JP3792030B2 - 4−ビフェニリル酢酸の製造方法 - Google Patents

4−ビフェニリル酢酸の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消炎・鎮痛剤として有用な4−ビフェニリル酢酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−ビフェニリル酢酸は強力な消炎・鎮痛作用を有する化合物として、臨床的に広く使用されている化合物である。この4−ビフェニリル酢酸の製造方法としては、従来より以下の方法が提案されている。
(A):4−ビフェニルアルデヒドを原料とし、これを還元/ハロゲン化/シアノ化/加水分解の各工程に付し、4−ビフェニリル酢酸を製造する方法[German
Patent No.658114(1936)]。
(B):ビフェニルを原料とし、無水酢酸と塩化アルミニウムによるフリーデル・クラフツ反応により4−アセチルビフェニルとした後、ウイルゲロット反応により4−ビフェニリル酢酸を製造する方法[ E.Schwenk & D.Papa:J.Org.Chem.,11,798(1946)] 。
(C):ビフェニルを酸化第二鉄および臭化カリウムの存在下にクロル酢酸と反応させ、4−ビフェニリル酢酸を製造する方法[Y.Ogata et al.,:J.Org.Chem.,16,239(1951)] 。
(D):オキサジン化合物とビフェニルのグリニヤ試薬との反応中間体を加水分解し、4−ビフェニリル酢酸を製造する方法[G.Ray Malone et al.,:J.Org.Chem.,39,618(1974)]。
(E):4−ビフェニルアルデヒドを塩基の存在下にN−アシルグリシンと反応させて得られたアズラクトン体を、加水分解/脱炭酸の工程に付し、4−ビフェニリル酢酸を製造する方法(特開昭62−45554号公報)。
【0003】
しかしながら上記の各製造方法にあっては、以下のような問題点が存在する。
(A)の方法は、工程数が多く、また反応収率が必ずしも高いものではなく、しかも猛毒であるシアン化合物を使用する点で、医薬品の工業的製造方法としては好ましいものではない。
(B)の方法は、反応工程で副生成物が多く、したがって高純度の生成物を得難く、必然的に反応収率が良くない。更にウイルゲロット反応で硫黄化合物を使用するため悪臭の問題がある。
(C)の方法は、短い工程で目的とする4−ビフェニリル酢酸を得る点で魅力的な方法ではあるが、反応副生成物が多く、極めて反応収率が低く、しかも反応条件が過酷なものであり、工業的製法としては不向きなものである。
(D)の方法は、グリニヤ試薬の工業的使用に難点があり、しかも原料が高価なものであるという問題点がある。
(E)の方法は、反応工程で副生成物が多く、したがって高純度の生成物を得るためには煩雑な操作を必要としなければならない。
したがって、これらの問題点が解決された、工業的規模での製造が可能な4−ビフェニリル酢酸の製造方法の確立が要求されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の状況に鑑み、4−ビフェニリル酢酸を工業的規模で作業性が良く、かつ収率良く製造し得る方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、4−ビフェニリル酢酸を安価な原料から、かつ収率良く製造する方法を見いだし、本発明を完成させたのである。
すなわち本発明は、次式(II):
【0006】
【化11】
Figure 0003792030
【0007】
(式中、Xはハロゲン原子を表す。)
で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を還元することを特徴とする次式(I):
【0008】
【化12】
Figure 0003792030
【0009】
で表される4−ビフェニリル酢酸の製造方法の提供にある。
この場合に、式(II)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸は、次式(III):
【0010】
【化13】
Figure 0003792030
【0011】
で表される4−ビフェニルアルデヒドを、非水系でハロホルム及び金属アルコキシドと反応させるか、あるいは含水系で相間移動触媒の存在下ハロホルム及びアルカリ金属水酸化物と反応させることにより得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
したがって、本発明の具体的なひとつの態様としては;
式(III)で表される4−ビフェニルアルデヒドを、非水系でハロホルム及び金属アルコキシドと反応させ、式(II)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸とした後、次いでこれを還元することによる4−ビフェニリル酢酸の製造方法の提供にある。
【0013】
また、本発明の別な具体的態様としては;
式(III)で表される4−ビフェニルアルデヒドを、含水系で相間移動触媒の存在下ハロホルム及びアルカリ金属水酸化物と反応させ、式(II)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸とした後、次いでこれを還元することによる4−ビフェニリル酢酸の製造方法の提供にある。
以下に本発明の4−ビフェニリル酢酸の製造を、その各工程を説明することにより詳細に説明する。
【0014】
本発明の4−ビフェニリル酢酸の製造は、その第一工程として、まず式(III)で表される4−ビフェニルアルデヒドをハロホルム及び塩基と反応させ、式(II)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を製造することにより実施される。
一般的に、アルカリ存在下でのベンズアルデヒド誘導体とハロホルムとの反応においては、反応中間体としてα−ハロゲノフェニル酢酸誘導体が生成した後、このものは直ちに加水分解され、α−ヒドロキシフェニル酢酸誘導体が主生成物として得られるものであって、中間に生成するα−ハロゲノフェニル酢酸誘導体を得ることは困難のものであることが判明している(Synthesis,1974,724)。
