JP2000338687A - 温純水浸漬による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法 - Google Patents
温純水浸漬による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法Info
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- JP2000338687A JP2000338687A JP11150647A JP15064799A JP2000338687A JP 2000338687 A JP2000338687 A JP 2000338687A JP 11150647 A JP11150647 A JP 11150647A JP 15064799 A JP15064799 A JP 15064799A JP 2000338687 A JP2000338687 A JP 2000338687A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 感光体を製造するためのアルミ素管の水系洗
浄工程において、干渉縞防止処理とピンホール防止処理
を行うことができるコスト面で有利な、しかも、ケミカ
ルエッチング用の薬品を使用しないため、環境を汚染す
るおそれもない温純水浸漬による干渉縞防止方法および
ピンホール防止方法を提供する。 【解決手段】 感光体A用のアルミ素管1の水系洗浄工
程において、脱脂洗浄直後の清浄なアルミ素管1を摂氏
60度以上の温純水dに浸漬することにより、アルミ素
管1の表面を均一に腐食させて、粗面Sに形成する。
浄工程において、干渉縞防止処理とピンホール防止処理
を行うことができるコスト面で有利な、しかも、ケミカ
ルエッチング用の薬品を使用しないため、環境を汚染す
るおそれもない温純水浸漬による干渉縞防止方法および
ピンホール防止方法を提供する。 【解決手段】 感光体A用のアルミ素管1の水系洗浄工
程において、脱脂洗浄直後の清浄なアルミ素管1を摂氏
60度以上の温純水dに浸漬することにより、アルミ素
管1の表面を均一に腐食させて、粗面Sに形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やレーザー
プリンタ等の感光体を露光した際の感光層での干渉縞の
発生を防止する方法および前記感光体を製造するための
アルミ素管の表面に存在する凸欠陥を除去することによ
り画像におけるピンホールを防止する方法に関するもの
である。
プリンタ等の感光体を露光した際の感光層での干渉縞の
発生を防止する方法および前記感光体を製造するための
アルミ素管の表面に存在する凸欠陥を除去することによ
り画像におけるピンホールを防止する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図5の(A)に示すように、感光体Aの
アルミ素管1の表面が平滑な面Hであると、露光時に感
光層4を透過した光がアルミ素管1の表面で反射し、感
光層表面と素管表面との間で反射を繰り返して、潜像を
形成している電荷の一部を消去するので、感光層4にい
わゆる干渉縞が発生し、画像が不鮮明になることがあ
る。
アルミ素管1の表面が平滑な面Hであると、露光時に感
光層4を透過した光がアルミ素管1の表面で反射し、感
光層表面と素管表面との間で反射を繰り返して、潜像を
形成している電荷の一部を消去するので、感光層4にい
わゆる干渉縞が発生し、画像が不鮮明になることがあ
る。
【0003】このような干渉縞の発生を防止するため
に、従来では、アルミ素管の表面を酸やアルカリでケミ
カルエッチング(アルマイト処理等)したり、サンドブ
ラストで素管表面を荒らしたり、感光層を透過した光を
吸収する下引き層を形成するといった手段が講じられて
いた。
に、従来では、アルミ素管の表面を酸やアルカリでケミ
カルエッチング(アルマイト処理等)したり、サンドブ
ラストで素管表面を荒らしたり、感光層を透過した光を
