JP2000273313A - 繊維乃至膜用配合剤及び繊維乃至膜形成用樹脂組成物 - Google Patents

繊維乃至膜用配合剤及び繊維乃至膜形成用樹脂組成物

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JP2000273313A
JP2000273313A JP11077877A JP7787799A JP2000273313A JP 2000273313 A JP2000273313 A JP 2000273313A JP 11077877 A JP11077877 A JP 11077877A JP 7787799 A JP7787799 A JP 7787799A JP 2000273313 A JP2000273313 A JP 2000273313A
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zinc
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JP11077877A
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Hiroshi Igarashi
宏 五十嵐
Katsumi Higuchi
勝美 樋口
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛系化合物を含有しながら、微細分散性及
び分散安定性に優れ、しかも優れた消臭性能や抗菌性能
やそれらの持続性を維持することができる繊維乃至膜用
配合剤を提供する。 【解決手段】 特定の亜鉛系化合物(A)と、平均分子
量10000以下のポリエーテル(B)とを含有する組
成物から成ることを特徴とする繊維乃至膜用配合剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維乃至膜用配合
剤及び繊維乃至膜形成性樹脂組成物に関するもので、よ
り詳細には、繊維形成性乃至膜形成性高分子の組成物に
適用したとき、微細分散性及び分散安定性に優れ、しか
も優れた消臭性能や抗菌性能やそれらの持続性を維持す
ることができる繊維乃至膜用配合剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛系の合成鉱物が種々提案され
ている。例えば、特公平4−51458号公報には、フ
ライポンタイト型のX線回折像と80%以上のハンター
白色度と100m/g以上の比表面積とを有するフィ
ロケイ酸亜鉛または含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛が
記載されている。また、特公平5−13889号公報に
は、スメクタイト族粘土鉱物の酸処理物から、ヘミモル
ファイト型ケイ酸亜鉛やソーコナイト型ケイ酸亜鉛を製
造することが記載されている。
【0003】ケイ酸亜鉛系化合物が、消臭性能と抗菌性
能とを有することは古くから知られている。例えば、特
開平2−99606号公報には、酸化亜鉛と二酸化珪素
の重量比率が1:5〜5:1からなる大部分がアモルフ
ァスな構造であるケイ酸亜鉛の実質的に無定形な平均粒
子径が5μm以下の無機微粒子と、融点が10℃よりも
低くかつ25℃以下での粘度が10ポイズ以上を有する
液状ポリエステル系化合物との混合物が、融点150℃
以上の熱可塑性ポリマー中に分散していることを特徴と
する消臭性及び抗菌性を有する繊維が記載されている。
【0004】また、特開平8−246334号公報に
は、抗菌・消臭性多孔質セラミックス系粉末加工剤を繊
維用樹脂バインダーと共に布帛に付与した抗菌消臭性布
帛が記載されている。
【0005】更に、特開平9−87924号公報には、
アクリル系合成繊維において、平均粒径0.5〜10μ
mのケイ酸金属塩またはアルミノケイ酸金属塩を有効成
分とする微粉末を0.5〜20.0重量%含有している
ことを特徴とする消臭・抗菌性アクリル系合成繊維が記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記ケイ酸亜鉛或いは
アルミノケイ酸亜鉛などからなる亜鉛系化合物は、消臭
性能と抗菌作用とを組合せで有しているとしても、長期
の使用や洗濯等の洗浄に際して、それらの作用が失われ
るなど、その持続性や耐久性に未だ劣る傾向があり、こ
の特性の改善が望まれている。
【0007】また、上記亜鉛系化合物は、樹脂乃至樹脂
溶液中での分散性が未だ不十分であり、粒子相互の凝集
傾向もあり、例えば繊維への成形に際して、オリフィス
の詰まりを生じたり、糸切れを起こす傾向があり、その
改善が強く要求されている。この分散性の向上や凝集傾
向の改善は、単に繊維形成の場合にとどまらず、膜(メ
ンブレン)形成の場合にも同様に求められている。
【0008】本発明の目的は、亜鉛系化合物を含有しな
がら、微細分散性及び分散安定性に優れ、しかも優れた
消臭性能や抗菌性能やそれらの持続性を維持することが
できる繊維乃至膜用配合剤に関する。本発明の他の目的
は、樹脂や樹脂溶液中での微細分散性及び分散安定性に
優れ、その結果として、オリフィス詰まりの発生や糸切
れ、或いは粗大穴あきなどの不均質化が防止され、しか
も優れた消臭性能や抗菌性能やそれらの持続性が維持さ
れた繊維や膜を形成できる樹脂組成物を提供するにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
ヘミモルファイト型ケイ酸亜鉛、ソーコナイト型ケイ酸
亜鉛、フィロケイ酸亜鉛、含アルミニウムフィロケイ酸
亜鉛及びそれらの非晶質シリカ複合体から成る群より選
択された亜鉛系化合物と、(B)平均分子量10000
以下のポリエーテルとを含有する組成物から成ることを
特徴とする繊維乃至膜用配合剤が提供される。本発明に
よればまた、繊維形成性乃至膜形成性高分子に、前記繊
維乃至膜用配合剤を配合して成ることを特徴とする繊維
乃至膜形成用樹脂組成物が提供される。本発明によれば
更に、非プロトン性極性有機溶媒及び非プロトン性極性
有機溶媒に可溶な繊維形成性乃至膜形成性高分子に、前
記繊維乃至膜用配合剤を配合して成ることを特徴とする
繊維乃至膜形成用ドープが提供される。
【0010】本発明に用いる繊維乃至膜用配合剤では、
亜鉛系化合物(A)と、二成分合計[(A)+(B)]
基準で1乃至20重量%、特に3乃至20重量%のポリ
エーテル(B)とを含有することが好ましい。本発明に
用いる配合剤では、亜鉛系化合物(A)とポリエーテル
(B)との組成物を共粉砕したものであることが特に好
ましい。また、本発明に用いる繊維乃至膜用配合剤で
は、酸強度凾数Hoが+4.8以下の酸量が0.08m
−mol/g以下、特に0.04m−mol/g以下で
あることが好ましい。
【0011】また、この配合剤中の亜鉛系化合物(A)
が、(1)3成分基準でSiO5乃至80モル%、特
に30乃至60モル%、Al 0乃至60モル%、
特に5乃至20モル%及びZnO 5乃至65モル%、
特に30乃至60モル%の化学組成を有するものである
こと、(2)0.1乃至100μmのメジアン径、30
乃至1000m/gのBET比表面積及び30乃至2
00ml/100gの吸油量(JIS.K.5101)
を有するものであること、が好ましい。
【0012】更に、この配合剤中のポリエーテル(B)
