JPH11273836A - 定着ヒ―タおよび画像形成装置 - Google Patents

定着ヒ―タおよび画像形成装置

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JPH11273836A
JPH11273836A JP1775099A JP1775099A JPH11273836A JP H11273836 A JPH11273836 A JP H11273836A JP 1775099 A JP1775099 A JP 1775099A JP 1775099 A JP1775099 A JP 1775099A JP H11273836 A JPH11273836 A JP H11273836A
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JP
Japan
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substrate
glass
heating element
undercoat
resistance heating
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JP1775099A
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English (en)
Inventor
Ikue Karibe
幾恵 苅部
Shiro Ezaki
史郎 江▲崎▼
Masahiko Motofusa
昌彦 本房
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の熱伝導率が大きく反りや割れが少ないと
共に、基板とこの基板上に形成される抵抗発熱体等の厚
膜との密着強度が大きく、剥れの少ない定着ヒータ,定
着装置および画像形成装置を提供する。 【解決手段】表面1aにアルミナ層1cを形成した窒化
アルミニウム(AlN)を主成分とする基板1と;アル
ミナ層1c上にガラスアンダーコート層1dを介して形
成される厚膜の抵抗発熱体2と;を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、OA機器,家庭
用電気機器や精密製造設備などの小形機器類に装着され
て用いられる薄形の定着ヒータおよびこの定着ヒータを
実装した複写機やファクシミリなどのトナー定着に用い
られる定着装置ならびにこの定着装置を用いた画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子式複写機においては、トナ
ー画像を形成した複写用紙を定着用の定着ヒータと加圧
ローラとの間を直接または耐熱シートを介して間接に挟
圧しながら通過させ、このヒータの加熱によって複写用
紙上のトナーが加熱,溶融し定着するようになってい
る。
【0003】この種の従来の定着ヒータとしては例えば
特開平8−123223号公報に記載されたものや平板
状に構成されたものが実用化されている。このような板
状の定着ヒータはアルミナ(Al2 3 )セラミックス
などからなる細長の耐熱性・電気絶縁性基板の表面上
に、銀・パラジウム合金(Ag・Pd)粉末などをガラ
ス粉末(無機結着剤),有機結着剤と混練して調合した
ペーストを印刷塗布して焼成することで、細長い帯状厚
膜の抵抗発熱体を形成し、この抵抗発熱体2の両端部分
に、銀あるいは銀・白金(Ag・Pt)合金,銀・パラ
ジウム合金(Ag・Pd)等の良導電体からなる膜を形
成して一対の電極(図示せず)を構成し、さらにこの抵
抗発熱体の外表面を保護層であるガラス質のオーバーコ
ート層で被覆して、耐摩耗性や耐衝撃性などの機械的強
度の向上および硫化や酸化等からの耐蝕保護と加圧ロー
ラ等との電気的絶縁を図っている。このオーバーコート
層の上面上には例えばトナー像を形成した複写用紙がi
nからoutへ向けて摺動しつつ加熱されてトナー像を
複写用紙に定着させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の定着ヒータでは、その基板を、熱伝導率が必
ずしも大きくないアルミナにより形成しているので、定
着ヒータの昇温時には基板に高温部と低温部の温度むら
が発生し、温度差が生ずるので、熱応力が発生する。し
かも、この基板の一面に被定着用紙を通紙すると、その
基板の通紙部の温度が一時的に大きく低下するので、こ
の低温部と他の高温部との差がさらに増大して熱応力が
さらに増大するので、その繰返しにより基板自体に反り
や割れが発生する場合があり、これらは入力されるパワ
ーが大きくなればなるほど顕著に表われる。
【0005】そして、この問題を回避するために、アル
ミナよりも熱伝導性のよい窒化アルミニウムの基板を用
いたヒータが開発されている。しかしながら、窒化アル
ミニウムの基板は厚膜パターンとの相性が悪く厚膜で形
成した抵抗発熱体や電極が基板から剥がれ易いという問
題がある。
【0006】そして、特に電極については、基板端部に
て各電極の表面と基板裏面とを基板の板厚方向で弾性的
に挟持して電気的に接続されるクリップ状のコネクタが
装着されるが、その装着の際には各電極の表面に弾性的
に押圧されるコネクタの押圧部が各電極表面上を押圧し
つつ摺動するので、基板から剥離し易い。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、基板の熱伝導率が大きく反りや
割れが少ないと共に、基板と、この基板上に形成される
抵抗発熱体や電極等の厚膜パターンとの密着強度が大き
く、剥れの少ない定着ヒータ,定着装置および画像形成
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、抵抗
発熱体が形成される一面の当該抵抗発熱体形成部および
その周辺の発熱領域と、その発熱領域の裏面とに酸化処
理層を形成した窒化アルミニウムを主成分とする基板
と;基板表面の酸化処理層上に形成される厚膜の抵抗発
熱体と;を具備していることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、基板の主成分をなす窒
化アルミニウム(AlN)の熱伝導率は例えば90〜1
80W/mKであり、アルミナ(Al2 3 )の熱伝導
率が約20W/mKであるのに対し、数倍から約10倍
程度大きい。
【0010】したがって、AlN基板の一面に被定着用
紙を摺動させて通紙することで基板の熱が奪われてもA
lN基板の温度低下は極めて短かい時間であり、直ちに
均等に再昇温させることができるので、AlN基板自体
における温度差が殆ど発生することとがなく熱応力も小
さく、AlN基板に反りや割れが発生するのを防止ない
し低減することができる。そして、これによりAlN基
板を有する定着ヒータを組み付けた定着装置の高速定着
を可能にすることができる。
【0011】しかしながら、この窒化アルミニウム基板
は、窒素を含有しているので、その基板上に、抵抗発熱
体やサーミスタ、導体、電極、オーバーコートガラス等
の厚膜ペーストを印刷し、例えば850℃で焼成して厚
膜パターンを形成すると、その際に、この窒化アルミニ
ウム基板と厚膜ペーストのガラス成分が反応してAlN
基板表面から窒素(N2 )ガスが発生し、このガスが焼
結された抵抗発熱体等の厚膜パターン中に溜まると基板
との密着性が低下して剥離や剥落が発生する不具合があ
る。
【0012】しかし、このAlN基板の表面には酸化処
理によりアルミナ(Al2 3 )層(酸化処理層)を形
成し、このアルミナ層上に膜状の抵抗発熱体を形成して
いるので、このアルミナ層によりAlN基板と抵抗発熱
体等の厚膜ペーストとが反応するのを防止して、このA
lN基板からN2 ガスが発生するのを防止することがで
きる。
【0013】したがって、このAlN基板の酸化処理面
上に形成される膜状の抵抗発熱体等の厚膜ペーストのN
2 ガスによる発泡を防止することができるので、抵抗発
熱体等厚膜パターンと基板との密着性を向上させること
ができ、抵抗発熱体等厚膜の基板からの剥離や剥落を防
止ないし低減することができる。
【0014】また、基板の表面を酸化膜(層)を形成す
ることにより、この酸化膜が断熱層として作用する。す
なわち、基板内の熱は、酸化膜によって空気中等の外部
へ放出されるのを低減でき、ヒータの効率を高めること
ができる。なお、抵抗発熱体と基板との間に酸化膜が形
成されていても、この酸化膜層は抵抗発熱体と隣接して
いるため、良好に熱を透過し、基板を瞬時に昇温させる
ことが可能である。
【0015】さらに、基板表面の抵抗発熱体形成部およ
びその周辺の発熱領域と、この発熱領域の表裏両面と
に、酸化処理層を共に形成しているので、基板表裏両面
の熱膨張差を低減することができ、基板の曲げや反りを
防止できる。また、酸化処理層を形成すること自体でも
基板の強度を向上させることができ基板割れを防止でき
る。
【0016】請求項2の発明は、少なくとも一面の一部
を他面よりも粗面に形成した窒化アルミニウムを主成分
とする基板と;基板の粗面上に形成される膜状の抵抗発
熱体と;を具備していることを特徴とする。
【0017】この発明によれば、上記請求項1の発明と
同様に、基板が熱伝導率の大きいAlNを主成分とする
ので、請求項1の発明と同様に、基板に反りや割れが発
生するのを防止ないし低減することができるうえに、高
速定着を可能にすることができる。
【0018】さらに、AlN基板の表面を粗面に形成し
て表面積を増大させているので、粗面上に形成される厚
膜の抵抗発熱体との密着性を向上させることができ、A
lN基板からの抵抗発熱体等の剥離や剥落を防止ないし
低減することができる。また裏面は平滑性に優れている
ので、非加熱体の摺動面として利用し易い。
【0019】請求項3の発明は、少なくとも一面の一部
が酸化処理されると共にその少なくとも一部が他面より
も粗面に形成された窒化アルミニウムよりなる基板と;
基板の酸化処理面または粗面上に形成される厚膜の抵抗
発熱体と;を具備していることを特徴とする。
【0020】この発明によれば、上記請求項1の発明と
同様に、基板が熱伝導率の大きいAlNを主成分とする
ので、請求項1の発明と同様に、基板に反りや割れが発
生するのを防止ないし低減することができるうえに、高
速定着を可能にすることができる。
【0021】さらに、AlN基板の表面を、請求項3の
発明と同様に粗面に形成して表面積を増大させると共
に、請求項1の発明と同様に酸化処理面に形成している
ので、これら粗面または酸化処理面上に形成される厚膜
の抵抗発熱体との密着性を向上させることができると共
に、N2 ガスの発生を防止することができるので、Al
N基板からの抵抗発熱体等厚膜パターンの剥離や剥落を
防止ないし低減することができる。
【0022】請求項4の発明は、酸化処理層は、基板表
面の微小凹凸に沿って略均一な厚さで形成されているこ
とを特徴とする。
【0023】この発明によれば、請求項1〜3のいずれ
か一の発明の作用に加えて、基板表面の微小凹凸により
表面積を増大させているので、基板表面と抵抗発熱体と
の密着性を向上させることができる。このために、この
基板表面の微小凹凸上に形成される酸化処理層の厚さを
薄くしても上記N2 ガスの発泡を防止ない低減して基板
と抵抗発熱体等の厚膜との密着性を向上させることがで
きる。また、酸化処理層を形成すること自体でも基板の
強度を向上させることができ、基板割れを防止できる。
【0024】また、酸化処理層の厚さを薄くできるの
で、抵抗発熱体から基板へ伝導される熱伝導性を向上さ
せることができる。さらに、酸化処理層の厚さがほぼ均
一であり、局部的に薄い部分もないので、その薄い部分
によるN2 ガスの局部的な発泡を防止ないし低減するこ
とができる。
【0025】請求項5の発明は、窒化アルミニウムを主
成分とする基板と;基板表面上に形成される鉛の含有量
が少ないかもしくは含有しないPbレスガラスよりなる
ガラスアンダーコートと;ガラスアンダーコートの表面
上に形成される厚膜の抵抗発熱体と;を具備しているこ
とを特徴とする。
