JP2000270973A - 詰め物材 - Google Patents

詰め物材

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JP2000270973A
JP2000270973A JP11077562A JP7756299A JP2000270973A JP 2000270973 A JP2000270973 A JP 2000270973A JP 11077562 A JP11077562 A JP 11077562A JP 7756299 A JP7756299 A JP 7756299A JP 2000270973 A JP2000270973 A JP 2000270973A
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fiber
filling material
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Masumi Fujimoto
倍巳 藤本
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Sei Omori
聖 大森
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】羽毛様の嵩高性、嵩の耐久性、ドレープ性、ヌ
メリ感、柔軟性および保温性を有する詰め物材を提供す
ること。 【解決手段】芯材繊維によって編み目構造に形成された
芯材と、該芯材の編み目に編み込まれた毛材繊維とによ
って形成され、かつ、少なくとも毛材繊維に2種以上の
異なる熱可塑性重合体が接合されてなる複合繊維Aが含
まれていることを特徴とする詰め物材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布団、クッショ
ン、枕、ジャケット、寝袋などに使用する詰め物材に関
するもので、さらに詳しくは、羽毛様の嵩高性、嵩の耐
久性、ドレープ性、柔軟性、ヌメリ感および保温性を有
する詰め物材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、布団、クッション、枕、ジャケッ
ト、寝袋などに使用する詰め物材としては、木綿、羊
毛、羽毛、ナイロン、ポリエステルなどが使用され、そ
の中でも特に高級品として羽毛がある。また、高級品で
ある羽毛様の風合いを狙って、詰め物の繊度、捲縮、断
面形状などの組合せで改良したものや、例えば、特公昭
52−28426号公報などに提案されているように、
繊維の表面にシリコーン樹脂を付着させたものがある。
さらに、繊維をゴム毬状にした、いわゆるファイバーボ
ールなどが提案されている。しかしながら、嵩高性、嵩
の耐久性、ドレープ性、柔軟性および保温性などの特性
をバランスよく有する詰め物材はこれまでみられなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、羽毛
様の嵩高性、嵩の耐久性、ドレープ性、柔軟性、ヌメリ
感および保温性をバランスよく有する詰め物材を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の詰め物材は、前
記の課題を解決するために、次の構成を有する。
【0005】すなわち、芯材繊維によって編み目構造に
形成された芯材と、該芯材の編み目に編み込まれた毛材
繊維とによって形成され、かつ、少なくとも毛材繊維に
2種以上の異なる熱可塑性重合体が接合されてなる複合
繊維Aが含まれていることを特徴とする詰め物材であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詰め物材につい
て、図面に示す実施例を参照しつつ詳細に説明する。
【0007】図1、図2および図3は、本発明の詰め物
材の構造の一例を示す概略図である。
【0008】本発明は、芯材繊維1によって編み目構造
(図1の例では鎖編み組織)に形成された芯材3と、該
芯材3の編み目構造に毛材繊維2を鎖編み組織内に編み
込んで形成したものであり、毛材繊維2が芯の編み組織
内に編み込まれているため、毛材繊維2の毛材抜けし難
いという構造にしたものである。
【0009】芯材繊維1の1編み目列における毛材繊維
