン３５を図２に示す如く構成する。即ちこのボイス
コイルボビン３５を導電性材料例えばアルミ薄板で円筒
状に形成すると共にこのボイスコイルボビン３５の全域
に亘って導通（ショート）状態とし、ショートコイルと
なる如くする。

【００５６】また、この図４例においても、このボイス
コイルボビン３５にボイスコイル３６を接着固定するの
に、接着剤として軟質の接着剤を使用する。この軟質の
接着剤としては例えばロックワニス等のアルコール再活
性の接着剤を使用する。

【００５７】また、この図４例においては、このボイス
コイル３６を磁気空隙４４内に保持するのに、この磁気
空隙４４内に磁界内において粘性を有する磁性流体を注
入するを可とすると共にこのボイスコイルボビン３５の
外周部とプレート４６の内周部と間を上述軟質の接着剤
３７で接着固定する如くする。この場合この軟質の接着
剤３７は超高音域においては接着力が低下し、超高音域
におけるボイスコイルボビン３５の振動には何等影響し
ない。また磁気空隙４４に磁性流体を注入したときには
磁気空隙４４の空隙幅が小さくなったこととなり、この
磁気空隙３３の磁気の力が増大する。

【００５８】斯る図４例のスピーカにおいては、リング
状マグネット４２のＮ極よりの磁束は、リング状マグネ
ット４２のＮ極→ヨーク４１のフランジ４１ｂ→センタ
ーポーク４１ａ→磁気空隙４４→プレート４３→リング
状マグネット４２のＳ極の磁気回路と、リング状マグネ
ット４２のＮ極→ヨーク４１のフランジ４１ｂ→シール
ドカバー兼ヨーク４０の底部４０ａ→側壁→プレート４
６→磁気空隙４７→ヨーク４１のセンターポール４１ａ
→磁気空隙４４→プレート４３→リング状マグネット４
２のＳ極の磁気回路とを流れる。

【００５９】また、リング状マグネット４５のＮ極より
の磁束は、リング状マグネット４５のＮ極→プレート４
６→磁気空隙４７→ヨーク４１のセンターポール４１ａ
→磁気空隙４４→プレート４３→リング状マグネット４
５のＳ極の磁気回路と、リング状マグネット４５のＮ極
→プレート４６→シールドカバー兼ヨーク４０の側壁→
底部４０ａ→ヨーク４１のフランジ４１ｂ→センターポ
ール４１ａ→磁気空隙４４→プレート４３→リング状マ
グネット４５のＳ極の磁気回路とを流れる。

【００６０】従って、この図４例においては、この２つ
のリング状マグネット４２及び４５よりの同方向の磁束
が磁気空隙４４に流れ、この磁気空隙４４の磁気の力を
大きくできる。

【００６１】この場合、プレート４３の磁気空隙４４を
形成する内周部は鋭角とされているので、この磁気空隙
４４においては、磁束が集中し、この磁気空隙４４の磁
気の力が極めて強くなる。またこの磁気空隙４４に磁性
流体を注入すれば更にこの磁気の力を増大できる。ま
た、この場合、超高音域では、振幅は極めて小さいの
で、ボイスコイル３６が磁気空隙４４からはずれる心配
はない。

【００６２】従って、ボイスコイル３６に音響信号を供
給したときには、この音響信号に応じてボイスコイル３
６は振動し、ドーム形の振動板３４を駆動する。この場
合、このボイスコイル３６による振動板３４の駆動は例
えば４０ｋＨｚまでである。

【００６３】本例においては、ボイスコイルボビン３５
を例えばアルミ薄板より成る導電性材料で構成すると共
にこのボイスコイルボビン３５に軟質の接着剤によりボ
イスコイル３６を固定しているので、例えば４０ｋＨｚ
以上の超高域においては、この軟質の接着剤による接着
力が低下し、このボイスコイルボビン３５とボイスコイ
ル３６とは分離した状態となり、このときはボイスコイ
ル３６が駆動コイルとして動作すると共に例えばアルミ
薄板より成るボイスコイルボビン３５がショートコイル
として動作する電磁誘電形のスピーカを構成し、非常に
軽量なボイスコイルボビン３５のみにより振動板３４を
振動することとなり、更に本例では磁気空隙４４を形成
するプレート４３の内周部を鋭角としているので、この
磁気空隙４４の磁気の力が強くなり、例えば１００ｋＨ
ｚまでの超高音域まで再生できるスピーカを得ることが
できる。

【００６４】図５例は図３例を、超高音域において、ダ
イナミック形のスピーカとした例を示す。この図５例に
つき説明するに、図３例に対応する部分には同一符号を
付しその詳細を省略する。