しかしながら本発明者らの鋭意検討の結果では、4−ビフェニルアルデヒドとハロホルム及び塩基との反応では、適切な反応条件並びに適切な反応温度を適宜選択することにより、中間に生成するα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸で反応を停止させ、加水分解物である4−ビフェニル−α−ヒドロキシ酢酸の生成を極力抑え得ることを見出し、かかる新規な知見に基づき本発明を完成させたのである。
【0015】
本発明が提供する4−ビフェニルアルデヒドとハロホルム及び塩基との反応は、具体的には以下のようにして実施される。すなわち、4−ビフェニルアルデヒドを、非水系の反応系において、クロロホルム、ブロモホルム等のハロホルムとカリウム tert-ブトキシド、ナトリウム tert-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシドと反応させることにより行うことができる。また、4−ビフェニルアルデヒドを、含水系の反応系において、相間移動触媒の存在下クロロホルム、ブロモホルム等のハロホルムと水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物とを反応させることにより行うことができる。工業的な製造法の観点から見れば、相間移動触媒の存在下、ハロホルムと水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物との反応による方法が特に好ましいものといえる。
反応に用いるハロホルムとしては、クロロホルム、ブロモホルム、ヨードホルム等のハロホルム等があげられ、これらのハロホルムの使用量は、4−ビフェニルアルデヒドに対して等モル以上が必要とされ、好ましくは、1.2〜50倍モル程度を使用するのが良い。
【0016】
含水系の反応系において触媒として存在させる相間移動触媒としては、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイドなどのアンモニウム塩、テトラn−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩、18−クラウン−6、15−クラウン−5、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6等のクラウンエーテル類が好ましく使用される。その使用量は、4−ビフェニルアルデヒドに対して1〜20モル%であり、好ましくは3〜10モル%である。触媒量が少ない場合には反応速度が遅くなり、またあまり触媒を多く用いても経済的ではない。
この場合の反応に使用する塩基としては、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましいものであり、特に水酸化ナトリウムが好ましく使用される。その塩基の使用量としては、4−ビフェニルアルデヒドに対して3倍モル以上は必要であり、好ましくは4〜8倍モル程度存在させるのがよい。
【0017】
反応は通常反応試薬としてのハロホルムおよび水の混合溶媒が使用され、更に希釈溶媒として反応に直接の影響を与えない有機溶媒を使用することも可能である。そのような有機溶媒としては、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等があげられる。かかる溶媒の使用量は、4−ビフェニルアルデヒドに対して5〜20倍量が好ましく、溶媒量が少な過ぎる場合には反応系の均一な撹拌が確保されにくく、多過ぎると反応速度が遅くなり好ましいものとはいえない。
本反応は、0℃ないし用いる溶媒の沸点程度の温度で行われ、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜40℃程度である。反応温度が低すぎると、反応の進行が不十分であり、また、反応温度が余りにも高すぎると、α−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸が加水分解されたα−ヒドロキシ−4−ビフェニリル酢酸を生成する恐れがあり好ましいものではない。また反応時間は、一般的に1〜24時間程度、通常は8〜16時間程度で当該反応は完結する。
反応終了後、自体公知の処理方法によって目的物であるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を反応混合溶液から単離することができる。
【0018】
かくして製造された式(II)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸は還元反応に付され、本発明の目的化合物である式(I)で表される4−ビフェニリル酢酸が製造される。
本還元反応は、触媒を用いる接触還元、亜鉛、錫あるいは鉄などの金属試薬を用いる還元で好ましく行うことができる。
接触還元の場合に使用する触媒としては、パラジウム−カーボン、パラジウム黒、白金黒等を挙げることができ、その使用量はα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸に対する重量比で1〜50重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲である。なお、あまり触媒を多くするのは経済的ではなく、また触媒量が少ないと反応の完結までに時間がかかる。
反応温度は一概に限定し得ないが、0℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃であり、反応温度を高くすると、ビフェニル環までも還元されたビシクロヘキシル環を生成するので好ましいものではない。
【0019】
本接触還元における水素圧は、常圧〜100kg/cm2 程度であり、通常は常圧下の接触還元で十分である。あまり反応圧を高くするのは特別な反応設備を必要とし実用的ではなく、しかもビフェニル環までも還元されたビシクロヘキシル環を生成するので好ましいものではない。
反応時間は用いる触媒の種類、その触媒量、反応圧力および反応温度により一概に限定し得ないが、通常は0.5〜8時間で十分である。
本接触還元は溶媒を使用することなく行うこともできるが、反応を円滑に行うためには反応に直接の影響を与えない適切な溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、蟻酸、酢酸等の有機酸類を挙げることができる。その溶媒の使用量は、還元すべきα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸1gに対して100ml未満程度で十分であり、溶媒が多いと反応容器を大きなものとしなくてはならず経済的ではない。
