JP2000284621A - 定着ヒータ、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着ヒータ、定着装置および画像形成装置

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JP2000284621A
JP2000284621A JP11094272A JP9427299A JP2000284621A JP 2000284621 A JP2000284621 A JP 2000284621A JP 11094272 A JP11094272 A JP 11094272A JP 9427299 A JP9427299 A JP 9427299A JP 2000284621 A JP2000284621 A JP 2000284621A
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JP
Japan
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substrate
fixing
heating element
resistance heating
fixing heater
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JP11094272A
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Masanori Fukushima
正徳 福島
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板全体を効率よく昇温させることが可能な定
着ヒータを提供する。 【解決手段】一面1aに酸化層1cが形成され他面1b
に一面1aよりも厚い酸化層1cが形成された細長い電
気絶縁性の基板1と、基板1の一面1aに形成された抵
抗発熱体2と、抵抗発熱体2の両端に電気的に接続され
て基板1に形成された一対の端子3a,3bとを具備し
ていることを特徴とする定着ヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリンタな
どのOA機器のトナーの定着に好適な定着ヒータおよび
この定着ヒータを装着した定着装置ならびに画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子式複写機等の画像形成装置
においては、トナー画像を形成した複写用紙を定着用の
定着ヒータと加圧ローラとの間を直接または搬送シート
を介して間接に挟圧しながら通過させ、この定着ヒータ
の熱によって複写用紙上のトナーを溶融させて定着する
技術が使用されている。
【0003】この種の定着ヒータとしては、例えば特公
平6−32276号公報に開示されたものが知られてい
る(従来技術1)。この定着ヒータは、アルミナセラミ
ックス製の細長形状の絶縁基板の一面に抵抗発熱体を形
成したものであって、この基板の抵抗発熱体が形成され
た面に被定着体(被加熱シート材を介するのが一般的で
ある)を摺接させて加熱するように用いられる。なお、
近時このような定着ヒータにおいては、基板をアルミナ
セラミックスよりもさらに熱伝導性のよい窒化アルミニ
ウムを使用することが検討されている。
【0004】また、他の定着ヒータとして、特開平6−
5356号公報に開示されたものが知られている(従来
技術2)。この定着ヒータは、上記従来技術1の定着ヒ
ータとほぼ同様の構成をないしているが、基板の他面側
に被定着体等を摺接させて加熱するように用いられる点
が相違している。また、この定着ヒータは、基板他面に
ガラス膜が形成されており、このガラス膜に被定着体が
摺接し、ガラス膜を介して抵抗発熱体の熱を被定着体に
伝達するものである。
【0005】さらに、他の定着ヒータとして、特開平9
−197861号公報に開示されたものが知られている
(従来技術3)。この定着ヒータは、基本的に上記従来
技術2の定着ヒータと同じ構成であるが、主な相違点と
しては基板を窒化アルミニウムで形成している点があげ
られる。また、基板の抵抗発熱体が形成されていない他
面にガラス膜が形成されていない点も相違している。こ
の定着ヒータは基板がセラミックスの中でも熱伝導率が
極めて高い窒化アルミニウムで形成されているため、抵
