JP2007142836A - スピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気回路の磁気間隙内における磁束分布を略均一として振動板から高音質な粗密波を放射することができる高性能なスピーカを提供する。
【解決手段】スピーカは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型の磁気回路4と、磁気回路4のプレート2端部付近に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部付近に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3は、プレート2より径の大きい略平板形状に形成され、プレート2とヨーク3間の磁気間隙において、少なくともボイスコイル7の振動範囲内で磁束分布が略均一となるようにプレート2または磁石1の角部に傾斜面部21が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピーカに関するものである。
オーディオシステム等に備えられているスピーカは、アンプからの電気信号(電気エネルギ)を音響信号(音響エネルギ)に変換する電気変換器といえる。スピーカを動作原理により大別すると、動電型、静電型、圧電型、放電型、電磁型などに分けられ、現在は音質の良さ等の諸条件を兼ね備えた高性能な動電型(ダイナミック型)が主流を占めている。以下、動電型スピーカの具体例を説明する。
例えば特許文献1に開示されているスピーカは、図1(a)に示すように、振動板101の外周部がエッジ102を介してヨーク103に保持され、断面U字形状のヨーク103の上面側に磁石104が配置され、その磁石104の上面側にトッププレート105が形成されている。このヨーク103、磁石104、およびトッププレート105により磁気回路106が構成される。また、ヨーク103の端部がトッププレート105側に屈曲して形成されており、このヨーク103の端部とトッププレート105により形成された磁気間隙にボイスコイル107が配置されている。上記磁気回路106は、その構造から内磁型磁気回路と呼ばれている。
一方、特許文献2には、外磁型磁気回路を備えたスピーカが開示されている。このスピーカは、図1(b)に示すように、ポール部11及び係合段部12aが形成されたヨーク13に、リング状の磁石14が載置され、磁石14の上部に係合突起15bを備えたプレート15が載置されている。ヨーク13のポール部11の上方にはドーム状の振動板16が形成されている。振動板16には外周縁部に断面U字状のボイスコイルボビン17が形成されている。この振動板16、ボイスコイルボビン17、及びエッジ18は一体成形されており、ボイスコイルボビン17の凹部内部には、ボイスコイル17aが形成されている。またプレート15の上部にはフレーム19が形成されている。
特開2005−102166号公報 特開平5−30592号公報
しかし、上記特許文献1に記載のスピーカでは、ヨーク3を断面U字形状に形成するという煩雑な工程が必要がある。またこのスピーカでは磁気間隙に磁束を集中させるために、U字形状のヨーク3の端部を更に内側に向けて屈曲させる工程が必要である。また、上記特許文献2に記載のスピーカでは、狭い磁気間隙内にボイスコイル17aを配置するために、振動板に、比較的幅が狭く深い溝を備える断面U字形状のボイスコイルボビン17を高精度に形成する必要がある。また形成工程に長時間を要する。
ところで、スピーカの磁気回路では、磁気隙間の磁束分布が重要となる。特にボイスコイルの振動範囲内の磁束分布が重要である。例えば振動範囲内で不均一な磁束分布となっている場合には、ボイスコイルに非線形の駆動力が生じて、振動板から放射される粗密波に歪が生じる。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、煩雑な加工を行うことなく、簡単な構成の磁気回路を備えた高性能なスピーカを提供すること、振動板に成形困難な幅の狭いU字形状を形成することなく簡単な構成の振動板を備えた高性能なスピーカを提供すること、磁気回路の磁気間隙内における磁束分布を略均一として振動板から高音質な粗密波を放射することができる高性能なスピーカを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
請求項1に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と前記磁気回路のプレートの端部付近に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部付近に振動自在に支持する振動板と、を有し、前記ヨークは、前記プレートより径の大きい略平板形状に形成され、前記プレートと前記ヨーク間の磁気間隙において、少なくとも前記ボイスコイルの振動範囲内で磁束分布が略均一となるように前記プレート又は前記磁石の端部に傾斜面部が形成されていることを特徴とする。
請求項9に係る発明のスピーカは、磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、
前記磁気回路のプレート端部付近に配備されたボイスコイルと、前記ボイスコイルを前記プレートの端部付近に振動自在に支持する振動板とを有し、前記ヨークは、前記プレートより径の大きい略平板形状に形成され、前記内磁型の磁気回路と、前記振動板の間隙に接着剤が備えられていることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るスピーカは、磁石、磁石の一極側に配備されたプレート、および磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、磁気回路のプレート端部付近に配備されたボイスコイルと、ボイスコイルをプレートの端部付近に振動自在に支持する振動板とを有する。ヨークは、プレートより径の大きい略平板形状に形成されている。また、プレートとヨーク間の磁気間隙において、少なくともボイスコイルの振動範囲内で磁束分布が略均一となるようにプレートまたは磁石の角部に傾斜面部が形成されている。
