JP2000343972A - 自動車の動力伝達構造 - Google Patents

自動車の動力伝達構造

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JP2000343972A
JP2000343972A JP11334216A JP33421699A JP2000343972A JP 2000343972 A JP2000343972 A JP 2000343972A JP 11334216 A JP11334216 A JP 11334216A JP 33421699 A JP33421699 A JP 33421699A JP 2000343972 A JP2000343972 A JP 2000343972A
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    • B62D21/00Understructures, i.e. chassis frame on which a vehicle body may be mounted
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
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    • B60K17/22Arrangement or mounting of transmissions in vehicles characterised by arrangement, location, or type of main drive shafting, e.g. cardan shaft
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前面衝突時におけるプロペラシャフトの詰ま
り量の増大と、フロアトンネルの開き防止を図ることが
できる自動車の動力伝達構造を提供する。 【解決手段】 フロアトンネル6の側壁同士を連結する
ステー19を設定すると共に、該ステー1119の設定
位置がガイドフランジ(大径部)18の上端と車両衝突
に干渉し得る位置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動車の動力伝達
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車前部のエンジンルーム内に配置さ
れたエンジンの動力は、フロアトンネル内に配されたプ
ロペラシャフトを介して、車体後部のファイナルドライ
ブに伝えられ、そこで後輪を駆動させる(類似技術とし
て、特開平9−300996号公報参照)。この種のプ
ロペラシャフトは、円滑な動力伝達を可能にするため、
途中にジョイント部を有し、そのジョイント部付近をセ
ンタベアリング(軸受)により回転自在に支持してい
る。このセンタベアリングはブラケットを介してフロア
トンネルの左右側壁に取付けられている。従って、この
センタベアリングのブラケットにより、フロアトンネル
における左右側壁同士が連結された状態となり、フロア
トンネルの開き方向への変形が防止される。
【0003】このような動力伝達構造を有する自動車で
は、前面衝突時におけるプロペラシャフトの詰まり量
(エンジンの後退量)が大きくなるほど、エンジンルー
ム後半の潰れ量が大きくなることが知られている。エン
ジンルーム後半の潰れ量が大きくなれば、そこで衝突エ
ネルギーが吸収されて、車室内にいる乗員の保護性能が
高まる。そのため、従来は、プロペラシャフトのジョイ
ント部に断面変形部を設け、この断面変形部の座屈によ
りプロペラシャフトを折り、プロペラシャフトの詰まり
量を増大させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、プロペラシャフトをジョイント部に設けた断面変
形部から折るようにした構造では、ジョイント部の折れ
方向が安定せず、折れ方向によってはプロペラシャフト
の折れ端が上側のフロアトンネルと干渉して、十分なプ
ロペラシャフトの詰まり量が得られない場合がある。ま
た、プロペラシャフトの折れ端がフロアトンネルに干渉
すると、周辺のフロアが盛り上がり、フロアに設定され