抗発熱体の熱が基板の他面に瞬間的に伝わり、この他面
をトナーを定着させるのに十分な抵抗発熱体と同等の温
度に加熱することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の定着
ヒータは、次の課題を有する。
【0007】従来技術1の定着ヒータは、通常は基板全
体を高温に加熱した状態で定着動作が行われるものであ
る。これは、定着動作にあたり、定着ヒータの表面を摺
接させた被定着体に定着ヒータの熱が奪われるためであ
る。すなわち、抵抗発熱体のみを所要温度に発熱さて他
の部分がそれよりも大きく離れた温度であると、抵抗発
熱体単体の熱容量は非常に小さいために抵抗発熱体の温
度がすぐに低下してしまい、連続的な定着動作を行うこ
とができなくなる。このような問題を回避するために、
基板はセラミックスなどの熱容量の大きい材料で形成
し、定着ヒータ全体としての熱容量を高めている。な
お、基板を熱伝導性の良好な窒化アルミニウム等を用い
て形成すれば、基板の熱が奪われても直ちに昇温させる
ことができ、高速での定着動作が可能となる。
【0008】しかしながら、基板の熱容量は大きいもの
の前述のように熱伝導性の良い材料で形成することによ
り、実際の定着動作においては基板全体が高温に昇温し
てしまう。この結果、基板から多くの熱が逃げ、効率的
に定着ヒータ昇温させるにあたり改善の余地がある。
【0009】従来技術2の定着ヒータは、基板の他面側
すなわち非発熱体形成面に被定着体を摺接させて加熱す
るように用いられるものであるが、このような、定着方
式を用いても基板の材質によっては、その他面側をトナ
ーを定着させるのに十分な抵抗発熱体と同等の温度に加
熱することができるとは限らない。つまり、基板の熱伝
導率が十分に高くないと基板の他面に熱が伝わる前に、
この熱が基板の一面(抵抗発熱体の形成されている面)
から放出されてしまい他面側を十分に加熱できない場合
がある。そして、十分に時間をかけることで他面側を十
分な温度に加熱できたとしても、前述のとおり定着動作
においては定着ヒータの熱が奪われるため、連続的な定
着動作を行うトナーの定着に用いるにあたって課題を有
するものである。
【0010】従来技術3の定着ヒータは、基板が熱伝導
率が極めて高い窒化アルミニウムで形成されているた
め、他面をトナーを定着させるのに十分な抵抗発熱体と
同等の温度に加熱することができるものの、やはり従来
技術1と同様に効率的に定着ヒータ昇温させるにあたり
改善の余地がある。
【0011】本発明は、上記問題を解決し得る定着ヒー
タ、定着装置および画像形成装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求頃1に記載の定着ヒ
ータは、一面に酸化層が形成され他面に一面よりも厚い
酸化層が形成された細長い電気絶縁性の基板と、基板の
一面に形成された抵抗発熱体と、抵抗発熱体の両端に電
気的に接続されて基板に形成された一対の端子とを具備
していることを特徴とする。
【0013】本発明および以下各請求項に記載の発明に
おいて、各用語は特に言及しない限り次のように定義さ
れる。
【0014】基板は、トナーの定着動作に都合の良い細
長い抵抗発熱体を形成するにあたり、この抵抗発熱体の
長手方向に沿う熱容量を均等にすることが好ましいた
め、同様に細長い形状をなしていることが好ましいが、
特に細かい部分での形状が限定されるものではない。
【0015】また、材質は、窒化アルミニウムやアルミ
ナセラミックスなど熱伝導性の優れたセラミックス材料
が好適であるが、これには限られない。
【0016】酸化層は、基板の一面および他面に一様に
ほぼ一様な厚さで形成されていれば、特に厚さが限定さ
れるものではない。しかしながら、酸化層を厚く形成し
たほうが断熱性を高めることができる。
【0017】また、基板の他面の酸化層が一面の酸化層
よりも厚いとは、多少であれば一面と他面で厚さの関係
が部分的に逆になっている場合も許容する。前記の厚さ
とは酸化層の平均厚さのことを意味する。
【0018】また、酸化層は基板の一面または他面の全
面に形成されている必要はなく、少なくとも抵抗発熱体
の形成された領域とおおよそその周囲の領域に形成され
ていればよい。なお、基板の両面に酸化層が形成されて
いることを要件としたのは、通常酸化層の形成において
は特殊なマスク技術を用いない限り、酸化層は基板の全
