JP2000308192A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JP2000308192A
JP2000308192A JP11111107A JP11110799A JP2000308192A JP 2000308192 A JP2000308192 A JP 2000308192A JP 11111107 A JP11111107 A JP 11111107A JP 11110799 A JP11110799 A JP 11110799A JP 2000308192 A JP2000308192 A JP 2000308192A
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JP
Japan
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voice coil
coil bobbin
speaker device
bobbin
adhesive
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JP11111107A
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English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Kenji Tokushige
賢二 徳重
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイスコイルボビンの構造を改良することに
より、それ以外の構造を変えることなく、高域の再生を
容易に行う。 【解決手段】 ボイスコイルボビン112は導電性円筒
体112Aより形成され、導電性円筒体112Aの外周
に軟質接着膜112Bを被覆している。導電性円筒体1
12Aはボイスコイル接合領域112Dに対応する部分
がボイスコイル118の巻回方向にショートされたショ
ートコイルとして形成されている。導電性円筒体112
Aのボイスコイル接合領域112Dには、軸方向の溝条
160が軸回り方向に多数形成されており、ボイスコイ
ル118は、凸部の軟質接着膜112Bだけで接着固定
されている。低域再生時には、ボイスコイルボビン11
2とボイスコイル118が一体に振動し、高域再生時に
は、ボイスコイルボビン112とボイスコイル118が
分離して振動し、有効に高域を再生できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーン型スピーカ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、一般的なダイナミック駆動方式
によるコーン型スピーカ装置の構造を示す断面図であ
る。このスピーカ装置は、円錐台形状のコーン型振動板
(コーン紙)10の内周部に、ボイスコイルボビン12
の前端側(図5において上側)外周部を接合するととも
に、このボビン12の中途外周部にダンパ14を接着
し、このダンパ14の外周部をフレーム16の内周部に
接合している。ボイスコイルボビン12には、後端側
(図5において下側)外周部にボイスコイル18が装着
されている。
【0003】振動板10の中央部には、ボイスコイルボ
ビン12の前端部を覆う状態でドーム状のキャップ20
が設けられており、ボイスコイルボビン12の後端側に
は、ヨーク22のセンタポール部22Cが挿入されてい
る。フレーム16は、振動板10の外周に配置される円
錐台形状を有し、その前端部には外向きに屈曲したフラ
ンジ部16Aが形成されており、このフランジ部16A
にはガスケット24が設けられている。また、フレーム
16の後端側には内向き屈曲したフランジ部(底面板)
16Bが形成されている。
【0004】振動板10の外周部には、円弧状のエッジ
部10Aが形成され、フレーム16の前端部に接合され
ている。フレーム16の外周部には、入力端子26が設
けられ、入力端子26と振動板10との間には、リード
線(錦糸線)28が掛け渡されている。また、フレーム
16の後端側のフランジ部16Bには、ボイスコイルボ
ビン12のボイスコイル18に対向して、プレート30
が配置され、このプレート30の後端面にマグネット3
2が配置されている。すなわち、プレート30とヨーク
22のセンタポール部22Cとの間にギャップ部30A
が形成されて、ボイスコイル18が配置されている。ま
た、ヨーク22の後端部には、外向きのフランジ部22
Aが設けられており、このフランジ部22Aの前面上に
形成されたマグネットガイド22Bにより、マグネット
32が位置決め装着されている。
【0005】図6は、図5に示すコーン型スピーカ装置
に対し、キャンセルマグネット36を設けたコーン型ス