上記構成のスピーカでは、プレートまたは磁石の角部に傾斜面部が形成され、プレートとヨーク間の磁気間隙において磁束分布が略均一となる。このため、ボイスコイルが磁気間隙内で振動する際に、均一な磁束分布内にて振幅するので、振動板は歪の少ない粗密波を放射することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るスピーカを説明する。
[第1実施形態]
図2は本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。図3は図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。
図2,3に示すように、本実施形態に係るスピーカ100は、磁石1、プレート2、ヨーク3、磁気回路4、スピーカフレーム(フレームともいう)5、振動板6、およびボイスコイル7を有する。
磁石1は、例えばネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されている。磁石1の一極側(上端部)にはプレート2が配備され、磁石1の他極側(下端部)には略平板形状のヨーク3が配備されている。この磁石1、プレート2、およびヨーク3により内磁型の磁気回路4が構成されている。プレート2は、磁石1の径La1よりも大きい径La2に形成されている。ヨーク3はプレート2よりも径の大きい形状に形成されている。例えば図3に示すように、平板形状のヨーク3は、プレート2よりも径の大きい径La3に形成されている。本実施形態に係る平板形状のヨーク3は、プレート2の径La2の約2倍程度の径La3に形成されている。この磁石1の径La1、プレート2の径La2、ヨーク3の径La3は、磁石1の厚さや磁力の大きさ、プレート2とヨーク3間の磁束の分布状態、振動板6の大きさや形状、ボイスコイル7の磁気特性や駆動特性等に基づいて適宜設定する。フレーム5は、ヨーク3の端部と係合する内周側に形成された係合段部5aと、振動板6の端部と嵌合する外周側に形成された係合段部5bを有する。
振動板6は、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64を有する。本実施形態に係る振動板6では、図2,3に示すように、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64が一体成形されている。振動板6は、例えば金属材料、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の高分子材料、紙等の繊維材料により形成されている。金属材料としては、例えばアルミニウムやチタニウム、ジュラルミン、ベリリウム、マグウネシウム合金等を採用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂や、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタアクリレート等を採用することができる。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂等を採用することができる。
ドーム状振動部61は、振動板6の中央部に凸形状に形成されている。ドーム状振動部61は、例えば放射曲線形状、ドーム半球形状、円錐形状、多段曲線形状等、各種形状を採用することができる。本実施形態に係るドーム状振動部61は、図3に示すように放射曲線形状に形成され、中央部の頂部が外縁端部64よりも高く形成されている。この形状により広い角度の指向特性を得ることができる。また、ドーム状振動部61は、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、外縁端部64によりプレート2上の規定位置に、z軸方向(駆動方向)に沿って振動可能に支持されている。ここで図3に示すように、図に向かって左右方向がx軸方向に相当し、図に向かって上下方向がz軸方向に相当し、x軸方向,z軸方向に直交する方向がy軸方向に相当する。
図4は、図3に示したスピーカ100のボイスコイルボビン62付近の拡大図である。本実施形態に係るプレート2は、図3,4に示すように、プレート2とヨーク3間の磁気間隙において、少なくとも前記ボイスコイルの振動範囲内で磁束分布が略均一となるように、プレート2の角部に傾斜面部21が形成されている。
詳細には、図4に示すように、プレート2の端部のうちヨーク側の角部に傾斜面部21が形成されている。この傾斜面部21は、例えば断面直線状の傾斜面を形成するC加工や断面曲線状のR加工等の面取り加工や、金型成形等の各種成形方法により形成される。
上記構成の傾斜面部21を設けたので、プレート2の端部付近において磁束の分布が略均一となり、ボイスコイル7が上下方向(z軸)に沿って振動した場合に、ボイスコイル7が受ける磁束密度の変化が小さい。このため例えば磁束密度分布の不均一性に起因する粗密波の歪を低減することができる。
ボイスコイルボビン62は、図3,4に示すように、振動板6の中央部と外縁端部64の間に形成され、断面形状が略L字形状に形成されている。詳細にはボイスコイルボビン62は、筒状部62a、および屈曲部62bを有する。筒状部62aは、例えば図4に示すように、振動方向(z軸方向)に沿って形成されている。また、筒状部62aは、プレート2の端部2aと距離gx1だけ離れた規定位置に位置するように、ドーム状振動部61、コーン状振動部63,および外縁端部64により支持されている。屈曲部62bは、図4に示すように、筒状部62aの下側端部から外側に向かって屈曲するように形成されている。この屈曲部62bの長さL62は、ボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定されている。本実施形態では長さL62は厚さL7の約2倍程度に設定されている。
