JPH11296006A - ヒ―タ、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

ヒ―タ、定着装置および画像形成装置

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JPH11296006A
JPH11296006A JP1762299A JP1762299A JPH11296006A JP H11296006 A JPH11296006 A JP H11296006A JP 1762299 A JP1762299 A JP 1762299A JP 1762299 A JP1762299 A JP 1762299A JP H11296006 A JPH11296006 A JP H11296006A
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JP
Japan
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substrate
heater
coat layer
glass
heating element
Prior art date
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Application number
JP1762299A
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English (en)
Inventor
Shiro Ezaki
史郎 江崎
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板全体を均一に加熱することができ基板の反
りや割れが発生するのを低減した板状のヒータを提供す
る。 【解決手段】窒化アルミニウムを主成分とする電気絶縁
性の基板1と、基板1の一面に形成された膜状の抵抗発
熱体2と、基板の他面に形成され、表面粗さが十点平均
粗さRzで0.1〜2.0μmであるガラスコート層5
とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプリンタな
どのOA機器のトナーの定着に好適なヒータおよびこの
ヒータを装着した定着装置ならびに画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子式複写機においては、トナ
ー画像を形成した複写用紙を定着用のヒータと加圧ロー
ラとの間を直接または搬送シートを介して間接に挟圧し
ながら通過させ、このヒータの熱によって複写用紙上の
トナーを溶融させて定着する技術が使用されている。
【0003】この種のヒータとしては、例えば特開平6
−5356号公報に開示されたものが知られている(従
来技術1)。このヒータはセラミックス製で細長形状の
絶縁基板の一面に抵抗発熱体を形成したものであって、
この基板の他面側に被定着体(被加熱シート材)を摺接
させて加熱するように用いられる。また、このヒータ
は、基板他面にガラス膜が形成されており、このガラス
膜に被定着体が摺接し、ガラス膜を介して抵抗発熱体の
熱を被定着体に伝達するものである。
【0004】また、他のヒータとして、特開平9−19
7861号公報に開示されたものが知られている(従来
技術2)。このヒータは、基本的に上記従来技術1のヒ
ータと同じ構成であるが、主な相違点としては基板を窒
化アルミニウムで形成している点があげられる。また、
基板の抵抗発熱体が形成されていない他面にガラス膜が
形成されていない点も相違している。このヒータは基板
がセラミックスの中でも熱伝導率が極めて高い窒化アル
ミニウムで形成されているため、抵抗発熱体の熱が基板
の他面に瞬間的に伝わり、この他面をトナーを定着させ
るのに十分な抵抗発熱体と同等の温度に加熱することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のヒータは、次の課題を有する。
【0006】従来技術1のヒータは、基板の他面側すな
