JP2000026359A - 芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法 - Google Patents

芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法

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JP2000026359A JP19203898A JP19203898A JP2000026359A JP 2000026359 A JP2000026359 A JP 2000026359A JP 19203898 A JP19203898 A JP 19203898A JP 19203898 A JP19203898 A JP 19203898A JP 2000026359 A JP2000026359 A JP 2000026359A
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    • C07C45/42Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by hydrolysis
    • C07C45/43Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by hydrolysis of >CX2 groups, X being halogen

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α,α,α’,α’−テトラハロゲノ−o−
キシレン化合物を加水分解することにより、対応する芳
香族−o−ジアルデヒド化合物を高収率かつ安価に製造
しうる方法を提供する。また、副反応を抑制し、特別な
精製工程を行わなくても、目的の芳香族−o−ジアルデ
ヒド化合物を高純度で製造しうる方法を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表わされるα,α,
α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレン化合物を過
剰量の水の存在下に加水分解する芳香族−o−ジアルデ
ヒド化合物の製造方法。一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、水酸基、アルコキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはカルボキシル基
を示し、nは0〜4の整数を示し、nが2以上の場合、
1 は互いに同じでも異なっていてもよい。Xはハロゲ
ン原子を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族−o−ジアル
デヒド化合物の製造方法に関する。芳香族−o−ジアル
デヒド化合物は農医薬、化成品の原料および中間体とし
て幅広く利用される化合物であり、中でも工業用殺菌剤
として有用である。
【0002】
【従来の技術】芳香族−o−ジアルデヒド類の製造方法
としては、例えば、対応するカルボン酸誘導体を水素化
リチウムアルミニウムで還元して、o−フタルアルデヒ
ドを製造する方法、o−フタルアルコールを酸化してo
−フタルアルデヒドを製造する方法が知られているが、
いずれも高価な反応試剤及び原料を使用するため、工業
的に実施するのに好適な方法ではない。
【0003】また、α,α,α’,α’−テトラブロモ
−o−キシレン類を化学量論量の水で加水分解する方法
が、例えば、Org.Synth.,IV,807(19
63)に記載されている。この方法は50%エタノール
とシュウ酸カリウムを用いて加水分解する方法である
が、安価とはいえないシュウ酸カリウムと大過剰のエタ
ノールを用いなければならず、また反応時間が長いこと
から経済的に有利な方法とはいえない。ジハロゲノメチ
ルベンゼン類の加水分解による芳香族アルデヒド類の製
造方法は、塩化亜鉛、塩化鉄等のルイス酸存在下、水と
反応させる方法や、濃硫酸と加熱する方法等が知られて
いる。しかし、α,α,α’,α’−テトラハロゲノ−
o−キシレン類の場合は、芳香環のo−位に各々ジハロ
ゲノメチル基が存在するため非常に不安定となり、ルイ
ス酸を触媒量添加して加熱すると直ちにハロゲン化水素
の発生を伴い重合してしまう。また、濃硫酸と加熱した
場合も同様に反応液が黒く変色し目的物は殆ど得ること
ができない。そのため、α,α,α’,α’−テトラハ
ロゲノ−o−キシレン類を加水分解する場合は、様々な
工夫が凝らされている。
【0004】また、米国特許第5,107,032号で
は、α,α,α’,α’−テトラクロロ−o−キシレン
を酢酸溶媒中、水酸化ナトリウム水溶液を少量ずつ滴下
することによりo−フタルアルデヒドを得ている。しか
し、この方法では大過剰の酢酸を使用するため反応後の
処理が煩雑となり、また、経済的にも好ましい方法では
ない。さらに、比較的高い収率でo−フタルアルデヒド
を得るためには、オートクレーブによる加圧下での反応
を行う必要があり、工業的実施に適する一般的な製法と
はいえない。また、特開平9−124538号には、
α,α,α’,α’−テトラブロモ−o−キシレンを、
中和剤としてアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を
用い、相間移動触媒及び水溶性アルコールまたはエーテ
ル系溶媒の存在下、加水分解する方法が記載されてい
る。しかし、この方法も水より沸点が高く水溶性の溶媒
を使用しているため、溶媒回収等煩雑な処理が必要であ
り、工業的には好ましい方法ではない。このような原料
以外に低級脂肪酸やアルコールまたはエーテル系の溶媒
を使用する方法では、目的物の芳香族−o−ジアルデヒ
ド類にそれらが混入し、安定性及び純度低下を引き起こ
すことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこれら
の事実に鑑み、α,α,α’,α’−テトラハロゲノ−
o−キシレン化合物を加水分解することにより、対応す
る芳香族−o−ジアルデヒド化合物を高収率かつ安価に
製造しうる方法を提供することにある。また本発明の目
的は、副反応を抑制し、特別な精製工程を行わなくて
も、目的の芳香族−o−ジアルデヒド化合物を高純度で
製造しうる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の従来法
の欠点を克服するため、芳香族−o−ジアルデヒド化合
物の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、α,α,
α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレン化合物をル
イス酸や相間移動触媒などを用いずに、大過剰の水の存
在下、加水分解させることにより芳香族−o−ジアルデ