ピーカ装置の構造を示す断面図である。図6に示すスピ
ーカ装置では、マグネット(主マグネット)32と逆極
性のキャンセルマグネット36をヨーク22のフランジ
部22Aの後面側に設けることにより、小型の装置構成
において、スピーカの最低共振周波数における共振鋭度
を下げ、低音の再生を有利にしたものである。
【0006】図7は、図6に示すコーン型スピーカ装置
に対し、さらにシールドカバー38を設けたコーン型ス
ピーカ装置の構造を示す断面図である。シールドカバー
38は、キャンセルマグネット36に後面に密着し、か
つ、キャンセルマグネット36から、マグネット32及
びプレート30の外周を覆う状態で設けられている。こ
のようなシールドカバー38を設けることにより、外部
からの磁界に対して磁気シールド効果を得ることがで
き、さらに、磁気回路のギャップの磁束を増大し、スピ
ーカの最低共振周波数における共振鋭度を若干下げるこ
とができる。
【0007】図8は、図7に示すコーン型スピーカ装置
をスピーカボックスに設けた構造を示す断面図である。
図示のように、コーン型スピーカ装置は、ガスケット2
4を介してスピーカボックス40の前面開口部40Aに
装着されている。また、コーン型スピーカ装置の入力端
子26は、リード線42によりスピーカボックス40の
背面に設けた入力端子44に接続されている。また、ス
ピーカボックス40の下部には、ダクト部46及びダク
ト開口部48が形成されている。
【0008】図9は、さらに他のコーン型スピーカ装置
を構造を示す断面図である。なお、図5〜図7に示す構
成と共通の部材については同一の符号を付して説明は省
略する。このスピーカ装置は、中間のプレート50の前
後両面に配置した一対のマグネット52、54によっ
て、プレート50とヨーク22のセンタポール部22C
の間のギャップ部50Aに、より強い磁界を集中させる
ようにしたものである。センタポール部22Cには、ギ
ャップ部50Aに対応する位置にボイスコイル18が設
けられている。この構造では、ギャップ部30Aがある
ために、ギャップ部50Aの磁力は減少するが、一対の
マグネット52、54の磁力を集中させて、ギャップ部
50Aの磁力を大きくするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来のスピーカ装置において、特にスピーカ口径を非
常に小さくしたスピーカ装置では、超高域を放射するこ
とは非常に困難なものとなり、振動系の軽量化が必要と
なる。例えば、口径が39mmのスピーカ装置におい
て、振動板をコーン紙で形成し、キャップをマイカ発泡
体等の超軽量材料によって形成した場合でも、ボイスコ
イルの重量が大きいので40KHzの再生が精一杯であ
る。
【0010】そこで本発明の目的は、ボイスコイルボビ
ンの構造を改良することにより、それ以外の構造を変え
ることなく、高域の再生を容易に行うことができるスピ
ーカ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、中央部にボイスコイルボビンを設けたコーン
型振動板をフレームに装着し、前記コーン型振動板の背
面側に前記ボイスコイルボビンと同軸状に配置されるセ
ンタポール部を有するヨークを配設するともに、前記セ
ンタポール部の外周にプレート及びマグネットを配設し
て磁気回路を構成し、前記センタポール部と前記プレー
トとの間に形成されたギャップ部内に前記ボイスコイル
ボビンに装着されたボイスコイルを配置し、前記ボイス
コイルに駆動信号を供給して前記ボイスコイルボビン及
び振動板を振動させるスピーカ装置において、前記ボイ
スコイルは、前記ボイスコイルボビンの外周部に接着剤
を介して接合され、前記ボイスコイルボビンは、前記ボ
イスコイルの接合領域に対応して前記ボイスコイルの巻
回方向に短絡されたショートコイル部を有するととも
に、前記ボイスコイルの接合領域が多数の凹凸部を有
し、前記ボイスコイルは、前記接合領域の凸部に接着さ
れていることを特徴とする。
【0012】本発明のスピーカ装置において、ボイスコ
イルボビンとボイスコイルは、ボイスコイルボビンに設
けたボイスコイルの接合領域において、この接合領域に
形成した凸部に接着剤を介して接合されている。また、
ボイスコイルボビンには、ボイスコイルの巻回方向にシ
ョートされたショートコイル部を有する。したがって、
ボイスコイルに交流駆動信号が供給されると、ボイスコ
イル自体は、磁気回路のギャップ内で電流の変動により
振動し、この振動によってボイスコイルボビンと振動板
を振動させ、ダイナミック型スピーカとして動作する。
一方、ボイスコイルボビンに設けたショートコイルは、
ボイスコイルの電流変動によって生じる磁界の変化に応
じて電磁誘導作用を生じる。
【0013】そして、ボイスコイルに供給される交流駆
動信号が一定周波数以下である場合には、低域の振動に
対して接着剤の接着力が低下せず、ボイスコイルボビン
