JP2000324867A - 動作補助装置および冷蔵庫用の動作補助装置 - Google Patents

動作補助装置および冷蔵庫用の動作補助装置

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JP2000324867A
JP2000324867A JP11131341A JP13134199A JP2000324867A JP 2000324867 A JP2000324867 A JP 2000324867A JP 11131341 A JP11131341 A JP 11131341A JP 13134199 A JP13134199 A JP 13134199A JP 2000324867 A JP2000324867 A JP 2000324867A
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芳明 寺田
Toshiharu Matsushima
俊治 松島
Ryuhei Wada
隆平 和田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 モータの複雑な駆動回路や、突き出し部材の
位置検出手段を備えること無く、かつ停電時や回路的故
障時にも、突き出し部材を容易に原点位置へ復帰させる
ことが可能な動作補助装置および冷蔵庫用の動作補助装
置を提供すること。 【解決手段】 モータ7の駆動力を、歯車輪列8により
伝達すると共に、これを介して、家電製品等のドア等開
閉部材4に当接可能な突き出し部材9をスライド動作さ
せる動作補助装置において、当歯車輪列には、当突き出
し部材と係合する、及び係合が外れる、夫々第一及び第
二の区間12a及び12bを有する係脱歯車12を設
け、第一の区間では係合により突出し部材をスライド移
動させ開閉部材の動作補助を行い、同歯車が更に回転し
て係合が外れると、モータの駆動力が突き出し部材へ伝
達されず、かつ、突き出し部材からの力が同歯車からモ
ータ側に伝わらないように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫等に設置さ
れた旋回式のドアや引き出しの前面部等、筐体の内部空
間を外部に開放したり、外部から遮断する開閉部材に適
用されるもので、当該開閉部材の動作を補助する動作補
助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋回式のドアや引き出し等のついた家電
製品や家具などにおいて、ドアや引き出しの前面を筐体
本体側にマグネットなどの吸着力を利用して保持させる
ものがある。このようなドアや引き出し(以下、開閉部
材という)は、閉じる寸前にマグネットの吸引力により
筐体本体側に吸引されるため、小さな力で確実に閉める
ことができ、また、閉まった状態では一定の閉じ力で閉
じ状態が保持される。したがって、多少の振動などがあ
っても自然にドアや引き出しが開いてしまうというよう
な不都合も解消できることから多くの製品に適用されて
いる。
【0003】このような一定の閉じ力により閉じられて
いる開閉部材は、通常では、それほど苦にならずに開け
られるが、たとえば、両手に物を持っていて、僅かな力
で開閉部材を開けようとするような場合、簡単には開か
ないことが生じる。また、腕力や握力等の落ちた高齢者
にとっては操作性が良いとはいえない。
【0004】この種の開閉部材は、閉じ状態を確実に保
持するという要素と、容易な開操作が可能という両方の
要素を満たす必要があるが、確実な閉じ状態の保持とい
う観点から考えると、或る程度の閉じ力を持たせる必要
性は否めない。したがって、一定以上の閉じ力を持ちな
がら、容易に開けられるような開閉機構とすることが望
まれる。
【0005】そこで、このような面倒な操作を少しでも
容易なものとするための装置として、本出願人は、特開
平4−17548号公報記載のモータアクチュエーター
を開発した(図10参照)。このモータアクチュエータ
ーは、モータ51と、モータ51の駆動力を減速して伝
達する減速機構52と、この減速機構52の最終段のピ
ニオン53に噛合するラック54を有するロッド55
と、ロッド55の位置を検出するための位置検出手段5
6と、これらの部材を収納するケース57と、を有して
いる。
【0006】このモータアクチュエーターは、ドア(図
示省略)に設けたスイッチ機構にユーザーが触れると、
モータ51が通電され、モータ51の駆動力によりロッ
ド55を前方へスライド移動させるようになっており、
このロッド55の前方へのスライド移動を利用して、前
方に配置されるドアの開動作を補助するようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなモータアクチュエーターでは、ドアの開動作を補助
した後、前方にロッドが残ったままになっていると、ユ
ーザーがドアを閉めた際に、ドアに押されてロッドがケ
ース内に戻ってくる。そのため、ロッドの戻り方向への
スライド移動によって、減速輪列が無理に回転しようと
し、減速輪列の各歯車を破損してしまうおそれが生じ
る。
【0008】そのため、このような装置では、減速輪列
にスリップ機構を備えたり、あるいは駆動力が一方向
(ロッドを前進させる方向)にのみ伝達されるクラッチ
機構を備えたり、モータを逆回転させてロッドを戻す制
御を行ったりすること等が考えられる。
【0009】上述のモータアクチュエーターの場合は、
ロッド55が所定位置まで前方へスライド移動させる
と、これを位置検出手段56で検知させ、この検知に基
づいて制御回路(図示省略)の駆動制御によりモータ5
1を停止させる。その後、モータ51を逆回転させるこ
とにより、ロッド55を逆方向にスライド移動させ、ロ
ッド55が元の位置まで戻す。すなわち、上述のモータ
アクチュエーターでは、ロッド55を前方へスライド移
動させた後、モータ51を逆回転させることにより、ロ
ッド55を原点位置まで戻す制御を行っている。
【0010】しかしながら、このような制御を行うた
め、上述のモータアクチュエーターは、ロッド55の位
置を検出するための位置検出手段56と、この位置検出
手段56による位置検出の結果に基づきモータ51を双
方向回転させるための駆動回路(図示省略)を備えてい
る。そのため、部品点数が多くなると共に、構造が複雑
化してしまい、装置全体が大型化してしまう。これらの
問題は、高級品や大型装置に組み込む場合は、大きな問
題とはならないが、低価格商品や小型の商品に組み込む
場合は、大きな欠点となってしまう。
【0011】さらに、上述のモータアクチュエーター
は、ロッド55を原点位置に戻す際には、必ずモータ5
1の駆動力を必要とする。そのため、ロッド55が飛び
出してしまっている状態で停電になったり、その状態で
回路的損傷が生じた場合は、手動等によりロッド55を
ケース57内に押し戻すこととなるが、モータ51のロ
ータへ伝わる力は増速関係となるため、モータ51への
負荷が極めて大きくなり、簡単には押し戻すことができ
ない。仮に、強引に押し戻すとすると、上述のように歯
車輪列中の歯車を破損してしまう。これを避けるためス
リップ機構やクラッチ機構を設けると、やはり部品点数
の増大、構造の複雑化、装置の大型化を招いてしまう。
【0012】本発明は、モータを双方向回転させるよう
な複雑な駆動回路や、突き出し部材の位置検出をするた
めの手段を備えず、かつ停電時や回路的故障時にも、手
動等により突き出し部材を容易に原点位置へ復帰させる
ことが可能な動作補助装置および当該装置を備える冷蔵
庫を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、モータの駆動力を伝達する歯車輪列と、