が、ポリアルキレンオキシド、特に下記式(1) HO(CHCHO)nH ‥‥(1) 式中、nは4乃至100の数である、で表されるポリエ
チレングリコールであることが好ましく、また他のタイ
プのものとして、ポリオキシエチレン単位を含有する非
イオン型界面活性剤を用いることもできる。
【0013】本発明に用いる組成物は、更に、(C)光
反応性半導体を含有させることができ、この場合、光反
応性半導体(C)を、亜鉛系化合物(A)当たり0.5
乃至50重量%、特に1乃至30重量%の量で含有させ
ることができる。
【0014】本発明に用いる組成物は、更にまた、
(D)難燃剤を含有させることができ、この場合、難燃
剤(D)を、亜鉛系化合物(A)当たり0.5乃至80
重量%、特に1乃至50重量%の量で含有させることが
できる。
【0015】本発明に用いる組成物は、更に加えて、抗
菌剤(E)を含有させることができ、この場合、抗菌剤
(E)を、亜鉛系化合物(A)当たり0.5乃至50重
量%、特に1乃至30重量%の量で含有させることがで
きる。
【0016】本発明における繊維乃至膜形成用樹脂組成
物では、繊維形成性乃至膜形成性高分子100重量部当
たり、繊維乃至膜用配合剤が1乃至30重量部、特に2
乃至30重量部の量で含有することが好ましい。
【0017】一方、本発明における繊維乃至膜形成用ド
ープでは、繊維形成性乃至膜形成性高分子100重量部
当たり、非プロトン性極性有機溶媒が150乃至800
重量部、特に180乃至500重量部及び繊維乃至膜用
配合剤が1乃至30重量部、特に2乃至30重量部の量
で含有することが好ましい。この組成物では、非プロト
ン性極性有機溶媒がジメチルホルムアミドであり、繊維
形成性乃至膜形成性高分子がアクリロニトリル系高分子
であることが特に好ましい。
【0018】
【発明の実施形態】[作用]本発明では、亜鉛系化合物
(A)として、ヘミモルファイト型ケイ酸亜鉛、ソーコ
ナイト型ケイ酸亜鉛、フィロケイ酸亜鉛、含アルミニウ
ムフィロケイ酸亜鉛またはそれらの非晶質シリカ複合体
を選択し、この亜鉛系化合物(A)と、平均分子量10
000以下のポリエーテル(B)とを組み合わせる。
【0019】これらの特定の亜鉛系化合物(A)は、非
晶質のケイ酸亜鉛やアルミノケイ酸亜鉛に比して、結晶
性を保持しており、繊維や膜に含有させたとき、それ自
体の耐久性に優れていると共に、消臭作用や抗菌作用の
持続性に優れており、また、非晶質のケイ酸亜鉛やアル
ミノケイ酸亜鉛に比して、粒子間の凝集性が少なく、繊
維形成性乃至膜形成性高分子やその溶液に配合したと
き、分散安定性に優れているという利点を与える。
【0020】添付図面の図1は、本発明に用いるヘミモ
ルファイト型ケイ酸亜鉛の一例のX線回折像であり、図
2はソーコナイト型ケイ酸亜鉛の一例のX線回折像であ
り、図3は含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛の一例のX
線回折像であり、図4は含アルミニウムフィロケイ酸亜
鉛の非晶質シリカ複合体の一例のX線回折像である。
尚、フィロケイ酸亜鉛のX線回折像は示していないが、
含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛のX線回折像(図3)
と同様なX線回折像を示すものであり、このX線回折像
はフライポンタイトとも呼ばれているものである。この
ように、本発明に用いる亜鉛系化合物(A)は、何れも
明確な結晶構造を示すものであり、その構造の安定性
が、消臭作用や抗菌作用の持続性、また、粒子間の非凝
集性、分散安定性に役立っていると考えられる。
【0021】ところが、上記の特定の亜鉛系化合物
(A)は、それ単独で繊維形成性乃至膜形成性高分子中
に配合すると、繊維形成に際してオリフィスの目詰まり
や糸切れ等を発生し、また膜形成に際しては組織が不均
質となって粗大穴あき等を発生するのであり、これは、
繊維形成性乃至膜形成性高分子やその溶液中で、前記亜
鉛系化合物粒子同士が凝集し、その分散粒子が十分に微
細になっていないためと認められる。
【0022】本発明者らは、種々の有機系分散剤のうち
でも、平均分子量が10000以下、特に400乃至6
000のポリエーテル(B)を用い、これを上記の特定
の亜鉛系化合物(A)と組み合わせると、上記の亜鉛系
化合物(A)の有する消臭作用、抗菌作用及びその持続
性を損なうことなく、粒子同士の凝集傾向を軽減し、微
細分散性や、分散安定性を顕著に向上させることに成功
したものである。
【0023】本発明の配合剤では、亜鉛系化合物(A)
とポリエーテル(B)との組成物を共粉砕することの意
義が大きい。即ち、ポリエーテル(B)を亜鉛系化合物
(A)の粉体に配合することにより、亜鉛系化合物
(A)の微粉砕が可能となると共に、粒子の表面特性の
改質が可能となる。即ち、亜鉛系化合物(A)単独を粉
砕する場合に比して、粉砕機の壁面への付着がなくなる
と共に、粒子の滑りがよくなって、粉砕性が向上し、微
粉砕も可能となる。
【0024】本発明に用いる特定の亜鉛系化合物(A)
とポリエーテル(B)との系では、単にポリエーテル
(B)の分散剤としての作用で亜鉛系化合物(A)の分
散性が向上しているのではなく、ポリエーテル(B)で
の処理により表面改質が行われていると信じられる。即
ち、前述した亜鉛系化合物(A)は何れも固体酸として
の特性を有しており、酸強度凾数Hoが+4.8以下の
酸量が一般に0.08m−mol/gより上である。と
ころが、この亜鉛系化合物(A)をポリエチレングリコ
ールで処理し、粉砕処理すると、上記の酸量が0.08
m−mol/g以下に低下すると共に、分散性も向上す
るのであって、表面酸性度の低下が分散性の向上に役立
っていると解される。
【0025】[亜鉛系化合物]本発明では、繊維乃至膜
用配合剤の一方の成分として、ヘミモルファイト型或い
はソーコナイト型のケイ酸亜鉛または含アルミニウムフ
ィロケイ酸亜鉛乃至その非晶質シリカ複合体を用いる。
【0026】これらのケイ酸質亜鉛化合物は、共通の特
性乃至組成として、0.1乃至100μmのメジアン径
(体積基準)、30乃至1000m/gのBET比表
面積及び30乃至200ml/100gの吸油量(JI
S K.5101)を有し、且つ全体当りのZnOとし
ての含有量が5乃至65モル%の範囲にある。更に、ポ
リエーテルとの組成物の形で微粉砕処理したものでは、
0.1乃至8μmのメジアン径、30乃至1000m
/gのBET比表面積及び30乃至200ml/100
gの吸油量を有するように粉体としての特性が改質され
ている。
【0027】粒径が上記範囲よりも小さいと、粉体とし
ての取り扱いが困難となる傾向があり、一方上記範囲よ
りも大きいと、樹脂への均一な分散が困難となったり、
配合物の機械的特性が低下するので好ましくない。ま
た、BET比表面積や吸油量が上記範囲を下回ると、消
臭性能や抗菌作用が上記範囲にある場合に比して低下す
る傾向があり、一方上記範囲を上回ると、顔料性が低下
して樹脂への配合作業性が低下するので、何れも好まし
くない。更に、ZnOとしての含有量が上記範囲を下回
ると、上記範囲内にある場合に比して消臭性能や抗菌作
用が低下する傾向があり、一方上記範囲を上回ると、や
はりこれらの性能が低下する傾向がある。以下、用いる
各ケイ酸質亜鉛化合物について説明する。
