JP2002229352A - トナー定着用ヒータ、トナー定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

トナー定着用ヒータ、トナー定着装置、及び画像形成装置

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JP2002229352A
JP2002229352A JP2001021870A JP2001021870A JP2002229352A JP 2002229352 A JP2002229352 A JP 2002229352A JP 2001021870 A JP2001021870 A JP 2001021870A JP 2001021870 A JP2001021870 A JP 2001021870A JP 2002229352 A JP2002229352 A JP 2002229352A
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Japan
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substrate
glass
heater
temperature
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Shiro Ezaki
史郎 江崎
Ikue Karibe
幾恵 苅部
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速機への使用に適し、かつ、耐電圧性能に優
れ、万が一急激に昇温しても、異常な事態を招かないよ
うにしたトナー定着用ヒータを得ることにある。 【解決手段】 電気絶縁性基板25の一面に、厚膜印刷
により、抵抗発熱体26及びこの抵抗発熱体用の電極2
7と、これらの保護と電気絶縁のためのオーバーコート
ガラス28とを夫々被着してなる板状のトナー定着用ヒ
ータ21を前提とする。基板25を、Al203基板等
のアルミナ系基板よりも熱伝導率が良いAlN基板又は
Si3N4基板とする。オーバーコートガラス28にその
軟化点温度が750℃〜840℃のものを使用する。こ
のガラス28の膜厚を70μm〜100μmとしたこと
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子式複写機やフ
ァクシミリ等の電気機器において、トナーを定着させる
のに好適なトナー定着用ヒータ及びトナー定着装置並び
にこの定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置例えば電子式複写機では、
トナー画像を形成した記録紙を、板状のトナー定着用ヒ
ータとこれに対設した加圧ローラとで挟圧しながら、前
記ヒータと加圧ローラ間を通過させることにより、前記
ヒータの加熱で記録紙上のトナーを溶融させて定着す
る。
【0003】前記トナー定着用ヒータは、一般的に、電
気絶縁性基板の一面に、厚膜印刷により、抵抗発熱体及
びこの抵抗発熱体用の電極と、これらの保護と電気絶縁
のためのオーバーコートガラスとを夫々被着して形成さ
れている。
【0004】そして、一般的に、基板にはAl203等
のアルミナ系基板を使用し、オーバーコートガラスに
は、その焼成温度850℃よりもかなり低めの600℃
〜750℃の軟化点温度を有するPb(鉛)系のガラス
を使用している。しかも、このガラスの膜厚は、ガラス
材料の効率的使用及び膜形成のし易さを優先して50μ
m程度となっている。
【0005】ところで、電子式複写機等はその始動時等
の高速化が図られつつあり、高速化のために電子式複写
機等の消費電力は大きくなっている。そのため、この高
速機に前記従来のトナー定着用ヒータを用いる場合に
は、このヒータの昇温時に発生する熱応力も当然に大き
いから、それによってトナー定着用ヒータが割れる恐れ
が考えられる。
【0006】そこで、本発明者の研究により、前記従来
のトナー定着用ヒータの構成において、その基板にアル
ミナ系基板よりも熱伝導率が良い基板例えばAlN(窒
化アルミニューム)基板を用いて、温度上昇速度を高め
ることで、トナー定着用ヒータが熱応力で割れることを
