JPH11253672A

JPH11253672A - 詰め物材

Info

Publication number: JPH11253672A
Application number: JP6523598A
Authority: JP
Inventors: Masumi Fujimoto; 倍巳藤本; Tomoshige Sugino; 知重杉野; Noriyoshi Shintaku; 知徳新宅
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1998-03-16
Filing date: 1998-03-16
Publication date: 1999-09-21

Abstract

(57)【要約】【課題】羽毛様の嵩高性、嵩の耐久性、ドレープ性、柔
軟性、ヌメリ感および保温性を有する詰め物材を提供す
ること。【解決手段】芯材繊維維により編み目構造に形成された
芯材と、該芯材の編み目に編み込まれた毛材繊維とによ
って形成され、かつ、毛材繊維にＳ形状またはＨ形状断
面繊維を含み、さらに、少なくともループ状を呈する毛
材繊維が含まれていることを特徴とする詰め物材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、布団、クッショ
ン、枕、詰め物入りジャケット、寝袋などに使用する詰
め物材に関するもので、さらに詳しくは、羽毛様の嵩高
性、嵩の耐久性、ドレープ性、柔軟性、ヌメリ感および
保温性を有する詰め物材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、布団、クッション、枕、ジャケッ
ト、寝袋などに使用する詰め物材としては、木綿、羊
毛、羽毛、ナイロン、ポリエステルなどが使用され、そ
の中でも特に高級品として羽毛がある。また、高級品で
ある羽毛様の風合いを狙って、詰め物の繊度、捲縮、断
面形状などの組合せで改良したものや、例えば、特公昭
５２−２８４２６号公報などに提案されているように、
繊維の表面にシリコーン樹脂を付着させたものがある。
さらに、繊維をゴム毬状にした、いわゆるファイバーボ
ールなどが提案されている。しかしながら、嵩高性、嵩
の耐久性、ドレープ性、柔軟性および保温性などの特性
をバランスよく有する詰め物材はこれまでみられなかっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、羽毛
様の嵩高性、嵩の耐久性、ドレープ性、柔軟性、ヌメリ
感および保温性をバランスよく有する詰め物材を提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の詰め物材は、前
記の課題を解決するために、次の構成を有する。

【０００５】すなわち、芯材繊維維により編み目構造に
形成された芯材と、該芯材の編み目に編み込まれた毛材
繊維とによって形成され、かつ、毛材繊維にＳ形状また
はＨ形状断面繊維を含み、さらに、少なくともループ状
を呈する毛材繊維が含まれていることを特徴とする詰め
物材である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の詰め物材につい
て、図面に示す実施例を参照しつつ詳細に説明する。

【０００７】図１は、本発明の詰め物材の構造の一例を
示す概略図である。本発明は、芯材繊維１により編み目
構造（図１の例では鎖編み組織）に形成された芯材３
と、該芯材３の編み目構造に毛材繊維２を鎖編み組織内
に編み込んで形成したものであり、毛材繊維２が芯材３
の編み組織内に編み込まれているため、毛材繊維２の毛
材抜けし難いという構造としたものである。

【０００８】芯材繊維１の１編み目列における毛材繊維
２の集団の数は、図１では毛材繊維２がループ形状を呈
するもの１集団と、カット形状を呈するもの１集団の混
在したものの例であるが、特に限定されるものではな
く、ループ形状を呈するもの１集団の場合や、ループ形
状を呈するもの２集団以上、あるいはループ形状を呈す
るものと、カット形状を呈するものの混在した３集団以
上の毛材繊維をもつ構造であってもよく、少なくともル
ープ形状を呈する毛材繊維を含むものである。このルー
プ形状を呈する毛材繊維２が含まれることにより、詰め
物材相互の排除性を高めて、羽毛様の嵩高性、嵩の耐久
性、ドレープ性および柔軟性を付与することができる。