わち非発熱体形成面に被定着体を摺接させて加熱するよ
うに用いられるものであるが、このような、定着方式を
用いても基板の材質によっては、その他面側をトナーを
定着させるのに十分な抵抗発熱体と同等の温度に加熱す
ることができるとは限らない。つまり、基板の熱伝導率
が十分に高くないと基板の他面に熱が伝わる前に、この
熱が基板の一面(抵抗発熱体の形成されている面)から
放出されてしまい他面側を十分に加熱できない場合があ
る。そして、十分に時間をかけることで他面側を十分な
温度に加熱できたとしても、定着動作においては他面に
被定着体を摺接させることでヒータの熱が大きく奪われ
るため、連続的な定着動作を行う場合には瞬間的に他面
を高い温度に加熱する必要があり、実際にトナーの定着
に用いるにあたって課題を有するものである。
【0007】そして、従来技術1のヒータは、基板他面
にガラス膜が形成されており、このガラス膜を介して抵
抗発熱体の熱を被定着体に伝達するものであるから、熱
がガラス層に遮断されて一層被定着体に伝わり難くな
る。
【0008】従来技術2のヒータは、基板が熱伝導率が
極めて高い窒化アルミニウムで形成されているため、他
面をトナーを定着させるのに十分な抵抗発熱体と同等の
温度に加熱することができるものの、次の問題を有す
る。すなわち、窒化アルミニウム基板は、その表面に水
分が付着すると化学的な反応を起こし易く、酸化し易
い。このように酸化した状態の窒化アルミニウム基板は
機械的強度や熱伝導性が低下することが知られている。
そして、この酸化が進行すると前記の機械的強度や熱伝
導性はますます低下し、トナーの定着に支障を来す場合
がある。つまり、仮に部分的に酸化が進行し機械的強度
が局部的に弱まった場合には、定着動作時において約2
00℃の高温に熱せられた基板が若干ではあるが変形し
ようとすることに伴い、機械的な歪みが強度の弱まった
部分に集中し、基板の破壊を誘発し易くなる。また、基
板の熱伝導性が低下した場合は、基板の他面を所要温度
に加熱できなくなるなりトナーを十分に定着させられな
くなる不具合が発生する。さらに、部分的に酸化が進行
し熱伝導率が局部的に低下した場合には、基板の他面を
均一に所要温度に加熱することができなくなる。
【0009】また、従来技術2のヒータの他面に従来技
術1のようにガラス層を形成することにより、この他面
における酸化の発生を抑制することができる。しかしな
がら、ヒータをトナーの定着に使用した場合には、前述
のようにヒータは加圧ローラとによって被定着体を挟圧
しながら搬送するものであり、これとともに窒化アルミ
ニウム基板はガラス層等の厚膜層との密着性が極めて悪
い性質を有していることが影響して、ガラス層が加圧ロ
ーラにより度重ねて押圧されることで剥がれが生じ易い
という問題がある。
【0010】本発明は、上記問題を一掃し得るヒータ、
定着装置および画像形成装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求頃1に記載のヒータ
は、窒化アルミニウムを主成分とする電気絶縁性の基板
と、基板の一面に形成された膜状の抵抗発熱体と、基板
の他面に形成され、表面粗さが十点平均粗さRzで0.
1〜2.0μmであるガラスコート層と、を具備してい
ることを特徴とするヒータ。
【0012】本発明および以下各請求項に記載の発明に
おいて、窒化アルミニウムを主成分とする基板とは、窒
化アルミニウムに他の材料を混入させて形成した基板な
いし窒化アルミニウム単体よりなる基板のことを意味
し、若干の不純物が混入してしまったものまでもが含ま
れる。
【0013】また、基板の形状は、平板状のものであれ
ば特に限定されるものではない。
【0014】本発明において、ガラスコート層の全表面
において表面粗さがRz0.1〜2.0μmとなってい
ることが好ましいが、極一部であれば部分的に上記の範
囲を外れた表面粗さとなっていてもよい。
【0015】本発明の作用を説明する。本発明におい
て、基板の主成分をなす窒化アルミニウム(AIN)の
熱伝導率は約100〜180W/mKであり、アルミナ