防止できることを見出した。
【0007】しかし、既述のように高速化された電子式
複写機等の消費電力は大きいため、トナー定着用ヒータ
の温度が所定温度以上にならないように調節する温度ヒ
ューズやサーマルスイッチ等の温度検出素子(これは一
般の基板の裏面に装着されている。)が故障した時に
は、トナー定着用ヒータは急激に昇温する。そのため、
一般的に前記温度検出素子が故障した時にもトナー定着
用ヒータの温度が異常に高くならないように用意されて
いる安全回路がその機能を発揮する前に、トナー定着用
ヒータの温度がごく短時間で異常に上昇することがあ
る。
【0008】このような事態に至ると、軟化点温度が6
00℃〜750℃と低いオーバーコートガラスが、Al
N基板や抵抗発熱体等と化学反応を起こして、発泡やク
ラックや剥がれ等を発生し易くなるとともに、溶融する
こともある。こうして前記ガラスの絶縁破壊が起きる
と、基板上の導体(前記抵抗発熱体及び電極)と前記加
圧ローラとの間の耐電圧性能が低下して、両者間にスパ
ークが発生する。それにより、トナー定着用ヒータをそ
の裏面側から支持している合成樹脂製のホルダーや、ト
ナー定着用ヒータと加圧ローラとの間に記録紙とともに
挟み込まれる搬送用シートが、熱的損傷を被る恐れがあ
る。
【0009】以上のように従来のトナー定着用ヒータの
基板の材質を変えただけでは、消費電力が大きく高速化
された電子式複写機等には、通常の温度上昇では使用で
きるが、温度検出素子の故障時において安全回路が働く
前の段階で既述の不都合を生じる恐れがあるので、こう
した点を改善して高品質化を図ることが望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高速機への使用に適し、かつ、耐電圧性能
に優れ、万が一急激に昇温しても、異常な事態を招かな
いようにしたトナー定着用ヒータ、トナー定着装置、及
び画像形成装置を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明のトナー定着用ヒータは、Al
203基板よりも熱伝導率が良い電気絶縁性の基板と、
この基板の一面に被着された抵抗発熱体及びこの抵抗発
熱体用の電極と、軟化点温度が750℃〜840℃であ
って、前記抵抗発熱体及び電極を覆って前記基板の一面
に70μm以上の膜厚で被着されたオーバーコートガラ
スと、を具備したことを特徴としている。
【0012】この請求項1に係る発明において、電気絶
縁性の基板には、AlN(窒化アルミニューム)基板又
はSi3N4(窒化けい素)基板を好適に使用できるとと
もに、この基板上への抵抗発熱体、電極、及びオーバー
コートガラスの被着は、厚膜印刷等により実施できる。
又、請求項1に係る発明において、オーバーコートガラ
スは、1種類で作られるものに制約されずに複数種類の
ガラスを混ぜ合わせたものであっても使用できる。更
に、請求項1に係る発明において、オーバーコートガラ
スの膜厚は、使用するガラスの熱伝導率が高いほど必要
により70μm以上に厚くすることが可能であるが、Z
nO−SiO2(けい酸亜鉛)系、又はB203−Zn
O(ほう酸亜鉛)系、或はSiO2−Al203(アルミノ
シリケート)系を主成分とするガラスで、オーバーコー
トガラスを作る場合には、その膜厚を70μm〜100
μmとすればよく、実用的には80μm〜95μmの膜
厚とすることが望ましい。
【0013】請求項1に係る発明においては、使用する
基板の熱伝導率がAl203基板よりも良いから、始動
時等での素早い昇温に伴う熱応力に拘らずに、ヒータ割
れを生じることを防止できる。そして、オーバーコート
ガラスの膜厚が70μm以上であるから、抵抗発熱体に
大きな電力が印加されるにも拘らず、このガラスに必要
とされる耐電圧性能を確保できる。又、例えばトナー定
着用ヒータの温度過昇を防止する温度検出素子が故障し
た時等のように、急激に温度が上昇することがあって
も、オーバーコートガラスの軟化点温度が750℃〜8
40℃と高いので、このガラスと基板及び基板上の導体
との化学反応や、オーバーコートガラスが溶融すること
を抑制できる。それにより、前記故障に備えて用意され
た安全回路が働くまでに、オーバーコートガラスが異常
