JP2018152730A - 電気音響振動板およびこれを用いる電気音響変換器 - Google Patents

電気音響振動板およびこれを用いる電気音響変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁型駆動方式であるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器に適した電気音響振動板、および、電気音響変換器を提供する。
【解決手段】電気音響振動板3a、3bは、略平板状の振動板部30と、振動板部の端部に形成されて駆動ロッドが接続される駆動ロッド接続部31と、を有する。振動板部が、振動板部を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた複数のディンプル32と、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部34と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ユーザーの耳に装着されて音声再生するイヤホンに用いる電気音響変換器の電気音響振動板に関し、特に、バランスドアーマチュア型の電気音響変換器に適した電気音響振動板に関する。
ユーザーの耳に装着されて音声再生するイヤホンに用いる電気音響変換器は、小型で軽量であることが求められており、電磁型であるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器が用いられる場合がある。電磁型の電気音響変換器は、振動するアーマチュアに駆動ロッドを介して接続された電気音響振動板が振動して、電気信号を音波に変換する。
バランスドアーマチュア型の電気音響変換器では、小型のケース内で電気音響振動板が振動するので、音道で定在波が発生しやすく、また、振動板には大きな圧力が掛かる。振動板には、強度が求められるので、アルミニウム、チタン、ステンレス製等の金属系材料が用いられる場合が多く、振動板の強度を保つためにリブを設ける場合がある。
例えば、従来には、互いに対向して配置された一対のマグネットと、一対のマグネットが取り付けられたヨークと、駆動電流が供給されるコイルと、コイルに駆動電流が供給されたときに振動する振動部が設けられ振動部がコイルを貫通されて一対のマグネットの間に配置されたアーマチュアとを有する駆動ユニットと、 開口を有する保持枠と、保持枠の開口を覆う状態で保持枠に貼り付けられた樹脂フィルムと、樹脂フィルムに貼り付けられた状態で保持枠の内側に保持された振動板と、振動板に一体に形成され先端部がアーマチュアの振動部に連結され振動部の振動を振動板に伝達する梁部と、を有する振動板ユニットとを備えた音響変換装置がある(特許文献1)。
特許文献1の段落0089には、振動板22が厚みの薄い金属材料、例えば、アルミニウム又はステンレスによって外形が保持枠20の内形より一回り小さくされた矩形状に形成されていること、さらに、振動板22には前後に延び左右に離隔して位置された補強リブ22a、22a、22aが設けられ、該補強リブ22a、22a、22aは上方へ打ち出された形状に形成されていること、が開示されている。このように、バランスドアーマチュア型の電気音響変換器では、振動板にリブを設けるにしても、駆動ユニットに接触しないように上方側へ設けるのみであって、十分な強度が得られにくいという問題がある。
また、バランスドアーマチュア型の電気音響変換器の製造においては、音圧感度のバラツキが大きく、品質管理上の問題となる場合がある。これは、バランスドアーマチュア型の電気音響変換器のケース内において、振動板の音道内での相対的な位置が安定しないことに主な要因がある。つまり、振動板が音道を形成するケースに近づいて相対距離が近くなると、再生音圧レベルが極端に大きくなる場合があり、品質管理上の許容範囲から外れてしまうからである。振動板に上方側へ突出するようなリブを設けると、同様の問題が発生しやすくなる。
特開2012−004850号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザーの耳に装着されて音声再生するイヤホンに用いる電気音響変換器の電気音響振動板に関し、特に、電磁型駆動方式であるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器に適した電気音響振動板を提供することにある。
本発明の電気音響振動板は、略平板状の振動板部と、振動板部の端部に形成されて駆動ロッドが接続される駆動ロッド接続部と、を有する電気音響振動板であって、振動板部が、振動板部を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた複数のディンプルと、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部と、を備える。
好ましくは、本発明の電気音響振動板は、複数のディンプルを規定する凹部または凸部の外形が、円形状、又は、幅寸法および長さ寸法が略等しい多角形状である。
また、好ましくは、本発明の電気音響振動板は、複数のディンプルを規定する凹部または凸部が、縦、横、又は、斜めの何れかに並んで整列されている。
また、好ましくは、本発明の電気音響振動板は、複数のディンプルを規定する凸部が、全て振動板部を形成する基材の一方側に揃えられて形成されている。
