JP2000289085A - 多層シート形成方法及び多層シート形成用フィードブロック - Google Patents

多層シート形成方法及び多層シート形成用フィードブロック

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JP2000289085A
JP2000289085A JP11100867A JP10086799A JP2000289085A JP 2000289085 A JP2000289085 A JP 2000289085A JP 11100867 A JP11100867 A JP 11100867A JP 10086799 A JP10086799 A JP 10086799A JP 2000289085 A JP2000289085 A JP 2000289085A
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die
molten
sheet
layer
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JP11100867A
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Takuji Yamanaka
卓司 山中
Masaya Sera
昌也 世良
Hiroyuki Betsumiya
浩之 別宮
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層シート形成用として専用のTダイを準備
する必要がなく、コストの削減を図ることができる多層
シート形成方法を提供する。 【解決手段】 第1及び第2の押出機1、2によって押
し出された第1及び第2の溶融樹脂R1、R2を、フィ
ードブロック10の合流アダプター20により、断面円
形状態に合流積層して、その積層状態の溶融樹脂R1、
R2を断面円形状態のまま、単層型Tダイ3に導いてシ
ート状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2台以上の押出
機を用いて、合成樹脂製の多層シートを形成するように
した多層シート形成方法及び多層シート形成用フィード
ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】合成樹脂製多層シートの形成
方法としては、コエクストルージョン法(共押出法)、
エクストルージョンコーティング法、ドライラミネーシ
ョン法等が周知である。
【0003】このうち、共押出法は、2台以上の押出機
から2種以上の樹脂を、特別に設計されたTダイやアダ
プター内に供給してシート状に成形する方法である。更
にこの共押出法は、溶融樹脂の合流位置をTダイ内部と
するマルチマニフォールド法と、Tダイ前とするフィー
ドブロック法とに大別される。
【0004】マルチマニフォールド法は、複数の溶融樹
脂をそれぞれ拡幅してシート状に成形するための複数の
マニフォールドを有するTダイを用いるものであり、T
ダイの各マニフォールドにより拡幅されたシート状の溶
融樹脂を、ダイリップの手前で合流積層するものであ
る。
【0005】しかしながら、従来のマルチマニフォール
ド法においては、Tダイに、複数の溶融樹脂を拡幅する
ための複数のマルチマニフォールドの他、拡幅された樹
脂の厚みをコントロールするためのチョークバー等も複
数設ける必要があり、Tダイの構造が複雑となるばかり
か、このTダイは、多層シート専用のものであるため、
例えば単層シート形成用としては用いることができず、
Tダイを兼用できず、コストの増大を来すという問題が
あった。更に多層シートと単層シートとの双方のシート
を製造するような場合には、多層シート用のTダイと単
層シート用のTダイとを、状況に応じて適宜使い分けて
使用せねばならず、作業者の負担が増大するという問題
を抱えている。
【0006】またフィードブロック法は、複数の押出機
によって押し出された複数の溶融樹脂を合流するための
樹脂合流器(フィードブロック)を用いるものであり、
そのフィードブロックによって合流積層された溶融樹脂
を、単層型Tダイに導入して、シート状に成形するもの
である。
【0007】しかしながら、従来のフィードブロック法
では、フィードブロック内で、各溶融樹脂をそれぞれ厚
肉狭幅のシート状に成形し、その厚肉シート状の溶融樹
脂を合流積層して、断面矩形状の積層溶融樹脂を形成し
た後、その矩形断面の積層溶融樹脂を単層型Tダイに送
り込んで、拡幅して薄肉広幅のシート状に成形するもの
である。つまり、従来のフィードブロック法に用いられ
るTダイは、矩形断面の溶融樹脂を拡幅してシート状に
