JP2967659B2 - 感光ドラム用アルミニウム管の製造方法 - Google Patents

感光ドラム用アルミニウム管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば感光層として
有機物系材料を用いた有機感光ドラム(いわゆるOPC
感光ドラム)等に用いられる感光ドラム用アルミニウム
管の製造方法に関し、特に引抜きまたはしごき工程を経
た無切削アルミニウム管からなる感光ドラム用アルミニ
ウム管の製造方法に関する。
【0002】なおこの明細書において、アルミニウムの
語はその合金を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】上記のような無切削アルミニウム管、例
えば押出・しごき工程により製作されるEI管と称され
るアルミニウム管や、押出・引抜工程により製作される
ED管と称されるアルミニウム管や、しぼり・しごき工
程により製作されるDI管と称されるアルミニウム管
は、表面切削を要することなく良好な表面平滑性が得ら
れるとともに、価格面でも有利なことから、近時感光ド
ラム用素管として用いられるようになってきている。
【0004】而して、従来、かかる無切削管はしごき加
工後または引抜後の表面をそのまま感光層の塗工面とし
て使用していたが、次のような欠点があることが発明者
らの研究により判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】即ち、図3に示すよう
に、押出および引抜後あるいはしごき加工後のアルミニ
ウム管(11)の表面には、凸キズと称されるような太さ
数μm以下で長さが10〜30μm程度の「ササクレ」
状の針状突起物からなる凸状欠陥(12)が発生している
ことがわかった。特に押出・引抜管(ED管)において
発生度合が著しい。このような表面欠陥は、押出素管の
ムシレや引抜ダイス等の焼付および潤滑油の汚れ等に起
因するものと推測される。つまり、押出時にダイスのベ
アリング面に酸化物やAl−Fe系の化合物が偏析し、
不安定で不均一なコーティングとなりムシレが発生する
ことがあるが、かかるムシレ部が次の引抜やしごきによ
って引伸ばされ、一部が凸状となって欠陥を生じるもの
と推測される。また、押出時にムシレは発生していなく
ても、引抜ダイスやしごきダイスのベアリングの焼付に
より表面がむしり取られ、一部が凸状になったり、また
潤滑油の汚れがベアリング部焼付を助長させることによ
り欠陥を生じるものと推測される。
【0006】しかるに、図3のように、凸状欠陥(12)
の存在状態のままアルミニウム管(11)の表面に有機物
系材料等からなる感光層(13)を塗工し、感光ドラムと
して使用した場合、はなはだしくは一様帯電する際に凸
状欠陥(12)においてリーク(漏電)してしまい、局部
的に帯電できなくなり、ひいては画像特性に支障を来す
という問題があることが判明した。
【0007】このため、苛性ソーダ等によるエッチング
や化学研磨、電解研磨により、前記凸状欠陥部分を溶解
除去する試みもなされたが、凸状欠陥の形態によっては
溶解せず、凸状欠陥(12)が図4に示すように細いワイ
ヤー状となって残留する場合もあり、確実な除去手段と
はなり得なかった。しかも、化学研磨、電解研磨等を施
した場合には、表面光沢度が上がるため、レーザビーム
プリンタ等において可干渉光源を使用する場合に、干渉
縞が発生するという別の問題も派生するものであった。
【0008】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、無切削アルミニウム管の表面の凸
状欠陥を除去することにより、感光ドラムを一様帯電す
る際のリークの発生をなくして、画像特性に優れた感光
ドラムとなしうるアルミニウム管の製作、提供を目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、引抜きまたはしごき工程を経た無切削
アルミニウム管に、陽極酸化処理を施して陽極酸化皮膜
を形成したのち、該陽極酸化皮膜を化学的に溶解除去す