また、好ましくは、本発明の電気音響振動板は、少なくとも振動板部を形成する基材が、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含み、基材の表面に水酸化マグネシウム層が形成されている。
また、本発明の電気音響変換器は、上記の電気音響振動板と、電気音響振動板の周囲を支持する振動板枠部と、電気音響振動板の駆動ロッド接続部に接続する駆動ロッド部と、駆動ロッド部を振動させるアーマチュア部を含む磁気駆動部と、磁気駆動部および振動板枠部を内側に収めて駆動ロッド部および磁気駆動部とは反対側に電気音響振動板から放射される音波を導く音道を形成するケース部と、を備える。
また、本発明の電気音響変換器は、複数のディンプルを規定する凸部が、全て振動板部を形成する基材の一方側に揃えられて形成されている電気音響振動板を備える電気音響変換器であって、複数のディンプルの凸部が、基材の一方側であって音道の側に揃えられて配置されている。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の電気音響振動板は、略平板状の振動板部と、振動板部の端部に形成されて駆動ロッドが接続される駆動ロッド接続部と、を有する電気音響振動板である。したがって、電気音響振動板の周囲を支持する振動板枠部と、電気音響振動板の駆動ロッド接続部に接続する駆動ロッド部と、駆動ロッド部を振動させるアーマチュア部を含む磁気駆動部と、磁気駆動部および振動板枠部を内側に収めて駆動ロッド部および磁気駆動部とは反対側に電気音響振動板から放射される音波を導く音道を形成するケース部と、を備えて、電磁型駆動方式であるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器を構成することができる。
電気音響振動板は、振動板部が、振動板部を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた複数のディンプルと、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部と、を備える。複数のディンプルを規定する凹部または凸部は、縦、横、又は、斜めの何れかに並んで整列される。ディンプルは、振動板部の基材を曲げて変形された凹部または凸部から規定されて、ディンプルを備えない場合に比較して振動板部の強度を高めることができる。
したがって、略平板状の振動板部を備えるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器に適する電気音響振動板であっても、十分な強度を得ることができる。好ましくは、振動板部を形成する基材が、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含み、基材の表面に水酸化マグネシウム層が形成されていれば、さらに再生音圧周波数特性を広くして、音圧レベルを高めることができる。
バランスドアーマチュア型の電気音響変換器では、振動板の音道内での相対的な位置が安定しない場合に、再生音圧レベルが極端に大きくなるような品質管理上の問題が発生しやすい。凸状または凹状の連続したリブを振動板に設けるような従来の振動板の場合は、それが顕著になる。連続したリブを振動板に設けると、リブが音道を形成するケースの上面に近づいて相対距離が近くなる面積が広くなり、実質的に振動板が音道を形成するケースの上面に近づくことになるからである。しかし、本発明のように、複数のディンプルと、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部と、を備える電気音響振動板であれば再生音圧レベルのバラツキが少なくなり、製造上の歩留まりを改善することができる。
電気音響振動板の振動板部のディンプルを規定する凹部または凸部の外形は、円形状、又は、幅寸法および長さ寸法が略等しい多角形状である。その結果、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部が形成される。つまり、複数のディンプルは、凸状または凹状の連続したリブのように、平面部から一方側または他方側へ大きく突出した部分を形成せずに、振動板部における平面部を相対的に広くするので、振動板部が十分な強度を得る場合にも、振動板が音道を形成するケースの上面への平均的な相対距離が近くならずに、バランスドアーマチュア型の電気音響変換器における音道の体積を大きくすることができる。
具体的には、電気音響振動板は、複数のディンプルを規定する凸部が、全て振動板部を形成する基材の一方側に揃えられて形成されているようにするのが好ましい。この場合には、複数のディンプルの凸部が、基材の一方側であって音道の側に揃えられて配置されている電気音響変換器を構成することができる。振動板が音道を形成するケースの上面への相対距離を大きくして、かつ、振動板が磁気駆動部に接触して異音を生じる等の不具合を防止することができる。
本発明の電気音響振動板は、振動板部が十分な強度を有し、振動板の音道内での相対的な位置が安定しにくいバランスドアーマチュア型の電気音響変換器に用いる場合に、再生音圧レベルのバラツキが少なくなり、製造上の歩留まりを改善することができる。
