JPH078827B2 - α,β‐不飽和アルデヒドの製造方法 - Google Patents

α,β‐不飽和アルデヒドの製造方法

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JPH078827B2
JPH078827B2 JP18719888A JP18719888A JPH078827B2 JP H078827 B2 JPH078827 B2 JP H078827B2 JP 18719888 A JP18719888 A JP 18719888A JP 18719888 A JP18719888 A JP 18719888A JP H078827 B2 JPH078827 B2 JP H078827B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式(1) (Rは、低級アルキル基またはアリール基を表す) で示されるα,β−不飽和アルデヒドの製造方法に関す
る。
これらのアルデヒド化合物のうちRがメチル基である8
−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オクタジエナール
は、飼料添加剤または医薬品として用いられているビタ
ミンAまたはそのカルボン酸エステルの合成中間体とし
て有用である〔大寺ら、J.Org.Chem.,51,3834(1986)参
照〕。
〔従来の技術〕
従来、これらのアルデヒド類の製造方法としては次のよ
うなものが知られている。
(1)ゲラニルアセテートを二酸化セレンで酸化するこ
とによる8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オクタ
ジエナールの製造方法 (Tetrahedron Letters 281(1973)) (2)ゲラニルアセテートから導かれる6−クロロ−3,
7−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−アセテートに第
2級アミン、過酸化剤等を反応させる8−アセトキシ−
2,6−ジメチル−2,6−オクタジエナールの製造方法 (佐藤らChem.Lett.2035(1986)) 〔発明が解決しようとする課題〕 上記α,β−不飽和アルデヒドの合成法において、
(1)の方法は反応工程は短いが有毒物である二酸化セ
レンを使用しなくてはならないという欠点がある。ま
た、(2)の方法は爆発の危険性がある過酸化物を使用
する必要があるなどの点で工業的製造としては適さな
い。
しかして、本発明の目的は、これらの問題点を解決して
ゲラニオールのカルボン酸エステルから高収率かつ簡便
にα,β−不飽和アルデヒドを製造する方法を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、一般式(2) (Rは、低級アルキル基またはアリール基を表す) で示されるゲラニオールのカルボン酸エステルを塩素化
し、生成する一般式(3) (Rは、前記定義の通りである) で示される第2級アリルクロライドをギ酸ナトリウムと
反応させ、生成する一般式(4) (Rは、前記定義の通りである) で示される第1級アリルエステルを選択的エステル交換
反応により一般式(5) (Rは、前記定義の通りである) で示される第1級アリルアルコールとし、次いで該第1
級アリルアルコールを空気酸化することにより、上記一
般式(1)で示されるα,β−不飽和アルデヒドを工業
的に有利に製造しうることを見出し、本発明を完成し
た。
本発明の特長は、安価に入手でき、かつ工業的見地から
容易に多量に取扱いのできる反応剤を使用して、特殊な
装置や反応条件を使うことなく容易な操作で目的物を製
造できることにある。
前記の一般式のRを詳しく説明する。Rは、低級アルキ
ル基またはアリール基を表す。ここで低級アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが例示され
る。アリール基としては、フェニル基、およびメトキシ
基、エトキシ基、クロル基、ブロモ基、フルオロ基、ヨ
ウ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ニトロ基
などの置換基をオルト位、メタ位またはパラ位のいずれ
かの位置に1個または2個以上有するフェニル基などが
例示される。
一般式(2)で示されるゲラニオールのカルボン酸エス
テルの塩素化反応による一般式(3)で示される第2級
アリルクロライドの製造方法について述べる。
この反応は通常、次亜塩素酸ナトリウムを溶解した水相
と一般式(2)で示されるゲラニオールのカルボン酸エ
ステルを溶解した有機溶媒相との二相系に酸を添加する
ことにより実施される。次亜塩素酸は次亜塩素酸ナトリ
ウムと酸との作用によりその場(in situ)で生成され
る。
次亜塩素酸ナトリウムを溶解した水相としては、市販さ
れている次亜塩素酸ナトリウム水溶液をそのまま用いる
ことが簡便である。次亜塩素酸ナトリウムの使用量は、
一般式(2)で示されるゲラニオールのカルボン酸エス
テルの1モルに対して約0.8-1.5モルの量が好ましい。