温度に到達する時間を遅らせることができる。
【0014】請求項2に係る発明のトナー定着用ヒータ
は、請求項1に記載のオーバーコートガラスを鉛レスガ
ラス又は無鉛ガラスとしたことを特徴としている。
【0015】この請求項2に係る発明において、鉛レス
ガラスとは鉛成分の含有率が微小で実質的に鉛成分を含
まないガラスであり、又、無鉛ガラスは鉛成分を全く含
まないガラスである。これらのガラスとしては、ZnO
−SiO2系、又はB203−ZnO系、或はSiO2−
Al203系を主成分とするガラスを好適に使用できる。
【0016】鉛成分が多い有鉛ガラスは、温度が高くな
るほど基板との化学反応速度が速くなり、特にAlN基
板やSi3N4基板等の窒化系基板との間では化学反応を
起こし易い。しかし、請求項2に係る発明において使用
するオーバーコートガラスは、鉛成分がないか実質的に
含まないので、基板との化学反応を抑制し易い。そのた
め、急激に温度が上昇した場合におけるオーバーコート
ガラスの発泡、クラック、剥がれ等を抑制して、耐電圧
性能を維持し易い。
【0017】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載のオーバーコートガラスに無機酸化物を1%〜10
%添加したことを特徴としている。
【0018】この請求項3に係る発明において、無機酸
化物は、オーバーコートガラスの主成分よりも高融点の
ものを使用し、又、粒状や繊維状等の無機酸化物を使用
することが望ましい。
【0019】この請求項3に係る発明においては、添加
された無機酸化物がオーバーコートガラス全体に分散し
て、このガラスの強度を高めているので、オーバーコー
トガラスの見かけ上の軟化点温度を向上できるに伴い耐
電圧性能を向上できる。
【0020】又、前記課題を解決するために、請求項4
に係る発明に係るトナー定着装置は、前記請求項1〜3
の内のいずれか1項に記載のトナー定着用ヒータと、こ
の定着用ヒータとの間に記録紙を挟んでこの紙を搬送す
るように前記トナー定着用ヒータに対して設置された加
圧ローラと、を具備したことを特徴としている。
【0021】この請求項4に係る発明においては、請求
項1〜3の内のいずれか1項に記載のトナー定着用ヒー
タを備えるので、これら請求項1〜3の内のいずれか1
項に係る発明と同様な作用を発揮できる。
【0022】又、前記課題を解決するために、請求項5
に係る発明に係る画像形成装置は、記録紙にトナーを付
着させる画像形成手段と、前記記録紙にトナーを定着さ
せる前記請求項4に記載のトナー定着装置と、具備した
ことを特徴としている。
【0023】この請求項5に係る発明の画像形成装置
は、トナーによる画像の形成を行なう装置、例えば電子
式複写機やファクシミリ等として実施できる。
【0024】この請求項5に係る発明の画像形成装置に
よれば、請求項4に係る発明のトナー定着装置を備える
ので、この請求項4に係る発明と同様な作用によるトナ
ー定着で画像の形成を行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照して本発
明の一実施形態を説明する。
【0026】図1は画像形成装置の一例である電子式複
写機1の構成を概略的に示しており、この複写機1は、
消費電力が大きく、それにより、その始動時等の高速化
が図られているものであって、筐体2の上面に設けた透
明ガラス板などの透明部材からなる原稿載置台3を、図
1中矢印A,B方向に往復移動させて原稿4を走査する
ように構成されている。複写機1の筐体2内には、記録
紙Pに静電的手段によってトナーを付着させてトナー像
を形成する画像形成手段20と、記録紙Pにトナーを定
着させるトナー定着装置14とが設けられている。
【0027】詳しくは、筐体2内の上部には光照射用の
ランプ5が設けられ、このランプ5により照射された原
稿4からの反射光線が、短焦点小径結像素子アレイ6に
よって感光ドラム7上に露光される。感光ドラム7は、
その表面に例えば酸化亜鉛又は有機半導体等からなる感
光層を有しており、図1中矢印C方向に回転される。
【0028】この感光ドラム7の近傍には、前記感光層
を一様に帯電させる帯電器8が配置され、この帯電器8