成形するものである。
【0008】その一方、単層シート形成用の押出装置に
おいて、アダプタ内の樹脂経路や、Tダイのダイ入口
は、押出機のシリンダバレルの樹脂吐出口の形状に合わ
せて、円形に形成されるのが通例である。つまり、単層
シート形成用のTダイは、円形断面の溶融樹脂をシート
状に成形するものであるのに対し、上記した従来のフィ
ードブロックに用いられるTダイは、矩形断面の溶融樹
脂を拡幅してシート状に成形するものである。
【0009】従って、上記従来のフィードブロック法に
おいても、上記マルチマニフォールド法と同様、単層シ
ート形成用のTダイを用いることができず、フィードブ
ロック専用のTダイを準備する必要があり、コストの増
大を来すとともに、多層シートと単層シートとの双方の
シートを製造するような場合には、多層シート用のTダ
イと単層シート用のTダイとを、状況に応じて適宜使い
分けて使用せねばならず、作業者の負担が増大するとい
う問題があった。
【0010】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、多層シート形成用として専用のTダイを準備する必
要がなく、単層シート形成用のTダイを支障なく用いる
ことができ、コストの削減を図ることができるととも
に、多層シート形成時と単層シート形成時におけるTダ
イの使い分けも必要なく、作業者の負担を軽減すること
ができる多層シート形成方法及び多層シート形成用フィ
ードブロックを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1の発明は、複数の押出機によって押し出され
た複数の溶融樹脂を、フィードブロックにより合流させ
た後、単層型Tダイに導いてシート状に成形するように
した多層シート形成方法であって、前記フィードブロッ
クの樹脂合流部において前記複数の溶融樹脂を断面円形
状態に合流積層して、その積層状態の溶融樹脂を断面円
形状態のまま、前記単層型Tダイに導いてシート状に成
形するようにしたものを要旨としている。
【0012】本第1の発明の多層シート形成方法におい
ては、複数の押出機により押し出された複数の溶融樹脂
を、フィードブロックの樹脂合流部により、断面円形状
態に合流積層して、その円形状態のまま、Tダイに導入
してシート状に成形するものである。従ってTダイとし
て、ダイ入口が円形のもの、つまり単層シート形成用の
Tダイをそのまま用いることができる。
【0013】また本第1発明においては、単層シート形
成用のTダイを用いて多層シートを形成できるので、多
層シート及び単層シートの双方のシートを製造するよう
な場合、同じダイスを用いることができ、作業者は、ダ
イスを使い分けて使用する必要がなく、作業負担を軽減
することができる。
【0014】本第1の発明においては、前記複数の溶融
樹脂として、第1の溶融樹脂と、その第1の溶融樹脂よ
りも溶融粘度の低い第2の溶融樹脂とが用いられ、前記
樹脂合流部において前記第1の溶融樹脂の上部中間に前
記第2の溶融樹脂を合流積層するのが好ましい。
【0015】すなわちこの場合には、第2の溶融樹脂
を、第1の溶融樹脂の上面に幅方向全域にわたって均一
な厚みに積層することができる。
【0016】一方、本第2の発明は、上記第1の発明を
実施するに際して、好適に利用可能な多層シート形成用
フィードブロックを特定するものである。
【0017】すなわち本第2の発明は、複数の押出機に
よって押し出された複数の溶融樹脂を合流積層するとと
もに、その積層状態の溶融樹脂を単層型Tダイに送り込
むための多層シート形成用フィードブロックであって、
前記複数の押出機の吐出口にそれぞれ連結され、前記複
数の押出機によって押し出された複数の溶融樹脂を、そ
れぞれ流入させるための円形の複数の樹脂流入口と、前
記複数の樹脂流入口から流入された複数の溶融樹脂を断
面円形状態に合流積層するための断面円形の樹脂合流部
と、前記単層型Tダイのダイ入口に連結されて、前記樹
脂合流部により積層された溶融樹脂を前記単層型Tダイ
に導入するための断面円形の樹脂流出口とを備えるもの
を要旨としている。
【0018】更に本第2の発明においては、より一層高
品質の多層シートを形成するために、前記複数の溶融樹
脂として、2種類の溶融樹脂が用いられ、前記円形断面
の樹脂合流部に、その上部中間に一方側の樹脂流路が設
けられるとともに、残りの領域に他方側の樹脂流路が設
けられ、前記2種類の溶融樹脂が、前記一方側及び他方
側の樹脂流路をそれぞれ流動して、合流積層されるよう
構成するのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】図1ないし図4はこの発明の実施