この歯車輪列を介して入力されるモータの駆動力によっ
てスライド移動して、開閉部材に直接または間接的に当
接可能な突き出し部材と、を有し、突き出し部材のスラ
イド動作により開閉部材の動作を補助する動作補助装置
であって、歯車輪列に、突き出し部材と係合する区間
(第1の区間という)と、突き出し部材との係合が外れ
る区間(第2の区間という)を有する係脱歯車を設け、
この係脱歯車の第1の区間との係合によって突き出し部
材をスライド移動させ開閉部材の動作補助を行い、係脱
歯車のさらなる回転によって突き出し部材と係脱歯車の
第1の区間との係合が外れることにより、モータの駆動
力が突き出し部材へ伝達されないようにすると共に、突
き出し部材からの力が係脱歯車から先に伝わらないよう
に構成している。
【0014】そのため、モータの駆動力により開閉部材
の動作補助のため前方へ飛び出した後の突き出し部材
は、係脱歯車との係合が外れることにより歯車輪列との
連結関係が絶たれ、ユーザーは手動等により容易に突き
出し部材を内部(原点位置方向)へ押し戻すことができ
る。
【0015】また、他の発明は、上述の動作補助装置に
加えて、係脱歯車の第1の区間は、第2の区間に比して
その歯の軸方向の厚みが厚く形成され、突き出し部材及
び歯車輪列における係脱歯車の前段の歯車の双方に係合
可能であると共に、係脱歯車の第2の区間は、第1の区
間に比してその歯の軸方向の厚みが薄く形成され、歯車
輪列における係脱歯車の前段の歯車のみに係合可能とさ
れている。
【0016】このように構成すると、係脱歯車はその前
段の歯車と常時係合し、モータからの回転力によって回
転することとなる。また、係脱歯車の第2の区間を、第
1の区間に比してその歯の軸方向の厚みを薄く形成し、
歯車輪列の前段の歯車のみに係合するようにすると、開
閉部材の動作補助後、第2の区間が突き出し部材に対向
するように係脱歯車を停止させることで、突き出し部材
を手動等で原点位置方向へ戻す際、突き出し部材と係脱
歯車とが干渉せず、容易に動かすことができる。
【0017】また、他の発明は、上述の動作補助装置に
加えて、係脱歯車は、少なくとも突き出し部材が開閉部
材に当接を開始する際に、第1の区間が突き出し部材及
び前段の歯車の双方に同時に係合するように配置されて
いる。
【0018】このように係脱歯車の歯の軸方向の厚みが
厚い第1の区間が、少なくとも突き出し部材が開閉部材
に当接を開始する際に、突き出し部材及び前段の歯車の
双方に同時に係合するように配置されると、必要とされ
るトルクが最大となるときに、歯車の強度の強い場所、
すなわち全歯部分を利用することができる。このため、
係脱歯車の歯の薄い部分を強度アップのために厚くする
必要がなくなり、係脱歯車全体の厚みを薄くすることが
でき、装置全体としても薄型化が可能となる。
【0019】また、他の発明は、上述の動作補助装置に
加えて、突き出し部材と係脱歯車との係合が外れた際、
突き出し部材をスライド移動を行う前の位置に復帰させ
るための突き出し部材復帰手段を備えている。このよう
に構成すると、突き出された突き出し部材を開閉部材や
手動によって元の位置にわざわざ復帰させる手間がなく
なると共に、突き出し部材が突き出たままの状態となる
ことがない。突き出し部材が突き出たままとなると、開
閉部材が備えられる本体内の内容物を取り出す際に邪魔
となったり、子どものいたずらの対象となりがちで故障
し易くなる。このような問題を突き出し部材復帰手段に
よって避けることができる。
【0020】また、他の発明は、上述の動作補助装置に
加えて、突き出し部材と係脱歯車との係合が外れた後、
係脱歯車をさらに回転させて補助動作を開始した位置関
係と同じ状態となる位置に復帰させるための係脱歯車復
帰手段を備えている。このように突き出し部材と係脱歯
車との係合が外れた後、係脱歯車を元の位置に復帰させ
るための係脱歯車復帰手段を備えると、開閉部材の動作
補助後、係脱歯車が次の動作補助への準備位置に復帰さ
せられることとなるので、次の動作補助を無駄な時間を
経過させることなくスムーズに開始させることができ
る。
【0021】さらに他の発明は、モータの駆動力を伝達
する歯車輪列と、この歯車輪列を介して入力されるモー
タの駆動力によってスライド移動して、開閉部材に直接
または間接的に当接可能な突き出し部材と、を有し、突
き出し部材のスライド動作により開閉部材の動作を補助
する動作補助装置であって、モータの電流値を検出する
電流検出手段を設け、検出された電流を利用してモータ
を停止させている。
【0022】このようにすると、モータの負荷によって
モータの停止を行わせることが可能となる。すなわち、
モータの負荷はモータの動作状態によって変動するが、
その負荷はモータの電流値変化として現れる。このた
め、モータの電流値を利用してモータを停止させるよう
にすれば、適切な状態の所でモータを停止させることが
可能となる。
【0023】また、他の発明は、モータの駆動力を伝達
する歯車輪列と、この歯車輪列を介して入力されるモー
タの駆動力によってスライド移動して、開閉部材に直接
または間接的に当接可能な突き出し部材と、を有し、突
き出し部材のスライド動作により開閉部材の動作を補助
する動作補助装置であって、歯車輪列に、突き出し部材
と係合する区間(第1の区間という)と、突き出し部材
との係合が外れる区間(第2の区間という)を有する係
脱歯車を設け、この係脱歯車の第1の区間との係合によ
って突き出し部材をスライド移動させ開閉部材の動作補
助を行い、係脱歯車のさらなる回転によって突き出し部
材と係脱歯車の第1の区間との係合が外れることによ
り、モータの駆動力が突き出し部材へ伝達されないよう
にすると共に突き出し部材からの力が係脱歯車から先に
伝わらないように構成し、係脱歯車の停止位置を、モー
タの電流値の変化を利用して突き出し部材の動作開始後
の所定電流値の時点を測定基準時とし、当該測定基準時
から0を含む所定時間後であって係合が外れた状態とな
っている位置としている。係脱歯車復帰手段を、上述の
ようにすると、動作のばらつきが少なく、より確実に係
脱歯車を原点位置に復帰させることができる。
【0024】また、他の発明は、上述の動作補助装置に
加えて、開閉部材を磁気的作用により筐体に吸着される
もので構成すると共に、開閉部材が磁気的作用によって
は動作しない範囲まで動かされた後、係脱歯車と突き出
し部材との係合が外れるようにしている。このように構
成すると、開閉部材がしっかり保持された状態から解除
された後の力を必要としない状態での動作補助を行わな
いようにできる。このため、無駄な補助動作やモータの
無駄な駆動を省略することができる。
【0025】また、他の発明は、上述の動作補助装置に
加えて、開閉部材が磁気的作用によっては動作しない範
囲まで動かされた際に切り替わるドアスイッチを筐体に
設け、このドアスイッチの切り替わりに連動してモータ
の駆動を停止するようにしている。このため、磁気的作
用力の変化を確実にとらえることができ、その変化に対
応してモータの停止を行わせることができる。このた
め、一層適切な動作補助をさせることができる。
【0026】また、本発明の冷蔵庫用の動作補助装置
は、開閉部材としての扉または引き出しが磁気的吸引力
により本体側に吸引され、閉じ状態を保持するようにし
た冷蔵庫の本体に、請求項1から9のいずれか1項記載
の動作補助装置を設け、磁気的吸引力が強く働く範囲の
間、動作補助装置の突き出し部材を前方へスライド移動
させ、扉または引き出しの開動作を補助し、その磁気的
吸引力が弱くなる位置まで扉または引き出しが押される
と、突き出し部材を前方に移動させるモータからの伝達