とボイスコイルは一体に振動し、通常のダイナミック型
スピーカとして動作する。しかし、ボイスコイルに供給
される交流駆動信号が一定の周波数を超えると、ボイス
コイルの高周波振動に伴って接着剤の接着力が低下し、
ボイスコイルボビンがボイスコイルから分離して振動す
ることになる。これは、ダイナミック型スピーカと電磁
誘導型スピーカとが合成した動作となる。そして、この
ような高域の動作において、ボイスコイルボビンとボイ
スコイルは、接合領域に形成した凸部に接着剤を介して
接合されているため、両者の接着面積は小さいものであ
るので、高周波振動に伴い容易に接着剤の接着力を低下
させることができ、ボイスコイルボビン側の分離振動を
容易に発生させることができる。
【0014】以上により、低域再生においてはダイナミ
ック型スピーカとしての動作を得ることができ、また、
高域再生においてはダイナミック型スピーカと電磁誘導
型スピーカとを合成した動作を得ることができる。した
がって、特に口径の小さいスピーカ装置において、振動
系の構造等を変更することなく、容易に高域の再生を実
現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるスピーカ装置
の実施の形態について説明する。図1は、本発明による
スピーカ装置の第1の構造例を示す断面図である。この
スピーカ装置は、円錐台形状のコーン型振動板(コーン
紙)110の内周部に、ボイスコイルボビン112の前
端側(図1において上側)外周部を接合するとともに、
このボビン112の前端側外周部にダンパ114を接着
し、このダンパ114の外周部をフレーム116に接合
している。ボイスコイルボビン112には、後端側(図
1において下側)外周部にボイスコイル118が装着さ
れている。
【0016】振動板110の中央部には、ボイスコイル
ボビン112の前端部を覆う状態でドーム状のキャップ
120が設けられており、ボイスコイルボビン112の
後端側には、ヨーク122のセンタポール部122Cが
挿入されている。フレーム116は、振動板110の外
周に配置される円錐台形状を有し、その前端部には外向
きに屈曲したフランジ部116Aが形成されており、こ
のフランジ部116Aにはガスケット124が設けられ
ている。また、フレーム116の後端側には内向き屈曲
したフランジ部(底面板)116Bが形成されている。
振動板110の外周部には、円弧状のエッジ部110A
が形成され、フレーム116の前端部に接合されてい
る。フレーム116の外周部には、入力端子126が設
けられ、入力端子126と振動板110との間には、リ
ード線(錦糸線)128が掛け渡されている。
【0017】また、フレーム116の後端側のフランジ
部116Bには、その背面側(図1における下側)に第
1のプレート210が配置されており、この第1のプレ
ート210に続いて、第1のマグネット220と、第2
のプレート230と、第2のマグネット240と、ヨー
ク122の底面フランジ部122Aが、センタポール部
122Cの軸方向に順次配設されている。第1のマグネ
ット220は、センタポール部122Cの軸方向に着磁
されており、本例では、第1のプレート210側がN
極、第2のプレート230側がS極に着磁されている。
第1のマグネット220は、第1のプレート210と第
2のプレート230に接着により固定されている。第2
のマグネット240は、第1のマグネット220に対し
て逆着磁されており、本例では、第2のプレート230
側がS極、底面フランジ部122A側がN極に着磁され
ている。第2のマグネット240は、第2のプレート2
30と第2の底面フランジ部122Aに接着により固定
されている。また、底面フランジ部122Aには、マグ
ネットガイド122Bが形成されており、上述した磁気
回路を構成する際の位置決め等を行うようになってい
る。
【0018】また、第1のプレート210には、磁気シ
ールドカバー250が設けられている。この磁気シール
ドカバー250は、フレーム116の背面側の磁気回
路、すなわち、第1のプレート210、第1のマグネッ
ト220、第2のプレート230、第2のマグネット2
40、及びヨーク122を包囲し、磁気シールドを行う
ものである。磁気シールドカバー250は、第1のプレ
ート210に接着により固定されている。
【0019】また、以上のような磁気回路を組み立てる
場合、まず、ヨーク122のフランジ部122Aに第2
のマグネット240をマグネットガイド122Bにより
位置決めして接着固定し、この第2のマグネット240
に第2のプレート230を接着固定する。この際、セン
タポール部122Cと第2のプレート230との間にギ
ャップガイドを介在させ、位置決めを行いながら固着す
る。一方、フレーム116のフランジ部116Bと第1
のプレート210とをカシメ等により結合した後、第1