【0028】1.ヘミモルファイト型のケイ酸亜鉛 ヘミモルファイトは、理想的には、式(2) ZnSi(OH) ‥(2) で表される化学構造を有するソロケイ酸塩であって、柱
状の結晶である。図1に合成ヘミモルファイトのX線回
折像を示す。合成ヘミモルファイトの製造は、特公平5
−13889号公報に記載されているとおり、スメクタ
イト族粘土鉱物を該粘土鉱物の面指数〔001〕のX線
回折ピークが実質上消失し且つ生成物のAl/S
iOのモル比が1/11乃至1/99の範囲となる様
に酸処理した粘土鉱物の酸処理物と、亜鉛の酸化物、水
酸化物又は反応条件下に該酸化物乃至は水酸化物を生成
し得る化合物とを、ZnO/SiOのモル比が3/4
乃至10/4の組成比で、150乃至250℃の温度、
該温度に対応する自生蒸気圧下で水熱処理することによ
り行われるが、勿論この製造法によるものに限定されな
い。
【0029】2.ソーコナイト型のケイ酸亜鉛 ソーコナイトは、理想的には、式(3) ZnSi10(OH) ‥(3) で表される化学構造を有する三層構造のフィロケイ酸亜
鉛であって、2つのシリカの四面体層が、ZnOの八
面体層を間に挟んで三層に積層されたものを基本骨格と
し、この基本骨格が場合によりC軸方向に積層された構
造を有するものである。図2に合成ソーコナイトのX線
回折像を示す。合成ソーコナイトの製造は、特公平5−
13889号公報に記載されているとおり、スメクタイ
ト族粘土鉱物を該粘土鉱物の面指数〔001〕のX線回
折ピークが実質上消失し且つ生成物のAl/Si
のモル比が1/11乃至1/99の範囲となる様に
酸処理した粘土鉱物の酸処理物と、亜鉛の酸化物、水酸
化物又は反応条件下に該酸化物乃至は水酸化物を生成し
得る化合物とを、ZnO/SiOのモル比が1/4乃
至6/4の組成比で、130乃至170℃の温度、該温
度に対応する自生蒸気圧下で水熱処理することにより行
われるが、勿論この製造法によるものに限定されない。
【0030】3.含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至
その非晶質シリカ複合体 含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛は、一般式(4) (Zn3−XAl)(Si2−XAl)O(OH) ‥(4 ) 式中、xは0.1乃至1.75の数である、で表される
化学構造を有する二層構造のフィロアルミノケイ酸塩で
あって、一般にフライポンタイトと呼ばれるものであ
る。即ち、この化学構造では、シリカの四面体層Siが
Alで置換され、これをバランスするため、ZnO
の八面体層のZnの一部がやはりAlで置換され、これ
らが二層に積層されたものを基本骨格とし、この基本骨
格が場合によりC軸方向に積層された構造を有するもの
である。図3に合成フライポンタイトのX線回折像を示
す。合成フライポンタイトの製造は、特開昭61−10
021号、61−275128号、及び61−2751
27号公報に記載されているとおり、(a)シリカ或い
は反応条件下にシリカを生成し得るケイ素化合物、
(b)亜鉛華、水酸化亜鉛或いは反応条件下に水酸化亜
鉛を生成し得る亜鉛化合物、及び(c)アルミナ水和
物、水酸化アルミニウム或いは反応条件下でこれらを生
成し得るアルミニウム化合物、を酸化物として表わした
3成分組成比で、SiO5〜45モル%,ZnO 3
5〜65モル%及びAl0〜60モル%に相当す
る量比で、水分の存存下に反応させることにより行われ
る。反応は、上記反応体混合物から一旦沈殿を生成さ
せ、この沈殿を加熱することにより、或いは反応体混合
物をオートクレーブ中で水熱処理することにより得られ
る。勿論、本発明はこの製造法によるものに限定されな
い。
【0031】上記フライポンタイト等の含アルミニウム
フィロケイ酸亜鉛は、非晶質シリカとの複合体の形で用
いることもできる。この複合体は、非晶質で多孔質のシ
リカとその一次粒子表面に形成された含アルミニウムフ
ィロケイ酸亜鉛層とからなり、全体として三成分組成比
で、SiO5乃至80モル%、ZnO 5乃至65モ
ル%及びAl1乃至60モル%の組成を有してい
る。この複合体では、非晶質シリカの細孔中或いは一次
粒子表面上に、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛の層が
形成されるため、複合体における含アルミニウムフィロ
ケイ酸亜鉛は結晶が発達していなく、非晶質乃至低結晶
性であるという特徴がある。この複合体のタイプの含ア
ルミニウムフィロケイ酸亜鉛は、樹脂への配合が容易で
ありながら、活性であるという特徴がある。図4に、含
アルミニウムフィロケイ酸亜鉛の非晶質シリカ複合体の
うち、非晶質であるもののX線回折像を示す。この複合
体は、特公平5−79602号公報に記載されていると
おり、シリカのゾル乃至ゲル分散体中で、含アルミニウ
ムフィロケイ酸亜鉛を製造することにより、容易に得ら
れる。本発明の目的には、これらの亜鉛系化合物の中で
も、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至その非晶質シ
リカ複合体が特に好適である。なお、本発明では亜鉛化
合物の化学組成を3成分基準で記載しているが、これは
上記の3成分組成比と同じ意味である。
【0032】[ポリエーテル]本発明の繊維乃至膜用配
合剤の他方の成分として使用するポリエーテルとして
は、ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリ
コール、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共
重合体;或いはグリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マン
ニトール、ソルビトール等へのエチレンオキサイド付加
物などが使用される。
【0033】ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレ
ン単位を含有する非イオン型界面活性剤を用いることが
でき、その例として、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸アミドエーテル、ポリオキシエチレン多価アル
コール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0034】本発明においては、上に述べたポリエーテ
ルの内でも、ポリエチレングリコール、特に下記式
(1) HO(CHCHO)nH ‥‥(1) 式中、nは4乃至100の数である、で表されるポリエ
チレングリコールを用いることが望ましい。この範囲の
分子量のポリエチレングリコールは、亜鉛系化合物粒子
(A)の表面改質の効果が大であると共に、分散性や分
散安定性にも優れている。
【0035】[繊維乃至膜用配合剤]本発明の繊維乃至
膜用配合剤は、亜鉛系化合物(A)とポリエーテル
(B)との合計量を基準として、1乃至20重量%、特
に3乃至20重量%のポリエーテル(B)を含有するの
が好ましい。ポリエーテル(B)の含有量が上記範囲よ
りも少ない場合には、上記範囲内にある場合に比して、
亜鉛系化合物(A)の表面改質の効果も少ないし、分散
性向上の効果も少ない。一方、上記範囲よりも多いと、