力がその突き出し部材に伝わらないようにする伝達力解
除手段を動作させるものとなっている。
【0027】上述したように構成された各発明の動作補
助装置を取り付けた冷蔵庫は、僅かな力で扉や引き出し
を開けることができると共に閉じ状態では確実に冷気を
庫内に閉じ込めることができる。しかも、扉等を開ける
際に突き出てくる突き出し部材の原点位置等、所定位置
への復帰が、複雑な回路や構成を設けることなく達成で
き、コスト低減が可能となると共に、冷蔵庫内の狭い部
分にも容易に組み込むことが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態にお
ける動作補助装置について、図1から図9に基づき説明
する。なお、本実施の形態では、動作補助装置を冷蔵庫
に取り付けたものとして説明するが、本発明は、特に、
冷蔵庫に取り付けるものに限定されるものではない。
【0029】動作補助装置1は、図1に示すように、筐
体としての冷蔵庫2のフレーム3の扉(以下、ドアとい
う)4と対向する位置に備えられており、前方に配置さ
れた開閉部材としてのドア4の開動作の補助を行う装置
となっている。なお、ドア4は、冷蔵庫2に形成された
冷蔵室5の開放端部分を開放/閉塞するためのものとな
っており、冷蔵室5の開放端の一部に一端が回動自在に
支持されている。
【0030】そして、ドア4の他端には、吸着マグネッ
ト6が備えられている。この吸着マグネット6は、閉塞
時に冷蔵室5の開放端の一部に磁気的作用により吸着す
るようになっており、これによってドア4で冷蔵室5を
完全に密封し、かつ冷蔵室5の開放端にドア4を保持さ
せるものとなっている。
【0031】動作補助装置1は、図2及び図3に示すよ
うに、DCモータ(以下、単にモータという)7と、モ
ータ7の駆動力を伝達する歯車輪列8と、歯車輪列8を
介して入力されるモータ7の駆動力によって前方へスラ
イド移動してドア4に当接可能な突き出し部材9と、突
き出し部材9を原点位置に復帰させるための突き出し部
材復帰手段としてのコイルバネ10と、これらの各部を
内部に収納するケース11と、を有している。
【0032】そして、動作補助装置1は、突き出し部材
9の前方へのスライド動作により、ドア4の全動作範囲
のうちの所定範囲の動作を補助するものとなっている。
すなわち、突き出し部材9がドア4の内側にぶつかりな
がらさらに前方へスライド動作することによってドア4
を前方へ押し出す。ドア4は吸着マグネット6の磁気的
作用である磁気吸引力により冷蔵庫2本体側に引き付け
られているが、動作補助装置1が、磁気吸引力によって
引き付けられない位置まで前方へドア4を押し出す。な
お、第1の実施の形態では、このように磁気的作用によ
ってはドアが動作しない範囲まで動かすものとしている
が、本発明は、特に、マグネットの吸着力を使用するド
アに使用する場合に限られるものではなく、バネ等で閉
じ力を生成しているものやマグネット、バネ等の閉じ力
を持たないものにも適用することができる。
【0033】このように、モータ7の回転駆動力によっ
て突き出し部材9を前方へ移動させることで、ドア4を
冷蔵室5の開放端への吸着保持から解除させる。なお、
この動作補助装置1は、ドア4を冷蔵庫2の前方へのみ
動作させる装置となっている。したがって、ドア4をこ
の動作補助装置1によって前方へ駆動し、その後、ユー
ザーが手動でドア4を開いて冷蔵室5内に食品等を出し
入れした後は、ユーザーが、手動によってドア4を閉じ
るものとなっている。また、本実施の形態では、突き出
し部材9を、ドア4に直接当接可能なものとしている
が、突き出し部材9は、何らかの部材を介し間接的にド
ア4に当接可能なものとしてもよい。
【0034】さらに、動作補助装置1は、突き出し部材
9によってドア4の動作補助を行った後、突き出し部材
9と歯車輪列8との関係が絶たれ、モータ7の駆動力が
突き出し部材9へ伝達されないように構成されている。
すなわち、歯車輪列8の最終段には、突き出し部材9と
所定の区間(以下、第1の区間12aという=図4参
照)でのみ係合し、所定の区間以外の区間(以下、第2
の区間12bという=図4参照)では係合が外れる係脱
歯車12が配置されている。
【0035】そのため、歯車輪列8の係脱歯車12の回
転により、突き出し部材9を前方へ突き出し、ドア4の
動作補助を行った後は、突き出し部材9と係脱歯車12
との係合が外れる。そのため、ドア4の動作補助を行っ
た後は、モータ7の駆動力が、突き出し部材9へ伝達さ
れないようになる。なお、突き出し部材9は、係脱歯車
12との係合が外れた後は、コイルバネ10の付勢力に
よって元の位置(原点位置)に復帰する。
【0036】このような構成となっているため、本実施
の形態の動作補助装置1は、特に、歯車輪列8にクラッ
チ機構やスリップ機構等を設けていないが、突き出し部
材9によりドア4の動作補助を行った後にユーザーがド
ア4を閉めても、ドア4が突き出し部材9にぶつかるこ
とはなく、したがって突き出し部材9の逆方向へのスラ
イド動作によって歯車輪列8の各歯車を破損するという
問題は生じない。なお、突き出し部材9の原点位置復帰
手段としては、例えば、コイルバネ10を用いず、マグ
ネットの磁気吸引力を利用するような構成としてもよ
い。
【0037】また、本実施の形態では、ドア4の動作補
助後の突き出し部材9を、コイルバネ10の付勢力によ
り原点位置へ戻す構成となっているが、このような原点
位置復帰手段(上述のマグネットも含めて)自体を廃止
してもよい。その場合、ユーザーが、ドア4を戻す(閉
める)ことにより、ドア4が突き出し部材9にぶつかる
こととなるが、突き出し部材9は、既に係脱歯車12と
の係合が外れた状態となっており、ドア4でケース11
の内部側に押されても、この動作によって係脱歯車12
が回転されることはなく、その結果、歯車輪列8の各歯
車を破損するという問題は生じない。なお、歯車輪列8
の各歯車の構成は、後で詳述する。
【0038】モータ7は、ケース11内に形成されたモ
ータ保持部13内に保持されている。このモータ保持部
13は、モータ7を取り囲むように形成されている。モ
ータ7の出力軸14は、モータ保持部13に形成された
挿通孔13aよりケース11の内部空間内に突出してい
る。なお、モータ7は、複数本で構成されたリード線1
5により端子部材16と接続されている。そして、端子
部材16は、電源及び制御手段を兼ねた外部の制御装置
17と接続されている。このため、モータ7は、リード
線15及び端子部材16を介して、外部の制御装置17
に接続されており、制御装置17によって制御駆動され
るようになっている。
【0039】モータ7の出力軸14のモータ保持部13
より突出している部分には、歯車輪列8の一部を構成す
るウォーム18が連結板19を介して一体回転可能に取
り付けられている。そのため、モータ7の駆動力は、ウ
ォーム18を介して歯車輪列8側に減速されて伝わるよ
うになっている。
【0040】また、突き出し部材9は、歯車輪列8の最
終段の係脱歯車12と係合し、モータ7の駆動力を受け
ることにより、ケース11内に形成されたガイドレール
1aに案内されて、図2において矢示A方向にスライド
移動可能となっている。突き出し部材9は、矢示A方向
にスライド移動することによって、先端部分がケース1
1に形成された挿通孔11bから、ケース11の外部へ
突出するようになっている。この突出する部分には、上
述したドア4が配置されている。すなわち、この突き出
し部材9は、モータ7の駆動力で前方(図2において矢
示A方向)へスライド移動することにより、ドア4に当
接しドア4を開方向(図2において矢示B方向)に突き
出すものとなっている。
【0041】なお、突き出し部材9の先端部分は、突き