形態であるフィードブロック(10)が適用された2層
シート形成用押出装置を示す図である。
【0020】これらの図に示すように、この押出装置に
おいては、第1及び第2の押出機(1)(2)と、単層
型Tダイ(3)と、押出機(1)(2)及びTダイ
(3)間を接続するフィードブロック(10)とを備え
ている。
【0021】押出機(1)(2)は、周知の2軸押出機
からなり、シリンダバレル(1c)(2c)の樹脂吐出
口(1b)(2b)がそれぞれ円形に形成されている。
【0022】Tダイ(3)は、単層シート形成用の周知
のTダイからなり、溶融樹脂が流入する円形のダイ入口
(3a)と、ダイ入口(3a)から流入した溶融樹脂を
拡幅するマニフォールド部(3c)と、拡幅された樹脂
をシート状に成形して吐出するスリット状のダイリップ
(3b)とを有している。
【0023】フィードブロック(10)は、単路アダプ
ター群(11)(12)及び合流アダプター(20)に
より構成されている。図5に示すように、合流アダプタ
ー(20)は、アダプター本体(30)と、合流ピース
(40)とにより構成されている。
【0024】アダプター本体(30)には、一方側(流
入側)の半部に、内部に向かうに従って縮径する円錐台
形のピース収容孔(35)が、軸心に沿って形成される
とともに、他方側(流出側)の半部に、ピース収容孔
(35)に連通する断面円形の流出側樹脂流路(23)
が、軸心に沿って形成されている。
【0025】更にアダプター本体(30)の周側壁に
は、ピース収容孔(35)に連通する樹脂流入口(22
a)が形成されている。
【0026】図5ないし図7に示すように、合流ピース
(40)は、上記ピース収容孔(35)に対応する円錐
台形のピース本体(45)と、そのピース本体(45)
の大径側(流入側)端部外周に設けられたフランジ(4
6)とを有している。ピース本体(45)の外周部に
は、軸心方向に延びる断面U字型の溝状の第2の樹脂流
路(22)が形成されている。この第2の樹脂流路(2
2)は、一端側がピース本体(45)の外周面に開口す
るとともに、他端側がピース本体(45)の小径側(流
出側)端部に開口している。
【0027】また合流ピース(40)は、軸心に沿って
第1の樹脂流路(21)が設けられている。この第1の
樹脂流路(21)は、流入側端部においては、断面円形
に形成されている。更に第1の樹脂流路(21)におけ
る流出側端部、つまり第1の樹脂流路(21)における
上記第2の樹脂流路(22)と併設される部分において
は、円形の断面から第2の樹脂流路(22)の部分が取
り除かれた断面形状に形成されており、第1の樹脂流路
(21)と第2の樹脂流路(22)とが合わさって円形
断面となるように形成されている。
【0028】この合流ピース(40)がアダプター本体
(30)のピース収容孔(35)に挿着されて、合流ア
ダプター(20)が組み付けられている。この組付状態
においては、合流ピース(40)における第2の樹脂流
路(22)の一端側開口部がアダプター本体(30)の
樹脂流入口(22a)に適合する。
【0029】ここで本実施形態においては、合流ピース
(40)の第1の樹脂流路(21)における流入側端部
によって、樹脂流入口(21a)が形成されるととも
に、流出側樹脂流路(23)の流出側端部によって、樹
脂流出口(23b)が形成されている。更に第1及び第
2の樹脂流路(21)(22)と流出側樹脂流路(2
3)とによって、樹脂合流部が構成されている。
【0030】一方、図1ないし図4示すように、第1の
押出機(1)の吐出口(1b)には、単路アダプター
(11)における断面円形の樹脂流路(11a)の一端
が連結されるとともに、その他端側が、合流アダプター
(20)の第1の樹脂流入口(21a)に連結される。
【0031】また第2の押出機(2)の吐出口(2b)
には、単路アダプター群(12)における断面円形の樹
脂流路(12a)の一端が連結されるとともに、その他
端側が、合流アダプター(20)の第2の樹脂流入口
(22a)に連結される。
【0032】更に合流アダプター(20)の樹脂流出口
(23b)が、上記単層型Tダイ(3)のダイ入口(3
a)に連結される。
【0033】以上の構成の押出装置において、第1の押
出機(1)によって押し出された基層用の第1の溶融樹
脂(R1)は、単路アダプター(11)を通って、合流
アダプター(20)の第1の樹脂流路(21)に導入さ
れるとともに、第2の押出機(2)によって押し出され
た表層用の第2の溶融樹脂(R2)は、単路アダプター
群(12)を通って、合流アダプター(20)の第2の
樹脂流路(22)に導入される。そして第1及び第2の
樹脂流路(21)(22)を通過した第1及び第2の溶