【0026】なお、ここでPbレスガラスとは鉛(P
b)の含有量が20重量%以下のガラスをいい、鉛を殆
ど含有しない、あるいは製造工程中等で鉛を微量含有す
るPbフリーガラスを含む。
【0027】この発明によれば、上記請求項1の発明と
同様に、基板が熱伝導率の大きいAlNを主成分とする
ので、請求項1の発明と同様に、基板に反りや割れが発
生するのを防止ないし低減することができるうえに、高
速定着を可能にすることができる。
【0028】また、AlN基板の表面に、鉛の含有量が
20重量%以下のPbレスガラスよりなるガラスアンダ
ーコートを形成し、このガラスアンダーコート上に抵抗
発熱体等の厚膜ペーストを印刷するので、この抵抗発熱
体等の厚膜ペーストとAlN基板との反応をガラスアン
ダーコートにより防止ないし低減し、AlN基板からN
2 ガスが発生するのを防止ないし低減することができ
る。
【0029】このために、N2 ガスによる抵抗発熱体等
の厚膜ペーストの発泡を防止ないし低減することができ
るので、抵抗発熱体等の厚膜パターンとAlN基板との
密着性を向上させることができ、抵抗発熱体等の厚膜パ
ターンのAlN基板からの剥離や剥落を防止ないし低減
することができる。また、ガラスアンダーコートとして
Pbレス(Pbフリーを含む)ガラスを使用しているの
で、そのガラスと窒化アルミニウム基板との反応性を低
く抑えることができ、このガラスアンダーコートは基板
に強固に密着する。さらにガラス膜密度が低いので、こ
のガラス焼成時に、ガラス成分とAlN基板との反応に
より、この基板から発生する窒素(N2)ガスがガラス
膜を抜けて外部に放出させ易いので、これによってもガ
ラスアンダーコートと基板との密着性が向上する。さら
に、PBレスガラスは、鉛を少量ないし微量しか含ま
ず、あるいは殆ど含有しないので、環境を改善すること
ができる。なお、電極の下部のみにこのガラスアンダー
コートを形成し、抵抗発熱体の下に形成しなければ、電
極の密着強度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が基板に
伝わり易くなる。
【0030】請求項6の発明は、窒化アルミニウムを主
成分とする基板と;基板の両面に形成される鉛の含有量
が少ないかもしくは含有しないPbレスガラスを主成分
とするガラスアンダーコートと;基板の一面のガラスア
ンダーコートの一面上に形成される厚膜の抵抗発熱体
と;基板の他面のガラスアンダーコート上に形成される
厚膜のサーミスタと;を具備し、一方のガラスアンダー
コートを、サーミスタの形成部分のみに形成したことを
特徴とする。
【0031】この発明によれば、厚膜のサーミスタは、
金属酸化物を含有しているので、焼成時にAlN基板と
反応して上記N2 ガスを放出し易いが、このサーミスタ
とAlN基板との間にはガラスアンダーコートを介在さ
せているので、このガラスアンダーコートによりサーミ
スタとAlN基板との反応を防止ないし低減して、N 2
ガスの放出ないし発泡現象を防止ないし低減することが
できる。また、一方のガラスアンダーコートを厚膜のサ
ーミスタ形成部分のみに形成するので、基板の一面全面
にガラスアンダーコートを形成する場合に比して、Pb
レスガラス等ガラスアンダーコートのガラス材料の節約
を図ることができる。また、ガラスアンダーコートとし
てPbレス(Pbフリーを含む)ガラスを使用している
ので、そのガラスと窒化アルミニウム基板との反応性を
低く抑えることができ、このアンダーコートは基板に強
固に密着する。さらにガラス膜密度が低いので、このガ
ラス焼成時に、ガラス成分とAlN基板との反応によ
り、この基板から発生する窒素(N2 )ガスがガラス膜
を抜けて外部に放出させ易いので、これによってもガラ
スアンダーコートと基板との密着性が向上する。さら
に、PBレスガラスは、鉛を少量ないし微量しか含ま
ず、あるいは殆ど含有しないので、環境を改善すること
ができる。なお、電極の下部のみにこのガラスアンダー
コートを形成し、抵抗発熱体の下に形成しなければ、電
極の密着強度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が基板に
伝わり易くなる。
【0032】請求項7の発明は、窒化アルミニウムを主
成分とする基板と;基板少なくとも一面に形成される鉛
の含有量が少ないかもしくは含有しないPbレスガラス
を主成分とするガラスアンダーコートと;ガラスアンダ
ーコート上に形成される厚膜の抵抗発熱体と;外周縁部
をガラスにより基板の一面またはガラスアンダーコート
上に固着した抵抗発熱体に電気的に接続される一対の電
極と;を具備していることを特徴とする。
【0033】この発明によれば、抵抗発熱体の一対の電
極の外周縁部をガラスにより基板の一面上またはガラス
アンダーコート上に固着するので、一対の電極と、基板
またはガラスアンダーコートとの固着強度の増強を図る
ことができる。
【0034】請求項8の発明は、少なくとも一面の一部
を酸化処理すると共にその少なくとも一面の一部を他面
よりも粗面に形成した窒化アルミニウムよりなる基板
と;基板の粗面上に形成される鉛の含有量が少ないかも
しくは含有しないPbレスガラスよりなるガラスアンダ
ーコートと;ガラスアンダーコートの表面上に形成され
る厚膜の抵抗発熱体と;を具備していることを特徴とす
る。
【0035】この発明によれば、上記請求項4の発明と
同様に、熱伝導率の大きいAlN基板の表面を、酸化処
理すると共に粗面に形成したので、請求項4の発明とほ
ぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0036】さらに、このAlN基板の酸化処理面また
は粗面上に、焼成時AlN基板と反応し易い鉛(Pb)
の含有量が20重量%以下のPbレスガラスよりなるガ
ラスアンダーコート上に膜状の抵抗発熱体等の厚膜パタ
ーンを形成するので、この抵抗発熱体等の厚膜パターン
とAlN基板との反応を酸化処理面とガラスアンダーコ
ートとにより2重に防止ないし低減することができる。
【0037】このために、AlN基板からN2 ガスが発
生するのを一層防止ないし低減することができるので、
AlN基板と抵抗発熱体等厚膜パターンとの密着性を一
段と向上させることができ、抵抗発熱体等の厚膜パター
ンがAlN基板から剥離ないし剥落するのを防止ないし
低減することができる。また、ガラスアンダーコートと
してPbレス(Pbフリーを含む)ガラスを使用してい
るので、そのガラスと窒化アルミニウム基板との反応性
を低く抑えることができ、このガラスアンダーコートは
基板に強固に密着する。さらにガラス膜密度が低いの
で、このガラス焼成時に、ガラス成分とAlN基板との
反応により、この基板から発生する窒素(N2 )ガスが
ガラス膜を抜けて外部に放出させ易いので、これによっ
てもガラスアンダーコートと基板との密着性が向上す
る。さらに、PBレスガラスは、鉛を少量ないし微量し
か含まず、あるいは殆ど含有しないので、環境を改善す
ることができる。なお、電極の下部のみにこのガラスア
ンダーコートを形成し、抵抗発熱体の下に形成しなけれ
ば、電極の密着強度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が
基板に伝わり易くなり良い。
【0038】請求項9の発明は、ガラスアンダーコート
のPbレスガラスの熱膨張係数が、基板と、ガラスアン
ダーコートを介して基板上に形成される厚膜ペーストと
の両熱膨張係数の中間値であることを特徴とする。
【0039】この発明によれば、請求項5ないし8のい
ずれか一の発明に係るガラスアンダーコートの当該ガラ
スの熱膨張係数が、このアンダーガラスコートの両側に
形成される基板と、厚膜ペーストとの熱膨張係数の中間
値であるので、このガラスアンダーコートの熱膨張係数
を、AlN基板と厚膜ペーストのいずれの熱膨張係数に
も近付け、両者の熱膨張差を緩和することができる。
【0040】このために、AlN基板と厚膜ペーストの
両者に対するガラスアンダーコートの密着性を向上させ
ることができ、厚膜ペーストの焼成後の厚膜パターンと
の剥離や剥落を防止ないし低減することができる。ま
た、ガラスアンダーコートとしてPbレス(Pbフリー
を含む)ガラスを使用しているので、そのガラスと窒化
アルミニウム基板との反応性を低く抑えることができ、
このガラスアンダーコートは基板に強固に密着する。さ
らにガラス膜密度が低いので、このガラス焼成時に、ガ
ラス成分とAlN基板との反応により、この基板から発
生する窒素(N2)ガスがガラス膜を抜けて外部に放出
させ易いので、これによってもガラスアンダーコートと
の基板の密着性が向上する。さらに、PBレスガラス
は、鉛を少量ないし微量しか含まず、あるいは殆ど含有
しないので、環境を改善することができる。なお、電極
の下部のみにこのガラスアンダーコートを形成し、抵抗
発熱体の下に形成しなければ、電極の密着強度が増すと
ともに、抵抗発熱体の熱が基板に伝わり易くなる。
【0041】請求項10の発明は、ガラスアンダーコー
トのPbレスガラスが前記ガラスよりも熱伝導性の高い
フィラーを25〜35重量%含有していることを特徴と
する。
【0042】この発明によれば、請求項5ないし9の発
明のいずれかに係るガラスアンダーコートのガラスは、
これよりも熱伝導性の高いフィラーを35重量%含有さ
せているので、このガラスアンダーコートの熱伝導性を
向上させることができる。
【0043】したがって、抵抗発熱体からガラスアンダ
ーコートを介して抵抗発熱体非形成面のAlN基板表面
に伝達される熱量を増大させることができ、熱効率を向
上させることができる。このために、基板の抵抗発熱体
非形成面を被定着体の摺動面として用いた場合でも、そ
の摺動面を効率よく加熱することができる。また、熱伝
導フィラーの含有量を35重量%以下としたので、ガラ
スアンダーコートの熱膨張が抑制されて繰り返し抵抗発
熱体を昇温させても熱膨張しにくいAlN基板との界面
で剥離等の発生を防止ないし低減することができる。ま
た、ガラスアンダーコートとしてPbレス(Pbフリー
を含む)ガラスを使用しているので、そのガラスと窒化
アルミニウム基板との反応性を低く抑えることができ、
このガラスアンダーコートは基板に強固に密着する。さ
らにガラス膜密度が低いので、このガラス焼成時に、ガ
ラス成分とAlN基板との反応により、この基板から発
生する窒素(N2 )ガスがガラス膜を抜けて外部に放出
させ易いので、これによってもガラスアンダーコートと
基板との密着性が向上する。さらに、PBレスガラス
は、鉛を少量ないし微量しか含まず、あるいは殆ど含有
しないので、環境を改善することができる。なお、電極
の下部のみにこのガラスアンダーコートを形成し、抵抗
発熱体の下に形成しなければ、電極の密着強度が増すと
ともに、抵抗発熱体の熱が基板に伝わり易くなる。
【0044】請求項11の発明は、窒化アルミニウムを
主成分とする基板と;基板上に形成されるガラス成分に
フィラーを含有しているガラスアンダーコートと;ガラ
スアンダーコート上に形成される抵抗発熱体と;を具備
していることを特徴する定着ヒータである。
【0045】この発明によれば、基板と厚膜の抵抗発熱
体の間に介在されるガラスアンダーコートに、ガラスの
表面粗さを荒くするフィラーを含有させているので、こ
のガラスアンダーコートと基板、ならびに抵抗発熱体と
の各接合面積を増大させ、これら密着強度を増強させる
ことができる。
【0046】したがって、このガラスアンダーコート上
に形成される抵抗発熱体やその一対の電極等の厚膜パタ
ーンが基板から剥離するのを抑制ないし防止することが
できる。また、ガラスアンダーコートに酸化物のフィラ
ーを含有させれば、このフィラーは、窒化アルミニウム
の基板とほとんど反応することかがなく、またこのフィ
ラーが基板と接触する分だけ、ガラス成分と基板との接
触面積を小さくできる。したがって、ガラス成分と基板
との反応が少なくなってN2 ガスの発生を低減し、ガラ
スアンダーコートと基板との密着強度を高められる。
【0047】請求項12の発明は、一面または他面に被
