JP4714390B2 - Tダイ及びこのtダイを使用した熱可塑性樹脂の積層方法 - Google Patents

Tダイ及びこのtダイを使用した熱可塑性樹脂の積層方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂を積層させたシート状またはフィルム状の製品を製造するために使用されるTダイ及びこのTダイを使用した熱可塑性樹脂の積層方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂が積層されたシート状製品またはフィルム状製品は、Tダイを使用して製造されることが多い。Tダイは、2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂を供給するフィードブロックに取り付けられており、フィードブロックにて積層状態になるように合流した2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂が、Tダイの内部に共押出されるようになっている。
【0003】
図7は、従来のTダイの内部の構造を示す概略平面図であり、図8は従来の一般的なマニホールド部の形状を示す図7におけるA−A断面図である。
【0004】
図7において100は、図示しないフィードブロックに連通された樹脂流入路で、該樹脂流入路100の下流側にはマニホールド101が形成されている。上記樹脂流入路100と対向する反対側にはリップ開口部102が形成されており、マニホールド101とリップ開口部102とは、マニホールド101側からプレランド部103、リップランド部104を通じて連通されている。
【0005】
一方、マニホールド101は、図8に示すように幅方向と直交する断面形状が上下で略対称な略長方形状に形成されており、図8において下側となる下流部側が緩やかなスロープを描いて前記プレランド部103に連なっている。
【0006】
従って、例えば2種類の熱可塑性樹脂を共押出する場合には、フィードブロックから上下方向に積層された状態でTダイの樹脂流入路100内に共押出される熱可塑性樹脂は、マニホールド101内に流入すると、該マニホールド101内において流動し、流入方向とは直交する幅方向に沿って広がった状態になる。
【0007】
この際、上下に積層された2種類の熱可塑性樹脂の流動性が完全に一致している場合には、それぞれの樹脂は、マニホールド101内にて同様の状態で流動する。従って、上下に積層された状態の熱可塑性樹脂は、マニホールド101内を等しい速度で幅方向に沿って流動してマニホールド101内に充填されるために、マニホールド101内における樹脂流動域の幅方向全体にわたって積層された状態になり、そのような積層状態で、リップ開口部102から吐出される。その結果、リップ開口部102からは、それぞれの熱可塑性樹脂層が幅方向の全体にわたって一定の厚さで積層された状態で吐出される。また、各熱可塑性樹脂層の厚さの比率は、各熱可塑性樹脂の押出量の比率に対応している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、Tダイの樹脂流入路100内に共押出される各熱可塑性樹脂の流動性[例えば、MFR(メルト・フロー・レイト、JIS K 6760)で表される性質]が異なっている場合には、それぞれの熱可塑性樹脂が幅方向の全体にわたって一定の厚さで積層されず、幅方向の左右両端部では、一方の熱可塑性樹脂層が全く積層されない状態で、リップ開口部102から吐出されるおそれがある。
【0009】
すなわち、上記MFRが大きくて流動性の大きな熱可塑性樹脂は、流れの自由度が大きくなっているために、マニホールド101内に流入した際に、流入方向とは直交する幅方向にも容易に推進し得る。
【0010】
これに対して、MFRが小さくて流動性の小さな樹脂は、流れの自由度が小さくなっているために、幅方向への推進力が弱く、幅方向に沿って容易には広がらない。従って、マニホールド101内に流入した流動性の大きな樹脂は、図7に二点鎖線で示すように、流動性の小さな樹脂よりも先にマニホールド101の左右両端部に回り込むのに対して、流動性の小さな樹脂は、図7に破線で示すように、マニホールド101の両端部にまでは回り込むことができなくなる。
【0011】
この結果、マニホールド101の両端部には、流動性の大きな樹脂のみが充填された状態になり、マニホールド101の両端部には、流動性の小さな樹脂が全く充填されず、リップ開口部102からは、図9に示すように、流動性の小さな熱可塑性樹脂層R1が幅方向の両端部には全く積層されず、当該両端部には、流動性の大きな熱可塑性樹脂層R2だけになる。通常、各熱可塑性樹脂のMFRが2倍以上の差がある場合に、幅方向の両端部にMFRの小さな熱可塑性樹脂がそれぞれ積層されない状態になるおそれがある。
【0012】
これに対して、Tダイの樹脂流入路100に入るまでに、複数に積層された樹脂の積層分布を変え、前述の現象を予測した上で予め積層分布のパターンを、フィードブロック内に設けた可動部分で調整する方法があるが、流動性に差があるときには、比較的早急にもとの積層分布パターンに戻ろうとして、本来の望んだパターンでTダイに流入させることが難しく、効果を十分に発現できないのが現状であった。