【０００９】次に、毛材繊維２としては、構成繊維に凹
部を有するＳ形状断面（当然のことであるがＳ形状断面
は、繊維の長さ方向の見る方向によってＺ形状断面にな
るが、以下Ｓ形状断面と称す）繊維、またはＨ形状断面
（偏平度によってはＩ形状断面に近いものも含めてＨ形
状断面と称す）繊維を含むものである。図２および図４
は、本発明の毛材繊維に含まれる、凹部を有するＳ形状
またはＨ形状断面繊維の断面の一例を示す説明図であ
る。この凹部を有するＳ形状またはＨ形状断面繊維は、
詰め物材の相互排除性を高めて嵩高性を向上させると同
時に、柔軟性およびドレープ性を向上させる重要な要素
である。この観点から、毛材繊維２に含まれる凹部を有
するＳ形状またはＨ形状断面繊維の割合は、２０重量％
以上が好ましく、５０重量％以上がより好ましい。

【００１０】（凹部の定義は必要ありませんか。Ｓ形状
またはＨ形状では普通凹部を有するのでは）本発明においては、Ｓ形状またはＨ形状断面の縦方向の
長さａと横方向の長さｂとの比、すなわち、縦／横の長
さ比ａ／ｂが０．２〜４．５の範囲であることが好まし
い。

【００１１】まず、Ｓ形状断面の縦方向の長さａおよび
横方向の長さｂとは、図２で示すように、まず接線Ｌ
１、Ｌ２を引き、接線Ｌ１に垂直でＳ形状断面に接する
線Ｍ１、Ｍ２を引いて、接線Ｌ１と接線Ｍ１、Ｍ２の交
点間の距離を縦方向の長さａとし、接線Ｍ１と接線Ｌ
１、Ｌ２の交点間の距離を横方向の長さｂとする。接線
Ｌ１とＬ２が平行にならない場合は、図３に示すよう
に、まず接線Ｌ３、Ｌ４を引き、接線Ｌ３に垂直でＳ形
状断面に接する線Ｍ３、Ｍ４を引いて、接線Ｌ３と接線
Ｍ３、Ｍ４の交点間の距離ａ１と接線Ｌ４と接線Ｍ３、
Ｍ４の交点間の距離ａ２を求めてその平均値、すなわ
ち、（ａ１＋ａ２）／２を縦方向の長さａとし、接線Ｍ
３と接線Ｌ３、Ｌ４の交点間の距離ｂ１と接線Ｍ４と接
線Ｌ３、Ｌ４の交点間の距離ｂ２を求めてその平均値、
すなわち、（ｂ１＋ｂ２）／２を横方向の長さｂとす
る。

【００１２】また、Ｈ形状断面は、図４でより具体的に
説明すると、両側に位置して上下方向にのびている部分
（以下「足」と称する）と、その二つの足を結ぶように
水平線（左右）方向にのびている連結部とから形成され
てＨ型をなす断面形状である。その横方向の長さｂと
は、図４で示すように、両足の外側面の接線間の長さを
いう。一つの足の外側面に接する接線Ｌ１と他の足の外
側面に接する接線Ｌ２が平行にならない場合は、図５に
示す各交点から求めるものとする。すなわち、図５に示
すように、足の外側面に接する接線Ｌ１、Ｌ２を描き、
接線Ｌ１と足の上端に接する水平線Ｍ１との交点Ｏ、接
線Ｌ１と左の足下端に接する水平線Ｍ２との４交点Ｐ、
の接線Ｌ２と右の足の下端に接する水平線Ｍ４との交点
Ｒを求める。次に、交点Ｏと交点Ｑをそれぞれ通過する
垂線間の距離ｂ１と、交点Ｐと交点Ｒをそれぞれ通過す
る垂線間の距離ｂ２を求め、それらの距離の平均値、す
なわち、（ｂ１＋ｂ２）／２の値を横方向の長さｂとす
る。