出し部材9が最奥部に引っ込んだ状態でケース11と略
面一となるように配置される。この突き出し部材9の配
置に関しては、突き出し部材9とドア4との配置関係、
及びモータ7の始動時から突き出し部材9をドア4へ当
接させるまでの時間制御の関係等、種々の関係により適
宜変更可能である。
【0042】また、動作補助装置1は、突き出し部材9
と係脱歯車12との係合が外れた際、突き出し部材9を
元の位置(原点位置)に復帰させるための突き出し部材
復帰手段としてのコイルバネ10を、ケース11内に備
えている。このコイルバネ10は、ケース11と突き出
し部材9とに挟まれた位置に配置され、一端をケース1
1のドア4と対向する側の内壁11aから突出した突出
部1bに係止させていると共に、他端を突き出し部材9
に嵌合された後述するマグネット1cに対するヨークと
なる金属製のプレート20に当接させている。そして、
コイルバネ10は、突き出し部材9が、図2において矢
示A方向にスライド移動されると、プレート20に押さ
れて収縮して、突き出し部材9を原点位置へ復帰させる
ための付勢力を貯える。
【0043】この状態で突き出し部材9と係脱歯車12
との係合が外れ、モータ7の駆動力の伝達が絶たれる
と、コイルバネ10の付勢力(復元力)によって突き出
し部材9が原点位置まで戻されることとなる。なお、原
点位置まで戻された突き出し部材9は、金属製のプレー
ト20がケース11内に配置されるマグネット1cに吸
着されることにより、ケース11内の原点位置で保持さ
れることとなる。なお、プレート20とマグネット1c
との関係は、逆、すなわち突き出し部材9にマグネット
を備え、ケース11に金属製のプレートを配置すること
により、突き出し部材9の原点位置での保持をするよう
にしてもよいし、双方マグネットとしてもよい。
【0044】さらに、コイルバネ10は、突き出し部材
9の前方へのスライド移動によって収縮して付勢力を貯
えるのではなく、伸張することにより縮み方向への付勢
力を貯えるもので構成されてもよい。また、このコイル
バネ10を廃止し、ドア4の戻し動作(閉じ動作)や手
動によって突き出し部材9を原点位置に復帰させるもの
としてもよい。この場合も、押し戻す突き出し部材9と
歯車輪列8との連結が外れているので、弱い力で容易に
押し戻すことができる。
【0045】歯車輪列8は、モータ7の出力軸14と一
体的に回転可能なウォーム18と、このウォーム18に
噛合する第1歯車部21と、この第1歯車部21に噛合
する第2歯車部22と、この第2歯車部22に噛合する
第3歯車部23と、この第3歯車部23に噛合する係脱
歯車12から構成されている。
【0046】ウォーム18は、上述したようにモータ7
の出力軸14に固定されていると共に、先端部分をケー
ス11の側壁内側に形成された軸受け部25に回転自在
に支承されている。このようにウォーム18を支承する
軸受け部25をケース11の内側に設けることにより、
ケース11が補強されている。
【0047】第1歯車部21は、ケース11に両端を支
持された金属製の軸26に回転自在に支持されている。
この第1歯車部21は、ウォーム18と噛合する大径の
受け歯車21aと、第2歯車部22の受け歯部22aと
噛合する小径の送り歯車21bから構成されている。こ
れらの受け歯車21aと送り歯車21bとは、一体的に
形成されている。
【0048】第2歯車部22は、ケース11に両端を支
持された金属製の軸27に回転自在に支持されている。
この第2歯車部22は、第1歯車部21の送り歯車21
bと噛合する大径の受け歯車22aと、第3歯車部23
の受け歯部23aと噛合する小径の送り歯車22bから
構成されている。これらの受け歯車22aと送り歯車2
2bとは、一体的に形成されている。
【0049】第3歯車部23は、ケース11に両端を支
持された金属製の軸28に回転自在に支持されている。
この第3歯車部23は、第2歯車部22の送り歯車22
bと噛合する大径の受け歯車23aと、係脱歯車12と
噛合する小径の送り歯車23bから構成されている。こ
れらの受け歯車23aと送り歯車23bとは、一体的に
形成されている。
【0050】係脱歯車12は、歯車輪列8の最終段歯車
となっており、ケース11に両端を支持された金属製の
軸29に回転自在に支持されている。この係脱歯車12
は、図2から図5に示すように、突き出し部材9のラッ
ク歯部31及び歯車輪列8の前段の歯車となる第3歯車
部23の双方に係合可能な112度に渡る第1の区間1
2aと、第3歯車部23にのみ係合可能な残り248度
に渡る第2の区間12bとから構成されている。
【0051】第1の区間12aは、第2の区間12bに
比して歯の軸方向の厚みを2倍程度厚く形成された全歯
形状となっており、上述したようにラック歯部31と第
3歯車部23の送り歯車23bとの双方に係合可能とな
っている(図4参照)。なお、この第1の区間12a
は、第3歯車部23の送り歯車23bとは軸方向全面を
利用して係合する。すなわち、送り歯車23bは、係脱
歯車12の第1の区間12aの軸方向全面と係合できる
歯部としている。この第1の区間12aは、突き出し部
材9のラック歯部31とは、図3に示すように下側半面
のみを利用して係合する。すなわち、突き出し部材9の
ラック歯部31は、係脱歯車12の全歯部となる第1の
区間12aの軸方向下側半面とのみ対向している。
【0052】そして、係脱歯車12が、図2において矢
示C方向に回転し、円弧状に並べられた係脱歯車12の
第1の区間12aの歯が直線状に並べられたラック歯部
31の歯に順に噛み合うことによって、ラック歯部31
が徐々に前方(図2において矢示A方向)へスライド移
動させられる。なお、このとき、同時に噛み合う歯数
は、このスライド移動に必要な数、例えば3つとなって
いる。
【0053】これに対して、第2の区間12bの歯は、
第1の区間12aの歯に比して軸方向の厚みを1/2程
度に薄く形成されたものとなっており、上述したように
ラック歯部31とは係合せず、第3歯車部23の送り歯
車23bとのみ係合可能となっている。すなわち、係脱
歯車12の第2の区間12bは、図3において下側半分
を切り欠いた形状となっており、この切り欠いた部分が
突き出し部材9のラック歯部31と対向するようになっ
ている。したがって、係脱歯車12は、モータ7の駆動
力によって回転し、第2の区間12bがラック歯部31
と対向する位置まで移動すると、ラック歯部31との係
合が外れるようになっている。
【0054】なお、このように構成された係脱歯車12
は、第1の区間12aでラック歯部31を前方へ送り出
し、さらに第2の区間12bが対向することによってラ
ック歯部31との係合が外れた後も、後述する係脱歯車
復帰手段によって、原点位置まで回転させられる。すな
わち、係脱歯車12は、第1区間12aの最初の歯がラ
ック歯部31の最初の歯と係合する手前となる位置まで
回転させられる。このため、第1の実施の形態の動作補
助装置1は、ドア4を手動で閉めた後の次の動作補助時
に、確実にしかもスムーズに動作を開始することができ
る。
【0055】このように構成された係脱歯車12の第1
の区間12aは、図4に示すように、全周360度のう
ち112度形成されており、残りの248度が第2の区
間12bとなっている。そのため、係脱歯車12が突き
出し部材9に係合し、112度回転する間、突き出し部
材9は図2において矢示A方向へ前進し、この区間が終
了し係合が外れると、コイルバネ10の復元力により原
点位置に戻ることとなる。一方、係脱歯車12は、送り
歯車23bとは常時係合しており、係脱歯車復帰手段と
しての制御装置17のモータ7の駆動制御により、この
状態よりさらに248度回転させられ、原点位置に復帰