表面に形成されるからである。
【0019】抵抗発熱体は、例えばスクリーン印刷法な
どの厚膜技術を用いて形成できるが、これに限られるこ
とはなく、発生した熱が基板に伝わるように基板に設け
られていればよい。また、銀・パラジウムを主成分とす
る導電ペーストを用いて厚膜形成するのが、トナー定着
に最適な形状および抵抗値にできるため好ましいが、材
料はこれには限られない。
【0020】端子は、抵抗発熱体の両端間に所要の電圧
を印加できるように構成されていれば、どのような形態
であってもよい。
【0021】本発明の作用を説明する。一対の端子間に
所要の電圧を印加することにより抵抗発熱体が発熱す
る。そして、抵抗発熱体の熱は直ちに基板に伝わり、徐
々に基板の全体に熱が伝わり、基板の抵抗発熱体に沿っ
た部分の全体がほぼ一様な温度になる。なお、厳密に
は、抵抗発熱体から遠ざかるに従い基板の温度は若干な
がら低くなる。
【0022】そして、このとき抵抗発熱体からの熱は、
基板の抵抗発熱体に沿った部分の全体が抵抗発熱体とほ
ぼ同じ温度になる前に基板の他面に伝わり、この他面か
ら熱の放散が発生する。しかしながら、基板の他面に一
面よりも厚い酸化層が形成されているため、この酸化層
が断熱層として作用して熱の放散を妨げることができ
る。したがって、基板を効率よく昇温させることができ
る。また、基板の一面に形成された酸化層は他面のそれ
よりも薄いので抵抗発熱体の熱は良好に基板に伝わる。
なお、酸化層は基板の両面に形成されているため、基板
の全面に酸化層を形成すればよいから精密なマスキング
技術などを用いる必要がなくその形成が容易である。
【0023】請求項2に記載の定着ヒータは、一面に酸
化層が形成され他面に一面よりも厚い酸化層が形成され
た細長い電気絶縁性の基板と、基板の他面に形成された
抵抗発熱体と、抵抗発熱体の両端に電気的に接続されて
基板に形成された一対の端子とを具備していることを特
徴とする。
【0024】本発明の作用を説明する。本発明の定着ヒ
ータによれば、請求項1に記載の定着ヒータと同様に、
抵抗発熱体が発熱し基板の抵抗発熱体に沿った部分の全
体がほぼ一様な温度になる。ここで、抵抗発熱体が形成
された基板の他面には、一面よりも厚い酸化層が形成さ
れているが、この酸化層の抵抗発熱体と接触した部分は
抵抗発熱体が近接していることから酸化層がない場合と
殆ど変わらないほどに熱が良好に基板に伝わる。
【0025】そして、抵抗発熱体からの熱は、基板の抵
抗発熱体に沿った部分の全体が抵抗発熱体とほぼ同じ温
度になる前に基板の一面に伝わるが、これと同時に基板
の他面上にも沿って熱が拡散していきこの他面から熱の
放散が発生する。しかしながら、基板の他面に一面より
も厚い酸化層が形成されているため、この酸化層が断熱
層として作用して一度基板に貯えられた熱が放散するの
を妨げることができる。したがって、基板を効率よく昇
温させることができる。また、基板の一面に形成された
酸化層は他面のそれよりも薄いので、この面を加熱摺動
面として使用した場合でも、被定着体を十分加熱するこ
とができる。
【0026】なお、基板の材質として窒化アルミニウム
(AIN)を使用した場合には、熱伝導率は約100〜
180W/mKであり、例えばアルミナ(A1203)
と比較して数倍から約10倍程度大きい。したがって、
基板の一面を他面に形成された抵抗発熱体とほぼ同等の
温度に加熱することができ、この一面をトナーの定着動
作における被定着体の加熱摺動面として使用しやすい。
また、抵抗発熱体の発熱時には基板の全体が瞬時にほぼ
均等に昇温し、基板自体における各部の温度差が殆ど発
生しないので、熱応力が非常に小さい。このために、基
板に被加熱体を摺接させることで基板の温度が低下して
も、極めて短かい時間で直ちに均等に昇温させることが
でき、基板に反りや割れが発生するのを防止ないし低減
することができる。このようなことから、高速定着を可
能にすることができる。
【0027】請求項3に記載の定着装置は、請求項1に
記載の定着ヒータと、定着ヒータの一面に対向して配設
されて定着ヒータとともに被定着体を挟圧しながら搬送
して定着ヒータからの熱を被定着体の画像を形成してい
るトナーに作用させる加圧ローラとを具備していること
を特徴とする。
【0028】本発明によれば、請求項1に記載の定着ヒ
ータを有するので、同定着ヒータの作用を発揮し、高速