例えば予め形成された円形状のボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部内に落とし込み、紫外線(UV)硬化剤などを注入してUV照射を行う等によりボイスコイル7の固定が行われる。ここでUV硬化剤として、2液UV硬化剤、嫌気性UV硬化剤等を使用することによってUVの未照射部の固定も可能になる。上述したように、屈曲部62bの長さL62をボイスコイル7の厚さL7と略同じ長さ又はそれ以上の長さに設定することで、簡単にボイスコイルボビン62にボイスコイル7を設けることができる。
詳細には、図4に示すようにボイスコイル7は、筒状部62aの外周側面の領域R7に形成される。領域R7は、下端位置71から上端位置72までの範囲に設定されている。本実施形態に係る下端位置71は、プレート2の下端部2dから下側に向かって、距離tだけ離れた位置に相当する。上端位置72は、プレート2の上端部2uから上側に向かって距離0.5tだけ離れた位置に相当する。ここで距離tは、プレート2の厚みtに相当する距離である。
上述したようにボイスコイル7を上記領域R7に形成することで、振動板6が最大限振幅した場合であっても、ボイスコイル7をプレート2とヨーク3間の略均一な磁束分布範囲内に配置することができる。そのため歪の少ない音響特性のスピーカ100を得ることができる。
図5(a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。図5(b)は図5(a)に示した振動板6の断面図である。
コーン状振動部63は、例えば図5(a),(b)に示すようにボイスコイルボビン62の下側端部から、振動板6の外縁端部64にかけて形成されている。このコーン状振動部63は、断面の母線形状が略円錐形状(コーン形状)に形成されている。また例えばコーン状振動部63の形状は、断面の母線形状が円弧状に形成されたカーブドコーン形状、直線形状に形成されたフラットコーン形状、放物線状に形成されたパラボリックコーン形状等、各種形状を採用することができる。
例えば図1(b)に示すような一般的なスピーカは、狭い磁気間隙の間に、幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17を形成する必要がある。この幅狭の断面U字状のボイスコイルボビン17は形成が困難である。一方、本実施形態に係るスピーカ100は、プレート2の端部とヨーク3の間の磁気間隙が、上記一般的なスピーカと比べて広く形成されているので、図5(a),(b)に示すようにボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の底部の幅より開口側の幅を広く形成することができ、容易に形成可能である。
詳細には、図5(a),(b)に示すように、ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の上端部62uと、その上端部62uを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63uとの間の距離Lxu1を開口側の幅とする。ボイスコイルボビン62上のボイスコイル形成領域R7の下端部62dと、その下端部62dを通る水平面(xy平面)とコーン状振動部63とが交差する位置63dとの間の距離Lxd1を底部の幅とする。この開口側の幅Lxu1は、底部の幅Lxd2よりも幅広である。好ましくは、開口側の幅Lxu1は、ボイスコイル形成領域R7と略同程度の長さに形成されている。
上記構成の振動板6は、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、その凹部の底部から上側の開口側にかけて幅広に形成されているので、図1(b)に示すような断面U字状のボイスコイルボビンを備える振動板と比べて、簡単に形成することができる。
外縁端部64は、図5(a),(b)に示すように、フレーム5の係合段部5bと嵌合する嵌合部64aを有する。嵌合部64aは、裏面側に向けてz方向に沿って屈曲した筒状の筒状部641と、その筒状部641の下側端部から外側に向かってx軸に沿って屈曲した形状の端部642とを有する。筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとが嵌合することで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めが行われる。この際、フレーム5の係合段部5bの形状は、筒状部641の内周側面641aと対応する形状に形成されている。
上記構成のスピーカ100は、次のようにして組み立てられる。
まず、図2〜5に示すように、磁石1の一極側にプレート2を配備し、磁石1の他極側に平板形状のヨーク3を配備する。このとき例えば円形状の磁石1、プレート2,ヨーク3の中心軸が一致するように配備する。射出成形装置等の製造装置により、ヨーク3にフレーム5を一体成形する。プレス加工装置や射出成形装置等の製造装置により、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、および外縁端部64を備えた振動板6を一体成形する。
次に、予め円形状に形成されたボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62およびコーン状振動部63により形成される凹部の内部に配置し、接着剤等によりボイスコイル7をボイスコイルボビン62に固定する。また導電線をボイスコイルボビン62に巻回すことにより、ボイスコイル7を所定位置に形成してもよい。次に、筒状部641の内周側面641aと、フレーム5の係合段部5bとを嵌合させることで、磁気回路4やフレーム5に対する振動板6の位置決めを行う。位置決め後、振動板6とフレーム5とを接着剤などにより固定して、スピーカ100を得る。