たシートベルトの止め点の位置が変動するため、シート
ベルトによる乗員拘束性に影響を与えるおそれがある。
従って、従来は、折れたプロペラシャフトが干渉しても
フロアが盛り上がらないようにするため、フロアの板厚
を上げる必要があり、車体重量の増加を招いている。
【0005】また、フロアトンネルの開き方向への変形
は、通常走行時においては、前述のようにセンタベアリ
ングのブラケットにより防止されているが、前面衝突時
には、このブラケットも破断してしまうため、フロアト
ンネルが開き方向へ変形してしまうおそれがある。この
ようなフロアトンネルの開きによっても、前記シートベ
ルトの止め点は位置が変動するため、この点に対処する
ためにも、フロアトンネルを含むフロア全体の板厚を上
げる必要があり、車体重量の増加を招くことになる。
【0006】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、前面衝突時におけるプロペラシ
ャフトの詰まり量の増大と、フロアトンネルの開き防止
を図ることができる自動車の動力伝達構造を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
途中にジョイント部を有するプロペラシャフトをフロア
トンネル内に配し、エンジンの動力をプロペラシャフト
を介してファイナルドライブに伝達する自動車の動力伝
達構造において、前記フロアトンネルの上部にプロペラ
シャフトよりも上方の側壁同士を連結するステーを設定
すると共に、該ステーの設定位置が、プロペラシャフト
のジョイント部付近に設けられた大径部の上端と、車両
衝突によるプロペラシャフトの後退時に干渉し得る位置
である。
【0008】請求項2記載の発明は、ステー又は大径部
の少なくといずれか一方に、干渉時に大径部を下方へ案
内する傾斜部が設けられている。
【0009】請求項3記載の発明は、大径部がプロペラ
シャフトに形成したガイドフランジである。
【0010】請求項4記載の発明は、大径部がセンタベ
アリング及びそれを車体に支持するブラケットである。
【0011】請求項5記載の発明は、センタベアリング
を支持するブラットの上端に、車両衝突によるプロペラ
シャフトの後退時に、ステーと干渉し得る後向きの延長
部を形成した。
【0012】請求項6記載の発明は、フロアトンネルの
内面にレインフォースが接合され、該レインフォースに
対してセンタベアリング支持用のブラケットが取付けら
れている。
【0013】請求項7記載の発明は、ステーをレインフ
ォースと一体で形成した。
【0014】請求項8記載の発明は、プロペラシャフト
の途中に一対の連結フランジ同士を接続した連結部を設
け、該連結フランジのうちの少なくとも一方を大径部と
した。
【0015】請求項9記載の発明は、ステーをフロアト
ンネルの上壁から離間した状態で設定した。
【0016】請求項10記載の発明は、ステーの一部に
前後方向で貫通する切欠き又は開口を形成した。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ステーに
よりフロアトンネルの側壁同士を連結するため、フロア
トンネルの開きを防止することができる。このステーは
プロペラシャフトを直接支持するものでないため、衝突
時にプロペラシャフトが後退しても破断せず、フロアト
ンネルの開きを確実に防止する。また、衝突時にプロペ
ラシャフトが後退すると、ジョイント部付近に設けられ
た大径部の上端が前記ステーに干渉するため、大径部は
この干渉により下方へ押され、プロペラシャフトがジョ
イント部から下向きに折れることになる。プロペラシャ
フトの下側には折れを邪魔するものがないため、プロペ
ラシャフトは大きな角度で折れ、プロペラシャフトの詰
まり量が増大する。プロペラシャフトの詰まり量が増大
すると、エンジンルーム後半の潰れ量が大きくなり、衝
突エネルギーが吸収されて、乗員の保護性能が高まる。
更に、プロペラシャフトが上方のフロアトンネルと干渉
して、周辺のフロアを盛り上げることもないため、シー
トベルトによる乗員拘束性に影響を与えない。
【0018】請求項2記載の発明によれば、傾斜部によ
り大径部がより確実に下向きに案内される。
【0019】請求項3記載の発明によれば、大径部がプ
ロペラシャフトに形成したガイドフランジであるため、