融樹脂(R1)(R2)は、合流アダプター(20)の
流出側樹脂流路(23)において、図8(a)に示すよ
うに、第2の溶融樹脂(R2)が第1の溶融樹脂(R
1)の上部中間に配置される態様に、断面円形状態に合
流積層される。更にこうして合流積層された第1及び第
2の溶融樹脂(R1)(R2)は、断面円形状態のま
ま、Tダイ(3)の内部に導入される。なお積層された
第1及び第2の溶融樹脂(R1)(R2)は、円形の流
路を通過していくうち、図8(b)に示すように、第2
の溶融樹脂(R2)が第1の溶融樹脂(R1)上の幅方
向全域に均等に流動していく。
【0034】Tダイ(3)内に導入された積層状態の溶
融樹脂(R1)(R2)は、拡幅されながらシート状に
成形されてダイリップ(3b)から押し出される。
【0035】これにより図8(c)に示すように、基層
としての第1の溶融樹脂(R1)上に、表層としての第
2の溶融樹脂(R2)が均等な厚みで積層一体化された
2層シートが形成される。
【0036】以上のように、本実施形態の2層シート形
成用押出装置によれば、2台の押出機(1)(2)によ
り押し出された第1及び第2の溶融樹脂(R1)(R
2)を、フィードブロック(10)の合流アダプター
(20)により、断面円形状態に合流積層して、その円
形状態のまま、Tダイ(3)に導入してシート状に成形
するものであるため、Tダイ(3)として、ダイ入口
(3a)が円形のもの、つまり単層シート形成用のTダ
イをそのまま用いることができる。従ってTダイ(3)
として、2層シート形成用に専用のダイスを用いる必要
がなく、その分、コストの削減を図ることができる。
【0037】更に2層シートを形成する場合でも、単層
シートを形成する場合でも、同じダイスを用いることが
できるので、作業者は、ダイスを使い分けて使用する必
要がなく、作業負担を軽減することができ、作業効率を
向上させることができる。
【0038】ところで、本実施形態においては、第2の
溶融樹脂(R2)としては、第1の溶融樹脂(R1)よ
りも溶融粘度の低いものを用いるのが好ましい。すなわ
ち断面円形状態に積層される溶融樹脂(R1)(R2)
のうち、第2の溶融樹脂(R2)は、第1の溶融樹脂
(R1)の上部中間に積層されるものであるため、第2
の溶融樹脂(R2)の溶融粘度が高過ぎる場合には、円
形流路流動中における第2の溶融樹脂(R2)の拡幅方
向への流動が少なくなり、シート状に成形した際に、第
2の溶融樹脂(R2)を第1の溶融樹脂(R1)上に均
等な厚みに積層するのが困難になる恐れがある。これに
対し、第2の溶融樹脂(R2)として、第1の溶融樹脂
(R1)よりも溶融粘度が低いものを用いる場合には、
円形の流路を流動していく間に、第2の溶融樹脂(R
2)が拡幅方向へ十分に流動していくので、シート状に
成形した際に、第2の溶融樹脂(R2)を第1の溶融樹
脂(R1)上に均等な厚みに積層することができ、高品
質の2層シートを形成することができる。
【0039】また、上記実施形態では、合流ピース(4
0)において、上部に断面U字状の溝を形成して、第2
の樹脂流路(22)として構成しているが、本発明は、
それだけに限られず、例えば図9及び図10に示すよう
に、合流ピース(40)における円錐台形のピース本体
(45)の内部を、水平仕切板(49)により仕切っ
て、その下方側を第1の樹脂流路(21)とし、上方側
を第2の樹脂流路(22)として構成するようにしても
良い。この合流ピース(40)を用いた場合には、合流
直後においては、図11(a)に示すように、第2の溶
融樹脂(R2)及び第1の溶融樹脂(R1)上に合流さ
れるものである。なお図9及び図10に示す変形例の合
流ピース(40)においては、上記実施形態の合流ピー
ス(40)と同一又は相当部分に、同一符号を付して重
複説明は省略する。
【0040】もっとも、本発明においては、両溶融樹脂
(R1)(R2)の合流形状は、特に限定されるもので
はなく、例えば図11(b)に示すように、第2の溶融
樹脂(R2)を第1の溶融樹脂(R1)上に三日月状に
合流させるように構成しても良い。
【0041】特に、本発明において、2種の樹脂を合流
積層する場合、基層側(第1の)溶融樹脂と、表層側
(第2の)溶融樹脂との境界位置は、合流状態の溶融樹
脂の縦方向(径方向)中心よりも上方(表層側)に位置
し、表層側溶融樹脂が基層側溶融樹脂の上部に配置され
た状態(図8(a))、もしくは覆い被さる状態(図1
1(a)(b))に合流させるのが好ましい。すなわ
ち、この場合には、表層側溶融樹脂を基層側溶融樹脂上
に、幅方向全域にわたって均一な厚みに積層することが
でき、より確実に、高品質の2層シートを形成すること
ができる。
