JPH08129312A - 定着ヒータ,定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着ヒータ,定着装置および画像形成装置

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Publication number
JPH08129312A
JPH08129312A JP26720494A JP26720494A JPH08129312A JP H08129312 A JPH08129312 A JP H08129312A JP 26720494 A JP26720494 A JP 26720494A JP 26720494 A JP26720494 A JP 26720494A JP H08129312 A JPH08129312 A JP H08129312A
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JP
Japan
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substrate
thermistor
resistance heating
heating element
fixing heater
Prior art date
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Application number
JP26720494A
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English (en)
Inventor
Akihiro Wakabayashi
昭博 若林
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】サーミスタへの熱伝導性を向上させて抵抗発熱
体の温度制御の応答性を早めると共に、スルーホール形
成工程を省略することができるようにする。 【構成】少なくとも表面11aが耐熱性電気絶縁材料に
よりなる基板11と、この基板11の表面11a上に形
成される抵抗発熱体12と、抵抗発熱体12の温度を検
出するサーミスタ17とを有する。サーミスタ17を基
板表面11aに埋設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、OA機器,家庭用電
気機器や精密製造設備などの小形機器類に装着されて用
いられる薄形の定着ヒータおよびこの定着ヒータを実装
した複写機やファクシミリなどのトナー定着に用いられ
る定着装置ならびにこの定着装置を用いた画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子式複写機においては、トナ
ー画像を形成した複写用紙を定着用の板状ヒータと加圧
ローラとの間を直接または耐熱シートを介して間接に挟
圧しながら通過させ、このヒータの加熱によって複写用
紙上のトナーが加熱,溶融し定着するようになってい
る。
【0003】この種の従来の定着ヒータとしては例えば
図6に示すように構成されたものが実用化されている。
この定着ヒータHはアルミナ(Al2 3 )セラミック
スなどからなる細長の耐熱性・電気絶縁性基板1の表面
1a上に、銀・パラジウム合金(Ag・Pd)粉末など
をガラス粉末(無機結着剤),有機結着剤と混練して調
合したペーストを印刷塗布して焼成し、例えば細長い帯
状厚膜の抵抗発熱体2を例えば厚膜印刷等により形成し
ている。
【0004】この抵抗発熱体2はその一端部(図6では
右端部)2aに、銀あるいは銀・白金(Ag・Pt)合
金,銀・パラジウム合金(Ag・Pd)等の良導電体か
らなる膜を形成して一対の表面側給電端子部3aを構成
する一方、抵抗発熱体2の他端部(図6では左端部)2
bに例えば平面L字状の良導電体の膜からなる表面側導
体パターン4を接続し、この表面側導体パターン4の先
端部にはスルーホール5を形成し、このスルーホール5
の表面側5aと電気的に接続している。
【0005】スルーホール5は基板1を表裏方向に貫通
しており、その裏面側5bを、基板1の裏面1b上に形
成された細長い裏面側導体パターン6の図6中左端部に
電気的に接続している。裏面側導体パターン6は基板裏
面1bの図中右端部まで延出して、基板表面1a側の表