のプレート210に第1のマグネット220を接着固定
する。そして、第2のマグネット240と第1のマグネ
ット220とを互いに逆着磁した後、センタポール部1
22Cと第1のプレート210との間にギャップガイド
を介在させた状態で、第2のプレート230と第1のマ
グネット220を位置決めし、接着固定する。この後、
磁気シールドカバー250や、ボイスコイルボビン11
2、振動板110等の取付けを順次行っていく。
【0020】また、本例において、ボイスコイルボビン
112のボイスコイル118は、第2のプレート230
に対応する位置に配置されている。すなわち、本例で
は、第1のマグネット220及び第2のマグネット24
0の磁力をセンタポール部122Cと第2のプレート2
30との間に形成されるギャップ部230Aに集中させ
ることにより、大きい磁力をボイスコイル118に付与
するものである。ボイスコイル118には、リード線1
28等を介して駆動信号が供給され、ギャップ部230
A中でボイスコイル118が振動し、ボイスコイルボビ
ン112を介して振動板110を振動させる。
【0021】図2は、本例におけるボイスコイルボビン
112とボイスコイル118の構造例を示す拡大斜視図
であり、図3は、本例のボイスコイルボビン112を構
成する導電体の形状例を示す展開平面図である。本例の
ボイスコイルボビン112は、導電性円筒体112Aよ
り形成されており、この導電性円筒体112Aの外周に
ロックワニス等による軟質接着膜112Bを被覆したも
のである。導電性円筒体112Aは、図3に示す板状導
電体(導電材料よりなる板材)112Cを略円筒状に巻
回して形成したものである。
【0022】板状導電体112Cは、略方形状に形成さ
れており、図3に示す下端側にボイスコイル118が巻
装されるボイスコイル接合領域112Dを有する。そし
て、このボイスコイル接合領域112Dには、ボイスコ
イルボビン112の軸方向(図3における上下方向)に
沿って長尺な多数の溝条160が、ボイスコイル118
の巻回方向(図3における左右方向)に等間隔で形成さ
れている。すなわち、本例では、このような多数の溝条
160を形成することで、ボイスコイル接合領域112
Dに凹凸部を形成している。また、板状導電体112C
の図3に示す左右両縁部は、互いに接合される突き合わ
せ部112E、112Fとなっている。そして、一方の
突き合わせ部112Eには、ボイスコイル接合領域11
2Dに対応する部分だけに接合片112Gが突設されて
いる。
【0023】このような板状導電体112Cは、ボイス
コイル118の巻回方向(図3における左右方向)に円
形に巻回され、突き合わせ部112Eの接合片112G
を突き合わせ部112Fに接合されることにより、導電
性円筒体112Aとして形成される。なお、接合片11
2Gと突き合わせ部112Fとは、導電性を確保するた
めに、例えば導電性接着剤による接着あるいは溶接等に
より接合する。また、突き合わせ部112Eの接合片1
12G以外の部分と突き合わせ部112Fとは、互いに
離間している。このように形成された導電性円筒体11
2Aは、ボイスコイル接合領域112Dがボイスコイル
118の巻回方向にショートされた1ターンのショート
コイルとして形成されている。したがって、後述するよ
うにボイスコイル118への通電と振動変位に伴う磁界
変動により、ショートコイルとしてのボイスコイル接合
領域112Dに電磁誘導作用による起電力が生じるよう
になっている。
【0024】また、軟質接着膜112Bは、以上のよう
な導電性円筒体112Aの外周部に皮着されたものであ
る。この軟質接着膜112Bは、ボイスコイル接合領域
112Dにおいては溝条160の形状に倣って皮着され
ており、導電性円筒体112Aのボイスコイル接合領域
112Dの凹凸形状がそのまま外表面に形成されてい
る。また、ボイスコイル118は、以上のようなボイス
コイルボビン112のボイスコイル接合領域112Dに
巻回され、軟質接着膜112Bを介してボイスコイル接
合領域112Dに接合されている。ボイスコイル接合領
域112Dに形成した溝条160による凹凸形状によ
り、ボイスコイル118とボイスコイルボビン112の
間に間欠的に軟質接着膜112Bが配置されており、ボ
イスコイル118とボイスコイルボビン112の接着面
積は小さいものとなっている。また、ボイスコイル11
8のリード線118A、118Bは、ボイスコイルボビ
ン112の内側を通ってリード線128側に導かれてい
る。
【0025】以上のような構成のスピーカ装置におい
て、ボイスコイル118に交流駆動信号が供給される
と、ボイスコイル118自体は、磁気回路のギャップ部
230A内で電流の変動により振動し、この振動によっ
てボイスコイルボビン112と振動板110を振動さ
せ、ダイナミック型スピーカとして動作する。一方、ボ
イスコイルボビン112に設けたショートコイルとして