ポリエーテル(B)を多量に含有することによる不都
合、例えば親水性の過多、湿度敏感性等が顕著になる傾
向がある。
【0036】本発明の配合剤では、亜鉛系化合物(A)
とポリエーテル(B)との組成物を共粉砕するのがよ
い。共粉砕には、ボールミル、コロイドミル、ジェット
ミル、アトマイザー等の微粉砕機や、ヘンシェルミキサ
ー等の強剪断攪拌機が使用される。処理時間は、一般に
10乃至60分間程度の粉砕処理が適当であり、処理温
度は一般的に室温で十分であるが、必要により150℃
程度の温度まで加温することもできる。この粉砕処理に
より、既に指摘したとおり、粒子の表面特性の改質が可
能となる。即ち、酸強度凾数Hが+4.8以下の酸量
が一般に0.08m−mol/g以下、特に0.04m
−mol/g以下に低下させることができる。
【0037】本発明の繊維乃至膜用配合剤には、それ自
体公知の種々の配合剤を配合することができる。このよ
うな配合剤としては、(C)光反応性半導体、(D)難
燃剤、(E)抗菌剤などを挙げることができ、これらは
単独でも、或いは2種以上の組み合わせでも用いること
ができる。
【0038】組合せで用いる光反応性半導体(C)は、
脱臭性能等を補強するものであり、主に波長が400n
m以下の紫外線の照射により電子・正孔対が生成し、接
触している臭気物質などを酸化還元反応で分解すること
ができる物質であり、例えば、酸化チタン、酸化タング
ステン、酸化亜鉛、酸化セリウム、チタン酸ストロンチ
ウム、及びニオブ酸カリウム等が挙げられる。これらの
内でも、特に酸化チタン、就中アナターゼ型の酸化チタ
ンが好ましく、この場合正孔のもつ強い酸化力が脱臭能
力に関係すると思われる。
【0039】これらの光半導体は粉末またはゾルの形で
用いられ、その粒径は0.05乃至2μmの範囲にある
ことが好ましい。これらの光反応性半導体は、任意の段
階で亜鉛系化合物と混合することができ、例えば、ポリ
エーテルの配合に先立って、亜鉛系化合物に添加するこ
ともでき、またポリエーテルの配合時に同時に、また共
粉砕時に配合してもよく、更には共粉砕後粉砕物に配合
してもよい。
【0040】光反応性半導体(C)は、亜鉛系化合物
(A)当たり0.5乃至50重量%、特に1乃至30重
量%の量で含有させることが好ましい。
【0041】本発明に用いる亜鉛系化合物(A)は、消
煙性乃至制煙制を有するが、この特徴に加えて、難燃性
を付与するために、(D)難燃剤を配合することができ
る。組み合わせて用いる難燃剤としては、アンチモン系
難燃剤、ホウ酸塩系難燃剤、錫酸亜鉛乃至ヒドロキシ錫
酸亜鉛系難燃剤、水酸化物系無機難燃剤、ハロゲン系難
燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リン酸エス
テル系難燃剤等が単独或いは2種以上の組み合わせで使
用される。アンチモン系難燃剤としては、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ナトリウム等
が好適に使用されるが、他にトリメチルスチビン、トリ
エチルスチビン、トリフェニルスチビン等も使用し得
る。ホウ酸塩系難燃剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マ
グネシウム、ホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウム等
が挙げられる。錫酸亜鉛乃至ヒドロキシ錫酸亜鉛系難燃
剤としては、式(5) ZnSnO或いはZnSn(OH) ・・(5) で表される組成のものが使用される。水酸化物系難燃剤
としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
が挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、1,2−ジ
クロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,
2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラブロ
モエタン、ヘキサクロロエタン、ヘキサブロモエタン、
ジブロモテトラクロロエタン、1,2,3,4−テトラ
クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、
塩素化パラフィン、臭素化パラフィン、などの脂肪族ハ
ロゲン化化合物;ペンタブロモモノクロロシクロヘキサ
ン、ヘキサブロモシクロヘキサン、ヘキサクロロシクロ
ヘキサン、ヘキサブロモシクロデカン、ヘキサクロロシ
クロデカン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ヘキサ
ブロモシクロペンタジエン、クロルエンド酸、クロルエ
ンド酸ジアリル、無水クロルエンド酸、同様の沃素化合
物などの脂肪族ハロゲン化合物;ヘキサブロモベンゼ
ン、ヘキサクロロベンゼン、ペンタブロモメチルベンゼ
ン、ペンタクロロメチルベンゼン、ヘキサブロモジフェ
ニル、ヘキサクロロジフェニル、ヘキサブロモジフェニ
ルエーテル、ヘキサクロロジフェニルエーテル、ジブロ
モクレジルグリシジルエーテル、デカブロモビフェニル
エーテル、デカクロロビフェニルエーテル、デカブロモ
ジフェニルオキシド、デカクロロジフェニルオキシド、
オクタブロモジフェニルエーテル、オクタクロロジフェ
ニルエーテル、トリブロモフェノール、トリクロロフェ
ノール、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロ
ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、テ
トラブロモビスフェノールAD、ジブロモジクロロビス
フェノールA、テトラブロモビスフェノールAのジアセ
テート、テトラクロロビスフェノールAのジアセテー
ト、テトラブロモ−2,2−ビス(4,4’−ジメトキ
シフェニル)プロパン、テトラクロロ−2,2−ビス
(4,4’−ジメトキシフェニル)プロパン、テトラブ
ロモ無水フタール酸、テトラクロロ無水フタール酸、塩
素化エポキシノボラック型フェノール樹脂、臭素化エポ
キシノボラック型フェノール樹脂、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、同様の沃素化合物などの芳香族ハ
ロゲン化合物を例示することができる。リン酸エステル
系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オ
クチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニル
ホスフェート等が挙げられる。ハロゲン化リン酸エステ
ル系難燃剤としては、トリス(クロロエチル)ホスフェ
ート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、ト
リス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ
ス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(ブロモクロロプロピル)ホスフェート等が挙げられ
る。
【0042】難燃剤(D)は亜鉛系化合物(A)当たり