面側給電端子部3aに少なくとも一部が対応する箇所に
て裏面側給電端子部3bを形成しており、これら表裏両
側の給電端子部3a,3bを形成している基板1の一端
側からのみ図示しないコネクタを介して抵抗発熱体2に
通電するようになっている。
【0006】そして、抵抗発熱体2と表面側導体パター
ン4と表面側給電子部3aの一部の外表面を保護層であ
るガラス質のオーバーコート層7で被覆して、耐摩耗性
や耐衝撃性などの機械的強度の向上および硫化や酸化等
からの耐蝕保護と加圧ローラ等との電気的絶縁を図って
いる。このオーバーコート層7の上面上には例えばトナ
ー像を形成した複写用紙Pが図中矢印に示すようにin
からoutへ向けて摺動し、加熱されてトナー像を複写
用紙Pに定着させるようになっている。
【0007】また、基板1の裏面1b上には銀(A
g)、銀・白金(Ag・Pt)合金、銀・パラジウム
(Ag・Pd)合金などの良導電体の膜からなる一対の
配線導体8a,8bが形成され、これら配線導体8a,
8bの一端部に、抵抗発熱体2の温度検出素子としての
チップ形状のサーミスタ9を電気的に接続している。
【0008】サーミスタ9は図7に示すように基板裏面
1bのほぼ中央部に形成された平面角形の凹部1c内に
収容され、この凹部1cの内底面に、熱伝導性接着剤1
0aにより熱伝導可能に基板1に固着されている。ま
た、サーミスタ9の図中左右一対の電極9a,9bを電
気導伝性接着剤10bにより一対の配線導体8a,8b
に固着すると共に電気的に接続し、これらの外面上をポ
リイミド樹脂やエポキシ樹脂、またはシリコーン等の接
着剤10cにより被覆して、これらの外面を保護すると
共に、サーミスタ9の基板11への固着力の確実化を図
っている。
【0009】サーミスタ9は抵抗発熱体2の温度を、基
板表面1a上の図中左右一対の温度センサ端子部9a,
9bを介して検出し、この検出温度信号を図示しない温
度制御回路にフィードバックして抵抗発熱体2に印加す
る電力を制御することにより、抵抗発熱体2を一定温度
に保持するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の定着ヒータHでは、サーミスタ9を基板裏面
1bに実装しているために、このサーミスタ9の配線導
体8a,8bをスルーホール8a,8bを介して基板表
面1aの一対のセンサ端子部9a,9bに電気的に接続
する必要がある。このために、これらスルーホール8
a,8bを形成する必要があり、定着ヒータH製造の工
程数が増えるという問題がある。
【0011】また、基板1の厚みの分だけ、抵抗発熱体
2からサーミスタ9への熱伝導が遅れるので、サーミス
タ9による抵抗発熱体2の温度制御が遅くなるという課
題がある。
【0012】そこで本発明はこのような事情を考慮して
なされたもので、その目的は、サーミスタへの熱伝導性
を向上させて抵抗発熱体の温度制御の応答性を早めると
共に、スルーホール形成工程を省略することができる定
着ヒータ,定着装置および画像形成装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために次のように構成される。
【0014】本願の請求項1に記載の発明(以下、第1
の発明という)は、少なくとも表面が耐熱性電気絶縁材
料により構成される基体と、この基体の表面上に形成さ
れる抵抗発熱体と、この抵抗発熱体の温度を検出するサ
ーミスタと、を有する定着ヒータにおいて、前記基体表
面に凹部を形成し、この凹部内に前記サーミスタを収容
して固着したことを特徴とする。
【0015】また、本願の請求項2に記載の発明(以
下、第2の発明という)は、少なくとも表面が耐熱性電
気絶縁材料により構成される基板と、前記基板の一面上
に形成される抵抗発熱体と、前記基板の一面上に形成さ
れ前記抵抗発熱体に並設された一対の導体パターンと、
前記基板の一面の一対の前記導体パターンの間に形成さ
れた凹部と、前記凹部に内に固着され前記一対の導体パ
ターンのそれぞれの近傍に電極を有するサーミスタと、
前記一対の導体パターンと前記電極とを電気接続する電
気接続手段と、を有することを特徴とする。
【0016】さらに、本願の請求項3に記載の発明(以
下、第3の発明という)は、基体が円筒状もしくは円柱
状に形成されていることを特徴とする特徴とする。
【0017】さらにまた、本願の請求項4に記載の発明