本発明の一実施形態に係る電気音響変換器の具体的な構造を示す断面図および斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電気音響変換器の具体的な構造を示す展開図である。 本発明の一実施形態に係る電気音響振動板の具体的な構造を示す斜視図である。 比較例の電気音響振動板の具体的な構造を示す斜視図である。 本発明の電気音響変換器および比較例の電気音響変換器の音圧周波数特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電気音響変換器の振動板の音道内での相対的な位置の変化による音圧周波数特性の変化を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る電気音響変換器の音圧周波数特性の変化を示すグラフである。 比較例の電気音響変換器の振動板の音道内での相対的な位置の変化による音圧周波数特性の変化を示すグラフである。 比較例の電気音響変換器の振動板の音道内での相対的な位置の変化による音圧周波数特性の変化を示すグラフである。 比較例の電気音響変換器の振動板の音道内での相対的な位置の変化による音圧周波数特性の変化を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態による電気音響振動板および電気音響変換器について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る電気音響変換器1の具体的な構造を示す図である。図1(b)は電気音響変換器1の斜視図であり、図1(a)はそのA−A断面図である。また、図2は電気音響変換器1の構成を説明する展開図である。具体的には、電気音響変換器1はバランスドアーマチュア型の電気音響変換器であって、突出部分を含む全長が約7.35mm、全幅が約3.45mm、全高が約3.00mmという非常に小さい略直方体形状の構造物である。したがって、電気音響変換器1は、ユーザーの耳に装着して音声再生するイヤホン、特に、カナル型のイヤホン等に適する電気音響変換器である。
電気音響変換器1は、その筐体を形成するケース13の内部に振動板3を含んでいる。電気音響変換器1は、端子17に供給される音声信号を電気音響変換して振動板3を振動させて、出力孔21から音声を再生する。ケース13の内部には、振動板3を含む振動板ユニット2と、振動板ユニット2に接続する駆動ロッド6と、駆動ロッド6を振動させるアーマチュア8を含む磁気駆動部7と、が収められている。
ケース13は、略直方体形状の下側ケース体14と、下側ケース体14の上面を覆う上側ケース体15と、出力孔21を規定するノズル部16と、音声信号が入力される端子17と、を含む。下側ケース体14と、上側ケース体15およびノズル部16は、非磁性のアルミニウム等の金属材料により形成されている。ケース13の内部は、振動板ユニット2を境にして、磁気駆動部7が収まる空間18と、振動板3から放射される音波を導く音道19と、に分離される。音道19は、上側ケース体15に設けられる音孔20を介して、ノズル部16が規定する出力孔21に連通する。
振動板ユニット2は、略平板状の振動板3と、振動板3の周囲を柔軟に支持するエッジ4と、エッジ4の周囲をケース13に対して固定する振動板枠5と、を含む。振動板3は、後述するように、略平板状の振動板部30と、振動板部30の端部に形成されて駆動ロッド6が接続される駆動ロッド接続部31と、を有し、複数のディンプル32が形成されている。振動板3は、柔軟なエッジ4によってその周囲を支持されるので、駆動ロッド6の振動に応じて振動する。エッジ4は、厚み約15μmのウレタン系エラストマーを材料とするフィルム材で形成されている。振動板枠5は、ケース13と同様の材料により形成されている。振動板枠5は、柔軟なエッジ4の外周側を固定し、下側ケース体14の内面側の所定位置に固定される。
駆動ロッド6は、一端側が振動板ユニット2の振動板3に接続し、他方端側が磁気駆動部7のアーマチュア8に接続する。駆動ロッド6は、直径が約0.05mmのステンレスを材料とする棒状の部材である。駆動ロッド6の一端側は、振動板部30の端部に形成される孔である駆動ロッド接続部31に嵌合する。駆動ロッド6の他端側は、アーマチュア8の振動する端部に連結される。アーマチュア8は、強磁性体金属であるパーマロイの板材を所定形状に形成し、これを略U字状または略E字状に曲げて形成した部材である。
アーマチュア8を含む磁気駆動部7は、さらに、端子17から音声信号が供給される巻線である環状のコイル9と、コイル9に隣接するように取り付けられる磁性体金属で環状に形成されるヨーク10と、ヨーク10の内部に取り付けられるマグネット11および12と、を備えている。ヨーク10と着磁されたマグネット11および12は、それらの間に形成される磁気空隙に直流磁界を生じさせる。アーマチュア8の駆動ロッド6が連結される端部側は、環状のコイル9およびヨーク10の内部側を通過して、振動可能な状態でこの磁気空隙に配置される。一方で、アーマチュア8の駆動ロッド6が連結されない反対の端部側は、ヨーク10の上端面に固定される。
電磁型の電気音響変換器1では、磁性体であるアーマチュア8が配置される磁気空隙に生じる磁界を変化させて、その吸引力の変化を利用する。つまり、アーマチュア8は、曲げられたアーマチュア8の弾性力と、マグネット11および12が形成する直流磁界の吸引力とをバランスさせて、磁気空隙中の所定位置に振動可能な状態で配置する必要がある。コイル9に音声信号が供給されると、信号電流に応じた交流磁界が発生し、磁性体金属であるアーマチュア8が磁化される。アーマチュア8の一端側は、直流磁界が形成された磁気空隙中に振動可能な状態で配置されているので、磁化の変化に応じたPush−Pull動作を行うように駆動力が働いて、その結果、図1(a)のA−A断面図での上下方向に駆動ロッド6を動かすように振動する。