0.5乃至80重量%、特に1乃至50重量%の量で配
合するのがよい。上記の量で用いると、発煙抑制の点で
も、難燃性付与の点でも有効であり、火災発生に際して
も、難燃性付与と発煙抑制とにより、避難や救助、消火
等の活動が容易となる。難燃剤の配合は、光反応性半導
体の場合と同様に行うことができる。
【0043】本発明に用いる亜鉛系化合物(A)は、抗
菌性乃至制菌性を有するが、これを増強するために、そ
れ自体公知の抗菌剤を併用することができる。
【0044】(1)無機系の抗菌剤としては、抗菌性の
金属イオンをイオン交換により担持させた定形状の結晶
性乃至非晶質テクトケイ酸塩が使用される。テクトケイ
酸塩としては、ゼオライトA、ゼオライトX,ゼオライ
トY、ゼオライトPc、或いはこれらの非晶質化物が使
用されるが、主たる化学組成であるシリカ、アルミナ、
酸化ナトリウムの重量比が SiO:Al:NaO =1:0.04〜0.4:0.01〜0.1 の範囲にあり、窒素吸着法により測定した細孔径20乃
至300オングストローム範囲の細孔容積に対する細孔
径20乃至40オングストローム範囲の細孔容積の比率
が少なくとも50%以上であり、且つ2乃至100ミリ
当量/100gの範囲にある陽イオン交換容量を有する
定形状の結晶性乃至非晶質テクトケイ酸塩粒子が好適で
ある。抗菌性金属イオンとしては銀、銅、亜鉛、錫、水
銀、鉛、ビスマス及びタリウム金属元素より選ばれた1
種又は2種以上を使用することができる。これら金属元
素は水可溶性塩の形でイオン交換に用いるのがよく、一
般工業薬品や錯体化合物から選ぶことができる。その例
としては、銀イオンの場合、硝酸銀、硫酸銀、過塩素酸
銀、酢酸銀、ジアンミン銀硝酸塩、アンミン銀硫酸塩
等;銅イオンの場合、硝酸銅、過塩素酸銅、酢酸銅、硫
酸銅等;亜鉛イオンの場合、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、過塩
素酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等を挙げること
ができる。抗菌性金属イオンのうち銀が、人体に対する
無毒性ならびに菌類に対する殺菌効果等から好適に使用
されるが、勿論これに限定されない。テクトケイ酸塩に
担持させる金属成分の量は酸化物基準で0.01乃至2
0%、好ましくは0.05乃至10%とすることが有効
である。さらに銀と併用して銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、
ビスマス、及びタリウムの金属元素の1種又は2種以上
を酸化物基準で0.01乃至20%の範囲で担持させる
ことが抗菌作用を向上させる上で好ましい。これらの抗
菌性金属イオンを母体のテクトケイ酸塩に結合担持させ
る方法は、目的とする金属の水可溶性塩を所定量水溶液
にしてテクトケイ酸塩と接触させてイオン交換をし、結
合担持させることができる。両者を接触させる時の条件
は、特に制限はないが、一般に温度は10乃至90℃、
液のpHは3乃至8の範囲が適当であり、接触は一段でも
あるいは多段でも行うことができ、例えば、順次高濃度
の塩溶液と接触させる方法等が採用される。このイオン
交換に先立って、テクトケイ酸塩を軽度の酸処理を行
い、次いで行うイオン交換によってテクトケイ酸塩を非
晶質化することもできる。テクトケイ酸塩系抗菌剤は、
一般に1乃至10μmの粒径の粉体として得られる。
【0045】抗菌性有機化合物としては、一般に当業界
で使用されている殺菌剤、防腐剤を挙げることができ
る。その例として、ヒノキチオール等のトロポロン類;
キトサン類;パラオキシ安息香酸エステル類;安息香
酸、デヒドロ酢酸等の有機酸;これら有機酸の塩類;塩
化ベンザルコニウム等の第4 級アンモニウム塩類;等を
挙げることができる。さらに具体的に例示すると、ヒノ
キチオール、キトサン、安息香酸、安息香酸塩類、イソ
プロピルメチルフェノール、ウンヂシレン酸モノエタノ
ールアミド、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルトリ
メチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベ
ンゼントニウム、塩酸アルキルアミノエチルグリシン、
塩酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミン、クロ
ロキシレノール、クロロクレゾール、クロロブタノー
ル、サルチル酸、サルチル酸塩類、臭化アルキルイソキ
ノリニウム、臭化ドミフェン、ソルビン酸および塩類、
チモール、チラム、デヒドロ酢酸および塩類、トリクロ
ロカルバニリド、p-オキシ安息香酸エステル、p-クロル
フェノール、ハロカルバン、フェノール、ヘキサクロロ
フェン、ラウロイルサルコシンナトリウム、レゾルシン
等を挙げることができる。
【0046】抗菌剤(E)の配合量は、特に制限されな
いが、抗菌剤(E)が亜鉛系化合物(A)当たり0.5
乃至50重量%、特に1乃至30重量%の量で含有され
るようにすることが一般に好ましい。抗菌剤の配合も、
光反応性半導体の場合と同様に行うことができる。
【0047】[繊維乃至膜形成用樹脂組成物及びドー
プ]本発明では、前述した繊維乃至膜用配合剤を、繊維
形成性高分子に配合して、消臭性や制煙性、更には難燃
性、抗菌性を有する機能性繊維とする。
【0048】繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等から成るオレフィン繊維、ポリビニルアルコール
繊維、ポリ塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン樹脂繊維、
アクリル繊維、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体繊
維、塩化ビニリデン・アクリル混合繊維、ナイロン6、
ナイロン6−6等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレ
フタレート等の熱可塑性ポリエステル繊維、ポリテトラ
フルォロエチレン等のフッ素樹脂繊維、アラミド繊維、
液晶ポリエステル繊維、アセテート繊維等が挙げられ
る。
【0049】これらの繊維は、繊維を構成する高分子の
種類に応じて、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸等の手段
で製造されるが、本発明の繊維乃至膜用配合剤は、紡糸
に先立って、これらの高分子中に一様に分散させて配合
する。即ち、溶融紡糸すべき高分子には、本発明の繊維
乃至膜用配合剤を練り混みにより配合すればよく、また
乾式紡糸や湿式紡糸すべき高分子に対しては、本発明の
繊維乃至膜用配合剤を紡糸用ドープに剪断攪拌等により
分散させればよい。
【0050】一方、フィルター、その他の機能製膜材料
として使用される多孔質膜としては、ミクロ相分離法、
延伸法、荷電トラックエッチング法等のそれ自体公知の
手段で製造される多孔質膜が知られている。ミクロ相分
離法では、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化
ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフェニレンオキシド等の高分子