する。
【0056】また、この係脱歯車12は、第1の区間1
2aと突き出し部材9のラック歯部31とが係合し始め
た状態から所定の区間(この実施の形態では約43度の
区間)においては、軸方向の厚みの厚い第1の区間12
aで第3歯車部23の送り歯車23bと係合している。
すなわち、突き出し部材9によるドア4の動作補助が開
始するもっとも大きなトルクを必要とする最初の区間で
は、モータ7の駆動力を係脱歯車12の第1の区間12
a、すなわち全歯部分で受ける構成となっている。
【0057】上述したように、突き出し部材9の駆動初
期の段階は、ドア4が吸着マグネット6の磁気的作用に
より冷蔵庫2側に引き付けられており、これに抗してド
ア4を押し出す必要がある。そのため、このような構
成、すなわち駆動初期段階において軸方向に厚みのある
全歯部分の第1の区間12aでモータ7の駆動力を受け
る構成とすると、大きなトルクが第1の区間12aの歯
に加わっても損傷しづらくなる。このため、歯車輪列8
の歯車の配置を変えて、駆動開始当初に第3歯車部23
が第2の区間12bに係合するように構成する場合に比
べ、係脱歯車12の軸方向の厚みを薄くすることがで
き、装置の厚みも薄型化できる。
【0058】なお、このような第1区間12aの全範囲
112度のうちのラック歯部31と第3歯車部23とが
同時に係合する区間は、この実施の形態では、図4に示
すように、43度40分15秒となっている。そのた
め、駆動初期から係脱歯車12が43度40分15秒回
転すると、係脱歯車12は、軸方向に歯の厚みのない薄
型の第2の区間12bでモータ7の駆動力を受けること
となる。しかしながら、係脱歯車12がこの第2の区間
12bで駆動力を受けるときには、既に突き出し部材9
によってドア4が前方へ移動し始めており、モータ7に
かかる負荷が小さくなっている。そのため、このとき
は、軸方向に歯の厚みのない薄型の第2の区間12bで
モータ7の駆動力を受けても、それ程歯車に負担がかか
らないものとなっている。
【0059】なお、上述の第1区間12aと第2区間1
2bとの比率に関しては、任意のものであり、適宜角度
を調節できるものとなっている。また、第1区間12a
のラック歯部31と第3歯車部23とに同時に係合する
区間に関しても、任意のものであり、適宜角度を調節で
きるものとなっている。また、係脱歯車12の第2の区
間12bの強度が十分に突き出し部材9の駆動初期段階
に耐えうるものである場合や、それ程薄型化が要請され
ない場合は、このような構成とせず、第2の区間12b
で第3歯車部23の送り歯23bの回転を受けるように
してもよい。
【0060】なお、歯車輪列8の最終段歯車としての係
脱歯車を、上述したように下側半分に欠け歯形状を有す
る歯車とするのではなく、図6に示すような2段の歯車
で構成してもよい。すなわち、図6に示す係脱歯車12
0は、歯車輪列の前段となる歯車121に常時係合して
いる大径の受け歯車122と、この受け歯車122と同
軸上に一体的に形成された小径の送り歯車123とから
構成されている。送り歯車123は、突き出し部材9の
ラック歯部31に係合する第1の区間123aと、ラッ
ク歯部31との係合が外れる第2の区間123bとから
構成されている。そして、係脱歯車120が、図6にお
いて矢示C’方向に回転し、円弧状に並べられた係脱歯
車120の第1の区間123aの歯が直線状に並べられ
たラック歯部31の歯に順に噛み合うことによって、突
き出し部材9が徐々に前方(図6において矢示A’方
向)へスライド移動させられる。さらに、係脱歯車12
0が回転し、第2の区間123bがラック歯部31と対
向する位置となると、係脱歯車120とラック歯部31
との係合が外れる。
【0061】上述したように構成された本実施の形態の
動作補助装置1は、冷蔵庫2のドア4を駆動するため
に、冷蔵庫2のフレーム3に着脱自在にネジ止め固定さ
れるようになっている。この冷蔵庫2は、図1及び図7
に示すように、前面に旋回式のドア4を有すると共に内
部に飲料製品等の冷蔵保存の必要な食品類を保存するた
めの冷蔵室5を有している。ドア4には、ドア4を開け
る際にユーザーが握って手前に引くための引き用把手3
5が設けられており、この引き用把手35の一部にユー
ザーが引き用把手を掴んだことを検知するセンサー32
が備えられている。
【0062】また、冷蔵室5内には、ドア4が密閉状態
から解除されるとオンするドアスイッチ33と、ドアス
イッチ33の入力によって点灯する室内灯34と、が設
けられている。そのため、ドア4が動作補助装置1によ
ってわずかに開放されると、ドアスイッチ33がオン
し、冷蔵室5内の室内灯34が点灯するようになってい
る。なお、このドアスイッチ33のオンオフ動作と連動
させて、上述の動作補助装置1のモータ7の駆動停止を
行うようにしてもよい。この場合、ドアスイッチ33が
オンするタイミングは、ドア4が吸着マグネット6の磁
気的作用によって閉まってしまわない程度ドア4が開放
された後にすると共に、突き出し部材9と係脱歯車12
との係合が外れた後にする必要がある。
【0063】また、冷蔵庫2は、1つのドア4と2つの
引き出し39,41を有する筐体となっているが、ドア
を2つ以上としたり、引き出しを1つまた3つ以上とし
ても良い。また、ドアが2つ以上設けられていたり、引
き出しが3つ以上設置されている場合、動作補助装置1
をドアの数及び引き出しの数を足した数と同じ数だけ配
置し、全てのドア及び引き出しをそれぞれ駆動するよう
にしても良いし、また一部のドアもしくは引き出しのみ
を駆動するように動作補助装置1を配置しても良い。
【0064】上述したように構成された冷蔵庫2のドア
4は、ユーザーが引き用把手35を握ってセンサー32
が働くことより、動作補助装置1のモータ7が起動し、
このモータ7の駆動力によって前方へ僅かに押し出され
るものとなっている。なお、センサー32は、図8に示
すように、制御装置17に接続される。この制御装置1
7には、モータ7も接続されている。そのため、センサ
ー32からの信号の入力があると、制御装置17は、モ
ータ7に電力を供給しモータ7を駆動させる。これによ
って、モータ7の駆動力が歯車輪列8を介して突き出し
部材9へ伝達され、突き出し部材9が前方に動作し、ド
ア4を押し出すこととなる。
【0065】なお、本実施の形態では、ユーザーがドア
4を開こうとしているのを検知するためにセンサー32
をタッチセンサーで構成したが、タッチセンサーの代わ
りに圧電素子や赤外線による検知手段等、他の検知手段
を設けるようにしてもよい。
【0066】制御装置17は、このようにセンサー32
からの信号に基づきモータ7を駆動し突き出し部材9を
前進させるための制御を行うが、一方、突き出し部材9
との係合が外れた後に係脱歯車12を所定の位置で停止
させる制御も行う。なお、本実施の形態では、モータ7
を停止させるタイミングを、上述の係脱歯車12の第1
の区間12aの最初の歯が突き出し部材9のラック歯部
31の最初の歯に噛合する寸前としている。
【0067】すなわち、係脱歯車12は、この回転角度
(ラック歯部31と係合する寸前で停止する角度)が原
点位置となっており、突き出し部材9によるドア4の動
作補助後、制御装置17は、係脱歯車12を原点位置で
停止させる制御を行うようになっている。言い換えれ
ば、制御装置17は、係脱歯車12を元の位置に復帰さ
せるための係脱歯車復帰手段となっている。
【0068】このときの制御装置17の制御方法を、図
9を用いて、以下に説明する。なお、図9は、モータ7
に加わる電流値の経時変化を示したもので、モータ7に
かかる負荷の変化に対応させることができる。
【0069】図9によれば、モータ7に流れる電流値