一般式(2)で示されるゲラニオールのカルボン酸エス
テルを溶解しておく有機溶媒としては、ヘキサン、ベン
ゼン、トルエンなどの炭化水素類;ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭
化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルな
どのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステ
ル類などが使用される。有機溶媒の使用量は、一般式
(2)で示されるゲラニオールのカルボン酸エステルの
1gに対して約0.5-50mlの量が好ましい。
次亜塩素酸ナトリウムから次亜塩素酸を生成させるため
に用いる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸ホウ酸など
や、ギ酸、酢酸、コハク酸などの低級カルボン酸が例示
される。これらの酸は水溶液の形で添加してもよいし、
それぞれの物性に応じて、気体、液体または固体の形で
加えてもよい。例えば、塩酸は適当な濃度の水溶液とし
て加えてもよいし、塩化水素ガスとして吹き込んでもよ
い。硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸などは市販品(常温で液
体)をそのまま用い、または適当な濃度の水溶液として
用いることができる。ホウ酸やコハク酸などは市販品
(常温で固体)をそのまま、または適当な濃度の水溶液
として使用することができる。これらの酸の使用量は酸
の種類によって異なるが、副反応のおこらない範囲で少
し過剰に用いることが実際的である。
反応温度は約0-20℃が好適である。
このようにして得られた反応混合物からの一般式(3)
で示される第2級アリルクロライドの分離は、例えば次
の方法により行なうことができる。すなわち、反応混合
物に水およびジクロルメタン、ヘキサン、トルエン、イ
ソプロピルエーテル又は酢酸エチルなどの有機溶剤を加
えて分液し有機層を分離する。この有機層を亜硫酸ナト
リウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液などで洗浄し、こ
れら溶媒を留去することにより、一般式(3)で示され
る第2級アリルクロライドを粗生成物として取得するこ
とができる。このようにして得られた粗生成物は、その
まま次の反応に使用することができるし、また蒸留、カ
ラムクロマトグラフィーなどで精製して使用してもよ
い。
次に一般式(4)で示される第1級アリルエステルの製
造方法について述べる。
一般式(4)で示される第1級アリルエステルは、一般
式(3)で示される第2級アリルクロライドに触媒量の
ヨウ素化テトラアルキルアンモニウム塩の存在下、ギ酸
ナトリウムを反応させることにより製造することができ
る。
反応は有機溶媒中で行なわれ、使用される有機溶媒とし
ては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭
化水素類;1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどのハ
ロゲン化炭化水素類;ジオキサン、イソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類があげられる。特に好
適な溶媒はトルエンである。
反応は30-180℃の範囲の温度で行なうことができ、好ま
しくは、70-140℃の範囲内の温度下、反応液の加熱還流
下で行なうのがよい。
反応に用いられるギ酸ナトリウムの使用量は、一般式
(3)で示される第2級アリルクロライドに対して当モ
ル以上用いるのがよく、好ましくは1.1-2倍モル量程度
用いるのがよい。
触媒としてのヨウ素化テトラアルキルアンモニウム塩は
4個のアルキル基の合計が8-32程度の範囲内にあるのが
よく、具体例としてヨウ素化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、ヨウ素化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、
ヨウ素化ステアリルトリメチルアンモニウムなどを例示
することができる。ヨウ素化テトラアルキルアンモニウ
ム塩の使用量は一般式(3)で示される第2級アリルク
ロライドに対し通常0.1-20モル%であり、特に好ましく
は1−5モル%である。
このようにして得られた反応混合物からの一般式(4)
で示される第1級アリルエステルの分離は、例えば次の
方法により行なうことができる。すなわち、反応混合物
中に存在する固形物を濾過により分離し、得られたろ液
に水を加えて分液し、得られた有機層を5%チオ硫酸ナ
トリウム、重曹水、食塩水により洗浄してさらに溶媒を
留去することにより、一般式(4)で示される第1級ア
リルエステルを粗生成物として取得することができる。
この粗生成物は、そのまま次の反応に使用することもで
きるし、また蒸留あるいはカラムクロマトグラフィーな
どで精製して使用してもよい。
次に、一般式(5)で示される第1級アリルアルコール
