JP2513738B2 - 感光体用基板の製造法 - Google Patents

感光体用基板の製造法

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JP2513738B2 JP62290261A JP29026187A JP2513738B2 JP 2513738 B2 JP2513738 B2 JP 2513738B2 JP 62290261 A JP62290261 A JP 62290261A JP 29026187 A JP29026187 A JP 29026187A JP 2513738 B2 JP2513738 B2 JP 2513738B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、表面に酸化アルミニウムの層が形成された
感光体用基板の製造法に関する。
(従来の技術) 従来より、電子写真用の感光体用基板に、アルミニウ
ム製素材の表面に酸化アルミニウム層を形成した基板が
利用されている。
この感光体用基板は、従来では、例えば以下に示す工
程でアルミニウム製素材から製造されている。
まず、アルミニウム製素材をアルカリまたは酸などの
洗浄液で脱脂処理した後、水洗し、その後該洗浄液を中
和する。次に、該素材を水洗した後、電解槽に浸漬し
て、素材表面を陽極酸化する。この陽極酸化により素材
表面には酸化アルミニウム層が形成される。次に、該素
材を水洗して電解液を除去した後、素材を熱水が収容さ
れた封孔槽中に浸漬して封孔処理する。その後、素材を
封孔槽から取り出し、素材を水および湯で洗浄した後、
乾燥する。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記工程において、アルミニウム製素
材を電解槽に浸漬して陽極酸化する際や、該素材を前記
封孔槽の中で封孔処理する際に、素材成分であるアルミ
ニウムが各槽の処理液中にアルミニウムイオンとなって
溶け出し、水酸化アルミニウムが形成される。そして、
この水酸化アルミニウムが前記素材表面に形成された酸
化アルミニウム層表面に付着する。この素材表面に付着
した水酸化アルミニウムの固形物は水に不溶性であるた
め、それ以後の水洗および湯洗工程で、素材表面から除
去されない。
その結果、素材表面の酸化アルミニウム層表面には、
前記水酸化アルミニウムの固形物によって、不均一で微
小な凹凸が形成されることになる。従って、このように
して製造された感光体用基板を用いて、画像を形成した
場合には、前記固形物部分が画像上にむらとなって再現
され、画像品質を低下させることになる。しかも、前記
水酸化アルミニウムの固形物と酸化アルミニウム層との
接着性が悪いので、この感光体用基板の表面に形成され
た感光層が剥離するおそれもある。
本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的
は、酸化アルミニウム層の表面に付着残留した水酸化ア
ルミニウムを除去することができ、画像品質を低下させ
ることのない感光体用基板の製造法を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、表面に形成される感光
層が剥離するおそれのない感光体用基板の製造法を提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の感光体用基板の製造法は、アルミニウム製素
材を陽極酸化して該アルミニウム製素材表面に酸化アル
ミニウム層を形成する工程と、表面に酸化アルミニウム
層が形成された該素材を封孔処理する工程と、封孔処理
された該素材を硝酸水溶液で処理する工程とを有し、そ
のことにより上記目的が達成される。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明で用いるアルミニウム製素材としては、例えば
電子写真複写機の感光体用基板に使用されるアルミニウ
ム製素管を用いることができ、以下に示す工程を経て感
光体用基板が製造される。
まず、アルミニウム製素管を酸あるいはアルカリ液、
または有機溶剤などの洗浄液で脱脂処理する。次に、該
素管を水で洗浄して前記洗浄液を洗い落とした後、素管
を中和する。その後、素管を水で洗浄する。
次に、素管を陽極酸化工程に供する。該陽極酸化工程
は、素管を電解液が収容された電解槽に浸漬することに
より行う。この工程により素管表面のアルミニウム素地
は陽極酸化され、素管表面には酸化アルミニウム層が全
面に亘って均一に形成される。その後、酸化アルミニウ
ム層が形成された素管を水洗して電解液を除去した後、
該素管を封孔処理工程に供する。
該封孔処理工程は、前記のようにして表面に酸化アル
ミニウム層が形成された素管を、熱水または、ニッケル
−アクチニウム系助剤が混入された熱水が収容された封
孔槽内に浸漬することにより行う。素管を封孔処理した
後、素管を水および湯で洗浄する。
その後、該素管を硝酸処理工程に供する。この硝酸処
理工程は、素管を希硝酸水溶液に浸漬することにより行
うことができる。希硝酸水溶液における硝酸濃度は、限
定するものではなく、前記水酸化アルミニウムの付着
量、浸漬処理時間、温度などによって適宜調整すること
ができる。この硝酸処理工程によって、素管の酸化アル
ミニウム層表面に付着する水酸化アルミニウムの固形物
は、以下の式に示すように水溶性の硝酸アルミニウムと
なって素管表面から流される。
Al(OH)+3HNO3→Al(NO3+3H2O 次に、上記のようにして硝酸処理した素管を水および
湯で流し洗い、素管表面に残留する希硝酸水溶液を除去
した後、表面に酸化アルミニウム層が形成された素管を
乾燥する。このようにして得られた感光体用基板の表面
に,次に感光膜が形成されて感光体用ドラムが製造され
る。
なお、上記実施例において、素管を封孔処理した後の
水洗工程および、素管を硝酸処理した後の水洗および湯
洗工程は適宜省略することもできる。また、硝酸処理工
程は複数回行うようにしても良い。硝酸処理工程は濃硝
酸を使用することもできる。アルミニウム製素材はアル
ミニウム製板材などを用いることもできる。
(発明の効果) このように、本発明はアルミニウム製素材表面に酸化
アルミニウム層を形成する工程と、該素材を封孔処理す
る工程と、該素材を硝酸水溶液で処理する工程とを有し
ているので、封孔処理する際に処理液に溶け出したアル
ミニウムイオンが水酸化アルミニウムとなって素材表面
に付着した場合でも、この水酸化アルミニウムの固形物
を硝酸水溶液の処理によって、溶解除去することができ
る。従って、感光体用基板表面に水酸化アルミニウムの
固形物が付着するのを確実に防止することができるか
ら、この感光体用基板を用いて画像を形成する場合に、
画像品質が低下することがない。しかも、この基板表面
に水酸化アルミニウムの固形物が付着することがないか
ら、この感光体用基板表面に形成される感光層との接着
性が低下することがなく、この感光層が基板から剥離す
るおそれもない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム製素材を陽極酸化して該アル
    ミニウム製素材表面に酸化アルミニウム層を形成する工
    程と、 表面に酸化アルミニウム層が形成された該素材を封孔処
    理する工程と、 封孔処理された該素材を硝酸水溶液で処理する工程と、
    を有する感光体用基板の製造法。
JP62290261A 1987-11-17 1987-11-17 感光体用基板の製造法 Expired - Lifetime JP2513738B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60174864A (ja) * 1984-02-15 1985-09-09 Showa Alum Corp 薄膜形成用アルミニウム基材の表面処理方法

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