定着体を直接または間接に摺動せしめる摺動面を形成さ
せる摺動面形成部と抵抗発熱体に電気的に接続される電
極を形成させる電極形成部とを有する窒化アルミニウム
を主成分とする基板と;基板の少なくとも電極形成部に
形成され、摺動面形成部には形成されないフィラーを含
有してなるガラスアンダーコートと;基板の摺動面形成
部またはこの基板摺動面形成部の裏面上に形成される厚
膜の抵抗発熱体と;を具備していることを特徴とする定
着ヒータである。
【0048】この発明によれば、基板の電極形成部に形
成されるガラスアンダーコートには、その外表面の粗さ
を荒くするフィラーを含有させているので、この電極形
成部上に直接または間接的に形成される電極の厚膜パタ
ーンと基板との密着強度を増強させることができ、これ
ら両接合面の微小凹凸により電極の横ずれないし剥離を
抑制ないし防止することができる。さらに、基板の摺動
面形成部には、フィラーを含有させたガラスアンダーコ
ートを形成しないので、この摺動面は凹凸の少ない平滑
面に形成される。このために、この平滑な摺動面上を直
接または間接に摺動する被定着体の摺動を円滑にするこ
とができ、定着性を向上できる。
【0049】また、抵抗発熱体は別途保護層で覆うこと
により、基盤との密着強度をある程度確保できる。ま
た、抵抗発熱体と基板との間のガラス層を減じたので、
抵抗発熱体の熱を基板に良好に伝えることかでき、基板
全体の温度を瞬間的に均一にさせ易い。また非発熱体形
成面を摺動加熱として利用する場合もこの面に熱が伝わ
り易くなる。
【0050】請求項13の発明は、一面に被定着体を直
接または間接に摺動せしめる摺動面を形成させる摺動面
形成部を有し、この摺動面形成部を有する一面を粗面に
形成した窒化アルミニウムを主成分とする基板と;基板
の摺動面形成部を有する一面上に形成され、この一面よ
り表面粗さの小さいガラスアンダーコートと;ガラスア
ンダーコート上に形成される厚膜の抵抗発熱体と;を具
備していることを特徴とする定着ヒータである。
【0051】この発明によれば、基板の摺動面形成部を
粗面に形成しているので、この基板の摺動面形成部に接
合されるガラスアンダーコートとの接合面積を増大させ
ることができる。このために、ガラスアンダーコートと
基板摺動面形成部との密着強度を増強させることができ
るので、このガラスアンダーコート上に形成される抵抗
発熱体と電極等の厚膜パターンの剥離を抑制ないし防止
することができる。
【0052】また、基板の摺動面形成部を粗面に形成し
ても、この摺動面形成部上にガラスアンダーコートを形
成しているので、この粗面の摺動面形成部の凹凸をガラ
スアンダーコートにより吸収(ならす)ので、摺動面形
成部上にガラスアンダーコートを介して形成される抵抗
発熱体の外表面の表面粗さを緩和することができる。
【0053】請求項14の発明は、ガラスアンダーコー
トがPbレスガラスよりなることを特徴とする請求項1
1ないし13のいずれか一記載の定着ヒータである。
【0054】この発明によれば、請求項11ないし13
のいずれか一記載の発明の作用効果に加えて、請求項1
1ないし13のいずれか一記載の発明に係るガラスアン
ダーコートのPbレスガラスであるため、そのガラスと
窒化アルミニウム基板との反応性を低く抑えることがで
き、このガラスアンダーコートは基板に強固に密着す
る。さらにガラス膜密度が低いので、このガラス焼成時
に、ガラス成分とAlN基板との反応により、この基板
から発生する窒素(N2 )ガスがガラス膜を抜けて外部
に放出させ易いので、これによってもガラスアンダーコ
ートと基板との密着性が向上する。さらに、PBレスガ
ラスは、鉛を少量ないし微量しか含まず、あるいは殆ど
含有しないので、環境を改善することができる。なお、
電極の下部のみにこのガラスアンダーコートを形成し、
抵抗発熱体の下に形成しなければ、電極の密着強度が増
すとともに、抵抗発熱体の熱が基板に伝わり易くなる。
【0055】請求項15の発明は、一面に被定着体を直
接または間接に摺動せしめる摺動面を形成させる摺動面
形成部と抵抗発熱体に電気的に接続される電極を形成さ
せる電極形成部とを有する窒化アルミニウムを主成分と
する基板と;基板の電極形成部の表面粗さを摺動形成部
の表面粗さよりも荒くしてなるガラスよりなるガラスア
ンダーコートと;ガラスアンダーコートの摺動面対向部
上に形成される抵抗発熱体と;を具備していることを特
徴とする定着ヒータである。
【0056】この発明によれば、ガラスアンダーコート
の摺動面形成部対向部の表面粗さを、電極形成部対向部
の表面粗さよりも細かく形成しているので、この摺動面
形成部対向部上に形成される摺動面の表面粗さを電極形
成部対向部の表面粗さよりも細かくすることができる。
このために、摺動面の微小凹凸を減少させることができ
るので、この摺動面と被定着体との密着性を向上させる
ことができる。
【0057】したがって、この基板の直接摺動面とこの
摺動面上を摺動する被定着体との密着性と円滑性との向
上を共に図ることができるので、被定着体の定着不具合
を低減ないし防止することができる。
【0058】また、ガラスアンダーコートの電極形成部
対向部の表面粗さは摺動面形成部対向部の表面粗さより
も荒いので、このガラスアンダーコートの電極形成部対
向部を介して基板の電極形成部上に形成される電極と基
板との接合面積を増大させると共に、接合面の荒い凹凸
により、コネクタが電極の表面上を摺動する際の電極の
横方向のずれないし剥離を抑制ないし防止することがで
きる。
【0059】また、基板全体を加工しないので手間を省
け、抵抗発熱体については、これを保護層等で覆うこと
で密着強度をある程度確保できる。アンダーコートを荒
す加工は、基板自体を荒す加工よりも容易であり、製造
コストを低減できる。
【0060】請求項16の発明は、一面に被定着体を直
接または間接に摺動せしめる摺動面を形成させる摺動面
形成部と、抵抗発熱体に電気的に接続される電極を形成
させる電極形成部とを有し、この摺動面形成部の表面粗
さを電極形成部の表面粗さよりも細かくした窒化アルミ
ニウムを主成分とする基板と;基板の摺動面形成部上に
形成される厚膜の抵抗発熱体と;を具備していることを
特徴とする定着ヒータである。
【0061】この発明によれば、基板の摺動面形成部の
表面粗さを、電極形成部の表面粗さよりも細かく形成し
ているので、この基板摺動面形成部上に形成される抵抗
発熱体の表面が平滑になる一方、基板と電極の密着強度
が向上する。
【0062】このために、摺動面と、この摺動面上を摺
動する被定着体との密着性と摺動円滑性とを共に向上さ
せることができるので、被定着体の定着不具合を低減な
いし防止することができる。
【0063】また、基板全体を加工しないので、手間を
省け、抵抗発熱体については、これを保護層等で覆うこ
とで密着強度をある程度確保できる。
【0064】請求項17の発明は、窒化アルミニウムを
主成分とする基板と;基板上に形成されて膜厚が10μ
m以下のガラスよりなるガラスアンダーコートと;ガラ
スアンダーコート上に形成される厚膜の抵抗発熱体と;
を具備していることを特徴とする定着ヒータである。
【0065】この発明によれば、基板上に形成されるガ
ラスアンダーコートの膜厚が10μm以下の薄い膜で低
密度である。このために、基板上にガラスアンダーコー
トのペーストを印刷してから焼成する際に、AlN基板
がこの基板上の抵抗発熱体等の厚膜ペーストと反応して
発生するN2 ガスがこのガラスアンダーコートを通して
外部へ放出される放出量を増大させることができ、ガラ
スアンダーコート内ののN2 ガス量を減少させることが
できる。このために、ガラスアンダーコートが基板から
剥離するのを抑制ないし防止することができる。このた
めに、ガラスアンダーコートが基板から剥離するのを抑
制ないし防止することができる。
【0066】また、焼成後のガラスアンダーコートの密
度は高くなるので、その後の焼成工程においてAlN基
板にN2 ガスが発生しても、このN2 ガスの放出をガラ
スアンダーコートにより遮断するので、ガラスアンダー
コート上のパターンへのN2ガスの混入を抑制ないし防
止することができる。
【0067】請求項18の発明は、請求項1ないし17
のいずれか一に記載の定着ヒータおよびこの定着ヒータ
に圧接するように対向配置されて、この定着ヒータから
の熱を被定着体の画像を形成しているトナーに作用させ
るとともに、この被定着体を搬送する加圧ローラを具備
している定着装置と;媒体に形成された静電潜像にトナ
ーを付着させて反転画像を形成し、この反転画像を被定
着体に転写して所定の画像を形成する手段と;を具備し
ていることを特徴とする。
【0068】この発明によれば、請求項1ないし17の
いずれか一記載の定着ヒータを有するので、これらとほ
ぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図24に基づいて本
発明の実施の形態を説明する。なお、図1〜図24中、
同一または相当部分には同一符号を付している。
【0070】図1は図4のI−I線切断部の要部端面
図、図2は本発明の第2の実施形態の要部縦断面図、図
3は本発明の第1の実施形態に係る定着ヒータHaの一
部切欠平面図、図4は図3の裏面図である。これらの図
において、定着ヒータHaは耐熱性・電気絶縁性を有す
る窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする細長いA
lN基板1の表面1a側に、その長手方向に長い膜状の
抵抗発熱体2を形成している。
【0071】AlN基板1のAlNは、熱伝導係数が例
えば約90〜180W/mKであり、アルミナ(Al2
3 )の熱伝導係数が20W/mKであるのに対し、数
倍から約10倍程度大きい高熱導性物質である。このA
lN基板1は例えば長さ約300mm,幅約8mm,厚さ約
0.6〜約1mmの大きさの長方形に形成されている。
【0072】そして、図1に示すようにAlN基板1
は、その表面1aとその裏面1bのほぼ全面を、例えば
酸素の雰囲気中の1000〜1200℃の高温焼成する
等の酸化処理を行なってアルミナ(Al2 3 )層1c
を例えば0.5〜20μmの層厚でそれぞれ形成してい
る。アルミナ層1cは基板1の表面の微小凹凸上に均一
層厚で形成してもよい。
【0073】さらに、これら各アルミナ層1cの各外面
上に、鉛(Pb)の含有量が例えば20重量%以下の軟
化点の高いPbレスガラスにより所定膜厚のガラスアン
ダーコート1dをそれぞれ全面的に形成している。この
ガラスアンダーコート1dは例えばPbレスガラスより
なる厚膜ペーストの印刷焼成により形成され、そのガラ
ス中に、このPbレスガラスよりも熱伝導性が高いフィ
ラーを例えば25〜35重量%含有させて熱伝導性を向
上させてもよい。
【0074】また、図2に示すように、上記アルミナ層
1cは、基板1の表,裏面1a,1bのほぼ全面を、例
えばホーニング加工等により例えば表面粗さRa0.5
〜2μmの粗面1eにそれぞれ全面的に形成し、これら
各粗面1e上のほぼ全外面上にアルミナ層1cをそれぞ
れ形成してもよい。
【0075】さらに酸化処理層であるアルミナ層1c
は、図6中破線で示すように基板表面1aの抵抗発熱体
2を形成する部分とその周辺の発熱領域aと、この発熱
領域aに対応する基板裏面1bの一部とにそれぞれ形成
してもよい。これによれば、基板1の表裏両面1a,1
bの発熱領域aに酸化処理層であるアルミナ層1cを形
成しているので、基板1の表裏両面1a,1bの熱膨張
差を低減することができ、基板1の曲げや反りを防止す
ることができる。なお、図6中、Pはオーバーコート層
4の頂面4aである通紙摺動面Sを摺動する複写用紙等
の被定着体を示し、図6中矢印方向に摺動する。
【0076】そして、図1に示すように基板表面1a側
のガラスアンダーコート1d上には例えば長さ約230
mm,厚さ約10μmの抵抗発熱体2を、銀・パラジウム
(Ag・Pd)合金やニッケル・錫(Ni・Sn)合
金,RuO2 合金等を主体とする厚膜ペーストの印刷焼
成により形成している。
【0077】抵抗発熱体2はその一端部,または両端部