ることを特徴とする感光ドラム用アルミニウム管の製造
方法を要旨とするものである。
【0010】アルミニウム管の組成は特に限定されるも
のではなく、切削性、強度、硬さなどを考慮して市販の
各種アルミニウム材の中から適宜のものを選択使用すれ
ば良い。
【0011】無切削アルミニウム管は、押出、しぼり等
の工程を経たのち引抜またはしごき加工を施して製作さ
れるものである。これら各加工工程は常法に従う条件で
行えば良い。
【0012】陽極酸化処理に先立ち、脱脂、水洗、苛性
洗浄、中和処理等、常法に従う前処理を施してもよい。
【0013】アルミニウム管に施す陽極酸化処理は、次
の化学的溶解工程と相俟ってアルミニウム管表面の凸状
欠陥を消滅させるために行うものである。即ち、図1に
示されるように、陽極酸化処理により凸状欠陥(2)は
優先的に陽極酸化皮膜(3)で覆われ、ひいては陽極酸
化皮膜そのものに置き換わり、脆く折れ易くなる。これ
が折れて、感光層の塗膜中に異物として混入すると、画
像のノイズの原因となる。そこで、凸状欠陥を脆く折れ
易くしたうえで、陽極酸化皮膜(3)を化学的に溶解除
去することにより、凸状欠陥(2)を除去するものであ
る。従って、陽極酸化処理は、凸状欠陥(2)を脆く折
れ易くするために、陽極酸化皮膜(3)の厚さが少なく
とも3μm以上となるように行うのが好ましい。3μm
未満では凸状欠陥(2)を陽極酸化皮膜(3)に置き換
えることができず、ひいては十分な除去が困難となるお
それがある。さらに好ましくは5μm以上の厚さを確保
するのが良いが、これらの数値に限定されるものではな
い。
【0014】陽極酸化処理の他の条件は特に限定される
ことはないが、好ましくは、後工程の化学溶解を容易と
するために、耐食性に劣る皮膜を形成するのが良い。具
体的には、硫酸電解液等の濃度を20wt%以上に高く設
定する(例えば30wt%)とか、電解液の温度を25℃
以上に高く設定する(例えば40℃)とか、電流密度を
2A/dm2 以上に高く設定(例えば5A/dm2 )し
て処理するのが良い。電解波形は交流またはパルス波形
を採用するのが、やはり陽極酸化皮膜の耐食性が悪くな
り、除去し易くなる点で好ましい。直流大電流では焼け
が発生する恐れがある。
【0015】陽極酸化処理後に行う化学的溶解処理は、
陽極酸化皮膜(3)を化学的に溶解除去し得る処理であ
ればその処理条件を問わない。処理方法の一例として
は、苛性ソーダにアルミニウム管を浸漬する方法を挙げ
得る。この化学的溶解処理により、アルミニウム管
(1)表面の陽極酸化皮膜(3)とともに凸状欠陥
(2)が溶解除去される。同時に、アルミニウム管
(1)表面の穴部に残存していた残油分も除去される。
【0016】陽極酸化皮膜(3)を溶解除去後、要すれ
ば水洗、中和、湯洗、乾燥等の後処理を行い、感光層を
塗工して感光ドラムとなす。なお、感光層の塗工前に、
感光層との密着性の向上等の目的で硫酸法等による陽極
酸化処理を再度行うものとしても良い。
【0017】
【作用】陽極酸化処理により、凸状欠陥(2)は優先的
に陽極酸化皮膜(3)で覆われ、ひいては陽極酸化皮膜
そのものに置き換わり、脆く折れ易くなる。この状態
で、陽極酸化皮膜(3)を化学的に溶解除去することに
より、アルミニウム管(1)表面の陽極酸化皮膜ととも
に凸状欠陥が溶解除去される。同時に、アルミニウム管
表面の穴部に残存していた残油分も除去される。
【0018】
【実施例】次に、この発明の実施例を示す。
【0019】A6063合金に押出と引抜を順次に実施
して、押出・引抜アルミニウム管(ED管)を製作し
た。これらアルミニウム管の表面を拡大検査したとこ
ろ、多数の微細な「ササクレ」状の凸状欠陥が存在して
いた。
【0020】次に、以下のような処理を実施した。
【0021】(I)前処理 脱脂、水洗、苛性洗浄、水洗、硝酸中和、水洗の各処理
を順次的に実施し、アルミニウム管の表面を清浄で活性
な面とした。
【0022】(II)陽極酸化処理 硫酸30W/V%、40℃の電解液を用い、電解電圧波
形を図2に示すようなパルス波形とし、かつV1 =V2