吸収する下引き層を形成するといった手段が講じられて
いた。
【0004】しかしながら、これらの方法では、何れ
も、アルミ素管の洗浄工程とは別の特別な表面処理工程
が必要であり、コストが高く付くという問題点があっ
た。
も、アルミ素管の洗浄工程とは別の特別な表面処理工程
が必要であり、コストが高く付くという問題点があっ
た。
【0005】また、感光体用のアルミ素管は、一般に、
押出し成形されたアルミの管を所定長さに裁断して製造
されるので、アルミ素管の断面内に気泡が混入したり、
素管表面に微細なアルミ片が熔着することがあり、気泡
の周縁部や気泡を覆う薄膜状部分、素管表面に熔着した
アルミ片などが、アルミ素管の熱処理工程等を経ること
によって素管表面から起き上がり、凸欠陥(サイズが数
十μmの微細なアルミのささくれ状突起物)となる。
押出し成形されたアルミの管を所定長さに裁断して製造
されるので、アルミ素管の断面内に気泡が混入したり、
素管表面に微細なアルミ片が熔着することがあり、気泡
の周縁部や気泡を覆う薄膜状部分、素管表面に熔着した
アルミ片などが、アルミ素管の熱処理工程等を経ること
によって素管表面から起き上がり、凸欠陥(サイズが数
十μmの微細なアルミのささくれ状突起物)となる。
【0006】そして、図6に示すように、アルミ素管1
の表面に凸欠陥eが存在する状態で、感光層4を塗布し
て感光体Aを製造すると、感光体Aの帯電時に、凸欠陥
eを起点として絶縁破壊が起こり、感光層4にピンホー
ルが発生し、この部位及び周辺は帯電しなくなり、画像
上では、ピンホール状の黒点又は白点となって現れるこ
とになる。
の表面に凸欠陥eが存在する状態で、感光層4を塗布し
て感光体Aを製造すると、感光体Aの帯電時に、凸欠陥
eを起点として絶縁破壊が起こり、感光層4にピンホー
ルが発生し、この部位及び周辺は帯電しなくなり、画像
上では、ピンホール状の黒点又は白点となって現れるこ
とになる。
【0007】このような凸欠陥に起因するピンホール発
生を防止するために、従来では、アルミ素管の表面に下
引き層を形成して、凸欠陥を覆い隠し、その上に感光層
を形成したり、アルミ素管の表面を酸やアルカリでケミ
カルエッチング(アルマイト処理等)して、凸欠陥を除
去するといった手段が講じられていた。
生を防止するために、従来では、アルミ素管の表面に下
引き層を形成して、凸欠陥を覆い隠し、その上に感光層
を形成したり、アルミ素管の表面を酸やアルカリでケミ
カルエッチング(アルマイト処理等)して、凸欠陥を除
去するといった手段が講じられていた。
【0008】しかしながら、前者では、下引き層の塗布
や乾燥の工程が必要であり、後者による場合には、ケミ
カルエッチングの工程やエッチング液の中和、洗浄の工
程が必要であり、何れによる場合も、工程が増え、コス
トが高く付くという問題点があった。感光層の膜厚を凸
欠陥の影響を受けない厚さまで厚くすることもあるが、
コストが高く付く点では、上記の方法と大差がない。
や乾燥の工程が必要であり、後者による場合には、ケミ
カルエッチングの工程やエッチング液の中和、洗浄の工
程が必要であり、何れによる場合も、工程が増え、コス
トが高く付くという問題点があった。感光層の膜厚を凸
欠陥の影響を受けない厚さまで厚くすることもあるが、
コストが高く付く点では、上記の方法と大差がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状に鑑み、本
発明は、アルミ素管の水系洗浄工程において、干渉縞防
止処理とピンホール防止処理を行うことができるコスト
面で有利な、しかも、ケミカルエッチング用の薬品を使
用しないため、環境を汚染するおそれもない温純水浸漬
による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法を提供
するものである。
発明は、アルミ素管の水系洗浄工程において、干渉縞防
止処理とピンホール防止処理を行うことができるコスト
面で有利な、しかも、ケミカルエッチング用の薬品を使