(以下、第4の発明という)は、基体が平板状に形成さ
れていることを特徴とする。
【0018】また、本願の請求項5に記載の発明(以
下、第5の発明という)は、サーミスタに電気的に接続
される配線の引廻しを、基体表面上に形成される膜状導
体により構成していることを特徴とする。
【0019】さらに、本願の請求項6に記載の発明(以
下、第6の発明という)は、基体表面上のサーミスタを
実装する領域以外であって、少なくとも抵抗発熱体の外
面を保護層により被覆したことを特徴とする。
【0020】さらにまた、本願の請求項7に記載の発明
(以下、第7の発明という)は、請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の定着ヒータと、加圧ローラとを対向配置
したことを特徴とする。
【0021】さらにまた、本願の請求項8に記載の発明
(以下、第8の発明という)は、請求項6記載の定着装
置を具備していることを特徴とする。
【0022】
【作用】
〈第1,第2の発明〉抵抗発熱体を形成している基体
(基板)表面側にサーミスタを実装しているので、抵抗
発熱体からサーミスタへの熱伝導を速めることができ
る。このために、抵抗発熱体の温度制御の応答性を速め
ることができるうえに、スルーホール形成工程を省略す
ることができるので、定着ヒータ製造効率を良好にする
ことができる。
【0023】また、サーミスタを基体(基板)凹部内に
収容するので、サーミスタが基体(基板)表面から突出
するのを防止することができ、被定着体等の搬送を妨げ
ることがなく、また、定着ヒータの薄型軽量化を図るこ
とができる。
【0024】〈第3,第4の発明〉本発明は上記したよ
うにスルーホールを必要としないので、スルーホールを
形成することが極めて困難な円筒状または円柱状の基体
にも非常に容易に適用することができるうえに、平板状
基体(基板)にも容易に適用することができ、本発明の
適用範囲を容易に拡大することができる。
【0025】〈第5の発明〉サーミスタ用配線も基体表
面に形成するので、このサーミスタ用配線を抵抗発熱体
等と共に厚膜印刷等により一括して基体表面に形成する
ことができ、定着ヒータ製造効率を高めることができ
る。
【0026】〈第6の発明〉少なくとも抵抗発熱体の外
面を保護層により被覆するので、抵抗発熱体の外面を電
気的,機械的に防護することができる。
【0027】また、サーミスタ実装領域には保護層を形
成しないので、サーミスタの放熱性を向上させることが
でき、ひいては基体加熱の立上げと立下げの迅速性を高
めることができる。
【0028】さらに、保護層の厚さ分だけサーミスタが
定着ヒータの平滑面から遠ざかるので、平滑搬送される
被定着体等がサーミスタにより傷付けられるのを防止で
きる。
【0029】〈第7,第8の発明〉定着装置と画像形成
装置は、上記したように温度制御の応答性が速いうえ
に、基体(基板)加熱の立上げと立下げの迅速性の高い
定着ヒータを使用しているので、これら定着性能で優れ
た定着装置と画像形成装置とを提供することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図5に基づい
て説明する。なお、図1〜図5中、同一または相当部分
には同一符号を付している。
【0031】図1は本発明に係る定着ヒータの一実施例
の表面と裏面とをそれぞれ示す平面図であり、この図に
示すように、定着ヒータHAは、耐熱性・電気絶縁性材
料の例えばアルミナ(Al2 3 )セラミックスからな
る長さ約300mm,幅約8mm,厚さ約0.6〜約1mmの
大きさの細長の基板11の表面11a上に、その長手方
向に沿って、例えば長さ約230mm,厚さ約10μmの
銀・パラジウム(Ag・Pd)合金やニッケル・錫(N
i・Sn)合金等を主体とする直状膜状の抵抗発熱体1
2を形成している。
【0032】この抵抗発熱体12はその一端部(図1で
は右端部)12aに銀あるいは銀・白金(Ag・Pt)
合金,銀・パラジウム合金(Ag・Pd)等の良導電体
からなる膜を形成して表面側給電端子部13aを構成す
る一方、抵抗発熱体12の他端部(図1では左端部)1
2bにスルーホール14を形成し、このスルーホール1
4の表面側14aと電気的に接続している。
【0033】スルーホール14は基板11を表裏方向に
貫通しており、その裏面側14bを、基板11の裏面1