により帯電された感光ドラム7には、前記アレイ6によ
る画像露光が施されて静電画像が形成される。この静電
画像は、感光ドラム7の近傍に配置された現像器9によ
る加熱で軟化溶融する樹脂等からなるトナーを用いて顕
像化される。
【0029】筐体2に付設されている給紙カセット10
内に収容されている記録紙Pは、給送ローラ11と、感
光ドラム7上の画像形成と同期するタイミングで上下さ
れてその下降時に給送ローラ11に圧接して回転される
搬送ローラ12によって、感光ドラム7とその近傍に配
置されている転写放電器13との間に送り込まれる。こ
の送り込みにより、感光ドラム7上に形成されているト
ナー像が転写放電器13によって記録紙Pの一面上に転
写される。
【0030】感光ドラム7と転写放電器13との間を通
過した記録紙Pは、筐体2内に配置されたトナー定着装
置14に用紙ガイド15を介して導かれ、この装置14
で加熱による定着処理された後に、筐体2に付設されて
いる排紙トレイ16に排出される。
【0031】なお、既述のようにトナー層が記録紙Pに
転写された後、感光ドラム7の表面に付着している残留
トナーは、感光ドラム7の近傍に配置されたクリーナ1
7によって除去される。前記ランプ5、結像素子アレイ
6、感光ドラム7、帯電器8、現像器9、転写放電器1
3、及びクリーナ17等により画像形成手段20が構成
されている。
【0032】次に、前記トナー定着装置14について図
2及び図3を参照して説明する。この装置14は、板状
のトナー定着用ヒータ21と、加圧ローラ22と、搬送
用シート23とを具備している。なお、搬送用シート2
3は省略してもよい。
【0033】トナー定着用ヒータ21は、基板25、抵
抗発熱体26、電極27、及びオーバーコートガラス2
8を備えている。
【0034】基板25は、帯状の平板形状をなし、Al
N又はSi3N4で作られている。AlN又はSi3N4の
熱伝導率は従来一般的に使用されているアルミナ系の基
板の熱伝導率よりも高い。基板25はその長手方向を記
録紙Pの搬送方向と直交する姿勢で、かつ、記録紙P上
に転写されているトナー像がある面とは反対側の面に対
向するように配置される。
【0035】抵抗発熱体26及び電極27は、いずれも
Ag・Pd(銀・パラジウム)系合金、又はPdを含ま
ないAg系合金及びAg・Pt(銀・白金)系合金を主
成分とする導電体(導体)であって、前記材料を主成分
とした導電ペーストを、スクリーン印刷法により基板2
5の一面に厚膜印刷した後に約850℃の高温で焼成し
て形成されたものである。図2に示すように基板25の
長手方向両端部に夫々設けられた一対電極27は、抵抗
発熱体26の両端を被覆するように形成されて、この抵
抗発熱体26に一体に接続される。この電極27をなす
導電ペーストには、抵抗発熱体26の導電ペーストより
もPd(パラジウム)の含有率が小さく電気抵抗値が小
さいものが使用される。
【0036】オーバーコートガラス28は、抵抗発熱体
26及び電極27を覆って基板25の前記一面に被着さ
れている。このガラス28も、ガラスペーストを前記一
面にスクリーン印刷法により厚膜印刷した後に約850
℃の高温で焼成して形成されたものである。
【0037】オーバーコートガラス28は、その軟化点
温度が750℃〜840℃である鉛レスガラス又は無鉛
ガラスで形成されている。こうしたガラスとして、コス
トが廉価であることが知られているZnO−SiO2系
ガラス、B203−ZnO系ガラス、及びSiO2−A
l203)系ガラスのいずれかを主成分とするガラスを用
いることができ、又はこれらのガラスを2種以上混ぜ合
わせて用いてもよい。
【0038】鉛レスガラス又は無鉛ガラスは、鉛成分が
ないか実質的に含まないので、基板25との化学反応を
抑制し易く、この点でトナー定着用ヒータ21の温度が
何らかの原因で短時間の内に急激に温度が上昇した場合
に、オーバーコートガラス28の発泡、クラック、剥が
れ等を抑制し易くできるという優れた利点を有する。な
お、これに対して鉛成分が多い有鉛ガラスは、温度が高
くなるほどAlN基板やSi3N4基板等の窒化系基板と
の化学反応速度が速くなって、化学反応を起こし易いの
で、高速複写機1の品質保持上において実用上問題があ
る。又、鉛レスガラス又は無鉛ガラスは、製造段階や商