したがって、電気音響変換器1では、駆動ロッド6が接続する振動板ユニット2の振動板3が、図1(a)のA−A断面図での上下方向に振動して音波を音道19内に発生させる。図1(a)の断面図に図示するとおり、音道19は、ケース13の内部において振動板ユニット2の所定の位置Z0よりも上方側(F側)に規定される空間であり、音波の出口である出力孔21に連通する。音道19は極めて小さな空間であるが、その体積は、振動板ユニット2の振動板3と上側ケース体15の内部側の面との距離が大きくなれば、大きくなることになる。
一方で、ケース13の内部において振動板ユニット2の下方側には、図1(a)の断面図に図示するとおり、駆動ロッド6および磁気駆動部7が収まる空間18が必要である。磁気駆動部7並びにアーマチュア8は、振動板ユニット2の振動板3が大きく振幅するように振動しても接触して異音を発生させないように、振動板ユニット2の位置Z0よりも下方側(B側)へ十分に離隔させる必要がある。そこで、仮に空間18を大きくしていくと、振動板ユニット2の反対側の音道19が小さくなるので、これらは相反する関係にある。
従来のバランスドアーマチュア型の電気音響変換器では、振動板ユニット2の振動板3の位置Z0が製造工程上で安定しない場合に、再生音圧レベルが極端に大きくなるような品質管理上の問題が発生しやすい。つまり、極めて狭い音道19内での振動板3の静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)へ少しでも動けば、音道19の体積が変化して、その結果再生音圧レベルがばらつくという問題になる。振動板3が音道19を形成する上側ケース体15の内部側の面に近づいて相対距離が小さくなると、再生音圧レベルが極端に大きくなる場合がある。
図3は、本実施例の振動板3の具体的な構造を示す斜視図である。本実施例の電気音響変換器1では、図1および図2に示す振動板ユニット2の振動板3を、図示および以下に説明するような複数のディンプル32が形成されている振動板3a、または、振動板3bのように形成することで、従来のバランスドアーマチュア型の電気音響変換器で生じるような課題を解決している。以下では、図1および図2に示す振動板3の具体的な実施例として、図3(a)に示す振動板3a、または、図3(b)に示す振動板3bを用いる電気音響変換器1について説明する。
本実施例の振動板3a並びに3bは、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む基材によって、振動板部30を形成している。本実施例の振動板3aおよび3bは、極めて小さくて軽い振動板であり、その大きさは、縦:約3.96mm、横:約2.20mmであり、基材の厚みは約0.045mmである。振動板3a並びに3bは、マグネシウム合金を含む基材の表面に水酸化マグネシウム層が形成されているので、水酸化マグネシウム層が形成されていない場合に比べ表面硬度が向上して剛性が高くなり、十分な強度を得ることができる。
また、振動板3a並びに3bは、略平板状の振動板部30と、振動板部30の端部に形成されて駆動ロッド6が接続される駆動ロッド接続部31と、を有し、複数のディンプル32(または33)が形成されていて、複数のディンプル32の間に基材が厚み方向に変形しない平面部34と、を備える点で共通する。振動板3a並びに3bの相違点は、複数のディンプル32(または33)の数と、それらの向きと配列が異なるところである。本実施例のディンプルを規定する凹部または凸部の外形は、円形状であり、その直径は約0.30mmである。また、ディンプルを規定する凹部または凸部の高さは、平面部34から突出した先端までの距離が約0.05mmである。
振動板3aでは、略平板状の振動板部30に縦5行横5列の合計25のディンプル32および33が設けられている。ディンプル32は上方側(F側)に凸状のディンプルであり、反対に、ディンプル33は下方側(B側)に凸状のディンプルである。ここでのディンプルとは、振動板部30を形成する基材を、一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた部分をいう。したがって、ディンプル33は、ディンプル32が凸状に突出する上方側(F側)から見ると、凹状にへこんで他方側に突出する部分となる。振動板3aでは、縦方向または横方向において、凸状のディンプル32と凹状のディンプル33とが交互に出現するように配置されている。結果として、斜め方向では、凸状のディンプル32同士が、または、凹状のディンプル33同士が、交互に出現する。後述するように、振動板3aでは、複数のディンプルの間には、基材が厚み方向に変形しない平面部34が広く形成される。
次に、振動板3bでは、略平板状の振動板部30に縦3行横3列の合計9のディンプル32が設けられている。ディンプル32は上方側(F側)に凸状のディンプルであり、振動板3bでは、上方側(F側)から見ると凸状に突出するディンプル32のみが出現するように配置されている。つまり、ディンプル32を規定する凸部が、全て振動板部30を形成する基材の一方側に揃えられて形成されている。また、振動板3bでは、複数のディンプル32の間には、基材が厚み方向に変形しない平面部34がさらに広く形成される。