の導電性円筒体112Aは、ボイスコイル118の電流
変動によって生じる磁界の変化に応じて電磁誘導作用を
生じる。そして、ボイスコイル112に供給される交流
駆動信号が一定周波数以下である場合には、低域の振動
に対して軟質接着膜112Bの接着力が振動に対して相
対的に低下せず、ボイスコイルボビン112とボイスコ
イル118は一体に振動し、通常のダイナミック型スピ
ーカとして動作する。
【0026】しかし、ボイスコイル118に供給される
交流駆動信号が一定の周波数を超えると、ボイスコイル
118の高周波振動に伴って軟質接着膜112Bの接着
力が相対的に低下し、ボイスコイルボビン112がボイ
スコイル118から分離して複雑に振動することにな
る。これは、ダイナミック型スピーカと電磁誘導型スピ
ーカとが合成した動作となる。そして、このような高域
の動作において、ボイスコイルボビン112とボイスコ
イル118は、接合領域に形成した凸部に軟質接着膜1
12Bを介して接合されているため、両者の接着面積は
小さいものであるので、高周波振動に伴い容易に軟質接
着膜112Bの接着力を低下させることができ、ボイス
コイルボビン112側の分離振動を容易に発生させるこ
とができる。
【0027】以上により、低域再生においてはダイナミ
ック型スピーカとしての動作を得ることができ、また、
高域再生においてはダイナミック型スピーカと電磁誘導
型スピーカとを合成した動作を得ることができる。した
がって、特に口径の小さいスピーカ装置において、振動
系の構造等を変更することなく、容易に高域の再生を実
現できる。また、ボイスコイル118がボイスコイルボ
ビン112と一体化した状態での質量とボイスコイルボ
ビン112より分離した状態での質量の差から、超高域
の再生限界が計算可能である。
【0028】本例では、例えば、40KHzまでの帯域
では、ボイスコイル118がボイスコイルボビン112
と一体化した状態で振動し、ダイナミック型スピーカと
して動作する。また、40KHzを超えるに伴って、ボ
イスコイル118がボイスコイルボビン112より分離
して振動し、ダイナミック型と電磁誘導型を合成したス
ピーカとして動作する。このようにして、例えば実測の
結果、70KHzまで再生できることが確認された。
【0029】図4は、図1に示すスピーカ装置をスピー
カボックスに設けた構造を示す断面図である。図示のよ
うに、本例のスピーカ装置は、ガスケット124を介し
てスピーカボックス140の前面開口部140Aに装着
されている。また、スピーカ装置の入力端子126は、
リード線142によりスピーカボックス140の背面に
設けた入力端子144に接続されている。また、スピー
カボックス140の下部には、ダクト部146及びダク
ト開口部148が形成されている。
【0030】なお、本発明において、ボイスコイルボビ
ンに設けるショートコイルの構造としては、上述した例
のように、ボビン112全体を構成する導電性円筒体1
12Aを設ける代わりに、絶縁性のボビンに平面状の導
体を設けた構造を採用してもよい。また、ボイスコイル
ボビン112とボイスコイル118とを接着する接着剤
についても、上述のようなワニスによる接着膜112B
に限らず、他の軟質接着剤により実現するようにしても
良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスピーカ装
置では、磁気回路に設けたギャップ部内にボイスコイル
を装着したボイスコイルボビンを配置する構造におい
て、ボイスコイルをボイスコイルボビンの外周部に接着
剤を介して接合するとともに、ボイスコイルボビンのボ
イスコイル接合領域に、ボイスコイルの巻回方向に短絡
されたショートコイル部を設け、かつ、ボイスコイルボ
ビンのボイスコイル接合領域に多数の凹凸部を設け、こ
の接合領域の凸部にボイスコイルを接着固定するように
した。
【0032】このため、ボイスコイルに供給される交流
駆動信号が一定周波数以下である場合には、ボイスコイ
ルボビンとボイスコイルは一体に振動し、通常のダイナ
ミック型スピーカとして動作し、ボイスコイルに供給さ
れる交流駆動信号が一定の周波数を超えると、ボイスコ
イルボビンがボイスコイルから分離して振動するダイナ
ミック型スピーカと電磁誘導型スピーカの複合動作で高
域の再生が可能な全帯域スピーカ装置を提供できる。そ
して、上述のような高域の動作において、ボイスコイル
ボビンとボイスコイルは、接合領域に形成した凸部に接
着剤を介して接合されているため、両者の接着面積は小
さいものであるので、高周波振動に伴い容易に接着剤の
接着力を低下させることができ、ボイスコイルボビン側
の分離振動を容易に発生させることができる。したがっ
て、特に口径の小さいスピーカ装置において、振動系の
構造等を変更することなく、容易に高域の再生を実現で