(A1203)の熱伝導率が約20W/mKであるのに
対し、数倍から約10倍程度大きい。
【0016】したがって、基板の他面を一面に形成され
た抵抗発熱体とほぼ同等の温度に加熱することができ、
この他面をトナーの定着動作における被定着体の加熱摺
動面として使用することが可能となる。
【0017】また、抵抗発熱体の発熱時にはALN基板
の全体が瞬時にほぼ均等に昇温し、基板自体における各
部の温度差が殆ど発生しないので、熱応力が非常に小さ
い。このために、基板に被加熱体を摺接させることで基
板の温度が低下しても、極めて短かい時間で直ちに均等
に昇温させることができ、基板に反りや割れが発生する
のを防止ないし低減することができる。このようなこと
から、高速定着を可能にすることができる。
【0018】また、基板の他面に被定着体を摺接させる
ようにこの他面を外方に露出させて定着装置に組み込ん
だ場合でも、基板の他面にはガラスコート層が形成され
ているため、基板の他面に直接に水分に触れることがな
いから、この他面が酸化するのを防止できる。よって、
基板の機械的強度や熱伝導性が低下しにくい。
【0019】さらに、ガラスコート層はその表面粗さを
十点平均粗さRzで0.1〜2.0μmに形成してある
ため、窒化アルミニウムとの密着強度を確保しにくいガ
ラスコート層の剥がれを低減できる。すなわち、ガラス
コート層の表面粗さRzが0.1μm以上であることに
より平滑性が良過ぎないので、この上を摺接させられる
搬送シートがガラスコート層上に密着し搬送シートの動
きによりガラスコート層を剥がすように作用するのを防
止できる。また、ガラスコート層の表面組さが2.0μ
m以下であり粗過ぎないので、搬送シートがガラスコー
ト層上を摺接する際の摺動抵抗を低くし搬送シートの動
きによりガラスコート層を剥がすように作用するのを防
止できる。なお、このように搬送シートの摺動抵抗を低
減したから、被定着体を滑らかに搬送できるという作用
も同時に得られる。
【0020】なお、上記のガラスコート層の表面粗さの
範囲は、非発熱体形成面を摺動加熱面とした場合に、ヒ
ータに被加熱体をトナーを良好に定着させ得る所要の力
で加圧ローラによって押しあてた状態において上記の作
用が得られる範囲である。
【0021】また、非発熱体形成面は、抵抗発熱体が形
成されていないことにより平坦となっているが、このよ
うな平坦面に搬送シートを滑らかに摺接させるにあたっ
ては、ガラスコート層の表面粗さを上記のような範囲と
するのが最適である。このように搬送シートを滑らかに
摺接させることで、被加熱体の通過不良ないし詰りが有
効に防止される。
【0022】請求項2に記載のヒータは、窒化アルミニ
ウムを主成分とする電気絶縁性の基板と、基板の一面に
形成された膜状の抵抗発熱体と、基板の他面に形成さ
れ、鉛を徴量含むかまたは全く含まないガラスを主成分
として厚膜技術により形成されたガラスコート層と、を
具備していることを特徴とする。
【0023】本発明において、ガラスコート層における
鉛を徴量含むとは、鉛の含有量が20重量%以下のPb
レスガラスのことを意味する。なお、より好ましくは、
ガラス中には不純物として混入したものは別として鉛は
一切含まれていないことが好ましい。
【0024】本発明によれば、ガラスコート層が窒化ア
ルミニウム基板と反応し易い鉛の含有量が20重量%以
下のPbレスガラスにより形成されているので、この鉛
と窒化アルミニウム基板とが反応して多量の窒素
(N)ガスが発生するのを防止ないし低減することが
できる。このために、ガラスコート層のAIN基板への
密着性を向上させることができるので、ガラスコート層
がAIN基板からの剥離することを低減することができ
る。
【0025】また、Pbレスガラスは、焼成時に軟化す
る度合いが比較的小さくガラス粒子間の隙間を僅かなが
ら確保しながら焼結する特性を有する。したがって、窒
化アルミニウム基板と鉛との間の反応ほどではないが、
窒化アルミニウム基板とガラス材料との間で反応が起き
てNガスが発生しても、上記の粒子の隙間によってN
ガスをガラスコート層の外部に放出できる。よって、