2の集団の数は、図1では毛材繊維2がカット形状を呈
するもの1集団、図2では毛材繊維2がカット形状を呈
するもの2集団、また、図3では毛材繊維2がループ形
状を呈するもの1集団と、カット形状を呈するもの1集
団の混在したものの例であるが、特に限定されるもので
はなく、カット形状を呈するもののみで3集団以上、あ
るいは、ループ形状を呈するもの1集団の場合や、ルー
プ形状を呈するもの2集団以上、さらに、ループ形状を
呈するものと、カット形状を呈するものの混在した3集
団以上の毛材繊維をもつ構造であってもよい。これら毛
材繊維2が含まれることにより、詰め物材相互の排除性
を高めて、羽毛様の嵩高性、嵩の耐久性、ドレープ性お
よび柔軟性を付与することができる。
【0010】編み目構造からなる芯材繊維1の長手方向
(編み目の連なる方向)の長さL(図3)は、5〜10
0mmが好ましい。芯材の長手方向の長さが長くなり過
ぎると、詰め物材相互の絡み合いが生じ易く、ドレープ
性を損ないやすい。また、あまり短くなると、毛材を保
持する芯材が少なくなって毛材繊維2と芯材繊維1が分
離し易くなるので好ましくない。
【0011】次に、毛材繊維2としては、2種以上の異
なる熱可塑性重合体が接合されてなる複合繊維Aが含ま
れていることが重要である。2種以上の異なる熱可塑性
重合体の組み合わせとしては、毛材繊維2を構成する単
繊維相互に排除性を与えて嵩高性を向上させる観点か
ら、熱的あるいは化学的性質が異なり捲縮を発現するも
のであれば特に限定されない。単繊維相互の排除性の観
点から捲縮数は3〜10山/25mm、捲縮度は5〜3
0%の範囲発現するものが好ましい。
【0012】複合繊維Aを構成する2種以上の異なる熱
可塑性重合体の組み合わせとしては、本発明の用途商品
の製造が容易な熱水または乾熱処理で収縮差が発揮さ
れ、3次元構造の捲縮を発現するものが好ましい。熱可
塑性重合体の一つR1成分としては、例えば、4−又は
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスル
ホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の金属スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を共重合し
たポリアルキレンテレフタレート、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等
のグリコールを共重合したポリアルキレンテレフタレー
ト、ペンタエリスリトール等のポリオールを共重合した
ポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等のポリアルキレングリコールを共重合したポ
リアルキレンテレフタレート、ヒドロキシ安息香酸等の
オキシ酸を共重合したポリアルキレンテレフタレート
等、種々のポリエステルを挙げることができる。これら
の共重合成分による変性率は15モル%以下であること
が好ましい。上記のなかでも、好ましく用いられるの
は、エチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とす
る共重合ポリエステルである。さらに好ましいのは、共
重合成分として、イソフタル酸、フタル酸、オキシ安息
香酸、ビスフェノールA等を用いたポリエチレンテレフ
タレート系共重合ポリエステルである。
【0013】他の熱可塑性重合体R2としては、前記の
熱可塑性重合体R1との組み合わせにより十分な捲縮を
繊維に付与せしめるものであれば特に限定されない。特
に潜在捲縮を繊維に付与せしめるものであればより好ま
しい。熱可塑性重合体R2成分としては、例えば、テレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそ
れらのエステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレ
ングリコールもしくはテトラメチレングリコールを主た
るグリコール成分とするポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、あるいはポリエチレン
2,6−ナフタレート等のポリエステルを挙げることが
できる。なかでも、好ましく用いられるのは、エチレン