用しないため、環境を汚染するおそれもない温純水浸漬
による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法を提供
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の温純水浸漬による干渉縞防止方
法は、感光体用の清浄なアルミ素管を摂氏60度以上の
温純水に浸漬することにより、アルミ素管の表面を均一
に腐食させて粗面に形成するようにしている。
めに、請求項1に記載の温純水浸漬による干渉縞防止方
法は、感光体用の清浄なアルミ素管を摂氏60度以上の
温純水に浸漬することにより、アルミ素管の表面を均一
に腐食させて粗面に形成するようにしている。
【0011】上記の構成によれば、空気中の炭酸ガスが
溶け込んで酸性となった温純水により、アルミ素管の表
面が均一に腐食され、アルミ素管の表面が粗面に、つま
り、スリガラス状の艶消しされた表面に形成されること
になる。
溶け込んで酸性となった温純水により、アルミ素管の表
面が均一に腐食され、アルミ素管の表面が粗面に、つま
り、スリガラス状の艶消しされた表面に形成されること
になる。
【0012】即ち、純水は、空気に接していると、空気
中の炭酸ガスが溶解してpH5程度の酸性となる。純水
が酸性になっても、純水の温度が常温では、アルミ素管
の表面腐食は起こらないが、炭酸ガスが溶け込んで酸性
化した純水の温度が摂氏60度を越えると、浸漬時間に
もよるが、急激にアルミ素管の表面腐食が進むことにな
る。そして、アルミ素管の表面腐食は、微細なビット状
となって進行するので、アルミ素管の表面は、無数の微
細なビット状腐食部位で覆われた粗面(艶消しされた表
面)となる。
中の炭酸ガスが溶解してpH5程度の酸性となる。純水
が酸性になっても、純水の温度が常温では、アルミ素管
の表面腐食は起こらないが、炭酸ガスが溶け込んで酸性
化した純水の温度が摂氏60度を越えると、浸漬時間に
もよるが、急激にアルミ素管の表面腐食が進むことにな
る。そして、アルミ素管の表面腐食は、微細なビット状
となって進行するので、アルミ素管の表面は、無数の微
細なビット状腐食部位で覆われた粗面(艶消しされた表
面)となる。
【0013】従って、アルミ素管の表面に直接、感光層
を塗布して、感光体を製造しても、感光体を露光した
際、図5の(B)に示すように、感光層4を透過した光
が、アルミ素管1の表面(粗面S)で乱反射するので、
干渉縞の発生が防止されることになり、下引き層の塗布
や乾燥の工程、エッチング液の中和や洗浄の工程が不要
で、低コストで実施でき、且つ、ケミカルエッチング用
の薬品を使用しないため、環境を汚染するおそれもな
い。
を塗布して、感光体を製造しても、感光体を露光した
際、図5の(B)に示すように、感光層4を透過した光
が、アルミ素管1の表面(粗面S)で乱反射するので、
干渉縞の発生が防止されることになり、下引き層の塗布
や乾燥の工程、エッチング液の中和や洗浄の工程が不要
で、低コストで実施でき、且つ、ケミカルエッチング用
の薬品を使用しないため、環境を汚染するおそれもな
い。
【0014】また、上述した本発明の温純水浸漬による
干渉縞防止方法は、例えば、洗浄されたアルミ素管の温
純水引上げ乾燥(温純水に浸漬したアルミ素管を徐々に
温純水から引き上げて乾燥させる乾燥工程)を行うため
の温純水オーバーフロー槽を備えたアルミ素管の水系洗
浄工程において、前記温純水オーバーフロー槽に送り込
む温純水の温度を摂氏60度以上に設定して、この温度
条件下でアルミ素管の温純水引上げ乾燥を行うことによ
り実施できる。
干渉縞防止方法は、例えば、洗浄されたアルミ素管の温
純水引上げ乾燥(温純水に浸漬したアルミ素管を徐々に
温純水から引き上げて乾燥させる乾燥工程)を行うため
の温純水オーバーフロー槽を備えたアルミ素管の水系洗
浄工程において、前記温純水オーバーフロー槽に送り込
む温純水の温度を摂氏60度以上に設定して、この温度
条件下でアルミ素管の温純水引上げ乾燥を行うことによ