品廃棄の段階等での環境対策上有利であることは良く知
られている通りである。
【0039】しかも、オーバーコートガラス28には、
そのガラス主成分よりも高融点の無機酸化物を粒状とし
た添加物が1%〜10%添加されている。この添加物
は、完全に溶融することなくオーバーコートガラス28
全体に分散して、このガラス28の強度を高めている。
そのため、オーバーコートガラス28の見かけ上の軟化
点温度を向上させて、このガラス28の耐電圧性能を向
上に寄与している。
【0040】このオーバーコートガラス28の膜厚は7
0μm以上にしてあり、取分け前記3種のガラスを使用
する場合には、その膜厚が70μm〜100μm、好ま
しくは80μm〜95μmとなるように形成するとよ
い。前記抵抗発熱体26の真上に位置するオーバーコー
トガラス28の幅方向中央部分は、図3に示すように、
前記中央部分に隣接する両側縁部分に対して段部を作る
ように突出した凸部28aをなしていて、この凸部28
aの先端面には深さ約1μmの溝部28bが形成されて
いる。これら凸部28a及び溝部28bはいずれも基板
25の長手方向に延びている。このように凸部28aを
設けた構成は、通過する記録紙Pの移動に対する抵抗を
小さくしつつ、必要なトナー定着用の加熱ができる点で
有利である。又、溝部28bを設けた構成は、定着され
るトナーの加熱し過ぎや潰し過ぎを抑制して、定着品質
を向上できる点で有利である。
【0041】図3に示すように前記構成のトナー定着用
ヒータ21は、その裏面側からホルダー29で支持され
ている。このホルダー29は、耐熱性の合成樹脂製でか
つ断面略円形であって、その上部に前記ヒータ21の基
板25を埋め込んでいる。又、図2中30は、基板25
の裏面に装着されたトナー定着用ヒータ21の温度が所
定温度以上に上がらないように調節する温度ヒューズや
サーマルスイッチ及びサーミスタ等の温度検出素子であ
る。この温度検出素子30もまたホルダー29に埋め込
まれている。なお、前記筐体2内には、温度検出素子3
0が万が一故障した時に備えて、この際にもトナー定着
用ヒータ21の温度が異常に上昇しないようにするため
に安全回路(図示しない)が内蔵されている。
【0042】前記構成のトナー定着用ヒータ21の真上
に対設された加圧ローラ22は、図2及び図3に示すよ
うにトナー定着用ヒータ21の溝部28bと平行な回転
軸31を有し、この回転軸31に円筒形状のローラ本体
32を取付け、更に、この本体32の周面を被覆層33
で覆って構成されている。回転軸31は図示しない駆動
源から回転動力が適宜伝達される。又、被覆層33は、
耐熱性弾性材例えばシリコーンゴム等からなり、トナー
定着用ヒータ21の凸部28aに軽く接触している。
【0043】又、前記搬送用シート23は、耐熱性材料
例えばポリイミド樹脂等のシート材料から無端環状に形
成されていて、その内側にトナー定着用ヒータ21を収
容して設けられている。このシート23の一部が前記ヒ
ータ21の凸部28aと加圧ローラ22の被覆層33と
で挟まれるので、搬送用シート23は加圧ローラ22の
回転に追従して連れ回りする。したがって、記録紙Pは
搬送シート23とともにトナー定着用ヒータ21と加圧
ローラ22との間に挟まれて、これらの間を挿通して排
紙トレイ16に向けて搬送される。
【0044】前記構成のトナー定着装置14は、そのト
ナー定着用ヒータ21の両電極27間に電圧を印加する
ことにより、抵抗発熱体26を抵抗発熱させ、その熱を
オーバーコートガラス28の表面に伝える。このガラス
28の表面温度は例えば200℃に高められる。それに
より、搬送用シート23を介して記録紙Pを加熱して、
この記録紙P上のトナーを定着させることができる。
【0045】ところで、消費電力が大きい高速複写機1
用の前記トナー定着装置14は、その基板25に良熱伝
導性のAlN基板又はSi3N4基板を用いているから、
始動時等におけるトナー定着装置14の素早い昇温時
に、そのトナー定着用ヒータ21に発生する熱応力に拘
らず、このヒータ21に割れを発生する恐れが少ない。
【0046】更に、トナー定着用ヒータ21のオーバー
コートガラス28に軟化点温度が750℃〜840℃と
高いガラスを70μm〜100μmの膜厚にして用いた