この作用によってもガラスコート層のAIN基板への密
着性を向上させることができる。
【0026】請求項3に記載のヒータは、請求項1また
は2に記載のヒータにおいて、ガラスコート層は、酸化
物フィラーを含んでいることを特徴とする。
【0027】本発明において、酸化物フィラーとしては
例えば、アルミナやシリカなどのセラミックスフィラー
を使用することができる。そして、フィラーの材質はこ
れにら限られるものではないが、窒化アルミニウムの基
板と間で反応を起こし易いものはあまり好ましくない。
【0028】本発明によれば、ガラスコート層が基板と
の界面において、酸化物フィラーと基板とが接触するこ
とにより、その分だけガラスコート層のガラス成分と基
板との接触面積が小さくなる。したがって、窒化アルミ
ニウム基板とガラス成分との反応が抑制されNガスの
発生を抑えガラスコート層中にNガスの気泡が発生し
難くなるので、ガラスコート層の密着強度を一層に確保
し得る。
【0029】請求項4に記載のヒータは、請求項1ない
し3のいずれか一記載のヒータにおいて、抵抗発熱体は
基板よりも熱伝導率の低い保護層で覆われていることを
特徴とする。
【0030】本発明において、保護層の材質は、基板か
ら放出される熱を遮断する作用が有れば特に限定されな
いが、好ましくはガラスコート層よりもより熱を遮断で
きるように、熱伝導率の低い材料を用いたり、より厚く
形成することが好ましい。
【0031】本発明によれば、抵抗発熱体が基板よりも
熱伝導率の低い保護層で覆われているので、基板の抵抗
発熱体が形成されている一面から基板の熱の放出を低減
できる。したがって、基板の他面にガラスコート層を形
成したことでこの面から被定着体に伝わる熱が若干遮ら
れても一面側から放出される熱も遮られるので、基板の
他面から放出される熱が大きく低下することがなく被定
着体を十分に加熱し得る。
【0032】請求項5に記載のヒータは、請求項1ない
し4のいずれか一記載のヒータにおいて、保護層は、鉛
を徴量含むかまたは全く含まないガラスを主成分として
厚膜技術により形成されてなることを特徴とする。
【0033】本発明によれば、請求項2に記載の発明の
作用と同様に基板と保護層との密着強度を高くでき、保
護層の剥がれを回避し得る。
【0034】請求項6に記載の定着装置は、請求項1な
いし5のいずれか一記載のヒータと、ヒータに対向して
配設されてヒータとともに被定着体を挟圧しながら搬送
してヒータからの熱を被定着体の画像を形成しているト
ナーに作用させる加圧ローラと、を具備していることを
特徴とする。
【0035】本発明によれば、請求項1ないし5のいず
れか一記載のヒータを有するので、これらとほほ同様の
作用効果を奏し、良好なトナーの定着を行うことができ
る。
【0036】請求項7に記載の画像形成装置は、請求項
6に記載の定着装置と、媒体に形成された静電潜像にト
ナーを付着させて反転画像を形成し、この反転画像を被
定着体に転写して所定の画像を形成する画像形成手段
と、を具備していることを特徴とする。
【0037】本発明によれば、請求項6記載の定着装置
を有するので、同様の作用効果を奏し、鮮明な画像を形
成し得る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に基づいて本発
明の実施の形態を説明する。なお、図1〜図5中、同一
または相当部分には同一符号を付している。
【0039】図1は本発明の第1の実施形態に係るヒー
タHの一部切欠平面図、図2は図1の裏面図、図3は図
2のIII一III線切断部の要部端面図であり、これらの図
において、ヒータHは耐熱性・電気絶縁性材料の例えば
窒化アルミニウム等からなる細長い基板1の表面la上
に、その長手方向に長い膜状の抵抗発熱体2を形成して
いる。
【0040】基板1は例えば長さ約300mm、幅約8
mm、厚さ約0.6〜約1.0mmの大きさの長方形に
形成されている。抵抗発熱体2は例えば長さ約230m
m、厚さ約10μmの銀・パラジウム(Ag・Pd)合
金やニッケル・錫(Ni・Sn)合金、酸化ルテニウム