テレフタレートである。
【0014】熱可塑性重合体R1と熱可塑性重合体R2
の組み合わせは、十分な捲縮を繊維に付与せしめるもの
であれば特に限定されないが、ポリエステル同士の組み
合わせが好ましい。
【0015】複合繊維Aにおける熱可塑性重合体R1と
熱可塑性重合体R2の重量比はR1/R2は、好ましく
は10/90〜90/10、さらに好ましくは40/6
0〜60/40である。R1またはR2のいずれかが1
0重量%未満になると、捲縮発現能力が低下し、毛材繊
維2を構成する単繊維相互に排除性を与えて嵩高性を向
上させる効果が低下する傾向にある。
【0016】複合繊維Aにおける熱可塑性重合体R1と
熱可塑性重合体R2の複合状態は、例えば、図4のよう
に円形断面でサイドバイサイド型複合、図5のように円
形断面で扁芯芯鞘型複合あるいは図6のように扁平断面
でサイドバイサイド型複合等が挙げられ、捲縮を繊維に
付与せしめるものであれば特に限定されない。このよう
な複合繊維Aは、例えば、熱可塑性重合体を紡糸する際
に、紡糸口金の孔の形を円形状あるいは扁平状にした複
合口金を使用し、通常の複合紡糸、延伸することによっ
て製造することができる。
【0017】本発明においては、少なくとも毛材繊維2
に複合繊維Aを含むものであるが、他の繊維との混用も
好ましい。他の繊維としては、通常の円形断面繊維、3
〜8葉断面あるいは扁平断面繊維等も好ましい例である
が、凹部を有するS形状断面(当然のことであるがS形
状断面は繊維の長さ方向の見る方向によってZ形状断面
になるが、以下S形状断面と称す)繊維、またはH形状
断面(扁平度によってはI形状断面に近いものも含めて
H形状断面と称す)繊維がより好ましい。
【0018】図7および図9は、本発明の毛材繊維とし
て好ましい凹部を有するS形状またはH形状断面繊維の
断面の一例を示す説明図である。
【0019】この凹部を有するS形状またはH形状断面
繊維は、複合繊維Aと混用されて詰め物材相互排除性を
より高めて嵩高性を向上させると同時に、柔軟性および
ドレープ性を向上させる効果がある。この観点から、毛
材繊維に含まれるS形状またはH形状断面繊維の割合は
20〜80重量%が好ましい。
【0020】本発明において、毛材繊維2に凹部を有す
るS形状またはH形状断面繊維を混用する場合、S形状
またはH形状断面の縦方向の長さaと横方向の長さbと
の比a/bが0.2〜4.5の範囲であることが好まし
い。縦/横の長さ比a/bが0.2未満では、扁平度が
高くなって嵩高性、嵩の耐久性および圧縮に対する反発
性が低下することがある。また、S形状またはH形状断
面の縦/横の長さ比a/bが4.5越えても扁平度が高
くなって、嵩高性、嵩の耐久性および圧縮に対する反発
性が低下することがある。
【0021】ここで、S形状断面の縦方向の長さaと横
方向の長さbとは、図7で示すように、まず接線L1、
L2を引き、接線L1に垂直でS形状断面に接する線M
1、M2を引いて、接線L1と接線M1、M2の交点間
の距離を縦方向の長さaとし、接線M1と接線L1、L
2の交点間の距離を横方向の長さbとする。接線L1と
L2が平行にならない場合は、図8に示すように、まず
接線L3、L4を引き、接線L3に垂直でS形状断面に
接する接線M3、M4を引いて、接線L3と接線M3、
M4の交点間の距離をa1と接線L4と接線M3、M4
の交点間の距離をa2を求めてその平均値、すなわち
(a1+a2)/2を縦方向の長さaとし、接線M3と
接線L3、L4の交点間の距離をb1と接線M4と接線
L3、L4の交点間の距離をb2を求めてその平均値、
すなわち(b1+b2)/2を横方向の長さbとする。
【0022】また、H形状断面は、図9で具体的に説明
すると、H形状の両側に位置して上下方向にのびている
部分(以下「足」と称する)と、その二つの足を結ぶよ
うに水平線(左右)方向にのびている連結部分とから形
成されてH型をなす断面形状である。その縦方向の長さ
aとは、図9で示すように、両足の上端を結ぶ接線と下
端を結ぶ接線間の距離であり、横方向の長さbとは、図
9で示すように、両足の外側面の接線間の距離をいう。
一つの足の外側面に接する接線L1と他の足の外側面に
接する接線L2が平行にならない場合や、両足の長さが
異なる場合には、図10に示す各交点から求めるものと