ヒド化合物が、高収率、高純度で、かつ、安価に製造で
きることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至
った。すなわち本発明は、(1)一般式(1)で表わさ
れるα,α,α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレ
ン化合物を過剰量の水の存在下に加水分解することを特
徴とする芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法、
一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 はアルキル基、水酸基、アル
コキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはカ
ルボキシル基を示し、nは0〜4の整数を示し、nが2
以上の場合、R1 は互いに同じでも異なっていてもよ
い。Xはハロゲン原子を示す。)(2)前記の水の量が
α,α,α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレン化
合物に対して重量比で4〜100倍量である(1)項記
載の芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法、及び
(3)水以外の溶媒は実質的に含有しない(1)項記載
の芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法を提供す
るものである。本発明において過剰量の水が存在すると
は、反応に必要な化学量論量より多い水を用いて、その
余剰分が溶媒として作用することをいう。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。上記一般式(1)において、R1 について説明す
ると、アルキル基は好ましくは炭素数1〜5のもの(例
えば、メチル、エチル、プロピル、アミル)、アルコキ
シ基は好ましくは炭素数1〜5のもの(例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、ハロゲン原子
は塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子を表わす。ここ
で、上記のアルキル基及びアルコキシ基はハロゲン原子
(塩素、臭素、フッ素原子など)、水酸基などでさらに
置換されているものも包含する。nは好ましくは0又は
1〜2である。Xのハロゲン原子としては、塩素、臭素
またはヨウ素原子などがあげられ、好ましくは塩素また
は臭素原子である。特に好ましくはnは0又は1であ
り、R1 は低級アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基で
ある。
【0010】本発明に用いられるα,α,α’,α’−
テトラハロゲノ−o−キシレン化合物は、それ自体公知
であり、通常の技術によって製造することができる。例
えば、α,α,α’,α’−テトラクロロ−o−キシレ
ンは、o−キシレンを紫外線照射下で塩素化することに
より製造される。得られたα,α,α’,α’−テトラ
クロロ−o−キシレンは、そのまま使用してもよいが、
通常はトルエンまたはキシレン等の溶媒により再結晶し
て使用される。
【0011】本発明で実施される加水分解反応に使用さ
れる水は、通常の水であれば特に制限はないが、鉄錆等
の濁りや汚れがある場合は濾過して使用することが好ま
しい。本発明において加水分解反応に使用する水の量を
過剰量にするとは、好ましくは重量比で、α,α,
α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレン化合物に対
して4倍量以上であり、より好ましくは5〜100倍量
であり、特に好ましくは10〜40倍量である。この水
の量が上記のように過剰でないと、触媒なしでは反応速
度が遅く、また、反応で発生する塩化水素により反応液
中の塩酸濃度が高くなり不純物のフタリド類の副生が多
くなる。その生成機構は明らかでないが、芳香族−o−
ジアルデヒド化合物は濃塩酸の存在下、加熱によりフタ
リド類に変化し、特に塩酸濃度が15%を越えるとその
反応が著しく促進される。一方、100倍量以上の水を
使用しても加水分解の反応速度は問題はないが、単位容
積当たりの芳香族−o−ジアルデヒド化合物の生成量が
小さくなり、生産性の低下を招く場合がある。
【0012】加水分解に使用する水の添加法については
特に制限はない。反応開始時に全量加えてもよいし、反
応途中に一部を分けて添加してもよい。反応方法につい
ても特に制限はなく、回分式もしくは連続式のいずれも
採用することができる。また、反応は常圧又は加圧のい
ずれでも実施できる。本発明においては、反応成分及び
反応溶媒として水を用いるが、それ以外の反応試剤、例
えば濃硫酸又は塩化亜鉛のようなルイス酸を用いる必要
がなく、また、それを用いないのが好ましい。また、本
発明においては水以外の溶媒を実質的に含まない。実質
的に含まないとは、10%以下の量を含んでいても構わ
ないが、少ないほうが好ましく、全く含まないのが特に
好ましいことをいう。水以外の含んでいてもよい溶媒と
しては、反応に悪影響を及ぼさないものであればどのよ
うな溶媒でもよいが、例としてトルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン等を挙げることができる。
【0013】本発明における反応温度は加水分解反応が
進行する温度であれば特に制限はないが、通常は80℃
以上、好ましくは水の還流温度で行われ、この還流温度
は反応が常圧で実施される場合は99〜101℃の範囲
であり、加圧の場合は圧力に応じて反応温度が高くな
る。反応時間は反応温度、水の量などにより変わるが、
通常は24時間で十分であり、好ましくは8〜24時間
である。
【0014】前述したように、この加水分解により生成
するハロゲン化水素はフタリド類のような好ましくない
不純物の副生を促進させる。そのため、副生した酸を中
和しながら反応させることも可能である。この場合に用
いる中和剤としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類
金属塩が好ましく、具体的には炭酸水素ナトリウムや炭
酸カルシウム等を例として挙げることができる。また、
反応で使用した水は、目的物である芳香族−o−ジアル
デヒド化合物を有機溶媒で抽出した後、例えば水酸化ナ
トリウムのようなアルカリで中和して、再度次の加水分
解反応に使用することもできる。
【0015】加水分解反応により生成した芳香族−o−
ジアルデヒド化合物の分離は、水と混和しない有機溶
媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等で抽
出し、溶媒を回収することにより行うことができる。通