の製造方法について述べる。
上記第1級アリルアルコールを得るための一般式(4)
で示される第1級アリルエステルの選択的エステル交換
反応は、メタノール溶液中、触媒量のアルカリ金属炭酸
塩を用いて行なうことができる。
使用されるアルカリ金属炭酸塩としては例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどがあげられ
る。特に、炭酸ナトリウムの使用が好ましい。アルカリ
金属塩の使用量は、一般式(4)で示される第1級アリ
ルエステルに対して0.01-50モル%であり、好ましくは
0.5-2モル%である。
溶媒としてのメタノールの使用量は、一般式(4)で示
される第1級アリルエステルの濃度が0.1-3モル/lとな
る量がよく、好ましくは0.8-1.2モル/lの量である。
反応温度は、約10-30℃が好適である。
このようにして得られた反応混合物からの一般式(5)
で示される第1級アリルアルコールの分離は、例えば次
の方法で行なうことができる。すなわち、反応混合物に
触媒として使用したアルカリ金属炭酸塩と当モルの量の
硫酸、塩酸、酢酸あるいはギ酸などの酸を加えた後、減
圧下、溶媒を留去することにより一般式(5)で示され
る第1級アリルアルコールを粗生成物として取得するこ
とができる。このようにして得られた粗生成物は、その
まま次の反応に使用することができるし、また蒸留ある
いはカラムクロマトグラフィーなどで精製することがで
きる。
つぎに一般式(1)で示されるα,β−不飽和アルデヒ
ドの製造方法について述べる。
一般式(1)で示されるα,β−不飽和アルデヒドは、
先に得られた第1級アリルアルコールに対して触媒量の
N−オキシラジカル化合物および塩化第一銅触媒存在
下、空気または酸素を吹き込むことによって行なわれ
る。
触媒として使用されるN−オキシラジカル化合物として
は、例えば、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジニル−1−オキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペピリジニル−1−オキシ、2,2,6,6−テ
トラメチルピペピリジニル−1−オキシなどがあげら
れ、またその使用量は一般式(5)で示される第1級ア
リルアルコールに対して1-30モル%、好ましくは2-10モ
ル%である。また、塩化第一銅の使用量は、一般式
(5)で示される第1級アリルアルコールに対して1-30
モル%、好ましくは3-10モル%である。
反応は、有機溶媒中で行なわれ使用される有機溶媒とし
ては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド
系溶媒を用いることができる。
反応は10-100℃の範囲で行なうことができるが、好まし
い反応温度は30-50℃の範囲である。反応は、常圧また
は加圧下のいずれで行なうこともでき、0-20kg/cm2Gの
範囲が好適である。
反応系に吹き込む酸素または空気の量は圧力によって異
なるが、通常一般式(5)で示される第1級アリルアル
コール1モルに対して0.001-1.0Nm3の量吹き込まれ、常
圧では0.2-0.3Nm3量吹き込まれる。
このようにして得られた反応混合物からの一般式(1)
で示されるα,β−不飽和アルデヒドの分離は次の方法
により行なうことができる。すなわち、反応混合物から
減圧下、溶剤を留去した後5%塩酸水および抽出溶剤と
してトルエンを加えて分液し、得られた有機層を水、5
%炭酸ナトリウム水溶液により洗浄してさらに溶媒を留
去することにより、一般式(1)で示されるα,β−不
飽和アルデヒドを粗生成物として得ることができる。こ
の粗生成物は、減圧下精製蒸留塔にて精製し、純粋な
α,β−不飽和アルデヒドを得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明方法をさらに具体的に説明
するが、本発明はこれによって何ら限定されるものでは
ない。
実施例1 8−アセトキシ−2,6−ジメチル−オクタジ
エナールの合成例 (i)8−アセトキシ−2,6−ジメチル−3−クロル−
1,6−オクタジエンの合成 ゲラニルアセテート15.70g(80mmol)、ジクロルメタン
200mlおよび次亜塩素酸ナトリウム水溶液(1.77mol/l)
46.0ml(次亜塩素酸ナトリウム81.4mmol)をフラスコに
入れた。この混合物に1Nの塩酸16.7ml(83.6mmol)をゆ
っくり1時間かけて滴下した。この間、フラスコを氷水
浴で冷却することにより、内温を10℃以下に保った。
塩酸の滴下終了後、反応混合物を4℃にて1時間攪拌し
た。得られた反応混合物に水100mlを加え、有機層を分
離し、水層をジクロルメタン100mlで抽出した。有機層
を抽出液と合わせたのち10%亜硫酸ナトリウム水溶液10
0mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。これらか
ら溶媒を留去することにより、8−アセトキシ−2,6−
ジメチル−3−クロル−1,6−オクタジエンの粗生成物2
1.0gを得た。NMR分析により、この粗生成物における8