(Ru0)合金等を主体とするもので厚膜技術により
形成されている。
【0041】抵抗発熱体2はその一端部または両端部
に、その一部を上下方向で重ねて、銀あるいは銀・白金
(Ag・Pt)合金、銀・パラジウム合金(Ag・P
d)等の良導電体からなる膜を形成して一対の電極3
a,3bを形成して、抵抗発熱体2に電気的に接続して
いる。この電極3a,3bも厚膜技術により形成されて
いる。そして、一対の電極3a,3bには図示しないコ
ネクタを介して抵抗発熱体2に通電するようになってい
る。
【0042】また、抵抗発熱体2と一対の電極3a,3
bの抵抗発熱体近傍部分の外表面を被覆するガラス質の
保護層4を基板表面la上に形成して、抵抗発熱体2の
機械的損傷の防止、硫化や酸化等からの耐食作用、およ
び外部機器との電気的絶縁の確保を目的とするものであ
る。この保護層は例えばスクリーン印刷法などを用いて
厚膜技術により形成されている。
【0043】なお、保護層4は鉛を殆ど含まないか鉛の
含有量が少ない(20重量%以下)ガラスを用いて形成
すれば、基板1に窒化アルミニウムで形成した基板との
密着強度を確保でき、基板1から剥がれにくくすること
ができる。さらに、鉛を含有するか否かに問わず、保護
層4を酸化物フィラーを含有したガラスを用いて形成す
れば、同様に基板1に窒化アルミニウムで形成した基板
との密着強度が向上し、基板1から剥がれにくくするこ
とができる。
【0044】なお、基板表面laにはチップ状または膜
状のサーミスタ(図示せず)を配設してもよい。サーミ
スタは抵抗発熱体2の温度を基板1を介して検出し、こ
の検出温度信号を図示しない温度制御回路にフィードバ
ックして抵抗発熱体2に印加する電圧を制御することに
より抵抗発熱体2の温度を一定に保持するものである。
サーミスタは、厚膜状に形成した場合には、保護層4を
介して抵抗発熱体2の直上に設けることで、良好な熱伝
導性を得ることができる。
【0045】上記のように窒化アルミニウムにより形成
された基板1によれば、窒化アルミニウム(AlN)の
熱伝導率が例えば100〜180W/mKであり、アル
ミナ(Al)の熱伝導率が約20W/mKである
のに対し、数倍から約10倍程度大きい。
【0046】したがって、基板1の裏面lbを表面la
に形成された抵抗発熱体2とほぼ同等の温度に加熱する
ことができ、この裏面lbをトナーの定着動作における
被定着体の加熱摺動面として使用することが可能とな
る。
【0047】また、基板1の昇温時には基板1の全体が
直ちにほほ均等に昇温し、基板1自体における各部の温
度差が殆ど発生しないので、熱応力が非常に小さい。こ
のために、基板1に被加熱体を摺接させることで基板1
の温度が低下しても、極めて短かい時間で直ちに均等に
昇温させることができ、基板1に反りや割れが発生する
のを防止ないし低減することができる。このようなこと
から、高速定着を可能にすることができる。
【0048】また、基板1の他面に被定着体を摺接させ
るようにこの他面を外方に露出させて定着装置に組み込
んだ場合でも、基板1の他面にはガラスコート層が形成
されているため、基板1の他面に直接に水分に触れるこ
とがないから、この他面が酸化するのを防止できる。よ
って、基板1の機械的強度や熱伝導性が低下しにくい。
【0049】一方、図2、図3に示すように基板1の裏
面(図3では上面)lbには、例えば基板表面1a側の
保護層4のほほ真裏において、これとほぼ同形、同大、
所定厚でガラス質の裏面ガラスコート層5を厚膜等によ
り形成している。この裏面ガラスコート層5は、例えば
スクリーン印刷法などを用いて厚膜技術により形成され
ており、スクリーンメッシュの粗さやガラス材料の粘度
などを調節することにより、その表面粗さ(十点平均細
さRz)が0.1μm〜2.0μmに設定されている。
【0050】図3に示すようにこの裏面ガラスコート層
5の図中上面上には、環状無端の搬送シート6を介して
被定着体であるトナー像Tを形成した複写用紙Pを加圧
ローラ7により弾性的に押圧し、加圧ローラ7の回転に
より複写用紙Pをその回転方向の出側に搬送して、裏面