り実施できる。
【0015】このようにすれば、アルミ素管の水系洗浄
工程における最終工程(乾燥工程)であるアルミ素管の
温純水引上げ乾燥を行うにあたり、温純水オーバーフロ
ー槽に送り込む温純水の温度を、従来より高く設定する
だけで、つまり、従来の温純水引上げ乾燥工程では、ア
ルミ素管の表面腐食が発生しない温度に設定されていた
温純水を、逆に、表面腐食が発生する温度に変更するだ
けで、素管表面を均一に腐食させることができ、素管の
水系洗浄工程において、同時に干渉縞防止処理を行える
のである。
工程における最終工程(乾燥工程)であるアルミ素管の
温純水引上げ乾燥を行うにあたり、温純水オーバーフロ
ー槽に送り込む温純水の温度を、従来より高く設定する
だけで、つまり、従来の温純水引上げ乾燥工程では、ア
ルミ素管の表面腐食が発生しない温度に設定されていた
温純水を、逆に、表面腐食が発生する温度に変更するだ
けで、素管表面を均一に腐食させることができ、素管の
水系洗浄工程において、同時に干渉縞防止処理を行える
のである。
【0016】また、請求項2に記載の温純水浸漬による
ピンホール防止方法は、感光体用の清浄なアルミ素管を
摂氏60度以上の温純水に浸漬することにより、アルミ
素管表面の凸欠陥を溶解除去し、画像におけるピンホー
ルを防止するようにしている。
ピンホール防止方法は、感光体用の清浄なアルミ素管を
摂氏60度以上の温純水に浸漬することにより、アルミ
素管表面の凸欠陥を溶解除去し、画像におけるピンホー
ルを防止するようにしている。
【0017】上記の構成によれば、空気中の炭酸ガスが
溶け込んで酸性となった温純水により、アルミ素管の表
面が腐食し、アルミ素管の表面上にあった凸欠陥が溶解
除去されることになる。
溶け込んで酸性となった温純水により、アルミ素管の表
面が腐食し、アルミ素管の表面上にあった凸欠陥が溶解
除去されることになる。
【0018】即ち、純水は、空気に接していると、空気
中の炭酸ガスが溶解してpH5程度の酸性となる。純水
が酸性になっても、純水の温度が常温では、アルミ素管
の表面腐食は起こらないが、炭酸ガスが溶け込んで酸性
化した純水の温度が摂氏60度を越えると、浸漬時間に
もよるが、急激にアルミ素管の表面腐食が進むことにな
る。そして、アルミ素管が表面腐食すると、アルミイオ
ンとなって溶出し、このとき、素管表面の凸欠陥が溶解
除去されることになる。
中の炭酸ガスが溶解してpH5程度の酸性となる。純水
が酸性になっても、純水の温度が常温では、アルミ素管
の表面腐食は起こらないが、炭酸ガスが溶け込んで酸性
化した純水の温度が摂氏60度を越えると、浸漬時間に
もよるが、急激にアルミ素管の表面腐食が進むことにな
る。そして、アルミ素管が表面腐食すると、アルミイオ
ンとなって溶出し、このとき、素管表面の凸欠陥が溶解
除去されることになる。
【0019】従って、下引き層の塗布や乾燥の工程、エ
ッチング液の中和や洗浄の工程が不要で、低コストで実
施でき、且つ、薬品を使用しないため、環境を汚染する
おそれもない。
ッチング液の中和や洗浄の工程が不要で、低コストで実
施でき、且つ、薬品を使用しないため、環境を汚染する
おそれもない。
【0020】また、上述した本発明の温純水浸漬による
ピンホール防止方法は、例えば、洗浄されたアルミ素管
の温純水引上げ乾燥(温純水に浸漬したアルミ素管を徐
々に温純水から引き上げて乾燥させる乾燥工程)を行う
ための温純水オーバーフロー槽を備えたアルミ素管の水
系洗浄工程において、前記温純水オーバーフロー槽に送
り込む温純水の温度を摂氏60度以上に設定して、この
温度条件下でアルミ素管の温純水引上げ乾燥を行うこと
により実施できる。
ピンホール防止方法は、例えば、洗浄されたアルミ素管
の温純水引上げ乾燥(温純水に浸漬したアルミ素管を徐
々に温純水から引き上げて乾燥させる乾燥工程)を行う
ための温純水オーバーフロー槽を備えたアルミ素管の水
系洗浄工程において、前記温純水オーバーフロー槽に送
り込む温純水の温度を摂氏60度以上に設定して、この