は、起動時が一番高く(図9において矢示a1)、その
後、一旦落ちる(図9において矢示a2)が、依然高い
レベルを維持する。これは、停止状態からモータ7を駆
動開始させる際に大電流の、いわゆる起動電流が必要と
されるためであり、その起動電流が流れた直後、突き出
し部材9がドア4に当接するため、モータ7にかかる負
荷が非常に高くなるためである。そして、突き出し部材
9がモータ7の駆動力によってドア4を前方へ押し出
し、ドア4と突き出し部材9との当接が離れると、モー
タ7に流れる電流値が急激に低下する(図9において矢
示a3)。上述したように、ドア4から受ける負荷がな
くなるからである。
【0070】なお、本実施の形態では、ドア4の動作補
助を行った(ドア4との当接が離れた)後も、モータ7
の回転は停止せず、突き出し部材9をさらに前方まで突
き出させる。この間、モータ7に流れる電流値は、徐々
に上昇する(図9において矢示a4)。これは、モータ
7で突き出し部材9を前方へ駆動すると、モータ7の駆
動力に抗して、上述した復帰手段としてのコイルバネ1
0の弾性エネルギー(付勢力)が徐々に貯えられてい
き、僅かであるがモータ7への負荷を増加させているた
めである。
【0071】そして、突き出し部材9が前方終端まで駆
動されると、突き出し部材9と係脱歯車12との係合が
外れる。そのため、モータ7の駆動力は、突き出し部材
9へ伝達されず、係脱歯車12は空転する。このとき、
すなわち、突き出し部材9と係脱歯車12との係合が外
れた瞬間のモータ7に流れる電流値は急激に低下(図9
において矢示a5)し、係脱歯車12が空転している間
中、その低下した状態の電流値を維持することとなる
(図9において矢示a6)。
【0072】本実施の形態の動作補助装置1では、この
ようなモータ7に流れる電流値の変化を利用して、モー
タ7の駆動制御をしている。すなわち、本実施の形態で
は、上述の矢示a4の区間(ドア4の解放によりモータ
7の電流値が急激に低下した後、徐々に上昇に向かう区
間)における任意の電流値nを設定し、この電流値nを
超えた時点を測定基準時としている。そして、制御装置
17は、この測定基準時に達したときから所定時間s、
モータ7への電力供給を行うことにより、係脱歯車12
を原点位置まで回転させる制御を行う。
【0073】このような制御方法を採用するのは、以下
の理由による。すなわち、動作補助装置1は、ユーザー
が引き用把手35を触れることによりセンサー32が働
き、これによって制御装置17の制御によりモータ7の
駆動が開始する。そして、このモータ7の駆動を所定時
間行えば、通常、突き出し部材9が前方終端まで動作を
し、ドア4を開放するようになる。
【0074】しかしながら、何らかの理由、例えば、ド
ア4を持ったまま開けない状態が続いたりして、突き出
し部材9がスムーズに駆動されない場合、モータ7の起
動時から突き出し部材9の全動作(原点位置から前方終
端までのスライド動作)が終了するまでにかかる時間に
は、予期せぬばらつきが生じる。
【0075】そのため、モータ7の起動時から所定時間
を経過した後にモータ7を停止するという制御では、ば
らつきが積み重なることで突き出し部材9の前方終端ま
での移動が確実に行われない場合が生ずる危険がある。
突き出し部材9が前方終端まで駆動されず、途中位置で
止まった状態でモータ7を停止させてしまうと、ドア4
が閉められた際にドア4が係脱歯車12に係合したまま
の状態の突き出し部材9にぶつかってしまい、突き出し
部材9がケース11内部に押し込まれてしまう。この結
果、ケース11内部の歯車輪列8を破損してしまうおそ
れが生じる。
【0076】また、ドア4の開放時点から所定時間後に
モータ7を停止させる制御の場合、組み立て誤差等によ
ってドア4の開放時点がばらつく。このばらつきは先に
示したと同様な問題を発生させる。すなわち、突き出し
部材9が突き出た状態で停止したり、突き出し部材9の
動作開始までの時間が一定しなくなる。
【0077】そこで、本実施の形態の動作補助装置1で
は、上述したような制御方法を採用している。上述の制
御方法を採用した場合、ドア4の動作補助後の負荷が少
なくスムーズに駆動されているモータ7の駆動時間を測
定することとなるので、測定時間にばらつきが生じにく
く、確実な位置での係脱歯車12の停止が可能となる。
このようにして確実に係脱歯車12を原点位置に停止さ
せると、次のドア4の動作補助時も、係脱歯車12が原
点位置から回転を開始することとなり、係脱歯車12と
突き出し部材9とが短時間で係合し、かつその時間も毎
回一定なものとなり、常時、安定した動作を期待できる
こととなる。また、突き出し部材9が突き出た状態でモ
ータ7が停止してしまうこともなくなる。
【0078】なお、モータ7の駆動時間を測定する測定
基準時は、上述の時点でなくても良く、例えば、組み立
て誤差を発生させないようにした場合等では、突き出し
部材9とドア4との当接が解除となり急激にモータ7に
流れる電流値が低下した時点(図9において矢示a3)
としてもよい。また、測定基準時は、突き出し部材9を
前方終端まで駆動し突き出し部材9と係脱歯車12との
係合が外れてモータ7に流れる電流値が低下した時点
(図9において矢示a5)等でもよい。また、実際には
ばらつきが生じる可能性が高いが、ある程度の精度誤差
が許容されたり、他の誤差対策が施されているような場
合には起動電流の発生時(図9において矢示a1)や、
起動電流発生後の急激な電流の低下時(図9において矢
示a2)でも良い。
【0079】さらには、このように電流値の変化を利用
するのではなく、例えば、上述のドアスイッチ33のオ
ン時を測定基準時として、その後のモータ7の駆動時間
を制御する等、他の制御方法によってモータ7の停止時
を設定して、係脱歯車12を所定位置で停止させるよう
にしても良い。
【0080】なお、上述したように、係脱歯車12を係
合寸前の位置となる原点位置で常に停止させるようにす
ると、次の動作時に短時間で突き出し部材9との係合が
始まることとなるが、特に、このような制御をしなくて
もよく、少なくとも係脱歯車12が突き出し部材9と係
合し始めてから係合が外れるまでの間、モータ7を駆動
して係合が外れている間に停止させる制御を行うように
してもよい。その場合は、次の動作開始時が若干遅れる
場合も生じるが、動作的には問題がない。
【0081】また、本実施の形態では、制御装置17か
らモータ7への電力供給を単に停止することにより、モ
ータ7を停止させるようにしているが、これに加え電力
供給の停止直後に、モータ7の駆動回路を短絡させてモ
ータ7を停止させるような短絡ブレーキを働かせる制御
を行うようにしてもよい。
【0082】また、ケース11は、図3に示すように、
2つのケース半体11c,11dを4つのボルト11e
等で固定するようにして構成され、上述したように、モ
ータ7や歯車輪列8や突き出し部材9等を内部に収納す
る箱形状のものとなっている。すなわち、ケース11
は、各部材を取り付けるための面(底面及び蓋となる
面)と、各部材を囲む面(側壁)とを有している。
【0083】このケース11の内部には、歯車輪列8の
各歯車をそれぞれ回転自在に支承するための機構、具体
的には、軸26の両端をそれぞれ支持する固定部11
f,11gや、軸27の両端をそれぞれ支持する固定部
11h,11jや、軸28の両端をそれぞれ支持する固
定部11k,11mや、軸29の両端をそれぞれ支持す
る固定部11p,11qなどが設けられている。
【0084】次に、上述した本実施の形態の動作補助装
置1を用いて、冷蔵庫2のドア4の全動作範囲のうち所
定範囲の動作を補助するための動作について、今までの
説明と若干重複するが以下に説明する。なお、ドア4