を溶媒に溶解した均一な溶液を、薄く流延し、次いで高
分子を溶解しない非溶媒中に浸漬するか、或いは流延し
た高分子溶液から溶媒を蒸発させるなどの手段で多孔質
膜が形成される。また、延伸法では、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレンやポリプロピレンなどのフィルムや
高温で延伸し、これを熱処理することにより、多孔質膜
とする。更に、荷電トラックエッチング法では、高分子
フィルムに熱中性子などを照射し、損傷を受けた部分を
選択的に化学エッチングし、多孔質膜を得る。これらの
膜材料に本発明の配合剤を適用する場合も、膜形成に先
立って、膜形成用高分子中に本発明の繊維乃至膜用配合
剤を一様に分散させる。高分子中への繊維乃至膜用配合
剤の配合は繊維の場合と同様に行うことができる。
【0051】繊維乃至膜形成用高分子に対する本発明の
配合剤の配合量は、用途や要求される消臭性能によって
も相違するが、一般的にいって、繊維形成性乃至膜形成
性高分子100重量部当たり、繊維乃至膜用配合剤が1
乃至30重量部、特に2乃至30重量部の量で含有され
るのが、消臭性能と繊維や膜の性能とのバランスの点で
好適である。
【0052】本発明の繊維乃至膜用配合剤は、非プロト
ン性極性有機溶媒及び非プロトン性極性有機溶媒に可溶
な繊維形成性乃至膜形成性高分子から成る繊維乃至膜形
成用ドープに有利に適用することができる。即ち、本発
明の繊維乃至膜用配合剤は、非プロトン性極性有機溶媒
に極めて容易にしかも微細にしかも安定に分散する性能
を有するので、糸切れや膜欠陥のない消臭性製品を製造
することが可能となる。
【0053】非プロトン性極性有機溶媒としては、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド
(DMA)、ジメチルスルフォキシド(DMS)、テト
ラヒドロフラン(THF)、アセトンなどが挙げられ、
これらの溶剤は、高分子の溶解性、溶剤の回収性、取り
扱いの点で優れている。溶剤としてDMFが特に好適な
ものである。
【0054】上記溶媒に溶解可能な繊維乃至膜形成用高
分子の代表的なものとして、アクリロニトリル系高分子
を挙げることができる。アクリロニトリル系高分子とし
ては、アクリロニトリルの単独重合体や共重合体、これ
らの単独重合体や共重合体と他の重合体とのブレンド物
などを挙げることができる。アクリロニトリル系高分子
は全体あたり40重量%以上、特に60重量%以上のア
クリロニトリル単位を含有することが好ましい。
【0055】アクリロニトリルと共重合される単量体と
しては、次のものが挙げられる。例えば、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸n−アミルなどの(メタ)アクリル酸エステル類。 スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニルなど。 アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸等。 (メタ)アクリルアミド等。 (メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル
酸プロピレングリコールモノエステル等。 (メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸t−ブチルアミノエチル、ビニルピリジン、2
−ビニル−5−エチルピリジン、(メタ)アクリル酸オ
キサゾリルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ルアミノエチル等。 (メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル、ブタンモノオキシド等。 (メタ)アクリルアミドのジメチロール化物や、そのエ
ーテル化物、例えばエチルエーテル化物或いはブチルエ
ーテル化物等。 スチレンスルフォン酸など。
【0056】一方、上記アクリロニトリル系重合体とブ
レンドされる他の重合体としては、アセチルセルロー
ス、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチリ
ルセルロースなどのセルロース誘導体や、塩化ビニル系
重合体などが挙げられる。
【0057】繊維乃至膜形成用のドープを製造するに
は、非プロトン性極性溶媒中に本発明の繊維乃至膜用配
合剤を攪拌下に分散させる。本発明の繊維乃至膜用配合
剤の濃度は一般に20乃至40重量%の範囲が適当であ
る。この配合剤の分散液には分散安定化のために少量の
アクリロニトリル系重合体をあらかじめ溶解させておく
ことができる。これとは別に、繊維乃至膜形成用のアク
リロニトリル系高分子を非プロトン性極性溶媒に溶解さ
せ、この溶液に、紡糸乃至膜形成の直前に、配合剤分散
液を混合することにより、ドープを形成することができ
る。
【0058】以上、繊維乃至膜形成用ドープの調製の仕
方をアクリロニトリル系高分子を例にとって説明した
が、この調製手段は、他の繊維乃至膜形成用の高分子に
対しても同様に適用できる。また、紡糸手段や膜形成手
段自体は公知であり、これら公知の手段が本発明にも適
用できる。
【0059】
【実施例】本発明を以下の例を参照して更に説明する。
【0060】亜鉛系化合物(A)の物性は以下の方法で
測定で行った。
【0061】(1)化学組成 JIS.M.8855に準拠して行った。
【0062】(2)メジアン径 メジアン径(μm)はCoulter社製 Particle Si
ze Analyzer Model LS230 を使用し、測定した。
【0063】(3)BET比表面積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1900を使用し、BET法により測定した。
【0064】(4)吸油量 JIS.K.5101に準拠して測定した。
【0065】(5)XRD測定 理学電機(株)製のGeigerflexRAD−Bシ
ステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 SC 電圧 40KV 電流 20mA カウントフルスケール 700c/s スムージングポイント 25 走査速度 2°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1° RS0.15mm SS1° 照角 6°
【0066】(亜鉛系化合物の合成1)ケイ酸ナトリウ
ム水溶液(SiO=22.0wt%、NaO=7.
2wt%)、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al
=23.6wt%、NaO=19.0wt%)、硫酸
亜鉛水溶液(ZnO=7.96wt%、SO=8.1
5wt%)及び希硫酸を用いて、40℃でモル比が、A
/SiO/ZnO=1/3/6になるように
調製し反応を行った。反応後、濾過・洗浄を行い110
℃で乾燥後、ジェットミルで粉砕し亜鉛系化合物1(S
−1)を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
【0067】(亜鉛系化合物の合成2)ケイ酸ナトリウ
ム水溶液(SiO=22.0wt%、NaO=7.