温度条件下でアルミ素管の温純水引上げ乾燥を行うこと
により実施できる。
【0021】このようにすれば、アルミ素管の水系洗浄
工程における最終工程(乾燥工程)であるアルミ素管の
温純水引上げ乾燥を行うにあたり、温純水オーバーフロ
ー槽に送り込む温純水の温度を、従来より高く設定する
だけで、つまり、従来の温純水引上げ乾燥工程では、ア
ルミ素管の表面腐食が発生しない温度に設定されていた
温純水を、逆に、表面腐食が発生する温度に変更するだ
けで、素管表面の凸欠陥を除去することができ、素管の
水系洗浄工程において、同時に凸欠陥の除去を行えるの
である。
工程における最終工程(乾燥工程)であるアルミ素管の
温純水引上げ乾燥を行うにあたり、温純水オーバーフロ
ー槽に送り込む温純水の温度を、従来より高く設定する
だけで、つまり、従来の温純水引上げ乾燥工程では、ア
ルミ素管の表面腐食が発生しない温度に設定されていた
温純水を、逆に、表面腐食が発生する温度に変更するだ
けで、素管表面の凸欠陥を除去することができ、素管の
水系洗浄工程において、同時に凸欠陥の除去を行えるの
である。
【0022】尚、前記両方法において、純水の初期(使
用前)の水質(比抵抗値)や浸漬時間は、任意に設定で
きるが、使用する純水の比抵抗が1Ω/cm2 以下で
は、純水の温度が摂氏60度を越えても、アルミ素管の
表面腐食が発生しない。また、使用する純水の比抵抗が
同じであれば、浸漬時間が長い程、アルミ素管の表面腐
食が進行する。
用前)の水質(比抵抗値)や浸漬時間は、任意に設定で
きるが、使用する純水の比抵抗が1Ω/cm2 以下で
は、純水の温度が摂氏60度を越えても、アルミ素管の
表面腐食が発生しない。また、使用する純水の比抵抗が
同じであれば、浸漬時間が長い程、アルミ素管の表面腐
食が進行する。
【0023】因に、空気中の炭酸ガスが溶け込んで酸性
となった温純水によるアルミ素管の表面腐食は、微細な
ビット状となって進行し、ビット状に腐食した部位は褐
色に変色するので、THF(テトラヒドロフラン)で脱
脂した直径30cmのアルミ素管を、夫々、摂氏60
度,65度,70度,75度,80度の温純水に150
秒浸漬し、素管表面を顕微鏡で観測したところ、表1、
図3に示す結果を得た。図3は、表1で示した温純水の
温度と腐食レベルとの相関関係を折れ線グラフとして表
したものである。
となった温純水によるアルミ素管の表面腐食は、微細な
ビット状となって進行し、ビット状に腐食した部位は褐
色に変色するので、THF(テトラヒドロフラン)で脱
脂した直径30cmのアルミ素管を、夫々、摂氏60
度,65度,70度,75度,80度の温純水に150
秒浸漬し、素管表面を顕微鏡で観測したところ、表1、
図3に示す結果を得た。図3は、表1で示した温純水の
温度と腐食レベルとの相関関係を折れ線グラフとして表
したものである。
【0024】
【表1】
【0025】また、比抵抗が6.8Ω/cm2 の純水を
使用し、夫々、摂氏60度,65度,70度,75度,
80度に加熱した温純水に、THFで脱脂した直径30
cmのアルミ素管を、夫々、150秒、600秒ずつ浸
漬し、素管表面を顕微鏡で観測したところ、表2、図4
に示す結果を得た。図4は、表2で示した温純水の温度
と腐食レベルとの相関関係を折れ線グラフとして表した
ものである。
使用し、夫々、摂氏60度,65度,70度,75度,
80度に加熱した温純水に、THFで脱脂した直径30
cmのアルミ素管を、夫々、150秒、600秒ずつ浸
漬し、素管表面を顕微鏡で観測したところ、表2、図4
に示す結果を得た。図4は、表2で示した温純水の温度
と腐食レベルとの相関関係を折れ線グラフとして表した
ものである。
【0026】
【表2】
【0027】上記の実験結果から、本発明において使用
する純水は、比抵抗が15Ω/cm 2 以上の超純水であ
ることが望ましく、温純水の温度は摂氏70度以上であ
ることが望ましいことが判る。
する純水は、比抵抗が15Ω/cm 2 以上の超純水であ
ることが望ましく、温純水の温度は摂氏70度以上であ