に、その一部を上下方向で重ねて、銀あるいは銀・白金
(Ag・Pt)合金,銀・パラジウム合金(Ag・P
d)等の良導電体からなる厚膜ペーストを印刷焼成して
一対の電極3a,3bを形成し、抵抗発熱体2に電気的
に接続している。一対の電極3a,3bには図示しない
クリップ状の一対のコネクタをそれぞれ外嵌して電気的
に接続し、これらコネクタを介して抵抗発熱体2に給電
するようになっている。各電極3a,3bには、その外
周縁部外面からガラスアンダーコート1dの外面に亘っ
て縁取るようにガラス被膜1f,1gをそれぞれ被着し
て、各電極3a,3bのガラスアンダーコート1dへの
固着強度の増強を図っている。
【0078】そして、抵抗発熱体2と一対の電極3a,
3bの内端部外表面を保護層であるガラス質のオーバー
コート層4を厚膜ペーストの印刷焼成等により形成し
て、これら抵抗発熱体2と一対の電極3a,3bの内端
部外表面を被覆し、耐摩耗性や耐衝撃性などの機械的強
度の向上と、硫化や酸化等からの耐蝕保護と、後述する
加圧ローラ等との電気的絶縁を図っている。なお、保護
層4は、基板1と直接に接触する場合には、Pbレスガ
ラスを主成分として形成すれば、基板1との密着強度が
高められる。このことは、抵抗発熱体2や電極3a,3
bに含まれるガラス成分についても同様である。
【0079】一方、図4に示すように基板1は、その裏
面(他面)1b側に、一対の配線導体5a,5bを並設
している。これら配線導体5a,5bは銀(Ag)、白
金(Pt)、金(Au)や銀・白金(Ag・Pt)合
金、銀・パラジウム(Ag・Pd)合金などを主体と
し、膜厚が10〜30μmである。これら配線導体5
a,5bの一端(図2では左端)に一対の端子部6a,
6bを一体に連成している。
【0080】そして、配線導体5a,5bの各先端部は
基板裏面11bのほぼ中央部(基板表面1aの抵抗発熱
体2の真裏)で終端し、これら終端部上に厚膜状のサー
ミスタ7を跨設している。
【0081】サーミスタ7は抵抗発熱体2の温度を基板
1を介して検出し、この検出温度信号を図示しない温度
制御回路にフィードバックして抵抗発熱体2に印加する
電力を制御することにより抵抗発熱体2の温度を一定に
保持するものである。
【0082】図1に示すように、サーミスタ7は例えば
アルミナ(Al2 3 )セラミックスからなる厚さ約2
50μmの矩形平板状の基体7aの図中上面の中央部上
に、マンガン、コバルト、ニッケルなどの酸化物、Mn
O−CoO−NiOの複合酸化物により形成した薄膜か
らなる感温部7bを形成し、この感温部7bの両端部に
連接して例えば白金(Pt)層もしくはAu層などから
なる薄膜電極7c,7dを形成している。感温部7bの
外面(図1では上面)は、この膜が大気中の温度や不純
物ガスにより特性劣化を起こすのを防ぐために、例えば
酸化硅素(SiO2 )からなる層厚が5〜30μmのオ
ーバーコート層7eにより全面的に被覆されている。
【0083】なお、上記の各膜、層は基板1やサーミス
タ基体7aに対比して薄膜であるが、図1では説明の便
宜上、誇張して厚く示しており、寸法上比例しているも
のでもない。
【0084】このサーミスタ7は、温度係数が負の大き
な値を有する電気抵抗体を用いたもので、温度上昇した
ときに抵抗値が大きく低下し、温度を抵抗値の大小に変
換する熱検出素子からなるセンサである。
【0085】このようなサーミスタ7はその基体7aが
基板1の裏面1bの一対の配線導体5a,5b間にあっ
て図1中上面が基板1の裏面1bに対向した状態で、両
電極7c,7d上に銀(Ag)もしくは銀・パラジウム
(At・Pd)の合金粉末などを有機接着剤と混合した
導電性接着剤8を盛り上げるようにして基板1の配線導
体5a,5b上に接合させてある。
【0086】そして、サーミスタ感温部7b上のオーバ
ーコート層7eと基板裏面1bとの間隙g内に熱硬化性
樹脂の一種であるエポキシ系やポリイミド系接着剤9a
を充填して、サーミスタ7を抵抗発熱体2の形成部に相
当する基板裏面1bに接着している。
【0087】したがって、この実施形態に係る定着ヒー
タHaによれば、熱伝導率の大きいAlN基板1を使用
するので、AlN基板1の昇温時にはAlN基板1の全
体が直ちにほぼ均等に昇温し、AlN基板1自体におけ
る温度差が殆ど発生しないので、熱応力が非常に小さ
い。このために、AlN基板1に被定着用紙を通紙して
もAlN基板1の温度低下は極めて短時間であり、直ち
に均等に再昇温させることができるので、熱応力も小さ
く、AlN基板1に反りや割れが発生するのを防止ない
し低減することができる。
【0088】しかも、AlN基板1の熱伝導率が大きい
ので、短時間でAlN基板1全体の温度をほぼ均等に立
ち上げることができる。このために、AlN基板1全体
の温度のばらつきを低減することができるので、このA
lN基板1を組み付けた定着装置の高速定着を可能にす
ることができる。
【0089】さらに、AlN基板1自体の熱伝導率がア
ルミナ基板よりも約5〜10倍程度アップし、かつサー
ミスタ7を厚膜で直接形成するので、抵抗発熱体2から
の熱をAlN基板1を介してサーミスタ7に迅速かつ高
効率で伝達させることができる。このために、AlN基
板1の温度をサーミスタ7で直ちに検出することがで
き、その検出精度を向上させることができ、ひいては温
度制御の精度を向上させることができる。
【0090】なお、サーミスタ基体7aは、厚膜印刷等
により直接AlN基板1に形成し、またはガラスアンダ
ーコート1d上に形成してもよく、さらに、例えば抵抗
発熱体2の真裏、またはその真上、あるいはその側方
(横)に配設してもよい。
【0091】しかし、このAlN基板1は、窒素を含有
しているので、そのAlN基板1上に、抵抗発熱体2や
サーミスタ7、配線導体5a,5b、電極3a,3b、
オーバーコートガラス4、一端の端子部6a,6b等の
厚膜ペーストを印刷し、例えば850℃で焼成すると、
このAlN基板1と厚膜ペーストが反応してAlN基板
1表面から窒素(N2 )ガスが発生し、上記厚膜ペース
トに発泡して抵抗発熱体2等の厚膜パターンと基板1と
の密着性が低下して剥離や剥落が発生する不具合があ
る。
【0092】しかし、このAlN基板1の表面には酸化
処理によりアルミナ(Al2 3 )層1cを形成し、さ
らに、このアルミナ層1c上に、焼成時AlN基板1と
反応し易い鉛(Pb)の含有量が20重量%以下のPb
レスガラスよりなるガラスアンダーコート1dを形成
し、このガラスアンダーコート1d上に膜状の抵抗発熱
体2や電極3a,3b、オーバーコート層4、配線導体
5a,5b、端子部6a,6b、サーミスタ7等の厚膜
パターンを形成するので、この抵抗発熱体2等の各厚膜
パターンとAlN基板1との反応をアルミナ層1cとガ
ラスアンダーコート1dとにより2重に防止ないし低減
することができる。
【0093】このために、AlN基板1からN2 ガスが
発生するのを一層防止ないし低減することができるの
で、AlN基板1と抵抗発熱体2等の厚膜との密着性を
一段と向上させることができ、抵抗発熱体2等の厚膜パ
ターンがAlN基板1から剥離ないし剥落するのを防止
ないし低減することができる。
【0094】さらに、図2に示すように上記アルミナ層
1cの表面を粗面1eに形成してもよく、これによれ
ば、アルミナ層1cの外表面の面積を増大させているの
で、アルミナ層1cとAlN基板1との密着性をさらに
向上させることができる。
【0095】このために、このアルミナ層1c上に、ガ
ラスアンダーコート1dを介して形成される抵抗発熱体
2や一対の電極3a,3b、一対の配線導体5a,5
b、各端子部6a,6b、サーミスタ7等の厚膜パター
ンと、AlN基板1との密着性を向上させることができ
るので、これらのAlN基板1からの剥離や剥落を防止
ないし低減させることができる。なお、サーミスタ7
は、AlN基板1と反応し易い金属酸化物を含有してい
るので、このサーミスタ7のみをガラスアンダーコート
1d上に形成してもよい。これによれば、ガラスアンダ
ーコート1dを形成するガラス材料を節約できるうえ
に、抵抗発熱体2からの熱をAlN基板1に高効率で伝
達させることができる。
【0096】図5は本発明の第3実施形態に係る定着ヒ
ータHbの要部縦断面図である。この定着ヒータHbは
熱伝導率の大きい上記AlN基板1の一面(図5では下
面)1hに、直接膜状の抵抗発熱体2と、この抵抗発熱
体2の外面を被覆するオーバーコート層4をそれぞれ形
成し、その他面(図5では上面)1i側に、トナー像T
を形成した複写用紙Pを通紙させて加熱し、トナー像T
を複写用紙Pに定着させるように構成した点に特徴があ
る。なお、図5中、符号36は後述する電子式複写機3
1の加圧ローラであり、サーミスタは図示省略している
が、抵抗発熱体2を形成しているAlN基板1の一面1
h側に形成され、抵抗発熱体2の温度を検出して、その
通電を制御し、その発熱量を一定に保持するようになっ
ている。
【0097】この定着ヒータHbによれば、熱伝導率の
大きいAlN基板1を使用するので、抵抗発熱体2の発
熱によりAlN基板1全体を直ちに均等に昇温させるこ
とができるので、AlN基板1の図中上面1i側で複写
用紙Pを均等に加熱してトナー像Tを複写用紙Pに定着
させることができる。また、複写用紙PをAlN基板1
の一面1iに通紙させた際にはAlN基板1の温度が一
時的に低下しても、直ちにAlN基板1全体を均等に再
昇温させることができるので、熱応力を低減してAlN
基板1の反りや割れを防止ないし低減させることができ
る。
【0098】さらに、AlN基板1の熱伝導率が大きい
ので、AlN基板1の温度の立上げが速く、高速定着が
可能である。
【0099】また、この定着ヒータHbでは第1の実施
形態に係る定着ヒータHaのように、アルミナ層1c、
ガラスアンダーコート1d、粗面層1e等を形成しない
ので、構成が簡単であり、製造容易性の向上と製造コス
ト低減とを共に図ることができる。
【0100】図7は本発明の第4の実施形態に係る定着
ヒータHcの要部縦断面図である。この定着ヒータHc
はAlN基板1の一面の例えば表面1a上に、図中点で
示すフィラー10を含有したガラスアンダーコート1d
1 をほぼ全面的に形成する点に特徴がある。
【0101】このガラスアンダーコート1d1 は、例え
ばPbフリーでBi2 3 、Al23 、SiO2 、Z
nO、BaO、B2 3 、MgO等の少なくとも1種類
以上を含むガラス成分に、フィラー10としてAl2
3 、BN、AlN等を含有させてなり、これら材料の厚
膜ペーストの印刷、焼成により厚膜に形成される。
【0102】この定着ヒータHcによれば、ガラスアン
ダーコート1d1 は、ガラス成分にフィラー10を含有
させているので、このガラスアンダーコート1d1 の表
面粗さを荒くすることができる。
【0103】このために、ガラスアンダーコート1d1
の多数の微小凹凸を有する表面と、このガラスアンダー
コート1d1 の図7中下面に密着ないし固着される基板
表面1a、並びにガラスアンダーコート1d1 の図7中
上面に密着固着される抵抗発熱体2および一対の電極3
a,3bと密着する図7中下面との接合面積がそれぞれ
増大するので、抵抗発熱体2および一対の電極3a,3
bと、基板表面1aとの密着固着強度を増強させること
ができ、基板表面1aからの剥離を抑制ないし防止する
ことができる。
【0104】また、各電極3a,3bは、図7中その下
面が表面粗さの荒いガラスアンダーコート1d1 の多数
の微小凹凸面に密着して、密着(固着)強度が増強する
ので、これら各電極3a,3bに図示しないコネクタを
装着するために、これら各電極3a,3bの表面上をコ
ネクタの挟圧部が押圧されながら、図7中横方向(基板
1の長手方向)へ摺動しても、その摺動方向はガラスア
ンダーコート1d1 の多数の微小凹凸の凹凸方向に直交
する方向であるので、各電極3a,3bがガラスアンダ
ーコート1d1 から横方向へずれて剥離するのを抑制な
いし防止することができる。
【0105】なお、オーバーコート層4の頂面(表面)
4aまたは基板裏面1bを通紙摺動面Sに形成してもよ