なお、本接触還元反応においては還元により発生するハロゲン化水素をトラップするために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を共存させることが好ましい。
また、以上のような水素ガスを用いる代わりに、還元剤として蟻酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム等の蟻酸塩類、次亜燐酸ナトリウム、次亜燐酸カルシウム等の次亜燐酸塩類等を用いることも可能である。この場合、用いる触媒、溶媒及び反応条件は水素ガスを使用する場合と同様であり、蟻酸塩類、次亜燐酸塩類の使用量は、還元すべきα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸1モルに対して1〜10倍モル程度、好ましくは3〜5倍モル程度用いるのが良い。
【0020】
本接触還元においては、還元すべきα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸は遊離酸の形態のものでも、またα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸ナトリウムなどの金属塩の形態のものでもあっても良好に反応させることができる。したがって、先の工程における4−ビフェニルアルデヒドとハロホルムおよび水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物との反応で生成した、α−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸のアルカリ金属塩を、そのまま本接触還元反応に付し、目的とする4−ビフェニリル酢酸へ誘導し得る利点を有している。
【0021】
一方、亜鉛、錫、鉄などの金属試薬を用いて還元を行う場合には、α−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を適切な溶媒中に溶解させ、要すれば酸、好ましくは塩酸等の鉱酸の存在下、これに金属試薬を添加し、反応させることにより行うことができる。この場合の金属試薬の使用量は、還元すべきα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸1モルに対して1〜10倍モル程度、好ましくは1.2〜2.5倍モル程度用いるのが良い。
なお、反応液中に存在させ得る塩酸等の鉱酸の添加量としては、還元すべきα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸1モルに対して0.5〜20倍モル、好ましくは2〜5倍モル程度の範囲内であるのが良い。
反応に用いられる溶媒としては、α−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を溶解させる溶媒が好ましく、そのような溶媒としては蟻酸、酢酸などの有機酸類、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が好ましく使用される。しかしながら、懸濁状態であっても反応と共に生成される4−ビフェニリル酢酸を徐々に溶解していく溶媒であれば使用し得ることはいうまでもない。なお、反応溶媒として有機酸類を用いた場合には、塩酸等の鉱酸を添加する必要は全くない。
反応温度は室温〜反応混合物の還流温度付近で行われるのが良く、好ましくは80℃〜120℃の範囲内で、より好ましくは使用する反応溶媒の沸点付近で行うのが良い。
【0022】
以上の反応により生成した4−ビフェニリル酢酸の単離は、反応溶液を濾過して触媒を除去する等をした後、通常の抽出操作、濃縮操作、さらには必要により再結晶等の自体公知の操作により行われ、4−ビフェニリル酢酸を結晶として得ることができる。
【0023】
以下に本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
4−ビフェニルアルデヒド9.11g(0.05モル)をクロロホルム100mlに溶解し、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド0.81g(0.0025モル)を添加後、水酸化ナトリウム9.0g(0.225モル)の水20ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、同温度にて16時間反応させた後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を塩酸にて遊離酸とした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、トルエンから再結晶して、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として10.04g(収率:81.4%)得た。融点:141〜144℃
IR(KBr,cm-1):1725,1408,1276,1198,834,753
NMR(270MHz,CDCl3 ),δ:5.26(1H,s,−CH−),7.25−7.77(9H,m,芳香環水素),9.04(1H,br,−COOH)
【0025】
実施例2:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
実施例1において、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイドに代えてベンジルトリエチルアンモニウムブロマイドを用い、それ以外は実施例1と全く同様に反応処理し、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として7.89g(収率:64.0%)得た。
このものの物性値は、実施例1で得たものと完全に一致した。
【0026】
実施例3:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
