JP2008196743A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷凍室を閉鎖状態から開き始める際には第一の駆動ピン20aが連結板16を押し出して低速であるが大きな力を出し、引き続き遠隔の第二の駆動ピン20bが連結板16を押し出して中程度の速度で中程度の力を出して駆動し、さらに遠方の第三の駆動ピン20cが連結板16を押し出して、力は小さいが高速で駆動することによって、冷凍室5の開き動作を確実に行う。冷凍室5が半ドア状態のとき、回転板19を冷凍室5を開く場合とは反対方向に回転させて連結板16に対して冷凍室5を閉じる方向の力を加えて閉じる。また、モータ電流値によって回転板19のロック判定を行い、通電オフして指挟みなどの安全性を高める。
【選択図】図15
Description
前後方向に移動自在なスライドレールに載置された引き出し扉と、前記引き出し扉を電動で開又は閉することができる扉駆動装置と、を備えた冷蔵庫において、
前記扉駆動装置は、駆動源としてのモータと、前記モータの回転を減速する減速手段と、前記減速手段によって減速された回転出力軸とともに回転するように軸支された回転駆動体と、前記引き出し扉とともに移動可能に設けられて所定の開き駆動範囲において前記回転駆動体と接触する連結部材と、を備え、
前記回転駆動体は複数の駆動伝達部材が設けられ、前記複数の駆動伝達部材は前記回転駆動体の回転中心から距離が互いに異なって配置され、
前記連結部材は前記複数の駆動伝達部材の各々に対応した複数の受け面を有し、
前記回転駆動体が前記引き出し扉を開く方向である開放方向に回転すると、前記回転駆動体の回転中心に最も近い第一の駆動伝達部材が前記連結部材の第一の受け面に当接し、前記回転駆動体の開放方向への回転に伴って前記回転中心から第一の駆動伝達部材よりも隔たった位置に配置された第二の駆動伝達部材が前記連結部材の第二の受け面に当接し、順次前記当接を繰り返して前記回転中心から最も隔たった位置に配置された最遠の駆動伝達部材が対応する前記連結部材の受け面に最後に当接して前記連結部材を開き駆動し、前記最後に当接した後、前記回転駆動体は前記連結部材と前記接触を解除し、
前記モータへの電流を検出する電流検出手段を有し、前記回転駆動体がロックしているか否かの判定としてモータ電流ロック判定値を設定し、前記電流検出手段によって検出されたモータ電流検出値が、前記モータ電流ロック判定値以上となった場合に前記モータへの印加電圧をオフするか又は低下させる構成とする。
前記扉駆動装置は、モータと、前記モータによって回転駆動される回転体と、前記回転体と接触して移動する連結板と、を有し、
前記回転体には、前記引き出し扉と連係する前記連結板に対して前記開閉の方向に駆動する複数の駆動部を設けるとともに、前記連結板には、前記複数の駆動部にそれぞれ対応する複数の受け面を設け、
前記複数の駆動部の各々の配置構造によって、低速且つ大の力、中速且つ中の力、高速且つ小の力、の順で前記連結板を駆動し、
前記引き出し扉の半ドア状態を検知し、前記半ドア状態の検知に基づいて前記回転体により前記連結板を前記引き出し扉の閉じる方向に駆動し、
前記回転体が前記モータの駆動で回転不能なロック状態であるか否かの判定基準としてモータ電流ロック判定値を設定し、前記モータに流れるモータ電流検出値が前記モータ電流ロック判定値以上となった場合に前記モータへの印加電圧をオフする又は低下させる構成とする。
図1は本発明の実施形態に係る冷蔵庫の斜視図であり、図2はその縦断面図である。図1および図2において、冷蔵庫本体1は複数の収納室に分割されており、最上部は冷蔵室2となっていてその扉は一例としては左右両側に開く所謂フレンチドアとなっている。冷蔵室2の下側は左右に分割された収納室となっており、例えばその一方は機能切り替え室3となっており、もう一方は図示しない自動製氷装置によって製作された氷を蓄積して取り出す製氷室4となっている。
以下、冷凍室5を例に扉駆動装置について説明する。冷凍室5の扉体5a、食品を収納する容器12、はスライドレール11によって手前に引き出し自在に支持されている。スライドレール11の奥側には前記冷凍室5を閉鎖方向に引き込む閉じ付勢手段であるクローザ13が設けられており、クローザ13は一旦開いた冷凍室5を閉じる際に、開き量が例えば50mm以下になったら図示しないばねの力によって奥側に引き込む力を与え、冷凍室5を閉じる動作を補助して冷凍室5の全周に設けられたマグネットパッキン14が冷蔵庫本体1と吸着するまで扉を閉じる。
次に、駆動機構15と連結板16とを備えた扉駆動装置10の構成について、図3から図5を用いて詳細に説明する。ここで、扉駆動装置10は冷凍室5に設けられているものとして以下、説明する。