【００６５】図５例においては、図３例のボイスコイル
ボビン３５及びボイスコイル３６を図７に示す如きボイ
スコイルボビン３８としたものである。即ちこの図５例
においては振動板３４を非導電性材料のドーム形状と
し、このドーム形状の振動板３４の外周縁部にボイスコ
イルボビン３８を取り付け、このボイスコイルボビン３
８を磁気空隙３３内に挿入する如くする。

【００６６】この図５例においては、このボイスコイル
ボビン３８を図７に示す如く、導電性材料例えばアルミ
薄板で円筒状に形成すると共にこのボイスコイルボビン
３８に長さ方向に延びるスリット３８ａを設けて１ター
ンのボイスコイルとし、特別にはボイスコイルを設けず
にこの１ターンのボイスコイルの一端及び他端に夫々入
力端子３８ｂ及び３８ｃを設け、この入力端子３８ｂ及
び３８ｃ間に音響信号の高域信号を供給する如くする。
この図５例はその他は図３例と同様に構成する。

【００６７】斯る図５例においては、ボイスコイルボビ
ン３８より成る１ターンのボイスコイルに音響信号の高
域信号を供給したときには、この音響信号に応じて振動
板３４が振動し、高音信号を再生する。

【００６８】また斯る、図５例においては、図３例と同
様に磁気空隙３３を形成するプレート３２の内周部を鋭
角としているので、この磁気空隙３３においては、この
鋭角部に磁束が集中し、この磁気空隙３３の磁気の力が
大きくなると共にボイスコイルボビン３８を１ターンの
ボイスコイルとして働くようにしているので、超高音域
にては、振動板を非常に軽量なボイスコイルボビン３８
より成る１ターンのボイスコイルにより振動することと
なり、例えは１００ｋＨｚまでの超高音域まで、再生で
きることとなる。また、図６例は、図４例を超高音域に
おいて、ダイナミック形のスピーカとした例を示す。こ
の図６例につき説明するに、図４に対応する部分には同
一符号を付し、その詳細説明は省略する。

【００６９】図６例ににおいては、図４例のボイスコイ
ルボビン３５及びボイスコイル３６を図７に示す如くボ
イスコイルボビン３８としたものである。即ちこの図６
例においては振動板３４を非導電性材料のドーム形状と
し、このドーム形状の振動板３４の外周縁部にボイスコ
イルボビン３８を取り付け、このボイスコイルボビン３
８を磁気空隙４４内に挿入する如くする。

【００７０】この図６例においては、このボイスコイル
ボビン３８を図７に示す如く、導電性材料例えばアルミ
薄板で円筒状に形成すると共にこのボイスコイルボビン
３８に長さ方向に延びるスリット３８ａを設けて１ター
ンのボイスコイルとし特別にはボイスコイルを設けず
に、この１ターンのボイスコイルの一端及び他端に夫々
入力端子３８ｂ及び３８ｃを設け、この入力端子３８ｂ
及び３８ｃ間に音響信号の高域信号を供給する如くす
る。この図６例はその他は図４例と同様に構成する。

【００７１】斯る図６例においては、ボイスコイルボビ
ン３８より成る１ターンのボイスコイルに音響信号の高
域信号を供給したときには、この音響信号に応じて振動
板３４が振動し、高音信号を再生する。

【００７２】また斯る、図６例においては、図４例と同
様に磁気空隙４４を形成するプレート４３の内周部を鋭
角としているので、この磁気空隙４４においては、この
鋭角部に磁束が集中し、この磁気空隙４４の磁気の力が
大きくなると共にボイスコイルボビン３８を１ターンの
ボイスコイルとして働くようにしているので、超高音域
にては、振動板を非常に軽量なボイスコイルボビン３８
より成る１ターンのボイスコイルにより振動することと
なり、例えば１００ｋＨｚまでの超高音域まで再生でき
る高音用のスピーカを得ることができる。

【００７３】図１、図３、図４、図５及び図６に示す如
き、本例による高音用のスピーカを使用するときは、図
８に示す如く、低中高音用の主スピーカ５０に併用して
本例による高音用のスピーカ５１を設け、この主スピー
カ５０のボイスコイルに直列に高音用のスピーカのボイ
スコイル（ボイスコイルボビンより成る１ターンのボイ
スコイルを含む）に直列に接続するようにすれば、この
高音用のボイスコイルのインピーダンスが小さくとも、
マッチングトランスを省略することができる。この図８
のスピーカ装置においては、高音用のスピーカ５１とし
て、図１例のスピーカを使用したものである。