ガラスコート層5の表面上を搬送させることにより、ト
ナー像Tを加熱、溶融して複写用紙Pに定着させるよう
になっている。搬送シート6は例えばポリイミド樹脂に
フッ素樹脂をコーティングした環状無端の搬送シートよ
りなり、後述するようにヒータHを取り付ける円筒状の
ホルダーに遊びをもって外嵌されている。
【0051】そして、裏面ガラスコート層5はその表面
粗さを十点平均粗さRzで0.1〜2.0μmに形成し
てあるため、窒化アルミニウムとの密着強度を確保しに
くい裏面ガラスコート層5の剥がれを低減できる。すな
わち、裏面ガラスコート層5の表面粗さRzが0.1μ
m以上であることにより平滑性が良過ぎないので、この
上を摺接させられる搬送シート6が裏面ガラスコート層
5上に密着し搬送シート6の動きにより裏面ガラスコー
ト層5を剥がすように作用するのを防止できる。また、
裏面ガラスコート層5の表面組さが2.0μm以下であ
り粗過ぎないので、搬送シート6が裏面ガラスコート層
5上を摺接する際の摺動抵抗を低くし搬送シート6の動
きにより裏面ガラスコート層5を剥がすように作用する
のを防止できる。
【0052】なお、このように搬送シートの摺動抵抗を
低減したから、被定着体を滑らかに搬送できるという作
用も同時に得られる。すなわち、裏面ガラスコート層5
の表面粗さが、その裏面ガラスコート層5上を搬送シー
ト6が円滑に揺動することができる適切な数値に設定さ
れているので、搬送シート6が裏面ガラスコート層5上
を円滑に摺動することができる。
【0053】したがって、このヒータHによれば複写用
紙Pの通紙不良ないし紙詰りを防止ないし低減すること
ができる。なお、上記実施形態では基板1を窒化アルミ
ニウムで形成したものについて説明したが、搬送シート
6を滑らかに搬送できるという上記の作用は基板をアル
ミナ(Al)やムライト(3Al、2Si
)等のセラミックスにより形成した場合についても
同様に得られるものである。
【0054】なお、このように基板1を窒化アルミニウ
ムにより形成する場合、裏面ガラスコート層5は、鉛
(Pb)の含有量が20%以下のPbレスガラスにより
形成することが好ましい。その理由を説明する。窒化ア
ルミニウムで形成された基板1に鉛を含んだガラスペー
ストを塗布し、これを焼成して裏面ガラスコート層5を
得る場合、ペーストを高温、例えば約850℃で焼成し
た際に窒化アルミニウムと鉛とが反応して窒素(N
ガスが放出される。なお、このNガスほど量は多くは
ないが、窒化アルミニウムとガラス成分とが反応するこ
とによってもNガスが発生する。そして、このN
スが裏面ガラスコート層5中に放出されてそこに留まっ
た状態で裏面ガラスコート層5焼結されることにより、
裏面ガラスコート層5中には気泡が発生して基板1との
密着性が低下を低下させるものである。そこで、裏面ガ
ラスコート層5をPbレスガラスにより形成することに
より、Nガスの発生を低減して基板1と裏面ガラスコ
ート層5との密着性を向上させることができるものであ
る。
【0055】なお、鉛を含有するか否かに問わず、裏面
ガラスコート層5を酸化物フィラーを含有したガラスを
用いて形成すれば、同様に基板1に窒化アルミニウムで
形成した基板との密着強度が向上し、基板1から剥がれ
にくくすることができる。つまり、裏面ガラスコート層
5と基板1との界面において、酸化物フィラーと基板1
とが接触することにより、その分だけ裏面ガラスコート
層5のガラス成分と基板1との接触面積が小さくなる。
したがって、窒化アルミニウムで形成された基板1とガ
ラス成分との反応が抑制されNガスの発生を抑え裏面
ガラスコート層5中にNガスの気泡が発生し難くなっ
て、裏面ガラスコート層5の密着強度を高められるとい
う作用によるものである。
【0056】そして、裏面ガラスコート層5を鉛を殆ど
含まず、かつ酸化物フィラーを含んだガラスペーストに
より形成すれば、裏面ガラスコート層5の基板1との密
着強度がより一層に高めることができる。
【0057】図4は本発明の画像形成装置の実施形態を
示す概略内部構成図である。この画像形成装置は、電子