振動板3a並びに3bにおいて、ディンプル32および33は、略平板状の振動板部30の剛性を高めて、その結果、それぞれ振動板3a並びに3bの剛性を高めることができる。本実施例のディンプルを規定する凹部または凸部の外形は、直径が約0.30mmの円形状であるが、円形状に限られず、楕円形状またはトラック形状、または、幅寸法および長さ寸法が略等しい多角形状であればよく、正多角形(例えば、正三角形、正四角形、正五角形、正六角形、正八角形、正十二角形、等。)であってもよい。本実施例の振動板3a並びに3bは、略平板状の振動板部30の剛性を高めるのにディンプル32および/または33を備えるので、平面部34から一方側または他方側へ大きく突出した部分を形成せずに、振動板部30における平面部34を相対的に広くするので、後述するように突出する連続したリブを形成するような従来の振動板300の場合よりも、剛性が高くなり、また、再生音圧レベルがばらつくという問題を回避することができる。
図4は、比較例の振動板300の具体的な構造を示す斜視図である。具体的には、図4(a)〜図4(d)は、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む基材によって、振動板部30を形成しているなどの点で本実施例の振動板3a並びに3bと共通する比較例の振動板300a〜300dである。例えば、図4(a)の振動板300aは、略平板状の振動板部30にディンプルまたはリブなどの剛性を高める構造を備えない点で、実施例または他の比較例の場合と相違する。したがって、比較例の振動板300aは、当然に、振動板部30の平面部34から一方側または他方側へ大きく突出した部分が形成されない。
次に、比較例の振動板300b〜300dは、実施例の振動板3a並びに3bに比較して、振動板部30に設ける剛性を高める構造が、複数のディンプルではなく幅に対して長さが長いリブである点で相違する。図4(b)は、略平板状の振動板部30に3つ縦方向に長いリブ35が設けられている振動板300bの斜視図である。振動板300bの3つのリブ35は、それぞれ全て上方側(F側)から見ると凸状に突出するリブである。リブ35の高さは、平面部34から突出した先端までの距離が約0.08mmである。
したがって、比較例の振動板300bでは、平面部34から上方側へ大きく突出したリブ35が形成されるので、振動板部30における平面部34が相対的に狭くなっている。そして、振動板300bでは、音道19を形成する上側ケース体15の内部側の面にリブ35が近づくことになるので、振動板300bと上側ケース体15の内部側の面との相対距離が、実施例の場合よりも実質的に小さくなる。
次に、図4(c)は、略平板状の振動板部30に3つ縦方向に長いリブ36が設けられている振動板300cの斜視図である。振動板300cの3つのリブ36は、それぞれ全て上方側(F側)から見ると凹状にへこむリブであり、下方側(B側)から見ると凸状に突出するリブである。リブ36の高さは、上述のリブ35の高さと同じである。したがって、比較例の振動板300cでは、平面部34から下方側へ大きく突出したリブ36が形成されるので、振動板部30における平面部34が相対的に狭くなっている。そして、振動板300cでは、音道19を形成する上側ケース体15の内部側の面からリブ36が遠ざかるので、振動板300cと上側ケース体15の内部側の面との相対距離が、実施例の場合よりも実質的に大きくなる。
さらに、図4(d)は、略平板状の振動板部30に3つ縦方向に長いリブ35、36、35が設けられている振動板300dの斜視図である。振動板300dの2つのリブ35は、上方側(F側)から見ると凸状に突出するリブであり、リブ36は、上方側(F側)から見ると凹状にへこむリブであり、下方側(B側)から見ると凸状に突出するリブである。したがって、比較例の振動板300dでは、平面部34から上方側へ大きく突出したリブ35と下方側へ大きく突出したリブ36とが形成されるので、振動板部30における平面部34が相対的に狭くなっている。そして、振動板300dでは、音道19を形成する上側ケース体15の内部側の面からリブ35が近づき、一方でリブ36が遠ざかる。
図5は、本実施例の電気音響変換器1および比較例の(図示しない)電気音響変換器の音圧周波数特性を示すグラフである。具体的には、電気音響変換器1は、上記の実施例の振動板3aを備える場合であり、グラフでは太い実線で記載している。一方で、比較例の電気音響変換器は、上記の比較例の振動板300aまたは振動板300bを、実施例の振動板3aに代えて備える場合である。比較例の振動板300aの場合を細い点線で記載し、比較例の振動板300bの場合を細い一点鎖線で記載している。なお、図5のグラフでは、実施例または比較例の場合に共通して、イヤホンの実施形態を想定して、出力孔21を規定するノズル部16にチューブ(内直径約1.4mm×長さ約10mm)を取り付けた場合である。
したがって、図5のグラフは、上記の実施例の振動板3aが備える複数のディンプル32または33が発揮する振動板の剛性向上の効果を示している。複数のディンプル32または33を備える振動板3aの場合には、約3kHz以下の帯域において略平板状の振動板部30にリブなどの剛性を高める構造を備えない振動板300aの場合よりも、再生音圧レベルを高めることができるという利点がある。また、2次共振モードであるピークの周波数が、比較例の振動板300aの場合に約6kHzであり、比較例の振動板300bの場合に約8kHzであるのに対して、実施例の振動板3aでは約10kHzに上昇している。これは、実施例の振動板3aの場合が最も振動板部30の剛性が高いことを示しており、振動板3aを備える電気音響変換器1が再生可能な周波数帯域が、比較例の場合よりも高音域まで伸長していることを示している。