から、温度検出素子30が故障した場合にトナー定着用
ヒータ21の温度が急激に上昇することがあっても、オ
ーバーコートガラス28が異常な温度に到達する時間を
遅らせることができる。それにより、前記故障に伴い図
示しない安全回路が働くまでに、オーバーコートガラス
20が溶融する等の異常温度に到達することがなくな
り、それ以前に前記安全回路を働かせて、トナー定着用
ヒータ21への通電を断つことができる。
【0047】したがって、以上のような事態でも、オー
バーコートガラス28の溶融による絶縁破壊が起きて、
加圧ローラ22のローラ本体32と抵抗発熱体26等の
導体との間にスパークが発生するということがないか
ら、前記スパークを原因とする前記ホルダー29や搬送
用シート23が、前記安全回路が働く前に熱的損傷を被
る恐れをなくすことができる。
【0048】なお、軟化点温度が750℃〜840℃の
オーバーコートガラス28の膜厚を70μm未満例えば
50μmとした場合には、前記温度検出素子30の故障
に伴う短時間内での急激な温度上昇により、オーバーコ
ートガラス28にピンホールが発生し、抵抗発熱体26
等の導体と加圧ローラ22のローラ本体32との間の電
気絶縁性(耐電圧性能)が損なわれることが本発明者が
行った試験により確かめられた。この例で代表されるよ
うに膜厚を70μm未満とする場合には十分な耐電圧性
能を得ることができない。又、膜厚が100μmを超え
る場合には、オーバーコートガラス28の表面がトナー
定着に必要な所定温度に達するまでの時間が長くなり、
高速応答性を低下させるので、この点において実用上好
ましくはない。しかし、膜厚100μmまではオーバー
コートガラス28の表面温度を速やか上昇させ易く、実
用上は所望とする高速応答性を得ることができる。
【0049】又、膜厚50μm程度で必要な耐電圧性能
を得るためには、軟化点温度が750℃未満のオーバー
コートガラスを用いて、これを緻密な被膜に形成する必
要がある。しかし、この場合には、オーバーコートガラ
スの形成に手間が掛かる他、温度検出素子30の故障に
伴い前記安全回路が働く前に、オーバーコートガラスが
溶融して絶縁破壊が起きるから、加圧ローラ22のロー
ラ本体32との間にスパークが発生してしまう。しか
も、以上のように軟化点温度が750℃未満では、基板
25及び導体とオーバーコートガラスとの化学反応が起
こり易く、その反応により、オーバーコートガラスに発
泡、クラック、剥がれ等を生じて、これまた前記スパー
クの発生原因となる。
【0050】しかし、既述のようにオーバーコートガラ
ス28の軟化点温度を750℃〜840℃、その膜厚を
70μm以上とした構成のトナー定着用ヒータ21で
は、以上のような不都合がない。すなわち、温度検出素
子30の故障に伴いトナー定着用ヒータ21の温度が短
時間内で急激に上昇しても、安全回路が働く前にオーバ
ーコートガラス28が溶融することがなくなり、又、軟
化点温度が高いことでオーバーコートガラス28と基板
25及び前記導体との化学反応も起こりずらく、安定し
たトナー定着用ヒータ21及びトナー定着装置14とで
きる。したがって、これらトナー定着用ヒータ21及び
トナー定着装置14及びそれを搭載した複写機1の品質
を高めることができる。なお、オーバーコートガラス2
8の軟化点温度が840℃より高過ぎると、この場合に
は耐電圧性能が低くなってしまう。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0052】請求項1に係る発明によれば、素早い昇温
に伴う熱応力によるヒータ割れの発生を防止できるの
で、高速機への使用に適する。そして、オーバーコート
ガラスの膜厚を70μm以上として、このガラスの耐電
圧性能を確保できるとともに、オーバーコートガラスの
軟化点温度が750℃〜840℃として、この発明のト
ナー定着用ヒータの温度過昇を防止する温度検出素子の
故障に備えて用意される安全回路が働くまでに、前記ヒ
ータが異常温度に到達しないように時間を稼げるので、
前記故障等により万が一急激に昇温することがあって
も、前記安全回路が働くまでに異常な事態を招くことを
防止できるトナー定着用ヒータを提供できる。