く、後者の場合はさらに図8で示す定着ヒータHdのよ
うに基板裏面1bにガラス層11を形成し、このガラス
層11の図8中下底面を通紙摺動面Sに形成してもよ
い。
【0106】図9は本発明の第5の実施形態に係る定着
ヒータHeの要部縦断面図である。この定着ヒータHe
は、基板1の一面、例えば表面1a上にガラスアンダー
コート1d2 を形成する一方、オーバーコート層4の通
紙摺動面Sが形成される基板表面1aの摺動面形成部1
aa上に形成されるガラスアンダーコート1d2 の基板
摺動面形成部1aa に対向する摺動面形成部対向部1d
2aにはガラス成分にフィラー10を殆ど含有させない一
方、各電極3a,3bが形成される基板表面1aの一対
の電極形成部1ab,1ac上に形成されるガラスアン
ダーコート1d2 の各電極形成部対向部1d2b,1d2c
にはガラス成分にフィラー10を含有させる点に特徴が
ある。
【0107】この定着ヒータHeによれば、基板1の摺
動面形成部1aa 上に形成されるガラスアンダーコート
1d2 の摺動面形成部対向部1d2aは、フィラー10を
殆ど含有させていないガラス成分よりなり、この摺動面
形成部対向部1d2a上に順次形成される抵抗発熱体2と
オーバーコート層4の頂面(表面)4aの通紙摺動面を
表面粗さの細かい平滑面に形成することができる。この
ために、この通紙摺動面S上に密着して摺動する被定着
体Pの密着性と摺動円滑性とを共に向上させることがで
き、被定着体の定着不具合を防止できる。
【0108】一方、基板1の各電極形成部1ab ,1a
c 上に形成されるガラスアンダーコート1db の一部は
フィラー10を含有させて表面粗さを荒くしているの
で、各電極3a,3bの基板表面1aへの密着固着力を
増大させることができ、各電極3a,3bの基板1から
の剥離を抑制ないし防止することができる。なお、この
定着ヒータHeは、図10で示す定着ヒータHfのよう
に基板裏面1bにガラス層11aを形成し、このガラス
層11aの図10中下底面を通紙摺動面Sに形成しても
よい。また、電極3a,3bは、基板裏面1bに形成さ
れていもよい。以下実施例も含め通紙摺動面Sにガラス
層を形成するのは必須ではない。
【0109】図11は本発明の第6の実施形態に係る定
着ヒータHgの要部縦断面図である。この定着ヒータH
gは図9で示す定着ヒータHeのガラスアンダーコート
1db の摺動面形成部対向部1d2aを省略した点に特徴
がある。
【0110】この定着ヒータHgによれば、ガラスアン
ダーコート1d2 の摺動面形成部対向部1d2aを省略し
たので、そのガラスアンダーコート1d2 の材料を節約
することができる一方、各電極形成部対向部1d2b,1
d2cにより各電極3a,3bの基板1からの剥離を抑制
ないし防止することができる。なお、この定着ヒータH
gは図12で示す定着ヒータHhのように基板裏面1b
の図12中の下底面にガラス層11bを形成し、このガ
ラス層11bの下底面を通紙摺動面に形成してもよい。
【0111】図13は本発明の第7の実施形態に係る定
着ヒータHiの要部縦断面図である。この定着ヒータH
iは基板表面1aのほぼ全面をホーニング加工やエッチ
ング等の粗面加工により粗面12に形成し、この粗面1
2上にガラスアンダーコート1d3 を形成した点に特徴
がある。
【0112】このガラスアンダーコート1d3 は、その
図10で示す摺動面形成部対向部1d2aと各電極形成部
対向部1d2b,1d2cを含む全体について、フィラー1
0を殆ど含有させていないガラス成分から構成されてい
る。
【0113】この定着ヒータHiによっても、基板表面
1aのほぼ前面を粗面12に形成しているので、この粗
面12上に形成されるガラスアンダーコート1d3 と基
板表面1aとの密着ないし固着強度を増強させることが
できる。
【0114】このために、このガラスアンダーコート1
d3 上に形成される抵抗発熱体2、一対の電極3a,3
b、抵抗発熱体2上に形成されるオーバーコート層4の
厚膜パターンの基板1からの剥離を抑制ないし防止する
ことができる。
【0115】図14は本発明の第8の実施形態に係る定
着ヒータHjの要部縦断面図である。この定着ヒータH
jは図13で示す定着ヒータHiの基板表面1aの粗面
12のうち、基板1の摺動面形成部1aa については平
滑面13に局所的に形成した点に特徴がある。
【0116】このために、基板表面1aの摺動面形成部
1aa の平滑面上に順次形成される抵抗発熱体2とオー
バーコート層4の各頂面を平滑面に形成することができ
る。したがって、オーバーコート層4の頂面4aの通紙
摺動面Sを平滑面に形成できるので、この通紙摺動面S
上を摺動する複写用紙P等の被定着体との密着性と摺動
円滑性とを共に向上させることができるので、被定着体
の定着不具合を防止することができる。
【0117】図15は本発明の第9の実施形態に係る定
着ヒータHkの要部縦断面図である。この定着ヒータH
kは、基板表面1aに抵抗発熱体2と一対の電極3a,
3bを直接形成する一方、基板裏面1bをホーニング加
工やエッチング等の粗面加工により粗面12に形成し、
この粗面12の図15中下底面にガラス層11cを形成
し、このガラス層11cの下底面を通紙摺動面Sに形成
した点に特徴がある。
【0118】したがって、この定着ヒータHkによれ
ば、基板裏面1bの粗面12と、この粗面12上に形成
したガラス層11cとの接合面積が増大するので、ガラ
ス層11cの基板1からの剥離を抑制ないし防止するこ
とができる。
【0119】図16は本発明の第10の実施形態に係る
定着ヒータHlの要部縦断面図である。この定着ヒータ
Hlは、基板表面1aのほぼ全面に形成したガラスアン
ダーコート1d3 の摺動面形成部対向部1d3aの粗面1
2aの粗さを、各電極形成部対向部1d3b,1d3cの粗
面12a,12aの粗さよりも細かく(12a<12
b)形成すると共に、各電極形成部対向部1d3b,1d
3cにはガラス成分にフィラー10を含有させた点に特徴
がある。
【0120】この定着ヒータHlによれば、ガラスアン
ダーコート1d3 の摺動面形成部対向部13d3aの表面
を粗面12aに形成しているので、この粗面12a上に
形成される抵抗発熱体2とオーバーコート層4の剥離を
抑制ないし防止することができる。
【0121】しかも、この摺動面形成部対向部1d3aの
粗面12aの方が各電極形成部対向部1d3b,1d3cの
粗面12bよりも細かいので、この摺動面形成部対向部
1d3a上に順次形成される抵抗発熱体2とオーバーコー
ト層4の表面粗さも細かくすることができ、このオーバ
ーコート層4の頂面4aの導通紙摺動面Sを比較的平滑
に形成することができるので、被定着体の定着不具合を
低減ないし防止することができる。
【0122】また、ガラスアンダーコート1d3 の各電
極形成部対向部1d3b,1d3cの粗面12b,12bを
摺動面形成部対向部1d3aの粗面12aよりも荒く形成
しているので、これら各電極形成部対向部1d3b,1d
3c上に形成される各電極3a,3bとの接合面積を増大
させて密着ないし固着強度を増強させることができ、各
電極3a,3bの基板1からの剥離を抑制ないし防止す
ることができる。しかも、ガラスアンダーコート1d3
の各電極形成部対向部1d3b,1d3cではガラス成分に
フィラー10を含有させているので、各電極3a,3b
と基板1の密着ないし固着強度を増強させることができ
基板1からの剥離を抑制ないし防止することができる。
【0123】図17は本発明の第11の実施形態に係る
定着ヒータHmの要部縦断面図である。この定着ヒータ
Hmは図16で示す定着ヒータHlのガラスアンダーコ
ート1d3 の摺動面形成部対向部1d3aのガラス成分に
もフィラー10を含有させてガラスアンダーコート1d
4 を形成した点に特徴がある。
【0124】この定着ヒータHmによれば、上記定着ヒ
ータHlとほぼ同様の作用効果を有するうえに、摺動面
形成部対向部1d4 のガラス成分にもフィラー10を含
有させているので、この摺動面形成部対向部1d4 上に
抵抗発熱体2と基板1との密着ないし固着強度をさらに
増強させることができ、抵抗発熱体2の基板1からの剥
離を低減ないし防止することができる。
【0125】図18は本発明の第12の実施形態に係る
定着ヒータHnの要部縦断面図である。この定着ヒータ
Hnは基板表面1aの電極形成部1ab ,1ac のみを
粗面に形成し、図17のガラスアンダーコート1d4 な
いしこれに相当するガラスアンダーコートを省略した点
に特徴がある。
【0126】したがって、この定着ヒータHnによれ
ば、ガラスアンダーコート1d4 を省略しているので、
その材料と加工費とを節約することができるうえに、基
板表面1aの各電極形成部1ab ,1ac の粗面12
と、この粗面12上に形成される各電極3a,3bとの
密着ないし固着強度を増強させることができ、これら厚
膜パターンの基板1からの剥離を抑制ないし防止するこ
とができる。
【0127】なお、基板1の一面(表面1aまたは裏面
1b)のほぼ全面を粗面に形成する一方、基板1の抵抗
発熱体2の形成部位上のみに平滑なガラスアンダーコー
トを形成してもよい。これによれば、基板1の粗面上に
形成されるガラスアンダーコートや電極等の厚膜ペース
トと基板1との密着固着強度を増強させることができ
る。一方、抵抗発熱体2と基板1との間には平滑なガラ
スアンダーコートが介在されているので、抵抗発熱体2
との表面(頂面)を平滑にすることができる。このため
に、この抵抗発熱体2の表面に直接被着定体を摺動さる
場合は、両者の密着性を向上させることができるので、
定着不良等の不具合を低減することができる。また、抵
抗発熱体2の表面をオーバーコート層4で被覆する場合
は、このオーバーコート層4の表面が平滑になるので、
この平滑なオーバーコート層4の表面上を摺動する被定
着体と表面との密着性を向上させ、定着不具合等を低減
できる。
【0128】図19は本発明の第13の実施形態に係る
定着ヒータHoの要部縦断面図である。この定着ヒータ
Hoは基板表面1a上に形成したガラスアンダーコート
1d5 の膜厚を10μm以下に設定した点に特徴があ
る。
【0129】このガラスアンダーコート1d5 はフィラ
ー10を殆ど含有しないガラス成分のからなり膜厚が1
0μm以下(例えば5μm〜10μm)の薄い膜で低密
度である。このために、基板1上にガラスアンダーコー
ト1d5 の厚膜ペーストを印刷してから焼成する際に、
AlN基板1が抵抗発熱体2等の厚膜ペーストと反応し
てこの基板1上の抵抗発熱体2等の厚膜ペーストと反応
して発生するN2 ガスがこの低密度のガラスアンダーコ
ート1d5 を通して外部へ放出される放出量を増大させ
ることができ、厚膜ペースト内のN2 ガス量を減少させ
ることができる。
【0130】また、焼成後のガラスアンダーコート1d
5 の密度は高くなるので、AlN基板にN2 ガスが発生
しても、このN2 ガスの放出をガラスアンダーコート1
d5により遮断するので、N2 ガスの発生を抑制ないし
防止することができる。このために、ガラスアンダーコ
ート1d5 が基板1から剥離するのを抑制ないし防止す
ることができる。
【0131】なお、ガラスアンダーコート1d5 は図2
0で示す定着ヒータHpのガラスアンダーコート1d6
に置換することができる。後者のガラスアンダーコート
1d6 はガラス成分にフィラー10をほぼ全面に含有さ
せてなり、その膜厚は上記ガラスアンダーコート1d5
の膜厚と同様に、例えば5μm〜10μmである。
【0132】この定着ヒータHpは、そのガラスアンダ
ーコート1d6 がガラス成分にフィラー10を含有させ
てなるので、このガラスアンダーコート1d6 の表面を
粗面に形成することができる。
【0133】このために、ガラスアンダーコート1d6
の図中下面と基板1との接合面積が増大してこれらガラ
スアンダーコート1d6 と基板1との密着ないし固着強
度が増強される。
【0134】また、このガラスアンダーコート1d6 の
上面と、その図中上面上の抵抗発熱体2および一対の電
極3a,3bとの接合面積も増大してこれらの固着強度
を増強させることができる。なお、サーミスタ7も基板