なトナー定着を行ない得る。
【0029】請求項4に記載の定着装置は、請求項2に
記載の定着ヒータと、定着ヒータの他面に対向して配設
されて定着ヒータとともに被定着体を挟圧しながら搬送
して定着ヒータからの熱を被定着体の画像を形成してい
るトナーに作用させる加圧ローラとを具備していること
を特徴とする。
【0030】本発明によれば、請求項2に記載の定着ヒ
ータを有するので、同定着ヒータの作用を発揮し、高速
なトナー定着を行ない得る。
【0031】請求項5に記載の画像形成装置は、請求項
3または4に記載の定着装置と、媒体に形成された静電
潜像にトナーを付着させて反転画像を形成し、この反転
画像を被定着体に転写して所定の画像を形成する画像形
成手段とを具備していることを特徴とする。
【0032】本発明によれば、請求項3または4に記載
の定着装置を有するので、同定着装置の作用を発揮し、
高速な画像形成を行い得る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6に基づいて本発
明の実施の形態を説明する。なお、図1〜図6中、同一
または相当部分には同一符号を付している。
【0034】図1は本発明の第1の実施形態に係る定着
ヒータの一部切欠正面図、図2は図1のII−II線に沿う
断面図である。なお、図2においては、説明のために各
構成を異なる尺度で厚さ方向に拡大して描かれており実
施の寸法とは異なる。
【0035】図に示したように、定着ヒータHは、耐熱
性・電気絶縁性材料の例えば窒化アルミニウム等からな
る細長い基板1の一面la上に、その長手方向に長い膜
状の抵抗発熱体2が形成されている。
【0036】ここで、基板1はその全体に酸化層1cが
形成されている。この酸化層1cは、基板1の抵抗発熱
体2が形成された一面la側よりも他面1b側の方が厚
さが大きく形成されている。そして、この酸化層1c
は、抵抗発熱体2に沿う方向に抵抗発熱体2長に亘り一
様な厚さとなるように形成されている。
【0037】このような基板1への酸化層1cの形成
は、抵抗発熱体2等がまだ形成されていない基板を加熱
炉等を用いて加熱処理することにより行うことができ
る。そして、加熱工程において、基板の一面laと他面
1bとの加熱温度に差を設ければ、一面laと他面1b
におけるそれぞれの酸化層1cの厚さを異ならせること
が可能である。このとき高い温度で加熱した方がより厚
い酸化層1cを形成できる。なお、基板1の一面laと
他面1bにおける酸化層1cの厚さを異ならせる方法と
しては、加熱時間を異ならせることでも達成できるが、
この方法は一般的に難しい。
【0038】上記基板1は、例えば長さ約300mm、
幅約8mm、厚さ約0.6〜約1.0mmの大きさの長
方形に形成されている。また、上記抵抗発熱体2は、例
えば長さ約230mm、厚さ約10μmの銀・パラジウ
ム(Ag・Pd)合金やニッケル・錫(Ni・Sn)合
金、酸化ルテニウム(Ru0)合金等を主体とするも
ので厚膜技術により形成されている。
【0039】抵抗発熱体2はその一端部または両端部
に、その一部を上下方向で重ねて、銀あるいは銀・白金
(Ag・Pt)合金、銀・パラジウム合金(Ag・P
d)等の良導電体からなる膜を形成して一対の端子3
a,3bを形成して、抵抗発熱体2に電気的に接続して
いる。この端子3a,3bも厚膜技術により形成されて
いる。そして、一対の端子3a,3bには図示しないコ
ネクタを介して抵抗発熱体2に通電するようになってい
る。
【0040】また、抵抗発熱体2と一対の端子3a,3
bの抵抗発熱体近傍部分の外表面を被覆するガラス質の
保護層4を基板一面1a上に形成して、抵抗発熱体2の
機械的損傷の防止、硫化や酸化等からの耐食作用、およ
び外部機器との電気的絶縁の確保を目的とするものであ
る。この保護層は例えばスクリーン印刷法などを用いて
厚膜技術により形成されている。
【0041】なお、保護層4は鉛を殆ど含まないか鉛の
含有量が少ない(20重量%以下)ガラスを用いて形成
すれば、基板1に窒化アルミニウムで形成した基板との
密着強度を確保でき、基板1から剥がれにくくすること
ができる。さらに、鉛を含有するか否かに問わず、保護
層4を酸化物フィラーを含有したガラスを用いて形成す
れば、同様に基板1に窒化アルミニウムで形成した基板
との密着強度が向上し、基板1から剥がれにくくするこ
とができる。