次に、図6は、本実施例の電気音響変換器1の振動板3aが、音道19内での相対的な位置が変化した場合に、現れる音圧周波数特性の変化を示すグラフである。具体的には、電気音響変換器1は、上記の実施例の振動板3aを備えている点で共通している。太い実線で記載しているグラフは、振動板3aが標準的な位置Z0に位置する場合「F:0.26/B:0.60」であり、振動板3aから音道19を形成する上側ケース体15までの距離が約0.26mmの場合である。一方で、細い点線で記載しているグラフは、振動板3aが標準的な位置Z0からわずかに上側に位置する場合「F:0.10/B:0.76」であり、振動板3aから音道19を形成する上側ケース体15までの距離が差分の約0.16mmだけ短くなった場合である。同様に、細い一点鎖線で記載しているグラフは、振動板3aが標準的な位置Z0からわずかに下側に位置する場合「F:0.43/B:0.43」であり、振動板3aから音道19を形成する上側ケース体15までの距離が差分の約0.17mmだけ長くなった場合である。
つまり、図6のグラフは、極めて狭い音道19内での振動板3aの静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)に動いた場合に再生音圧レベルがばらつく可能性がある範囲を示している。細い点線の場合には、振動板3aが所定の位置であるZ0からわずかに上方側(F側)に取り付けられてしまうと、主要な音声再生帯域である約8kHz以下の周波数帯域において、音圧レベルが10dB近くも高くなることがあり得ることを意味する。一方で、細い一点鎖線での場合には、振動板3aが所定の位置であるZ0からわずかに下方側(B側)に取り付けられてしまうと、音圧レベルが約5dB近くも低くなることがあり得ることを意味する。望ましくは、振動板3aの静止位置に係わらず、再生音圧レベルのばらつきが小さく、振動板3aが所定の位置であるZ0の場合である太い実線から変化しない方が良い。
次に、図7は、図6の場合と同様に、本実施例の電気音響変換器1の振動板3bが、音道19内での相対的な位置が変化した場合に、現れる音圧周波数特性の変化を示すグラフである。上記実施例の振動板3aの場合と同様に、太い実線で記載しているグラフは、振動板3bが標準的な位置Z0に位置する場合「F:0.26/B:0.60」であり、細い点線で記載しているグラフは、振動板3bが標準的な位置Z0からわずかに上側に位置する場合「F:0.10/B:0.76」であり、細い一点鎖線で記載しているグラフは、振動板3bが標準的な位置Z0からわずかに下側に位置する場合「F:0.43/B:0.43」である。
図7のグラフは、同様に、極めて狭い音道19内での実施例の振動板3bの静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)に動いた場合に再生音圧レベルがばらつく可能性がある範囲を示している。しかし、細い点線のグラフと、細い一点鎖線のグラフとの差異は、主要な音声再生帯域である約8kHz以下の周波数帯域において、図6の場合とそれほど相違がない。後述するように、実施例の振動板3aまたは3bの場合には、振動板が所定の位置からずれた場合にも、比較的に再生音圧レベルのばらつきが小さくなるといえる。
次に、図8は、図6または図7の場合と同様に、比較例の電気音響変換器の振動板300bが、音道19内での相対的な位置が変化した場合に、現れる音圧周波数特性の変化を示すグラフである。太い実線で記載しているグラフは、振動板300bが標準的な位置Z0に位置する場合「F:0.26/B:0.60」であり、細い点線で記載しているグラフは、振動板300bが標準的な位置Z0からわずかに上側に位置する場合「F:0.10/B:0.76」であり、細い一点鎖線で記載しているグラフは、振動板300bが標準的な位置Z0からわずかに下側に位置する場合「F:0.43/B:0.43」である。
図8のグラフでは、極めて狭い音道19内で振動板300bの静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)に動いた場合には、図6または図7に図示する実施例の振動板3aまたは3bの場合に比較して、再生音圧レベルのばらつく範囲が、大きくなる可能性があることを示している。図8のグラフでは、細い点線のグラフと、細い一点鎖線のグラフとの差異は、主要な音声再生帯域である約8kHz以下の周波数帯域において、図6または図7の場合よりも大きくなっているので、再生音圧レベルのばらつきが実施例の場合よりも大きくなる恐れがある。
次に、図9は、図6〜図8の場合と同様に、比較例の電気音響変換器の振動板300cが、音道19内での相対的な位置が変化した場合に、現れる音圧周波数特性の変化を示すグラフである。太い実線で記載しているグラフは、振動板300cが標準的な位置Z0に位置する場合「F:0.26/B:0.60」であり、細い点線で記載しているグラフは、振動板300cが標準的な位置Z0からわずかに上側に位置する場合「F:0.10/B:0.76」であり、細い一点鎖線で記載しているグラフは、振動板300cが標準的な位置Z0からわずかに下側に位置する場合「F:0.43/B:0.43」である。