1から剥離し易いものとして知られているが、上記各実
施形態で示した電極3a,3bと基板1との密着強度を
高めるための構成は、サーミスタ7の密着強度を高める
技術にもそのまま適用できる。つまり厚膜でサーミスタ
7を形成した場合には、この厚膜と基板1との密着強度
が高められ、チップサーミスタを固定させる場合には、
樹脂接着剤と基板との密着強度を高められる。
【0135】図21は本発明の第14の実施形態に係る
定着ヒータHqの要部縦断面図である。この定着ヒータ
Hqは抵抗発熱体2の図21中下面に接する基板1の摺
動面形成部1aa 以外の各面、例えば基板1の各電極形
成部1ab ,1ac 、長手方向両端部幅方向左右側面お
よび底面に、基板1の熱伝導率よりも低い断熱層14を
それぞれ形成した点に特徴がある。
【0136】断熱層14はAlN基板1の所要外面を選
択的に酸化処理することによりアルミナ(Al2 3
等の酸化層から構成され、あるいは熱伝導率が基板1の
ものよりも低い樹脂を摺動面形成部1aa 以外の各外面
に塗布することにより構成される。
【0137】この定着ヒータHqによれば、抵抗発熱体
2が接面する基板1の摺動面形成部1aa 以外の基板1
の各面を断熱層14により断熱しているので、抵抗発熱
体2の発熱が基板1の摺動面形成部1aa 以外の各外面
から外部へ放熱されるのを断熱層14により断熱するこ
とができる。
【0138】このために、抵抗発熱体2の発熱は、この
抵抗発熱体2の図22中上面上に形成されるオーバーコ
ート層4の通紙摺動面Sに集熱されるので、熱伝導効率
を向上させることができる。
【0139】なお、この断熱層14は例えば基板1を酸
化させることによって得られる酸化膜によって得ること
ができ、この他ガラス層等としてもよい。そして、断熱
層14を酸化膜によって形成する場合には、抵抗発熱体
2と酸化膜が接触しているような形態としてもよい。こ
の際、抵抗発熱体2から基板1への熱の拡散にはそれほ
ど影響はない。
【0140】図22は本発明の第15の実施形態に係る
定着ヒータHrの要部縦断面図である。この定着ヒータ
Hrの断熱層15は、上記図21で示す断熱層14の摺
動面形成分1aa に対向する基板裏面1bの対向面部に
断熱層15の切欠16を形成している点に特徴がある。
【0141】この定着ヒータHrによれば、基板1の摺
動面形成部1aa 上のオーバーコート層4の頂面4aま
たは抵抗発熱体2に対向する基板1の図22中下底面の
いずれかを、これらに抵抗発熱体2の発熱を断熱層15
により集中させることができるので、通紙摺動面Sとし
て使用することができる。
【0142】なお、上記定着ヒータHc〜Hrでは、そ
の基板表面1aまたは基板裏面1bに図1等で示すサー
ミスタ7を設けてもよい。
【0143】図23は本発明を画像形成装置の一種であ
る電子式複写機21に適用した場合の第17の実施形態
の構成を示している。この複写機21は筐体22内に、
カセット23内の複写用紙Pを引き込み、これに図示し
ない原稿の画像に対応したトナー像を形成する画像形成
部24と、このトナー像を複写用紙Pに定着させる定着
装置25とを内蔵している。
【0144】定着装置15は例えば図24に示すように
構成され、加圧ローラ26に対向させて上記定着ヒータ
Ha〜Hrのいずれか、例えばHaを並設しており、こ
の定着ヒータHaを樹脂製円柱状のホルダー27の取付
溝の底部上に固着している。定着ヒータHaの外周面に
は加圧ローラ26のシリコーンゴム層28を弾性的に圧
接させている。
【0145】そして、定着ヒータHaは一対の電極3
a,3bに接触した燐青銅板等からなる弾性が付与され
たコネクタを通じて通電されて抵抗発熱体2が発熱し、
このAlN基板1全体とオーバーコート層4とに与熱さ
れる。したがって、このオーバーコート層4の図示しな
い耐熱シートの外面と加圧ローラ26のシリコーンゴム
層28との間で、トナー像Tを形成した複写用紙Pを定
着ヒータHaにより加熱することにより、未定着トナー
像Tを溶融し、複写用紙Pに定着させることができる。
【0146】そして、この定着ヒータHaは上記したよ
うに熱伝導性が良好なAlN基板1を使用しているの
で、AlN基板1の反りや割れを防止ないし低減するこ
とができるうえに、サーミスタ7による抵抗発熱体2の
温度制御上の精度を向上させることができる。
【0147】また、AlN基板1の表,裏面1a,1b
への抵抗発熱体2、一対の電極3a,3b、オーバーコ
ート層4、配線導体5a,5b、各端子部6a,6b、
サーミスタ7の密着強度が大きいので、これらのAlN
基板1からの剥離や剥落等のトラブルの発生を未然に防
止ないし低減することができ、信頼性を向上させること
ができる。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明は、
基板の主成分をなす窒化アルミニウム(AlN)の熱伝
導率は例えば90〜180W/mKであり、アルミナ
(Al23 )の熱伝導率が約20W/mKであるのに
対し、数倍から約10倍程度大きい。
【0149】したがって、AlN基板の一面に被定着用
紙を摺動させて通紙することで基板の熱が奪われてもA
lN基板の温度低下は極めて短かい時間であり、直ちに
均等に再昇温させることができるので、AlN基板自体
における温度差が殆ど発生することとがなく熱応力も小
さく、AlN基板に反りや割れが発生するのを防止ない
し低減することができる。そして、これによりAlN基
板を有する定着ヒータを組み付けた定着装置の高速定着
を可能にすることができる。
【0150】しかしながら、この窒化アルミニウム基板
は、窒素を含有しているので、その基板上に、抵抗発熱
体やサーミスタ、導体、電極、オーバーコートガラス等
の厚膜ペーストを印刷し、例えば850℃で焼成して厚
膜パターンを形成すると、その際に、この窒化アルミニ
ウム基板と厚膜ペーストのガラス成分が反応してAlN
基板表面から窒素(N2 )ガスが発生し、このガスが焼
結された抵抗発熱体等の厚膜パターン中に溜まると基板
との密着性が低下して剥離や剥落が発生する不具合があ
る。
【0151】しかし、このAlN基板の表面には酸化処
理によりアルミナ(Al2 3 )層(酸化処理層)を形
成し、このアルミナ層上に膜状の抵抗発熱体を形成して
いるので、このアルミナ層によりAlN基板と抵抗発熱
体等の厚膜ペーストとが反応するのを防止して、このA
lN基板からN2 ガスが発生するのを防止することがで
きる。
【0152】したがって、このAlN基板の酸化処理面
上に形成される膜状の抵抗発熱体等の厚膜ペーストのN
2 ガスによる発泡を防止することができるので、抵抗発
熱体等厚膜パターンと基板との密着性を向上させること
ができ、抵抗発熱体等厚膜の基板からの剥離や剥落を防
止ないし低減することができる。
【0153】また、基板の表面を酸化膜(層)を形成す
ることにより、この酸化膜が断熱層として作用する。す
なわち、基板内の熱は、酸化膜によって空気中等の外部
へ放出されるのを低減でき、ヒータの効率を高めること
ができる。なお、抵抗発熱体と基板との間に酸化膜が形
成されていても、この酸化膜層は抵抗発熱体と隣接して
いるため、良好に熱を透過し、基板を瞬時に昇温させる
ことが可能である。
【0154】さらに、基板表面の抵抗発熱体形成部およ
びその周辺の発熱領域と、この発熱領域の表裏両面と
に、酸化処理層を共に形成しているので、基板表裏両面
の熱膨張差を低減することができ、基板の曲げや反りを
防止できる。また、酸化処理層を形成すること自体でも
基板の強度を向上させることができ基板割れを防止でき
る。
【0155】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明と同様に、基板が熱伝導率の大きいAlNを主成分
とするので、請求項1の発明と同様に、基板に反りや割
れが発生するのを防止ないし低減することができるうえ
に、高速定着を可能にすることができる。
【0156】さらに、AlN基板の表面を粗面に形成し
て表面積を増大させているので、粗面上に形成される厚
膜の抵抗発熱体との密着性を向上させることができ、A
lN基板からの抵抗発熱体等の剥離や剥落を防止ないし
低減することができる。また裏面は平滑性に優れている
ので、非加熱体の摺動面として利用し易い。
【0157】請求項3の発明によれば、上記請求項1の
発明と同様に、基板が熱伝導率の大きいAlNを主成分
とするので、請求項1の発明と同様に、基板に反りや割
れが発生するのを防止ないし低減することができるうえ
に、高速定着を可能にすることができる。
【0158】さらに、AlN基板の表面を、請求項3の
発明と同様に粗面に形成して表面積を増大させると共
に、請求項1の発明と同様に酸化処理面に形成している
ので、これら粗面または酸化処理面上に形成される厚膜
の抵抗発熱体との密着性を向上させることができると共
に、N2 ガスの発生を防止することができるので、Al
N基板からの抵抗発熱体等厚膜パターンの剥離や剥落を
防止ないし低減することができる。
【0159】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
いずれか一の発明の作用に加えて、基板表面の微小凹凸
により表面積を増大させているので、基板表面と抵抗発
熱体との密着性を向上させることができる。このため
に、この基板表面の微小凹凸上に形成される酸化処理層
の厚さを薄くしても上記N2 ガスの発泡を防止ない低減
して基板と抵抗発熱体等の厚膜との密着性を向上させる
ことができる。また、酸化処理層を形成すること自体で
も基板の強度を向上させることができ、基板割れを防止
できる。
【0160】また、酸化処理層の厚さを薄くできるの
で、抵抗発熱体から基板へ伝導される熱伝導性を向上さ
せることができる。さらに、酸化処理層の厚さがほぼ均
一であり、局部的に薄い部分もないので、その薄い部分
によるN2 ガスの局部的な発泡を防止ないし低減するこ
とができる。
【0161】請求項5の発明によれば、上記請求項1の
発明と同様に、基板が熱伝導率の大きいAlNを主成分
とするので、請求項1の発明と同様に、基板に反りや割
れが発生するのを防止ないし低減することができるうえ
に、高速定着を可能にすることができる。
【0162】また、AlN基板の表面に、鉛の含有量が
20重量%以下のPbレスガラスよりなるガラスアンダ
ーコートを形成し、このガラスアンダーコート上に抵抗
発熱体等の厚膜ペーストを印刷するので、この抵抗発熱
体等の厚膜ペーストとAlN基板との反応をガラスアン
ダーコートにより防止ないし低減し、AlN基板からN
2 ガスが発生するのを防止ないし低減することができ
る。
【0163】このために、N2 ガスによる抵抗発熱体等
の厚膜ペーストの発泡を防止ないし低減することができ
るので、抵抗発熱体等の厚膜パターンとAlN基板との
密着性を向上させることができ、抵抗発熱体等の厚膜パ
ターンのAlN基板からの剥離や剥落を防止ないし低減
することができる。また、ガラスアンダーコートとして
Pbレス(Pbフリーを含む)ガラスを使用しているの
で、そのガラスと窒化アルミニウム基板との反応性を低
く抑えることができ、このガラスアンダーコートは基板
に強固に密着する。さらにガラス膜密度が低いので、こ
のガラス焼成時に、ガラス成分とAlN基板との反応に
より、この基板から発生する窒素(N2)ガスがガラス
膜を抜けて外部に放出させ易いので、これによってもガ
ラスアンダーコートと基板との密着性が向上する。さら
に、PBレスガラスは、鉛を少量ないし微量しか含ま
ず、あるいは殆ど含有しないので、環境を改善すること
ができる。なお、電極の下部のみにこのガラスアンダー
コートを形成し、抵抗発熱体の下に形成しなければ、電
極の密着強度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が基板に
伝わり易くなる。
【0164】請求項6の発明によれば、厚膜のサーミス
タは、金属酸化物を含有しているので、焼成時にAlN
基板と反応して上記N2 ガスを放出し易いが、このサー
ミスタとAlN基板との間にはガラスアンダーコートを