上記構成のスピーカ100では、ボイスコイル7が、磁石1、プレート2、及びヨーク3により形成される磁束分布中の規定位置に、振動板6により支持されている。そして音声信号が不図示の入力端子部からリード線を介してボイスコイル7に入力されると、ボイスコイル7にはその音声信号に応じて電磁力が生じる。その電磁力が、振動板6をz軸方向に沿って振動させる駆動力となる。ボイスコイル7が備えられたボイスコイルボビン62は、その駆動力により、z軸方向に沿って振動し、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63を振動させる。スピーカ100は、ドーム状振動部61およびコーン状振動部63が振動することにより粗密波を放射するので、一般的なドーム型スピーカとコーン状スピーカの2つの特性を兼ね備えている。
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型の磁気回路4と、磁気回路4のプレート端部付近に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部付近に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3は、プレート2より径の大きい略平板形状に形成され、プレート2とヨーク3間の磁気間隙において、少なくともボイスコイル7の振動範囲内で磁束分布が略均一となるように、プレート2の端部のうちヨーク側の角部に傾斜面部21が形成されているので、磁気回路の磁気間隙内における磁束分布を均一として振動板から高音質な粗密波を放射することができる。
また、振動板6は、振動板6の中央部に形成されたドーム状振動部(第1の振動部)61と、外周が直接または間接的にスピーカフレーム5に支持されるコーン状振動部(第2の振動部)63と、ドーム状振動部61とコーン状振動部63との間に形成され、ボイスコイル7が配置されるボイスコイル7とを有し、ドーム状振動部61、コーン状振動部63、およびボイスコイルボビン62が、例えばプレス成形や射出成形等により一体成形されているので、簡単に振動板6を得ることができる。
また、ボイスコイルボビン62は、ボイスコイル7が配置される筒状部62aの端部から外側に向かって屈曲した断面L字状に形成されており、ボイスコイルボビン62とコーン状振動部63により形成される凹部において、凹部の底部より開口部の間隔が広く形成されているので、図1(b)に示すような断面U字形状のボイスコイルボビン62と比べて、容易に形成することができる。
また、振動板6は、当該振動板6の端部に形成され、フレーム5に形成された係合段部(被嵌合部)5aに嵌合する嵌合部64aを有し、振動板6の嵌合部64aと、スピーカフレーム5の係合段部5aとが嵌合して、振動板6とフレーム5との位置合わせを行うので、簡単に振動板6とフレーム5との位置合わせを行うことができる。詳細には、振動板6は、端部が筒形状に形成され、当該筒形状の内側面が、スピーカフレーム5に形成された係合段部5bの外側面に固定する。
この際、ドーム状振動部61、ボイスコイルボビン62、コーン状振動部63、およびコーン状振動部63が一体成形されているので、それぞれの構成要素を規定位置に高精度に位置合わせすることができる。特に、上記構成により、簡単な取り付け工程により、ボイスコイルボビン62を、プレート2の端部近傍の予め規定された位置に高精度に配置することができる。
また、ボイスコイル7を、ボイスコイルボビン62の断面L字形状部の側面部に接着剤により固定する工程により、簡単にボイスコイル7をボイスコイルボビン62に取り付けることができる。
[比較]
本願発明者は、本発明の一実施形態に係るスピーカの磁気回路の性能を確認するために、プレートの端部に傾斜面部が形成されていない場合と、本発明に係る磁気回路4のプレート2の端部のうちヨーク3側の角部に傾斜面部21が形成されている場合について、コンピュータ演算により磁束間隙の磁束分布についてシミュレーションを行い、それぞれを比較した。
図6は、本発明に係るスピーカを説明するための図である。図6(a)はプレートの端部に傾斜面部が形成されていない磁気回路の磁束分布を示す図である。図6(b)はプレート2の端部に傾斜面部21が形成された磁気回路4の磁束分布を示す図である。図6(a),(b)において中心軸から左側に関しては省略している。図7はプレートの端部付近の磁束密度の水平方向(x軸方向)に沿った大きさを示す図である。図7において、横軸はz軸に沿った位置を示し、縦軸は水平方向(x軸方向)に沿った磁束密度の大きさを示す。
[傾斜面部が形成されていない場合]
図6(a),図7に示すように、プレート2’の端部の角部に傾斜面部が形成されていない場合、プレート2’の端部付近における水平方向に沿った磁束密度の大きさは、プレートの下端部dL付近で最大値TP1を示し、そこから上端部付近dHにかけて急激に減少する。つまり、上記プレート2’の端部付近において磁束分布が均一でない。この不均一な磁束分布の磁気間隙間でボイスコイル7が振動すると、振動板による粗密波に大きな歪が生じる。
[傾斜面部が形成されている場合]
一方、図6(b),図7に示すように、本発明に係るプレート2の端部のヨーク3側の角部に傾斜面部21が形成されている場合、プレート2の端部付近における水平方向に沿った磁束密度の大きさは、プレートの下端部dL付近で最大値TP2を示し、そこから上端部付近dHにかけて略同じ大きさで、詳細には緩やかに減少している。この最大値TP2は、上記最大値TP1より小さい。つまり磁気回路4の磁気間隙間の磁束分布の不均一が改善され、上記プレート2の端部付近において磁束分布が略均一となる。この略均一な磁束分布の磁気隙間でボイスコイル7が振動すると、ボイスコイル7の振動範囲内の磁束密度の変化が低減し、振動時に振動板6により放射される粗密波の歪が低減する。
この傾斜面部21の形状は、プレート2とヨーク3間の磁気間隙において、ボイスコイル7の振動範囲内で磁束分布が略均一となれば、断面直線形状や断面曲線形状等、各種形状に形成してもよい。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係るスピーカ100bを説明するための図であり、磁石1の端部付近を拡大した断面図である。第1実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。