1b上に形成された細長い裏面側導体パターン15の図
1中左端部に電気的に接続している。裏面側導体パター
ン15は基板裏面11bの図中右端部まで延出して、基
板表面11a側の表面側給電端子部13aに少なくとも
一部が対応する箇所にて裏面側給電端子部13bを形成
しており、これら表裏両側の給電端子部13a,13b
を形成している基板11の一端側からのみ図示しないコ
ネクタを介して抵抗発熱体12に通電するようになって
いる。
【0034】そして、基板表面11aの長手方向中間部
には図2でも示す図中上面開口の例えば平面角形の収容
凹部16を形成しており、この収容凹部16内にはサー
ミスタ17を収容している。
【0035】サーミスタ17は抵抗発熱体12の温度
を、基板11を介して検出し、この検出温度信号を図示
しない温度制御回路にフィードバックして抵抗発熱体1
2に印加する電力を制御することにより、抵抗発熱体1
2を一定温度に保持するものである。
【0036】そして、サーミスタ17は収容凹部16の
内底面に、熱伝導性接着剤18aにより、熱伝導可能に
固着され、サーミスタ17の図2中上面に形成された減
温部17aの両側の左右一対の電極17b,17cを電
気導伝性接着剤18bにより、その左右の表面側配線導
体19a,19bの各内端部上に固着すると共に電気的
に接続している。
【0037】一方の表面側配線導体19aは基板表面1
1a上の図1中、左端部まで延びて例えば矩形の良導電
体膜よりなる表面側サーミスタ端子19cに機械的かつ
電気的に接続されている。他方の表面側配線導体19b
は図1中、右側方へ若干延びて終端し、この終端部上に
はスルーホールhを形成している。スルーホールhはそ
の裏面側hb を、基板裏面11bの良導電体膜よりなる
裏面側配線導体19eの図1中右端部に穿設して電気的
に接続している。裏面側配線導体19eは基板裏面11
b上の図1中左端部まで延びて例えば平面矩形の裏面側
サーミスタ端子19dに機械的かつ電気的に接続されて
いる。
【0038】そして、サーミスタ17の実装領域を除
く、抵抗発熱体12および表面側配線導体19a,19
bのほぼ全外面と、表面側給電子部13aの一部の外表
面を保護層であるガラス質のオーバーコート層20で被
覆して、耐摩耗性や耐衝撃性などの機械的強度の向上お
よび硫化や酸化等からの耐蝕保護と加圧ローラ等との電
気的絶縁を図っている。このオーバーコート層20の上
面上には例えばトナー像を形成した複写用紙Pが図中矢
印に示すようにinからoutへ向けて摺動し、加熱さ
れてトナー像を複写用紙Pに定着させるようになってい
る。
【0039】したがって本実施例によれば、抵抗発熱体
を形成している基板表面11a側にサーミスタ17を実
装しているので、抵抗発熱体12からサーミスタ17へ
の熱伝導を速めることができる。このために、図示しな
い温度制御回路による抵抗発熱体12の温度制御の応答
性を速めることができる。
【0040】また、サーミスタ17を基体11の凹部1
6内に収容して固着するので、サーミスタ17が基体表
面11aから突出するのを防止することができ、定着ヒ
ータHAの薄型軽量化を図ることができる。
【0041】図3は本発明の他の実施例の平面図であ
り、この定着ヒータHBは、上記実施例により基板裏面
11bに設けた裏面側給電端子部13bと、裏面側配線
導体19cおよびその裏面側サーミスタ端子19dと
を、絶縁性基体11cの表面11dに設けて、裏面側導
体パターン15を省略することにより、これらを基板裏
面には全く設けない点に特徴がある。
【0042】つまり、定着ヒータHBは少なくとも外表
面を耐熱性,電気絶縁材料により形成した基板11cの
基板表面11dのみに所要形状の抵抗発熱体12cおよ
びその一対の給電端子部13c,13dと、サーミスタ
17dおよびその収容凹部16a、一対の配線導体19
f,19g、ならびにその一対のサーミスタ端子19
h,19i,オーバーコート層20aを設けている。
【0043】したがって、この定着ヒータHBによれ
ば、基板裏面には配線導体等何らも設けないので、スル
ーホールが不要になり、スルーホール印刷工程を省略す
ることができる。
【0044】また、この定着ヒータHBによれば、基板
裏面に、配線導体等を設けないので、上記基板11cを
円筒状または円柱状の耐熱性電気絶縁材料よりなるロー
ラ状基体に置換することができる。