【0013】
このように、幅方向の両端部がそれぞれ単層になっていると、2層構造になったシート状製品またはフィルム状製品とするためには、単層になった両端縁部を切断して除去する必要がある。従って、単層になっている部分が広くなっていればいるほど、切断しなければならない部分も大きくなり、これによってシート状製品またはフィルム状製品の歩留りが悪くなり、経済性が大きく損なわれるという問題があった。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を、幅方向の全体にわたって確実に積層させることができるTダイ及びこのTダイを使用した熱可塑性樹脂の積層方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のTダイは、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が積層状態でマニホールド内に流入し、その流入方向とは直交する幅方向に沿って流動することによってマニホールド内に充填された後に、幅方向に沿って延びるリップ開口部から吐出されるようになされたTダイであって、前記マニホールドの樹脂流入路側の上流部には、その下側もしくは上側又はその両方に所定形状の膨出部が幅方向に所定の長さ形成されたものである。
【0016】
請求項2に係る発明の熱可塑性樹脂の積層方法は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をTダイによって幅方向の全体にわたって積層する方法であって、積層状態の少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を、マニホールドの樹脂流入路側の上流部に形成した膨出部を経て当該マニホールドに充填し、リップ開口部から吐出させることを特徴とする。
【0017】
請求項3に係る発明の熱可塑性樹脂の積層方法は、流動性が異なる2種類もしくは3種類の熱可塑性樹脂を積層する場合には、流動性の大きい熱可塑性樹脂が膨出部側になるように積層した状態で、マニホールドに充填させることを特徴とする。
【0018】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明のTダイの構造の一例を示したもので、内部を透視して示す斜視図である。
【0020】
このTダイ1は、2層もしくは3層以上の熱可塑性樹脂が積層されたシート状製品またはフィルム状製品を製造するために使用されるものであり、図示しないフィードブロック内にて積層状態で合流した2層もしくは3層以上の熱可塑性樹脂が共押出されるように、フィードブロックに取り付けられている。
【0021】
Tダイ1は、下型11と、二点鎖線で示す上型12とが相互に突き合わされて構成されており、図1において手前となる前面部にはリップ開口部13が、このリップ開口部13の反対側となる後面部には樹脂流入口14が、これら下型11と上型12との間に形成されている。
【0022】
樹脂流入口14は、前記フィードブロックに連通され、該フィードブロックから共押出される2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂が流入する部位であり、リップ開口部13と対向する中央部に幅方向に向かってスリット状に形成されている。そして、樹脂流入口14から流入される積層状態になった2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂は、樹脂流入口14に連なる樹脂流入路15内を通って、後述するマニホールド16内に流入するようになっている。
【0023】
前記リップ開口部13は、積層状態でシート状またはフィルム状になった熱可塑性樹脂が吐出される部位であり、前記樹脂流入口14と平行な状態で、且つ幅方向にマニホールド16と同じ長さのスリット状に形成されている。そして、積層状態になった熱可塑性樹脂は、このリップ開口部13から一定の厚さおよび幅で順次吐出される。
【0024】
一方、樹脂流入路15は、マニホールド16に連通されている。マニホールド16は、樹脂流入路15からの熱可塑性樹脂の流入方向とは直交する幅方向に沿って、前記リップ開口部13の幅方向の長さと同じ長さに形成されている。このマニホールド16は、樹脂流入路15から幅方向に離れるにつれて後述するプレランド部17側に順次接近するようにそれぞれ傾斜して形成された、いわゆるコートハンガ形になされている。
【0025】
このように構成されたTダイ1では、フィードブロックから上下に2種類もしくは3種類以上積層されて共押出される溶融状態の各熱可塑性樹脂が、樹脂流入口14を通って樹脂流入路15内に流入し、樹脂流入路15を通ってマニホールド16内に流入する。マニホールド16内に流入した樹脂は、マニホールド16内にて幅方向に沿って広がりながら当該マニホールド16内に充填されて、プレランド部17、リップランド部18を通って、リップ開口部13から吐出される。