【0042】なお、基板他面1bにはチップ状または膜
状のサーミスタ(図示せず)を配設してもよい。サーミ
スタは抵抗発熱体2の温度を基板1を介して検出し、こ
の検出温度信号を図示しない温度制御回路にフィードバ
ックして抵抗発熱体2に印加する電圧を制御することに
より抵抗発熱体2の温度を一定に保持するものである。
サーミスタは、厚膜状に形成した場合には、保護層4を
介して抵抗発熱体2の直上に設けることで、良好な熱伝
導性を得ることができる。
【0043】図3は本発明の第2の実施形態に係わる定
着ヒータを示す一部切欠正面図(他面側から見た図)、
図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。本実施形態
の定着ヒータは、基本的には第1の実施形態の定着ヒー
タと同じ構成であるが、抵抗発熱体2が酸化層1c相対
的に厚く形成されている基板1の他面1bに形成された
点が相違している。また、基板1の一面(図4では上
面)1aには、例えば基板一面1a側の保護層4のほほ
真裏において、これとほぼ同形、同大、所定厚でガラス
質のガラスコート層5を厚膜等により形成している。こ
のガラスコート層5は、例えばスクリーン印刷法などを
用いて厚膜技術により形成されており、スクリーンメッ
シュの粗さやガラス材料の粘度などを調節することによ
り、その表面粗さ(十点平均細さRz)が0.1μm〜
2.0μmに設定されている。
【0044】図4に示すようにこのガラスコート層5の
図中上面上には、環状無端の搬送シート6を介して被定
着体であるトナー像Tを形成した複写用紙Pを加圧ロー
ラ7により弾性的に押圧し、加圧ローラ7の回転により
複写用紙Pをその回転方向の出側に搬送して、ガラスコ
ート層5の表面上を搬送させることにより、トナー像T
を加熱、溶融して複写用紙Pに定着させるようになって
いる。搬送シート6は例えばポリイミド樹脂にフッ素樹
脂をコーティングした環状無端の搬送シートよりなり、
後述するように定着ヒータHを取り付ける円筒状のホル
ダーに遊びをもって外嵌されている。
【0045】そして、ガラスコート層5はその表面粗さ
を十点平均粗さRzで0.1〜2.0μmに形成してあ
るため、窒化アルミニウムとの密着強度を確保しにくい
ガラスコート層5の剥がれを低減できる。すなわち、ガ
ラスコート層5の表面粗さRzが0.1μm以上である
ことにより平滑性が良過ぎないので、この上を摺接させ
られる搬送シート6がガラスコート層5上に密着し搬送
シート6の動きによりガラスコート層5を剥がすように
作用するのを防止できる。また、ガラスコート層5の表
面組さが2.0μm以下であり粗過ぎないので、搬送シ
ート6がガラスコート層5上を摺接する際の摺動抵抗を
低くし搬送シート6の動きによりガラスコート層5を剥
がすように作用するのを防止できる。
【0046】なお、このように搬送シートの摺動抵抗を
低減したから、被定着体を滑らかに搬送できるという作
用も同時に得られる。すなわち、ガラスコート層5の表
面粗さが、そのガラスコート層5上を搬送シート6が円
滑に揺動することができる適切な数値に設定されている
ので、搬送シート6がガラスコート層5上を円滑に摺動
することができる。
【0047】なお、ガラスコート層5を酸化物フィラー
を含有したガラスを用いて形成すれば、同様に基板1に
窒化アルミニウムで形成した基板との密着強度が向上
し、基板1から剥がれにくくすることができる。つま
り、ガラスコート層5と基板1との界面において、酸化
物フィラーと基板1とが接触することにより、その分だ
けガラスコート層5のガラス成分と基板1との接触面積
が小さくなる。したがって、窒化アルミニウムで形成さ
れた基板1とガラス成分との反応が抑制されNガスの
発生を抑えガラスコート層5中にNガスの気泡が発生
し難くなって、ガラスコート層5の密着強度を高められ
るという作用によるものである。
【0048】上記のように窒化アルミニウムにより形成
された基板1によれば、窒化アルミニウム(AlN)の
熱伝導率が例えば100〜180W/mKであり、アル
ミナ(Al)の熱伝導率が約20W/mKである
のに対し、数倍から約10倍程度大きい。
【0049】したがって、基板1の一面laを他面1b
に形成された抵抗発熱体2とほぼ同等の温度に加熱する
ことができ、この一面1aをトナーの定着動作における
被定着体の加熱摺動面として使用することが可能とな