−アセトキシ−2,6−ジメチル−3−クロル−1,6−オク
タジエンの純度は80%であることが判明した。(収率91
%) (ii)8−アセトキシ−2,6−ジメチル−1−ホルミル
オキシ−2,6−オクタジエンの合成 8−アセトキシ−2,6−ジメチル−3−クロル−1,6−オ
クタジエン34g(80%純度、118mmol)、ギ酸ナトリウム
16.32g(240mmol)、ヨウ素化テトラ−n−ブチルアン
モニウム0.9g(2.4mmol)、トルエン100mlの混合物を激
しく攪拌しながら9時間加熱還流した。冷却後、固形物
を吸引ろ別し、ろ液を50mlの水で洗浄した。さらに有機
層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液50ml、5%重曹水50
ml、5%食塩水50mlにより油状物32.44gを得た。ガスク
ロマトグラフィーによる分析を行なったところ、目的と
する8−アセトキシ−2,6−ジメチル−1−ホルミルオ
キシ−1,6−オクタジエンの純度は76.5%であった。
(収率87.6%)なお、2位の二重結合のシス対トランス
比は58.2対41.8であった。この粗ギ酸エステルは充填塔
を付した蒸留塔により蒸留を行なうことができる(沸点
115-118℃/0.2mmHg)。
(iii)8−アセトキシ−2,6−ジメチル−1−ヒドロキ
シ−2,6−オクタジエンの合成 8−アセトキシ−2,6−ジメチル−1−ホルミルオキシ
−2,6−オクタジエン100g(96%純度、400mmol)のメタ
ノール500ml溶液に炭酸ナトリウム318mg(3mmol)を加
え、室温で1時間攪拌した。濃硫酸300mgのメタノール3
0ml溶液を入れて反応を停止させた後減圧下、溶媒を留
去すると油状物113gが得られた。ガスクロマトグラフィ
ーによる分析を行なったところ、目的とする8−アセト
キシ−2,6−ジメチル−1−ヒドロキシ−2,6−オクタジ
エンの純度は72.7%であり、収量82.19gであった。(収
率96.9%)なお、2位の二重結合のシス対トランス比は
54.7対45.3であった。
(iv)8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オクタジ
エナールの合成 8−アセトキシ−2,6−ジメチル−1−ヒドロキシ−2,6
−オクタジエン82.5g(72.7%純度、283mmol)のN,N−
ジメチルホルムアミド100ml溶液に、塩化第一銅1.4g(1
4.1mmol)および4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペピリジニル−1−オキシ0.98g(5.7mmol)を混
ぜ、空気を一分間に0.91の量を6.5時間吹き込んだ。こ
の間、反応温度は40℃に保った。反応終了後、減圧下溶
媒を留去したのち、トルエン200mlおよび10%塩酸水100
mlをいれ分液した。さらに有機層を水100ml,5%炭酸ナ
トリウム水溶液100mlで洗浄したのち、溶媒を留去する
ことにより、8−アセトキシ−2,6−ジメチル−2,6−オ
クタジエナールの粗生成物83.0gを得た。この粗生成物
における8−アセトキシ2,6−ジメチル−2,6−オクタジ
エナールの純度はガスクロマトグラフィーによる分析に
より68%であることが判明した。(収率95%)なお、2
位の二重結合のシス対トランス比は30対70であった。こ
の粗生成物を減圧下、精密蒸留塔を用いて精製すること
により8−アセトキシ2,6−ジメチル−2,6−オクタジエ
ナールの純度が92.6%の物を29.71g得た。(沸点122-12
5℃/mmHg) 実施例2 8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−オクタジ
エナールの合成例 (i)8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−3−クロル−
1,6−オクタジエンの合成 ゲラニルベンゾネート81.28g(160mmol)、ジクロルメ
タン400mlおよび次亜塩素酸ナトリウム水溶液(1.77mol
/l)92.0ml(次亜塩素酸ナトリウム162.8mmol)をフラ
スコに入れた。この混合物に1Nの塩酸33.4ml(167mmo
l)をゆっくり1時間かけて滴下した。この間、フラス
コを氷水浴で冷却することにより、内温を10℃以下に保
った。
塩酸の滴下終了後、反応混合物を4℃にて1時間攪拌し
た。得られた反応混合物に水200mlを加え、有機層を分
離し、水層をジクロルメタン200mlで抽出した。有機層
を抽出液と合わせたのち10%亜硫酸ナトリウム水溶液20
0mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。これらか
ら溶媒を留去することにより、8−ベンゾイル−2,6−
ジメチル−3−クロル−1,6−オクタジエンの粗生成物5
6.6gを得た。NMR分析により、この粗生成物における8
−ベンゾイル−2,6−ジメチル−3−クロル−1,6−オク
タジエンの純度は72%であることが判明した。(収率87