する。すなわち、左足の長さとして、左足上端に接する
水平線M1と左足の下端に接する水平線M2との距離a
1を求め、右足の長さとして、右足の上端に接する水平
線M3と右足の下端に接する水平線M4との距離a2を
求めて、それらの平均値(a1+a2)/2の値を縦方
向の長さaとする。
【0023】また、図10に示すように、両足の外側面
に接する接線L1、L2を描き、接線L1と左足の上端
に接する水平線M1との交点O、接線L1と左の足下端
に接する水平線M2との交点P、接線L2と右足の上端
に接する水平線M3との交点Q、接線L2と左の足下端
に接する水平線M4との交点Rを求める。次に、交点O
と交点Qをそれぞれ通過する垂線間の距離をb1と、交
点Pと交点Rをそれぞれ通過する垂線間の距離をb2と
を求め、それらの平均値(b1+b2)/2の値を横方
向の長さbとする。
【0024】本発明において、毛材繊維2に混用する繊
維として、中空部を有する9字形状断面(当然のことで
あるが9字形状断面は、繊維の長さ方向の見る方向によ
って6字形状断面や逆9字形状あるいは逆6字形状断面
になるが、以下9字形状断面と称す)繊維、あるいは中
空部を有する8字形状断面繊維を用いることも好ましい
例である。
【0025】図11および図13は、本発明の毛材繊維
2に混用される繊維として好ましい中空部を有する9字
形状あるいは8字形状断面繊維の断面の一例を示す説明
図である。この9字形状あるいは8字形状断面繊維は、
複合繊維Aと混用されて中空部による保温性向上効果
と、詰め物材の相互排除性をより高めて嵩高性を向上さ
せると同時に、柔軟性およびドレープ性を向上させる効
果がある。この観点から、毛材繊維に含まれる9字形状
あるいは8字形状断面繊維の割合は20〜80重量%が
好ましい。
【0026】本発明において、毛材繊維2に中空部を有
する9字形状または8字形状断面繊維を混用する場合、
9字形状または8字形状断面の縦方向の長さaと横方向
の長さbとの比a/bが0.2〜4.5の範囲であるこ
とが好ましい。縦/横の長さ比a/bが0.2未満で
は、扁平度が高くなって嵩高性、嵩の耐久性および圧縮
に対する反発性が低下することがある。また、9字形状
または8字形状断面の縦/横の長さ比a/bが4.5越
えても扁平度が高くなって嵩高性、嵩の耐久性および圧
縮に対する反発性が低下することがある。
【0027】ここで、9字形状または8字形状断面の縦
方向の長さaと横方向の長さbとは、図11および図1
3で示すように、まず接線L1、L2を引き、接線L1
に垂直で9字形状あるいは8字形状断面に接する接線M
1、M2を引いて、接線L1と接線M1、M2の交点間
の距離を縦方向の長さaとし、接線M1と接線L1、L
2の交点間の距離を横方向の長さbとする。接線L1と
L2が平行にならない場合は、図3および図5に示すよ
うに、まず接線L3、L4を引き、接線L3に垂直で9
字形状あるいは8字形状断面に接する線M3、M4を引
いて、接線L3と接線M3、M4の交点間の距離a1と
接線L4と接線M3、M4の交点間の距離a2を求めて
その平均値、すなわち、(a1+a2)/2を縦方向の
長さaとし、接線M3と接線L3、L4の交点間の距離
b1と接線M4と接線L3、L4の交点間の距離b2を
求めてその平均値、すなわち、(b1+b2)/2を横
方向の長さbとする。
【0028】なお、凹部を有するS形状あるいはH形状
断面繊維や中空部を有する9字形状あるいは8字形状断
面繊維の縦/横の長さ比a/bは毛材繊維の電子顕微鏡
断面写真(倍率は1000倍)をとり、その写真から
a、bの長さを測定して、断面20個所の平均値を求め
たものである。
【0029】凹部を有するS形状あるいはH形状断面繊
維や中空部を有する9字形状あるいは8字形状断面繊維
は、例えば、熱可塑性重合体を紡糸する際に、紡糸口金
の孔の型をS字状、H字状、9字状あるいは8字状にし
た口金を使用し、紡糸、延伸することによって製造する
ことができる。
【0030】毛材繊維2の突出長さ(詰め物材をガラス
板とガラス板の間にはさみ、芯材との接触部分を基準に
して芯材から突出する毛材のループの先端までの距離H
を10ループ求め、その平均値とする。または、カット
形状を呈する毛材の場合は、芯材との接触部分を基準に
して芯材から突出する毛材の先端までの繊維の長さであ