【0042】更に本発明において、2層シートを形成す
る場合、合流ピース(40)の樹脂合流部における基層
側の第1の樹脂流路(21)の断面積を「S1」、表層
側の第2の樹脂流路(22)の断面積を「S2」とした
とき、S1:S2=15:1〜1:1の関係式を満足さ
せるように構成するのが好ましい。すなわち、この関係
式が成立する場合には、第2の溶融樹脂(R2)を第1
の溶融樹脂(R2)上に、幅方向全域にわたって均一な
厚みに積層することができ、より一層確実に、高品質の
2層シートを形成することができる。
【0043】なお、上記の合流ピース(40)は、それ
を180°反転させて合流アダプター(20)内に設置
することにより、第1及び第2の溶融樹脂(R1)(R
2)間において表裏の入れ替えが可能である。
【0044】また上記実施形態においては、2層シート
を形成する場合について説明したが、本発明は、3層以
上の多層シートを形成することも可能である。例えば合
流アダプターにおいて、基層用溶融樹脂の上下両側か
ら、表層用及び裏層用溶融樹脂を合流積層することによ
り、3層シートを形成することができる。更にこの3層
シート用合流アダプターや、上記実施形態の2層シート
用の合流アダプターを複数連結することにより、3層以
上の多層シートも形成することができる。
【0045】
【実施例】
【表1】
【0046】<実施例1>上表1に示すように、基層用
樹脂(第1の溶融樹脂)として、軟質ポリ塩化ビニル系
樹脂100重量部に、可塑剤60重量部と、安定剤1.
5重量とを配合した基層用成形材料を準備した。
【0047】更に表層用樹脂(第2の溶融樹脂)とし
て、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に、可塑剤
60重量部と、安定剤1.5重量部と、ベンゾトリアゾ
ール(紫外線吸収剤)4重量部と、酸化チタン(紫外線
遮蔽剤)5重量部とを配合した表層用成形材料を準備し
た。
【0048】そして、上記実施形態と同様の2層シート
形成用押出装置において、第1及び第2の成形材料を、
それぞれ第1及び第2の押出機により押し出すことによ
り、2層シート(表層厚さ0.01〜1.0mm、全体
厚さ0.7〜3.0mm)を作製した。こうして得られ
た2層シートを観察したところ、両層がそれぞれ幅方向
全域にわたって均一な厚みに形成されていた。
【0049】<実施例2〜5>上表1に示すような配合
割合で、実施例2〜5の基層用及び表層用成形材料をそ
れぞれ準備し、上記と同様に、2層シートを作製した。
これにより得られた2層シートは、各層が幅方向全域に
わたって均一な厚みに形成されており、上記実施例1に
もまして、各層の厚みが、より均質であった。これは、
実施例2〜5において、表層用成形材料は、可塑剤の含
有量が多いので、十分な溶融粘度が得られて、幅方向へ
スムーズに流動したためと考えられる。
【0050】<実施例6〜10>上記実施形態と同様の
2層シート形成用押出装置において、その合流アダプタ
ーにおける合流ピースとして、図9及び図10に示す変
形例の合流ピースを挿着した。
【0051】そしてこの押出装置において、上表1の実
施例1〜5と同様な配合割合の基層用及び表層用成形材
料を用いて、上記と同様に、2層シートを作製し、それ
ぞれ実施例6〜10とした。
【0052】こうして得られた2層シートは、全て、各
層が幅方向全域にわたって均一な厚みに形成されてい
た。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本第1の発明の多層シー
ト形成方法によれば、複数の押出機により押し出された
複数の溶融樹脂を、フィードブロックの樹脂合流部によ
り、断面円形状態に合流積層して、その円形状態のま
ま、Tダイに導入してシート状に成形するものであるた
め、Tダイとして、ダイ入口が円形のもの、つまり単層
シート形成用のTダイをそのまま用いることができる。
従ってTダイとして、多層シート形成用に専用のダイス
を用いる必要がなく、その分、コストの削減を図ること
ができる。更に単層シート形成用のTダイを用いること
ができるので、多層シート及び単層シートの双方のシー
トを製造するような場合、同じダイスを用いることがで
き、作業者は、ダイスを使い分けて使用する必要がな
く、作業負担を軽減することができるという効果があ
る。
【0054】また第1の発明において、第1の溶融樹脂
の上部中間に、溶融粘度の低い第2の溶融樹脂を合流積
層する場合には、第2の溶融樹脂を、第1の溶融樹脂の
上面に幅方向全域にわたって均一な厚みに形成すること
ができ、より一層高品質の多層シートを形成することが
できるという利点がある。