る。
【0050】また、基板1の昇温時には基板1の全体が
直ちにほほ均等に昇温し、基板1自体における各部の温
度差が殆ど発生しないので、熱応力が非常に小さい。こ
のために、基板1に被加熱体を摺接させることで基板1
の温度が低下しても、極めて短かい時間で直ちに均等に
昇温させることができ、基板1に反りや割れが発生する
のを防止ないし低減することができる。このようなこと
から、高速定着を可能にすることができる。
【0051】また、基板1の他面に被定着体を摺接させ
るようにこの他面を外方に露出させて定着装置に組み込
んだ場合でも、基板1の一面1aにはガラスコート層5
が形成されているため、基板1の他面に直接に水分に触
れることがないから、この一面1aが酸化するのを防止
できる。よって、基板1の機械的強度や熱伝導性が低下
しにくい。
【0052】図5は本発明の画像形成装置の実施形態を
示す概略内部構成図である。この画像形成装置は、電子
式複写機11である。この複写機11は筐体12内に、
カセット13内の複写用紙Pを引き込み、これに図示し
ない原稿の画像に対応したトナー像を形成する画像形成
部14と、このトナー像を複写用紙Pに定着させる定着
装置15とを内蔵している。
【0053】定着装置15は例えば図6に示すように構
成され、上記加圧ローラ7に対向させて上記定着ヒータ
Hを配設しており、この定着ヒータHを樹脂製のホルダ
ー16の取付凹部の底部上に固着し、このホルダー16
の外周面に、上記環状無端の搬送シート6を遊びを持た
せて外嵌している。定着ヒータHのガラスコート層5の
図中表面上の通紙面には搬送シート6を介して加圧ロー
ラ7のシリコーンゴム層17を弾性的に圧接させてい
る。なお、この定着装置において、第1の実施形態の定
着ヒータを使用した場合には、抵抗発熱体が加圧ローラ
7に対向するように配設し、第2の実施形態の定着ヒー
タを使用した場合には、抵抗発熱体が形成されていない
面が加圧ローラ7に対向するように配設される。
【0054】そして、定着ヒータHは一対の端子3a、
3bに接触した燐青銅板等からなる弾性が付与された図
示しないコネクタを通じて通電されて抵抗発熱体2が発
熱し、この基板1全体とガラスコート層5とが加熱され
る。
【0055】一方、加圧ローラ7は複写用紙Pを搬送シ
ート6を介して定着ヒータHのガラスコート層5の図中
表面上に弾性的に押圧し、加圧ローラ7の回転により複
写用紙Pを介して搬送シート6をガラスコート層5上に
摺動させる。これにより、搬送シート6の上面の通紙面
と加圧ローラ7のシリコーンゴム層17との間で、トナ
ー像Tを形成した複写用紙Pが挟圧されてガラスコート
層5により加熱されることにより、未定着トナー像Tが
溶融し、複写用紙Pに定着される
【0056】そして、この定着ヒータHは上記したよう
にガラスコート層5の表面組さRzを0.1〜2.0μ
mに設定しているので、このガラスコート層5上を搬送
シート6が常に円滑に摺勤することができるので、複写
用紙Pの通紙不良ないし紙語りを防止ないし低減するこ
とができる。
【0057】また、この定着定着ヒータHの基板1を熱
伝導性が良好なAINにより形成した場合には、このA
IN基板1の反りや割れを防止ないし低減することがで
きるうえに、基板にサーミスタを設けることにより定着
ヒータの熱の検出精度を向上させることができる。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、基板の
他面に一面よりも厚い酸化層が形成されているため、こ
の酸化層が断熱層として作用して熱の放散を妨げること
ができる。したがって、基板を効率よく昇温させること
ができる。また、基板の一面に形成された酸化層は他面
のそれよりも薄いので抵抗発熱体の熱は良好に基板に伝
わる。なお、酸化層は基板の両面に形成されているた
め、基板の全面に酸化層を形成すればよいから精密なマ
スキング技術などを用いる必要がなくその形成が容易で
ある。
【0059】請求項2に記載の発明によれば、抵抗発熱
体の熱は酸化層を介して基板に伝わる。そして、抵抗発
熱体からの熱は、基板の抵抗発熱体に沿った部分の全体
が抵抗発熱体とほぼ同じ温度になる過程において基板の
他面上に沿って熱が拡散していきこの他面から熱の放散
が発生する。しかしながら、基板の他面に一面よりも厚
い酸化層が形成されているため、この酸化層が断熱層と