図9のグラフでは、極めて狭い音道19内で振動板300cの静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)に動いた場合には、図6または図7に図示する実施例の振動板3aまたは3bの場合に比較して、再生音圧レベルのばらつく範囲が、大きくなる可能性があることを示している。図9のグラフでは、太い実線のグラフと、細い一点鎖線のグラフとの差異は、主要な音声再生帯域である約8kHz以下の周波数帯域において、ほとんど無く逆転さえしている周波数帯域がある。これは、振動板300cを所定位置であるZ0に配置しても、品質管理上の許容範囲の最下限になってしまう可能性があることを示しており、製造上の歩留まりを改善することが期待できないという問題が発生するおそれがある。
次に、図10は、図6〜図9の場合と同様に、比較例の電気音響変換器の振動板300dが、音道19内での相対的な位置が変化した場合に、現れる音圧周波数特性の変化を示すグラフである。太い実線で記載しているグラフは、振動板300dが標準的な位置Z0に位置する場合「F:0.26/B:0.60」であり、細い点線で記載しているグラフは、振動板300dが標準的な位置Z0からわずかに上側に位置する場合「F:0.10/B:0.76」であり、細い一点鎖線で記載しているグラフは、振動板300dが標準的な位置Z0からわずかに下側に位置する場合「F:0.43/B:0.43」である。
図10のグラフでは、極めて狭い音道19内で振動板300dの静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)に動いた場合には、図6または図7に図示する実施例の振動板3aまたは3bの場合に比較して、再生音圧レベルのばらつく範囲が、かなり大きくなる可能性があることを示している。図10のグラフでは、細い点線のグラフと、細い一点鎖線のグラフとの差異は、主要な音声再生帯域である約8kHz以下の周波数帯域において、他の実施例および他の比較例の場合よりも大きくなっているので、再生音圧レベルのばらつきがかなり大きくなり、製造上の歩留まりを改善することが期待できないという問題が発生するおそれがある。
なお、図6〜図10のグラフでは、実施例または比較例の場合に共通して、出力孔21を規定するノズル部16に図5のグラフの場合に取り付けることを想定したチューブを、取り付けない場合である。
図6〜図10のグラフを比較して検討すると、図6並びに図7の実施例の場合は、実施例の振動板3a並びに振動板3bが、振動板部30を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた複数のディンプル32(または33)と、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部34と、を備える。その一方で、図8〜図10の比較例の場合は、比較例の振動板300b、300c並びに振動板300dが、凸状または凹状の連続したリブ35または36を振動板部30に設けている。これは、極めて狭い音道19内での振動板3bの静止位置が、所定位置であるZ0から上方側(F側)または下方側(B側)に動いた場合に、連続したリブ35または36を振動板部30に設けると、音道19の体積の変化がディンプル32または33を設ける場合よりも比較的に大きくなってしまい、結果的に再生音圧レベルがばらつく範囲が大きくなるからである。
したがって、略平板状の振動板部30を備えるバランスドアーマチュア型の電気音響変換器1に適する電気音響振動板3としては、連続したリブ35または36よりも、振動板部30を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた複数のディンプル32または33を設ける方が好ましい。複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部34を広く設けることができるので、振動板3が音道19を形成する上側ケース体15の内部側の面に近づいて相対距離が小さくなる場合にも、再生音圧レベルが極端に大きくなることを防止することができるからである。したがって、電気音響変換器1の再生音圧レベルのバラツキが少なくなり、製造上の歩留まりを改善することができる。
特に、実施例の振動板3bの場合には、合計9のディンプル32を規定する凸部が、全て振動板部30を形成する基材の一方側である上方側(F側)に揃えられて形成されている。したがって、実施例の電気音響変換器1では、複数のディンプル32の凸部が、ケース13内の音道19の側に揃えられて配置されていることになる。この場合には、振動板3bの下方側(B側)には、凸部が突出しない。したがって、実施例の電気音響変換器1では、振動板3bが磁気駆動部7の上端面であるアーマチュア8の固定部に接触して異音を生じる等の不具合を防止することができる。また、実施例の振動板3bの場合には、振動板が所定の位置からずれた場合にも、再生音圧レベルのばらつきを抑えて、造上の歩留まりを改善することができる。