【００１３】さらに、Ｈ形状断面の縦方向の長さａと
は、図４に示すように、両足の上部を結ぶ接線と両足の
下部を結ぶ接線間の長さをいう。一つの足の長さと他の
一つの足の長さが異なる場合には、先の図５でいうと、
左の足の長さとして、左の足の上端に接する水平線Ｍ１
と左の足の下端に接する水平線Ｍ２との距離ａ１を求
め、右の足の長さとして、右の足の上端に接する水平線
Ｍ３と右の足の下端に接する水平線Ｍ４との距離ａ２を
求め、それらの距離の平均値、すなわち（ａ１＋ａ２）
／２の値を縦方向の長さａとする。

【００１４】Ｓ形状またはＨ形状断面の縦／横の長さ比
ａ／ｂが０．２未満では、扁平度が高くなって嵩高性、
嵩の耐久性および圧縮に対する反発性が低下することが
ある。また、Ｓ形状またはＨ形状断面の縦／横の長さ比
ａ／ｂが４．５を越えても扁平度が高くなって、嵩高
性、嵩の耐久性および圧縮に対する反発性が低下するこ
とがある。

【００１５】なお、Ｓ形状またはＨ形状断面の縦／横の
長さ比ａ／ｂはパイルの電子顕微鏡断面写真（倍率は１
０００倍）をとり、その写真からａ、ｂの長さを測定し
て、断面２０個所の平均を求めたものである。

【００１６】Ｓ形状断面繊維は、例えば、熱可塑性樹脂
を紡糸する際に、紡糸口金の孔の型をＳ字状にしたもの
を使用して紡糸、延伸することによって得ることができ
るし、Ｈ形状断面繊維は、例えば、熱可塑性樹脂を紡糸
する際に、紡糸口金の孔の型をＨ字状にしたものを使用
して紡糸、延伸することによって得ることができる。

【００１７】芯材繊維１で構成される編み目構造の芯材
の長手方向（編み目の連なる方向）の長さは、５〜１０
０ｍｍが好ましい。芯材の長手方向の長さが長くなり過
ぎると、詰め物材相互の絡み合いが生じ易く、ドレープ
性を損ないやすい。また、あまり短くなると、毛材を保
持する芯材が少なくなって毛材繊維２と芯材繊維１が分
離しやすくなるので好ましくない。

【００１８】毛材繊維２の突出長さ（詰め物材をガラス
板とガラス板の間にはさみ、芯材との接触部分を基準に
して芯材から突出する毛材のループの先端までの距離Ｈ
を１０ループ求め、その平均値とする。または、カット
形状を呈する毛材の場合は、芯材との接触部分を基準に
して芯材から突出する毛材の先端までの繊維の長さであ
り、１個の立毛の毛材を構成する単繊維の最短の突出長
さと最長の突出長さとの平均値を求め、１０個の立毛の
平均値とする）は、５〜５０ｍｍが好ましい。毛材繊維
２の長さが長くなり過ぎると、詰め物材相互の絡み合い
が生じ易く、ドレープ性や嵩の耐久性を損ないやすい。
また、短かくなり過ぎるとなると、毛材繊維２が短か過
ぎて嵩高性を損ないやすい。

【００１９】毛材繊維２の単繊維繊度は、３デニール以
下であることが好ましい。単繊維繊度があまり太くなり
過ぎると、羽毛様のソフトで柔軟な風合いが得にくくな
る。単繊維繊度の下限は特にないが、詰め物相互の排除
性や圧縮に対する反発性の観点から、０．４デニール以
上であることが好ましい。

【００２０】ここで、毛材繊維２の繊度は、毛材繊維の
比重ρをＪＩＳＬ１０３０８．２の方法に準じて
測定し、さらに、毛材繊維の断面顕微鏡拡大写真を撮
り、断面積Ｓｃｍ²を求めて、次式により毛材繊維の繊
度ｄを求めたものである。