センタベアリングとは別に、ステーとの干渉点を自由に
設定することができる。
【0020】請求項4記載の発明によれば、プロペラシ
ャフトに予め設けられているセンタベアリング及びその
ブラケットを大径部として利用するため、大径部を特別
に設ける必要がなく、プロペラシャフトの設計変更が不
要である。
【0021】請求項5記載の発明によれば、センタベア
リングを支持するブラットの上端に、ステーと干渉し得
る後向きの延長部を形成したため、車体構造の都合によ
り、センタベアリングとステーとの間が多少離れていて
も、衝突時に、ブラケットの上端(延長部)が確実にス
テーと干渉する。
【0022】請求項6記載の発明によれば、ブラケット
をフロアトンネルの内面に接合したレインフォースに取
付けているため、ブラケットによるセンタベアリングの
支持剛性が向上する。
【0023】請求項7記載の発明によれば、ステーをレ
インフォースと一体で形成したため、部品点数の低減を
図ることができると共に、レインフォースの取付けと同
時にステーの位置決めを行うことができる。
【0024】請求項8記載の発明によれば、連結部があ
るプロペラシャフトの場合において、少なくともその一
方の連結フランジを大径化することにより大径部が形成
できるため、大径部を特別に設ける必要がなく、プロペ
ラシャフトの大幅な設計変更が不要となる。
【0025】請求項9記載の発明によれば、ステーをフ
ロアトンネルの上壁から離間した状態で設定したため、
フロアトンネル内に配策されるワイヤケーブルやハーネ
ス等の取り回しが容易で、配策経路を単純化できる。
【0026】請求項10記載の発明によれば、ステーの
一部に前後方向で貫通する切欠き又は開口が形成されて
いるため、この切欠き又は開口に、フロアトンネル内に
配策されるワイヤケーブルやハーネス等を通すことで、
それらの取り回しが容易になり、配策経路を単純化でき
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。
【0028】図1〜図5は、この発明の第1実施形態を
示す図である。この第1実施形態はFR型の自動車に関
するもので、エンジン1は車体前部のエンジンルーム内
に配置されている。このエンジン1の後部にはトランス
ミッション2が設けられており、トランスミッション2
からフロントジョイント部3を介して、プロペラシャフ
ト4が後方へ延びている。
【0029】このプロペラシャフト4は、フロア5から
上向きに膨出形成したフロアトンネル6内に位置してお
り、後端はリヤジョイント部7を介して車体後部に配置
されたファイナルドライブ8に連結されている。従っ
て、エンジン1の動力はプロペラシャフト4を介してフ
ァイナルドライブ8に伝達され、ファイナルドライブ8
で、後輪の車軸9を駆動するようになっている。尚、図
1及び図2中の10はファーストクロスメンバで、11
はリヤクロスメンバを示している。
【0030】また、プロペラシャフト4の途中にもジョ
イント部12が設けられており、このジョイント部12
の前側近接部位がセンタベアリング13により回転自在
に支持されている。このセンタベアリング13は、上下
一対のブラケット14、15により挟まれた状態で、フ
ロアトンネル6の内面に接合したレインフォース16に
取付けられている。レインフォース16には左右両側に
水平な段部16aが形成されて、ここにブラケット1
4、15の両端部をボルトボルト・ナット手段17(図
5参照)により取付けるようになっている。このよう
に、ブラケット14、15をフロアトンネル6の内面に
接合したレインフォース16に取付けているため、ブラ
ケット14、15によるセンタベアリング13の支持剛
性が向上する。
【0031】更に、ジョイント部12の後側近接部位に
は、「大径部」としてのガイドフランジ18が形成され
ている。このガイドフランジ18はプロペラシャフト4
の一部を大径に形成したものである。そして、このガイ
ドフランジ18の若干後方にはステー19が設けられて
いる。このステー19は、フロアトンネル6の上部にお
けるプロペラシャフト4よりも上方の側壁同士を連結す
るもので、左右両端部が側壁に溶接されている(ボルト
・ナットによる取付けでも可)。また、ステー19に
は、後端が下がった傾斜部19aが設けられており、こ