介在させているので、このガラスアンダーコートにより
サーミスタとAlN基板との反応を防止ないし低減し
て、N2 ガスの放出ないし発泡現象を防止ないし低減す
ることができる。また、一方のガラスアンダーコートを
厚膜のサーミスタ形成部分のみに形成するので、基板の
一面全面にガラスアンダーコートを形成する場合に比し
て、Pbレスガラス等ガラスアンダーコートのガラス材
料の節約を図ることができる。また、ガラスアンダーコ
ートとしてPbレス(Pbフリーを含む)ガラスを使用
しているので、そのガラスと窒化アルミニウム基板との
反応性を低く抑えることができ、このアンダーコートは
基板に強固に密着する。さらにガラス膜密度が低いの
で、このガラス焼成時に、ガラス成分とAlN基板との
反応により、この基板から発生する窒素(N2 )ガスが
ガラス膜を抜けて外部に放出させ易いので、これによっ
てもガラスアンダーコートと基板との密着性が向上す
る。さらに、PBレスガラスは、鉛を少量ないし微量し
か含まず、あるいは殆ど含有しないので、環境を改善す
ることができる。なお、電極の下部のみにこのガラスア
ンダーコートを形成し、抵抗発熱体の下に形成しなけれ
ば、電極の密着強度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が
基板に伝わり易くなる。
【0165】請求項7の発明によれば、抵抗発熱体の一
対の電極の外周縁部をガラスにより基板の一面上または
ガラスアンダーコート上に固着するので、一対の電極
と、基板またはガラスアンダーコートとの固着強度の増
強を図ることができる。
【0166】請求項8の発明によれば、上記請求項4の
発明と同様に、熱伝導率の大きいAlN基板の表面を、
酸化処理すると共に粗面に形成したので、請求項4の発
明とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0167】さらに、このAlN基板の酸化処理面また
は粗面上に、焼成時AlN基板と反応し易い鉛(Pb)
の含有量が20重量%以下のPbレスガラスよりなるガ
ラスアンダーコート上に膜状の抵抗発熱体等の厚膜パタ
ーンを形成するので、この抵抗発熱体等の厚膜パターン
とAlN基板との反応を酸化処理面とガラスアンダーコ
ートとにより2重に防止ないし低減することができる。
【0168】このために、AlN基板からN2 ガスが発
生するのを一層防止ないし低減することができるので、
AlN基板と抵抗発熱体等厚膜パターンとの密着性を一
段と向上させることができ、抵抗発熱体等の厚膜パター
ンがAlN基板から剥離ないし剥落するのを防止ないし
低減することができる。また、ガラスアンダーコートと
してPbレス(Pbフリーを含む)ガラスを使用してい
るので、そのガラスと窒化アルミニウム基板との反応性
を低く抑えることができ、このガラスアンダーコートは
基板に強固に密着する。さらにガラス膜密度が低いの
で、このガラス焼成時に、ガラス成分とAlN基板との
反応により、この基板から発生する窒素(N2 )ガスが
ガラス膜を抜けて外部に放出させ易いので、これによっ
てもガラスアンダーコートと基板との密着性が向上す
る。さらに、PBレスガラスは、鉛を少量ないし微量し
か含まず、あるいは殆ど含有しないので、環境を改善す
ることができる。なお、電極の下部のみにこのガラスア
ンダーコートを形成し、抵抗発熱体の下に形成しなけれ
ば、電極の密着強度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が
基板に伝わり易くなり良い。
【0169】請求項9の発明によれば、請求項5ないし
8のいずれか一の発明に係るガラスアンダーコートの当
該ガラスの熱膨張係数が、このアンダーガラスコートの
両側に形成される基板と、厚膜ペーストとの熱膨張係数
の中間値であるので、このガラスアンダーコートの熱膨
張係数を、AlN基板と厚膜ペーストのいずれの熱膨張
係数にも近付け、両者の熱膨張差を緩和することができ
る。
【0170】このために、AlN基板と厚膜ペーストの
両者に対するガラスアンダーコートの密着性を向上させ
ることができ、厚膜ペーストの焼成後の厚膜パターンと
の剥離や剥落を防止ないし低減することができる。ま
た、ガラスアンダーコートとしてPbレス(Pbフリー
を含む)ガラスを使用しているので、そのガラスと窒化
アルミニウム基板との反応性を低く抑えることができ、
このガラスアンダーコートは基板に強固に密着する。さ
らにガラス膜密度が低いので、このガラス焼成時に、ガ
ラス成分とAlN基板との反応により、この基板から発
生する窒素(N2)ガスがガラス膜を抜けて外部に放出
させ易いので、これによってもガラスアンダーコートと
の基板の密着性が向上する。さらに、PBレスガラス
は、鉛を少量ないし微量しか含まず、あるいは殆ど含有
しないので、環境を改善することができる。なお、電極
の下部のみにこのガラスアンダーコートを形成し、抵抗
発熱体の下に形成しなければ、電極の密着強度が増すと
ともに、抵抗発熱体の熱が基板に伝わり易くなる。
【0171】請求項10の発明によれば、請求項5ない
し9の発明のいずれかに係るガラスアンダーコートのガ
ラスは、これよりも熱伝導性の高いフィラーを35重量
%含有させているので、このガラスアンダーコートの熱
伝導性を向上させることができる。
【0172】したがって、抵抗発熱体からガラスアンダ
ーコートを介して抵抗発熱体非形成面のAlN基板表面
に伝達される熱量を増大させることができ、熱効率を向
上させることができる。このために、基板の抵抗発熱体
非形成面を被定着体の摺動面として用いた場合でも、そ
の摺動面を効率よく加熱することができる。また、熱伝
導フィラーの含有量を35重量%以下としたので、ガラ
スアンダーコートの熱膨張が抑制されて繰り返し抵抗発
熱体を昇温させても熱膨張しにくいAlN基板との界面
で剥離等の発生を防止ないし低減することができる。ま
た、ガラスアンダーコートとしてPbレス(Pbフリー
を含む)ガラスを使用しているので、そのガラスと窒化
アルミニウム基板との反応性を低く抑えることができ、
このガラスアンダーコートは基板に強固に密着する。さ
らにガラス膜密度が低いので、このガラス焼成時に、ガ
ラス成分とAlN基板との反応により、この基板から発
生する窒素(N2 )ガスがガラス膜を抜けて外部に放出
させ易いので、これによってもガラスアンダーコートと
基板との密着性が向上する。さらに、PBレスガラス
は、鉛を少量ないし微量しか含まず、あるいは殆ど含有
しないので、環境を改善することができる。なお、電極
の下部のみにこのガラスアンダーコートを形成し、抵抗
発熱体の下に形成しなければ、電極の密着強度が増すと
ともに、抵抗発熱体の熱が基板に伝わり易くなる。
【0173】請求項11の発明によれば、基板と厚膜の
抵抗発熱体の間に介在されるガラスアンダーコートに、
ガラスの表面粗さを荒くするフィラーを含有させている
ので、このガラスアンダーコートと基板、ならびに抵抗
発熱体との各接合面積を増大させ、これら密着強度を増
強させることができる。
【0174】したがって、このガラスアンダーコート上
に形成される抵抗発熱体やその一対の電極等の厚膜パタ
ーンが基板から剥離するのを抑制ないし防止することが
できる。また、ガラスアンダーコートに酸化物のフィラ
ーを含有させれば、このフィラーは、窒化アルミニウム
の基板とほとんど反応することかがなく、またこのフィ
ラーが基板と接触する分だけ、ガラス成分と基板との接
触面積を小さくできる。したがって、ガラス成分と基板
との反応が少なくなってN2 ガスの発生を低減し、ガラ
スアンダーコートと基板との密着強度を高められる。
【0175】請求項12の発明によれば、基板の電極形
成部に形成されるガラスアンダーコートには、その外表
面の粗さを荒くするフィラーを含有させているので、こ
の電極形成部上に直接または間接的に形成される電極の
厚膜パターンと基板との密着強度を増強させることがで
き、これら両接合面の微小凹凸により電極の横ずれない
し剥離を抑制ないし防止することができる。さらに、基
板の摺動面形成部には、フィラーを含有させたガラスア
ンダーコートを形成しないので、この摺動面は凹凸の少
ない平滑面に形成される。このために、この平滑な摺動
面上を直接または間接に摺動する被定着体の摺動を円滑
にすることができ、定着性を向上できる。
【0176】また、抵抗発熱体は別途保護層で覆うこと
により、基盤との密着強度をある程度確保できる。ま
た、抵抗発熱体と基板との間のガラス層を減じたので、
抵抗発熱体の熱を基板に良好に伝えることかでき、基板
全体の温度を瞬間的に均一にさせ易い。また非発熱体形
成面を摺動加熱として利用する場合もこの面に熱が伝わ
り易くなる。
【0177】請求項13の発明によれば、基板の摺動面
形成部を粗面に形成しているので、この基板の摺動面形
成部に接合されるガラスアンダーコートとの接合面積を
増大させることができる。このために、ガラスアンダー
コートと基板摺動面形成部との密着強度を増強させるこ
とができるので、このガラスアンダーコート上に形成さ
れる抵抗発熱体と電極等の厚膜パターンの剥離を抑制な
いし防止することができる。
【0178】また、基板の摺動面形成部を粗面に形成し
ても、この摺動面形成部上にガラスアンダーコートを形
成しているので、この粗面の摺動面形成部の凹凸をガラ
スアンダーコートにより吸収(ならす)ので、摺動面形
成部上にガラスアンダーコートを介して形成される抵抗
発熱体の外表面の表面粗さを緩和することができる。
【0179】請求項14の発明によれば、請求項11な
いし13のいずれか一記載の発明の作用効果に加えて、
請求項11ないし13のいずれか一記載の発明に係るガ
ラスアンダーコートのPbレスガラスであるため、その
ガラスと窒化アルミニウム基板との反応性を低く抑える
ことができ、このガラスアンダーコートは基板に強固に
密着する。さらにガラス膜密度が低いので、このガラス
焼成時に、ガラス成分とAlN基板との反応により、こ
の基板から発生する窒素(N2 )ガスがガラス膜を抜け
て外部に放出させ易いので、これによってもガラスアン
ダーコートと基板との密着性が向上する。さらに、PB
レスガラスは、鉛を少量ないし微量しか含まず、あるい
は殆ど含有しないので、環境を改善することができる。
なお、電極の下部のみにこのガラスアンダーコートを形
成し、抵抗発熱体の下に形成しなければ、電極の密着強
度が増すとともに、抵抗発熱体の熱が基板に伝わり易く
なる。
【0180】請求項15の発明によれば、ガラスアンダ
ーコートの摺動面形成部対向部の表面粗さを、電極形成
部対向部の表面粗さよりも細かく形成しているので、こ
の摺動面形成部対向部上に形成される摺動面の表面粗さ
を電極形成部対向部の表面粗さよりも細かくすることが
できる。このために、摺動面の微小凹凸を減少させるこ
とができるので、この摺動面と被定着体との密着性を向
上させることができる。
【0181】したがって、この基板の直接摺動面とこの
摺動面上を摺動する被定着体との密着性と円滑性との向
上を共に図ることができるので、被定着体の定着不具合
を低減ないし防止することができる。
【0182】また、ガラスアンダーコートの電極形成部
対向部の表面粗さは摺動面形成部対向部の表面粗さより
も荒いので、このガラスアンダーコートの電極形成部対
向部を介して基板の電極形成部上に形成される電極と基
板との接合面積を増大させると共に、接合面の荒い凹凸
により、コネクタが電極の表面上を摺動する際の電極の
横方向のずれないし剥離を抑制ないし防止することがで
きる。
【0183】また、基板全体を加工しないので手間を省
け、抵抗発熱体については、これを保護層等で覆うこと
で密着強度をある程度確保できる。アンダーコートを荒
す加工は、基板自体を荒す加工よりも容易であり、製造
コストを低減できる。
【0184】請求項16の発明によれば、基板の摺動面
形成部の表面粗さを、電極形成部の表面粗さよりも細か
く形成しているので、この基板摺動面形成部上に形成さ
れる抵抗発熱体の表面が平滑になる一方、基板と電極の
密着強度が向上する。
【0185】このために、摺動面と、この摺動面上を摺