り、1個の立毛の毛材を構成する単繊維の最短突出長さ
と最長突出長さとの平均値を求め、10個の立毛の平均
値とする)は、5〜50mmが好ましい。毛材繊維2の
長さが長くなり過ぎると、詰め物材相互の絡み合いが生
じ易く、ドレープ性や嵩の耐久性を損ないやすい。ま
た、短くなり過ぎると、毛材繊維2が短すぎて嵩高性を
損ないやすい。
【0031】毛材繊維2の単繊維繊度は、3デニール以
下であることが好ましい。単繊維繊度があまり太くなり
過ぎると、羽毛様のソフトで柔軟な風合いが得にくくな
る。単繊維繊度の下限は特にないが、詰め物相互の排除
性や圧縮に対する反発性の観点から、0.4デニール以
上であることが好ましい。
【0032】ここで、毛材繊維2の繊度は、毛材繊維の
比重ρをJIS L 1030 8.2の方法に準じて
測定し、さらに、毛材繊維の断面顕微鏡拡大写真を撮
り、断面積Scm2を求めて、次式により毛材繊維の繊
度dを求めたものである。
【0033】d=900000×ρS 羽毛様のソフトでヌメリ感のある柔軟な風合いを得るた
めには、少なくとも毛材繊維2の繊維表面にジメチルポ
リシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂が付着して
いることが好ましい。毛材繊維2の繊維表面にシリコー
ン樹脂が付着していると、前記ソフトでヌメリ感のある
柔軟な風合いに加えて、毛材繊維相互の絡み合いによる
嵩の耐久性を損ない難く、圧縮に対する反発性を向上さ
せる効果がある。ジメチルポリシロキサンの付着量は、
0.1〜2%owfであることが好ましい。0.1%o
wf未満では、風合い、嵩の耐久性あるいは反発性を向
上させる効果が少なくなることがあり、2%owfを越
えると、風合い、嵩の耐久性あるいは反発性を向上させ
る効果は高くなるが、コストも高くなり、経済的に不利
である。
【0034】次に、本発明の詰め物材の毛材繊維2に混
用される複合繊維A以外の繊維は、捲縮が無くてもよい
が、複合繊維Aと相互に排除性を阻害しない程度の捲縮
があってもよい。
【0035】また、芯材繊維1についても、嵩高性、嵩
の耐久性、ドレープ性および柔軟性を向上させる観点か
ら、前記複合繊維Aや扁平断面繊維あるいは、凹部を有
するS形状あるいはH形状断面繊維や中空部を有する9
字形状あるいは8字形状断面繊維を含むことが好まし
い。
【0036】本発明の詰め物材の毛材繊維2を抜け難い
構造にする観点から、芯材あるいは毛材に、芯材や毛材
の主構成繊維に比べて融点の低い繊維を混用し、芯材と
毛材が溶融接着している構造も好ましい。融点の低い繊
維としては、例えば、芯材繊維1や毛材繊維2に比べて
融点の低い熱可塑性重合体R3成分を鞘部とし、熱可塑
性重合体R3成分に比べて融点の高い熱可塑性重合体R
4成分を芯部とする芯鞘型の複合繊維が特に好ましい。
【0037】熱可塑性重合体Rとしては、例えば、ポリ
エステル系の場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、
エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンあるい
はオレフィン共重合体、ポリヘキサメチレンテレフ3成
分タレート、ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンテレフタレートイソフタレート
等のポリエステルあるいは共重合ポリエステル等の熱可
塑性ポリマから選ばれる、少なくとも一種類のポリマを
用いることができる。熱可塑性重合体R4成分は特に限
定されないが、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジ
カルボン酸成分とし、エチレングリコールもしくはテト
ラメチレングリコールを主たるグリコール成分とするポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、あるいはポリエチレン2,6−ナフタレート等のポ
リエステルを用い得る。また、ナイロン系の場合、例え
ば、熱可塑性重合体R4成分がナイロン6で熱可塑性重
合体R3成分がナイロン6にナイロン66を共重合して
融点を低くしたもの等も使用可能である。このような複
合繊維は、通常の複合紡糸法によって製造することがで
きる。
【0038】さらに、本発明の詰め物材の毛材繊維2を