2wt%)、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al
=23.6wt%、NaO=19.0wt%)、硫酸
亜鉛水溶液(ZnO=7.96wt%、SO=8.1
wt%)及び希硫酸を用いて、40℃でモル比が、Al
/SiO/ZnO=1/6/3になるように調
製し反応を行った。反応後、濾過・洗浄を行い110℃
で乾燥後、ジェットミルで粉砕し亜鉛系化合物2(S−
2)を得た。物性測定を行い、結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】実施例における配合剤の評価は、以下の試
験方法で行った。
【0070】(6)酸強度関数 n-ブチルアミン測定法[参考文献:「触媒」Vol.11,No6,
P210-216(1969)]にて測定した。
【0071】(7)濡れ性及び分散性試験 [分散液の調製]ジメチルホルムアミド(DMF)96
gにカルボン酸界面剤2g、アクリロニトリル2gをそ
れぞれ加え混合し分散液を調製し、この分散液90gを
100mlの比色管に入れる。 [濡れ性試験]上記で調製した分散液に配合剤10gを
加え、試料が分散液に全量沈降するまでの時間を測定し
た。沈降時間の短いものほど濡れ性が良いと評価した。 [分散性試験]濡れ性試験後の試料の入った比色管を振
とうし、試料を均一に分散、静置させ、24時間後の沈
降体積を測定し分散性を測定した。体積の小さいものほ
ど分散性が良いと評価した。
【0072】配合剤をアクリルシートに配合した時の評
価を行うためのアクリルシートの作成と、試験方法は以
下のとおりである。 (8)制煙性試験(NBS試験) [アクリルシートの作成]繊維用原液をDMF:アクリ
ルポリマー=79:21の割合で、また配合剤用分散液
をDMF:分散剤:アクリルポリマー:配合剤=71:
2:2:25の割合でそれぞれ調製した。次に、調製し
た繊維用原液を250g、配合剤用分散液を40gをホ
モミキサーで混合・分散させ、この分散液を濃度60%
のDMF水溶液に注入した。析出物を充分に水洗・乾燥
し、シート1を得た(繊維形成性高分子100重量部当
たり、配合剤19.0重量部が配合)。さらに、アクリ
ル:塩化ビニリデン=70:30の割合になるようにシ
ート1と塩化ビニリデンを配合しシート2を得た。(繊
維形成性高分子100重量部当たり、配合剤13.3重
量部が配合)。また、比較のために配合剤を配合しない
アクリル100%のシート(これをシート3とする)
と、同様に配合剤を配合しないでアクリル:塩化ビニリ
デン=70:30の割合になるようにシート4を作成し
た。 [比視覚濃度](株)東洋精機製作所製のNBS発煙試
験装置を用い、熱輻射量2.5W/cmで試料シート
を加熱し、発煙させ、発煙強度を煙の白色光透過率より
算出する比視覚濃度(D)を求めた。この時、D
最大値をDSmaxとし、D maxに達するまでの時
間をt(min)とする。 [限界酸素指数(L.O.I)]JIS.K.7201B法に
準じて、(株)東洋精機製作所製キャンドル法燃焼試験
機を使用し、限界酸素指数(L.O.I 値%)を測定した。
【0073】(9)抗菌性試験 アクリル試料、実施例2及び比較例1で得られた配合
剤、及びアクリル樹脂単体について、以下の要領で抗菌
力試験を行った。 供試菌: Escherichia coli IFO 3972 (以下、E,coliと略す) Staphylococcus aureus IFO 12732 (以下、S,aureusと略す) 供試菌液:普通寒天培地に培養していた菌を、普通ブィ
ヨンで浮遊液を作成し、更にその10倍液を作成し、そ
れぞれの菌液0.5 mLを使用した。 検体の調整:アクリル試料及びアクリル樹脂単体は、5
gを細かく切り刻み、滅菌生理食塩水で10倍希釈して
ストマッカーにかけ、ふりだし液を作成し、更に希釈し
て50倍液を作成し、その液0.5 mLを使用した。また
無機粉末は、1gを滅菌生理食塩水に溶かして10倍液
とし、更に希釈して50倍液を作成し、その液0.5 mL
を使用した。 試験方法:50倍液の検体0.5 mL、E,coli及びS,aure
usのそれぞれの菌液0.5 mLを普通寒天培地で混釈し、
37℃で24時間培養後に判定した。
【0074】(実施例1)試料S−1を97gと、ポリ
エチレングリコール(以下PEGとする。平均分子量は
400)3g(2成分合計基準で3重量%)をハイスピ
ードミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0075】(実施例2)試料S−1を95gと、PE
G5g(2成分合計基準で5重量%)をハイスピードミ
キサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0076】(実施例3)試料S−1を90gと、PE
G10g(2成分合計基準で10重量%)をハイスピー
ドミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0077】(実施例4)試料S−1を80gと、PE
G20g(2成分合計基準で20重量%)をハイスピー
ドミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0078】(実施例5)試料S−1を95gと、エチ
レングリコール(以下EGとする)5g(2成分合計基
準で5重量%)をハイスピードミキサーにより80℃で
混合を行い配合剤を得た。
【0079】(実施例6)試料S−1を90gと、EG
10g(2成分合計基準で10重量%)をハイスピード
ミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0080】(実施例7)試料S−1を95gと、ポリ
オキシアルキルエーテル(以下、POAとする。平均分
子量は1000)5g(2成分合計基準で5重量%)を
ハイスピードミキサーにより80℃で混合を行い配合剤
を得た。
【0081】(実施例8)試料S−2を95gと、PE
G5g(2成分合計基準で5重量%)をハイスピードミ
キサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0082】(実施例9)試料S−2を90gと、PE
G10g(2成分合計基準で10重量%)をハイスピー
ドミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0083】(実施例10)試料S−2を80gと、P
EG20g(2成分合計基準で20重量%)をハイスピ
ードミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0084】(実施例11)試料S−2を90gと、E
G10g(2成分合計基準で10重量%)をハイスピー
ドミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0085】(比較例1)試料S−1をそのまま配合剤
に用いた。
【0086】(比較例2)試料S−2をそのまま配合剤
に用いた。
【0087】(比較例3)試料S−1を70gと、PE
G30g(2成分合計基準で30重量%)をハイスピー
ドミキサーにより80℃で混合を行い配合剤を得た。
【0088】(比較例4)ウイレマイト型ケイ酸亜鉛
(水澤化学で合成)を95gと、PEG5g(2成分合
計基準で5重量%)をハイスピードミキサーにより80
℃で混合を行い配合剤を得た。
【0089】配合剤の酸強度と、配合剤のDMF溶液中
での濡れ性、分散性についての試験結果を表2に示す。
【表2】
【0090】(実施例12)実施例2で配合した配合剤
を80gと、酸化チタン(TiO:市販品)20gを
混合し配合剤を得た。
【0091】(実施例13)実施例2で配合した配合剤
を80gと、硼酸亜鉛(市販品)20gを混合し配合剤
を得た。
【0092】(実施例14)実施例2で配合した配合剤
を80gと、ヒドロキシ錫酸亜鉛(水澤化学製)20g
を混合し配合剤を得た。
【0093】(実施例15)実施例2で配合した配合剤
を80gと、三酸化アンチモン(市販品)20gを混合
し配合剤を得た。
【0094】(実施例16)実施例2で配合した配合剤