は、吸着マグネット6によって冷蔵室5の開放端に吸着
保持されている。
【0085】ユーザーが冷蔵庫2のドア4を開けようと
して、引き用把手35を握ると、引き用把手35に設け
られたセンサー32がこの接触を検知して信号を制御装
置17に伝達する。すると、制御装置17からリード線
15を介して動作補助装置1のモータ7に電力が供給さ
れる。
【0086】モータ7に電力が供給されると、モータ7
の出力軸14とウォーム18とが一体的に回転する。ウ
ォーム18が回転すると、この回転は、第1、第2、第
3歯車部21,22,23を介して係脱歯車12へ伝達
され、係脱歯車12が図2において矢示C方向に回転す
る。
【0087】なお、係脱歯車12は、原点位置(モータ
7の起動時点)において、第1区間12aの最初の歯が
突き出し部材9のラック歯部31の最初の歯に係合する
寸前で停止している。そして、同時に、係脱歯車12
は、第3歯車部23の送り歯車23bとも第1区間12
aで噛合している。そして、係脱歯車12は、モータ7
の駆動力により43度40分15秒回転すると、第3歯
車部23の送り歯車23bとの噛合は第2区間12bへ
と移行する。すなわち、第3歯車部23の当初の回転
は、送り歯車23bから係脱歯車12の第1の区間12
aに伝達され、その後、第2の区間12bに伝達される
ことにより、係脱歯車12は矢示C方向に回転する。
【0088】そして、この係脱歯車12の回転は、突き
出し部材9のラック歯部31に伝達される。これによ
り、突き出し部材9が、矢示A方向にスライド移動す
る。この間、突き出し部材9のプレート20に一端を当
接させているコイルバネ10は、収縮し、突き出し部材
9を原点位置に戻すための付勢力を貯える。
【0089】そして、係脱歯車12が起動時より112
度回転し、突き出し部材9が前方終端まで動作すると、
突き出し部材9と係脱歯車12との係合が外れる。これ
によって、突き出し部材9は、コイルバネ10の付勢力
によって原点位置側に戻される。この復帰によってプレ
ート20がマグネット1cの磁力が作用する付近まで戻
されるとマグネット1cの磁気的作用によりマグネット
1cはプレート20の当接部20aと当接し、突き出し
部材9はその位置、すなわち原点位置で固定される。
【0090】なお、コイルバネ10がケース11に引っ
掛かる等して、突き出し部材9が原点位置に復帰せず途
中位置で停止してしまったとしても、突き出し部材9の
ラック歯部31が係脱歯車12の第1の区間12aと係
合しないため、ドア4を閉めたり手動等によって容易に
突き出し部材9を原点位置に復帰させることができる。
【0091】なお、突き出し部材9との係合が外れた後
も、係脱歯車12の矢示C方向への回転は継続する。こ
のときのモータ7の駆動制御は、上述した方法により制
御装置17で行う。そして、係脱歯車12が360度回
転し、原点位置(第1の区間12aの最初の歯が突き出
し部材9のラック歯部31の最初の歯に係合する寸前と
なる位置)まで駆動されると、制御装置17の制御によ
り係脱歯車12が停止する。なお、開放されたドア4
は、上述したように動作補助装置1によって前方へ押し
出された後、さらに開いたりあるいは閉めたりする際
は、ユーザーが手動によって行うものとなっている。
【0092】なお、上述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形
実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、動作
補助装置1を冷蔵庫2に取り付けたが、特にこれに限定
されるものではなく、他の筐体、例えば、箪笥や机等の
スライド式の引き出しを有するものや、金庫等の旋回式
のドアを有するものに取り付けても良い。
【0093】また、上述の実施の形態の動作補助装置1
は、冷蔵庫2のフレーム3のドア4の上端に対向する位
置にのみ取り付けられているが、例えば、冷蔵室5とそ
の下の室となる冷凍室との仕切り部分にも取り付けて、
上下の動作補助装置1で協働させるようにしてもよい。
【0094】さらに、上述した実施の形態の動作補助装
置1では、ドア4の動作補助後(突き出し部材9とドア
4との当接が解除になった後)も、突き出し部材9を前
方へ突き出させる構成となっているが、動作補助終了と
同時のタイミングで突き出し部材9と係脱歯車12との
係合も外れるように構成してもよい。
【0095】また、さらに、動作補助終了のタイミング
でモータ7を停止させる制御を行うようにしてもよい
し、このタイミングとドアスイッチ33のオンのタイミ
ングの同期をとり、ドアスイッチ33のオン動作と共に
モータ7を停止させるようにしても良い。また、人が速
くドア4を開けた場合さらなる突き出し部材9の突き出
しを中止させるため、動作補助終了をモータ7の電流値
で検出し(図9の矢示a3)、モータ7を停止させ、そ
の後モータ7を逆回転させて突き出し部材9を元の位置
に戻すようにしてもよい。
【0096】また、突き出し部材9と歯車輪列8との係
合外れを係脱歯車12を利用した係合外れではなく、突
き出し部材9がスライド移動すると、ケース11の一方
の側に移動し、歯車輪列8の最終段歯車との噛合が外れ
るように構成してもよい。また、係脱歯車12の第1の
区間12aと第2の区間12bを各1つではなく、交互
に各2つや3つ等、複数設ける構成としてもよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の動作補助
装置によれば、モータの駆動力を歯車輪列を介して突き
出し部材に伝達し、突き出し部材をスライド移動するこ
とによって開閉部材の動作を補助するようになってい
る。そして、歯車輪列は、突き出し部材と第1の区間で
のみ係合し、第2の区間では係合が外れる係脱歯車を備
えている。そのため、動作補助を行うために前方へ突出
した突き出し部材は、歯車輪列との係合関係が絶たれて
おり、歯車等を損傷させずに手動等により容易に原点位
置へ押し戻すことができる。
【0098】その結果、突き出し部材が逆方向にスライ
ド移動する際の不具合を回避するための種々の構成、す
なわち、クラッチ機構やスリップ機構等のメカ的な機
構、もしくはモータを逆回転させて突き出し部材を予め
原点位置に戻しておくための制御回路等を備える必要性
が無く、製造コストや組み立てコスト等の削減や、部品
点数の削減による小型化・薄型化が可能なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における動作補助装置を取
り付けた冷蔵庫の外観を示す縦断面図である。
【図2】図1に示した動作補助装置の内部機構を示す平
面図である。
【図3】図2に示した動作補助装置の内部機構から突き
出し部材復帰手段とその周辺を除いた状態を示す断面展
開図である。
【図4】図2と同方向からの図で、第3歯車部と係脱歯
車と突き出し部材のラック歯部との関係を、係脱歯車の
第1の区間に基づいて説明するための図である。
【図5】図2に示した動作補助装置の係脱歯車を示す図
で(A)はその部分側面図で、(B)は(A)の矢示B
方向から見た図で図3の矢示V方向から見た平面図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態における動作補助装置の内
部機構の一部を変形した変形例を示す図であって、係脱
歯車付近を示した図である。
【図7】図1に示した冷蔵庫を正面側から見た外観斜視
図である。
【図8】本発明の実施の形態における動作補助装置の制
御回路を模式的に示したブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態における動作補助装置のモ