【００２１】ｄ＝９０００００×ρＳ羽毛様のソフトでヌメリ感のある柔軟な風合いを得るた
めには、少なくとも毛材繊維２の繊維表面にジメチルポ
リシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂が付着して
いることが好ましい。毛材繊維２の繊維表面にシリコー
ン樹脂が付着していると、前記ソフトでヌメリ感のある
柔軟な風合いに加えて、毛材繊維相互の絡み合いによる
嵩の耐久性を損ない難く、圧縮に対する反発性を向上さ
せる効果がある。ジメチルポリシロキサンの付着量は、
０．１〜２％ｏｗｆであることが好ましい。０．１％ｏ
ｗｆ未満では、風合い、嵩の耐久性あるいは反発性を向
上させる効果が少なくなることがあり、２％ｏｗｆを越
えると、風合い、嵩の耐久性あるいは反発性を向上させ
る効果は高くなるが、コストも高くなり、経済的に不利
である。

【００２２】次に、本発明の詰め物材の毛材繊維２は、
捲縮が無くてもよいが、毛材繊維２相互に排除性を与え
て嵩高性を向上させるため、機械捲縮あるいは口金直下
で非対称冷却して得られる３次元構造差捲縮などの捲縮
を有するのが好ましい。この捲縮数は３〜１０山／２５
ｍｍの範囲が好ましく、捲縮度は５〜３０％の範囲が好
ましい。

【００２３】また、芯材繊維１についても、嵩高性、嵩
の耐久性、ドレープ性および柔軟性を向上させる観点か
ら、凹部を有するＳ形状またはＨ形状断面繊維であるこ
とが好ましい。そのためには、芯材繊維１に含まれる凹
部を有するＳ形状またはＨ形状断面繊維の割合は、２０
重量％以上が好ましく、５０重量％以上がより好まし
い。

【００２４】本発明の詰め物材の毛材繊維２を抜け難い
構造にする観点から、芯材あるいは毛材に、芯材や毛材
の主構成繊維に比べて融点の低い繊維を混用し、芯材と
毛材が溶融接着している構造も好ましい。融点の低い繊
維としては、例えば、芯材繊維１や毛材繊維２に比べて
融点の低い熱可塑性重合体Ｒ１成分を鞘部とし、熱可塑
性重合体Ｒ１成分に比べて融点の高い熱可塑性重合体Ｒ
２成分を芯部とする芯鞘型の複合繊維が特に好ましい。

【００２５】熱可塑性重合体Ｒ１成分としては、例え
ば、ポリエステル系の場合、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共
重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィ
ンあるいはオレフィン共重合体、ポリヘキサメチレンテ
レフタレート、ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレ
ート、ポリヘキサメチレンテレフタレートイソフタレー
ト等のポリエステルあるいは共重合ポリエステル等の熱
可塑性ポリマから選ばれる、少なくとも一種類のポリマ
を用いることができる。熱可塑性重合体Ｒ２成分は特に
限定されないが、例えば、テレフタル酸、２，６−ナフ
タレンジカルボン酸あるいはそれらのエステルを主たる
ジカルボン酸成分とし、エチレングリコールもしくはテ
トラメチレングリコールを主たるグリコール成分とする
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、あるいはポリエチレン２，６−ナフタレートなど
のポリエステルを用い得る。また、熱可塑性重合体Ｒ１
としては、例えば、ナイロン系の場合、熱可塑性重合体
Ｒ２成分がナイロン６で熱可塑性重合体Ｒ１成分がナイ
ロン６にナイロン６６を共重合して融点を低くしたもの
なども使用可能である。このような複合繊維は、通常の
複合紡糸法によって製造することができる。