【0055】本第2の発明は、上記第1の発明を実施す
るに際して、好適に利用可能な多層シート形成用フィー
ドブロックを特定するものであるため、上記と同様の効
果を得ることができる。
【0056】更に第2の発明において、特有の構成のフ
ィードブロックを用いる場合には、より一層高品質の多
層シートを形成することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の多層シート形成方法を一形態を実施
するための2層シート形成用押出装置を模式化して示す
側面断面図である。
【図2】実施形態の押出装置におけるフィードブロック
を示す側面断面図である。
【図3】実施形態の押出装置におけるフィーブロックの
合流アダプターを示す平面図である。
【図4】実施形態の押出装置におけるフィードブロック
の単路アダプター群を示す側面断面図である。
【図5】実施形態の合流アダプターを示す図であって、
同図(a)は合流ピースを組み付けた状態での側面断面
図、同図(b)は合流ピースを取り外した状態での側面
断面図である。
【図6】実施形態の合流アダプターにおける合流ピース
を示す斜視図である。
【図7】実施形態の合流ピースを示す図であって、同図
(a)は側面断面図、同図(b)は正面図である。
【図8】実施形態の押出装置において積層状態の溶融樹
脂を示す図であって、同図(a)は合流直後の断面図、
同図(b)は合流後所定時間経過後の断面図、同図
(c)はTダイから吐出された直後の断面図である。
【図9】この発明の変形例としての合流アダプターにお
ける合流ピースを示す斜視図である。
【図10】変形例の合流ピースを示す図であって、同図
(a)は側面断面図、同図(b)は正面図である。
【図11】同図(a)は上記変形例の合流ピースにより
合流された溶融樹脂の合流直後の状態を示す断面図、同
図(b)は他の変形例としての溶融樹脂の合流直後の状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2…押出機 1b、2b…吐出口 3…Tダイ 3a…ダイ入口 10…フィードブロック 21…第1の樹脂流路 22…第2の樹脂流路 21a、22a…樹脂流入口 23b…樹脂流出口 R1、R2…溶融樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の押出機によって押し出された複数
    の溶融樹脂を、フィードブロックにより合流させた後、
    単層型Tダイに導いてシート状に成形するようにした多
    層シート形成方法であって、 前記フィードブロックの樹脂合流部において前記複数の
    溶融樹脂を断面円形状態に合流積層して、その積層状態
    の溶融樹脂を断面円形状態のまま、前記単層型Tダイに
    導いてシート状に成形するようにしたことを特徴とする
    多層シート形成方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の溶融樹脂として、第1の溶融
    樹脂と、その第1の溶融樹脂よりも溶融粘度の低い第2
    の溶融樹脂とが用いられ、 前記樹脂合流部において前記第1の溶融樹脂の上部中間
    に前記第2の溶融樹脂を合流積層するようにした請求項
    1記載の多層シート形成方法。
  3. 【請求項3】 複数の押出機によって押し出された複数
    の溶融樹脂を合流積層するとともに、その積層状態の溶
    融樹脂を単層型Tダイに送り込むための多層シート形成
    用フィードブロックであって、 前記複数の押出機の吐出口にそれぞれ連結され、前記複
    数の押出機によって押し出された複数の溶融樹脂を、そ
    れぞれ流入させるための円形の複数の樹脂流入口と、 前記複数の樹脂流入口から流入された複数の溶融樹脂を
    断面円形状態に合流積層するための断面円形の樹脂合流
    部と、 前記単層型Tダイのダイ入口に連結されて、前記樹脂合
    流部により積層された溶融樹脂を前記単層型Tダイに導
    入するための断面円形の樹脂流出口とを備える多層シー
    ト形成用フィードブロック。
  4. 【請求項4】 前記複数の溶融樹脂として、2種類の溶
    融樹脂が用いられ、前記円形断面の樹脂合流部に、その
    上部中間に一方側の樹脂流路が設けられるとともに、残
    りの領域に他方側の樹脂流路が設けられ、 前記2種類の溶融樹脂が、前記一方側及び他方側の樹脂
    流路をそれぞれ流動して、合流積層されるよう構成され
    てなる請求項3記載の多層シート形成用フィードブロッ
    ク。
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