【0045】つまり、耐熱性・電気絶縁性基体を回転自
在のローラに構成する場合には、その裏面である内周面
に配線導体を形成したり、スルーホールを形成すること
は非常に困難であり、あるいは工程数が増加して製造効
率が著しく低下するが、本実施例の定着装置HBによれ
ば、基板裏面には配線導体やスルーホール等を形成する
必要がないので、非常に容易に適用することができる。
【0046】例えば少なくとも外表面が耐熱性・電気絶
縁材料よりなる回転自在のローラの外表面の全周に、抵
抗発熱体12cを形成し、その軸方向一端部の外表面に
サーミスタ17dを埋設してもよい。
【0047】あるいはこのローラの外表面に、周方向に
所要幅の間隙を残して、その他に抵抗発熱体12cを形
成して、この所要幅の間隙でサーミスタを埋設してもよ
い。
【0048】さらに、このローラの外表面に、所定幅の
抵抗発熱体12cを軸方向に所要の間隙を置いて螺旋状
に形成し、軸方向で隣り合う抵抗発熱体同士間の間隙で
サーミスタ17dを埋設してもよい。なお、上記ローラ
はモータ駆動でも、ローラ外表面上を摺動して行く複写
用紙の紙送り力により回転駆動させるように構成しても
よく、または回転させないように構成してもよい。な
お、上記ローラはその全体を耐熱性電気絶縁材料により
構成してもよい。
【0049】図4は以上のように構成された定着ヒータ
HA,HBの一方、例えばHAを具備した定着装置21
の縦断面図であり、これは軸方向両端面に回転軸22を
突設した円筒形ローラ本体23の外面に耐熱性弾性材
料、例えばシリコーンゴム層24を嵌合して加圧ローラ
25を形成している。
【0050】この加圧ローラ25は、その回転軸22と
対向して定着ヒータ10を並設しており、定着ヒータ1
0は図示しない基台に取り付けられている。
【0051】そして、定着ヒータ10を含む基台の周囲
にはポリイミド樹脂のような環状無端耐熱シート26が
巻装されていて、抵抗発熱体12の真上のオーバーコー
ト層14の図中上面はここの耐熱シート26を介して加
圧ローラ25のシリコンゴム層24と弾性的に接してい
る。
【0052】そして、定着ヒータ10は表,裏面両面の
給電端子部13a,13bに接触した燐青銅板等からな
る弾性が付与されたコネクタ(図示せず)を通じて通電
され、発熱した抵抗発熱体12のオーバーコート層17
上に設けた耐熱シート26の外面とシリコーンゴム層2
4との間で、トナー像Tを形成した複写用紙Pを板状ヒ
ータ10でもって加熱することにより、未定着トナー像
Tを溶融し、複写用紙Pに定着させている。
【0053】つまり、加圧ローラ25の複写用紙Pの入
側inでは、複写用紙P上の未定着トナー像Tがまず耐
熱シート26を介して定着ヒータ10により加熱溶融さ
れ、少なくともその表面部は融点を大きく上回り完全に
軟化溶融し、出側outから複写用紙Pが冷却されつつ
排出される。そして、この定着装置21は上記したよう
に抵抗発熱体12の他端部12bに接続される導体パタ
ーン14の部14aの断線が有効に防止できる定着ヒー
タ10を使用しているので、定着装置21としての信頼
性を高めることができる。
【0054】図5はこのように構成された定着装置21
を組み込んだ画像形成機の一種である電子式複写機31
の構成を示しており、この複写機31は筺体32の上面
に設けた透明ガラスなどの透明部材からなる原稿載置台
33を図中矢印方向に往復動して原稿34を走査するよ
うになっている。
【0055】筺体32内の上部には光照射用のランプ3
5が設けられており、このランプ35により照射された
原稿34からの反射光線が短焦点小径結像素子アレイ3
6によって感光ドラム37上にスリット露光される。感
光ドラム37は例えば酸化亜鉛感光層あるいは有機半導
体感光層が被覆されたものであり、矢印方向に回転す
る。
【0056】また、帯電器38は感光ドラム37上に一
様に帯電を行なうものであり、この帯電器38により帯
電された感光ドラム37には、結像素子アレイ36によ
って画像露光が行なわれた静電画像が形成される。この
静電画像は、現像器39による加熱で軟化溶融する樹脂
等から成るトナーを用いて顕像化される。
【0057】一方、カセット40内に収納されている複
写用紙Pは、給送ローラ41と感光ドラム37上の画像
と同期するようにタイミングをとって上下方向で圧接し
て回転される対の搬送ローラ42によって、感光ドラム