%) (ii)8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−1−ホルミル
オキシ−2,6−オクタジエンの合成 8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−3−クロル−1,6−オ
クタジエン40.6g(72%純度、100mmol)、ギ酸ナトリウ
ム13.6g(200mmol)、ヨウ素化テトラ−n−ブチルアン
モニウム0.74g(2mmol)、トルエン100mlの混合物を激
しく攪拌しながら9時間加熱還流した。冷却後、固形物
を吸引ろ別し、ろ液を50mlの水で洗浄した。さらに有機
層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液50ml、5%重曹水50
ml、5%食塩水50mlにより油状物35.1gを得た。ガスク
ロマトグラフィーによる分析を行なったところ、目的と
する8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−1−ホルミルオ
キシ−1,6−オクタジエンの純度は72.5%であった。
(収率84.2%)なお、2位の二重結合のシス対トランス
比は55.2対44.8であった。
(iii)8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−1−ヒドロキ
シ−2,6−オクタジエンの合成 8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−1−ホルミルオキシ
−2,6−オクタジエン33.32g(72.5%純度、80mmol)の
メタノール100ml溶液に炭酸ナトリウム64mg(0.6mmol)
を加え、室温で1時間攪拌した。濃硫酸60mgのメタノー
ル6ml溶液を入れて反応を停止させた後減圧下、溶媒を
留去すると油状物27.5gが得られた。ガスクロマトグラ
フィーによる分析を行なったところ、目的とする8−ベ
ンゾイル−2,6−ジメチル−1−ヒドロキシ−2,6−オク
タジエンの純度は78.7%であった。(収率98.7%)な
お、2位の二重結合のシス対トランス比は55.7対44.3で
あった。
(iv)8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−2,6−オクタジ
エナールの合成 8−ベンゾイル−2,6−ジメチル−1−ヒドロキシ−2,6
−オクタジエン17.4g(78.7%純度、50mmol)のN,N−ジ
メチルホルムアミド50ml溶液に、塩化第一銅50mg(0.5m
mol)および4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペピリジニル−1−オキシ173mg(1mmol)を混ぜ、空気
を一分間に0.41の量を7時間吹き込んだ。この間、反応
温度は40℃に保った。反応終了後、減圧下溶媒を留去し
たのち、トルエン100mlおよび10%塩酸水100mlをいれ分
液した。さらに有機層を水100ml,5%炭酸ナトリウム水
溶液100mlで洗浄したのち、溶媒を留去することにより
油状物18.2gを得た。この物をカラムクロマトグラフィ
ーで精製することにより8−ベンゾイル−2,6−オクタ
ジエナール12.1gを得た。なお、この物はNMRおよびIR分
析により8−ベンゾイル−2,6−オクタジエナールであ
ることが確認された。(収率89%) 〔発明の効果〕 本発明によれば、上記の実施例から明らかなとおり、安
価に入手でき、かつ工業的見地から容易に多量に取扱い
のできる反応剤を使用して、特殊な装置や反応条件を使
うことなく容易な操作で一般式(1)で示されるα,β
−不飽和アルデヒドを製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(2) (Rは、低級アルキル基またはアリール基を表す) で示されるゲラニオールのカルボン酸エステルを塩素化
    し、生成する一般式(3) (Rは、前記定義の通りである) で示される第2級アリルクロライドをギ酸ナトリウムと
    反応させ、生成する一般式(4) (Rは、前記定義の通りである) で示される第1級アリルエステルを選択的エステル交換
    反応により一般式(5) (Rは、前記定義の通りである) で示される第1級アリルアルコールとし、次いで該第1
    級アリルアルコールを空気酸化することを特徴とする一
    般式(1) (Rは、前記定義の通りである) で示されるα,β−不飽和アルデヒドの製造方法。
JP18719888A 1988-07-26 1988-07-26 α,β‐不飽和アルデヒドの製造方法 Expired - Fee Related JPH078827B2 (ja)

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JPH0717555B2 (ja) * 1989-08-11 1995-03-01 株式会社クラレ α,β―不飽和アルデヒド類の製造方法

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