次に、本実施形態による扉駆動装置10により冷凍室扉5を開く際の動作の詳細について図6を用いて説明する。図6は本実施形態による扉駆動装置10が冷凍室5を開放する際の動作を示す図であり、(a)が図3と同様に冷凍室5が閉じられている状態を示しており、(b)(c)(d)(e)の順に動作することで冷凍室5を開放する動作を示している。回転板19は駆動軸18のまわりに回転自在であり、連結板16は図示左右方向に移動自在に支持されており、かつ連結板16は冷凍室5に備えられているので、連結板16の左方向への動きが冷凍室5の開き動作を示している。ここで、冷凍室5が閉じられている状態における連結板16の図示左端の位置を示す基準線を引き込み位置34として表す。
本実施形態の扉開閉機構により、冷凍室5の扉を開く際の開き量について説明する。図18は冷凍室5を開放する際の冷凍室の速度と開き量との関係について説明する図である。
E=(m×V2)/2 (式1)
である。
F=μ×m×g (式2)
となる。摩擦力により消費されるエネルギE2は摩擦力Fと摩擦を受けながら移動した距離Lすなわち惰性開き量74との積に当たるので、
E2=L×F=L×μ×m×g (式3)
ここで、元々冷凍室が持っていた運動エネルギが、停止するまでにすべて摩擦によって消費されたとすればE=E2だから、
(m×V2)/2=L×μ×m×g (式4)
両辺をmで割って
(V2)/2=L×μ×g (式5)
ゆえに、惰性開き量74(すなわちL)は(式5)を変形して
L=(V2)/(2×μ×g) (式6)
として表される。すなわち式6により、惰性開き量74(すなわちL)は冷凍室5の質量mには無関係であり、スライドレールの摩擦係数μと移動量33時点での速度V、すなわち駆動ピン20と押し面21とが離反して、回転板19から連結板16に伝達される開き方向の駆動力がなくなって惰性で開き始める時点での速度のみに依存することがわかる。
冷凍室5が移動量33だけ開いて惰性により移動する際の速度Vは、図6(d)により説明したように、第三の駆動ピン20cが開き方向23cの方向に移動する速度なので、回転板19の回転速度に比例し、かつ第三の駆動ピン21cと第三の押し面21cとの接点75cと駆動軸18の回転中心との距離である回転半径rとに比例する。ここで、図6(c)から図6(d)にて示すように、接点75c(図6(e)においては75d)の位置は、回転中心である駆動軸18を基準にしたときに開き方向23に対してはほぼ直交している方向である、図示上方に位置するために、連結板16が開き方向23へ移動する速度は第三の駆動ピン20cが駆動軸18のまわりに回転する際の円周方向への速度である周速に略等しくなる。
冷凍室5を閉じた場合に、何らかの理由でマグネットパッキン14が吸着されるまで冷凍室5が閉じずに、マグネットパッキン14と冷蔵庫本体1との間に隙間ができる、所謂半ドア状態になることがある。このように半ドア状態になった際の扉駆動装置10の動作について、図7を用いて説明する。
次に、図8を用いて、冷凍室5が閉じられた状態にある際の回転板19の好適な位置について説明する。図8において、実線で図示する連結板16は図示左端が引き込み位置34に合致されており冷凍室5が閉鎖された位置にある。冷蔵庫においては、本実施形態のような扉駆動装置10が備えられているとしても、冷凍室5を何らかの理由でユーザが手で引き出す場合もある。または、故障によって扉駆動装置10が動作しない場合などにおいては、ユーザが手動で自在に開閉できることが望ましい。このように手動で開閉する場合には、扉駆動装置10は冷凍室5の開閉の際にユーザによる手動動作を妨げたり、動作が重くなる、などの現象が生じない構成であることが望ましい。
次に、図9を用いて扉駆動装置10を制御するための制御系の構成について説明する。図9は、制御系の構成を示すブロック図である。開スイッチ8を備えた操作表示部7(図1参照)は、ユーザが開スイッチ8を押した際にその信号を制御基板41に送る。冷凍室5および野菜室6に設けられた駆動機構15(図2、図4、図5参照)のそれぞれのモータ24と、駆動軸18の回転位置を検出する回転検知手段32、および扉の開閉状態を検出するドア検知部17とは制御基板41に接続されている。92は冷凍室5の扉体5aないし野菜室6の扉体6aに設けられたユーザによって操作される開スイッチ88のスイッチ本体92を示していてその詳細は図20で後述するが、この冷凍室5や野菜室6に設けたスイッチ88は、図1に示す冷蔵室2の開スイッチ8とは選択的に設置されてもよく、また、使い勝手を考慮して両方のスイッチを設置しても良い。
