JP4867350B2 - 4−置換−4−シアノテトラヒドロピラン化合物の製法 - Google Patents
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Description
本発明の第2の課題は、上記問題点を解決し、繁雑な操作を必要とすることなく、4-シアノテトラヒドロピラン化合物から高収率で4-置換又は非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物を製造することが出来る、工業的に好適な4-置換又は非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物の製法を提供することである。
本発明の第3の課題は、上記問題点を解決し、簡便な方法によって、4-置換テトラヒドロピラン化合物から、4-シアノテトラヒドロピラン化合物を高収率で製造出来る、工業的に好適な4-シアノテトラヒドロピラン化合物の製法を提供することである。
R2は、水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基を表す、
で示される4-置換又は非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物と、式(3):
式中、R3は、水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基を表す、
で示される水又はアルコールを反応させることを特徴とする、式(1):
で示される4-置換又は非置換テトラヒドロピラン-4-カルボン酸化合物又はそのエステル化合物の製法であって、反応が、式(2)で示される4-置換又は非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物1モルに対して、0.1〜20モルの、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸又は塩基の存在下、10〜130℃で行われる、製法に関する。
Xは、脱離基を表す、
で示される反応試剤を反応させることを特徴とする、式(2’):
式中、R 1’ 及びR 2’ は、前記と同義である、
前記式(2’)で示される4-置換又は非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物の製法に関する。
で示される4-置換テトラヒドロピラン化合物とシアノ化剤とを反応させることを特徴とする、前記式(4)で示される4-シアノテトラヒドロピラン化合物の製法に関する。
本発明により、繁雑な操作を必要とすることなく、4-非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物から高収率で4-置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物を製造することが出来る、工業的に好適な4-置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物の製法を提供することが出来る。
本発明により、簡便な方法によって、4-置換テトラヒドロピラン化合物から、4-シアノテトラヒドロピラン化合物を高収率で製造出来る、工業的に好適な4-シアノテトラヒドロピラン化合物の製法を提供することを提供することが出来る。
で示される4-非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物と式(5):
で示される反応試剤を反応させることによる、本発明の第2の発明により容易に製造することができる。
で示される4-置換テトラヒドロピラン化合物とシアノ化剤とを反応させることによる、本発明の第3の発明により容易に製造することができる。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積20mlのガラス製フラスコに、テトラヒドロピラニル-4-メタンスルホネート1.85g(10.2mmol)、シアン化カリウム1.0g(15.4mmol)及びジメチルスルホキシド10mlを加え、攪拌しながら80℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)で分析したところ、4-シアノテトラヒドロピランが0.50g生成していた(反応収率:44%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積20mlのガラス製フラスコに、テトラヒドロピラニル-4-メタンスルホネート1.85g(10.2mmol)、シアン化カリウム1.0g(15.4mmol)、トリエチルアミン2.07g(20.4mmol)及びジメチルスルホキシド10mlを加え、攪拌しながら80℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)で分析したところ、4-シアノテトラヒドロピランが0.47g生成していた(反応収率:41%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積20mlのガラス製フラスコに、テトラヒドロピラニル-4-p-トルエンスルホネート2.62g(10.2mmol)、シアン化カリウム1.0g(15.4mmol)及びジメチルスルホキシド10mlを加え、攪拌しながら80℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)で分析したところ、4-シアノテトラヒドロピランが0.46g生成していた(反応収率:41%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積20mlのガラス製フラスコに、4-ブロモテトラヒドロピラン1.69g(10.2mmol)、シアン化カリウム1.0g(15.4mmol)及びジメチルスルホキシド10mlを加え、攪拌しながら80℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)で分析したところ、4-シアノテトラヒドロピランが0.10g生成していた(反応収率:9%)。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積2Lのガラス製フラスコに、窒素雰囲気下、酸化銅(I)4.6g(31.9mmol)及びピリジン200gを加え、攪拌しながら100℃まで昇温させた。次いで、純度99%の4-シアノテトラヒドロピラン-4-カルボン酸200g(1.28mol)をピリジン400gに溶解させた液を、反応液の温度を100〜110℃に保ちながらゆるやかに滴下して、100〜110℃で1時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、攪拌しながら、水500ml、濃塩酸650ml(7.80mol)及びトルエン500mlを順次加えた。水層と有機層(トルエン層)を分離し、水層をトルエン500mlで3回抽出した後、該有機層とトルエン抽出液を合わせて減圧下で濃縮した。得られた濃縮液を減圧蒸留(100〜120℃、2.0〜2.7kPa)して、無色液体として、純度99%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の4-シアノテトラヒドロピラン133.5gを得た(単離収率:93%)。
CI-MS(m/e);112(M+1)