【００２６】

【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。

【００２７】［実施例１］芯材繊維１として、酸化チタ
ンを０．４重量％含有したポリエチレンテレフタレート
を用いて溶融紡糸、延伸して得られた７５デニール３６
フィラメントの丸断面糸を使用し、毛材繊維２として、
酸化チタンを０．４重量％含有したポリエチレンテレフ
タレートを用いて溶融紡糸、延伸して得られた１５０デ
ニール４８フィラメントのＳ形状断面糸（縦／横の長さ
比ａ／ｂ＝２．１）３本を引き揃えて６０回／ｍのＳ撚
りをいれた糸を使用した。前記芯材繊維１および毛材繊
維２を、一部針抜きしたラッセル編機の地糸筬には芯材
繊維１を通し、鎖編み組織を構成させ、振り糸筬には毛
材繊維２を通して、紐状の編み地を編み地を編成した。
この紐状の編み地の長手方向を切断した後、市販の洗剤
を溶かした４０℃の水溶液中で撹拌洗濯、４０℃の温水
洗浄、乾燥して、図１に示す様な詰め物材を得た。

【００２８】得られた詰め物材は、ループ形状を呈する
もの３集団とカット形状を呈するもの１集団で、芯材の
長手方向の長さが１７ｍｍ、毛材繊維２のループ形状を
呈するものの突出長さが平均１４．３ｍｍ、カット形状
を呈するものの突出長さが平均１６．１ｍｍであり、毛
材が芯材から抜け難く、詰め物材相互の排除性が高く
て、嵩高なものであり、触感は非常にソフトなものであ
った。

【００２９】前記詰め物材を詰め物として、掛け布団の
側地に空気流と共に吹き込んで、布団を作成したとこ
ろ、羽毛様の嵩高性、柔軟性および保温性を有する良好
な掛け布団が得られた。

【００３０】［実施例２］実施例１で得られた詰め物材
に、ジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂
を０．７％ｏｗｆ付着させるように、スプレー法で付着
せしめ、１４５℃で１０分間乾燥した。

【００３１】得られた詰め物材を実施例１と同様にし
て、布団を作成したところ、羽毛様の嵩高性、嵩の耐久
性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を有す
る良好な掛け布団が得られた。

【００３２】［実施例３］毛材繊維として、酸化チタン
を０．４重量％含有したポリエチレンテレフタレートを
用いて溶融紡糸、延伸、機械捲縮加工、乾燥して得られ
た１．７デニール、５１ｍｍのＳ形状断面原綿（縦／横
の長さ比ａ／ｂ＝１．８）を用いて約０．５綿番手の粗
糸とし、この粗糸にＺ撚り７０回／ｍの撚りを加えて使
用する他は、実施例３と同様にして詰め物材を得た。

【００３３】得られた詰め物材は、ループ形状を呈する
もの３集団とカット形状を呈するもの１集団で、芯材の
長手方向の長さが１４ｍｍ、毛材繊維２のループ形状を
呈するものの突出長さが平均１５．１ｍｍ、カット形状
を呈するものの突出長さが最大１６．１ｍｍの異なった
長さのものが混在し、その平均突出長さは９．３ｍｍで
あり、毛材が芯材から抜け難く、詰め物材相互の排除性
が高くて、嵩高なものであり、触感は非常にソフトなも
のであった。

【００３４】前記詰め物材を実施例２と同様にして、ジ
メチルシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂を０．
７％ｏｗｆ付着させるように、スプレー法で付着せし
め、１４５℃で１０分間乾燥した。

【００３５】得られた詰め物材を実施例１と同様にし
て、布団を作成したところ、羽毛様の嵩高性、嵩の耐久
性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を有す
る良好な掛け布団が得られた。

【００３６】［実施例４］毛材繊維として、酸化チタン
を０．４重量％含有したポリエチレンテレフタレートを
用いて溶融紡糸、延伸、機械捲縮加工、乾燥して得られ
た１．６デニール、５１ｍｍのＨ形状断面原綿（縦／横
の長さ比ａ／ｂ＝０．６）を使用する他は、実施例３と
同様にして詰め物材を得た。