図10を用いて、冷凍室5を開放する際の開き制御の手順について説明する。図10は冷凍室5を開放する際の開き制御の手順を示す流れ図である。
ここで、モータに通電(ブロック47)させて冷凍室5を開き始める際の電圧の加え方について説明する。モータを通電する際に定格電圧を急峻に加えると、モータのコイルには突入電流が流れ、モータは最大の出力トルクを出して停止状態から急激に回転し始める。したがって、冷凍室5が開き始める際には最大の加速を行うことになり、開き始めの動作が急峻で勢いよく開く。
次に、本実施形態による開閉機構に使用者が開き指示を与える際のスイッチの構成の一例について説明する。図19は本実施形態による扉開閉機構を備えた冷蔵庫の部分断面図であり、図20は図19に示したS部の拡大図を示している。S部は冷凍室5の前面を構成する扉体5aの上縁と、扉が閉じられた際に扉と当接する本体1側の枠体87の近傍を示している。
図11を用いて、冷凍室5が完全に閉じていない、所謂半ドア状態から冷凍室5を閉じる際の制御の手順について説明する。図11は冷凍室5を閉じる際の閉じ制御の手順を示す流れ図である。動作を開始(ブロック51)してから原点範囲を検出(ブロック52)するまでモータ24を通電する(ブロック53)までの動作については図10のブロック43からブロック45と同一である。
上記の説明は、回転板19に駆動ピン20が3本設けられた形態について説明したが、駆動ピン20は3本に限定されるものではないので図12において説明する。図12は回転板19に第四の駆動ピン20dを、駆動軸18から距離r4(>r3)なる位置に設けている。連結板16には、第四の駆動ピン20dが当接するための第四の受け面21dが設けられている。
次に、図14〜図17を用いて、図12(4段構成のストロークを実施するもの)に示す扉駆動装置10を冷蔵庫に組み込む場合における回転駆動体及び連結部材の構成について以下説明する。なお、図12は本実施形態に関する扉駆動装置の動作を説明するための図であり、図14〜図17は実際の冷蔵庫に扉駆動装置を適用する場合における具体的構成を示す図である。図14〜図17は、図12のものと、図面で上下が逆になって図示されている。
扉体5aを閉じる際にはマグネットパッキン14を引き剥がす力は不要であり、さらにクローザ13による引き込み力が生じているので、閉じ力は開き力と比べれば弱い力で十分であり扉体5aを閉じる場合はモータ24への印加電圧を低くすることで、冷蔵庫本体1との間に指などを挟んだ場合においても挟む力が小さいため安全性が高くなることは先に述べた。
本実施形態による扉駆動装置を冷凍室5および野菜室6の両方に設けた場合の動作について説明する。ここでは図2に示すように、野菜室6が最も下段の底面近傍にあり、その上段に冷凍室5が設けられているものとする。
本実施形態によれば、冷蔵庫の引出し扉の開き力を低減して軽快に扉を開放することを可能とするとともに、いわゆる半ドア状態から自動的に扉を閉鎖して省エネ効果を向上させることができる、という効果がある。
本実施形態においては扉駆動装置10が冷凍室5ないし野菜室6の引き出し扉に設けられている例を示したが、本実施形態に限定されるものではなく冷蔵室扉2の回転式の扉に設けられるものであっても同様な効果が得られることは言うまでもない。
20…駆動ピン、20a…第一の駆動ピン、20b…第二の駆動ピン、20c…第三の駆動ピン、20d…第四の駆動ピン、21…受け面、21a…第一の受け面、21b…第二の受け面、21c…第三の受け面、21d…第四の受け面、22…戻し面、23…開き方向、24…モータ、24a…直流モータ、25…モータピニオン、26…アイドラ、27…アイドラピオン、28…アイドラ、29…アイドラピオン、
30…駆動ギヤ、31…トルク制限手段、32…回転検知手段、33…移動量、34…引込位置、35…開き量、36…矢印、37a…第一の先端、37b…第二の先端、37c…第三の先端、38…隙間、39…隙間、40…原点範囲、41…制御回路、41a…マイコン、41b…ドライバIC、41c…電流検出回路、42…電源、
70…報知手段、71…扉厚さ、72…扉間隙間、73…最大開き量、74…惰性開き量、75…接点、76…カム、77…回転中心、78…カム外周、79…カム受け板、80…回転方向、81…矢印、82…カム半径、83…周速、84…開き速度、85…滑り速度、86…接点、87…枠体、88…押しボタン、89…押し棒、90…戻しスプリング、91…押し量、92…スイッチ本体、93…プランジャ、94…配線、95…磁石、96…案内ガイド、96a,96b…突片、97…ホールIC、98…ホールIC、99…磁石、100…磁石、
Claims (7)