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.63〜1.74(2H,m)、1.80〜1.89(2H,m)、3.04〜3.11(1H,m)、3.43〜3.50(2H,m)、3.67〜3.75(2H,m)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、4-シアノテトラヒドロピラン1.0g(9.0mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン5mlを加えた後、液温を0〜5℃に保ちながら、1.0mol/lリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液10.8ml(10.8mmol)をゆるやかに滴下し、同温度で1.5時間攪拌させた。次いで、ヨウ化メタン3.8g(27mmol)をゆるやかに滴下した後、室温にて2時間反応させた。反応終了後、得られた反応液に、氷冷下、1.0mmol/l塩酸15ml(15mmol)を加えた後、反応液を濃縮した。濃縮液に、飽和塩化ナトリウム水溶液10mlを加えた後、酢酸エチル30mlで2回抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮し、薄黄色液体として、4-メチル-4-シアノテトラヒドロピラン0.98gを得た(単離収率:87%)。
4-メチル-4-シアノテトラヒドロピランの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.42(3H,s)、1.56〜1.66(2H,m)、1.82〜1.89(2H,m)、3.65〜3.74(2H,m)、3.92〜3.98(2H,m)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積30mlのガラス製フラスコに、4-メチル-4-シアノテトラヒドロピラン0.8g(6.4mmol)及び8mol/l水酸化ナトリウム水溶液3.5ml(28mmol)を加え、100℃で8時間攪拌させた。反応終了後、氷冷下、得られた反応液に、12mmol/l塩酸3.0ml(36mmol)を加えた後、水40ml及びクロロホルム50mlを加え、有機層を分液した。水層をジエチルエーテル50mlで抽出した後、先の有機層と合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮し、薄黄色固体として、4-メチルテトラヒドロピラン-4-カルボン酸0.72gを得た(単離収率:78%)。
4-メチルテトラヒドロピラン-4-カルボン酸の物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.30(3H,s)、1.49〜1.58(2H,m)、2.06〜2.12(2H,m)、3.52〜3.61(2H,m)、3.80〜3.87(2H,m)、11.5(1H,brs)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積300mlのガラス製フラスコに、参考例5で合成した純度99%の4-シアノテトラヒドロピラン33.8g(0.3mol)、4mol/l水酸化ナトリウム水溶液150ml(0.6mol)及びメタノール34mlを加え、攪拌しながら90℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、氷冷下、得られた濃縮液に、12mol/l塩酸50ml(0.6mol)を加えた後、酢酸エチル170mlを加え、有機層を分液した。水層を酢酸エチル102mlで抽出した後、先の有機層と合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で濃縮し、白色固体として、テトラヒドロピラン-4-カルボン酸34.6gを得た(単離収率:74%)。
テトラヒドロピラン-4-カルボン酸の物性値は以下の通りであった。
CI-MS(m/e);131(M+1)
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.74〜1.92(4H,m)、2.54〜2.64(1H,m)、3.41〜3.50(2H,m)、3.96〜4.02(2H,m)、10.80(1H,brs)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製フラスコに、参考例5で合成した純度99%の4-シアノテトラヒドロピラン1.07g(9.5mmol)及び6mol/l塩酸10ml(60mmol)を加え、攪拌しながら80〜90℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)したところ、テトラヒドロピラン-4-カルボン酸が1.06g生成していた(反応収率:86%)。
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積300mlのガラス製フラスコに、窒素雰囲気下、参考例5で合成した純度99%の4-シアノテトラヒドロピラン22.8g(197.4mmol)、98%硫酸60g(600mmol)及びメタノール130ml(3.21mol)を加え、攪拌しながら70〜75℃で10時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、水100mlを加えた後、有機層と水層を分離した。次いで、水層を酢酸エチル200mlで3回抽出した後、該有機層と酢酸エチル抽出液を混合し、減圧下で濃縮した。得られた濃縮液を減圧蒸留(75〜76℃、1.2〜1.3kPa)し、無色液体として、純度98.7%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)のテトラヒドロピラン-4-カルボン酸メチル18.3gを得た(単離収率:63.5%)。
テトラヒドロピラン-4-カルボン酸メチルの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.71〜1.81(2H,m)、1.82〜1.86(2H,m)、2.50〜2.60(1H,m)、3.42〜3.47(2H,m)、3.67(3H,s)、3.93〜3.98(2H,m)
4-置換又は非置換テトラヒドロピラン-4-カルボン酸化合物又はそのエステル化合物は、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
本発明は、また、4-非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物から4-置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物を製造する方法に関する。4-置換又は非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物は、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
本発明は、更に、4-置換テトラヒドロピラン化合物から、4-非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物を製造する方法に関する。4-非置換-4-シアノテトラヒドロピラン化合物は、医薬・農薬等の原料や合成中間体として有用な化合物である。
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