を80gと、リン系化合物(市販品)20gを混合し配
合剤を得た。
【0095】(実施例17)実施例2で配合した配合剤
を80gと、抗菌剤に用いられている銀ゼオライト(市
販品)20gを混合し配合剤を得た。
【0096】(比較例5)シート3について制煙性の評
価を行った。
【0097】(比較例6)シート4について制煙性の評
価を行った。
【0098】シート1に各配合剤を添加したものとシー
ト3についての制煙性の試験結果を表3に、シート2に
各配合剤を添加したものとシート4についての制煙性の
試験結果を表4にそれぞれ示す。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】表5に抗菌性試験の結果を示す。なお、抗
菌力の評価は以下のとおりである。コントロールと比較
して同等であれば(+++)、少なければ(++)、発育がなけ
れば(-)、数字はシャーレ上に発育した総数である。
【表5】
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、ヘミモルファイト型ケ
イ酸亜鉛、ソーコナイト型ケイ酸亜鉛、フィロケイ酸亜
鉛、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛及びそれらの非晶
質シリカ複合体から成る群より選択された亜鉛系化合物
(A)と、平均分子量10000以下のポリエーテル
(B)とを含有する組成物から成る繊維乃至膜用配合剤
を用いることにより、従来用いられていた亜鉛系化合物
では不十分であった微細分散性及び分散安定性を改善す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる亜鉛系化合物(A)であるヘミ
モルファイト型ケイ酸亜鉛のX線回折像である。
【図2】本発明に用いる亜鉛系化合物(A)であるソー
コナイト型ケイ酸亜鉛のX線回折像である。
【図3】本発明に用いる亜鉛系化合物(A)である含ア
ルミニウムフィロケイ酸亜鉛(フライポンタイト)のX
線回折像である。
【図4】本発明に用いる亜鉛系化合物(A)である含ア
ルミニウムフィロケイ酸亜鉛(フライポンタイト)の非
晶質シリカ複合体のX線回折像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/54 D01F 6/54 Z Fターム(参考) 4D077 AA05 AC05 BA02 BA03 BA05 BA07 BA15 DD32X DE07Y DE08Y 4J002 BG101 CH022 DE078 DE097 DE107 DE128 DE137 DE148 DE187 DE188 DF029 DG049 DJ006 DJ009 DK008 EB028 EB048 EG049 EW048 EW058 FD138 FD189 FD206 FD207 FD312 GK02 HA05 4L035 BB06 BB11 EE11 JJ01 JJ04 JJ05 JJ08 JJ14 KK05 MB00

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ヘミモルファイト型ケイ酸亜鉛、
    ソーコナイト型ケイ酸亜鉛、フィロケイ酸亜鉛、含アル
    ミニウムフィロケイ酸亜鉛及びそれらの非晶質シリカ複
    合体から成る群より選択された亜鉛系化合物と、(B)
    平均分子量10000以下のポリエーテルとを含有する
    組成物から成ることを特徴とする繊維乃至膜用配合剤。
  2. 【請求項2】 亜鉛系化合物(A)と、二成分合計
    [(A)+(B)]基準で1乃至20重量%のポリエー
    テル(B)とを含有することを特徴とする請求項1記載
    の繊維乃至膜用配合剤。
  3. 【請求項3】 亜鉛系化合物(A)とポリエーテル
    (B)との組成物を共粉砕してなることを特徴とする請
    求項1または2に記載の繊維乃至膜用配合剤。
  4. 【請求項4】 酸強度凾数Hoが+4.8以下の酸量が
    0.08m−mol/g以下である、亜鉛系化合物
    (A)とポリエーテル(B)とを含有する組成物からな
    ることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の繊
    維乃至膜用配合剤。
  5. 【請求項5】 亜鉛系化合物(A)が3成分基準でSi
    5乃至80モル%、Al0乃至60モル%及
    びZnO5乃至65モル%の化学組成を有するものであ
    る請求項1乃至4の何れかに記載の繊維乃至膜用配合
    剤。
  6. 【請求項6】 亜鉛系化合物(A)が0.1乃至100
    μmのメジアン径、30乃至1000m/gのBET
    比表面積及び30乃至200ml/100gの吸油量
    (JIS K.5101)を有するものである請求項1
    乃至5の何れかに記載の繊維乃至膜用配合剤。
  7. 【請求項7】 ポリエーテル(B)がポリアルキレンオ
    キシドである請求項1乃至6の何れかに記載の繊維乃至
    膜用配合剤。
  8. 【請求項8】 ポリエーテル(B)が下記式(1) HO(CHCHO)nH ‥‥(1) 式中、nは4乃至100の数である、で表されるポリエ
    チレングリコールである請求項7に記載の繊維乃至膜用
    配合剤。
  9. 【請求項9】 ポリエーテル(B)がポリオキシエチレ
    ン単位を含有する非イオン型界面活性剤である請求項1
    乃至6の何れかに記載の繊維乃至膜用配合剤。
  10. 【請求項10】 前記組成物が更に、(C)光反応性半
    導体を含有する組成物から成る請求項1乃至9の何れか
    に記載の繊維乃至膜用配合剤。
  11. 【請求項11】 光反応性半導体(C)が亜鉛系化合物
    (A)当たり0.5乃至50重量%の量で含有される請
    求項10に記載の繊維乃至膜用配合剤。
  12. 【請求項12】 前記組成物が更に、(D)難燃剤を含
    有する組成物から成る請求項1乃至11の何れかに記載
    の繊維乃至膜用配合剤。
  13. 【請求項13】 難燃剤(D)が亜鉛系化合物(A)当
    たり0.5乃至80重量%の量で含有される請求項12
    に記載の繊維乃至膜用配合剤。
  14. 【請求項14】 前記組成物が更に、抗菌剤(E)を含
    有する組成物から成る請求項1乃至13の何れかに記載
    の繊維乃至膜用配合剤。
  15. 【請求項15】 抗菌剤(E)が亜鉛系化合物(A)当
    たり0.5乃至50重量%の量で含有される請求項14
    に記載の繊維乃至膜用配合剤。
  16. 【請求項16】 繊維形成性乃至膜形成性高分子に、請
    求項1乃至15の何れかに記載の繊維乃至膜用配合剤を
    配合して成ることを特徴とする繊維乃至膜形成用樹脂組
    成物。
  17. 【請求項17】 繊維形成性乃至膜形成性高分子100
    重量部当たり、繊維乃至膜用配合剤が1乃至30重量部
    の量で配合されていることを特徴とする請求項16記載
    の樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 非プロトン性極性有機溶媒及び非プロ
    トン性極性有機溶媒に可溶な繊維形成性乃至膜形成性高
    分子に、請求項1乃至15の何れかに記載の繊維乃至膜
    用配合剤を配合して成ることを特徴とする繊維乃至膜形
    成用ドープ。
  19. 【請求項19】 繊維形成性乃至膜形成性高分子100
    重量部当たり、非プロトン性極性有機溶媒が150乃至
    800重量部及び繊維乃至膜用配合剤が1乃至30重量
    部の量で含有することを特徴とする請求項18記載のド
    ープ。
  20. 【請求項20】 非プロトン性極性有機溶媒がジメチル
    ホルムアミドである請求項18または19に記載のドー
    プ。
  21. 【請求項21】 繊維形成性乃至膜形成性高分子がアク
    リロニトリル系高分子である請求項18乃至20の何れ
    かに記載のドープ。
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