- 前後方向に移動自在なスライドレールに載置された引き出し扉と、前記引き出し扉を電動で開又は閉することができる扉駆動装置と、を備えた冷蔵庫において、
前記扉駆動装置は、駆動源としてのモータと、前記モータの回転を減速する減速手段と、前記減速手段によって減速された回転出力軸とともに回転するように軸支された回転駆動体と、前記引き出し扉とともに移動可能に設けられて所定の開き駆動範囲において前記回転駆動体と接触する連結部材と、を備え、
前記回転駆動体は複数の駆動伝達部材が設けられ、前記複数の駆動伝達部材は前記回転駆動体の回転中心から距離が互いに異なって配置され、
前記連結部材は前記複数の駆動伝達部材の各々に対応した複数の受け面を有し、
前記回転駆動体が前記引き出し扉を開く方向である開放方向に回転すると、前記回転駆動体の回転中心に最も近い第一の駆動伝達部材が前記連結部材の第一の受け面に当接し、前記回転駆動体の開放方向への回転に伴って前記回転中心から第一の駆動伝達部材よりも隔たった位置に配置された第二の駆動伝達部材が前記連結部材の第二の受け面に当接し、順次前記当接を繰り返して前記回転中心から最も隔たった位置に配置された最遠の駆動伝達部材が対応する前記連結部材の受け面に最後に当接して前記連結部材を開き駆動し、前記最後に当接した後、前記回転駆動体は前記連結部材と前記接触を解除し、
前記モータへの電流を検出する電流検出手段を有し、前記回転駆動体がロックしているか否かの判定としてモータ電流ロック判定値を設定し、前記電流検出手段によって検出されたモータ電流検出値が、前記モータ電流ロック判定値以上となった場合に前記モータへの印加電圧をオフするか又は低下させる
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1において、
前記引き出し扉の完全閉状態でない半ドア状態を前記連結部材の位置検出で検知し、前記検知により前記回転駆動体を前記引き出し扉の閉じる方向に回転させ、
前記回転駆動体の前記最遠の駆動伝達部材により前記連結部材を前記引き出し扉の閉じる方向に駆動する
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1または2において、
前記モータへの印加電圧に応じて前記モータ電流ロック判定値を変えることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1、2または3において、
前記回転駆動体と前記モータとの間に、伝達されるトルクを所定値以下に制限するトルク制限手段を有することを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項において、
前記トルク制限手段が動作しているときに前記電流検出手段より検出されるモータ電流値1と、トルク制限手段が動作しておらず且つ前記回転駆動体が回転しているときのモータ電流値2と、前記モータ電流ロック判定値との関係は、
モータ電流値1>ロック判定値>モータ電流値2
である
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項において、
前記第一の駆動伝達部材と前記第二の駆動伝達部材とにおける前記連結部材に向けた方向のそれぞれの長さ寸法を異ならせ、
前記第二の駆動伝達部材は、前記第一の駆動伝達部材に対応する前記連結部材の前記第一の受け面には当接しない
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 前後方向に移動する引き出し扉と、前記引き出し扉を電動又は手動で開又は閉する扉駆動装置と、を備えた冷蔵庫において、
前記扉駆動装置は、モータと、前記モータによって回転駆動される回転体と、前記回転体と接触して移動する連結板と、を有し、
前記回転体には、前記引き出し扉と連係する前記連結板に対して前記開又は閉の方向に駆動する複数の駆動部を設けるとともに、前記連結板には、前記複数の駆動部にそれぞれ対応する複数の受け面を設け、
前記複数の駆動部の各々の配置構造によって、低速且つ大の力、中速且つ中の力、高速且つ小の力、の順で前記連結板を駆動し、
前記引き出し扉の半ドア状態を検知し、前記半ドア状態の検知に基づいて前記回転体により前記連結板を前記引き出し扉の閉じる方向に駆動し、
前記回転体が前記モータの駆動で回転不能なロック状態であるか否かの判定基準としてモータ電流ロック判定値を設定し、前記モータに流れるモータ電流検出値が前記モータ電流ロック判定値以上となった場合に前記モータへの印加電圧をオフする又は低下させる
ことを特徴とする冷蔵庫。
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