本実施形態に係るスピーカ100bは、図8に示すように、磁石1b、プレート2b、およびヨーク3を備える磁気回路4bを有する。本実施形態に係るプレート2bには端部に傾斜面部が形成されていない。一方、磁石1bは、磁石1の端部のうち、プレート2側の角部に傾斜面部11bが形成されている。この傾斜面部11bは、プレート2bとヨーク3間の磁気間隙において、少なくともボイスコイル7の振動範囲内で磁束分布が略均一となるような形状に形成されている。
上述したように本実施形態に係る磁気回路4bには、磁石1bの端部に傾斜面部11bが形成されているので、第1実施形態と略同様に、ボイスコイル7の振動範囲内にて磁束分布を略均一とすることができ、振動時の振動板6により放射される粗密波の歪を低減することができる。
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。図10は図9に示したスピーカ100cの磁気回路付近を拡大した断面図である。第1実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。
図9,10に示すように、本実施形態に係るスピーカ100cは、磁石1、プレート2、ヨーク3c、磁気回路4c、フレーム5c、振動板6、およびボイスコイル7を有する。磁石1、プレート2、ヨーク3cにより磁気回路4cが構成される。
ヨーク3cは、略平板形状に形成されており、端部31がプレート2側に屈曲した形状に形成されている。ヨーク3cはいわゆる皿型状に形成されている。詳細には、ヨーク3cの端部31は、水平面から角度約40度から70度程度となるように屈曲した円錐形状に形成されている。この角度は、振動板6のコーン状振動部63の円錐傾斜面の角度や、プレート2とヨーク3間の磁束密度分布等に応じて適宜設定されている。
また、フレーム5cは、上記皿型状のヨーク3cの端部31の裏面側に内周部51が接合されている。このフレーム5cは、上記皿型状のヨーク3cにインサート成形により形成することが好ましい。こうすることで例えばフレーム5cとヨーク3cとを接着剤により接着する工程を省くことができ、製造時間の短縮を実現することができる。また、製造コストを低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るスピーカ100cは、第1実施形態と比べて、プレート2の端部とヨーク3dとの距離が短いので、より大きな磁束密度を得ることができる。また、第1実施形態と比べて磁気漏洩を低減することができる。
また、傾斜面部21を、上述したヨーク3dの形状に応じて、ボイスコイルの振動範囲内で磁束分布が略均一となるように、断面直線形状や断面曲線形状等、各種形状に形成することで、磁気漏洩の低減や磁気分布の均一化を実現することができる。
[第4実施形態]
図11は、本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。第1から第3実施形態と共通する部分については説明を省略する。図11に示すように、本実施形態に係るスピーカ100dは、プレート2の前面側に、磁石1と逆極性の反発磁石9を有する。反発磁石9は、例えば図11に示すように、プレート2の上面に配置され、磁石1と反発する極性となるように着磁されている。また、反発磁石9は、プレート2の径よりも小さい径となるように形成されている。また、反発磁石9は、磁石1よりも薄く形成されている。詳細には、振動板6のドーム状振動部61が駆動方向(z軸方向)に沿って振動した場合であっても、ドーム状振動部61の内面が反発磁石9と接触しないような大きさおよび形状に形成されている。
例えば、上記反発磁石9を設けていない場合に、磁石1の上面部からプレート2を介してz軸方向に沿って磁束が分布する。一方、反発磁石9をプレート2の上部に設けた場合には、磁石1の上面部からのz軸方向に沿った磁束が反発磁石9により水平方向に誘導されるので、漏れ磁束を低減することができる。また、プレート2端部における磁束の方向性を向上させることができる。また、プレート2とヨーク3dの間の磁気間隙における磁束密度を増加させることができる。また磁束密度が増加するので、ボイスコイル7の感度を向上させることができる。
[比較]
本願発明者は、本発明の一実施形態に係るスピーカの磁気回路の性能を確認するために、本実施形態に係る反発磁石9を設けない場合と、反発磁石9を設けた場合について、コンピュータ演算により磁束間隙の磁束分布についてシミュレーションを行い、それぞれを比較した。
図12(a)は端部に傾斜面部が形成されたプレート上に反発磁石を備えていない磁気回路の磁束分布を示す図である。図12(b)は端部に傾斜面部が形成されたプレート上に反発磁石9を備えた磁気回路4dの磁束分布を示す図である。図12(a),(b)において中心軸から左側にかけては省略している。図13はプレートの端部付近の磁束密度の水平方向(x軸方向)に沿った大きさを示す図である。図13において、横軸はz軸に沿った位置を示し、縦軸は水平方向(x軸方向)に沿った磁束密度の大きさを示す。
図12(a),図13に示すように、反発磁石9がプレート2上に備えられていない場合には、プレート2の端部付近における水平方向に沿った磁束密度の大きさは、プレートの下端部dL付近で最大値TP3を示し、そこから端部付近dHにかけて減少している。
一方、図12(b),図13に示すように、本実施形態に係る反発磁石9がプレート2上に備えられている場合には、プレート2の端部付近における水平方向に沿った磁束密度の大きさは、プレートの下端部dL付近で最大値TP4を示し、そこから上端部付近dHにかけて減少し、上端部付近dH付近にてピーク値TP5となり、そこから急激に減少する。この最大値TP4は、上記最大値TP3より大きい。また、反発磁石9を設けた場合には、上端部dH付近において磁束密度が比較的大きくなり、プレート2の端部付近の磁束分布がより均一となる。この略均一な磁束分布の磁気間隙間でボイスコイル7が振動すると、ボイスコイル7の振動範囲内の磁束密度の変化がより低減し、振動時に振動板6により放射される粗密波の歪がより低減する。
[第5実施形態]