抜け難い構造にする観点から、芯材繊維あるいは毛材繊
維を高収縮繊維、特に、芯材繊維を高収縮繊維とし、詰
め物材編成後熱処理して収縮せしめ、編み目を締めるこ
とも好ましい。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 [実施例1]芯材繊維1としては、イソフタル酸を7モ
ル%とビスフェノールAを4.5モル%とを共重合した
極限粘度が0.65、融点が214℃であるポリエチレ
ンテレフタレート系ポリエステル(酸化チタンを0.1
重量%含有)を用いて溶融紡糸、延伸して得られた75
デニール24フィラメントの中空円形断面糸(中空率2
4%)を使用した。また、毛材繊維2としては、熱可塑
性重合体R1成分としてイソフタル酸を7モル%とビス
フェノールAを4.5モル%とを共重合した極限粘度が
0.65、融点が214℃であるポリエチレンテレフタ
レート系ポリエステル(酸化チタンを0.1重量%含
有)を用い、熱可塑性重合体R2成分として極限粘度が
0.65、融点が255℃であるポリエチレンテレフタ
レート(酸化チタンを0.1重量%含有)用いて、R1
/R2の重量比が50/50の複合紡糸、延伸して得ら
れた150デニール、72フィラメントの図4に示すよ
うな円形断面サイドバイサイド型複合繊維Aとし、前記
複合繊維Aを3本引き揃えて60回/mのS撚りを入れ
た糸を使用した。
【0040】前記芯材繊維1および毛材繊維2を、一部
針抜きしたラッセル編機の地糸筬には芯材繊維1を通
し、鎖編み組織を構成させ、振り糸筬には毛材繊維2を
通して編み地を編成しながら、隣り合う鎖編みの間の振
り糸の中央を切断して、鎖編みに振り糸がついた毛羽糸
状で紐状の編み地とした。さらに、前記毛羽糸状で紐状
の編み地の振り糸と次の振り糸の中央の鎖編み部を切断
して、図2のような詰め物体とした後、前記詰め物体を
160℃の熱風乾燥機で5分間処理して詰め物材を得
た。
【0041】得られた詰め物材は、芯材繊維1の長手方
向の長さが14mm、3次元捲縮でカット状の毛材繊維
2の突出長さが平均14.1mmで、毛材繊維2が芯材
繊維1から抜け難く、詰め物材相互の排除性が高く嵩高
なものであり、触感は非常にソフトなものであった。
【0042】前記詰め物材を詰め物として掛け布団の側
地に空気流と共に吹き込んで、布団を作成したところ、
羽毛様の嵩高性、柔軟性および保温性を有する良好な掛
け布団が得られた。 [実施例2]実施例1で得られた詰め物体の熱風乾燥機
処理前に、ジメチルシロキサンを主成分とするシリコー
ン樹脂を0.7%owf付着させるように、スプレー法
で付着せしめた後、160℃で5分間熱風乾燥処理し
た。
【0043】得られた詰め物材を実施例1と同様にし
て、布団を作成したところ、羽毛様の嵩高性、嵩の耐久
性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を有す
る良好な掛け布団が得られた。 [実施例3]毛材繊維2としては、熱可塑性重合体R1
成分としてイソフタル酸を7モル%とビスフェノールA
を4.5モル%とを共重合した極限粘度が0.65、融
点が214℃であるポリエチレンテレフタレート系ポリ
エステル(酸化チタンを0.1重量%含有)を用い、熱
可塑性重合体R2成分として極限粘度が0.65、融点
が255℃であるポリエチレンテレフタレート(酸化チ
タンを0.1重量%含有)用いて、R1/R2の重量比
が50/50の複合紡糸、延伸、機械捲縮加工、乾燥し
て得られた1.7デニール、51mmの図4に示すよう
な円形断面サイドバイサイド型複合繊維Aとし、さら
に、酸化チタンを0.4重量%含有したポリエチレンテ
レフタレートを用いて溶融紡糸、延伸、機械捲縮加工、
乾燥して得られた1.7デニール、51mmの図7に示
すような凹部を有するS形状断面原綿(縦/横の長さ比
a/b=1.9)を製造し、複合繊維Aを25重量%、
S形状断面原綿を75重量%混綿して約0.5綿番手の
粗糸としてZ撚り70回/mを加えて使用する他は、実
施例2と同様にして布団を作成した。
【0044】得られた布団の詰め物材は、芯材繊維1の
長手方向の長さが14mm、カット状の毛材繊維2の突
出長さが平均8.1mmで、布団としては羽毛様の嵩高