=15V、t1 =t3 =1sec、t2 =t4=10-2
sec(t1 〜t4 までが1サイクル)に設定して5分
間行なった。得られた陽極酸化皮膜の厚さは約7μmで
あった。
【0023】(III )脱膜 50℃の苛性ソーダ5W/V%溶液中に、アルミニウム
管を30秒間浸漬することにより、上記陽極酸化処理に
より形成した陽極酸化皮膜を溶解除去した。
【0024】(IV)後処理 水洗、硝酸中和、水洗、温水洗、乾燥の各処理を順次的
に実施した。
【0025】上記の後処理を終えたアルミニウム管の表
面を拡大観察したところ、微細な凸状欠陥は溶失して、
もはや存在しなかった。
【0026】次に、図3に示すように、上記アルミニウ
ム管(1)の表面に、電荷発生層(CGL)(4a)と電
荷輸送層(CTL)(4b)を有する感光層(4)を以下
のようにして被覆形成し、積層型感光体とした。すなわ
ち、CGLは、無金属フタロシアニンをテトラヒドロフ
ランにて4%に稀釈して、膜厚が約0.5μmになるよ
うに塗工し乾燥して形成した。次に、CT剤(ヒドラゾ
ン化合物)とCT樹脂(ポリカーボネート)を1:2の
比率で塩化メチレンに溶解して、膜厚が約20μmにな
るように塗工し乾燥してCTLとした。
【0027】そして、得られた感光体に付き、図3のよ
うに、電荷輸送層の表面に金蒸着膜(5)を被覆形成し
たのち、この金蒸着膜とアルミニウム管の間に3Vの電
圧を印加してリークテストを行ったところ、リークは全
く認められなかった。また、電圧−700Vで一様帯電
させた場合にもリークは全く認められなかった。
【0028】これに対し、凸状欠陥の除去処理を行わな
い上記と同じアルミニウム管に上記と同一の感光層を形
成してリークテスト、一様帯電を行ったところ、リーク
の発生が認められた。
【0029】
【発明の効果】この発明は、上述の次第で、引抜きまた
はしごき工程を経た無切削アルミニウム管に、陽極酸化
処理を施して陽極酸化皮膜を形成したのち、該陽極酸化
皮膜を化学的に溶解除去することを特徴とするものであ
るから、アルミニウム管の表面に生じている「ササクレ
状」の凸状欠陥を簡単にかつ確実に溶失させることがで
きる。その結果、該アルミニウム管を感光ドラムとして
用いた場合に、凸状欠陥に起因して生じていた一様帯電
時等のリークをなくすことができ、画像特性に優れた高
品質の感光ドラム材を提供することができる。
【0030】もとより、アルミニウム管の表面を直接化
学研磨、電解研磨するものではないから、レーザビーム
プリンタ等において可干渉光源を使用する場合にも、干
渉縞が発生するという問題を派生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽極酸化処理後のアルミニウム管表面の模式的
拡大断面図である。
【図2】実施例の陽極酸化処理における電解電圧の波形
図である。
【図3】実施例におけるリークテストの実施状態を示す
断面図である。
【図4】凸状欠陥除去処理を行わないアルミニウム管を
用いた感光ドラムの模式的拡大断面図である。
【図5】陽極酸化処理を実施することなく化学的表面溶
解処理を行った場合のアルミニウム管表面の模式的拡大
断面図である。
【符号の説明】
1…アルミニウム管 2…凸状欠陥 3…陽極酸化皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−7070(JP,A) 特開 昭61−200547(JP,A) 特開 平1−131571(JP,A) 特開 平3−192265(JP,A) 特開 平3−273260(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引抜きまたはしごき工程を経た無切削ア
    ルミニウム管(1)に、陽極酸化処理を施して陽極酸化
    皮膜(3)を形成したのち、該陽極酸化皮膜(3)を化
    学的に溶解除去することを特徴とする感光ドラム用アル
    ミニウム管の製造方法。
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