実施例1において、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイドに代えてテトラn−ブチルホスホニウムブロマイドを用い、それ以外は実施例1と全く同様に反応処理し、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として9.45g(収率:77.3%)得た。
このものの物性値は、実施例1で得たものと完全に一致した。
【0027】
実施例4:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
4−ビフェニルアルデヒド9.11g(0.05モル)をクロロホルム20mlおよびジクロルメタン80mlの混合溶液に溶解し、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド0.81g(0.0025モル)を添加後、水酸化ナトリウム9.0g(0.225モル)の水20ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、同温度にて16時間反応させた後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を塩酸にて遊離酸とした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、トルエンから再結晶して、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として10.01g(収率:81.2%)得た。
このものの物性値は、実施例1で得たものと完全に一致した。
【0028】
実施例5:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
実施例4において、反応溶媒としてのジクロルメタンに代えてテトラヒドロフランを用い、それ以外は実施例4と全く同様に反応処理し、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として6.29g(収率:51.0%)得た。
このものの物性値は、実施例1で得たものと完全に一致した。
【0029】
実施例6:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
実施例4において、反応溶媒としてのジクロルメタンに代えてアセトニトリルを用い、それ以外は実施例4と全く同様に反応処理し、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として7.15g(収率:58.0%)得た。
このものの物性値は、実施例1で得たものと完全に一致した。
【0030】
実施例7:α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸ナトリウムの製造:
4−ビフェニルアルデヒド9.11g(0.05モル)をクロロホルム100mlに溶解し、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド0.81g(0.0025モル)を添加後、水酸化ナトリウム9.0g(0.225モル)の水20ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、同温度にて16時間反応させた後、析出した結晶を濾取し、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸ナトリウムを白色結晶として12.29g(収率:91.5%)得た。融点:280℃以上。
IR(KBr,cm-1):1609,1398,1229,835,794,692
NMR(270MHz,DMSO−d6 ),δ:5.26(1H,s,−CH−),7.25−7.77(9H,m,芳香環水素)
【0031】
実施例8:α−ブロモ−4−ビフェニリル酢酸の製造:
4−ビフェニルアルデヒド9.11g(0.05モル)をブロモホルム100mlに溶解し、テトラn−ブチルアンモニウムブロマイド0.81g(0.0025モル)を添加後、水酸化ナトリウム9.0g(0.225モル)の水20ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、同温度にて16時間反応させた後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を塩酸にて遊離酸とした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、トルエンから再結晶して、α−ブロモ−4−ビフェニリル酢酸を淡黄色結晶として5.73g(収率:39.4%)得た。融点:146〜149℃
IR(KBr,cm-1):1717,1409,1168,883,749,693
NMR(270MHz,CDCl3 ),δ:5.41(1H,s,−CH−),7.33−7.65(9H,m,芳香環水素),9.22(1H,br,−COOH)
【0032】
実施例9:4−ビフェニリル酢酸の製造:
水酸化カリウム6.7g(0.12モル)をメタノール125mlに溶解させ、この溶液にα−クロロ−4−ビフェニリル酢酸12.33g(0.05モル)および5%パラジウム−カーボン0.6gを加え、常圧の水素雰囲気下、20〜30℃にて2時間還元反応を行った。反応終了後、触媒を濾過して除き、濾液を減圧濃縮乾固し、得られた残留物を塩酸にて遊離酸とした後、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として8.82g(収率:83.1%)得た。融点:163〜164℃
IR(KBr,cm-1):3426,1690,1259,929
NMR(270MHz,DMSO−d6 ),δ:3.61(2H,s,−CH2 −),7.31−7.66(9H,m,芳香環水素),12.29(1H,br,−COOH)
【0033】
実施例10:4−ビフェニリル酢酸の製造:
α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸ナトリウム13.43g(0.05モル)をメタノール125mlに懸濁させ、これに5%パラジウム−カーボン0.6gを加え、常圧の水素雰囲気下、20〜30℃にて2時間還元反応を行った。反応終了後、触媒を濾過して除き、濾液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として8.52g(収率:80.3%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0034】