の傾斜部19aが、車両衝突によるプロペラシャフト4
の後退時に、前記ガイドフランジ18の上端と干渉する
ようになっている。つまり、ガイドフランジ18の上端
の若干後方で且つ上端と同じ高さに位置している。更
に、ステー19はフロアトンネル6の上壁から離間した
状態で取付けられ、フロアトンネル6の上壁との間に隙
間Sが形成されている。従って、この隙間Sに、フロア
トンネル6内に前後方向で配策されるパーキングブレー
キケーブル(図示せず)を通すことにより、該パーキン
グブレーキケーブルの取り回しが容易になり、配策経路
を単純化できる。
【0032】更に、図5に示すように、前記センタベア
リング13付近におけるフロアトンネル6の左右両側に
は、スライドレール20を介してフロントシート21が
前後動自在に支持されている。そして、フロントシート
21にはバックル22が固定されており、そこにシート
ベルト23に挿通したタング24を係合できるようにな
っている。従って、シートベルト23に加わる荷重はバ
ックル22を介してフロントシート21に伝達され、そ
こで受け止められるようになっている。
【0033】次に、自動車がバリア面Gへ前面衝突した
場合の作用を説明する。自動車がバリア面Gへ前面衝突
すると、エンジン1が後側へ押され、プロペラシャフト
4が後退する。プロペラシャフト4が後退すると、ブラ
ケット14、15が破断して、センタベアリング13部
分がフリーになると共に、ガイドフランジ18の上端が
ステー19の傾斜部19aに干渉する。ガイドフランジ
18の上端が傾斜部19aに干渉すると、ガイドフラン
ジ18は傾斜部19aに案内されながら、下方へ押され
る。ガイドフランジ18が下方へ押されると、プロペラ
シャフト4の突っ張り力がなくなるため、プロペラシャ
フト4はジョイント部12から下向きに折れる。プロペ
ラシャフト4の下側には折れを邪魔するものがないた
め、プロペラシャフト4は大きな角度で折れ、プロペラ
シャフト4の詰まり量が増大する。従って、エンジンル
ーム後半の潰れ量が大きくなり、衝突エネルギーが吸収
されて、車室内にいる乗員の保護性能が高まる。
【0034】また、プロペラシャフト4の折れ方向が下
向きに限定され、折れたプロペラシャフト4がフロアト
ンネル6と干渉して、周辺のフロア5を盛り上げること
もないため、シートベルト23の止め点であるバックル
22の位置に変動がなく、シートベルト23による乗員
拘束性に影響がない。
【0035】そして、ブラケット14、15が破断して
も、ステー19によりフロアトンネル6の側壁同士を連
結しているため、フロアトンネル6の開きが防止され
る。すなわち、このステー19はプロペラシャフト4を
直接支持するものでないため、衝突時にプロペラシャフ
ト4が後退しても破断せず、フロアトンネル6の開きを
確実に防止することができる。従って、フロアトンネル
6が開き方向へ変形しないため、この点においても、バ
ックル22の変動が防止され、シートベルト23による
乗員拘束性に影響を与えない。また、この実施形態で
は、プロペラシャフト4の任意の位置に設けたガイドフ
ランジ18をステー19と干渉させているため、ガイド
フランジ18とステー19の位置を変えることにより、
両者の干渉点の位置を自由に設定することができる。従
って、プロペラシャフト4を下側に折るのに有効な位置
及びフロアトンネル6の開きを防止するのに有効な位置
を選んで干渉点を設定することができる。更に、ステー
19によりフロアトンネル6の左右の側壁を連結するた
め、側壁の振動が抑制され、音振上も有利となる。
【0036】図6〜図8は、この発明の第2実施形態を
示す図である。この第2実施形態では、ガイドフランジ
を廃止し、センタベアリング25をジョイント部12の
後側近接部位に移し、センタベアリング25及びブラケ
ット26、27を「大径部」として利用するものであ
る。また、上側のブラケット26には、後向きの延長部
26aが形成されている。
【0037】そして、センタベアリング25から後方へ
若干離れた位置にはステー19が設けられている。ステ
ー19がセンタベアリング25から若干離れているの
は、フロアトンネル6の内面にレインフォース16が設
けられているからである。このレインフォース16を避