37上に送り込まれる。そして、転写放電器43によっ
て感光ドラム37上に形成されているトナー像Tは複写
用紙P上に転写される。
【0058】この後、感光ドラム37上から離れた複写
用紙Pは、搬送ガイド44によって前述した定着装置2
1に導かれ、ここで加熱定着処理された後にトレイ45
に排出される。なお、トナー像を転写後、感光ドラム3
7上の残留トナーはクリーナ46によって除去される。
【0059】上記定着装置21は複写用紙Pの移動方向
と直交する方向に、この複写機31が複写できる最大判
用紙の幅(長さ)に合せた有効長、すなわち最大判用紙
の幅(長さ)よりも長い抵抗発熱体12を延在させた板
状ヒータ10を配置しており、耐熱シート26を介して
定着ヒータ10のオーバーコート層17と加圧ローラ2
5との間を送られる複写用紙P上の未定着トナー像T
は、抵抗発熱体12からの熱を受けて溶融し、複写用紙
P面上に文字,英数字,図面等の複写像を現出させる。
【0060】このような、定着装置21による複写像は
抵抗発熱体12が、複写機31が許容する最大判用紙の
長さ(幅)以上に亘り細長に連続形成してあり、その延
在方向にほぼ均一な温度分布が得られ、複写用紙Pに
は、全面に亘り転写むら等が無い同一コントラストの鮮
明な高品質の複写が得られる。そして、この複写機31
は、上記したように抵抗発熱体12の他端部12bに接
続される表面側導体パターン14の接続部14aの断線
を有効に防止できるので、定着ヒータ10を使用してい
る複写機31としての信頼性を高めることができる。
【0061】なお、上記の各膜、層は基板11やサーミ
タ17に対比して薄膜であるが、図1〜図4では説明の
便宜上、誇張して厚く示しており、寸法上比例している
ものでもない。また、この発明は上記実施例に限定され
ず、例えば定着ヒータ10,10Aの基板11の材質は
アルミナ(Al2 3 )セラミックスに限らず、他の材
質のセラミックスやガラス,ポリイミド樹脂のような耐
熱性の高い合成樹脂部材などであってもよい。
【0062】さらに、抵抗発熱体12や基板11を覆う
オーバーコート層Ocの形成は必須のものではなく、し
かも、これを形成する場合でも、そのガラスの材質は実
施例のものに限らず、発熱温度やそれぞれ使用する状況
に応じて適宜選べることはいうまでもない。また、基板
表面11aの形状は上記実施例には限定されない。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本願第1,第2の発
明は、抵抗発熱体を形成している基体(基板)表面側に
サーミスタを実装しているので、抵抗発熱体からサーミ
スタへの熱伝導を速めることができる。このために、温
度制御回路による抵抗発熱体の温度制御の応答性を速め
ることができるうえに、スルーホール形成工程を省略す
ることができるので、定着ヒータ製造効率を良好にする
ことができる。
【0064】また、サーミスタを基体(基板)凹部内に
収容するので、サーミスタが基体(基板)表面から突出
するのを防止することができ、被定着体等の搬送を妨げ
ることがなく、また、定着ヒータの薄型軽量化を図るこ
とができる。
【0065】本願第3,第4の発明は、本発明は上記し
たようにスルーホールを必要としないので、スルーホー
ルを形成することが極めて困難な円筒状または円柱状の
基体にも非常に容易に適用することができるうえに、平
板状基体にも容易に適用することができ、本発明の適用
範囲を容易に拡大することができる。
【0066】本願第5の発明は、サーミスタ用配線も基
体表面に形成するので、このサーミスタ用配線を抵抗発
熱体等と共に厚膜印刷等により一括して基体表面に形成
することができ、定着ヒータ製造効率を高めることがで
きる。
【0067】本願第6の発明は、少なくとも抵抗発熱体
の外面を保護層により被覆するので、抵抗発熱体の外面
を電気的,機械的に防護することができる。
【0068】また、サーミスタ実装領域には保護層を形
成しないので、サーミスタの放熱性を向上させることが
でき、ひいては基体加熱の立上げと立下げの迅速性を高
めることができる。
【0069】本願第7,第8の発明の発明は、定着装置
と画像形成装置は、上記したように温度制御の応答性が
速いうえに、基体加熱の立上げと立下げの迅速性の高い
定着ヒータを使用しているので、定着装置と画像形成装