【0026】
なお、図1は、下型11に形成された上述の各流路を図示したもので、上型12には、膨出部161を除いた各流路が下型11と対称的に形成されている。また、マニホールド16、プレランド部17、リップランド部18及びリップ開口部13における長手方向(幅方向)の各両端部は、図示しない閉塞手段によって閉塞されている。
【0027】
ここで、本発明のTダイ1は、前記マニホールド16の形状を特徴とするものであり、マニホールド16の幅方向と直交する方向に切り欠いた断面形状が図2に示すように形成されている。
【0028】
具体的には、マニホールド16の樹脂流入路側となる上流部に対応する下型11の部位に、矩形状の膨出部161が形成されている。膨出部161は、マニホールド16内において幅方向に沿ってその両端部まで連続して、又は幅方向の途中部までの所定長さ形成されている。つまり、マニホールド16の上流部においては膨出部161の分だけ空間部の断面積が小さくなっている。
【0029】
また、膨出部161の前記幅方向と直交する方向の長さは、幅方向両端部にかけて均等な長さに形成してもよいし、幅方向両端部に行くに従って漸次短くなるようにしてもよいし、逆に長くしてもよく、流入させて積層成形する各熱可塑性樹脂の特性に応じて適宜に設定すればよい。
【0030】
従って、マニホールド16内に流入した樹脂は、マニホールド16内の膨出部161にて幅方向に沿って広がりながら当該マニホールド16内に充填されて、プレランド部17、リップランド部18を通って、リップ開口部13から吐出されることになる。
【0031】
次に、このようにマニホールド16に膨出部161を形成したTダイ1を用いて例えば流動性の異なる2種類の熱可塑性樹脂を積層したシート状製品またはフィルム状製品を製造する場合について説明する。
【0032】
フィードブロックから流動性の異なる2種類の熱可塑性樹脂を、膨出部161側に流動性の大きい熱可塑性樹脂が流入するようにして積層状態で、樹脂流入口14、樹脂流入路15を通じてマニホールド16に共押出し、当該マニホールド16内に充填してプレランド部17、リップランド部18を通って、リップ開口部13から吐出することで、流動性の異なる2種類の熱可塑性樹脂を積層したシート状製品またはフィルム状製品を製造する。
【0033】
この際、マニホールド16内に流入した各熱可塑性樹脂の流速分布は膨出部161の作用によって制御されており、これにより流動性の異なる2種類の熱可塑性樹脂が幅方向のほぼ全体にわたって均一に積層された状態になる。
【0034】
このように各樹脂の流速が制御されるメカニズムは定かでないが、マニホールド16に形成した膨出部161によって、流動性の異なる2種類の熱可塑性樹脂の界面領域近傍にて局部的に流速の大きい領域が発生することで、流動性の大きな樹脂が流動性の小さい樹脂の側に回り込む現象を効果的に阻止するものと推定される。
【0035】
その結果、リップ開口部13からは、図3に示すように、幅方向の全体にわたって、それぞれ一定の厚さで流動性の小さい熱可塑性樹脂R1と流動性の大きい熱可塑性樹脂R2とが上下に積層された状態で吐出される。
【0036】
そして、リップ開口部13から吐出された上下方向に積層された上記2種類の熱可塑性樹脂R1およびR2は、内部に冷媒が通流される冷却ロールによって冷却される。これにより、流動性が異なった熱可塑性樹脂層R1およびR2同士がそれぞれ均一な一定厚みで両端部まで積層されたシート状製品またはフィルム状製品を高い歩留りで製造することができる。
【0037】
なお、ここでは、膨出部161側に流動性の大きい熱可塑性樹脂が流入するようにして積層状態でマニホールド16に充填させるようにしたが、膨出部161側に流動性の小さい熱可塑性樹脂が流入するようにして積層状態でマニホールド16に充填させるようにしてもよい。この場合、流動性の大きい熱可塑性樹脂がマニホールド16の両端部にて流動性の小さい熱可塑性樹脂よりも多く回り込む現象が若干見られるものの、従来のマニホールド形状で積層成形するものに比べれば遥かに効果を奏することができる。
【0038】
また、膨出部161は、下型11側でなく上型12側に設けてもよく、さらには下型11及び上型12の両方に設けてもよい。
【0039】
さらに、ここでは流動性の異なる2種類の熱可塑性樹脂を積層してシート状製品またはフィルム状製品を製造する場合について説明したが、3種類以上の熱可塑性樹脂を積層する場合でも同様な効果を奏することができる。
【0040】
また、コートハンガ形のマニホールド16について説明したが、マニホールド16は、プレランド部17と平行にその幅方向と直交する方向の長さを一定にして当該幅方向の両端部まで形成したものでもよく、この場合でも前記膨出部161によって同様な効果を得ることができる。
【0041】
さらに、マニホールド16、プレランド部17、リップランド部18及びリップ開口部13における長手方向(幅方向)の各両端部に、プレート(いわゆるインナーディッケルなど)を嵌入自在にし、このプレートによりマニホールド16、プレランド部17、リップランド部18及びリップ開口部13の幅方向の長さを変えて製品幅を調整できるようにしてもよい。