けた後方位置にステー19を取付けている。このステー
19の傾斜部19aと、前記ブラケット26に形成した
延長部26aとは同じ高さ位置になっており、車両衝突
によるプロペラシャフト4の後退時に、該延長部26a
と傾斜部19aとが干渉し得る位置関係になっている。
【0038】従って、この第2実施形態では、センタベ
アリング25とステー19とが若干離れていても、上側
のブラケット26に延長部26aが形成されているた
め、衝突時に、ブラケット26の上端に位置する延長部
26aが、確実にステー19の傾斜部19aと干渉し、
センタベアリング25及びブラケット26、27を下方
へ案内する。従って、プロペラシャフト4はジョイント
部12から下向きに折れ、プロペラシャフト4の詰まり
量が増大する。
【0039】この第2実施形態では、プロペラシャフト
4に予め設けられている既存のセンタベアリング25及
びそのブラケット26、27を「大径部」として利用す
るため、第1実施形態のように大径部を特別に設ける必
要がなく、プロペラシャフト4の設計変更が不要であ
る。
【0040】尚、この第2実施形態では、レインフォー
ス16とステー19とを別体にしたが、図8中に二点鎖
線で示した接続部28も形成して、ステー16とレイン
フォース19とを一体に形成しても良い。そうすると、
部品点数の低減を図ることができると共に、レインフォ
ース16の取付けと同時にステー19の位置決めを行う
ことができる。
【0041】その他の構成及び作用効果は第1実施形態
と同様につき、共通部分に同一の符号を付し、重複する
説明は省略する。
【0042】尚、以上の各実施形態では、ステー19側
に傾斜部19aを形成したが、「大径部」であるガイド
フランジ18や、センタベアリング25及びブラケット
26側に、傾斜部を形成しても良い。
【0043】図9〜図11は、この発明の第3実施形態
を示す図である。この第3実施形態では、プロペラシャ
フト4におけるジョイント部12の後側近接部位に連結
部29が形成されている場合の構造を示す。連結部29
は一対の円形の連結フランジ29a、29bを複数のボ
ルト30により結合した構造で、この実施形態の場合
は、前側の連結フランジ29aの方が大きく形成された
「大径部」となっている。
【0044】一方、この連結部29の後方で、「大径
部」たる連結フランジ29aに干渉し得る位置にステー
31が設定されている。このステー31は、フロアトン
ネル6の上部に相当する断面形状の接合部31aと、こ
の接合部31aの上部を塞ぐように形成された垂直部3
1bと、該垂直部31bの下端から形成された傾斜部3
1cとから構成されている。接合部31aは、フロアト
ンネル6の側壁だけでなく上壁にも溶接される。そし
て、傾斜部31cと垂直部31bの幅方向中央部には、
下側から形成されて垂直部31bの途中位置まで至る切
欠き32が設けられている。
【0045】フロアトンネル6の上壁における前記ステ
ー31よりも前方位置には挿通孔33が形成され、該挿
通孔33からパーキングブレーキケーブル34がフロア
トンネル6内に挿入され、そのままフロアトンネル6の
上部に沿って後輪のブレーキ機構まで配策されている。
このパーキングブレーキケーブル34の配策経路の途中
にはステー31が存在するが、パーキングブレーキケー
ブル34は切欠き32を通ってステー31を通過できる
ため、パーキングブレーキケーブル34の取り回しが容
易になり、配策経路を単純化できる。
【0046】また、この実施形態によれば、プロペラシ
ャフト4に設けられた連結部29における一方の連結フ
ランジ29aを大径化することで大径部が形成されてい
るため、大径部を特別に設ける必要がなく、プロペラシ
ャフト4の大幅な設計変更が不要となる。
【0047】尚、この実施形態では、ステー31に切欠
き32を形成したが、切欠き32に代えて、パーキング
ブレーキケーブル34が貫通可能な開口を形成しても良
い。また、ステー31の切欠き32等に通されるもの
は、パーキングブレーキケーブル34等に限定されず、
ハーネス等が通される場合もある。
【0048】その他の構成及び作用効果は先の実施形態
と同様につき、共通部分に同一の符号を付し、重複する
説明は省略する。
【0049】更に、以上の各実施形態ではFR型の自動
車を例にしたが、エンジン1とファイナルドライブ8の
