JP2000281672A - 置換モノカルボン酸誘導体又は置換ケトン誘導体の製造方法 - Google Patents

置換モノカルボン酸誘導体又は置換ケトン誘導体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温、高圧な反応条件を必要とせず、かつ反応
工程の短い、工業的に有利な2−モノもしくは2−ジ置
換酢酸誘導体もしくは酢酸エステル誘導体、又は2−モ
ノ置換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方法
を見出すこと。 【解決手段】2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換マロ
ン酸誘導体もしくはマロン酸エステル誘導体、又は2−
モノ置換もしくは2,2−ジ置換β−ケトエステル誘導
体に、水とホスホニウム塩を加え、アルカリ金属ハロゲ
ン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物存在下、加熱
することにより、2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換
酢酸誘導体もしくは酢酸エステル体誘導体又は2−モノ
置換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−モノ置換もし
くは2,2−ジ置換酢酸誘導体もしくは酢酸エステル体
誘導体、又は2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換ケト
ン誘導体の製造方法、更に詳しくは、農薬の中間体とし
て有用なテトラヒドロピランカルボン酸又はそのエステ
ル体の工業的に有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換酢
酸誘導体もしくは酢酸エステル体誘導体、又は2−モノ
置換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方法と
しては、従来より文献でいくつか知られている。例え
ば、酢酸エステルを塩基性条件下、α位を引き抜いてア
ニオンとした後、求電子試薬を反応させる方法が一般的
であるが、このような条件下では、極低温で反応を行な
ったり、エステル基に嵩高い置換基を導入したとして
も、酢酸エステルが二量化する副生成物の生成を抑える
ことができない問題がある。
【0003】この点、マロン酸エステルを出発原料とし
て用い、2位を修飾しその後、エステル基を1つ除去する
方法は、温和な条件下、アルキル化が進行することか
ら、上記問題を解決する方法として有用である。
【0004】例えば、J. Chem. Soc., 1930, 2525頁に
は、農薬の中間体として有用な4−テトラヒドロピラン
カルボン酸エステルの製造方法として、2,2’−ジク
ロロエチルエーテルとマロン酸ジエチルエステルのナト
リウム塩とを反応させてテトラヒドロフラン−4,4−
ジカルボン酸ジエチルエステルにし、加水分解を行いテ
トラヒドロピラン−4,4−ジカルボン酸とし、更に脱
炭酸を行いテトラヒドロピラン−4−カルボン酸に変
え、最後にエステル化して、所望のテトラヒドロピラン
−4−カルボン酸エステルにする方法が記載されてい
る。
【0005】また、Tetrahedron Lett., 27(1986), 228
3頁には、シクロプロパン−1,1−ジカルボン酸エス
テル誘導体をNaCl、水、DMF中、150℃で48
時間反応させることで、シクロプロパンカルボン酸エス
テルを合成する反応が記載されている。
【0006】更に、特開平5−271153号公報に
は、ジェミナルジカルボン酸エステルを酸性触媒の存在
下、150〜400℃で反応させ、モノカルボン酸エス
テルを製造する方法が記載されている。
【0007】また、農薬、医薬中間体として有用なテト
ラヒドロピランカルボン酸又はそのエステル体の合成方
法としては、上述した方法以外にも幾つか報告されてい
る。例えば、EPA284963号公報には、3−
(2’−ヒドロキシエチル)−ブチロラクトン又はその
エステル及びエーテルとアルコールとを酸性作用触媒存
在下反応させてテトラヒドロピラン−4−カルボン酸エ
ステルを製造する方法が記載されている。
【0008】EPA284969号公報には、3−
(2’−ヒドロキシエチル)−ジヒドロ−2(3H)フ
ラノン又はそのエステル及びエーテルとアルコールとを
酸性作用触媒存在下反応させてテトラヒドロピラン−4
−カルボン酸エステルを製造する方法が記載され、特表
平8−507495号公報には、2,7−ジオキサスピ
ロ[4,4]−ノナン−1,6−ジオンとアルコールと
を酸性触媒存在下反応させてテトラヒドロピラン−4−
カルボン酸エステルを製造する方法が記載されている。
【0009】一方、ホスホニウム塩は、脱炭酸を促進す
る触媒として使用されることが知られている。例えば、
US4734535号公報には、ノナエチレングリコー
ルとホスゲンを反応させ、ビスクロロギ酸エステルを合
成し、その後、触媒量の臭化トリブチルヘキサデシルホ
スホニウム存在下、130℃に加熱することで脱炭酸
し、ノナエチレンジクロライドを合成する方法が記載さ
れている。
【0010】また、Tetrahedron Lett.,1980,258
1頁には、シリカゲルに坦持したホスホニウム塩が、触
媒として6−ニトロベンツイソオキサゾール−3−カル
ボン酸エステルの脱炭酸反応を促進することが記載され
ている。
【0011】また、Synthesis, 1984, 320頁には、マロ