【0042】
また、流動性にあまり差の無い2種類もしくは3種類以上の熱可塑性樹脂を積層成形する場合では、従来のマニホールド形状でも前述した如く各熱可塑性樹脂をそれぞれ両端部まで積層したシート状製品またはフィルム状製品を製造することができるものの、本発明のTダイ1を用いて製造した場合には各熱可塑性樹脂の厚みを従来のものに比べて全体的に均一な状態で積層成形することができ、シート状製品またはフィルム状製品の品質向上を図ることができる。
【0043】
図4及び図5は、マニホールド16内における断面形状の他の変形例を示したもので、図4は、マニホールド16内の上流部の下側が二段の段状となるように膨出部162を形成したもので、図5は、マニホールド16内の上流部の下側が傾斜面になるよう膨出部163を形成したものである。このような形状の膨出部162、163によっても前述した膨出部161と同様な効果を奏することができる。
【0044】
さらに、図6(a)〜(e)はマニホールド16内における断面形状のさらなる他の変形例を示したもので、図6(a)は、マニホールド16内の上流部の下側が三段の段状となるように膨出部164を形成したもので、図6(b)は、図2に示す膨出部161よりも滑らかになるように膨出部165を形成したもので、図6(c)は、円弧状の突起1661を有する膨出部166を形成したもので、図6(d)は、角状の突起1671を有する膨出部167を形成したもので、図6(e)は、段状部1681と角状の突起1682とを組み合わせた膨出部168を形成したものである。
【0045】
このように膨出部164〜168を形成することによっても前述した膨出部161と同様な効果を奏することができる。
【0046】
このように本発明では、膨出部を上述のようにそれぞれ形成することによっても、同様な効果を奏することができるのである。
【0047】
また、図8に示す従来のマニホールドの空間部の断面積に対して各膨出部が占有する断面積の割合については、各熱可塑性樹脂の円滑な流動を確保する上で1〜50%とするのがよい。1%未満では局部的に流速の大きい領域を形成できず、50%を超えると層厚比のバランスを保つことが困難になるからである。また、さらに好ましくは、3〜33%となるように形成するのが好ましい。
【0048】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を挙げて説明する。
<実施例1>
図1に示すTダイにおいて、図2に示すようなマニホールド16の断面形状であり、リップ開口部13における樹脂流動域の幅方向寸法を500mm、Tダイの金型設定温度を200℃として、
MFRが3.7g/10分のLDPE(低密度ポリエチレン、三井化学株式会社製、商品名「ミラソン16」)と、MFRが20g/10分のEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体、東ソー株式会社製、商品名「ウルトラセン633」)との2種類の熱可塑性樹脂により、EVAを膨出部を形成した下側にしてそれぞれ40kg/hr、20kg/hrにて共押出し、LDPEおよびEVAを一定の幅方向寸法となるように積層して、2層のシート状製品を製造した。
【0049】
得られたシート状製品は、幅方向寸法が480mmで、幅方向の両端部ではEVAが単層になっていることなく、LDPEとEVAとが幅方向の全体にわたって積層された状態になっていた。
<実施例2>
マニホールド16の断面形状を図4に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、2層のシート状製品を製造した。
【0050】
得られたシート状製品は、幅方向の両端部ではEVAが単層になっていることなく、LDPEとEVAとが幅方向の全体にわたって積層された状態になっていた。
<実施例3>
マニホールド16の断面形状を図5に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、2層のシート状製品を製造した。
【0051】
得られたシート状製品は、幅方向の両端部ではEVAが単層になっていることなく、LDPEとEVAとが幅方向の全体にわたって積層された状態になっていた。
<実施例4>
マニホールド16の断面形状を図2に示すようにするとともに、LDPEとEVAの中間層に、MFRが10g/10分のLLDPE(線状低密度ポリエチレン、出光石油化学株式会社製、商品名「1014D」)を、3つそれぞれを各20kg/hrにて、共押出して、LDPE、LLDPEおよびEVAを一定の幅方向寸法となるように積層して、3層のシート状製品を製造した。その他の条件は実施例1と同様である。
【0052】
得られたシート状製品は、幅方向の両端部ではEVAが単層になっていることなく、LDPE、LLDPEとEVAが幅方向の全体にわたって積層された状態になっていた。
<従来例1>
マニホールド16の断面形状を図8に示す従来のものにしたこと以外は実施例1と同様にして、2層のシート状製品を製造した。