【0053】請求項2に係る発明によれば、急激に温度
が上昇した場合におけるオーバーコートガラスと基板及
び導体との化学反応を抑制して、オーバーコートガラス
の発泡、クラック、剥がれ等を抑制できるから、万が一
急激に昇温することがあっても、異常な事態を招くこと
を防止できるトナー定着用ヒータを提供できる。
【0054】請求項3に係る発明によれば、オーバーコ
ートガラスに添加された無機酸化物により、このガラス
の強度を高めたので、オーバーコートガラスの耐電圧性
能を向上でき、したがって、万が一急激に昇温すること
があっても、異常な事態を招くことを防止できるトナー
定着用ヒータを提供できる。
【0055】請求項4に係る発明によれば、請求項1〜
3の内のいずれか1項に記載のトナー定着用ヒータを備
えるので、これら請求項1〜3の内のいずれか1項に係
る発明と同様な効果を奏する高品質なトナー定着用装置
を提供できる。
【0056】請求項5に係る発明によれば、請求項4に
係る発明のトナー定着装置を備えるので、この請求項4
に係る発明と同様な効果を奏する高品質な画像形成装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子式複写機の構成
を示す略断面図。
【図2】図1の複写機が備えるトナー定着装置のトナー
定着用ヒータを一部を切欠して示す正面図。
【図3】図1の複写機が備えるトナー定着装置を示す断
面図。
【符号の説明】
1…電子式複写機(画像形成装置) 15…トナー定着装置 20…画像形成手段 21…トナー定着用ヒータ 22…加圧ローラ 23…搬送用シート 25…基板 26…加圧ローラ 27…電極 28…オーバーコートガラス 29…ホルダー 30…温度検出素子 P…記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA20 AA23 BA11 BA25 BB18 BB22 BB26 BE03 3K034 AA02 AA08 AA10 AA16 AA34 AA37 BA05 BA14 BA15 BB06 BB14 BC04 BC12 CA02 CA14 CA22 CA27 CA32 DA05 HA10 JA10 3K058 AA11 BA18 CA12 CA23 CA61 DA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al203基板よりも熱伝導率が良い電
    気絶縁性の基板と、 この基板の一面に被着された抵抗発熱体及びこの抵抗発
    熱体用の電極と、 軟化点温度が750℃〜840℃であって、前記抵抗発
    熱体及び電極を覆って前記基板の一面に70μm以上の
    膜厚で被着されたオーバーコートガラスと、を具備した
    ことを特徴とするトナー定着用ヒータ。
  2. 【請求項2】 前記オーバーコートガラスを鉛レスガラ
    ス又は無鉛ガラスとしたことを特徴とする請求項1に記
    載のトナー定着用ヒータ。
  3. 【請求項3】 前記オーバーコートガラスに無機酸化物
    を1%〜10%添加したことを特徴とする請求項1又は
    2に記載のトナー定着用ヒータ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜3の内のいずれか1項に
    記載のトナー定着用ヒータと、 この定着用ヒータとの間に記録紙を挟んでこの紙を搬送
    するように前記トナー定着用ヒータに対して設置された
    加圧ローラと、を具備したことを特徴とするトナー定着
    装置。
  5. 【請求項5】 記録紙にトナーを付着させる画像形成手
    段と、 前記記録紙にトナーを定着させる前記請求項4に記載の
    トナー定着装置と、具備したことを特徴とする画像形成
    装置。
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JP2007305512A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Yamatake Corp Led照明装置

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