ン酸エステル及びβ−ケトエステル類を、ホスホニウム
塩、高級脂肪酸を用い、加熱下脱炭酸させる反応が記載
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、置換マロン酸
エステルを加水分解、脱炭酸、更にエステル化して置換
酢酸エステルを製造する工程は反応工程が長く、かつ低
い収率でしか目的物が得られないという問題がある。反
応工程を短くするためTetrahedron Lett., 27, 2283(19
86)頁記載の方法や特開平5−271153記載の方法
により、2,2−ジ置換カルボン酸ジエステル誘導体又
は2−モノ置換マロン酸エステル誘導体から1段階で
2,2−ジ置換酢酸エステル誘導体又は2−モノ置換酢
酸エステル誘導体を得ることができるものの、収率が低
いのみならず、前者の方法では極めて長い反応時間が必
要であるとともに目的物と使用する極性溶媒との分離が
困難であり、又、後者の方法では一般的に高温・高圧の
反応条件が必要であるなど、共に工業的に有利な方法で
はないという問題がある。
【0013】これと関連して、テトラヒドロピランカル
ボン酸又はそのエステル体の製造法として、上述した他
の方法では、一般的に高温(通常200〜400℃)、
高圧(通常1〜10気圧(ゲージ圧))の反応条件が必
要となるという問題がある。
【0014】また、ホスホニウム塩、高級脂肪酸を用い
て置換マロン酸、置換マロン酸エステル、β−ケトエス
テルの脱炭酸反応を行う方法は、高級脂肪酸を基質に対
して1当量以上用いる必要があり、反応後に高級脂肪酸
を分離しなければならず、工業的製造方法としては問題
がある。
【0015】かかる事情下に鑑み、本発明は、高温・高
圧の反応条件を必要とせず、かつ反応工程の短い、工業
的に有利な2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換酢酸誘
導体もしくは酢酸エステル誘導体、又は2−モノ置換も
しくは2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方法を提供す
ることを課題とした。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換マロン
酸誘導体もしくはマロン酸エステル誘導体、又は2−モ
ノ置換もしくは2,2−ジ置換β−ケトエステル誘導体
に水とホスホニウム塩を加え、アルカリ金属ハロゲン化
物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物存在下、加熱する
ことにより、2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換酢酸
誘導体もしくは酢酸エステル体誘導体、又は2−モノ置
換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方法を製
造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明は、2−モノ置換もしく
は2,2−ジ置換マロン酸誘導体もしくはマロン酸エス
テル誘導体、又は2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換
β−ケトエステル誘導体を、水、ホスホニウム塩、アル
カリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化
物存在下加熱することを特徴とする 2−モノ置換もし
くは2,2−ジ置換酢酸誘導体もしくはそのエステル体
誘導体、又は2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換ケト
ン誘導体の製造方法に関する。
【0018】また、2−モノ置換又は2,2−ジ置換マ
ロン酸誘導体又はそのエステル体誘導体が、4−又は3
−テトラヒドロピラン−1,1−ジカルボン酸又はその
エステル体である 2−モノ置換もしくは2,2−ジ置
換酢酸誘導体もしくはそのエステル体誘導体、又は2−
モノ置換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方
法に関し、更にホスホニウム塩が塩化テトラn−ブチル
ホスホニウム、臭化テトラn−ブチルホスホニウム、塩
化テトラフェニルホスホニウム、若しくは臭化テトラフ
ェニルホスホニウムである 2−モノ置換もしくは2,
2−ジ置換酢酸誘導体もしくはそのエステル体誘導体、
又は2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体
の製造方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法について具体的
に説明する。本発明に使用される、2−モノ置換もしく
は2,2−ジ置換マロン酸誘導体もしくはマロン酸エス
テル誘導体、又は2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換
β−ケトエステル誘導体の製造方法としては、通常用い
られる方法が採用でき、例えば、アルコラート、水素化
ナトリウム、有機リチウム、金属ナトリウム等の塩基を
作用させアニオンを発生させた後、ハロゲン化アルキル
等求核試薬を反応させることによって製造することがで
きる。2,2−ジ置換体を得る場合は、一旦モノ置換体
を製造した後、同様の反応でジ置換体を得ることもでき
るが、マロン酸エステル又はβ−ケトエステルとマロン
酸エステル又はβ−ケトエステルに対して2当量の求核
試薬の存在下、マロン酸エステル又はβ−ケトエステル