ることが望ましいことが判る。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面に基
づいて説明する。図1は、複写機やレーザープリンタ等
に用いられる感光体Aの生産工程を概略的に示してい
る。工場Bで生産されたアルミ素管1は、感光体Aの生
産工場に搬入され、アルミ素管1を脱脂洗浄する水系洗
浄工程2、熱処理工程3、アルミ素管1の表面に直接、
感光層4を膜厚が20〜30μmとなるように塗布する
感光層形成工程5、感光層熱処理工程6を、この順に経
て、感光体Aとなる。なお、前記水系洗浄工程2では、
洗浄液中において、超音波洗浄やブラシなどによる摺擦
により脱脂洗浄を行い、純水すすぎの後、温純水引上げ
乾燥処理(加熱昇温した純水に浸漬したアルミ素管1を
徐々に引き上げる乾燥工程)を行う。
づいて説明する。図1は、複写機やレーザープリンタ等
に用いられる感光体Aの生産工程を概略的に示してい
る。工場Bで生産されたアルミ素管1は、感光体Aの生
産工場に搬入され、アルミ素管1を脱脂洗浄する水系洗
浄工程2、熱処理工程3、アルミ素管1の表面に直接、
感光層4を膜厚が20〜30μmとなるように塗布する
感光層形成工程5、感光層熱処理工程6を、この順に経
て、感光体Aとなる。なお、前記水系洗浄工程2では、
洗浄液中において、超音波洗浄やブラシなどによる摺擦
により脱脂洗浄を行い、純水すすぎの後、温純水引上げ
乾燥処理(加熱昇温した純水に浸漬したアルミ素管1を
徐々に引き上げる乾燥工程)を行う。
【0029】図2は、本発明の請求項1に係る第一実施
例である温純水浸漬による干渉縞防止方法を概略的に示
す図であり、具体的には、前記水系洗浄工程2の最終工
程である温純水引上げ乾燥の工程を示している。アルミ
素管1は脱脂洗浄された清浄な状態にあり、表面が活性
化している。従って、温純水オーバーフロー槽7に送り
込む純水(比抵抗1Ω/cm2 以上、好ましくは、15
Ω/cm2 以上の超純水)dをヒータ8で加熱して、摂
氏60度以上(好ましくは、摂氏70度以上)に昇温
し、この温度条件下でアルミ素管1の温純水引上げ乾燥
を行うことにより、素管洗浄と同時に(素管洗浄と同じ
工程で)素管表面の干渉縞防止処理が行われることにな
る。
例である温純水浸漬による干渉縞防止方法を概略的に示
す図であり、具体的には、前記水系洗浄工程2の最終工
程である温純水引上げ乾燥の工程を示している。アルミ
素管1は脱脂洗浄された清浄な状態にあり、表面が活性
化している。従って、温純水オーバーフロー槽7に送り
込む純水(比抵抗1Ω/cm2 以上、好ましくは、15
Ω/cm2 以上の超純水)dをヒータ8で加熱して、摂
氏60度以上(好ましくは、摂氏70度以上)に昇温
し、この温度条件下でアルミ素管1の温純水引上げ乾燥
を行うことにより、素管洗浄と同時に(素管洗浄と同じ
工程で)素管表面の干渉縞防止処理が行われることにな
る。
【0030】即ち、温純水オーバーフロー槽7に送り込
まれた温純水dが空気に触れることにより、空気中の炭
酸ガスCO2 が温純水dに溶解して、温純水dがpH5
程度の酸性となる。そして、この酸性化した温純水dの
温度が摂氏60度以上であるため、急激にアルミ素管1
の表面腐食が進み、アルミ素管1の表面は、無数の微細
なビット状の褐色部位で均一に覆われて、図2の左側に
示す平滑な面Hから、図2の右側に示すような粗面(あ
たかもスリガラス状の艶消しされた表面)Sに変化する
ことになる。
まれた温純水dが空気に触れることにより、空気中の炭
酸ガスCO2 が温純水dに溶解して、温純水dがpH5
程度の酸性となる。そして、この酸性化した温純水dの
温度が摂氏60度以上であるため、急激にアルミ素管1
の表面腐食が進み、アルミ素管1の表面は、無数の微細
なビット状の褐色部位で均一に覆われて、図2の左側に
示す平滑な面Hから、図2の右側に示すような粗面(あ
たかもスリガラス状の艶消しされた表面)Sに変化する
ことになる。
【0031】温純水オーバーフロー槽7からオーバーフ