性、嵩の耐久性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および
保温性を有する良好な掛け布団であった。 [実施例4]紡糸時に口金を変えて図9に示すような凹
部を有するH形状断面原綿(縦/横の長さ比a/b=
1.8)を製造し、実施例3の凹部を有するS形状断面
原綿に替える他は、実施例3と同様にして布団を作成し
た。
【0045】得られた布団の詰め物材は、芯材繊維1の
長手方向の長さが14mm、カット状の毛材繊維2の突
出長さが平均8.2mmで、布団としては羽毛様の嵩高
性、嵩の耐久性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および
保温性を有する良好な掛け布団であった。 [実施例5]芯材繊維1としては、実施例1の中空円形
断面糸を使用した。毛材繊維2としては、紡糸時に口金
を変えて図11に示すような中空部を有する9字形状断
面原綿(縦/横の長さ比a/b=2.1)を製造し、実
施例3の凹部を有するS形状断面原綿に替える他は、実
施例3と同様にして得られたZ撚り70回/mの粗糸を
使用した。
【0046】前記芯材繊維1を、一部針抜きしたラッセ
ル編機の地糸筬に通し、鎖編み組織を構成させ、毛材繊
維2は振り糸筬に通して、図3に示すような、芯材繊維
1の鎖編みに毛材繊維2がループ状に編み込まれた紐状
の編み地を編成した。この紐状の編み地の長手方向を切
断した後、ジメチルシロキサンを主成分とするシリコー
ン樹脂を0.7%owf付着させるように、スプレー法
で付着せしめ、160℃で5分間熱風乾燥処理して詰め
物材とし、実施例1と同様にして布団を作成した。
【0047】得られた布団の詰め物材は、ループ状を呈
するもの3集団と、カット状を呈するもの1集団で、芯
材繊維の長手方向の長さが18mm、毛材繊維2のルー
プ状を呈するものの突出長さが平均17.1mm、カッ
ト状を呈するものは突出長さが最大18.3mmの異な
った長さのものが混在し、その平均突出長さは9.8m
mであり、布団としては羽毛様の嵩高性、嵩の耐久性、
ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を有する良
好な掛け布団であった。 [実施例6]紡糸時に口金を変えて図13に示すような
中空部を有する8字形状断面原綿(縦/横の長さ比a/
b=2)を製造し、実施例5の中空部を有する9字形状
断面原綿に替える他は、実施例5と同様にして布団を作
成した。
【0048】得られた布団の詰め物材は、ループ状を呈
するもの3集団と、カット状を呈するもの1集団で、芯
材繊維の長手方向の長さが18mm、毛材繊維2のルー
プ状を呈するものの突出長さが平均17.3mm、カッ
ト状を呈するものは突出長さが最大18.4mmの異な
った長さのものが混在し、その平均突出長さは9.8m
mであり、布団としては羽毛様の嵩高性、嵩の耐久性、
ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を有する良
好な掛け布団であった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、羽毛様の嵩高性、嵩の
耐久性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を
有する詰め物材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカット状毛材繊維を有する詰め物材の
構造の一例をモデル的に示す概略図である。
【図2】本発明のカット状毛材繊維を有する詰め物材の
他の構造の一例をモデル的に示す概略図である。
【図3】本発明のループ状毛材繊維を有する詰め物材の
構造の一例をモデル的に示す概略図である。
【図4】本発明の詰め物材に用いる複合繊維の円形断面
の複合状態を示す一例をモデル的に示す概略図である。
【図5】本発明の詰め物材に用いる複合繊維の円形断面
の他の複合状態を示す一例をモデル的に示す概略図であ
る。
【図6】本発明の詰め物材に用いる複合繊維の扁平断面
の複合状態を示す一例をモデル的に示す概略図である。
【図7】本発明の詰め物材に用いるS形状断面繊維の縦
および横の長さを説明する説明図である。
【図8】本発明の詰め物材に用いる変形S形状断面繊維
の縦および横の長さを説明する説明図である。