に対して2当量の塩基を添加する方法等により、マロン
酸エステル又はβ−ケトエステルより一段階で合成する
ことができる。
【0020】又、ジハロゲン化合物を用いれば、脂環式
化合物を合成することができる。例えば、1,3−ジク
ロロプロパン、を用いれば、シクロプロピル−1,1−
ジカルボン酸エステルを合成することができる。この場
合、マロン酸エステル又はβ−ケトエステルの二量化を
防止するため、例えば、マロン酸エステル又はβ−ケト
エステルのモノアニオンに対して、塩基とジハロゲン化
アルキル等の求核試薬を同時添加する方法等を例示する
ことができる。
【0021】2−モノ置換又は2,2−ジ置換マロン酸
誘導体は、上記したエステル体を加水分解することによ
って得ることもできるが、あらかじめ塩基を酸部分と塩
を生成するだけの分過剰に添加しておけば、後の操作は
2−モノ置換又は2,2−ジ置換マロン酸エステル誘導
体を合成した操作と同様にして行うことができる。
【0022】農薬、医薬中間体として有用な4−又3−
テトラヒドロピラン−1−カルボン酸又はそのエステル
体の前駆体となる4−又3−テトラヒドロピラン−1,
1−ジカルボン酸又はそのエステル体製造法方法を例示
すると以下のようになる。
【0023】2,2’−ジクロロエチルエーテル若しく
は1,3’−ジクロロメチルプロピルエーテルとマロン
酸エステルとを混合した後、攪拌下、0〜150℃、好
ましくは50〜130℃で、温度制御可能な速度でアル
カリ金属を添加する。アルカリ金属添加終了後、同温度
で1〜15時間攪拌せしめて反応を完結させる。反応に
際しては、アルカリ金属と反応しない溶媒の使用も可能
である。
【0024】この場合アルカリ金属としては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムがあげられ、固体のまま添加
しても良いし、溶融状態やアルカリ金属分散体で添加し
ても良い。アルカリ金属の添加量は、2,2’−ジクロ
ロエチルエーテル若しくは1,3’−ジクロロメチルプ
ロピルエーテルに対し、2倍モルである。
【0025】本反応で用いられる2−モノ置換又は2,
2−ジ置換マロン酸エステル誘導体又はβ−ケトエステ
ルのエステル部については、特に制限されることはな
く、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチ
ル等のC1〜C10の直鎖又は分枝を有していてもよい
アルキル基、シクロアルキル基、置換基有していてもよ
いアラルキル基、又はアルケニル基等を例示することが
できる。
【0026】2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換マロ
ン酸誘導体もしくはマロン酸エステル誘導体、又は2−
モノ置換もしくは2,2−ジ置換β−ケトエステル誘導
体を脱炭酸の工程を経て2−モノ置換もしくは2,2−
ジ置換酢酸誘導体もしくは酢酸エステル体誘導体又は2
−モノ置換もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体を得る
工程は、置換反応終了後、反応液をそのままの脱炭酸工
程に用いることができる。即ち、反応終了後、反応液に
必要に応じてアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土
類金属ハロゲン化物、水、及びホスホニウム塩を添加し
加熱することによって行うことができる。
【0027】また、置換反応終了後、アルコール及びエ
ステル以外の水難溶性の溶媒を加え、水洗若しくは薄い
鉱酸水溶液で洗浄してアルカリ金属ハロゲン化物又はア
ルカリ土類金属ハロゲン化物を除去した後、改めてアル
カリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化
物、水、及びホスホニウム塩を添加して脱炭酸工程を行
うこともできる。
【0028】水は、出発原料として用いられるマロン酸
誘導体、マロン酸エステル誘導体又はβ−ケトエステル
に対して等モル以上の量を添加し、好ましくは1倍モル
〜5倍モルの範囲で用いられる。
【0029】用いられるホスホニウム塩は、特に制限さ
れないが、具体的には、塩化テトラn−ブチルホスホニ
ウム、臭化テトラn−ブチルホスホニウム、塩化テトラ
フェニルホスホニウム、臭化テトラフェニルホスホニウ
ム等を例示することができる。これらは単独でも、2種
以上混合してでも用いることができる。又、ホスホニウ
ム塩は、出発原料として用いられるマロン酸誘導体又そ
のエステル誘導体の0.01倍モル以上の量を用い、好
ましくは0.01倍から0.5倍モルの範囲で用いられ
る。
【0030】用いられるアルカリ金属ハロゲン化物又は
アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、特に制限され
ないが、具体的には、塩化リチウム、塩化ナトリウム、
塩化カリウム、臭化ナトリウム、沃化ナトリウム、塩化
マグネシウム、塩化カルシウム等を例示することができ
る。又、これらのハロゲン化物は単独でも2種以上混合
してでも用いるこことができる。これらのハロゲン化物
は、最初の置換反応後、後処理を行わず、直接脱炭酸工
程に付す場合、既に、置換反応によって脱離生成物とし
てアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロ
ゲン化物が反応液に含まれている場合、別途特に添加す
る必要はないが、添加しても差し支えはない。したがっ
て、アルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハ
ロゲン化物の添加量は特に制限されないが、反応後処理
後新たに添加する場合には、出発原料として用いられる
マロン酸誘導体又そのエステル誘導体の0.5倍モル〜
3倍モルの範囲が好ましい。
【0031】反応温度は、通常100℃以上で行われ、
好ましくは130〜180℃の範囲で行われる。又は、
反応時間は、用いる基質によって異なるが、3時間〜2
5時間である。
【0032】以下、本発明を実施例によって、より具体
的に説明するが、本発明方法はこれら実施方法の記載に
より限定されるものではない。
【0033】
【実施例】実施例1 内容積1000mlの反応容器を用いて、これに2,
2’−ジクロロエチルエーテル143.0gとマロン酸
ジメチル132.1gを仕込み、窒素気流下、110〜
120℃に保ちながら、金属ナトリウム46.0gを5
時間かけて添加し、その後同温度で5時間攪拌した。次
いで、臭化テトラn−ブチルホスホニウム33.9gと
水18.0gを加え、150℃で5時間攪拌した。反応
後、トルエン300mlを加え、水300mlで2回水
洗した後、トルエンを留去し、残った粗生成物を減圧下
精留することにより、沸点48〜48.2℃/0.9m
mHgの無色油状物68.9gを得た(粗収率47.8
%)。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、
目的物テトラヒドロピラン−4−カルボン酸メチルエス
テルの純度は、98.1%であった(収率46.9%対
2,2’−ジクロロエチルエーテル)。
【0034】実施例2 内容積1000mlの反応容器を用いて、これに2,
2’−ジクロロエチルエーテル143.0g、マロン酸
ジメチル132.1g、及びトルエン300mlを仕込
み、トルエン還流下、金属ナトリウム46.0gを5時
間かけて添加し、その後同温度で5時間攪拌した。反応
後、水300mlで2回水洗し、溶媒を留去した後、無
水塩化リチウム84.8g、臭化テトラn−ブチルホス
ホニウム33.9g、及び水18.0gを加え、150
℃で3時間攪拌した。次いで、トルエン300mlを加
え、水300mlで2回水洗した後、トルエンを留去
し、残った粗生成物を減圧下精留することにより、沸点
101〜103℃/35mmHgの無色油状物78.4
gを得た(粗収率54.4%)。ガスクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、目的物テトラヒドロピラン−
4−カルボン酸メチルエステルの純度は、95.8%で
あった(収率52.1%対2,2’−ジクロロエチルエ
ーテル)。
【0035】比較例1 テトラヒドロピラン−4,4−ジカルボン酸メチルエス
テル6.06gに、第1表の欄に記載の如く反応試剤を
添加し、150℃で3時間攪拌した。反応後、トルエン
を30ml加え良く攪拌した後結晶を濾別し、トルエン
溶液をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結
果を第1表に示す。
【0036】
【表1】
【0037】この結果、水、ホスホニウム塩、及びアル
カリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン
化物の組み合わせた場合のみ、高収率で目的物を得るこ
とができた。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した本発明の方法によれば、置
換モノカルボン酸誘導体、置換モノエステル誘導体、又
は置換ケトン誘導体を、高温、高圧な反応条件を必要と
せず、かつ反応工程の短い工業的に有利な方法で製造し
得るもので、工業的価値は頗る大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換マロ
    ン酸誘導体もしくはマロン酸エステル誘導体、又は2−
    モノ置換もしくは2,2−ジ置換β−ケトエステル誘導
    体を、水、ホスホニウム塩、アルカリ金属ハロゲン化物
    又はアルカリ土類金属ハロゲン化物存在下加熱すること
    を特徴とする2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換酢酸
    誘導体もしくは酢酸エステル体誘導体又は2−モノ置換
    もしくは2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方法
  2. 【請求項2】2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換マロ
    ン酸誘導体もしくはマロン酸エステル誘導体が、4−又
    3−テトラヒドロピラン−1,1−ジカルボン酸又はそ
    のエステル体である請求項1記載の2−モノ置換もしく
    は2,2−ジ置換酢酸誘導体もしくは酢酸エステル体誘
    導体、又は2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換ケトン
    誘導体の製造方法
  3. 【請求項3】 ホスホニウム塩が塩化テトラn−ブチル
    ホスホニウム、臭化テトラn−ブチルホスホニウム、塩
    化テトラフェニルホスホニウム、若しくは臭化テトラフ
    ェニルホスホニウムである、請求項1乃至請求項2記載
    の2−モノ置換もしくは2,2−ジ置換酢酸誘導体もし
    くは酢酸エステル体誘導体、又は2−モノ置換もしくは
    2,2−ジ置換ケトン誘導体の製造方法
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