図14は、本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eを説明するための断面図である。第3,4実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。図14に示すように、本実施形態に係るスピーカ100eは、第3実施形態に係るスピーカ100cのプレート2上に反発磁石9を備える。詳細には、スピーカ100eでは、ヨーク3cが略平板形状に形成されており、その端部31がプレート2側に屈曲した形状に形成され、プレート2上に反発磁石9が形成されている。
上述したように、本実施形態に係るスピーカ100eは、第3実施形態と比べてプレート2上に反発磁石9を備えているので、第3,4実施形態と比べて、磁束密度を更に大きくすることができる。
[第6実施形態]
図15は、本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。第1〜5実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。図15に示すように、本実施形態に係るスピーカ100fは、プレート2上に、軸方向に沿って貫通孔部91fが形成されたリング形状の反発磁石9fを備える。
上述したように本実施形態に係るスピーカ100fは、リング形状の反発磁石9f有するので、第5実施形態と比べて、スピーカの重量を低減することができる。また、磁気回路の動作点を向上させることができる。
[第7実施形態]
図16は、本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための断面図である。第1〜6実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。図16に示すように、本実施形態に係るスピーカ100gは、磁気回路4gを有する。磁気回路4gは、軸方向(z軸方向:図に向って上下方向)に沿って、貫通孔部41が形成されている。詳細には、磁気回路4gにおいて、図16に示すように、磁石1g、プレート2g、ヨーク3g、反発磁石9gそれぞれは、軸方向に沿って貫通孔部41が形成されている。
上記構成のスピーカ100gでは、ドーム状振動部61が軸方向に沿って振動した場合に、ドーム状振動部61内の空気が貫通孔部41を通って外部に流出し、または外部の空気が貫通孔部41を介してドーム状振動部61内に流入する。このため図14に示した第5実施形態と比べて、本実施形態に係るスピーカ100gは、音響特性が向上する。また、スピーカの重量を低減することができる。また、磁気回路の動作点を向上させることができる。
[第8実施形態]
図17は、本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。図18は、図17に示したスピーカ100hの制動部付近を拡大した断面図である。第1から第7実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。
本実施形態に係るスピーカ100hは、図17,18に示すように、磁石1、プレート2、ヨーク3、磁気回路4、フレーム5、振動板6、ボイスコイル7、および接着剤8を有する。
接着剤8は、磁気回路4と振動板6の間隙に備えられている。本実施形態に係るスピーカ100hでは、プレート2の端部側面と、振動板6のボイスコイルボビン62の内側面との間に、接着剤8が備えられている。この接着剤8は、予め規定された値以上の弾性(粘弾性)を有し、振動板6の振動を制動する制動材として機能する。また、接着剤8は、磁気回路4に対して振動板6やボイスコイル7を支持する。
上述した接着剤8は、磁気回路4に対して振動板6を予め規定した距離だけ離れた位置に振動可能に支持するので、磁気回路4と振動板6の間隙が比較的狭い場合であっても、磁気回路4と振動板6の接触を防止することができ、例えば磁気回路4と振動板6とが接触することによる不要な異常音の発生を防止することができる。
また、磁気回路4と振動板6の間隙に接着剤8を設けることにより、ボイスコイル7をプレート2の近傍の大きな磁束密度中に配置することができ、スピーカの感度を向上させることができる。
また、磁気回路4と振動板6の間隙に接着剤8を設けることにより、例えばスピーカが比較的高い周波数帯域のみを再生する場合に、不要な低周波領域の振動を低減することができる。
また、上述した構成の磁気回路4では、磁気間隙において、磁束の垂直方向(z軸方向)に沿った大きさが、比較的大きいので、振動板6が水平方向(x軸方向)に沿って振動する虞があるが、上記接着剤8を設けることにより、この水平方向に沿った不要な振動を低減することができる。
[第9実施形態]
図19は、本発明の第9実施形態に係るスピーカ100iを説明するための断面図である。第8実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100iは、図19に示すように、プレート2の上面側の端部付近と、振動板6iとの間に接着剤8iが備えられている。詳細には、振動板6iはプレート2の上面側の端部付近に、プレート2の上面部と平行な平坦部6iaが形成されている。この平坦部6iaの裏面と、プレート2時の上面側の端部との間に、接着剤8iが設けられている。
上記構成のスピーカ100iでは、第8実施形態と比べて、プレート2の上面側の端部付近と振動板6iの間を狭くすることができる。また、コーン状振動部63と比べて、ドーム状振動部61の上下方向(z軸方向)に沿った振動を低減することができる。また、プレート2の上面側の端部と振動板6iとが接触することによる不要な異常音を防止することができる。
[第10実施形態]
図20は、本発明の第10実施形態に係るスピーカ100jを説明するための断面図である。第8および第9実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100jでは、図20に示すように、プレート2jは、磁石1より幅(径)が狭い形状に形成されている。本実施形態に係る接着剤8jは、プレート2jの側面部近傍において、磁石1の上端部と、振動板6のボイスコイルボビン62の下部との間に備えられている。