【0053】
得られたシート状製品は、幅方向の両端ではLDPEが積層されていないEVAの単層部分が、幅方向におのおの50mmにわたって形成されていた。
<従来例2>
マニホールド16の断面形状を図8に示す従来のものにしたこと以外は、実施例4と同様にして、3層のシート状製品を製造した。
【0054】
得られたシート状製品は、幅方向の両端部ではLDPEが積層されていないEVAの単層部分が、幅方向におのおの50mmにわたって形成されていた。
【0055】
以上のことから、マニホールド16に膨出部を形成した本発明のTダイ1で流動性の異なる2種類もしくは3種類の熱可塑性樹脂を積層すると、各熱可塑性樹脂が幅方向の全体にわたって積層された状態になることが確認できた。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のTダイによれば、マニホールドの樹脂流入路側の上流部において、その下側もしくは上側、又はその両方に所定形状の膨出部を幅方向に所定の長さ形成したことにより、マニホールド内の流速分布をこの膨出部の作用により制御し、流動性の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を、吐出方向に直交する幅方向のほぼ全体にわたって均一に積層させた状態にすることができる。
【0057】
従って、種類の異なる少なくとも2種類の熱可塑性樹脂同士が均一な一定厚みで幅方向全体に亘って積層したシート状製品またはフィルム状製品を高い歩留りで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTダイの実施の形態の一例を、内部を透視した状態で示す斜視図である。
【図2】マニホールドの断面形状を示す断面図である。
【図3】本発明のTダイから吐出される各熱可塑性樹脂の積層状態を示す断面図である。
【図4】マニホールドの断面形状の他の例を示す断面図である。
【図5】マニホールドの断面形状の他の例を示す断面図である。
【図6】マニホールドの断面形状のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】従来のTダイの内部の構造を示す概略平面図である。
【図8】従来のマニホールドの断面形状を示す断面図である。
【図9】従来のTダイから吐出される熱可塑性樹脂の積層状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 Tダイ
11 下型
12 上型
13 リップ開口部
14 樹脂流入口
15 樹脂流入路
16 マニホールド
161〜168 膨出部
17 プレランド部
18 リップランド部
R1 流動性の小さい樹脂層
R2 流動性の大きい樹脂層

Claims (5)

  1. 少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が積層状態でマニホールド内に流入し、その流入方向とは直交する幅方向に沿って流動することによってマニホールド内に充填された後に、幅方向に沿って延びるリップ開口部から吐出されるようになされたTダイであって、前記マニホールドの樹脂流入路側の上流部には、その下側もしくは上側又はその両方に所定形状の膨出部が幅方向に所定の長さ形成されたことを特徴とするTダイ。
  2. 少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をTダイによって幅方向の全体にわたって積層する方法であって、積層状態の少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を、マニホールドの樹脂流入路側の上流部に形成した膨出部を経て当該マニホールドに充填し、リップ開口部から吐出させるものであり、前記膨出部はマニホールドの下側もしくは上側又はその両方に所定形状の膨出部が幅方向に所定の長さ形成されたものであって、前記積層状態の少なくとも2種類の熱可塑性樹脂は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂のうち流動性の大きい熱可塑性樹脂が前記マニホールドの膨出部側に流入するように積層されることを特徴とするTダイを使用した熱可塑性樹脂の積層方法。
  3. マニホールドは、樹脂流入路から幅方向に離れるにつれてプレランド部側に順次接近するようにそれぞれ傾斜して形成されたコートハンガ形であることを特徴とする請求項1記載のTダイ。
  4. マニホールドは、プレランド部と平行にその幅方向と直交する方向の長さを一定にして当該幅方向の両端部まで形成したものであることを特徴とする請求項1記載のTダイ。
  5. マニホールド、プレランド部、リップランド部及びリップ開口部における長手方向(幅方向)の各両端部に、プレートを嵌入自在にし、このプレートによりマニホールド、プレランド部、リップランド部及びリップ開口部の幅方向の長さを変えて製品幅を調製できることを特徴とする請求項1記載のTダイ。
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