きる優れたスピーカ装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコーン型スピーカ装置の構造例を
示す断面図である。
【図2】図1に示すスピーカ装置におけるボイスコイル
ボビンとボイスコイルの構造例を示す拡大斜視図であ
る。
【図3】図2に示すボイスコイルボビンを構成する導電
体の形状例を示す展開平面図である。
【図4】図1に示すコーン型スピーカ装置をスピーカボ
ックスに配置した構造例を示す断面図である。
【図5】一般的なダイナミック駆動方式によるコーン型
スピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図6】図5に示すコーン型スピーカ装置に対し、キャ
ンセルマグネットを設けたコーン型スピーカ装置の構造
を示す断面図である。
【図7】図6に示すコーン型スピーカ装置に対し、さら
にシールドカバーを設けたコーン型スピーカ装置の構造
を示す断面図である。
【図8】図7に示すコーン型スピーカ装置をスピーカボ
ックスに設けた構造を示す断面図である。
【図9】従来のさらに他のコーン型スピーカ装置を構造
を示す断面図である。
【符号の説明】
110……コーン型振動板、112……ボイスコイルボ
ビン、112A……導電性円筒体、112B……軟質接
着膜、112C……板状導電体、112D……ボイスコ
イル接合領域、112E、112F……突き合わせ部、
112G……接合片、114……ダンパ、116……フ
レーム、118……ボイスコイル、122……ヨーク、
122A……底面フランジ部、122C……センタポー
ル部、160……溝条、210……第1のプレート、2
20……第1のマグネット、230……第2のプレー
ト、240……第2のマグネット、250……磁気シー
ルドカバー。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部にボイスコイルボビンを設けたコ
    ーン型振動板をフレームに装着し、前記コーン型振動板
    の背面側に前記ボイスコイルボビンと同軸状に配置され
    るセンタポール部を有するヨークを配設するとともに、
    前記センタポール部の外周にプレート及びマグネットを
    配設して磁気回路を構成し、前記センタポール部と前記
    プレートとの間に形成されたギャップ部内に前記ボイス
    コイルボビンに装着されたボイスコイルを配置し、前記
    ボイスコイルに駆動信号を供給して前記ボイスコイルボ
    ビン及び振動板を振動させるスピーカ装置において、 前記ボイスコイルは、前記ボイスコイルボビンの外周部
    に接着剤を介して接合され、前記ボイスコイルボビン
    は、前記ボイスコイルの接合領域に対応して前記ボイス
    コイルの巻回方向に短絡されたショートコイル部を有す
    るとともに、前記ボイスコイルの接合領域が多数の凹凸
    部を有し、前記ボイスコイルは、前記接合領域の凸部に
    接着されている、 ことを特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 前記ボイスコイルボビンは、導電材料よ
    りなる板材を略円筒状に巻回して形成した導電性円筒体
    を有し、 前記導電性円筒体は、前記板材の巻回方向の両縁部のう
    ち、前記ボイスコイルの接合領域に対応する部分だけに
    接合片を設けて接合し、他の部分は離間した状態に保持
    されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記凹凸部は、前記ボイスコイルボビン
    の軸方向に沿って形成された溝条を、ボイスコイルの巻
    回方向に沿って等間隔で形成したものであることを特徴
    とする請求項1記載のスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 前記接着剤は、軟質の接着剤であること
    を特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  5. 【請求項5】 前記接着剤は、前記導電性円筒体の外周
    部に被覆されたワニスであることを特徴とする請求項2
    記載のスピーカ装置。
  6. 【請求項6】 前記ボイスコイルに供給する駆動信号が
    一定の周波数以下であるときには、前記接着剤の接着力
    によってボイスコイルとボイスコイルボビンが一体に振
    動し、前記ボイスコイルに供給する駆動信号が一定の周
    波数を超えたときに、前記ボイスコイルの高周波振動に
    伴って前記接着剤の接着力が低下し、ボイスコイルボビ
    ンがボイスコイルから分離して振動することを特徴とす
    る請求項1記載のスピーカ装置。
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