上記構成の接着剤8jを設けたので、例えば第9実施形態と比べて、振動板6のドーム状振動部61やコーン状振動部63に対して、略同様に制動機能を実現することができる。また、磁石1の上端部と、振動板6のボイスコイルボビン62の下部との間の距離を狭くすることができる。また、振動板6のボイスコイルボビン62の下部と磁石1の上端部とが接触することによる不要な異常音を低減することができる。
[第11実施形態]
図21は、本発明の第11実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。第8から第10実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100hでは、図21に示すように、ボイスコイル7は、振動板6のボイスコイルボビン62の内側面部に配置されている。本実施形態に係る接着剤8kは、このボイスコイル7と、プレート2の端部の側面部との間に配置されている。
上記構成の接着剤8kを設けたので、ボイスコイル7をプレート2の端部の近傍に、より狭い間隙となるように支持することができる。このためボイスコイル7に対する磁束密度が向上し、ボイスコイル7に入力される入力信号に対して感度の高いスピーカを得ることができる。また、ボイスコイルボビン62とプレート2の端部と接触することによる不要な異常音を防止することができる。
[第12実施形態]
図22は、本発明の第12実施形態に係るスピーカ100mを説明するための断面図である。第1から第11実施形態と共通する部分については一部説明を省略する。本実施形態に係るスピーカ100mでは、図22に示すように、ヨーク3cは、略平板形状に形成されており、端部31がプレート2側に屈曲した形状に形成されている。ヨーク3cはいわゆる皿型状に形成されている。本実施形態に係る接着剤8mは、この端部31の上面側と、振動板6のコーン状振動部63の裏面側との間に設けられている。この際、ヨーク3cの端部31の角度は、振動板6のコーン状振動部63の円錐傾斜面の角度や、プレート2とヨーク3間の磁束密度分布等に応じて適宜設定されている。
上記構成の接着剤8mを設けたので、上記構成のヨーク3cの端部と、振動板6とが接触することによる不要な異常音を防止することができる。また、振動板6とヨーク3c間を、より狭い間隙となるように支持することができる。このためボイスコイル7に対する磁束密度が向上し、ボイスコイル7に入力される入力信号に対して感度の高いスピーカを得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態を組み合わせて本発明に係るスピーカや磁気回路を実施してもよい。
また、例えば上述した実施形態では、円形状のスピーカを説明したが、この形態に限られるものではない。例えば本発明に係るスピーカを、略楕円形状、略矩形状、フラット形状等の各種形状のスピーカに採用することもできる。
以上説明したように、本発明に係るスピーカは、磁石1、磁石1の一極側に配備されたプレート2、および磁石1の他極側に配備されたヨーク3を備える内磁型の磁気回路4と、磁気回路4のプレート2端部付近に配備されたボイスコイル7と、ボイスコイル7をプレート2の端部付近に振動自在に支持する振動板6とを有し、ヨーク3は、プレート2より径の大きい略平板形状に形成され、プレート2とヨーク3間の磁気間隙において、少なくともボイスコイル7の振動範囲内で磁束分布が略均一となるようにプレート2または磁石1の角部に傾斜面部が形成されているので、プレートとヨーク間の磁気間隙において磁束分布が略均一となり、ボイスコイルが磁気間隙内で振動する際に、均一な磁束分布内にて振幅するので、振動板6は歪の少ない粗密波を放射することができる。
(a)は一般的な内磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。(b)は一般的な外磁型磁気回路を有するスピーカを説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態に係るスピーカ100を説明するための正面図である。 図2に示したスピーカ100のA−A線に沿った断面図である。 図3に示したスピーカ100のボイスコイルボビン62付近の拡大図である。 (a)は図3に示したスピーカ100のコーン状振動部63を説明するための図である。(b)は(a)に示した振動板6の断面図である。 本発明に係るスピーカを説明するための図である。(a)はプレートの端部に傾斜面部が形成されていない磁気回路の磁束分布を示す図であり、(b)はプレート2の端部に傾斜面部21が形成された磁気回路4の磁束分布を示す図である。 プレートの端部付近の磁束密度の水平方向(x軸方向)に沿った大きさを示す図である。 本発明の第2実施形態に係るスピーカ100bを説明するための図であり、磁石1の端部付近を拡大した断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスピーカ100cを説明するための断面図である。 図9に示したスピーカ100cの磁気回路付近を拡大した断面図である。 本発明の第4実施形態に係るスピーカ100dを説明するための断面図である。 (a)は端部に傾斜面部が形成されたプレート上に反発磁石を備えていない磁気回路の磁束分布を示す図であり、(b)は端部に傾斜面部が形成されたプレート上に反発磁石9を備えた磁気回路4dの磁束分布を示す図である。 プレートの端部付近の磁束密度の水平方向(x軸方向)に沿った大きさを示す図である。 本発明の第5実施形態に係るスピーカ100eを説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態に係るスピーカ100fを説明するための断面図である。 本発明の第7実施形態に係るスピーカ100gを説明するための断面図である。 本発明の第8実施形態に係るスピーカ100hを説明するための断面図である。 図17に示したスピーカ100hの制動部付近を拡大した断面図である。 本発明の第9実施形態に係るスピーカ100iを説明するための断面図である。 本発明の第10実施形態に係るスピーカ100jを説明するための断面図である。 本発明の第11実施形態に係るスピーカ100kを説明するための断面図である。 本発明の第12実施形態に係るスピーカ100mを説明するための断面図である。