置としてもこれら定着性能で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着ヒータの一実施例の表面と裏
面とを共に示す平面図。
【図2】図1のII−II線矢視断面図。
【図3】本発明の他の実施例の平面図。
【図4】図1等で示す定着ヒータを具備した定着装置の
一実施例の縦断面図。
【図5】図5で示す定着装置を具備した電子複写機の一
実施例の全体構成図。
【図6】従来の定着ヒータの表面と裏面とを共に示す平
面図。
【図7】図6のVII −VII 線矢視断面図。
【符号の説明】
11 基板 11a,11c 基板の表面 11b 基板の裏面 12,12c 抵抗発熱体 12a,12b 抵抗発熱体の両端部 13a 表面側給電端子部 13b 裏面側給電端子部 13c,13d 給電端子部 14 スルーホール 14a スルーホールの表面側 14b スルーホールの裏面側 15 裏面側導体パターン 16 収容凹部 17 サーミスタ 17a サーミスタ感温部 17b,17c サーミスタ電極 18a 熱伝導性接着剤 18b 電気導伝性接着剤 19a,19b 一対の配線導体 19c,19d サーミスタの端子部 20 オーバーコート層 21 定着装置 22 回転軸 23 ローラ本体 25 加圧ローラ 26 環状無端耐熱シート 31 複写機 35 ランプ 36 結像素子アレイ 37 感光ドラム HA,HB 定着ヒータ P 複写用紙 T トナー像

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が耐熱性電気絶縁材料に
    より構成される基体と、 この基体の表面上に形成される抵抗発熱体と、 この抵抗発熱体の温度を検出するサーミスタと、 を有する定着ヒータにおいて、 前記基体表面に凹部を形成し、この凹部内に前記サーミ
    スタを収容して固着したことを特徴とする定着ヒータ。
  2. 【請求項2】 少なくとも表面が耐熱性電気絶縁材料に
    より構成される基板と、 前記基板の一面上に形成される抵抗発熱体と、 前記基板の一面上に形成され前記抵抗発熱体に並設され
    た一対の導体パターンと、 前記基板の一面の一対の前記導体パターンの間に形成さ
    れた凹部と、 前記凹部に内に固着され前記一対の導体パターンのそれ
    ぞれの近傍に電極を有するサーミスタと、 前記一対の導体パターンと前記電極とを電気接続する電
    気接続手段と、を有することを特徴とする定着ヒータ。
  3. 【請求項3】 基体が円筒状もしくは円柱状に形成され
    ていることを特徴とする特徴とする請求項1記載の定着
    ヒータ。
  4. 【請求項4】 基体が平板状に形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の定着ヒータ。
  5. 【請求項5】 サーミスタに電気的に接続される配線の
    引廻しを、基体表面上に形成される膜状導体により構成
    していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載定着ヒータ。
  6. 【請求項6】 基体表面上のサーミスタを実装する領域
    以外であって、少なくとも抵抗発熱体の外面を保護層に
    より被覆したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載定着ヒータ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の定
    着ヒータと、加圧ローラとを対向配置したことを特徴と
    する定着装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の定着装置を具備している
    ことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021096483A (ja) * 2016-12-26 2021-06-24 キヤノン株式会社 画像形成装置

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JP2021096483A (ja) * 2016-12-26 2021-06-24 キヤノン株式会社 画像形成装置

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