常はそのままでも十分な純度を有していて、製品となり
うるが、さらに高純度品を要求される場合は再結晶又は
蒸留により精製してもよい。本発明において反応は開放
系でも実施可能であるが、芳香族−o−ジアルデヒド化
合物の酸化反応を抑制するため、例えば窒素、アルゴン
等の不活性ガスの雰囲気下で実施することが望ましい。
このような方法で得られた芳香族−o−ジアルデヒド化
合物は、低級脂肪酸等の有機物を全く使用しておらず、
水だけを反応試剤及び反応溶媒として使用しているた
め、特別な精製工程を経由しないでも十分に高純度であ
り、安定性にも優れている。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により限定されるもので
はない。 実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた500ml容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン12.2gと水244gとを仕込み、窒素流通
下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)まで
加熱した。この状態で8時間攪拌し、冷却後、反応液を
エーテルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析し
た。その結果、原料のα,α,α’,α’−テトラクロ
ロ−o−キシレンは完全に消失し、o−フタルアルデヒ
ドの純度は99.3%であった。
【0017】実施例2 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた500ml容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン24.4gと水244gとを仕込み、窒素流通
下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)まで
加熱した。この状態で16時間攪拌し、冷却後、反応液
をエーテルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析し
た。その結果、原料のα,α,α’,α’−テトラクロ
ロ−o−キシレンは完全に消失し、o−フタルアルデヒ
ドの純度は98.4%であった。
【0018】実施例3 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた200ml容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラブロモ−o−
キシレン16.9gと水169gとを仕込み、窒素流通
下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)まで
加熱した。この状態で12時間攪拌し、冷却後、反応液
をエーテルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分析し
た。その結果、原料のα,α,α’,α’−テトラブロ
モ−o−キシレンは完全に消失し、o−フタルアルデヒ
ドの純度は99.6%であった。
【0019】実施例4 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた1リットル容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン39.0gと水780gとを仕込み、窒素流通
下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)まで
加熱した。この状態で8時間攪拌し、反応終了後、室温
まで冷却した。その後、反応液を2リットル容の分液ロ
ートに移し、200mlのトルエンで2回、100ml
のトルエンで1回、抽出した。トルエン層は水洗後、エ
バポレーター及び真空ポンプで濃縮してo−フタルアル
デヒド20.3gを得た。これは、仕込み原料に対して
94.7%の収率であった。このようにして得たo−フ
タルアルデヒドをガスクロマトグラフィーで分析した結
果、純度は99.5%であった。
【0020】実施例5 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた1リットル容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン39.0gと水780gとを仕込み、窒素流通
下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)まで
加熱した。この状態で8時間攪拌し、反応終了後、室温
まで冷却した。その後、反応液を2リットル容の分液ロ
ートに移し、200mlのクロロベンゼンで2回、10
0mlのクロロベンゼンで1回、抽出した。水層は水酸
化ナトリウムで中和した後、再度1リットル容の4径フ
ラスコに移し、α,α,α’,α’−テトラクロロ−o
−キシレン39.0gを加えて窒素流通下、再びオイル
バスにより還流温度(100〜101℃)まで加熱した
(繰り返し1回目)。この状態で10時間攪拌し、反応
終了後、室温まで冷却した。その後、反応液を2リット
ル容の分液ロートに移し、前記と同様クロロベンゼンで
3回抽出した。水層は水酸化ナトリウムで中和した後、
再度1リットル容の4径フラスコに移し、α,α,
α’,α’−テトラクロロ−o−キシレン39.0gを
加えて窒素流通下、再びオイルバスにより還流温度(1
00〜101℃)まで加熱した(繰り返し2回目)。前
記と同様、14時間攪拌し、反応終了後、室温まで冷却
した。クロロベンゼンで3回抽出し、3回分のクロロベ
ンゼンを合わせて水洗した。クロロベンゼン層をエバポ
レーター及び真空ポンプで濃縮してo−フタルアルデヒ
ド61.3gを得た。これは、仕込み原料に対して9
5.3%の収率であった。このようにして得たo−フタ
ルアルデヒドをガスクロマトグラフィーで分析した結
果、純度は99.1%であった。
【0021】実施例6 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた3リットル容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン244gと水2440gとを仕込み、窒素流通
下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)まで
加熱した。この状態で16時間攪拌し、反応終了後、室
温まで冷却した。その後、反応液を5リットル容の分液
ロートに移し、400mlのクロロベンゼンで2回、2
00mlのクロロベンゼンで1回、抽出した。エバポレ
ーターでクロロベンゼンを回収した後、内径15mmの
ガラス管に5mmのガラスヘリッパクを15cm充填し
た精留塔で減圧蒸留し、112.2gの精製o−フタル
アルデヒドを得た。これは、仕込み原料に対して83.