なお、上記の実施例の振動板3aまたは3bでは、略平板状の振動板部30に、縦5行横5列、または、縦3行横3列のディンプル32および33を設けているが、複数のディンプルの数、凹凸の向き、並びに配列は、上記の実施例の場合に限られない。複数のディンプルは、2つ以上のディンプルであればよく、列を形成するように配置しても、振動板部30にバラバラに言わばランダムに配置してもよい。複数のディンプルは、振動板部30を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させるように、それぞれの凹部または凸部の外形を円形状、又は、幅寸法および長さ寸法が略等しい多角形状にして、複数のディンプルの間に基材が厚み方向に変形しない平面部34を形成するようにすればよい。複数のディンプルは、振動板部30が十分な強度を得る場合にも、振動板部30における平面部34を相対的に広くすることができる。
また、振動板3a並びに3bにおけるディンプル32および33を規定する凹部または凸部の外形は、実施例のような円形に限られない。上述の通り、ディンプルは、他の多角形状であってもよく、また、突出する連続したリブを形成しないように、幅寸法および長さ寸法が略等しいような凹部または凸部の形状であればよい。複数のディンプルの高さは、振動板部30を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させても破断しない程度の寸法であればよい。
また、上記の実施例の振動板3aまたは3bでは、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む基材によって、振動板部30を形成している。ただし、振動板の基材は、軽量で剛性が高く、強度が得られるアルミニウム、チタン、ステンレス等の他の金属系材料であってもよい。ただし、振動板3aまたは3bは、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む基材の表面に水酸化マグネシウム層を形成することで、さらに軽量であり、かつ、表面硬度を向上することで、剛性を高くすることができる。その結果、実施例の振動板3aまたは3bを備える電気音響変換器1では、再生音圧レベルを高めて、再生可能な周波数帯域を比較例の場合よりも高音域まで伸長することができる。もちろん、振動板3aまたは3bの基材の厚み寸法、並びに外径寸法、振動板部30並びに駆動ロッド接続部31の構成及び配置についても、上記実施例の構成に限定されない。
本発明の電気音響振動板を用いる電磁型の電気音響変換器は、ユーザーの耳に装着して音声再生するイヤホン、特に、カナル型のイヤホンに限らず、他のハウジングとヘッドバンドとを備えるオーバーヘッド型のヘッドホンであってもよい。また、本発明の電気音響振動板並びに電気音響変換器は、家庭用のモノラル再生、ステレオ再生、もしくはマルチチャンネルサラウンド再生に限られず、携帯型のオーディオ機器や、携帯電話、スマートフォン等の携帯電子機器の音声再生に用いる電気音響変換器にも適用が可能である。
1 電気音響変換器
2 振動板ユニット
3、3a、3b、300a、300b、300c、300d 振動板
4 エッジ
5 振動板枠
6 駆動ロッド
7 磁気駆動部
8 アーマチュア
9 コイル
10 ヨーク
11、12 マグネット
13 ケース
14 下側ケース体
15 上側ケース体
16 ノズル部
17 端子
18 空間
19 音道
20 音孔
21 出力孔

Claims (7)

  1. 略平板状の振動板部と、該振動板部の端部に形成されて駆動ロッドが接続される駆動ロッド接続部と、を有する電気音響振動板であって、
    該振動板部が、該振動板部を形成する基材を一方側がへこんで他方側に突出するように厚み方向に変形させた複数のディンプルと、複数の該ディンプルの間に該基材が厚み方向に変形しない平面部と、を備える、
    電気音響振動板。
  2. 複数の前記ディンプルを規定する凹部または凸部の外形が、円形状、又は、幅寸法および長さ寸法が略等しい多角形状である、
    請求項1に記載の電気音響振動板。
  3. 複数の前記ディンプルを規定する凹部または凸部が、縦、横、又は、斜めの何れかに並んで整列されている、
    請求項1または2に記載の電気音響振動板。
  4. 複数の前記ディンプルを規定する凸部が、全て前記振動板部を形成する前記基材の一方側に揃えられて形成されている、
    請求項1から3のいずれかに記載の電気音響振動板。
  5. 少なくとも前記振動板部を形成する前記基材が、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含み、該基材の表面に水酸化マグネシウム層が形成されている、
    請求項1から4のいずれかに記載の電気音響振動板。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の前記電気音響振動板と、該電気音響振動板の周囲を支持する振動板枠部と、該電気音響振動板の前記駆動ロッド接続部に接続する駆動ロッド部と、該駆動ロッド部を振動させるアーマチュア部を含む磁気駆動部と、該磁気駆動部および該振動板枠部を内側に収めて該駆動ロッド部および該磁気駆動部とは反対側に該電気音響振動板から放射される音波を導く音道を形成するケース部と、
    を備える、電気音響変換器。
  7. 請求項4に記載の前記電気音響振動板を備える請求項6に記載の電気音響変換器であって、複数の前記ディンプルの前記凸部が、前記基材の一方側であって前記音道の側に揃えられて配置されている、電気音響変換器。
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