間にプロペラシャフト4をもつ4WD型の自動車であっ
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るプロペラシャフ
トの通常状態を示す側面図。
【図2】プロペラシャフトの衝突状態を示す側面図。
【図3】センタベアリング部分を示すフロアトンネルの
斜視図。
【図4】ガイドフランジ及びステー部分を示すフロアト
ンネルの斜視図。
【図5】センタベアリング部分を示すフロアトンネルの
断面図。
【図6】この発明の第2実施形態に係るプロペラシャフ
トの通常状態を示す側面図。
【図7】プロペラシャフトの衝突状態を示す側面図。
【図8】センタベアリング部分を示すフロアトンネルの
斜視図。
【図9】この発明の第3実施形態に係るプロペラシャフ
トの通常状態を示す側面図。
【図10】連結部を示すフロアトンネルの斜視図。
【図11】連結部を示すフロアトンネルの断面図。
【符号の説明】
1 エンジン 4 プロペラシャフト 5 フロア 6 フロアトンネル 8 ファイナルドライブ 12 ジョイント部 13 センタベアリング 14、15 ブラケット 16 レインフォース 18 ガイドフランジ(大径部) 19、31 ステー 19a、31c 傾斜部 25 センタベアリング(大径部) 26、27 ブラケット(大径部) 29 連結部 29a 連結フランジ(大径部) 29b 連結フランジ 32 切欠き 34 パーキングブレーキケーブル G バリア面 S 隙間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 途中にジョイント部を有するプロペラシ
    ャフトをフロアトンネル内に配し、エンジンの動力をプ
    ロペラシャフトを介してファイナルドライブに伝達する
    自動車の動力伝達構造において、 前記フロアトンネルの上部にプロペラシャフトよりも上
    方の側壁同士を連結するステーを設定すると共に、 該ステーの設定位置が、プロペラシャフトのジョイント
    部付近に設けられた大径部の上端と、車両衝突によるプ
    ロペラシャフトの後退時に干渉し得る位置であることを
    特徴とする自動車の動力伝達構造。
  2. 【請求項2】 ステー又は大径部の少なくといずれか一
    方に、干渉時に大径部を下方へ案内する傾斜部が設けら
    れている請求項1記載の自動車の動力伝達構造。
  3. 【請求項3】 大径部が、プロペラシャフトに形成した
    ガイドフランジである請求項1又は請求項2記載の自動
    車の動力伝達構造。
  4. 【請求項4】 大径部が、センタベアリング及びそれを
    車体に支持するブラケットである請求項1又は請求項2
    記載の自動車の動力伝達構造。
  5. 【請求項5】 センタベアリングを支持するブラットの
    上端に、車両衝突によるプロペラシャフトの後退時に、
    ステーと干渉し得る後向きの延長部を形成した請求項4
    記載の自動車の動力伝達構造。
  6. 【請求項6】 フロアトンネルの内面にレインフォース
    が接合され、該レインフォースに対してセンタベアリン
    グ支持用のブラケットが取付けられている請求項4又は
    請求項5記載の自動車の動力伝達構造。
  7. 【請求項7】 ステーをレインフォースと一体で形成し
    た請求項6記載の自動車の動力伝達構造。
  8. 【請求項8】 プロペラシャフトの途中に一対の連結フ
    ランジ同士を結合した連結部を設け、該連結フランジの
    うちの少なくとも一方を大径部とした請求項1又は請求
    項2記載の自動車の動力伝達構造。
  9. 【請求項9】 ステーをフロアトンネルの上壁から離間
    した状態で設定した請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の自動車の動力伝達構造。
  10. 【請求項10】 ステーの一部に前後方向で貫通する切
    欠き又は開口を形成した請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の自動車の動力伝達構造。
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