【図9】本発明の詰め物材に用いるH形状断面繊維の縦
および横の長さを説明する説明図である。
【図10】本発明の詰め物材に用いる変形H形状断面繊
維の縦および横の長さを説明する説明図である。
【図11】本発明の詰め物材に用いる9字形状断面繊維
の縦および横の長さを説明する説明図である。
【図12】本発明の詰め物材に用いる変形9字形状断面
繊維の縦および横の長さを説明する説明図である。
【図13】本発明の詰め物材に用いる8字形状断面繊維
の縦および横の長さを説明する説明図である。
【図14】本発明の詰め物材に用いる変形8字形状断面
繊維の縦および横の長さを説明する説明図である。
【符号の説明】
1:芯材繊維 2:毛材繊維 3:芯材 a:S、H、9および8字形状断面繊維の縦の長さ b:S、H、9および8字形状断面繊維の横の長さ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯材繊維によって編み目構造に形成された
    芯材と、該芯材の編み目に編み込まれた毛材繊維とによ
    って形成され、かつ、少なくとも毛材繊維に2種以上の
    異なる熱可塑性重合体が接合されてなる複合繊維Aが含
    まれていることを特徴とする詰め物材。
  2. 【請求項2】芯材の編み目構造が、鎖編み組織であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の詰め物材。
  3. 【請求項3】芯材の長手方向の長さが5〜100mmで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の詰め物
    材。
  4. 【請求項4】毛材繊維が複合繊維Aおよび凹部を有する
    S形状またはH形状断面繊維を含むことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の詰め物材。
  5. 【請求項5】毛材繊維が複合繊維Aおよび中空部を有す
    る9字形状または8字形状断面繊維を含むことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の詰め物材。
  6. 【請求項6】芯材から突出する毛材繊維の突出長さが5
    〜50mmであることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の詰め物材。
  7. 【請求項7】毛材繊維の単繊維繊度が3デニール以下で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    詰め物材。
  8. 【請求項8】少なくとも毛材繊維の繊維表面にジメチル
    ポリシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂が付着し
    ていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の詰め物材。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の詰め物材
    を用いてなることを特徴とする布団。
  10. 【請求項10】請求項1〜8のいずれかに記載の詰め物
    材を用いてなることを特徴とするクッション。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれかに記載の詰め物
    材を用いてなることを特徴とする枕。
  12. 【請求項12】請求項1〜8のいずれかに記載の詰め物
    材を用いてなることを特徴とする詰め物入りジャケッ
    ト。
  13. 【請求項13】請求項1〜8のいずれかに記載の詰め物
    材を用いてなることを特徴とする寝袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004008897A1 (de) * 2002-07-18 2004-01-29 Thermobalance Ag Daunenähnliches füllmaterial und verfahren zu dessen herstellung

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