7%の収率であり、ガスクロマトグラフィーで分析した
結果、o−フタルアルデヒドの純度は99.9%であっ
た。
【0022】実施例7 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた200ml容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン14.6g及び炭酸カルシウム6.0gと水1
46gとを仕込み、窒素流通下、オイルバスにより還流
温度(99〜101℃)まで加熱した。この状態で24
時間攪拌し、冷却後、反応液をエーテルで抽出し、ガス
クロマトグラフィーで分析した。その結果、原料のα,
α,α’,α’−テトラクロロ−o−キシレンは完全に
消失し、o−フタルアルデヒドの純度は99.2%であ
った。
【0023】比較例1 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた500ml容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン24.4gと90%硫酸244gを仕込み、窒
素流通下、オイルバスにより80℃まで加熱した。この
状態で2時間攪拌したところ、反応液が黒色となり、エ
ーテル不溶物が多量に副生し、o−フタルアルデヒドは
ほとんど生成していなかった。
【0024】比較例2 温度計、還流冷却器、攪拌機、水滴下装置を備えた10
0ml容の4径フラスコにα,α,α’,α’−テトラ
クロロ−o−キシレン14.4gと塩化亜鉛0.7gを
仕込み、窒素流通下、オイルバスにより120℃まで加
熱した。昇温中に塩化水素の発生を伴いながらα,α,
α’,α’−テトラクロロ−o−キシレンの重合が起こ
ったため、水を滴下する前に中断した。
【0025】比較例3 温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた200ml容の4
径フラスコにα,α,α’,α’−テトラクロロ−o−
キシレン36.6gと水109.8gとを仕込み、窒素
流通下、オイルバスにより還流温度(99〜101℃)
まで加熱した。還流状態で40時間攪拌し、冷却後、反
応液をエーテルで抽出し、ガスクロマトグラフィーで分
析した。その結果、原料のα,α,α’,α’−テトラ
クロロ−o−キシレンが3.4%残存し、o−フタルア
ルデヒドが63.3%、フタリドが29.8%生成して
いた。反応終了時点の塩酸濃度は、計算上16.2%で
あった。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、α,α,
α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレン化合物を出
発原料とし、過剰な水を反応試剤及び反応溶媒として使
用するため、副反応が抑制され、高収率かつ高純度で芳
香族−o−ジアルデヒド化合物を製造することができ
る。さらに、原料以外の有機溶媒および有機酸類をまっ
たく必要としないため、それらの回収作業が不必要であ
り、本発明方法は、経済性においても、また作業性にお
いても優れ、工業的に実施する方法として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 51/373 C07C 51/373 65/30 65/30 201/12 201/12 205/44 205/44 253/30 253/30 255/56 255/56

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表わされるα,α,
    α’,α’−テトラハロゲノ−o−キシレン化合物を過
    剰量の水の存在下に加水分解することを特徴とする芳香
    族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法。 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、水酸基、アルコキシ基、ニ
    トロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはカルボキシル基
    を示し、nは0〜4の整数を示し、nが2以上の場合、
    1 は互いに同じでも異なっていてもよい。Xはハロゲ
    ン原子を示す。)
  2. 【請求項2】 前記の水の量がα,α,α’,α’−テ
    トラハロゲノ−o−キシレン化合物に対して重量比で4
    〜100倍量である請求項1記載の芳香族−o−ジアル
    デヒド化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 水以外の溶媒は実質的に含有しない請求
    項1記載の芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100657744B1 (ko) 2005-01-26 2006-12-13 주식회사 엘지화학 테레프탈알데히드의 정제방법
JP2007186440A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Nippon Steel Chem Co Ltd 芳香族クロロメチル化合物の加水分解方法

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