実施例11:4−ビフェニリル酢酸の製造:
水酸化カリウム6.7g(0.12モル)のメタノール125ml溶液にα−ブロモ−4−ビフェニリル酢酸14.56g(0.05モル)および5%パラジウム−カーボン0.6gを加え、常圧の水素雰囲気下、20〜30℃にて2時間還元反応を行った。反応終了後、触媒を濾過して除き、濾液を減圧濃縮乾固し、得られた残留物を塩酸にて遊離酸とした後、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として8.75g(収率:82.4%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0035】
実施例12:4−ビフェニリル酢酸の製造:
α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸12.33g(0.05モル)を酢酸60mlに溶解し、更に亜鉛粉末4.9g(0.075g当量)を加え、110℃にて2時間反応を行った。反応終了後、塩酸にて反応溶液のpHを1とし、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として8.79g(収率:82.8%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0036】
実施例13:4−ビフェニリル酢酸の製造:
α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸12.33g(0.05モル)をイソプロパノール100mlに溶解し、更に錫粉末7.1g(0.06g当量)を加え、80℃にて2時間反応を行った。反応終了後、塩酸にて反応溶液のpHを1とし、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として6.0g(収率:56.5%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0037】
実施例14:4−ビフェニリル酢酸の製造:
α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸12.33g(0.05モル)を酢酸60mlに溶解し、更に鉄粉末3.4g(0.06g当量)を加え、110℃にて2時間反応を行った。反応終了後、塩酸にて反応溶液のpHを1とし、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として5.75g(収率:54.2%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0038】
実施例15:4−ビフェニリル酢酸の製造:
水酸化カリウム11.22g(0.2モル)をメタノール125mlに溶解し、98%蟻酸9.39g(0.2モル)を加えた後、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸ナトリウム13.43g(0.05モル)を加える。窒素雰囲気下、10%パラジウム−カ−ボン0.6gを加え、20〜25℃で2時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾過して除き、濾液を減圧濃縮乾固し、得られた残留物を塩酸にて遊離酸とした後、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として8.96g(収率:84.4%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0039】
実施例16:4−ビフェニリル酢酸の製造:
蟻酸アンモニウム12.61g(0.2モル)をメタノール125mlに溶解し、α−クロロ−4−ビフェニリル酢酸ナトリウム13.43g(0.05モル)を加える。窒素雰囲気下、10%パラジウム−カ−ボン0.6gを加え、20〜25℃で2時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾過して除き、濾液を減圧濃縮乾固し、得られた残留物を塩酸にて遊離酸とした後、メチルエチルケトンで抽出した。抽出液を減圧濃縮乾固し、イソプロパノールから再結晶し、4−ビフェニリル酢酸を白色結晶として8.74g(収率:82.4%)得た。
このものの物性値は、実施例9で得たものと完全に一致した。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は優れた消炎・鎮痛作用を有する4−ビフェニリル酢酸を容易に、かつ収率良く、工業的に製造し得る方法を提供するものであり、4−ビフェニリル酢酸の価格低減に大きく寄与する点で有用性が高く、産業上の利用価値は多大なものである。

Claims (3)

  1. 次式(II):
    Figure 0003792030
    (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を塩基共存下で接触還元することを特徴とする次式(I):
    Figure 0003792030
    で表される4−ビフェニリル酢酸の製造方法。
  2. 次式(III):
    Figure 0003792030
    で表される4−ビフェニルアルデヒドを、含水系で相間移動触媒の存在下ハロホルム及びアルカリ金属水酸化物と反応させ、得られる次式(II):
    Figure 0003792030
    (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸を還元することを特徴とする次式(I):
    Figure 0003792030
    で表される4−ビフェニリル酢酸の製造方法。
  3. 次式(III):
    Figure 0003792030
    で表される4−ビフェニルアルデヒドを、含水系で相間移動触媒の存在下ハロホルム及びアルカリ金属水酸化物と反応させる、次式(II):
    Figure 0003792030
    (式中、Xはハロゲン原子を表す。)で表されるα−ハロゲノ−4−ビフェニリル酢酸の製造方法。
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