して作用して一度基板に貯えられた熱が放散するのを妨
げることができる。したがって、基板を効率よく昇温さ
せることができる。また、基板の一面に形成された酸化
層は他面のそれよりも薄いので、この面を加熱摺動面と
して使用した場合でも、被定着体を十分加熱することが
できる。
【0060】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載の定着ヒータを有するので、同定着ヒータの作用
を発揮し、高速なトナー定着を行ない得る。
【0061】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
に記載の定着ヒータを有するので、同定着ヒータの作用
を発揮し、高速なトナー定着を行ない得る。
【0062】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
または4に記載の定着装置を有するので、同定着装置の
作用を発揮し、高速な画像形成を行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る定着ヒータの一
部切欠平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る定着ヒータの一
部切欠平面図。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】本発明の画像形成装置の概略内部構成図。
【図6】図5で示す定着装置の縦断面図。
【符号の説明】
1 …基板 1a…基板の一面 1b…基板の他面 1c…酸化層 2 …抵抗発熱体 3a,3b …一対の端子 4 …オーバーコート層 5 …ガラスコート層 6 …搬送シート 7 …加圧ローラ 11 …電子式複写機 12 …筐体 13 …カセット 14 …画像形成部 15 …定着装置 16 …ホルダー H …定着ヒータ P …複写用紙 T …トナー像

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一面に酸化層が形成され他面に一面よりも
    厚い酸化層が形成された細長い電気絶縁性の基板と、基
    板の一面に形成された抵抗発熱体と、抵抗発熱体の両端
    に電気的に接続されて基板に形成された一対の端子と、
    を具備していることを特徴とする定着ヒータ。
  2. 【請求項2】一面に酸化層が形成され他面に一面よりも
    厚い酸化層が形成された細長い電気絶縁性の基板と、基
    板の他面に形成された抵抗発熱体と、抵抗発熱体の両端
    に電気的に接続されて基板に形成された一対の端子と、
    を具備していることを特徴とする定着ヒータ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の定着ヒータと、 定着ヒータの一面に対向して配設されて定着ヒータとと
    もに被定着体を挟圧しながら搬送して定着ヒータからの
    熱を被定着体の画像を形成しているトナーに作用させる
    加圧ローラと、を具備していることを特徴とする定着装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の定着ヒータと、 定着ヒータの他面に対向して配設されて定着ヒータとと
    もに被定着体を挟圧しながら搬送して定着ヒータからの
    熱を被定着体の画像を形成しているトナーに作用させる
    加圧ローラと、を具備していることを特徴とする定着装
    置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の定着装置と、 媒体に形成された静電潜像にトナーを付着させて反転画
    像を形成し、この反転画像を被定着体に転写して所定の
    画像を形成する画像形成手段と、を具備していることを
    特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002229352A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Harison Toshiba Lighting Corp トナー定着用ヒータ、トナー定着装置、及び画像形成装置

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