ータに流れる電流値の時間的な変化を示したグラフであ
る。
【図10】従来の動作補助装置としてのモータアクチュ
エーターを示した断面図である。
【符号の説明】
1 動作補助装置 2 冷蔵庫(筐体) 4 ドア(開閉部材) 6 吸着マグネット 7 モータ(係脱歯車復帰手段の一部) 8 歯車輪列(伝達手段) 9 突き出し部材 10 コイルバネ(突き出し部材復帰手段) 12 係脱歯車 12a 第1の区間 12b 第2の区間 17 制御装置(係脱歯車復帰手段) 23 第3歯車部(係脱歯車の前段の歯車) 32 センサー 33 ドアスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 7/116 H02K 7/116 (72)発明者 和田 隆平 長野県飯田市毛賀1020番地 株式会社三協 精機製作所飯田工場内 Fターム(参考) 3L102 JA00 KA01 KA04 KA05 KA06 KA10 KB04 KB18 KB23 KB24 KB25 5H001 AB09 AB10 AD05 5H530 AA12 BB01 CC02 CC20 CC26 CC27 CD33 CD37 CD39 CE03 CF01 CF03 EF01 GG04 GG08 5H607 AA15 AA17 BB01 BB04 CC01 CC03 CC05 CC07 DD17 EE02 EE21 EE32 HH00 HH01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの駆動力を伝達する歯車輪列と、
    この歯車輪列を介して入力される上記モータの駆動力に
    よってスライド移動して、開閉部材に直接または間接的
    に当接可能な突き出し部材と、を有し、上記突き出し部
    材のスライド動作により上記開閉部材の動作を補助する
    動作補助装置であって、上記歯車輪列に、上記突き出し
    部材と係合する区間(第1の区間という)と、上記突き
    出し部材との係合が外れる区間(第2の区間という)を
    有する係脱歯車を設け、この係脱歯車の第1の区間との
    係合によって上記突き出し部材をスライド移動させ上記
    開閉部材の動作補助を行い、上記係脱歯車のさらなる回
    転によって上記突き出し部材と上記係脱歯車の第1の区
    間との係合が外れることにより、上記モータの駆動力が
    上記突き出し部材へ伝達されないようにすると共に上記
    突き出し部材からの力が上記係脱歯車から先に伝わらな
    いように構成したことを特徴とする動作補助装置。
  2. 【請求項2】 前記係脱歯車の前記第1の区間は、前記
    第2の区間に比してその歯の軸方向の厚みを厚く形成さ
    れ、前記突き出し部材及び前記歯車輪列における前記係
    脱歯車の前段の歯車の双方に係合可能であると共に、前
    記係脱歯車の前記第2の区間は、前記第1の区間に比し
    てその歯の軸方向の厚みが薄く形成され、前記歯車輪列
    における前記係脱歯車の前段の歯車のみに係合可能とさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の動作補助装
    置。
  3. 【請求項3】 前記係脱歯車は、少なくとも、前記突き
    出し部材が前記開閉部材に当接を開始する際に、前記第
    1の区間が前記突き出し部材及び前記前段の歯車の双方
    に同時に係合するように配置されていることを特徴とす
    る請求項2記載の動作補助装置。
  4. 【請求項4】 前記突き出し部材と前記係脱歯車との係
    合が外れた際、前記突き出し部材をスライド移動を行う
    前の位置に復帰させるための突き出し部材復帰手段を備
    えたことを特徴とする請求項1,2または3記載の動作
    補助装置。
  5. 【請求項5】 前記突き出し部材と前記係脱歯車との係
    合が外れた後、前記係脱歯車をさらに回転させ前記補助
    動作を開始した位置関係と同じ状態となる位置に復帰さ
    せるための係脱歯車復帰手段を備えたことを特徴とする
    請求項1,2,3または4記載の動作補助装置。
  6. 【請求項6】 モータの駆動力を伝達する歯車輪列と、
    この歯車輪列を介して入力される上記モータの駆動力に
    よってスライド移動して、開閉部材に直接または間接的
    に当接可能な突き出し部材と、を有し、上記突き出し部
    材のスライド動作により上記開閉部材の動作を補助する
    動作補助装置であって、上記モータの電流値を検出する
    電流検出手段を設け、検出された電流を利用して上記モ
    ータを停止させるようにしたことを特徴とする動作補助
    装置。
  7. 【請求項7】 モータの駆動力を伝達する歯車輪列と、
    この歯車輪列を介して入力される上記モータの駆動力に
    よってスライド移動して、開閉部材に直接または間接的
    に当接可能な突き出し部材と、を有し、上記突き出し部
    材のスライド動作により上記開閉部材の動作を補助する
    動作補助装置であって、上記歯車輪列に、上記突き出し
    部材と係合する区間(第1の区間という)と、上記突き
    出し部材との係合が外れる区間(第2の区間という)を
    有する係脱歯車を設け、この係脱歯車の第1の区間との
    係合によって上記突き出し部材をスライド移動させ上記
    開閉部材の動作補助を行い、上記係脱歯車のさらなる回
    転によって上記突き出し部材と上記係脱歯車の第1の区
    間との係合が外れることにより、上記モータの駆動力が
    上記突き出し部材へ伝達されないようにすると共に上記
    突き出し部材からの力が上記係脱歯車から先に伝わらな
    いように構成し、上記係脱歯車の停止位置を、上記モー
    タの電流値の変化を利用して上記突き出し部材の動作開
    始後の所定電流値の時点を測定基準時とし、当該測定基
    準時から0を含む所定時間後であって上記係合が外れた
    状態となっている位置としたことを特徴とする動作補助
    装置。
  8. 【請求項8】 前記開閉部材を磁気的作用により筐体に
    吸着されるもので構成すると共に、前記開閉部材が上記
    磁気的作用によっては動作しない範囲まで動かされた
    後、前記係脱歯車と前記突き出し部材との係合が外れる
    ようにしたことを特徴とする請求項1から7のうちのい
    ずれか1項記載の動作補助装置。
  9. 【請求項9】 前記開閉部材が前記磁気的作用によって
    は動作しない範囲まで動かされた際に切り替わるドアス
    イッチを前記筐体に設け、このドアスイッチの切り替わ
    りに連動して前記モータの駆動を停止することを特徴と
    する請求項8記載の動作補助装置。
  10. 【請求項10】 開閉部材としての扉または引き出しが
    磁気的吸引力により本体側に吸引され、閉じ状態を保持
    するようにした冷蔵庫の本体に、請求項1から9のいず
    れか1項記載の動作補助装置を設け、上記磁気的吸引力
    が強く働く範囲の間、上記動作補助装置の突き出し部材
    を前方へスライド移動させ、上記扉または引き出しの開
    動作を補助し、その磁気的吸引力が弱くなる位置まで上
    記扉または引き出しが押されると、上記突き出し部材を
    前方に移動させるモータからの伝達力がその突き出し部
    材に伝わらないようにする伝達力解除手段を動作させた
    ことを特徴とする冷蔵庫用の動作補助装置。
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