式複写機11である。この複写機11は筐体12内に、
カセット13内の複写用紙Pを引き込み、これに図示し
ない原稿の画像に対応したトナー像を形成する画像形成
部14と、このトナー像を複写用紙Pに定着させる定着
装置15とを内蔵している。
【0058】定着装置15は例えば図5に示すように構
成され、上記加圧ローラ7に対向させて上記ヒータHを
配設しており、このヒータHを樹脂製のホルダー16の
取付凹部の底部上に固着し、このホルダー16の外周面
に、上記環状無端の搬送シート6を遊びを持たせて外嵌
している。ヒータHの裏面ガラスコート層5の図中表面
上の通紙面には搬送シート6を介して加圧ローラ7のシ
リコーンゴム層17を弾性的に圧接させている。
【0059】そして、ヒータHは一対の電極3a、3b
に接触した燐青銅板等からなる弾性が付与された図示し
ないコネクタを通じて通電されて抵抗発熱体2が発熱
し、この基板1全体と裏面ガラスコート層5とが加熱さ
れる。
【0060】一方、加圧ローラ7は複写用紙Pを搬送シ
ート6を介してヒータHの裏面ガラスコート層5の図中
表面上に弾性的に押圧し、加圧ローラ7の回転により複
写用紙Pを介して搬送シート6を裏面ガラスコート層5
上に摺動させる。これにより、搬送シート6の上面の通
紙面と加圧ローラ7のシリコーンゴム層17との間で、
トナー像Tを形成した複写用紙Pが挟圧されて裏面ガラ
スコート層5により加熱されることにより、未定着トナ
ー像Tが溶融し、複写用紙Pに定着される
【0061】そして、このヒータHは上記したように裏
面ガラスコート層5の表面組さRzを0.1〜2.0μ
mに設定しているので、この裏面ガラスコート層5上を
搬送シート6が常に円滑に摺勤することができるので、
複写用紙Pの通紙不良ないし紙語りを防止ないし低減す
ることができる。
【0062】また、この定着ヒータHの基板1を熱伝導
性が良好なAINにより形成した場合には、このAIN
基板1の反りや割れを防止ないし低減することができる
うえに、基板にサーミスタを設けることによりヒータの
熱の検出精度を向上させることができる。
【0063】
【発明の効果】請求項1に記載のヒータによれば、窒化
アルミニウムで形成された基板の熱伝導率は非常に優れ
ているため、基板自体における各部の温度差が殆ど発生
しないので熱応力が発生が非常に小さく、また、これに
より基板に反りや割れが発生するのを防止ないし低減す
ることができる。このようなことから、高速定着を可能
にすることができる。
【0064】また、基板の他面に被定着体を摺接させる
ようにこの他面を外方に露出させて定着装置に組み込ん
だ場合でも、基板の他面にはガラスコート層が形成され
ているため、この他面が酸化するのを防止でき、基板の
機械的強度や熱伝導性が低下しにくい。
【0065】さらに、ガラスコート層はその表面粗さを
十点平均粗さRzで0.1〜2.0μmに形成してある
ため、窒化アルミニウムとの密着強度を確保しにくいガ
ラスコート層の剥がれを低減できる。
【0066】請求項2に記載のヒータによれば、ガラス
コート層がAIN基板と反応し易い鉛の含有量が20重
量%以下のPbレスガラスにより厚膜で形成されている
ので、この鉛と窒化アルミニウムの基板とが反応して多
量の窒素(N)ガスが発生するのを防止ないし低減す
ることができ、ガラスコート層の密着性が向上して剥離
することを低減することができる。
【0067】請求項3に記載のヒータによれば、ガラス
コート層が基板との界面において、ガラスコート層のガ
ラス成分と基板との接触面積が小さくなり、窒化アルミ
ニウム基板とガラス成分との反応が抑制されNガスの
発生を抑えガラスコート層中にNガスの気泡発生しし
難くなるので、ガラスコート層の密着強度を一層に確保
し得る。
【0068】請求項4に記載のヒータによれば、抵抗発
熱体が基板よりも熱伝導率の低い保護層で覆われている
ので、基板の抵抗発熱体が形成されている一面から基板
の熱の放出を低減できる。したがって、基板の他面にガ
ラスコート層を形成したことでこの面から被定着体に伝
わる熱が若干遮られても一面側から放出される熱も遮ら