ローした温純水dは、別の水槽9に回収され、純水製造
装置10に戻し、ポンプPやヒータ8を経て、繰り返し
使用されることになる。
ローした温純水dは、別の水槽9に回収され、純水製造
装置10に戻し、ポンプPやヒータ8を経て、繰り返し
使用されることになる。
【0032】図2は、本発明の請求項2に係る第二実施
例である温純水浸漬によるピンホール防止方法を概略的
に示す図でもある。アルミ素管1は脱脂洗浄された清浄
な状態にあり、表面が活性化している。従って、温純水
オーバーフロー槽7に送り込む純水(比抵抗1Ω/cm
2 以上、好ましくは、15Ω/cm2 以上の超純水)d
をヒータ8で加熱して、摂氏60度以上(好ましくは、
摂氏70度以上)に昇温し、この温度条件下でアルミ素
管1の温純水引上げ乾燥を行うことにより、素管洗浄と
同時に(素管洗浄と同じ工程で)素管表面上の凸欠陥e
の溶解除去が行われることになる。
例である温純水浸漬によるピンホール防止方法を概略的
に示す図でもある。アルミ素管1は脱脂洗浄された清浄
な状態にあり、表面が活性化している。従って、温純水
オーバーフロー槽7に送り込む純水(比抵抗1Ω/cm
2 以上、好ましくは、15Ω/cm2 以上の超純水)d
をヒータ8で加熱して、摂氏60度以上(好ましくは、
摂氏70度以上)に昇温し、この温度条件下でアルミ素
管1の温純水引上げ乾燥を行うことにより、素管洗浄と
同時に(素管洗浄と同じ工程で)素管表面上の凸欠陥e
の溶解除去が行われることになる。
【0033】即ち、温純水オーバーフロー槽7に送り込
まれた温純水dが空気に触れることにより、空気中の炭
酸ガスCO2 が温純水dに溶解して、温純水dがpH5
程度の酸性となる。そして、この酸性化した温純水dの
温度が摂氏60度以上であるため、急激にアルミ素管1
の表面腐食が進み、アルミ素管1の表面は、無数の微細
なビット状の褐色部位で均一に覆われて、図2の左側に
示す平滑な面Hから、図3の右側に示すような粗面(あ
たかもスリガラス状の艶消しされた表面)Sに変化する
一方、アルミ素管1の表面に存在する凸欠陥(図2の左
側に示す微細なアルミのささくれ状突起物)eは、表面
腐食によりアルミイオンとなって、溶解除去されること
になる。
まれた温純水dが空気に触れることにより、空気中の炭
酸ガスCO2 が温純水dに溶解して、温純水dがpH5
程度の酸性となる。そして、この酸性化した温純水dの
温度が摂氏60度以上であるため、急激にアルミ素管1
の表面腐食が進み、アルミ素管1の表面は、無数の微細
なビット状の褐色部位で均一に覆われて、図2の左側に
示す平滑な面Hから、図3の右側に示すような粗面(あ
たかもスリガラス状の艶消しされた表面)Sに変化する
一方、アルミ素管1の表面に存在する凸欠陥(図2の左
側に示す微細なアルミのささくれ状突起物)eは、表面
腐食によりアルミイオンとなって、溶解除去されること
になる。
【0034】温純水オーバーフロー槽7からオーバーフ
ローした温純水dは、別の水槽9に回収され、純水製造
装置10に戻し、ポンプPやヒータ8を経て、繰り返し
使用されることになる。
ローした温純水dは、別の水槽9に回収され、純水製造
装置10に戻し、ポンプPやヒータ8を経て、繰り返し
使用されることになる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、空気中
の炭酸ガスが溶け込んで酸性となった温純水により、ア
ルミ素管の表面を均一に腐食させて、粗面に形成し、あ
るいは、素管表面の凸欠陥を溶解除去するので、アルミ
素管の水系洗浄工程において、干渉縞防止処理およびピ
ンホール防止処理を行うことが可能であり、また、アル
ミ素管の表面に直接、感光層を塗布して、感光体を製造
しても、感光体の露光時、感光層を透過した光は、アル
ミ素管の表面で乱反射し、干渉縞の発生が防止され、さ
らに、下引き層の塗布や乾燥の工程、エッチング液の中
和や洗浄の工程が不要で、低コストで実施でき、且つ、
ケミカルエッチング用の薬品を使用しないため、環境を
汚染するおそれもない等の効果がある。