動する被定着体との密着性と摺動円滑性とを共に向上さ
せることができるので、被定着体の定着不具合を低減な
いし防止することができる。
【0186】また、基板全体を加工しないので、手間を
省け、抵抗発熱体については、これを保護層等で覆うこ
とで密着強度をある程度確保できる。
【0187】請求項17の発明によれば、基板上に形成
されるガラスアンダーコートの膜厚が10μm以下の薄
い膜で低密度である。このために、基板上にガラスアン
ダーコートのペーストを印刷してから焼成する際に、A
lN基板がこの基板上の抵抗発熱体等の厚膜ペーストと
反応して発生するN2 ガスがこのガラスアンダーコート
を通して外部へ放出される放出量を増大させることがで
き、ガラスアンダーコート内ののN2 ガス量を減少させ
ることができる。このために、ガラスアンダーコートが
基板から剥離するのを抑制ないし防止することができ
る。このために、ガラスアンダーコートが基板から剥離
するのを抑制ないし防止することができる。
【0188】また、焼成後のガラスアンダーコートの密
度は高くなるので、その後の焼成工程においてAlN基
板にN2 ガスが発生しても、このN2 ガスの放出をガラ
スアンダーコートにより遮断するので、ガラスアンダー
コート上のパターンへのN2ガスの混入を抑制ないし防
止することができる。
【0189】請求項18の発明によれば、請求項1ない
し17のいずれか一記載の定着ヒータを有するので、こ
れらとほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の要部断面を示す図4
のI−I線切断部の要部端面図。
【図2】本発明の第2の実施形態の要部縦断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る定着ヒータの一
部切欠平面図。
【図4】図3の裏面図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る定着ヒータの要
部縦断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態を示す平面図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る定着ヒータの要
部縦断面図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る定着ヒータの変
形例の要部縦断面図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る定着ヒータの要
部縦断面図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る定着ヒータの
変形例の要部縦断面図。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る定着ヒータの
要部縦断面図。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る定着ヒータの
変形例の要部縦断面図。
【図13】本発明の第7の実施形態に係る定着ヒータの
要部縦断面図。
【図14】本発明の第8の実施形態に係る定着ヒータの
要部縦断面図。
【図15】本発明の第9の実施形態に係る定着ヒータの
要部縦断面図。
【図16】本発明の第10の実施形態に係る定着ヒータ
の要部縦断面図。
【図17】本発明の第11の実施形態に係る定着ヒータ
の要部縦断面図。
【図18】本発明の第12の実施形態に係る定着ヒータ
の要部縦断面図。
【図19】本発明の第13の実施形態に係る定着ヒータ
の要部縦断面図。
【図20】本発明の第13の実施形態に係る定着ヒータ
の変形例の要部縦断面図。
【図21】本発明の第14の実施形態に係る定着ヒータ
の要部縦断面図。
【図22】本発明の第15の実施形態に係る定着ヒータ
の要部縦断面図。
【図23】本発明の第16の実施形態に係る画像形成装
置の全体構成図。
【図24】図23で示す定着装置の縦断面図。
【符号の説明】
Ha〜Hr 定着ヒータ 1 AlN基板 1a 基板の表面 1b 基板の裏面 1c アルミナ層(酸化処理層) 1d ガラスアンダーコート 1e 粗面 2 抵抗発熱体 3a,3b 給電用端子部 4 オーバーコート層 5a,5b 一対の配線導体 7 サーミスタ 11 電子式複写機 12 筺体 13 カセット 14 画像形成部 15 定着装置 16 加圧ローラ 17 ホルダー P 複写用紙 T トナー像

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗発熱体が形成される一面の当該抵抗
    発熱体形成部およびその周辺の発熱領域と、その発熱領
    域の裏面とに酸化処理層を形成した窒化アルミニウムを
    主成分とする基板と;基板表面の酸化処理層上に形成さ
    れる厚膜の抵抗発熱体と;を具備していることを特徴と
    する定着ヒータ。
  2. 【請求項2】 少なくとも一面の一部を他面よりも粗面
    に形成した窒化アルミニウムを主成分とする基板と;基
    板の粗面上に形成される膜状の抵抗発熱体と;を具備し
    ていることを特徴とする定着ヒータ。
  3. 【請求項3】 少なくとも一面の一部が酸化処理される
    と共にその少なくとも一部が他面よりも粗面に形成され
    た窒化アルミニウムを主成分とする基板と;基板の酸化
    処理層上または粗面上に形成される厚膜の抵抗発熱体
    と;を具備していることを特徴とする定着ヒータ。
  4. 【請求項4】 酸化処理層は、基板表面の微小凹凸に沿
    って略均一な厚さで形成されていることを特徴とする請
    求項1〜3記載の定着ヒータ。
  5. 【請求項5】 窒化アルミニウムを主成分とする基板
    と;基板の一面上に形成される鉛の含有量が少ないかも
    しくは含有しないPbレスガラスを主成分とするガラス
    アンダーコートと;ガラスアンダーコートの表面上に形
    成される厚膜の抵抗発熱体と;を具備していることを特
    徴とする定着ヒータ。
  6. 【請求項6】 窒化アルミニウムを主成分とする基板
    と;基板の両面に形成される鉛の含有量が少ないかもし
    くは含有しないPbレスガラスを主成分とするガラスア
    ンダーコートと;基板の一面のガラスアンダーコート上
    に形成される厚膜の抵抗発熱体と;基板の他面のガラス
    アンダーコート上に形成される厚膜のサーミスタと;を
    具備し、抵抗発熱体が形成される基板の他面に形成され
    たガラスアンダーコートは、サーミスタの形成部分のみ
    に形成されることを特徴とする定着ヒータ。
  7. 【請求項7】 窒化アルミニウムを主成分とする基板
    と;基板の少なくとも一面に形成される鉛の含有量が少
    ないかもしくは含有しないPbレスガラスを主成分とす
    るガラスアンダーコートと;ガラスアンダーコート上に
    形成される厚膜の抵抗発熱体と;外周縁部をガラスによ
    り基板の一面またはガラスアンダーコート上に固着した
    抵抗発熱体に電気的に接続される一対の電極と;を具備
    していることを特徴とする定着ヒータ。
  8. 【請求項8】 少なくとも一面の一部が酸化処理される
    と共にその少なくとも一面の一部が他面よりも粗面に形
    成された窒化アルミニウムを主成分とする基板と;基板
    の粗面上に形成される鉛の含有量が少ないかもしくは含
    有しないPbレスガラスよりなるガラスアンダーコート
    と;ガラスアンダーコートの表面上に形成される厚膜の
    抵抗発熱体と;を具備していることを特徴とする定着ヒ
    ータ。
  9. 【請求項9】 ガラスアンダーコートのPbレスガラス
    の熱膨張係数が、基板と、ガラスアンダーコートを介し
    て基板上に形成される厚膜ペーストとの両熱膨張係数の
    中間値であることを特徴とする請求項5ないし8のいず
    れか一記載の定着ヒータ。
  10. 【請求項10】 ガラスアンダーコートのPbレスガラ
    スが前記ガラスよりも熱伝導性の高いフィラーを25〜
    35重量%含有していることを特徴とする請求項5ない
    し9のいずれか一記載の定着ヒータ。
  11. 【請求項11】 窒化アルミニウムを主成分とする基板
    と;基板上に形成されるガラス成分にフィラーを含有し
    ているガラスアンダーコートと;ガラスアンダーコート
    上に形成される抵抗発熱体と;を具備していることを特
    徴する定着ヒータ。
  12. 【請求項12】 一面または他面に被定着体を直接また
    は間接に摺動せしめる摺動面を形成させる摺動面形成部
    と抵抗発熱体に電気的に接続される電極を形成させる電
    極形成部とを有する窒化アルミニウムを主成分とする基
    板と;基板の少なくとも電極形成部に形成され摺動面形
    成部には形成されないフィラーを含有してなるガラスア
    ンダーコートと;基板の摺動面形成部またはこの摺動面
    形成部の裏面上に形成される厚膜の抵抗発熱体と;を具
    備していることを特徴とする定着ヒータ。
  13. 【請求項13】 一面に被定着体を直接または間接に摺
    動せしめる摺動面を形成させる摺動面形成部を有し、こ
    の摺動面形成部を有する一面を粗面に形成した窒化アル
    ミニウムを主成分とする基板と;基板の摺動面形成部を
    有する一面上に形成されこの一面より表面粗さの小さい
    ガラスアンダーコートと;ガラスアンダーコート上に形
    成される厚膜の抵抗発熱体と;を具備していることを特
    徴とする定着ヒータ。
  14. 【請求項14】 ガラスアンダーコートがPbレスガラ
    スよりなることを特徴とする請求項11ないし13のい
    ずれか一記載の定着ヒータ。
  15. 【請求項15】 一面に被定着体を直接または間接に摺
    動せしめる摺動面を形成させる摺動面形成部と抵抗発熱
    体に電気的に接続される電極を形成させる電極形成部と
    を有する窒化アルミニウムを主成分とする基板と;基板
    の電極形成部の表面粗さを摺動面形成部の表面粗さより
    も荒くしてなるガラスよりなるガラスアンダーコート
    と;ガラスアンダーコートの摺動面対向部上に形成され
    る抵抗発熱体と;を具備していることを特徴とする定着
    ヒータ。
  16. 【請求項16】 一面に被定着体を直接または間接に摺
    動せしめる摺動面を形成させる摺動面形成部と、抵抗発
    熱体に電気的に接続される電極を形成させる電極形成部
    とを有し、この摺動面形成部の表面粗さを電極形成部の
    表面粗さよりも細かくした窒化アルミニウムを主成分と
    する基板と;基板の摺動面形成部上に形成される厚膜の
    抵抗発熱体と;を具備していることを特徴とする定着ヒ
    ータ。
  17. 【請求項17】 窒化アルミニウムを主成分とする基板
    と;基板上に形成されて膜厚が10μm以下のガラスよ
    りなるガラスアンダーコートと;ガラスアンダーコート
    上に形成される厚膜の抵抗発熱体と;を具備しているこ
    とを特徴とする定着ヒータ。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし17のいずれか一に記
    載の定着ヒータおよびこの定着ヒータに圧接するように
    対向配置されて、この定着ヒータからの熱を被定着体の
    画像を形成しているトナーに作用させるとともに、この
    被定着体を搬送する加圧ローラを有する定着装置と;媒
    体に形成された静電潜像にトナーを付着させて反転画像
    を形成し、この反転画像を被定着体に転写して所定の画
    像を形成する手段と;を具備していることを特徴とする
    画像形成装置。
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