れるので、基板の他面から放出される熱が大きく低下す
ることがなく被定着体を十分に加熱し得る。
【0069】請求項5に記載のヒータによれば、請求項
2に記載の発明の作用と同様に基板と保護層との密着強
度を高くでき、保護層の剥がれを回避し得る。
【0070】請求項6に記載の定着装置によれば、請求
項1ないし5のいずれか一記載のヒータを有するので、
これらとほほ同様の効果を有し、良好なトナーの定着を
行うことができる。
【0071】請求項7に記載の画像形成装置によれば、
請求項6記載の定着装置を有するので、同様の効果を有
し、鮮明な画像を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るヒータの一部切
欠平面図。
【図2】図1の裏面図。
【図3】図2のIII−III線に沿うの要部断面図。
【図4】本発明の画像形成装置の概略内部構成図。
【図5】図4で示す定着装置の縦断面図。
【符号の説明】
1 …基板 la…基板の表面 lb…基板の裏面 2 …抵抗発熱体 3a,3b …一対の電極 4 …オーバーコート層 5 …裏面ガラスコート層 6 …搬送シート 7 …加圧ローラ 11 …電子式複写機 12 …筐体 13 …カセット 14 …画像形成部 15 …定着装置 16 …ホルダー H …ヒータ P …複写用紙 T …トナー像

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウムを主成分とする電気絶縁
    性の基板と、基板の一面に形成された膜状の抵抗発熱体
    と、基板の他面に形成され、表面粗さが十点平均粗さR
    zで0.1〜2.0μmであるガラスコート層と、を具
    備していることを特徴とするヒータ。
  2. 【請求項2】窒化アルミニウムを主成分とする電気絶縁
    性の基板と、基板の一面に形成された膜状の抵抗発熱体
    と、基板の他面に形成され、鉛を徴量含むかまたは全く
    含まないガラスを主成分として厚膜技術により形成され
    たガラスコート層と、を具備していることを特徴とする
    ヒータ。
  3. 【請求項3】ガラスコート層は、酸化物フィラーを含ん
    でいることを特徴とする請求項1または2に記載のヒー
    タ。
  4. 【請求項4】抵抗発熱体は基板よりも熱伝導率の低い保
    護層で覆われていることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか一記載のヒータ。
  5. 【請求項5】保護層は、鉛を徴量含むかまたは全く含ま
    ないガラスを主成分として厚膜技術により形成されてな
    ることを特徴とする請求項4記載のヒータ。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれか一記載のヒー
    タと、ヒータに対向して配設されてヒータとともに被定
    着体を挟圧しながら搬送してヒータからの熱を被定着体
    の画像を形成しているトナーに作用させる加圧ローラ
    と、を具備していることを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の定着装置と、媒体に形成
    された静電潜像にトナーを付着させて反転画像を形成
    し、この反転画像を被定着体に転写して所定の画像を形
    成する画像形成手段と、を具備していることを特徴とす
    る画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011016334A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Hideo Taniguchi 加熱ヘッドならびにそれを用いた加熱装置および加熱方法
CN105372969A (zh) * 2014-08-11 2016-03-02 东芝照明技术株式会社 定影加热器及定影装置

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