符号の説明
1 磁石
2 プレート
3 ヨーク
4 磁気回路
5 スピーカフレーム(フレーム)
6 振動板
7 ボイスコイル
8 接着剤
9 反発磁石
61 ドーム状振動部
62 ボイスコイルボビン
63 コーン状振動部
64 外縁端部
100 スピーカ

Claims (19)

  1. 磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、
    前記磁気回路のプレート端部付近に配備されたボイスコイルと、
    前記ボイスコイルを前記プレートの端部付近に振動自在に支持する振動板と、を有し、
    前記ヨークは、前記プレートより径の大きい略平板形状に形成され、
    前記プレートと前記ヨーク間の磁気間隙において、少なくとも前記ボイスコイルの振動範囲内で磁束分布が略均一となるように前記プレートまたは前記磁石の端部に傾斜面部が形成されていることを特徴とするスピーカ。
  2. 前記プレートは、当該プレートの端部のうちヨーク側の角部に前記傾斜面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記磁石は、当該磁石の端部のうち前記プレート側の角部に前記傾斜面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  4. 前記ヨークは、端部が前記プレート側に向けて屈曲した円錐形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一に記載のスピーカ。
  5. 前記プレートの前面側に、前記磁石に対して逆極性の反発磁石を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一に記載のスピーカ。
  6. 前記反発磁石は、前記磁石よりも薄く形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスピーカ。
  7. 前記反発磁石は、軸方向に沿って貫通孔部が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のスピーカ。
  8. 前記磁石、およびヨークは、軸方向に沿って貫通孔部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のスピーカ。
  9. 磁石、前記磁石の一極側に配備されたプレート、および前記磁石の他極側に配備されたヨークを備える内磁型の磁気回路と、
    前記磁気回路のプレート端部付近に配備されたボイスコイルと、
    前記ボイスコイルを前記プレートの端部付近に振動自在に支持する振動板と、を有し、
    前記ヨークは、前記プレートより径の大きい略平板形状に形成され、
    前記内磁型の磁気回路と、前記振動板の間隙に接着剤が備えられていることを特徴とするスピーカ。
  10. 少なくとも前記プレート、前記磁石、および前記ヨークのいずれかと、前記振動板の間隙に接着剤が備えられていることを特徴とする請求項9に記載のスピーカ。
  11. 前記接着剤は、予め規定された値以上の弾性を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のスピーカ。
  12. 前記接着剤は、前記磁気回路に対して前記振動板または前記ボイスコイルを支持することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一に記載のスピーカ。
  13. 前記振動板は、
    当該振動板の中央部に形成されたドーム形状の第1の振動部と、
    外周が直接または間接的にスピーカフレームに支持されるコーン形状の第2の振動部と、
    前記第1の振動部と前記第2の振動部の間に形成され、前記ボイスコイルが配置されるボイスコイルボビンと、を有し、
    前記第1の振動部、第2の振動部、およびボイスコイルボビンが一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一に記載のスピーカ。
  14. 前記ボイスコイルボビンは、前記ボイスコイルが配置される筒状部の端部から外側に向かって屈曲した断面L字形状に形成されていることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ。
  15. 前記振動板は、当該振動板の端部に形成され、前記スピーカフレームに形成された被嵌合部に嵌合する嵌合部を有し、
    前記振動板の前記嵌合部と、前記スピーカフレームの前記被嵌合部とが嵌合して、前記振動板と前記スピーカフレームとの位置合わせを行うことを特徴とする請求項13に記載のスピーカ。
  16. 前記振動板は、端部が筒形状に形成され、当該筒形状の内側面が、前記スピーカフレームに形成された係合段部の外側面に固定されていることを特徴とする請求項15に記載のスピーカ。
  17. 前記ボイスコイルは、前記ボイスコイルボビンの断面L字形状部に接着剤により固定されていることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ。
  18. 前記プレートと前記ヨーク間の磁気間隙において、少なくとも前記ボイスコイルの振動範囲内で磁束分布が略均一となるように前記プレートまたは前記磁石の端部に傾斜面部が形成されていることを特徴とする請求項9から請求項17のいずれか一に記載のスピーカ。
  19. 前記振動板は、金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか一に記載のスピーカ。
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