【００７４】図８のスピーカ装置において、５２はスピ
ーカボックス、５３はバッフル板、５４はダクト、５４
ａはダクトの開口である。

【００７５】尚、本発明は上述例に限ることなく、本発
明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が取り
得ることは勿論である。

【００７６】

【発明の効果】斯る本発明によれば、磁気空隙を形成す
るプレートの内周を鋭角としたので、この磁気空隙にお
いては、この鋭角部に磁束が集中し、この磁気空隙の磁
気の力が大きくなると共に本発明によれば、ボイスコイ
ルボビンに軟質の接着剤によりボイスコイルを固定して
いるので、超高音域においてはこの軟質の接着剤による
接着力が低下し、このボイスコイルボビンとボイスコイ
ルとは分離した状態となり、このボイスコイルが駆動コ
イルとして動作すると共に導電材料より成るボイスコイ
ルボビンがショートコイルとして動作する電磁誘導形の
スピーカを構成し、非常に軽量なボイスコイルボビンの
振動により振動板を駆動することとなり、例えば１００
ｋＨｚまでの超高音域まで再生でき高音用のスピーカを
得ることができる。

【００７７】また、本発明によれば磁気空隙を形成する
プレートの内周を鋭角としたので、この磁気空隙におい
ては、この鋭角部に磁束が集中し、この磁気空隙の磁気
の力が大きくなると共にボイスコイルボビンを１ターン
のボイスコイルとして働くようにしているので、超高音
域にては、振動板を非常に軽量なボイスコイルボビンよ
り成る１ターンのボイスコイルにより振動することとな
り、例えば１００ｋＨｚまでの超高音域まで再生できる
高音用のスピーカを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明スピーカの実施の形態の例を示す断面図
である。

【図２】図１例に使用されるボイスコイルボビンの例を
示す斜視図である。

【図３】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。

【図４】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。

【図５】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。

【図６】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。

【図７】図５、図６例に使用されるボイスコイルボビン
の例を示す斜視図ある。

【図８】スピーカ装置の例を示す断面図である。

【図９】従来のリボン形のスピーカの例を示す平面図で
ある。

【図１０】図９の断面図である。

【符号の説明】

１１，４０‥‥シールドカバー兼ヨーク、１２，１４，
３１，４２，４５‥‥リング状マグネット、１３，３
０，４１‥‥ヨーク、１３ａ，３０ａ，４１ａ‥‥セン
ターポール、１５，３２，４３，４６‥‥プレート、１
６，３３，４４，４７‥‥磁気空隙、１７‥‥フレー
ム、１８，３４‥‥振動板、２１，３５，３８‥‥ボイ
スコイルボビン、２２，３６‥‥ボイスコイル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 幾夫 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 Ｆターム(参考） 5D012 BA06 CA04 CA14 EA02 5D016 AA08 5D018 AA04

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 振動板にボイスコイルボビンを取り付け
   ると共に該ボイスコイルボビンにボイスコイルを巻装
   し、該ボイスコイルをプレートの内周面とセンターポー
   ルの外周面と間で形成した磁気空隙内に挿入するように
   したスピーカにおいて、 前記プレートの内周を鋭角とすると共に前記ボイスコイ
   ルボビンを導電性材料で形成し、前記ボイスコイルボビ
   ンに前記ボイスコイルを軟質の接着剤で接着固定し、超
   高音域において、前記ボイスコイルが駆動コイルとして
   動作すると共に前記ボイスコイルボビンがショートコイ
   ルとして動作するようにしたことを特徴とするスピー
   カ。
2. 【請求項２】 前記振動板をドーム形とすると共に前記
   ボイスコイルボビンを軟質の接着剤によたプレートに接
   着固定したことを特徴とする請求項１に記載のスピー
   カ。
3. 【請求項３】 振動板にボイスコイルボビンを取り付け
   ると共に該ボイスコイルボビンをプレートの内周面とセ
   ンターポールの外周面と間で形成した磁気空隙内に挿入
   するようにしたスピーカにおいて、 前記プレートの内周を鋭角とし、 前記ボイスコイルボビンを導電性材料で形成すると共に
   前記ボイスコイルボビンに長さ方向に延びるスリットを
   設けて、１ターンのボイスコイルとし、前記ボイスコイ
   ルボビンより成る１ターンのボイスコイルに高域信号を
   供給するようにしたことを特徴とするスピーカ。
4. 【請求項４】 前記振動板をドーム形とすると共に前記
   ボイスコイルボビンを軟質の接着剤によりプレートに接
   着固定したことを特徴とする請求項３に記載のスピー
   カ。