【００３７】得られた詰め物材は、ループ形状を呈する
もの３集団とカット形状を呈するもの１集団で、芯材の
長手方向の長さが１４ｍｍ、毛材繊維２のループ形状を
呈するものの突出長さが平均１５．３ｍｍ、カット形状
を呈するものの突出長さが最大１６．２ｍｍの異なった
長さのものが混在し、その平均突出長さは９．４ｍｍで
あり、毛材が芯材から抜け難く、詰め物材相互の排除性
が高くて、嵩高なものであり、触感は非常にソフトなも
のであった。

【００３８】前記詰め物材を実施例２と同様にして、ジ
メチルシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂を０．
７％ｏｗｆ付着させるように、スプレー法で付着せし
め、１４５℃で１０分間乾燥した。

【００３９】得られた詰め物材を実施例１と同様にし
て、布団を作成したところ、羽毛様の嵩高性、嵩の耐久
性、ドレープ性、ヌメリ感、柔軟性および保温性を有す
る良好な掛け布団が得られた。

【００４０】

【発明の効果】本発明によれば、羽毛様の嵩高性、嵩の
耐久性、ドレープ性、柔軟性、ヌメリ感および保温性を
有する詰め物材を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の詰め物材の構造の一例をモデル的に示
す概略図である。

【図２】本発明の詰め物材に用いるＳ形状断面繊維にお
ける縦および横の長さを説明する説明図である。

【図３】本発明の詰め物材に用いる変形Ｓ形状断面繊維
における縦および横の長さを説明する説明図である。

【図４】本発明の詰め物材に用いるＨ形状断面繊維にお
ける縦および横の長さを説明する説明図である。

【図５】本発明の詰め物材に用いる変形Ｈ形状断面繊維
における縦および横の長さを説明する説明図である。

【符号の説明】

１：芯材繊維２：毛材繊維３：芯材ａ：ＳまたはＨ形状断面繊維の縦の長さｂ：ＳまたはＨ形状断面繊維の横の長さ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩ // Ｄ０１Ｄ 5/253 Ｄ０１Ｄ 5/253 Ｄ０４Ｂ 1/16 Ｄ０４Ｂ 1/16

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】芯材繊維維により編み目構造に形成された
芯材と、該芯材の編み目に編み込まれた毛材繊維とによ
って形成され、かつ、毛材繊維にＳ形状またはＨ形状断
面繊維を含み、さらに、少なくともループ状を呈する毛
材繊維が含まれていることを特徴とする詰め物材。
【請求項２】芯材の編み目構造が、鎖編み組織であるこ
とを特徴とする請求項１に記載の詰め物材。
【請求項３】芯材の長手方向の長さが５〜１００ｍｍで
あることを特徴とする請求項１または２に記載の詰め物
材。
【請求項４】芯材から突出する毛材繊維の突出長さが５
〜５０ｍｍであることを特徴とする請求項１〜３のいず
れかに記載の詰め物材。
【請求項５】毛材繊維の単繊維繊度が３デニール以下で
あることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の
詰め物材。
【請求項６】少なくとも毛材繊維の繊維表面にジメチル
ポリシロキサンを主成分とするシリコーン樹脂が付着し
ていることを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載
の詰め物材。
【請求項７】請求項１〜６のいずれかに記載の詰め物材
を用いてなることを特徴とする布団。
【請求項８】請求項１〜６のいずれかに記載の詰め物材
を用いてなることを特徴とするクッション。
【請求項９】請求項１〜６のいずれかに記載の詰め物材
を用いてなることを特徴とする枕。
【請求項１０】請求項１〜６のいずれかに記載の詰め物
材を用いてなることを特徴とする詰め物入りジャケッ
ト。
【請求項１１】請求項１〜６のいずれかに記載の詰め物
材を用いてなることを特徴とする寝袋。