の炭酸ガスが溶け込んで酸性となった温純水により、ア
ルミ素管の表面を均一に腐食させて、粗面に形成し、あ
るいは、素管表面の凸欠陥を溶解除去するので、アルミ
素管の水系洗浄工程において、干渉縞防止処理およびピ
ンホール防止処理を行うことが可能であり、また、アル
ミ素管の表面に直接、感光層を塗布して、感光体を製造
しても、感光体の露光時、感光層を透過した光は、アル
ミ素管の表面で乱反射し、干渉縞の発生が防止され、さ
らに、下引き層の塗布や乾燥の工程、エッチング液の中
和や洗浄の工程が不要で、低コストで実施でき、且つ、
ケミカルエッチング用の薬品を使用しないため、環境を
汚染するおそれもない等の効果がある。
【図1】感光体の生産工程を概略的に示す図である。
【図2】アルミ素管の温純水引上げ乾燥工程を説明する
図である。
図である。
【図3】実験結果を示す図である。
【図4】実験結果を示す図である。
【図5】干渉縞の発生と防止を説明する図である。
【図6】アルミ素管の表面の凸欠陥に起因するピンホー
ル発生を説明する図である。
ル発生を説明する図である。
1…アルミ素管、A…感光体、d…温純水、e…凸欠
陥、S…粗面。
陥、S…粗面。
Claims (2)
- 【請求項1】 感光体用の清浄なアルミ素管を摂氏60
度以上の温純水に浸漬することにより、アルミ素管の表
面を均一に腐食させて、粗面に形成することを特徴とす
る温純水浸漬による干渉縞防止方法。 - 【請求項2】 感光体用の清浄なアルミ素管を摂氏60
度以上の温純水に浸漬することにより、アルミ素管表面
の凸欠陥を溶解除去することを特徴とする温純水浸漬に
よるピンホール防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11150647A JP2000338687A (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 温純水浸漬による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11150647A JP2000338687A (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 温純水浸漬による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000338687A true JP2000338687A (ja) | 2000-12-08 |
Family
ID=15501430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11150647A Pending JP2000338687A (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 温純水浸漬による干渉縞防止方法およびピンホール防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000338687A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010256825A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Showa Denko Kk | 感光ドラム基体用アルミニウム管の製造方法 |
-
1999
- 1999-05-28 JP JP11150647A patent/JP2000338687A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010256825A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Showa Denko Kk | 感光ドラム基体用アルミニウム管の製造方法 |
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